JP2008101891A - 冷却装置 - Google Patents

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幸博 一色
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Junichi Muta
淳一 牟田
Yasushi Tanaka
康 田中
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Abstract

【課題】 省エネルギーを実現し、冷却性能の低下を防止し、しかも安全性を向上させることである。
【解決手段】 扉を有し被冷却物3を収容する冷却室2と、冷却用熱交換器9にて冷却された前記冷却室2内の空気により被冷却物を冷却する冷風冷却手段5とを備え、この冷風冷却手段5が前記冷却室2内の空気を循環させるファン13とこのファン13による循環流中に被冷却物3および前記冷却用熱交換器9を位置させるように循環経路を構成する循環経路構成部材とを含む冷却装置であって、前記冷却用熱交換器9が圧縮機52から吐出され液化された冷媒を蒸発するように構成され、前記扉の開放検知により、前記ファン13を停止するとともに、前記圧縮機52の運転を継続する制御手段6を備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、冷風冷却を行う冷却装置に関する。
従来、冷風冷却装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この冷風冷却装置は、コンデンシングユニットの圧縮機から供給される冷媒を蒸発させる冷風用熱交換器およびファンを冷却室の上部に配置し、被冷却物を冷却室の下部に収容するように構成している。
こうした構成の冷風冷却装置においては、品温の確認や食材の出し入れのために冷却室の扉を開くことがある。冷却運転中に扉を開くと前記冷却室内の冷風が急速に冷却室外へ流れるためにエネルギーロスが大きいとともに、圧縮機が運転を続けているので、電力が無駄に使用され、省エネルギーの点で課題がある。この課題を解決するために、圧縮機を停止するとともに、前記ファンを停止することも考えられるが、圧縮機を停止すると、圧縮機の再起動に時間がかかるために、冷却性能が低下する課題がある。また、扉を開いた際に、誤って回転しているファンに触れる虞があり、安全性に問題がある。
特開2002−318051公報
この発明が解決しようとする課題は、省エネルギーを実現し、冷却性能の低下を防止し、しかも安全性を向上させることである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、扉を有し被冷却物を収容する冷却室と、冷却用熱交換器にて冷却された前記冷却室内の空気により被冷却物を冷却する冷風冷却手段とを備え、この冷風冷却手段が前記冷却室内の空気を循環させるファンとこのファンによる循環流中に被冷却物および前記冷却用熱交換器を位置させるように循環経路を構成する循環経路構成部材とを含む冷却装置であって、前記冷却用熱交換器が圧縮機から吐出され液化された冷媒を蒸発するように構成され、前記扉の開放検知により、前記ファン機を停止するとともに、前記圧縮機の運転を継続する制御手段を備えたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、前記扉の開放とともに前記ファンが停止されるので、冷風が前記冷却室から吹き出されることによるエネルギーロスを抑制できる。また、前記圧縮機の運転を継続するので、短時間で前記扉を閉じた場合、連続的に冷却運転を続けることができ、前記圧縮機停止による冷却性能の低下を防止できる。さらに、前記扉を開放すると前記ファンを停止するので、回転中の前記ファンに不用意に触れることによる危険を防止できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記ファンまたはその駆動用のモータは、制動手段を備え、前記制御手段は、前記扉の開放検知により前記制動手段を作動させて前記モータを停止することを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加えて、前記扉の開放とともに、速やかに前記ファンを停止することができるので、省エネルギー効果と安
全性の向上をより高めることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2において、前記扉の開放を検知する扉センサを備え、前記制御手段は、前記扉センサの異常を判定した時、前記ファンを停止することを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明による効果に加えて、前記扉センサの異常による危険を回避できるという効果を奏する。
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記被冷却物の品温を検出する品温センサを備え、前記制御手段は、前記扉センサが閉止を検出し、かつ前記品温センサにより検出された品温の上昇割合が第一条件を満たした時、前記扉センサの異常を判定することを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明による効果に加えて、扉センサを複数設けることなく、前記品温センサを用いて前記扉センサの異常を検出でき、異常検出手段の構成を簡素化できるという効果を奏する。
請求項5に記載の発明は、請求項4において、真空冷却手段と、前記冷却室内の圧力を検出する圧力センサとを備え、前記制御手段は、前記扉センサによる閉止検出条件および前記第一条件に加えて、前記品温が設定温度以上となる第二条件と前記圧力センサが前記扉の開放を判定可能な設定圧力以上を検出する第三条件とを同時に満たした時、前記扉センサの異常を判定することを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明による効果に加えて、前記被冷却物に前記品温センサを刺していない時、真空冷却後の復圧時の空気導入により温度が上昇して前記第一条件を満たすことにより前記扉センのサ異常と誤判定を防止するとともに、同じく前記被冷却物に品温センサを刺していない状態で真空冷却中に被冷却物から出た蒸気が前記品温センサに凝縮して温度が上昇して前記第一条件を満たすことにより、前記扉センサの異常と誤判定することを防止できるという効果を奏する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5において、前記循環経路構成部材は、前記冷却室内を第一領域と第二領域とに上下に区画し、連通用の開口により前記第一領域および前記第二領域を連通する着脱自在の区画壁を含み、前記第一領域に被冷却物を収容するとともに、前記第二領域に前記冷却用熱交換器および前記ファンを配置したことを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜請求項5に記載の発明による効果に加えて、前記冷却用熱交換器の洗浄を容易に行うことができるとともに、前記冷却用熱交換器の洗浄などの際に、前記扉を開いて洗浄作業を行う際の安全を確保することができるという効果を奏する。
この発明によれば、省エネルギーを実現し、冷却性能の低下を防止し、しかも安全性を向上させることができる。
つぎに、この発明の冷却装置の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、被冷却物を冷風冷却する冷風冷却装置および被冷却物を冷風冷却と真空冷却とによって冷却可能な複合冷却装置に適用される。
この実施の形態を具体的に説明する。この実施の形態は、扉を有し被冷却物を収容する冷却室と、冷却用熱交換器にて冷却された前記冷却室内の空気により被冷却物を冷却する冷風冷却手段とを備え、この冷風冷却手段が前記冷却室内の空気を循環させるファンとこのファンによる循環流中に被冷却物および前記冷却用熱交換器を位置させるように循環経路を構成する循環経路構成部材とを含む冷却装置であって、前記冷却用熱交換器が圧縮機から吐出され液化された冷媒を蒸発するように構成され、前記扉の開放検知により、前記ファンを停止するとともに、前記圧縮機の運転を継続する制御手段を備えたことを特徴とする冷却装置である。
この実施の形態においては、冷却運転中に何らかの理由により前記扉を開くと、前記制御手段は、前記ファンを停止するとともに、前記圧縮機の運転を継続する。その結果、前記ファンの回転による前記冷却室から前記冷却室外への冷風吹出が防止され、エネルギーロスを抑えることができる。そして、前記圧縮機の運転継続により、比較的短時間で前記扉を閉めると、直ちに冷風冷却運転が再開され、前記圧縮機を停止するものと比較して、冷却性能の低下を防止できる。また、前記ファンが停止されるので、仮に前記ファンに触れるようなことがあっても安全である。
この実施の形態の各構成要素について説明する。被冷却物は、好ましくは食材とするが、これに限定されるものではない。前記冷却室は、被冷却物を収容する密閉空間を形成するとともに、被冷却物を出し入れする開口およびこれを開閉する扉を備えたものであれば、その形式、種類および大きさは問わない。この冷却室は、冷却室,冷却区画、冷却容器などと称することができる。
前記冷風冷却手段は、前記冷却室内の空気を循環させるファン(空気循環手段)と、このファンによる循環流中に被冷却物および前記冷却用熱交換器を位置させるように循環経路を構成する循環経路構成部材とを備えたものとする。前記循環経路は、つぎの二つの態様を含む。
前記循環経路の第一の態様は、前記冷却室内において前記循環経路構成部材により構成するものである。前記循環経路構成部材は、前記区画壁などを含む。この区画壁は、前記冷却室内を上下に第一領域と第二領域とに区画するものである。そして、前記第一領域に被冷却物を収容し、前記第二領域に前記冷却用熱交換器を配置している。前記ファンは、好ましくは前記第二領域に配置する。
前記第一領域と前記第二領域とは、前記区画壁と前記冷却室壁との間に第一開口および第二開口を形成するか、前記区画壁に前記第一開口および第二開口を形成することで、前記第一領域→前記第一開口→前記第二領域→前記第二開口→前記第一領域なる循環経路を形成している。
前記区画壁は、着脱自在に構成され、外した状態で、前記冷却用熱交換器が前記冷却室の被冷却物を出し入れする開口から露出するように構成されている。こうした構成により、前記冷却用熱交換器の洗浄を容易に行えるように構成している。
前記循環経路構成部材として、前記被冷却物を冷却した後の冷風を前記区画壁の第一開口へ戻す第一送風ガイドと前記区画壁の第二開口からの冷風を被冷却物へ向けて案内する第二送風ガイドとを前記第二領域に設けることができる。前記第一送風ガイドおよび前記第二送風ガイドは、好ましくは、前記区画壁に着脱自在に構成する。また、前記第一送風ガイドおよび前記第二送風ガイドは、好ましくはダクト状に形成する。
前記循環経路の第二の態様としては、被冷却物を収容する前記冷却室と、前記冷却室と独立して形成され前記冷却用熱交換器および前記ファンを備えた冷風生成室とを併設し、前記冷却室と前記冷風生成室とを通風路(ダクト)または開口にて連結して、前記冷却室と前記冷風生成室との間を冷風が循環するように構成したものである。この場合、前記扉は、前記冷却室のみとするとこができる。この第二の態様においては、前記冷却室に前記扉を備えるが、前記冷風生成室にも前記冷却用熱交換器などの清掃,点検のための扉を別に設けることができる。前記冷風生成室の扉は、前記冷却室の扉と一体に構成することもできる。
前記冷却用熱交換器は、好ましくは、被冷却物を冷風冷却によりチルド域まで冷却可能な低温(たとえば−10℃以下)とすることができ、冷凍機のコンデンシングユニットの圧縮機から供給される液化冷媒を蒸発して間接熱交換により前記冷却室内の空気を冷却する蒸発器から構成する。
そして、この実施の形態においては、好ましくは、前記冷却室内を減圧することで被冷却物を真空冷却する真空冷却手段を備え、冷風冷却と真空冷却とを行える複合冷却装置として構成する。
前記減圧器は、真空ポンプまたは水エゼクタとすることができる。前記真空ポンプは、好ましくは、水封式真空ポンプとする。
また、前記制御手段は、前記扉の開放および閉止を関知する扉センサ(ドアセンサ),被冷却物の温度(品温)を検出するセンサ(品温センサ),前記冷却室無いの圧力(または温度)を検出する室内圧力センサからの信号を入力して、前記圧縮機,前記ファンを駆動するモータなどを制御する。この制御手段による制御手順には、冷却運転のための制御手順(冷却プログラム)を含み、この冷却プログラムには、前記扉の開閉に関して行う制御手順(扉開閉時制御プログラム)を含んでいる。前記扉センサは、近接スイッチやリミットスイッチなどのスイッチを用いることができる。
前記扉開閉時制御プログラムは、前記扉センサによる開放検知により、前記送風機を停止するとともに、前記圧縮機の運転を継続するものである。この圧縮機の運転継続の態様としては、前記圧縮機の回転数を変化させることなく前記圧縮機の運転を設定時間継続する態様と、前記圧縮機の回転数を低下させて、前記圧縮機の運転を設定時間継続する態様と、前記圧縮機の回転数を微速に低下させ、時間を限定することなく前記圧縮機の運転を継続する態様とを含む。前記設定時間継続するとは、前記ファンの停止により前記圧縮機の低圧側圧力が前記圧縮機を停止する設定圧力(異常低圧)とならないように運転継続時間を設定し、設定時間を時間をタイマーにより計測して制御することを意味するのみならず、前記異常低圧よりも高い圧力を設定し、この設定圧力を前記圧縮機の低圧側圧力検出センサにより検出して制御することを意味するものである。
この扉開閉時制御プログラムにおいて、好ましくは、前記ファンの回転軸にブレーキからなる制動手段を備えるか、前記ファンの駆動用のモータに制動手段を設け、前記制御手段が、前記扉の開放検知により前記制動手段を作動させて前記モータを停止するように構成する。
前記モータの制動手段としては、好ましくは、前記制御手段により制御され、前記ファンを制御するインバータを設け、前記扉の開放検知により、前記制御手段は、前記インバータに対して前記ファンの駆動用のモータを制動がかかるように停止する信号を出力し、前記モータを停止するように構成する。前記制動は、発電による制動である。こうした構成を採用することにより、前記ファンを前記扉の開放検知後、速やかに停止させることが
できる。前記インバータは、制動のためのみ用いることができるが、冷風冷却を行う際の回転数制御にも用いることができる。
この実施の形態においては、前記扉が開放しているにも拘わらず、前記扉センサが閉止しているとの信号を出力することによる危険を防止するために、前記制御手段が、前記扉センサの異常を判定した時、前記ファンを停止するように構成することができる。
前記制御手段による扉センサの異常判定は、好ましくは、この種冷却装置おいて通常用いられる品温センサにより検出される品温の上昇に基づき行うように構成する。その異常判定ロジックは、使用者が前記扉を開いた状態で熱い被冷却物を前記冷却室内へ収容し、前記品温センサを被冷却物に差し込んだ時、当然生ずる品温の上昇が検出されなかった時、前記品温センサが異常と判定するものである。この異常判定ロジックは、好ましくは、前記扉センサが扉の閉止を検出しているという条件下で、前記品温センサにより検出された品温の設定時間における上昇割合が設定値以上という第一条件を満たした時、前記扉センサを異常と判定する。前記上昇割合とは好ましくは、設定時間(たとえば、1分間)内に設定値(たとえば、30℃)以上の上昇があった時とするが、連続的に温度上昇勾配を監視してその温度勾配が設定時間内に連続して設定値以上となった時とすることができる。
前記扉センサの異常判定は、予備の扉センサを設けて、出力信号を比較して行うことも可能であるが、前記異常判定ロジックを用いることにより、扉センサを複数設けることなく、前記扉センサの異常を検出できる。その結果、異常検出手段の構成を簡素化できる。
ところで、この実施の形態の冷却装置に前記真空冷却手段を備えて、真空冷却機能をもたせる場合、前記品温センサを被冷却物に差し込まない状態で真空冷却を開始すると、被冷却物からの蒸気が前記品温センサに凝縮して温度上昇することにより、前記第一条件を満たすとともに、前記被冷却物に品温センサを刺していない状態で真空冷却中に被冷却物から出た蒸気が前記品温センサに凝縮して温度が上昇して前記第一条件を満たして誤判定をする虞がある。
この課題を解決するために、前記制御手段が、前記第一条件に加えて、前記品温がその上昇開始から前記設定時間後に設定温度(たとえば、60℃)以上となるという前記第二条件と、前記冷却室内の圧力を検出する圧力センサが前記扉の開放を判定可能な設定圧力(大気圧−設定値(>0))以上を検出する第三条件とをANDで満たした時、前記扉センサの異常を判定するように構成することができる。こうした第三条件を加えることで、真空冷却時の異常の誤判定を防止することができる。
以下、この発明の具体的実施例1を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、同実施例1の冷却装置としての複合冷却装置1の概略構成図であり、図2は、同実施例1の要部電気回路図であり、図3〜図8は、それぞれ同実施例1による制御手順の要部を説明するフローチャート図である。
前記複合冷却装置1は、真空冷却と冷風冷却とを行うことができる冷却装置であり、種々の冷却パターンを選択的に実行できるとともに、被冷却物温度(以下、品温という。)がチルド域の低温となるように被冷却物3を短時間で冷却できる特徴を有している。
前記複合冷却装置1は、冷却室2と、この冷却室2内の被冷却物3を真空冷却する真空冷却手段4と、前記被冷却物3を冷風冷却する冷風冷却手段5と、前記真空冷却手段4および前記冷風冷却手段5とを制御する制御手段としての制御器6とを主要部として備える
そして、前記制御器6には、ソフトウエアによるタイマー7を備えている。前記制御器6は、予め記憶した第一〜第五プログラム(図3〜図7に示す。)からなる冷却プログラムに基づき、前記真空冷却手段4および前記冷風冷却手段5などを制御するように構成されている。
前記第一〜第五プログラムは、被冷却物3の性状(真空冷却に適した食材か否か)と冷却開始当初の品温(以下、初期品温という。)および到達(冷却)すべき品温(以下、設定冷却温度という。)に応じて選択される。すなわち、被冷却物3が真空冷却に適した食材かどうかという被冷却物3の性状条件と、初期品温が前記第一温度設定値(たとえば70℃)以上か、それより低いかという初期品温条件と、設定冷却温度が前記第二温度設定値(たとえば10℃)以上かそれより低いかという冷却温度条件とに応じて、前記プログラムを選択することができるように構成している。前記設定冷却温度は、目標冷却温度または到達冷却温度と称することができる。
前記冷却プログラムには、前記冷却室2の扉(図示省略)の開放検知により、後記ファン13を停止するとともに、後記圧縮機52の運転を設定時間継続する図8に示す扉開閉時制御プログラムを含んでいる。前記設定時間は、前記タイマー7により制御され、この実施例1では、約15分程度としている。
つぎに、この複合冷却装置1の各構成要素について説明する。前記冷却室2は、被冷却物3を収容する密閉空間を形成し、被冷却物3を出し入れするための開口とこれを開閉する扉(いずれも図示省略)を備えている。また、前記冷却室2は、区画壁8により内部を上部の第一領域81と下部の第二領域82とに区画している。前記第一領域81には、被冷却物3が収容され、前記第二領域82には、前記冷風冷却手段5の一部を構成する冷却用熱交換器9が配置されている。前記扉は、前記第一領域81に形成の被冷却物を出し入れするための開口に設けられる。被冷却物3は、この実施例1では容器に収容した食材である。
前記冷却用熱交換器9は、圧縮機52を含む冷凍機10の冷媒を液化するコンデンサ(図示省略)を有するコンデンシングユニット11の圧縮機52から供給される液化冷媒を蒸発させることにより冷却作用をなす周知のプレートフィン付き蒸発器にて構成されている。
この冷凍機10は、前記冷却用熱交換器9を除霜する除霜手段を備えている。この除霜手段は、前記コンデンシングユニット11から前記冷却用熱交換器9へホットガスを流して除霜するホットガスデフロストと称される周知の構成である。
前記区画壁8は前記冷却室2に対して着脱自在に構成されており、前記扉を開いて、前記区画壁8を外すと前記冷却用熱交換器9が前記冷却室2の被冷却物出し入れ用の開口から露出するように構成されている。前記冷却用熱交換器9を洗浄するには、前記区画壁8を外して露出状態とすることにより、前記冷却用熱交換器9をこの複合冷却装置1に備え付けの洗浄機(図示省略)を用いて丸洗いすることができる。
そして、前記冷風冷却手段5は、被冷却物3を冷風により冷却するものである。この冷風冷却手段5は、前記冷却室2内の空気を冷却するための前記冷却用熱交換器9と、前記冷却室2外に配置されるモータ12によって駆動される空気循環手段としてファン13とを含む。
そして、前記冷却室2の構成壁と前記区画壁8との間に第一開口(または隙間)141,第二開口(または隙間)142を設けて、前記冷却室2内に空気の循環経路(符号省略)を形成することにより、冷風冷却機能をなすように構成している。この実施例1では、前記区画壁8は前記冷却室2の構成壁とで前記循環経路構成部材を構成する。
前記真空冷却手段4は、前期の真空冷却速度が早く(速く)、後期で真空冷却速度が鈍化する第一真空冷却特性を有する第一真空冷却手段41と、前期の真空冷却速度が早く、後期で真空冷却速度が鈍化する第二真空冷却特性を有する第二真空冷却手段42とから構成されている。
前記第一真空冷却手段41および前記第二真空冷却手段42は、具体的には、つぎのように構成される。すなわち、前記第一真空冷却手段41は、前記冷却室2と接続される減圧ライン15と、この減圧ライン15中に設けられる減圧手段としての水封式の真空ポンプ16と、前記冷却室2および前記真空ポンプ16の間に位置して閉時に前記冷却室2を密閉保持する開閉弁17とを含んで構成される。
前記減圧ライン15は、図1に示すように前記冷却室2の最も低い最低底部またはその近傍と接続してドレン排出ラインと機能するように構成している。この実施例1では、底壁の中央部と接続することにより、ドレン排出ラインとしても機能するように構成している。前記底壁は、周端部から中央部へ向けて下向きに傾斜形成されているので、前記減圧ライン15は、前記底壁の一番低い箇所に接続されている。この構成により後記のドレン排出動作において、ドレンを速やかに排出することができる。
この第一真空冷却手段41は、前記開閉弁17を開いた状態で前記真空ポンプ16を作動(運転)させることにより第一真空冷却工程を実行するように構成される。前記開閉弁17は、開閉だけの弁としているが、開度が調整可能な弁とすることができる。前記減圧ライン15には、必要に応じて前記冷却室2方向への流れを阻止する逆止弁(図示省略)を設けることができる。こうした構成による第一真空冷却手段41の第一真空冷却特性は、前期の真空冷却速度が早く、後期で真空冷却速度が鈍化するものとなっている。
このように、前記第一真空冷却手段41は、前記冷却室2内の気体を排出する排気機能に加えて、前記冷風冷却工程時に前記冷却用熱交換器9にて生ずる凝縮水(ドレン)を前記冷却室2外へ排出するドレン排出機能をもなすように構成されている。そして、前記冷風冷却工程時に前記開閉弁17を開き、前記真空ポンプ16を作動させる動作を間欠的に行うように構成している。
また、前記第二真空冷却手段42は、前記冷却室2内を低圧下で密閉状態として前記冷却用熱交換器9により被冷却物からの蒸気を凝縮する機能を有し、第二真空冷却工程を実行するように構成される。この第二真空冷却手段42を構成する要素は、前記冷却室2,前記冷却用熱交換器9,前記開閉弁17および前記第一真空冷却手段41の構成要素である。前記冷却室2内を低圧下で密閉状態とするには、前記第一真空冷却工程後に、前記開閉弁17を閉じることで実現される。こうした構成による第二真空冷却手段42の第二真空冷却特性は、前記第一真空冷却特性と同様に、前期の真空冷却速度が早く、後期で真空冷却速度が鈍化するものとなっている。
そして、前記冷風冷却手段5の冷風冷却特性は、前記第一温度設定値以上の温度域の特性(第一冷風冷却特性)は、前記第一温度設定値以上の温度域では被冷却物3からの自然蒸発が支配的であるので真空冷却速度より早く、前記第二温度設定値以下の温度域の特性(第二冷風冷却特性)は、冷風冷却速度が前記第一真空冷却手段41および前記第二真空冷却手段42の前期の真空冷却速度より遅く、後期の鈍化した真空冷却速度よりも早いも
のとしている。
この実施例1においては、初期品温が低い場合でも、前記第二真空冷却工程の作用を可能とするために、前記第一真空冷却工程の中期または後期に空気排除工程を実行するように構成している。より具体的には、前記冷却室2内圧力が前記真空ポンプ16の減圧能力限界に対応する圧力(限界圧力)となる前に、前記限界圧力に相当する温度以上の40℃の温水を前記冷却室2内へ注入するように構成している。注入された温水は、前記冷却室2内の圧力がその温水の飽和蒸気圧力以下まで減圧された時点から蒸発し始め、発生した蒸気により、前記冷却室2内の空気を室外へ排出することができる。
この空気排除工程における温水注入のタイミングは、前記第一真空冷却工程開始からの経過時間を前記タイマー7により計測し、この計測値が設定値(注入タイミング)となった時としている。また、この温水の注入必要量は、予め実験により前記冷却室2の容積に応じた値として求めておく。
前記冷却室2内への温水注入手段としての温水供給手段18は、温水を前記冷却室2内へ供給するための第一給水ライン19と、温水供給源20と、温水供給を制御する第一給水弁21とを設けて構成されている。
また、前記冷却室2は、真空冷却工程後に前記冷却室2内を負圧から大気圧に復圧する復圧手段22を備えている。この復圧手段22は、前記冷却室2と接続される復圧ライン23と、この復圧ライン23途中に設ける復圧弁24および除菌フィルター25とを含んで構成される。前記復圧弁24は、復圧速度を調整するために開度が調整可能な弁とするが、開閉のみの弁とすることができる。また、前記復圧ライン23には、前記冷却室2内から外方向への流れを阻止する逆止弁(図示省略)を設けることができる。
ところで、前記循環経路構成部材の一部として、筒状のファンガイド30と、このファンガイド30と前記区画壁8および前記冷却室2の底壁との間を遮蔽する第一遮蔽部材31と、前記冷却用熱交換器9と前記区画壁8および前記冷却室2壁との間を遮蔽する第二遮蔽部材32と、冷風を被冷却物3に対してほぼ均等に供給するための穴開き板からなる第一送風ガイド33,第二送風ガイド34を備えている。
前記第一送風ガイド33は、被冷却物3を冷却した後の冷風を前記区画壁8の第一開口141へほぼ均等に戻す機能をなし、前記第二送風ガイド34は、前記区画壁8の第二開口142からの冷風を被冷却物3へ向けてほぼ均等に案内、供給するする機能をなすように構成されている。前記送風ガイド33,34は前記区画壁8と別体にして着脱自在に連結されている。前記ファンガイド30,前記第一遮蔽部材31および前記第二遮蔽部材32は、冷風のショートパスを防止する機能をなすものであり、これらも着脱自在に構成されている。
前記制御器6は、予め記憶した前記冷却プログラムにより前記第一真空冷却手段41,前記第二真空冷却手段42,前記温水供給手段18および前記冷風冷却手段5の作動などを制御するように構成されている。
前記冷却プログラムなどの制御を行うために、被冷却物3の品温を検出する品温センサ26,前記冷却室2内の圧力(温度)を検出する室内圧力センサ27,前記冷凍機10の冷媒回路の圧力および温度をそれぞれ検出する冷媒圧力センサ28,冷媒温度センサ29,前記扉の開放を検知する近接スイッチからなる扉センサ50を備えている。これらのセンサは、前記制御器6と接続されて、前記コンデンシングユニット11,前記モータ12,前記真空ポンプ16、前記開閉弁17,前記第一給水弁21,前記復圧弁24などを制
御する。
前記冷却プログラムの扉開閉時制御プログラムは、図8に示される制御手順を含む、そして、この扉開閉時制御プログラムに関連する制御回路は、図2に図示される。この図2において、前記ファン13の駆動用のモータ12は、インバータ51を介して前記制御器6と接続され、前記圧縮機52は、前記制御器6により制御される。
前記冷却プログラムには、前記冷風冷却手段5による第一冷風冷却工程,前記真空冷却手段41,42による真空冷却工程および前記冷風冷却手段5による第二冷風冷却工程を順次行う第一冷却パターンを実行するプログラム(第一プログラム),前記真空冷却工程を行った後に前記第二冷風冷却工程を行う第二冷却パターンを実行するプログラム(第二プログラム)、前記冷風冷却手段5による冷風冷却工程のみを行う第三冷却パターンを実行するプログラム(第三プログラム),前記真空冷却工程のみを行う第四冷却パターンを実行するプログラム(第四プログラム)、前記第一冷風冷却工程および前記真空冷却工程を順次行う第五冷却パターンを実行するプログラム(第五プログラム)を含ませている。
前記第一〜第五プログラムは、前記のように、被冷却物3の性状条件と、初期品温条件と、冷却温度条件とに応じて、選択できるように構成している。
すなわち、被冷却物3が真空冷却に適している食材,すなわち水分を含み、蒸発が可能な食材であって、チルド域まで短時間で冷却したいという条件下において、初期品温が前記第一温度設定値以上の場合には、前記第一プログラムを選択して実行し、初期品温が前記第一温度設定値より低い場合は、前記第二プログラムを選択して実行する。そして、被冷却物3が真空冷却に適している食材であって、チルド域より高い温度域まで短時間で冷却したいという条件下において、初期品温が前記第一温度設定値以上の場合には、前記第五プログラムを選択して実行し、初期品温が前記第一温度設定値より低い場合は、前記第四プログラムを選択して実行する。さらに、被冷却物3が真空冷却に適していない食材や含有水分が蒸発不可能な態様の食材の場合は、前記第三プログラムを選択して実行する。
つぎに、前記第一プログラムおよび前記第二プログラムにおける前記第一冷風冷却工程から前記第一真空冷却工程への切換タイミング(以下、第一真空切換タイミングという。)、前記第一真空冷却工程から前記第二真空冷却工程への切換タイミング(以下、第二真空切換タイミングという。)および前記第二真空冷却工程から前記第二冷風冷却工程への切換タイミング(以下、冷風切換タイミングという。)について説明する。
すなわち、前記第一真空切換タイミングは、検出手段としての品温センサ26の検出値が前記第一切換設定値となったときとしている。
また、前記第二真空切換タイミングおよび前記冷風切換タイミングは、それぞれ前記第一真空冷却特性および前記第二真空冷却特性を踏まえて、予め実験により、求めておく。前記第二真空冷却切換タイミングは、前記第一真空工程開始から前記第一真空冷却工程の後期の真空冷却速度が前記第二冷風冷却工程の冷風冷却速度近傍に達するまでの経過時間(冷却時間)を第二切換設定値として求めておき、検出手段としての前記タイマー7による計測値が前記第二切換設定値となったときとしている。また、前記冷風切換タイミングは、前記第二真空冷却工程開始から前記第二真空冷却工程の後期の真空冷却速度が前記第二冷風冷却工程の冷風冷却速度近傍に達するまでの経過時間(冷却時間)を第三切換設定値として求めておき、前記タイマー7による計測値が前記第三切換設定値となったときとしている。
前記第二切換設定値および前記第三切換設定値は、冷却時間(前記タイマー7による計
測時間)によらずに、前記冷却室2内の圧力,前記冷却室2内の温度,前記近傍に達したときの被冷却物3の温度のいずれかにより,または前記冷却室2内の圧力,前記冷却室2内の温度,被冷却物3の温度のいずれかの変化量により求めることができる。
そして、前記室内圧力センサ25により室内圧力または室内温度を検出するか、前記品温センサ7により品温を検出するかして、検出値が前記第二切換設定値となったとき、前記第一真空冷却工程から前記第二真空冷却工程へ切り換え、前記検出値が前記第二切換設定値となったとき、前記第二真空冷却工程から前記第二冷風冷却工程へ切り換えるように構成することができる。品温により前記第一〜第三切換設定値を設定する場合には、各第一切換設定値,前記第二切換設定値,第三切換設定値をそれぞれ前記第一温度設定値,前記第二温度設定値,前記第三設定温度とすることができる。前記第一切換設定値も品温以外の時間,室内圧力または室内温度などにより設定することができる。
以下に、この実施例1の動作を図1〜図8に基づき以下に説明する。
<準備段階>
使用者は、前記扉を開いて前記冷却室2内へ被冷却物3を収容し、前記扉を閉じて密閉状態とする。この状態では、前記開閉弁17,前記第一給水弁21,前記復圧弁24は、全て閉状態で、前記モータ12,前記真空ポンプ16,前記コンデンシングユニット11は、全て作動(運転)停止状態である。前記蒸気発生源20は、予め作動状態としておくことができる。
<冷却プログラムの選択>
この状態で、使用者は、運転スイッチ(図示省略)により運転を開始した後、前記第一〜前記第五プログラムを選択する。この選択は、初期品温と設定冷却温度と被冷却物3の種類とに応じて行うことができる。
この選択により、図3を参照して、処理ステップS1(以下、処理ステップSNは、単にSNと称する。)において、前記第一プログラム〜前記第五プログラムが選択されると、それぞれS2〜S6にて第一プログラム〜前記第五プログラムが実行される。以下、各運転プログラムによる動作を説明する。
<第一プログラム:冷風冷却→真空冷却→冷風冷却切換>
前記第一プログラムは、初期品温が約70℃以上で、設定冷却温度が10℃以下であって、被冷却物3が水分を含み、その水分が蒸発可能な食材の冷却に適している。今、初期品温を90℃,設定冷却温度を3℃とする。
(第一冷風冷却工程)
この第一プログラムが選択されると、図4の処理手順が実行される。第一冷風冷却工程S21では、前記開閉弁17,前記第一給水弁21および前記復圧弁24を閉じて、前記真空ポンプ16を停止するとともに、前記コンデンシングユニット11および前記ファン13を作動させる。
これにより、図1を参照して、前記冷却室2内において前記ファン13→前記冷却用熱交換器9→前記第二開口142→前記第二送風ガイド34→前記被冷却物3→前記第一送風ガイド33→前記第一開口141→前記ファン13の一点破線矢視の冷風循環流が形成される。この循環流により、前記冷却室2内の空気は、前記冷却用熱交換器9により冷却されて温度低下し、前記被冷却物3を冷却する。こうした冷風冷却により、品温が約70℃となるまで冷却される。品温が70℃まで低下したことを前記品温センサ26により検出すると、前記第一冷風冷却工程S21を終了する。
この第一冷風冷却工程S21は、前記コンデンシングユニット11を作動させることなく、前記復圧手段22および前記開閉弁17を開き、前記真空ポンプ16を作動させることにより、外気を前記冷却室2へ導入しつつ、前記減圧ライン15を通して排出することにより、外気により前記被冷却物3を冷却(外気導入冷却)するように構成することができる。この場合、前記ファン13の作動は、必要に応じて行うことができる。
(第一真空冷却工程)
前記第一冷風冷却工程S21が終了すると、S22へ移行して、前記第一真空冷却工程が行われる。この第一真空冷却工程S22は、つぎのように行われる。前記開閉弁17を開き、前記第一給水弁21を閉じ、前記復圧弁24を閉じて、前記真空ポンプ16を作動させる。すると、前記冷却室2内の気体は、前記減圧ライン15を通して室外へ排出される。前記冷却室2内の圧力は、前記第一真空冷却特性に沿って低下し、この圧力低下に従って、被冷却物3からの蒸気の蒸発により、被冷却物3の温度が70℃から低下して行く。この品温低下速度は、初期において急速で、温度の低下とともに、後期において鈍化して行く。
この第一真空冷却工程S22において、前記タイマー7の計測値が前記注入タイミングとなると前記制御器6は、前記第一給水弁21を設定時間だけ開いて、前記温水供給源20から前記冷却室2内へ所定量の温水を供給する。そして、前記冷却室2内の圧力がその温水の飽和蒸気圧力以下まで減圧されると、供給された温水が蒸発し始める。こうして発生した蒸気とともに前記冷却室2内の空気が前記減圧ライン15を通して室外へ排出される。こうして、前記冷却室2内の空気排除が行われる。
そして、前記タイマー7による計測時間が前記第二切換設定値に達すると、S23の第二真空冷却工程へ移行する。この移行時点における真空冷却速度は、前記冷風冷却手段5の冷風冷却特性による冷却速度より低くなっている。また、この移行時点の品温は、約20℃である。
(第二真空冷却工程)
前記第二真空冷却工程S23では、前記開閉弁17,前記第一給水弁21および前記復圧弁24を閉じて、前記真空ポンプ16を停止するとともに、前記コンデンシングユニット11を作動させる。前記コンデンシングユニット11の作動により、前記冷却用熱交換器9内の温度を約−10℃とする。このコンデンシングユニット11による前記冷却用熱交換器9の温度低下には起動から所定の時間を要するので、前記第一切換設定値の設定時間前に前記コンデンシングユニット11を起動させておくことが望ましい。
この第二真空冷却工程S23においては、前記冷却室2内は、低圧で密封され、前記冷却室2内の蒸気は、前記冷却用熱交換器9へ移動して、ここで凝縮し、前記冷却室2内の圧力は、低圧状態を維持する。その結果、被冷却物3から蒸気が連続的に発生し、品温が低下して行く。この品温低下は、前記第二真空冷却特性に沿ってなされ、初期において急速に行われ、温度の低下とともに、後期において低下速度が鈍化して行く。前記タイマー7による計測時間が前記第三切換設定値に達すると、S24の復圧工程へ移行する。この移行時点における真空冷却速度は、前記冷風冷却手段5の第二冷風冷却特性による冷却速度より低くなっている。また、この移行時点の品温は、約10℃である。
前記第二真空冷却工程S23において、前記冷却用熱交換器9に着霜すると、前記制御器6は除霜動作を行う。着霜は、前記冷媒圧力センサ28または前記冷媒温度センサ29により前記冷凍機10の低圧側の圧力または温度を検出することにより行い、検出値が着霜と判定できる設定値となるとホットガスを前記冷却用熱交換器9へ供給することにより
除霜が行われる。この除霜動作により、前記冷却用熱交換器9の凝縮作用を良好に維持することができ、前記第二真空冷却工程による冷却を着霜による影響を受けずに効果的に行うことができる。
(復圧工程)
前記復圧工程S24は、前記復圧弁24を開くことで行う。これにより、外気が前記復圧ライン23を通して前記冷却室2内へ導入され、前記冷却室2内が大気圧に復帰する。この復圧工程は、前記室内圧力センサ27により検出され、大気圧を検出すると、復圧工程を終了し、S25の第二冷風冷却工程へ移行する。この実施例1においては、前記復圧工程中は、前記コンデンシングユニット11をの作動を継続し、前記ファン13の作動を停止しておく。しかしながら、必要に応じて、前記コンデンシングユニット11の作動を停止し、前記ファン13を作動させるように構成することができる。
(第二冷風冷却工程)
前記第二冷風冷却工程S25では、前記第一冷風冷却工程S21と同様に、前記開閉弁17,前記第一給水弁21および前記復圧弁24を閉じて、前記真空ポンプ16を停止するとともに、前記コンデンシングユニット11および前記ファン13を作動させる。これにより、前記冷却室2内において前記ファン13→前記冷却用熱交換器9→前記第二開口142→前記被冷却物3→前記第一開口141→前記ファン13の一点破線矢視の冷風循環流が形成される。この循環流により、前記冷却室2内の空気は、前記冷却用熱交換器9により冷却されて温度低下し、前記被冷却物3を間接熱交換により冷却する。こうした冷風冷却により、品温が約3℃となるまで冷却される。品温が3℃まで低下したことを前記品温センサ26により検出すると、前記第二冷風冷却工程S25を終了する。
この第二冷風冷却工程においては、被冷却物3および前記冷却用熱交換器9の表面から凝縮水(ドレン)が発生し、前記冷却室2内底部に貯留する。このドレンは、つぎのようにして排出される。前記開閉弁17を開き、前記真空ポンプ16を作動させる。すると、前記ドレンは、前記減圧ライン15を通して前記冷却室2外へ排出される。このドレン排出時、前記復圧弁24を開くことにより、ドレンの排出をスムーズに行うことができる。前記第一冷風冷却工程S21および前記第二真空冷却工程S23において発生したドレンも、同様にして前記冷却室2外へ排出される。このドレン排出動作は、この実施例1では、前記制御器6により間欠的に実行されるが、ドレンの貯留を検出して、前記ドレン排出動作を行うように構成することができる。
(冷却運転終了)
この第二冷風冷却工程S25が終了すると、使用者は、前記運転スイッチを操作して、冷却運転を停止して、前記冷却室2内の被冷却物3を取り出すことができる。勿論、前記第二冷風冷却工程終了後も、被冷却物3の冷蔵のために前記第二冷風冷却工程を続けることができる。
このように、この第一プログラムでは、前記第一冷風冷却工程S21により、被冷却物3の粗熱取りが行われる。品温が約70℃以上では、被冷却物3の温度が高く、被冷却物3からの自然蒸発が支配的であるので、前記真空冷却手段4を作動させることによる真空冷却が効果的に行われない。この第一プログラムでは、真空冷却でなく、冷風冷却により粗熱取りを行っているので、効果的な被冷却物3の冷却を行うことができ、全冷却時間を短縮することができる。
<第二プログラム:真空冷却→冷風冷却切換>
前記第二プログラムは、初期品温が約70℃以下で、設定冷却温度が約10℃以下であって、被冷却物3が水分を含み、その水分が蒸発可能な食材の冷却に適している。今、初
期品温を65℃,設定冷却温度を3℃とする。
この第二プログラムが選択されると、図5に示す処理手順が実行される。すなわち、第一真空冷却工程S31→第二真空冷却工程S32→復圧工程S33→冷風冷却工程S34が順次実行される。
この第二プログラムにおいて、前記第一プログラムと異なるのは、図4の第一冷風冷却工程S21を削除した点である。
図5の第一真空冷却工程S31,第二真空冷却工程S32,復圧工程S33,冷風冷却工程S35は、それぞれ図4の第一真空冷却工程S22,第二真空冷却工程S23,復圧工程24,第二冷風冷却工程S25に相当するので、その説明を省略する。また、前記第一真空冷却工程から前記第二真空冷却工程への切換タイミング,前記第二真空冷却工程から前記冷風冷却工程(復圧工程を含む)への切換タイミングおよび前記第一真空冷却工程における空気排除工程開始のタイミングは、それぞれ前記第一プログラムの第二真空切換タイミング,前記冷風切換タイミング,第一真空冷却工程における空気排除工程開始のタイミングと同様であるのでその説明を省略する。
<第三プログラム:冷風冷却>
前記第三プログラムは、被冷却物3が水分を含まない食材や、水分を含んでいてもその水分が蒸発できないように包装されている食材の冷却に適している。
この第三プログラムが選択されると、図3の冷風冷却工程S4が実行される。この冷風冷却工程S4は、前記第一プログラム(図4)の第一冷風冷却工程S21と同様に、前記開閉弁17,前記第一給水弁21および前記復圧弁24を閉じて、前記真空ポンプ16を停止するとともに、前記コンデンシングユニット11および前記ファン13を作動させて行われる。すなわち、図1の一点破線矢視の冷風循環流が形成され、この冷風循環流により、被冷却物3を冷却する。この冷風冷却工程S5は、前記品温センサ26による検出値が設定冷却温度となることで終了する。
<第四プログラム:真空冷却>
前記第四プログラムは、初期品温が約70℃以下で、前記設定冷却温度が約10℃以上であって、被冷却物3が水分を含み、その水分が蒸発可能な食材の冷却に適している。今、初期品温を65℃とし、前記設定冷却温度を15℃とする。
この第四プログラムが選択されると、図6に示すように、第一真空冷却工程S51→第二真空冷却工程S52→復圧工程S53が順次実行される。
この第四プログラムにおいて、前記第一プログラムと異なるのは、図4の第一冷風冷却工程S21および第二冷風冷却工程S25を削除し、前記第二真空冷却工程52の終了を品温が15℃となったタイミングとしている点である。
以下の説明においては、図6の第一真空冷却工程S51,第二真空冷却工程S52,復圧工程S53は、それぞれ図4の第一真空冷却工程S22,第二真空冷却工程S23,復圧工程24に相当するので、その説明を省略する。また、前記第一真空冷却工程S51から前記第二真空冷却工程S52への第二真空切換タイミング,前記第一真空冷却工程における空気排除工程開始のタイミングは、それぞれ前記第一プログラムの前記第二真空切換タイミング,第一真空冷却工程S51における空気排除工程開始のタイミングと同様であるので、その説明を省略する。以下、前記第四プログラムにおいて前記第一プログラムと異なる部分を主として説明する。
図6において、前記第一真空冷却工程S51および前記第二真空冷却工程S52は、図4の前記第一プログラムと同様に行われる。前記第二真空冷却工程S52において、前記品温センサ26による検出値が15℃となると、前記第二真空冷却工程S52を終了し、前記第一プログラムと同様に前記復圧工程S53を実行して、冷却運転を終了する。
<第五プログラム:冷風冷却→真空冷却>
前記第五プログラムは、初期品温が約70℃以上,設定冷却温度が10℃以上であって、被冷却物3が水分を含み、その水分が蒸発可能な食材の冷却に適している。今、初期品温を90℃,設定冷却温度を10℃とする。
この第五プログラムが選択されると、図7に示す処理手順が実行される。すなわち、冷風冷却工程S61→第一真空冷却工程S62→第二真空冷却工程S63→復圧工程S64が順次実行される。
この第五プログラムにおいて、図4の前記第一プログラムと異なるのは、図4の前記第二冷風冷却工程S25を削除した点である。
以下の説明においては、図7の冷風冷却工程S61,第一真空冷却工程S62,第二真空冷却工程S63,復圧工程S64は、それぞれ図4の第一冷風冷却工程S21,第一真空冷却工程S22,第二真空冷却工程S23,復圧工程S24に相当するので、その説明を省略する。また、前記冷風冷却工程S61から前記空気排除工程S62への切り換えタイミング,前記第一真空冷却工程S63から前記第二真空冷却工程S64への切り換えタイミングおよび前記第一真空冷却工程S62における空気排除工程開始のタイミングは、図4の第一プログラムと同様であるので、その説明を省略する。
<扉開閉時制御プログラム>
最後に、この発明の特徴とする扉開閉時制御を図8に基づき説明する。前述の冷風冷却運転中は、前記ファン13および前記圧縮機52が駆動されている。この冷風冷却運転中に何らかの理由により前記扉を開くと、前記扉が開放かどうかを判定するS71において、YESが判定され、S72へ移行する。
S72では、前記制御器6は、前記インバータ51に発電制動がかかるように停止する停止信号を出力する。これにより、前記インバータ51は、前記モータ12に制動をかけ、前記ファンの回転を急速に低下させて停止させる。その結果、前記ファン13の回転による前記冷却室2から前記冷却室2外への冷風吹出が防止され、エネルギーロスを抑制することができる。
一方、前記圧縮機52は、S73にて前記停止信号出力からの経過時間が設定時間となったことが判定され、S74にて停止されるまで、その運転を継続する。こうして、設定時間だけ、前記圧縮機52の運転が継続されるので、前記設定時間以内の比較的短時間で前記扉を閉めると、直ちに冷風冷却運転を再開することができる。その結果、扉解放時に前記圧縮機52を停止するものと比較して、冷却性能の低下を防止できる。
また、前述のように前記冷却用熱交換器の洗浄を行うには、前記扉を開いて、前記第一送風ガイド33,前記第二送風ガイド34および前記区画壁8を取り外す。その際には、前記ファン13が露出状態となり、作業者が回転中のファン13に誤って触れる虞がある。しかしながら、前記ファン13が停止され、しかも前記インバータ51の制動作用により急速に停止されるので、極めて安全である。
S71にて、前記扉の閉止が検知されると、S75へ移行して、前記モータ12を駆動して、前記ファン13を回転するとともに、前記圧縮機52停止している場合には、再起動し、運転を継続している場合には、運転を継続する。この実施例1では、前記圧縮機52の再起動には、停止から約3分を要する。
以上のように構成される実施例1によれば、つぎの作用効果を奏する。冷風冷却運転中に前記扉が開放されると、前記ファン13を停止するとともに、前記圧縮機52の運転を設定時間継続するので、冷風吹出によるエネルギーロスを低減できるとともに、前記圧縮機52の停止による冷却性能の低下を防止し、しかも安全性の高い冷却装置を提供できる。
また、前記冷却用熱交換器9の洗浄を行うには、前記扉を開き、前記第一送風ガイド33,前記第二送風ガイド34および前記区画壁8を取り外す。すると、前記冷却用熱交換器9が露出状態となるので、洗剤入りの洗浄液を洗浄ガン(図示省略)などを用いて前記冷却用熱交換器9に吹き付け洗浄する。こうして、前記冷却用熱交換器9の洗浄を容易に行うことができる。また、洗浄後に洗浄液が前記冷却用熱交換器9に残留するが、残留しても被冷却物3に降りかかることがなく、衛生的である。この洗浄時に前記冷却室2内底壁に貯留する洗浄液は、前記真空ポンプ16を作動させることにより、前記冷却室2外へ排出することができる。
前記冷却用熱交換器9の洗浄方法は、前記第二領域82内に洗浄液を貯留し、前記冷却用熱交換器9および前記ファン13を浸漬洗浄する方法によっても可能である。この浸漬洗浄において、洗浄液の排水は、前記第二減圧手段41を用いて行うことができるが、排水弁を有する排水ライン(いずれも図示省略)を前記第二領域82に接続して行うように構成することができる。
また、冷却作用により、前記冷却用熱交換器9および被冷却物3にて生じたドレンは、前記冷却室2内底部に貯留するが、前記真空ポンプ16を作動させることにより、前記減圧ライン15を通して前記冷却室2外へ排出される。このようにこの実施例1では、前記真空冷却手段41を構成する前記減圧ライン15および前記真空ポンプ16を用いて、ドレン排出を行っているので、専用のドレン排出手段を必要としない。
また、前記第一真空冷却工程を前記第一真空冷却手段41による第一真空冷却工程と前記第二真空冷却手段42による第二真空冷却工程とで、二段階により行っているので、前記真空冷却手段4の冷却能力を増強すべく冷却設備を大掛かりなものとせずに済むことができる。また、真空冷却開始当初から過大な冷却能力で真空冷却するものと比較して、真空冷却手段の作動に必要なエネルギーを削減できるとともに、急激な冷却で被冷却物の品質低下が問題になる食材では、品質の低下を抑えることができる。
また、前記真空冷却工程中に空気排除工程を行っているので、前記第二真空冷却工程における前記冷却用熱交換器表面での蒸気の凝縮を効率よく行うことができる。
また、冷風冷却用の前記冷却用熱交換器9を前記第二真空冷却手段42の蒸気凝縮用のコールドトラップと兼用しているので、真空冷却手段の設備を簡素化でき、複合冷却装置のイニシャルコストを低減することができる。
さらに、被冷却物3が真空冷却に適している食材をチルド域まで短時間で冷却したい場合には、初期品温に応じて前記第一プログラムと前記第二プログラムとを選択して実行することにより、被冷却物3を短時間で冷却することができる。また、被冷却物3が真空冷却に適している食材であって、チルド域より高い温度域まで短時間で冷却したい場合には
、初期品温に応じて前記第四プログラムと前記第五プログラムとを選択して実行することにより、同様に被冷却物3を短時間で冷却することができる。さらに、被冷却物3が真空冷却に適していない食材や含有水分が蒸発不可能な態様の場合は、前記第三プログラムを選択して実行することにより、短時間で冷却することができる。このように、前記第一〜第五プログラムを選択することにより、被冷却物3の性状,初期品温および設定冷却温度に応じた冷却を実現することができ、1台の冷却装置で種々の冷却を短時間で、高品質にて実現することができる。
つぎに、この発明の実施例2の複合冷却装置1を図9に基づき説明する。この実施例2は、前記真空冷却手段4を前記第一真空冷却手段41と前記第二真空冷却手段42とから構成するなどの点で前記実施例1と構成を同じくしており、以下に異なる部分を主として説明する。
この実施例2において、前記実施例1と異なるのは、前記第一真空冷却手段41の構成である。前記実施例1では、前記第一真空冷却手段41の減圧手段を前記減圧ライン15,前記開閉弁17および前記真空ポンプ16としたが、この実施例2では、これらの構成要素に加えて、前記真空ポンプ16の上流側に凝縮用熱交換器35を設けた点である。前記開閉弁17は、前記凝縮用熱交換器35と前記冷却室2との間に設けている。前記凝縮用熱交換器41へは第二給水ライン36が接続される。そして、前記第二給水ライン36に設けた第二給水弁37の開閉により前記凝縮用熱交換器31への通水が制御され、この凝縮用熱交換器31の作動が制御される。前記第二給水弁37は、前記制御器6により制御される。
この実施例2の第一真空冷却手段41は、前記開閉弁17を開き、前記凝縮用熱交換器35および前記真空ポンプ16を作動させて、前記第一真空冷却工程を実行する。この第一真空冷却工程の第一真空冷却特性は、前記実施例1の第一真空冷却と同様であるが、前記凝縮用熱交換器35の冷却作用により真空冷却能力が前記第一真空冷却手段41よりも増強されるとともに、前記冷却室2の空気排除が効率よく行える。
以上、この実施例2において、前記実施例1と異なる構成を説明したが、その他は同様であるので、その説明を省略する。また、この実施例2においても、前記実施例1の扉開閉時制御プログラムおよび第一〜第五プログラムが同様に実行されるので、その説明を省略する。
つぎに、この発明の実施例3を図10および図11に基づき説明する。図10は、同実施例3の冷却装置における縦断面の説明図であり、図11は、同実施例3の分解斜視の説明図である。この実施例3において、図1の実施例1と大きく異なるのは、前記実施例1の第一送風ガイド33および第二送風ガイド34をダクト状に形成した点と、ホテルパン104を支持するとともに、冷風の循環路を形成する天板109を備えた点である。また、図1では、概略構成を示しているが、図10および図11ではより具体的な構成を示しているだけで、基本的な構成および前記扉開閉時制御などの機能は、同様である。以下に、この実施例3について説明する。
前記冷却室2は、冷却室本体89に扉90が開閉可能に設けられて構成される。冷却室本体89は、上下方向中央部に区画壁8が設けられて、内部空間が上下に仕切られる。この区画壁8は、薄いステンレス板から構成され、前記冷却室本体89に対し着脱可能で水平に保持される。これにより、前記冷却室本体89内には、前記区画壁8より上部に第一領域81が形成され、区画壁8より下部に第二領域82が形成される。
前記冷却室本体89の第一領域81は、正面へ開口しており、この略矩形の開口91は、前記扉90により開閉可能とされる。この開口91の周囲は、前記扉90が閉じられる際の扉90への戸当り面92とされる。この戸当り面92には、前記開口91を取り囲むように、本体パッキン93が設けられている。この本体パッキン93を介して前記扉90が閉じられることで、前記冷却室本体89の開口91を気密状態に閉じることができる。
略矩形板状の前記区画壁8は、前後方向寸法が前記冷却室本体89の前後方向内寸に対応しており、左右方向寸法が前記冷却室本体89の左右方向内寸よりも小さい。このような区画壁8は、前記冷却室本体89の上下方向中央部で且つ左右方向中央部に設けられる。これにより、前記冷却室本体89に区画壁8を設置した状態では、区画壁8の左右にそれぞれ前後に細長い略矩形状の第一開口141および第二開口142が形成される。この第一開口141と第二開口142とを介して、前記第一領域81と前記第二領域82とは互いに連通される。
前記第一開口141および前記第二開口142には、それぞれダクト状に形成した第一送風ガイド33および第二送風ガイド34が設けられる。各送風ガイド33,34は、前後に細長い中空の略直方体状であり、下方へ開口して形成されている。各送風ガイド33,34は、熱容量を小さく形成するのが好ましく、たとえば厚さ1〜2mm程度の薄いステンレス板により形成される。各送風ガイド33,34の下端部には、左右方向外側へ延出して、取付片94が形成されている。この取付片94が前記冷却室本体89の保持部95に載せられて、前記冷却室本体89に前記各送風ガイド33,34が着脱可能に設置される。各送風ガイド33,34は、下端部の大きさが、左右の前記第一開口141および前記第二開口142の大きさにそれぞれ対応している。
このようにして、前記第一領域81内の左右両端部には、それぞれ前記各送風ガイド33,34が設けられる。この際、各送風ガイド33,34は、前記冷却室本体89の左右の壁面との間に隙間を空けて設置される。すなわち、前記第一送風ガイド33の左側面96は、前記冷却室本体89の左壁面と離隔して配置され、前記第二送風ガイド34の右側面97は、前記冷却室本体89の右壁面と離隔して配置される。また、各送風ガイド33,34は、前後および上部においても、前記冷却室2の壁との間にそれぞれ隙間を空けられる。
前記左右の送風ガイド33,34は、同一高さ寸法としてもよいが、この実施例3では、前記第一送風ガイド33は、前記第二送風ガイド34よりも低く形成している。前記第一送風ガイド33には、前記右側面98および上面99にのみ、多数の連通穴100,100,…を形成している。一方、前記第二送風ガイド34には、左側面101にのみ多数の連通穴100,100,…を形成している。具体的には、前記第一送風ガイド33の右側面98および上面99と、前記第二送風ガイド34の左側面101とは、パンチングメタル状に形成されている。
この実施例3では、前記第一送風ガイド33の内部は中空であるが、前記第二送風ガイド34の内部には適宜のベーン102,102,…が設けられる。このベーン102は、冷風冷却時に、冷風の流れ方向を調整する羽根である。ベーン102の構成および取付位置や取付個数は、左右の送風ガイド33,34間に収容される被冷却物の配置などに応じて適宜に設定される。この実施例3では、左右の送風ガイド33,34間には、棚枠103を用いて上下に五つのホテルパン104,104,…が配置されるので、その各ホテルパン104の上面へ冷風が吹き込むように、略円弧状部を備える四つのベーン102が上下に離隔して設けられる。これにより、前記第二送風ガイド34の下部開口から供給された冷風は、各ベーン102により方向付けされて、左側面101の連通穴100から排出
される。
ただし、前記各ベーン102の形状は、適宜に変更可能であり、たとえば単なる矩形板状または略半円筒状に形成してもよい。また、前記各ベーン102は、その角度を調整可能に設けるのがよい。その際、各々のベーン102ごとに位置調整可能としてもよいし、複数のベーン102を連動させて位置調整可能としてもよい。さらに、この実施例3では、冷風の吹出し側となる前記第二送風ガイド34にのみベーン102を設けたが、場合により前記第一送風ガイド33にもベーン102を設けてもよい。さらに、前記ベーン102は、前記送風ガイド34内に収容する以外に、前記送風ガイド34の側面に露出させて設けてもよい。
前記冷却室2には、左右の送風ガイド33,34間に、被冷却物を収容した前記各ホテルパン104が配置される。この実施例3では、前記区画壁8の上面に棚枠103が載せられて設置され、前記各ホテルパン104が前記棚枠103に対し出し入れされる。この実施例4の棚枠103は、ステンレス製であり、枠材が略直方体状に組み立てられて構成される。すなわち、棚枠103は、棒材などを組み合わせて構成され、前後、左右および上下に開口した略直方体状とされる。そして、左右両側面部には、それぞれ前後方向へ延出して、略L字形状材105,105,…が上下に複数設けられる。図示例では、左右それぞれに五本ずつ、上下に等間隔でしかも左右で対応した位置に、それぞれ略L字形状材105が設けられる。各L字形状材105は、前記棚枠103の左右の縦材に垂直片106が固定され、この垂直片106の上端部に左右方向内側へ延出して水平片107が配置されて設けられる。
前記ホテルパン104は、周知のとおり、上方へのみ開口した略矩形状のステンレス製容器であり、上端部には外周に沿ってツバ部108が形成されている。従って、ホテルパン104は、対向する二辺のツバ部108が、左右の略L字形状材105,105の水平片107,107に載せられて、前記棚枠103に水平に保持される。この実施例3では、前記棚枠103には、前後に二つずつ、且つ上下に五つずつ、合計十個のホテルパン104が収容可能とされる。前記棚枠103に対するホテルパン104の出し入れは、棚枠103の前方から行うことができる。
前記棚枠103の上部には、天板109が設けられる。この実施例3の天板109は、前記送風ガイド33,34と同様に、熱容量を小さく形成するのが好ましく、たとえば厚さ1〜2mm程度の薄いステンレス板により形成される。前記天板109は、左側へ行くに従って下方へ傾斜するように、前記棚枠103の左右上端部において前後方向へ延びる枠材110,110に、着脱可能に載せられて設けられる。前記天板109は、凝縮水が左端辺からのみ落下するように、前後両端辺には、上方への延出部111,111が折り曲げ形成されている。前記天板109は、前記棚枠103の上部を覆う大きさであり、右側端部が前記第二送風ガイド34の上部にかかるように配置され、左側端部が前記第一送風ガイド33にまで達することなく終了するよう配置される。
冷却室2には、冷却室2内の圧力を計測する室内圧力センサ27と、冷却室2内の温度を計測する室内温度センサ112と、前記扉90の開放を検知する扉センサ50とが備えられる。前記扉センサ50は、図11に示すように、前記冷却室本体89の戸当り面92に、前記扉90側に設けた磁性体(図示省略)と、この磁性体が近接することで扉閉止を検知し、離間することで扉閉止を検知する検知部50Aとから構成している。
この実施例3の動作を簡単に説明する。前記ファン13からの風は、前記冷却用熱交換器9にて冷却された後、前記第一開口142から前記第二送風ガイド34を介して前記第一領域81内へ供給され、前記第一送風ガイド33を介して前記第二領域82へ戻される
。このようにして、前記冷却室2内には、冷風の循環流を形成することができる。この際、前記第一遮蔽部材31および前記冷却用熱交換器9は、前記第二領域82の縦断面全域をそれぞれ塞ぐ位置に設けられるので、循環流のショートパスを防止して、前記ファン13および前記冷却用熱交換器9を介した風のみを前記第一領域81へ供給可能とされている。
この実施例3の冷却装置は、前記扉90を空けて前記冷却室本体89の開口91から、前記棚枠103や前記天板109の他、左右の送風ガイド33,34を取り外すと共に、前記区画壁8を取り外すことができる。これにより、前記冷却室2内の洗浄が容易に行えると共に、前記冷却室2内から取り外した前記各部品8,33,34,103,109の洗浄も容易に行える。そして、洗浄後に仮に洗浄液が前記冷却用熱交換器9に残っていても、前記冷却用熱交換器9は前記冷却室2の下部に設置しているので、被冷却物への混入は防止される。
さらに、この発明の実施例4を図12に基づき説明する。この実施例4において、前記実施例3と異なるのは、前記扉90が開放しているにも拘わらず、前記扉センサ50が閉止しているとの信号を出力することによる危険を防止するための異常検出手段を備えた点である。この異常検出手段は、前記品温センサ26および前記室内圧力センサ27と、これらセンサからの検出信号に基づき前記制御器6が実行する異常処理手順(プログラム)とで構成される。この異常処理手順には、異常判定と、異常を判定した時、前記ファン13を停止する処理が含まれている。
前記異常処理手順の異常判定ロジックは、前記扉センサ50が前記扉90の閉止を検出しているという条件下で、設定時間(1分間)内に設定値(30℃)以上の上昇があった時という第一条件と、前記設定時間後に設定温度(60℃)以上となったという第二条件と、前記冷却室内の圧力を検出する圧力センサが大気圧から設定値(この実施例4では、50hPa)を引いた値以上を検出したという第三条件とをANDで満たした時、前記扉センサ50を異常と判定する。この異常処理プログラムの概要は、図12に示す通りである。この実施例4では、前記第一条件の判定に当たっては、常に現時点の値と設定時間前の値を比較して行う。
この実施例4の異常判定処理の動作を以下に説明する。その他の動作は、前記実施例3と同様であるので、その説明を省略する。今、前記扉センサ50が故障していて開放にも拘わらず閉止信号を出力しており、使用者が前記扉90を開けて、約90℃の熱い被冷却物3を前記冷却室2内へ収容し、前記品温センサ26を被冷却物3に差し込んだとする。
図12を参照して、S81にて、前記扉センサ50が閉止信号を出力しているかどうかを判定する。今のYESが判定され、S82にて前記第三条件が満たされているかどうかを判定する。今の場合、前記冷却室2内は、大気圧であるので、YESが判定され、S83にて前記第一条件および前記第二条件がANDで満たすかどうかを判定する。今の場合、YESが判定されるので、S84へ移行して、前記扉センサ50が異常であると判定して、表示器(図示省略)にて異常を報知する。
同時に前記ファン13の停止を停止してこれを保持する。このファン13の停止保持は、この実施例4において、前記ファン13の停止状態で行う真空冷却は可能とするものである。すなわち、この実施例4において、前記真空冷却工程において、前記ファン13を駆動することもあるが、異常が判定されると、前記ファン13を停止した状態で、前記真空冷却工程を行う。前記冷風冷却工程は、前記ファン13の駆動が必須であるので、冷風冷却動作は禁止される。
ところで、前記品温センサ26を被冷却物3に差し込まない状態で真空冷却を開始する場合がある。この場合、被冷却物3からの蒸気が前記品温センサ26に凝縮して温度上昇することにより、前記第一条件および前記第二条件を満たすことがあるが、前記第三条件を加えているので、S81にて、NOが判定されて、S84の処理が行われることはない。よって、異常の誤判定が防止される。
この実施例4によれば、前記扉センサ50の異常が判定されると、前記ファン13を停止するので、安全性を一層高めることができる。また、扉センサを複数設けることなく、前記扉センサ50の異常を検出できるので、異常検出手段の構成を簡素化できる。
この発明は、前記実施例1〜4に限定されるものではない。前記実施例1は、複合冷却装置としたが、冷風冷却のみを行う冷却装置とすることができる。また、前記冷風の循環経路を前記冷却室2内に形成したもの限定されない。さらに、前記冷却室2内の構成要素の配置は種々変更可能である。
この発明の実施例1の概略構成を説明する説明図である。 同実施例1の要部制御回路を示す図である。 同実施例1の冷却プログラムを説明するフローチャート図である。 同実施例1の他の冷却プログラムを説明するフローチャート図である。 同実施例1の他の冷却プログラムを説明するフローチャート図である。 同実施例1の他の冷却プログラムを説明するフローチャート図である。 同実施例1の他の冷却プログラムを説明するフローチャート図である。 同実施例1の扉開閉時制御プログラムを説明するフローチャート図である。 この発明の実施例2の概略構成を説明する説明図である。 この発明の実施例3の概略構成を説明する一部断面の説明図である。 この発明の実施例3の概略構成を説明する斜視図である。 この発明の実施例4の異常処理プログラムを説明するフローチャート図である。
符号の説明
1 複合冷却装置
2 冷却室
3 被冷却物
5 冷風冷却手段
6 制御器
8 区画壁
12 モータ
13 ファン
27 室内圧力センサ
50 扉センサ
51 インバータ
52 圧縮機
81 第一領域
82 第二領域
90 扉

Claims (6)

  1. 扉を有し被冷却物を収容する冷却室と、冷却用熱交換器にて冷却された前記冷却室内の空気により被冷却物を冷却する冷風冷却手段とを備え、この冷風冷却手段が前記冷却室内の空気を循環させるファンとこのファンによる循環流中に被冷却物および前記冷却用熱交換器を位置させるように循環経路を構成する循環経路構成部材とを含む冷却装置であって、
    前記冷却用熱交換器が圧縮機から吐出され液化された冷媒を蒸発するように構成され、
    前記扉の開放検知により、前記ファンを停止するとともに、前記圧縮機の運転を継続する制御手段を備えたことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記ファンまたはその駆動用のモータは、制動手段を備え、
    前記制御手段は、前記扉の開放検知により前記制動手段を作動させて前記モータを停止することを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記扉の開放を検知する扉センサを備え、
    前記制御手段は、前記扉センサの異常を判定した時、前記ファンを停止することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷却装置。
  4. 前記被冷却物の品温を検出する品温センサを備え、
    前記制御手段は、前記扉センサが閉止を検出し、かつ前記品温センサにより検出された品温の上昇割合が第一条件を満たした時、前記扉センサの異常を判定することを特徴とする請求項3に記載の冷却装置。
  5. 真空冷却手段と、前記冷却室内の圧力を検出する圧力センサとを備え、
    前記制御手段は、前記扉センサによる閉止検出条件および前記第一条件に加えて、前記品温が設定温度以上となる第二条件と前記圧力センサが前記扉の開放を判定可能な設定圧力以上を検出する第三条件とを同時に満たした時、前記扉センサの異常を判定することを特徴とする請求項4に記載の冷却装置。
  6. 前記循環経路構成部材は、前記冷却室内を第一領域と第二領域とに上下に区画し、連通用の開口により前記第一領域および前記第二領域を連通する着脱自在の区画壁を含み、
    前記第一領域に被冷却物を収容するとともに、前記第二領域に前記冷却用熱交換器および前記ファンを配置したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の冷却装置。
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