JP4930896B2 - 複合冷却方法および複合冷却装置 - Google Patents

複合冷却方法および複合冷却装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4930896B2
JP4930896B2 JP2006034769A JP2006034769A JP4930896B2 JP 4930896 B2 JP4930896 B2 JP 4930896B2 JP 2006034769 A JP2006034769 A JP 2006034769A JP 2006034769 A JP2006034769 A JP 2006034769A JP 4930896 B2 JP4930896 B2 JP 4930896B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
vacuum
cooled
cold air
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006034769A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007212100A (ja
Inventor
暁 若狭
幸博 一色
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miura Co Ltd
Original Assignee
Miura Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Miura Co Ltd filed Critical Miura Co Ltd
Priority to JP2006034769A priority Critical patent/JP4930896B2/ja
Publication of JP2007212100A publication Critical patent/JP2007212100A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4930896B2 publication Critical patent/JP4930896B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Devices That Are Associated With Refrigeration Equipment (AREA)
  • Cold Air Circulating Systems And Constructional Details In Refrigerators (AREA)
  • Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)

Description

この発明は、真空冷却と冷風冷却とを可能とした複合冷却方法に関する。
従来、食品を冷却する装置として、食品を冷風により冷却するブラストチラーと称される冷風冷却装置と、食品を真空冷却する真空冷却装置とが知られている。
前記冷風冷却装置による冷却は、冷風と食品表面との対流伝熱による冷却が主のため、冷却時間が、たとえば90分と長時間を要する課題があり、かつ食品の表面と中心部とを均一に冷却することが困難である。
一方、真空冷却装置による冷却は、約20℃程度までは、急速冷却が可能であるが、その後は冷却速度が急速に低下するために、市場に出回っている冷却能力の低い装置では、チルド域までの冷却は困難となっていた。仮に、チルド域まで冷却しようとすると真空冷却手段の冷却能力,すなわち到達真空度を大幅に高める必要がある。一般に、真空冷却装置の使用において、チルド域まで冷却する必要がないものも多くあり、かつ、通常の真空冷却においては冷却速度の点からも増強した冷却能力を必要としない。よって、チルド域までの冷却だけのために真空冷却手段の冷却能力を高いものとするのは、経済的ではない。
ところで、真空冷却と冷風冷却とを可能とした複合冷却装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この複合冷却装置は、被冷却物を先ず冷風冷却により冷却した後、真空冷却により所定温度まで冷却するものである。この従来技術は、短時間冷却を課題とせず、冷風冷却→真空冷却の順で冷却を行っているので、チルド域の低温まで冷却しようとすると、冷却時間が長くなるとともに、真空冷却手段の冷却能力を大きいものとしなければならず、真空冷却手段の装置が大掛かりなものとなる課題があった。
また、この出願の発明者等は、所望の温度まで短時間で冷却が可能な複合冷却方法を追求した結果、被冷却物の初期温度と設定冷却温度とによって適切な冷却方法が存在するという知見を得た。
特開2002−318051公報
この発明が解決しようとする課題は、初期品温に拘わらず被冷却物を初期品温から10℃以下に短時間で冷却することである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、冷却室内の被冷却物の真空冷却と冷風冷却とを可能とし、被冷却物を10℃以下に冷却する複合冷却方法であって、
被冷却物の温度(以下、品温という。)を高温域,中温域および低温域に区分し、
前記高温域,前記中温域および前記低温域に対して、それぞれ被冷却物を冷風冷却する第一冷風冷却工程,被冷却物を真空冷却する真空冷却工程,被冷却物を冷風冷却する第二冷風冷却工程を割り当てる工程割当てを行うとともに、
被冷却物が真空冷却に適した食材であって、被冷却物の到達冷却温度(以下、設定冷却温度という。)が前記低温域にある場合において、被冷却物の冷却開始温度(以下、初期品温という。)が前記高温域にある場合には、下記冷却パターン(1)を選択し、初期品温が前記中温域にある場合には、下記冷却パターン(2)を選択し、選択した冷却工程を実行することにより、被冷却物を初期品温から10℃以下に冷却することを特徴としている。
(1)被冷却物を冷風冷却する第一冷風冷却工程,被冷却物を真空冷却する真空冷却工程および被冷却物を冷風冷却する第二冷風冷却工程を順次行う冷却パターン。
(2)被冷却物を真空冷却する真空冷却工程および被冷却物を冷風冷却する冷風冷却工程を順次行う冷却パターン。
請求項に記載の発明は、冷却室内の被冷却物を真空冷却する真空冷却手段と、前記被冷却物を冷風冷却する冷風冷却手段と、前記真空冷却手段および冷風冷却手段を制御する制御手段とを備え、被冷却物を10℃以下に冷却する複合冷却装置であって、
品温を高温域,中温域および低温域に区分し、
前記高温域,前記中温域および前記低温域に対して、それぞれ被冷却物を冷風冷却する第一冷風冷却工程,被冷却物を真空冷却する真空冷却工程,被冷却物を冷風冷却する第二冷風冷却工程が割り当てられ、
前記制御手段は、冷却パターン選択工程と冷却パターン実行工程を順次行い、
前記冷却パターン選択工程は、被冷却物が真空冷却に適した食材であって、被冷却物の前記設定冷却温度が前記低温域にある場合において、被冷却物の初期品温が前記高温域にある場合には、下記冷却パターン(1)を選択し、初期品温が前記中温域にある場合には、下記冷却パターン(2)を選択し、
冷却パターン実行工程は、前記冷却パターン選択工程で選択した冷却パターンを実行し、被冷却物を初期品温から10℃以下に冷却するものであることを特徴としている。
(1)被冷却物を冷風冷却する第一冷風冷却工程,被冷却物を真空冷却する真空冷却工程および被冷却物を冷風冷却する第二冷風冷却工程を順次行う冷却パターン。
(2)被冷却物を真空冷却する真空冷却工程および被冷却物を冷風冷却する冷風冷却工程を順次行う冷却パターン。
この発明によれば、初期品温に拘わらず被冷却物を初期品温から10℃以下に短時間で冷却することができる。
<方法の実施の形態>
つぎに、この発明の複合冷却方法の実施の形態1〜5について説明する。この発明の実施の形態1〜5は、被冷却物を冷風冷却と真空冷却とによって冷却可能な複合冷却装置に適用される。
(方法の実施の形態1)
この種冷却方法においては、水分を含み、その水分が蒸発可能な被冷却物を品質を低下させることなく、所望の温度まで短時間で冷却することが重要な課題である。この出願の発明者等は、複合冷却装置の開発の過程において、この課題を達成するには、被冷却物の温度(以下、品温という。)を被冷却物の所期温度(以下、初期品温という。)と被冷却物の到達冷却温度(以下、設定冷却温度という。)とに基づいて複数の温域に区分し、これらの温域に適した冷却方法を選択することで、前記課題を解決しうるという知見を得た。
この実施の形態1は、冷却室内の被冷却物の真空冷却と冷風冷却とを可能とした複合冷却方法であって、被冷却物の温度(以下、品温という。)を複数の温域に区分し、前記各温域に対して、被冷却物を冷風冷却する冷風冷却工程および被冷却物を真空冷却する真空冷却工程のいずれかを割り当てる工程割当てを行うとともに、被冷却物の冷却開始温度(以下、初期品温という。)が前記温域のいずれに属するかという初期品温条件と、被冷却物の到達冷却温度(以下、設定冷却温度という。)が前記温域のいずれに属するかという設定冷却温度条件とに応じて、前記工程割当てに従って1または複数の冷却工程を選択し、選択した冷却工程を実行することにより、被冷却物を初期品温から設定冷却温度まで冷却することを特徴としている。
前記温域の数は、好ましくは、3とするが、これに限定されるものではない。以下は、前記温域の数を3とした例,すなわち高温域,中温域,低温域とした例につき説明する。
前記高温域は、品温が初期品温に対応して設定される第一温度設定値(たとえば、70℃)より高い温度域とし、前記中温域は、前記第一温度設定値以下で、設定冷却温度に対応して設定される第二温度設定値(たとえば、10℃)より高い温度域とし、前記低温域は、第二温度設定値以下の温域とする。これらの各温域に対して、つぎのように冷却工程が割り当てられる。これらの温域の区分は、前記初期品温と前記設定冷却温度と後記の冷風冷却手段の冷風冷却特性および真空冷却手段の真空冷却特性とを考慮して実験に基づき定める。
すなわち、前記高温域に対しては、前記第一冷風冷却工程が割り当てられて実行される。その第一冷風冷却特性は、品温が前記第一温度設定値以上の温度域においては、被冷却物からの自然蒸発の影響により真空冷却速度よりも早い(速い)ものである。すなわち、前記第一温度設定値以上の温度域においては、真空冷却を行っても前記冷却室内の圧力が品温に相当する蒸気圧力に達するまでの間、自然蒸発が支配的であり、むしろ真空冷却速度は、強制的に蒸発を促進させる冷風冷却速度に比べて遅くなる。
前記中温域に対しては、前記真空冷却工程が割り当てられて実行される。この真空冷却工程における真空冷却は、被冷却物の周囲の圧力を品温に相当する圧力以下とすることで、被冷却物内の水分を蒸発させることにより被冷却物を冷却するものである。この冷却は、被冷却物の表面と中心部との温度差が少ない、均一冷却である。この真空冷却特性は、前期の真空冷却速度が早く、後期の真空冷却速度が前期のそれと比較して鈍化するものである。この真空冷却特性は、前記真空冷却工程を行う真空冷却手段により決まる時間−圧
力特性であり、品温は、初期工程を除いてほぼこの真空冷却特性に沿ったカーブを描いて指数関数的に低下してゆく。
また、前記低温域に対しては、前記第二冷風冷却工程が割り当てられて実行される。この第二冷風冷却特性は、冷風冷却速度が前期の真空冷却速度より遅く、後期の鈍化した真空冷却速度よりも早いものとしている。この冷風冷却は、被冷却物の表面において周囲の空気と熱交換することによる冷却である。このため、被冷却物を短時間では均一冷却はできない。また、第二冷風冷却特性は、前記第二冷風冷却工程を行う冷風冷却手段による時間−品温特性であり、品温の低下の傾きが前記真空冷却特性のそれより緩かな特性曲線としている。
この実施の形態1においては、まず、初期品温条件と設定冷却温度条件と前記工程割当てとに従って、冷却工程を選択して、冷却パターンを選択する冷却パターン選択工程を行う。この冷却パターン選択工程においては、複数の冷却パターンから選択されることになる。この冷却パターンの数は、初期品温が前記温域のいずれに属するかという初期品温条件と、設定冷却温度が前記温域のいずれに属するかという設定冷却温度条件によって異なる。
具体的には、初期品温条件を品温が高温域,中温域および低温域のいずれに属するかを判定するものとし、設定冷却温度条件を設定冷却温度が高温域,中温域および低温域のいずれに属するかを判定するものとした場合には、6種の冷却パターンが選択される。すなわち、初期品温が高温域で、設定冷却温度が低温域にある場合は、前記第一冷風冷却工程→前記真空冷却工程→前記第二冷風冷却工程からなる第一冷却パターンが選択される。初期品温が中温域で、設定冷却温度が低温域にある場合は、前記真空冷却工程→前記第二冷風冷却工程からなる第二冷却パターンが選択される。初期品温および設定冷却温度がともに低温域にある場合は、前記第二冷風冷却工程からなる第三冷却パターンが選択される。初期品温が高温域で、設定冷却温度が中温域にある場合は、前記第一冷風冷却工程→前記真空冷却工程からなる第四冷却パターンが選択される。初期品温および設定冷却温度がともに中温域にある場合は、前記真空冷却工程からなる第五冷却パターンが選択される。初期品温および設定冷却温度がともに高温域にある場合は、前記第一冷風冷却工程からなる第六冷却パターンが選択される。
また、初期品温条件を品温が高温域および中温域のいずれに属するかを判定するものとし、設定冷却温度条件を設定冷却温度が中温域および低温域のいずれに属するかを判定するものとした場合には、4種の冷却パターンが選択される。すなわち、前記第一冷却パターン,前記第二冷却パターン,前記第四冷却パターンおよび前記第五冷却パターンが選択される。
以上、初期品温が前記温域のいずれに属するかという初期品温条件と、設定冷却温度が前記温域のいずれに属するかという設定冷却温度条件とについて2つの例を挙げたが、この実施の形態1は、この例にに限定されるものではない。
この冷却パターン選択工程は、好ましくは自動とするが、手動で行うように構成することができる。自動選択とは、複合冷却装置の操作者が初期品温および設定冷却温度を入力すると、冷却パターンが自動的に選択される方法である。初期品温の入力は、品温を検出するセンサにより自動的に行うことができる。手動選択とは、予め初期品温および設定冷却温度と前記各冷却パターンとの関係を画面などで表示しておき、複合冷却装置の操作者が予め初期品温および設定冷却温度から特定の冷却パターンを選択する方法である。
前記冷却パターン選択工程を終えると、冷却パターン実行工程を行う。この冷却パター
ン実行工程は、つぎのようにして行われる。前記第一冷却パターンを例にとり説明する。
前記第一冷却パターンでは、まず、前記第一冷風冷却工程が行われる。この第一冷風冷却工程では、被冷却物の粗熱を取る。品温が前記高温領域にあるときは、被冷却物からの自然蒸発が支配的であり、真空冷却を行っても効果的に冷却することができないが、前記第一冷風冷却工程の冷風冷却により前記高温領域において被冷却物を効果的に冷却することができる。
前記第一冷風冷却工程の終了後、前記真空冷却工程を行う。この真空冷却工程の前期は、真空冷却速度が早く、品温は急速に低下する。前記真空冷却工程の後期となると真空冷却速度が低下する。好ましくは、このタイミングを捉えて、前記真空冷却工程を終えて前記第二冷風冷却工程へ移行する。この第二冷風冷却工程における冷風冷却速度は、前記真空冷却工程の前期の真空冷却速度より遅いが、チルド域の低温まで冷却することができる。
前記第一冷風冷却工程から前記真空冷却工程への切り換えおよび前記真空冷却工程から前記第二冷風冷却工程への切り換え(以下、工程切換という。)は、つぎのようにして行うことができる。すなわち、冷却時間,前記冷却室内の圧力,同温度,被冷却物の温度のいずれか,または前記冷却室内の圧力,同温度,前記被冷却物の温度のいずれかの変化量を検出し、検出値が第一切換設定値となったとき、第一冷風冷却工程から真空冷却工程へ切り換え、前記検出値が第二切換設定値となったとき、前記真空冷却工程から前記第二冷風冷却工程へ切り換える。
前記第一冷風冷却工程から前記真空冷却工程への切換タイミング(第一切換タイミング)は、好ましくは、品温が前記第一温度設定値となる付近であって、被冷却物からの自然蒸発が少なくなるタイミングとする。この第一切換タイミングは、予め実験により求められるが、前記第一温度設定値に基づいて前記第一切換設定値を定めることができる。
また、前記真空冷却工程から前記第二冷風冷却工程への切換タイミング(第二切換タイミング)は、好ましくは、前記真空冷却工程の後期の真空冷却速度が冷風冷却速度よりも低下するタイミングとなるように前記第二切換設定値を定める。
前記の「後期の真空冷却速度が冷風冷却速度より低下する」第二切換タイミングは、前記真空冷却工程における真空冷却速度を連続的に監視し、前記冷風冷却工程における冷風冷却速度と比較して、前者が後者より遅くなるタイミングとすることができる。このタイミングは、後期の真空冷却速度が冷風冷却速度と等しくなるタイミングを挟んで前後に若干の幅を持たせて設定することができる。また、この第二切換タイミングは、ピンポイントでなく、真空冷却速度および冷風冷却速度の単位時間当たりの積分値を基に決めることができる。また、前記第二切換タイミングは、前記冷却室内の圧力または温度が、前記真空冷却特性による最終到達圧力または温度に設定値を加えた値となったときとすることができる。前記最終到達圧力(温度)とは、真空冷却特性によって無限の時間を要するが最終的に到達可能な圧力(温度)を意味する。
また、前記第二切換タイミングは、予め実験により、冷却開始から「後期の真空冷却速度が冷風冷却速度より低下する」までの経過時間(冷却時間),前記冷却室内の圧力,前記冷却室内の温度,被冷却物の温度のいずれか、または前記冷却室内の圧力,前記冷却室内の温度,被冷却物の温度のいずれかの変化量を前記第二切換設定値として求めておき、前記検出手段による検出値が前記第二切換設定値となったときとすることができる。
さらに、前記第二切換タイミングは、前記第一冷風冷却工程,前記真空冷却工程および前記第二冷風冷却工程に要する時間(設定冷却時間)と前記設定冷却温度とを設定した場合、これらの設定冷却時間,前記真空冷却特性,前記冷風冷却特性とから設定することができる。この設定の概要は、つぎの通りである。時間(横軸)−温度(縦軸)特性において、前記設定冷却時間と前記設定冷却温度によって定められる最終到達ポイントが終点となるように冷風冷却特性曲線(時間−温度特性曲線)を時間を遡る方向へ引く、そして、前記第一冷風冷却工程が終了したポイントから真空冷却特性に対応する時間−品温特性曲線を引き、両曲線が交わる点を前記第二切換タイミングとする。こうしたタイミングの設定により前記第二切換設定値を定めることで、決められた時間で、決められた温度まで、確実に冷却を行うことができる。
前記第一切換設定値および前記第二切換設定値は、品温を検出して行う場合は、それぞれ前記第一温度設定値,前記第二温度設定値とすることができる。
つぎに、この実施の形態1の各構成要素について説明する。被冷却物は、好ましくは食材とするが、これに限定されるものではない。被冷却物は、冷却室に収容されて冷却される。この冷却室は、被冷却物を収容する密閉空間を形成するとともに、被冷却物を出し入れすることができるものであれば、その形式、種類および大きさは問わない。この冷却室は、冷却槽,冷却区画、冷却容器などと称することができる。
前記第一冷風冷却工程および前記第二冷風冷却工程は、被冷却物を冷風により冷却する冷風冷却手段により行われる。この冷風冷却手段は、好ましくは、前記冷却室内の空気を冷却する冷却用熱交換器と、前記冷却室内の空気を循環させるファンと、被冷却物と前記冷却用熱交換器との間に前記ファンによって空気の循環流が形成されるように循環経路を形成する循環経路形成部材とから構成される。前記循環経路は、好ましくは、前記冷却用熱交換器および前記ファンを前記冷却室内に配置することで、前記冷却室内に形成するが、前記熱交換器および/または前記ファンを前記冷却室外へ配置し、これらと前記冷却室とを通風ダクトにてつなぐことで、循環路を構成することができる。
前記冷却用熱交換器は、被冷却物を冷風冷却によりチルド域まで冷却可能な低温(たとえば−10℃以下)とすることができる熱交換器であればよいが、好ましくは、冷凍機のコンデンシングユニットから供給される液化冷媒を蒸発して間接熱交換により前記冷却室内の空気を冷却する蒸発器から構成する。しかしながら、この冷却用熱交換器は、冷水製造装置(チラー)から供給される冷水、またはブラインチラーから供給されるブラインを冷媒とする熱交換器とすることができる。
ところで、前記第一冷風冷却工程は、前記冷却用熱交換器を用いる熱交換器冷風冷却ではなく、前記冷却室内へ外気を導入し、この外気を被冷却物へ当てた後、排出する外気冷風冷却ことにより行うことができる。また、この第一冷風冷却工程は、前記熱交換器冷風冷却と前記外気冷風冷却とを組み合わせて行うことができる。
前記真空冷却工程は、被冷却物を真空冷却する真空冷却手段により行われる。この真空冷却手段は、前記冷却室と接続される減圧ラインと、この減圧ライン中の設けられる減圧手段(減圧器)とを含んで構成される。この減圧器は、真空ラインまたは水エゼクタとすることができる。また、この減圧器は、蒸気エゼクタ,蒸気凝縮用の熱交換器および真空ポンプまたは水エゼクタを組み合わせたものとすることができる。前記真空ポンプは、好ましくは水封式真空ポンプとする。
また、前記各工程の切り換えは、マイクロコンピュータなどの制御手段により行われる。この制御手段は、予め記憶した前記冷却プログラムにより前記真空冷却手段および前記冷風冷却手段の作動を制御する。前記冷却プログラムには、前記冷却パターン選択工程お
よび前記冷却パターン実行工程を行うプログラムを少なくとも含んでいる。
(方法の実施の形態2)
この実施の形態2は、前記実施の形態1において、真空冷却に適していない被冷却物については被冷却物を冷風冷却する冷風冷却工程により初期品温から設定冷却温度まで冷却することを特徴とすることを特徴としている。
この実施の形態2においては、真空冷却に適している被冷却物に対しては、前記実施の形態1の方法が行われ、真空冷却に適していない被冷却物については冷却開始から終了まで前記冷風冷却工程を行うものである。真空冷却に適していない被冷却物とは、被冷却物が水分を含まない食材や、水分を含んでいてもその水分が蒸発できないように包装されている食材,液状の食材や水分の多い柔らかいなど真空冷却に適さない食材である。
この実施の形態2によれば、被冷却物が真空冷却に適さない食材であっても、被冷却物を短時間で所望の設定冷却温度の低温まで冷却することができる。
(方法の実施の形態3)
つぎに、この発明の複合冷却方法の実施の形態3について説明する。この実施の形態3は、前記実施の形態1〜2において、前記真空冷却工程を、第一真空冷却工程とその後に実行される第二真空冷却工程とから構成したことを特徴とするものである。
この実施の形態3において、前記第一真空冷却工程は、第一真空冷却手段により行われる。その第一真空冷却特性は、前期の真空冷却速度が早く、後期で真空冷却速度が鈍化するものとする。また、前記第二真空冷却工程は、第二真空冷却手段により行われ、その第二真空冷却特性は、前期の真空冷却速度が早く、後期で真空冷却速度が鈍化するものとする。そして、前記第二冷風冷却工程は、前記第二冷風冷却手段により行われ、その第二冷風冷却特性を冷風冷却速度が前記第一真空冷却手段および前記第二真空冷却手段の前期の真空冷却速度より遅く、後期の鈍化した真空冷却速度より早いものとしている。
この実施の形態3においては、前記第一真空冷却工程から前記第二真空冷却工程への切り換えは、冷却時間,前記冷却室内の圧力,同温度,被冷却物の温度のいずれか,または前記冷却室内の圧力,同温度,前記被冷却物の温度のいずれかの変化量を検出し、検出値が第三切換設定値となったとき行われるように構成することができる。
そして、前記第三切換設定値は、好ましくは、前記第一真空冷却手段による後期の真空冷却速度が前記冷風冷却手段による冷風冷却速度より低下するタイミングとするが、これに限定されるものではない。
また、前記第一冷風冷却工程から前記第一真空冷却工程への切り換えおよび前記第二真空冷却工程から前記第二冷風冷却工程への切り換えは、それぞれ前記実施の形態1の前記第一冷風冷却工程から前記真空冷却工程への切り換え,前記真空冷却工程から前記第二冷風冷却工程への切り換えと同様であるので説明を省略する。
この実施の形態3においては、真空冷却工程を、前記第一真空冷却手段による第一真空冷却工程と前記第二真空冷却手段による第二真空冷却工程とで、二段階により行っているので、真空冷却開始当初から過大な冷却能力で真空冷却するものと比較して、真空冷却手段の作動に必要なエネルギーを削減できるとともに、急激な冷却で被冷却物の品質低下が問題になる食材では、品質の低下を抑えることができる。
前記第一真空冷却手段および前記第二真空冷却手段は、比較的冷却能力の小さい複合冷
却装置に好適な第一態様として、つぎのように構成することができる。すなわち、前記第一真空冷却手段は、前記冷却室と接続される減圧器の作動により前記第一真空冷却工程を実行するように構成する。また、前記第二真空冷却手段は、前記冷却室を低圧下で密閉状態として前記冷却用熱交換器により被冷却物からの蒸気を凝縮することにより前記第二真空冷却工程を実行するように構成される。この場合、前記冷風冷却手段は、前記冷却室内の空気を冷却用熱交換器との間接熱交換により前記第一冷風冷却工程および前記第二冷風冷却工程を実行するように構成される。
前記第一真空冷却手段の減圧器は、真空ポンプまたは水エゼクタとすることができる。前記真空ポンプは、好ましくは、水封式真空ポンプとする。
前記第二真空冷却手段の前記冷却室を密閉するための構成要素として、前記減圧器を備える減圧ラインにおいて、前記冷却室と前記減圧器との間に開閉弁を設ける。そして、この前記第二真空冷却手段の作動時に前記開閉弁を閉じることで、前記冷却室内を密閉状態とすることができる。前記開閉弁は、好ましくは、電磁弁のような開閉の二動作を行う弁とするが、逆止弁とすることができる。
前記第一真空冷却手段の作動とは、前記開閉弁を開き、前記減圧器を運転することであり、前記第二真空冷却手段の作動とは、前記冷却室が低圧下の状態を作った後に前記開閉弁を閉じ、前記冷却用熱交換器を作動させる,すなわち冷媒を供給して冷却作用を行わせることである。
前記第二真空冷却工程においては、減圧下で,密閉した空間内で被冷却物から蒸気が発生し、発生した蒸気が前記冷却用熱交換器の表面で凝縮し、被冷却物からの蒸発を促進する。この第二真空冷却工程の作用を確実なものとするためには、前記冷却室内に蒸気の凝縮を妨げる空気が存在しないことが重要である。このため、前記第一真空冷却工程の前,または前記第一真空冷却工程中に空気排除工程を設けることが望ましい。前記第一真空冷却工程前の空気排除工程は、好ましくは、前記減圧器を作動させながら、前記冷却室へ蒸気を供給(給蒸)または温水を供給(給水)して前記冷却室内を蒸気で満たすことにより、空気を排除するように構成する。また、この空気排除工程は、前記排気→前記給蒸→前記排気の順に行い、これを1回乃至複数回繰り返すことに行うように構成することができる。
前記第一真空冷却工程中に空気排除工程を行う場合は、好ましくは、前記第一真空冷却工程の中期または後期であって、前記冷却室内圧力が前記第一真空冷却手段を構成する減圧手段の減圧能力限界に対応する圧力(以下、限界圧力という。)に達する前に行うように構成する。より具体的には、前記限界圧力に到達する前に、この限界圧力相当温度以上の温度(たとえば、40℃)の温水を前記冷却室内に注入することで行われる。注入された温水は、前記冷却室内圧力がその温水の飽和蒸気圧力以下まで減圧された時点で蒸気が発生し始め、発生した蒸気により、前記冷却室内の空気を室外へ排出することができる。この温水の注入必要量は、前記冷却室の容積に比例する。
前記第二真空冷却工程は、前記冷却用熱交換器を冷風冷却用だけでなく、被冷却物からの蒸気を凝縮するコールドトラップとして用いて行われることになる。これにより、前記減圧器として蒸気エゼクタを設ける必要がなくなるとともに、場合によっては、減圧器の上流側に設ける蒸気凝縮用の熱交換器(凝縮用熱交換器)を省略することができ、前記真空冷却手段の構成を簡素化できる。
また、前記第一真空冷却手段および前記第二真空冷却手段は、比較的冷却能力の大きい複合冷却装置に好適な第二態様として、つぎのように構成することができる。すなわち、
前記減圧ラインと、この減圧ライン中に設けられる蒸気エゼクタ,前記凝縮用熱交換器および前記減圧器とを設けたものとする。そして、前記第一真空冷却手段は、前記減圧器の作動により第一真空冷却工程を実行するように構成する。また、前記第二真空冷却手段は、前記減圧器の作動に加えて、前記蒸気エゼクタおよび前記凝縮用熱交換器を作動させることにより第二真空冷却工程を実行するように構成する。
(方法の実施の形態4)
この実施の形態4は、冷却室内の被冷却物の真空冷却と冷風冷却とを可能とした複合冷却方法であって、つぎの冷却パターンを選択し実行可能としたことを特徴としている。(1)被冷却物を冷風冷却する第一冷風冷却工程,被冷却物を真空冷却する真空冷却工程および被冷却物を冷風冷却する第二冷風冷却工程を順次行う冷却パターン。(2)被冷却物を真空冷却する真空冷却工程および被冷却物を冷風冷却する冷風冷却工程を順次行う冷却パターン。(3)被冷却物を冷風冷却する冷風冷却工程を行う冷却パターン。(4)被冷却物を真空冷却する真空冷却工程を行う冷却パターン。(5)被冷却物を冷風冷却する冷風冷却工程および被冷却物を真空冷却する真空冷却工程を順次行う冷却パターン。
この実施の形態4によれば、被冷却物が真空冷却に適した食材であって、チルド域まで冷却したい場合において、初期品温が高温域にある場合には、前記冷却パターン(1)を選択する。初期品温が中温域にある場合には、前記冷却パターン(2)を選択する。被冷却物が真空冷却に適さない食材であってチルド域まで冷却したい場合には、前記冷却パターン(3)を選択する。これにより、被冷却物の性状および初期品温に応じた冷却パターンにより被冷却物を短時間で低温まで冷却することができる。また、被冷却物が真空冷却に適した食材であって、チルド域まで冷却を必要としない場合には、初期品温により前記冷却パターン(4)と前記冷却パターン(5)とを選択することにより、初期品温に応じた冷却パターンにより被冷却物を短時間で低温まで冷却することができる。
(方法の実施の形態5)
この実施の形態5は、冷却室内の被冷却物の真空冷却と冷風冷却とを可能とした複合冷却方法であって、つぎの冷却パターンを選択し実行可能としたことを特徴としている。(1)被冷却物を冷風冷却する第一冷風冷却工程,被冷却物を真空冷却する真空冷却工程および被冷却物を冷風冷却する第二冷風冷却工程を順次行う冷却パターン。(2)被冷却物を真空冷却する真空冷却工程および被冷却物を冷風冷却する冷風冷却工程を順次行う冷却パターン。(3)被冷却物を冷風冷却する冷風冷却工程を行う冷却パターン。
この実施の形態5によれば、被冷却物が真空冷却に適した食材であってチルド域まで冷却したい場合において、初期品温が高温域にある場合には、前記冷却パターン(1)を選択し、初期品温が中温域にある場合には、前記冷却パターン(2)を選択し、被冷却物が真空冷却に適さない食材であってチルド域まで冷却したい場合には、前記冷却パターン(3)を選択することにより、被冷却物の性状および初期品温に応じた冷却パターンによって、被冷却物を短時間で低温まで冷却することができる。
以上、方法の実施の形態について説明したが、各実施の形態において、冷風冷却工程から真空冷却工程への切り換え時、または真空冷却工程から冷風冷却工程への切り換え時、または第一真空冷却工程から第二真空冷却工程への切り換え時に、前後の工程を重複(オーバーラップ)させながら切り換えるように構成することができる。たとえば、前記第一真空冷却工程から前記第二真空冷却工程への切換時、前記第一真空冷却工程の最終段階で前記冷却用熱交換器を作動状態とすることができる。また、前記第二真空冷却工程から前記第二冷風冷却工程への切換時、復圧工程が行われるが、この復圧工程時に冷却用熱交換器および循環ファン作動させることができる。
<装置の実施の形態>
以上、この発明の複合冷却方法の実施の形態について説明したが、この発明は、つぎの複合冷却装置の実施の形態1〜6を含むものである。
(装置の実施の形態1)
この装置の実施の形態1は、冷却室内の被冷却物を真空冷却する真空冷却手段と、前記被冷却物を冷風冷却する冷風冷却手段と、前記真空冷却手段および冷風冷却手段を制御する制御手段とを備える複合冷却装置であって、前記制御手段は、品温の高温域,中温域および低温域に対して、それぞれ被冷却物を冷風冷却する第一冷風冷却工程,被冷却物を真空冷却する真空冷却工程,被冷却物を冷風冷却する第二冷風冷却工程を割り当てた工程割当てと、初期品温が前記温域のいずれに属するかという初期品温条件と、設定冷却温度が前記温域のいずれに属するかという設定冷却温度条件とに応じて、1または複数の冷却工程を選択する冷却パターン選択工程と、選択した冷却工程を実行する冷却パターン実行工程とを行うことを特徴とする。
この装置の実施の形態1において使用されている用語は、前記方法の実施の形態と同じであるので、その説明を省略する。この実施の形態1によれば、真空冷却に適した被冷却物に対して、初期品温から所望の設定冷却温度まで短時間で冷却が可能な複合冷却装置を提供できる。
(装置の実施の形態2)
この装置の実施の形態2は、前記装置の実施の形態1において、前記真空冷却手段は、第一真空冷却特性を有する第一真空冷却手段と第二真空冷却特性を有する第二真空冷却手段とを備え、前記制御手段は、前記真空冷却工程を前記第一真空冷却手段による第一真空冷却工程と前記第二真空冷却手段による第二真空冷却工程とで行うことを特徴とする。
この装置の実施の形態1によれば、前記装置の実施の形態1による効果に加えて、真空冷却工程を前記第一真空冷却手段による第一真空冷却工程と前記第二真空冷却手段による第二真空冷却工程とで、二段階で行っているので、真空冷却手段の作動に必要なエネルギーを削減できるとともに、急激な冷却で被冷却物の品質低下が問題になる食材では、品質の低下を抑えることができるという効果を奏する。
(装置の実施の形態3)
この装置の実施の形態3は、前記装置の実施の形態2において、前記真空冷却手段による冷却時間,前記冷却室内の圧力,同温度,被冷却物の温度のいずれかを検出するか,または前記冷却室内の圧力,同温度および前記被冷却物の温度のいずれかの変化量を検出する検出手段を備え、前記制御手段は、前記検出手段の検出値が設定値となったとき、前記第一真空冷却工程から前記第二真空冷却工程へ切り換えることを特徴とする。
この装置の実施の形態3によれば、前記装置の実施の形態2による効果に加えて、前記第一真空冷却工程から前記第二真空冷却工程への切換タイミングを適切に設定することができるという効果を奏する。
(装置の実施の形態4)
この装置の実施の形態4は、前記装置の実施の形態2または3において、前記第一真空冷却手段は、前期の真空冷却速度が早く、後期で真空冷却速度が鈍化する第一真空冷却特性を有し、前記第二真空冷却手段は、前期の真空冷却速度が早く、後期で真空冷却速度が鈍化する第二真空冷却特性を有し、前記第二冷風冷却工程を行う冷風冷却手段は、その冷風冷却特性を冷風冷却速度が前記第一真空冷却手段および前記第二真空冷却手段の前期の真空冷却速度より遅く、後期の鈍化した真空冷却速度より早いものとし、前記制御手段は
、前記第二真空冷却手段による後期の真空冷却速度が冷風冷却速度より低下するタイミングで前記第二真空冷却工程から前記第二冷風冷却工程へ切り換えることを特徴とする。
この装置の実施の形態4によれば、前記装置の実施の形態2または3による効果に加えて、急速で均一冷却が可能な真空冷却工程を最大限先行して実行した後に、低温まで冷却可能な第二冷風冷却工程を行うので、被冷却物を短時間で低温まで冷却することができるという効果を奏する。
(装置の実施の形態5)
この装置の実施の形態5は、前記装置の実施の形態2〜4において、前記冷風冷却手段は、前記冷却室内の空気を冷却用熱交換器との熱交換により冷却するように構成され、前記第一真空冷却手段は、前記冷却室と接続される減圧器の作動により第一真空冷却工程を実行するように構成され、前記第二真空冷却手段は、前記冷却室を低圧下で密閉状態として前記冷却用熱交換器により被冷却物からの蒸気を凝縮することにより第二真空冷却工程を実行するように構成されることを特徴とする。
この装置の実施の形態5によれば、前記装置の実施の形態2〜4による効果に加えて、冷風冷却用の前記冷却用熱交換器を真空冷却時のコールドトラップとして用いているので、前記真空冷却手段の構成を簡素化できるという効果を奏する。
(装置の実施の形態6)
この装置の実施の形態6は、前記装置の実施の形態2〜4において、前記冷却室と接続される減圧ラインと、この減圧ライン中に設けられる蒸気エゼクタ,凝縮用熱交換器および減圧器とを備え、前記第一真空冷却手段は、前記減圧器の作動により第一真空冷却工程を実行するように構成され、前記第二真空冷却手段は、前記蒸気エゼクタ,前記凝縮用熱交換器および前記減圧器の作動により第二真空冷却工程を実行するように構成されていることを特徴とする。
この装置の実施の形態6によれば、前記装置の実施の形態2〜4による効果に加えて、大容量の複合冷却装置を容易に提供できるという効果を奏する。
以下、この発明の複合冷却方法の具体的実施例1を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、同実施例1を実施した複合冷却装置1の概略構成図であり、図2は、冷却パターンの選択を説明する図であり、図3〜図9は、それぞれ同実施例1の制御手順の要部を説明するフローチャート図である。
まず、前記複合冷却装置1の構成について説明する。前記複合冷却装置1は、真空冷却と冷風冷却とを行うことができる冷却装置であり、種々の冷却パターンを選択的に実行できるとともに、被冷却物温度(以下、品温という。)がチルド域の低温となるように被冷却物3を短時間で冷却できる特徴を有している。
前記複合冷却装置1は、冷却室2と、この冷却室2内の被冷却物3を真空冷却する真空冷却手段4と、前記被冷却物3を冷風冷却する冷風冷却手段5と、前記真空冷却手段4および前記冷風冷却手段5とを制御する制御手段としての制御器6とを主要部として備える。
そして、前記制御器6には、ソフトウエアによるタイマー7を備えている。前記制御器6は、予め記憶した冷却プログラムに基づき、前記真空冷却手段4および前記冷風冷却手段5などを制御するように構成されている。
つぎに、この複合冷却装置1の各構成要素について説明する。前記冷却室2は、被冷却物3を収容する密閉空間を形成し、被冷却物3を出し入れするための開口とこれを開閉する扉(いずれも図示省略)を備えている。また、前記冷却室2は、区画壁8により内部を上部の第一領域81と下部の第二領域82とに区画している。前記第一領域81には、被冷却物3が収容され、前記第二領域82には、前記冷風冷却手段5の一部を構成する冷却用熱交換器9が配置されている。被冷却物3は、容器に収容した食材である。
前記冷却用熱交換器9は、冷凍機10の冷媒を液化するコンデンサ(図示省略)を有するコンデンシングユニット11から供給される液化冷媒を蒸発させることにより冷却作用をなす周知の蒸発器にて構成されている。
そして、前記冷風冷却手段5は、被冷却物3を冷風により冷却するものである。この冷風冷却手段5は、前記冷却室2内の空気を冷却するための前記冷却用熱交換器9と、前記冷却室2外に配置されるモータ12によって駆動される空気循環手段としてファン13とを含む。そして、前記冷却室2の構成壁と前記区画壁8との間に開口(または隙間)14,14を設けて、前記冷却室2内に空気の循環経路(符号省略)を形成することにより、冷風冷却機能をなすように構成している。
この実施例では、前記区画壁8は、前記冷却室2の構成壁とで前記循環経路構成部材を構成する。なお、前記ファン13から出た空気がショートパスして戻らないように、前記ファン13と前記区画壁8および前記冷却室2の構成壁との間に遮蔽部材(図示省略)を設けるとともに、前記冷却用熱交換器9と前記区画壁8および前記冷却室2の構成壁との間にも遮蔽部材(図示省略)を設けている。
前記真空冷却手段4は、前期の真空冷却速度が早く、後期で真空冷却速度が鈍化する第一真空冷却特性を有する第一真空冷却手段41と、前期の真空冷却速度が早く、後期で真空冷却速度が鈍化する第二真空冷却特性を有する第二真空冷却手段42とから構成されている。
前記第一真空冷却手段41および前記第二真空冷却手段42は、具体的には、つぎのように構成される。すなわち、前記第一真空冷却手段41は、前記冷却室2と接続される減圧ライン15と、この減圧ライン15中の設けられる減圧器としての水封式の真空ポンプ16と、前記冷却室2および前記真空ポンプ16の間に位置して閉時に前記冷却室2を密閉保持する開閉弁17とを含んで構成される。
この第一真空冷却手段41は、前記開閉弁17を開いた状態で前記真空ポンプ16を作動(運転)させることにより第一真空冷却工程を実行するように構成される。前記開閉弁17は、開閉だけの弁としているが、開度が調整可能な弁とすることができる。前記減圧ライン15には、必要に応じて前記冷却室2方向への流れを阻止する逆止弁(図示省略)を設けることができる。こうした構成による第一真空冷却手段41の第一真空冷却特性は、前期の真空冷却速度が早く、後期で真空冷却速度が鈍化するものとなっている。
また、前記第二真空冷却手段42は、前記冷却室2内を低圧下で密閉状態として前記冷却用熱交換器9により被冷却物からの蒸気を凝縮する機能を有し、第二真空冷却工程を実行するように構成される。この第二真空冷却手段42を構成する要素は、前記冷却室2,前記冷却用熱交換器9,前記開閉弁17および前記第一真空冷却手段41である。前記冷却室2内を低圧下で密閉状態とするには、前記第一真空冷却工程後に、前記開閉弁17を閉じることで実現される。こうした構成による第二真空冷却手段42の第二真空冷却特性は、前記第一真空冷却特性と同様に、前期の真空冷却速度が早く、後期で真空冷却速度が
鈍化するものとなっている。
そして、前記冷風冷却手段5の冷風冷却特性は、前記第一温度設定値以上の温度域の特性(第一冷風冷却特性)は、真空冷却速度より早く、前記第二温度設定値以下の温度域の特性(第二冷風冷却特性)は、冷風冷却速度が前記第一真空冷却手段41および前記第二真空冷却手段42の前期の真空冷却速度より遅く、後期の鈍化した真空冷却速度よりも早いものとしている。
この実施例1においては、前記第二真空冷却工程の作用を確実なものとするために、前記第一真空冷却工程の前に空気排除工程を設けて実行するように構成している。この空気排除工程は、前記真空ポンプ16を作動させながら、前記冷却室2への第一給蒸手段18により蒸気を供給して前記冷却室内を蒸気で満たすことにより、空気を排除するように構成している。具体的には、前記第一給蒸手段18は、蒸気を前記冷却室2内へ供給するための第一給蒸ライン19と、蒸気供給源20と、蒸気供給を制御する第一給蒸弁21とを設けて構成されている。
また、前記冷却室2は、真空冷却工程後に前記冷却室2内を負圧から大気圧に復圧する復圧手段22を備えている。この復圧手段22は、前記冷却室2と接続される復圧ライン23と、この復圧ライン23途中に設ける復圧弁24および除菌フィルター25とを含んで構成される。前記復圧弁24は、復圧速度を調整するために開度が調整可能な弁とするが、開閉のみの弁とすることができる。また、前記復圧ライン23には、前記冷却室2内から外方向への流れを阻止する逆止弁(図示省略)を設けることができる。
前記制御器6は、予め記憶した前記冷却プログラムにより前記第一真空冷却手段41,前記第二真空冷却手段42,前記給蒸手段18および前記冷風冷却手段5の作動などを制御するように構成されている。
この冷却プログラムなどの制御を行うために、被冷却物3の品温を検出する品温センサ26,前記冷却室2内の圧力(温度)を検出する室内圧力センサ27,前記冷凍機10の冷媒回路の圧力および温度をそれぞれ検出する冷媒圧力センサ28,冷媒温度センサ29を備えている。これらのセンサは、前記制御器6と接続されて、前記コンデンシングユニット11,前記モータ12,前記真空ポンプ16、前記開閉弁17,前記第一給蒸弁21,前記復圧弁24などを制御する。
前記冷却プログラムは、図3に示すように、冷却条件を入力する冷却条件入力工程S11と冷却パターン選択工程S12と冷却パターン実行工程S13とを含む構成としている。
前記冷却条件入力工程S11は、被冷却物3の性状(真空冷却に適した食材か否か)と冷却開始当初の品温(以下、初期品温という。)および到達(冷却)すべき品温(設定冷却温度)を入力する工程である。この実施例1では、前記性状および前記設定冷却温度を操作者が入力し、前記初期品温は、前記品温センサ26による検出値としている。
前記冷却パターン選択工程S12は、被冷却物3の性状,初期品温および設定冷却温度に応じて冷却パターンを選択する工程である。この工程を実行するに当たっては、つぎの工程割当てが必要であり、これが前記冷却プログラムの一部として準備されている。
この工程割当てについて図2に基づき説明する。品温が初期品温に対応して設定される第一温度設定値(70℃)より高い温度域を高温域とし、前記第一温度設定値以下で、設定冷却温度に対応して設定される第二温度設定値(10℃)より高い温度域を中温域とし
、第二温度設定値以下の温域を低温域とする。これら高温域、中温域,低温域に対して、それぞれ、前記第一冷風冷却工程、前記真空冷却工程、前記第二冷風冷却工程が割り当てられる。前記設定冷却温度は、目標冷却温度または到達冷却温度と称することができる。
そして、この工程割当てと、被冷却物3が真空冷却に適した食材かどうかという被冷却物3の性状条件と、初期品温がいずれの温域に属するかという初期品温条件と、設定冷却温度がいずれの温域に属するかという冷却温度条件とに応じて、冷却パターンを選択するように構成している。この冷却パターンは、真空冷却に適した被冷却物を選択した時に選択される図2に示す第一〜第六冷却パターンと、真空冷却に適さない被冷却物を選択した時に選択される冷風冷却パターンとを含む。
すなわち、前記性状条件が、真空冷却に適していると入力された場合、初期品温が高温域で、設定冷却温度が低温域にある場合は、前記第一冷風冷却工程→前記真空冷却工程→前記第二冷風冷却工程からなる第一冷却パターン(図4)が選択される。また、同じ性状条件で、初期品温が中温域で、設定冷却温度が低温域にある場合は、前記真空冷却工程→前記第二冷風冷却工程からなる第二冷却パターン(図5)が選択される。また、同じ性状条件で、初期品温および設定冷却温度がともに低温域にある場合は、前記第二冷風冷却工程からなる第三冷却パターン(図6)が選択される。また、同じ性状条件で、初期品温が高温域で、設定冷却温度が中温域にある場合は、前記第一冷風冷却工程→前記真空冷却工程からなる第四冷却パターン(図7)が選択される。また、同じ性状条件で、初期品温および設定冷却温度がともに中温域にある場合は、前記真空冷却工程からなる第五冷却パターン(図8)が選択される。さらに、同じ性状条件で、初期品温および設定冷却温度がともに高温域にある場合は、前記第一冷風冷却工程からなる第六冷却パターン(図9)が選択される。
前記性状条件として、真空冷却に適さないと入力された場合は、前記第二冷却パターンおよび前記第四冷却パターンと同様の冷風冷却工程が実行される。
前記冷却パターン実行工程13は、前記冷却パターン選択工程S21によって選択された冷却パターンに従い冷却工程を実行する工程である。
つぎに、前記第一冷却パターンおよび前記第四冷却パターンにおける前記第一冷風冷却工程から前記第一真空冷却工程への切換タイミング(以下、第一真空切換タイミングという。前記実施の形態における第一切換タイミングに相当する。)、前記第一真空冷却工程から前記第二真空冷却工程への切換タイミング(以下、第二真空切換タイミングという。前記実施の形態における第三切換タイミングに相当する。)および前記第二真空冷却工程から前記第二冷風冷却工程への切換タイミング(以下、冷風切換タイミングという。前記実施の形態における第二切換タイミングに相当する。)について説明する。
すなわち、前記第一真空切換タイミングは、検出手段としての品温センサ26の検出値が前記第一切換設定値となったときとしている。
また、前記第二真空切換タイミングおよび前記冷風切換タイミングは、それぞれ前記第一真空冷却特性および前記第二真空冷却特性を踏まえて、予め実験により、求めておく。前記第二真空冷却切換タイミングは、前記第一真空工程開始から前記第一真空冷却工程の後期の真空冷却速度が前記第二冷風冷却工程の冷風冷却速度近傍に達するまでの経過時間(冷却時間)を第三切換設定値として求めておき、検出手段としての前記タイマー7による計測値が前記第三切換設定値となったときとしている。また、前記冷風切換タイミングは、前記第二真空冷却工程開始から前記第二真空冷却工程の後期の真空冷却速度が前記第二冷風冷却工程の冷風冷却速度近傍に達するまでの経過時間(冷却時間)を第二切換設定
値として求めておき、前記タイマー7による計測値が前記第二切換設定値となったときとしている。
前記第二切換設定値および前記第三切換設定値は、冷却時間(前記タイマー7による計測時間)によらずに、前記冷却室2内の圧力,前記冷却室2内の温度,前記近傍に達したときの被冷却物3の温度のいずれかにより,または前記冷却室2内の圧力,前記冷却室2内の温度,被冷却物3の温度のいずれかの変化量により求めることができる。そして、前記室内圧力センサ25により室内圧力または室内温度を検出するか、前記品温センサ7により品温を検出するかして、検出値が前記第二切換設定値となったとき、前記第一真空冷却工程から前記第二真空冷却工程へ切り換え、前記検出値が前記第二切換設定値となったとき、前記第二真空冷却工程から前記第二冷風冷却工程へ切り換えるように構成することができる。品温により前記第一〜第三切換設定値を設定する場合には、各第一切換設定値,前記第二切換設定値,第三切換設定値をそれぞれ前記第一温度設定値,前記第二温度設定値,前記第三設定温度とすることができる。前記第一切換設定値も品温以外の時間,室内圧力または室内温度などにより設定することができる。
以下に、この実施例1の動作を図1〜図9に基づき以下に説明する。
<準備段階>
使用者は、前記扉を開いて前記冷却室2内へ被冷却物3を収容し、前記扉を閉じて密閉状態とする。この状態では、前記開閉弁17,前記第一給蒸弁21,前記復圧弁24は、全て閉状態で、前記モータ12,前記真空ポンプ16,前記コンデンシングユニット11は、全て作動(運転)停止状態である。前記蒸気発生源20は、予め作動状態としておく。
<条件入力>
この状態で、運転スイッチ(図示省略)により運転を開始した後、図3において処理ステップS11(以下、処理ステップSNは、単にSNと称する。)の条件入力工程を行う。使用者は、被冷却物3が真空冷却に適しているかどうかの性状条件を入力するとともに、前記設定冷却温度を入力する。
<冷却パターン選択>
ついで、S12へ移行して、冷却パターン選択工程が行われる。この冷却パターン選択工程では、条件入力工程S11にて入力された性状条件と設定冷却温度と前記品温センサ26により検出される品温とに基づき、前記第一冷却パターン〜前記第六冷却パターンが自動的に選択される。この選択は、初期品温と冷却設定温度とがどの温度域にあるかを判定して自動的に冷却パターンを選択するように構成している。この実施例1では、予め記憶している第2図のような表に基づき、冷却パターンを選択する。この表で、前記第一温度設定値は、70℃であり、前記第二温度設定値は、10℃としている。この冷却パターン選択工程を終了すると、冷却パターン実行工程S13が行われる。前記第一以下に、各冷却パターンの実行について説明する。
<第一冷却パターン>
今、性状条件を真空冷却に適していると入力し、初期品温を90℃,設定冷却温度を3℃とすると、前記第一冷却パターンが選択され、図4の処理手順が実行される。
(第一冷風冷却工程)
第一冷風冷却工程S21では、前記開閉弁17,前記第一給蒸弁21および前記復圧弁24を閉じて、前記真空ポンプ16を停止するとともに、前記コンデンシングユニット11および前記ファン13を作動させる。これにより、前記冷却室2内において前記ファン
13→前記冷却用熱交換器9→前記開口14→前記被冷却物3→前記開口14→前記ファン13の一点破線矢視の冷風循環流が形成される。この循環流により、前記冷却室2内の空気は、前記冷却用熱交換器9により冷却されて温度低下し、前記被冷却物3を冷却する。こうした冷風冷却により、品温が約70℃となるまで冷却される。品温が70℃まで低下したことを前記品温センサ26により検出すると、前記第一冷風冷却工程S21を終了する。
この第一冷風冷却工程S21は、前記コンデンシングユニット11を作動させることなく、前記復圧手段22をおよび前記開閉弁17を開き、前記真空ポンプ16を作動させることにより、外気を前記冷却室2へ導入しつつ、前記減圧ライン15を通して排出することにより、外気により前記被冷却物3を冷却(外気導入冷却)するように構成することができる。この場合、前記ファン13の作動は、必要に応じて行うことができる。
(空気排除工程)
前記第一冷風冷却工程S21が終了すると、前記空気排除工程S22へ移行する。この空気排除工程S22は、つぎのように行われる。前記蒸気発生源20を蒸気が供給可能な状態としておき、前記開閉弁17および前記第一給蒸弁21を開き、前記復圧弁24を閉じ、前記真空ポンプ16を作動させる。すると、前記蒸気発生源20から前記冷却室2内へ蒸気が供給され、前記冷却室2内の空気は、供給された蒸気とともに、前記減圧ライン15を通して室外へ排出される。最終的には、前記冷却室2内が蒸気で満たされることになる。この空気排除工程終了時、前記冷却室2内は、大気圧以下の低圧となっている。この空気排除工程は、前記真空ポンプ16の作動による排気と前記開閉弁21の開による給蒸とを同時に行っているが、排気→給蒸→排気の順に行い、これを1回乃至複数回繰り返すことに行うように構成することができる。
(第一真空冷却工程)
前記空気排除工程S22が終了すると、S23へ移行して、第一真空冷却工程が行われる。この第一真空冷却工程S23は、つぎのように行われる。前記開閉弁17を開き、前記第一給蒸弁21を閉じ、前記復圧弁24を閉じて、前記真空ポンプ16を作動させる。すると、前記冷却室2内の気体は、前記減圧ライン15を通して室外へ排出される。前記冷却室2内の圧力は、前記第一真空冷却特性に沿って低下し、この圧力低下に従って、被冷却物3からの蒸気の蒸発により、被冷却物3の温度が70℃から低下して行く。この品温低下速度は、初期において急速で、温度の低下とともに、後期において鈍化して行く。そして、前記タイマー7による計測時間が前記第二切換設定値に達すると、S24の第二真空冷却工程へ移行する。この移行時点における真空冷却速度は、前記冷風冷却手段5の冷風冷却特性による冷却速度より低くなっている。また、この移行時点の品温は、約20℃である。
(第二真空冷却工程)
前記第二真空冷却工程S24では、前記開閉弁17,前記第一給蒸弁21および前記復圧弁24を閉じて、前記真空ポンプ16を停止するとともに、前記コンデンシングユニット11を作動させる。前記コンデンシングユニット11の作動により、前記冷却用熱交換器9内の温度を約−10℃とする。このコンデンシングユニット11による前記冷却用熱交換器9の温度低下には起動から所定の時間を要するので、前記第一切換設定値の所定時間前に前記コンデンシングユニット11を起動させておくことが望ましい。
この第二真空冷却工程S24においては、前記冷却室2内は、低圧で密封され、前記冷却室2内の蒸気は、前記冷却用熱交換器9へ移動して、ここで凝縮し、前記冷却室2内の圧力は、低圧状態を維持する。その結果、被冷却物3から蒸気が連続的に発生し、品温が低下して行く。この品温低下は、前記第二真空冷却特性に沿ってなされ、初期において急
速に行われ、温度の低下とともに、後期において低下速度が鈍化して行く。前記タイマー7による計測時間が前記第二切換設定値に達すると、S25の復圧工程へ移行する。この移行時点における真空冷却速度は、前記冷風冷却手段5の第二冷風冷却特性による冷却速度より低くなっている。また、この移行時点の品温は、約10℃である。
(復圧工程)
前記復圧工程S25は、前記復圧弁24を開くことで行う。これにより、外気が前記復圧ライン23を通して前記冷却室2内へ導入され、前記冷却室2内が大気圧に復帰する。この復圧工程は、前記室内圧力センサ27により検出され、大気圧を検出すると、復圧工程を終了し、S26の第二冷風冷却工程へ移行する。この実施例1においては、前記復圧工程中は、前記コンデンシングユニット11の作動を継続し、前記ファン13の作動を停止しておく。しかしながら、必要に応じて、前記コンデンシングユニット11の作動を停止し、前記ファン13を作動させるように構成することができる。
(第二冷風冷却工程)
前記第二冷風冷却工程S26では、前記第一冷風冷却工程S21と同様に、前記開閉弁17,前記第一給蒸弁21および前記復圧弁24を閉じて、前記真空ポンプ16を停止するとともに、前記コンデンシングユニット11および前記ファン13を作動させる。これにより、前記冷却室2内において前記ファン13→前記冷却用熱交換器9→前記開口14→前記被冷却物3→前記開口14→前記ファン13の一点破線矢視の冷風循環流が形成される。この循環流により、前記冷却室2内の空気は、前記冷却用熱交換器9により冷却されて温度低下し、前記被冷却物3を熱交換により冷却する。こうした冷風冷却により、品温が約3℃となるまで冷却される。品温が3℃まで低下したことを前記品温センサ26により検出すると、前記第二冷風冷却工程S26を終了する。
この第二冷風冷却工程においては、被冷却物3および前記冷却用熱交換器9の表面から凝縮水(ドレン)が発生し、前記冷却室2内底部に貯留する。このドレンは、つぎのようにして排出される。前記開閉弁17を開き、前記真空ポンプ16を作動させる。すると、ドレンは、前記減圧ライン15を通して前記冷却室2外へ排出される。このドレン排出時、前記復圧弁24を開くことにより、ドレンの排出をスムーズに行うことができる。前記第一冷風冷却工程S21においても発生したドレンは、同様にして前記冷却室2外へ排出される。
(冷却運転終了)
この第二冷風冷却工程S26が終了すると、使用者は、前記運転スイッチを操作して、冷却運転を停止して、前記冷却室2内の被冷却物3を取り出すことができる。勿論、前記第二冷風冷却工程終了後も、被冷却物3の冷蔵のために前記第二冷風冷却工程を続けることができる。
このように、この第一冷却パターンでは、前記第一冷風冷却工程S21により、被冷却物3の粗熱取りが行われる。品温が約70℃以上では、被冷却物3の温度が高く、被冷却物3からの自然蒸発が支配的であるので、前記真空冷却手段4を作動させることによる真空冷却が効果的に行われない。この第一冷却パターンでは、真空冷却でなく、冷風冷却により粗熱取りを行っているので、効果的な被冷却物3の冷却を行うことができ、全冷却時間を短縮することができる。
<第二冷却パターン>
今、性状条件を真空冷却に適していると入力し、初期品温を65℃,設定冷却温度を3℃とすると、前記第二冷却パターンが選択され、図5の処理手順が実行される。
すなわち、空気排除工程S31→第一真空冷却工程S32→第二真空冷却工程S33→復圧工程S34→第二冷風冷却工程S35が順次実行される。
この第二冷却パターンにおいて、前記第一冷却パターンと異なるのは、図4の第一冷風冷却工程S22が行われない点である。
図5の空気排除工程S31,第一真空冷却工程S32,第二真空冷却工程S33,復圧工程S34,第二冷風冷却工程S36は、それぞれ図4の空気排除工程S22,第一真空冷却工程S23,第二真空冷却工程S24,復圧工程25,第二冷風冷却工程S26に相当するので、その説明を省略する。また、前記第一真空冷却工程から前記第二真空冷却工程への切換タイミングおよび前記第二真空冷却工程から前記冷風冷却工程(復圧工程を含む)への切換タイミングは、それぞれ前記第一冷却パターンの第二真空切換タイミング,前記冷風切換タイミングと同様であるのでその説明を省略する。
<第三冷却パターン>
今、性状条件を真空冷却に適していると入力し、初期品温を7℃,設定冷却温度を3℃とすると、前記第三冷却パターンが選択され、図6の処理手順が実行される。
すなわち、第二冷風冷却工程S41は、前記第一冷却パターン(図4)の第二冷風冷却工程S26と同様に、前記開閉弁17,前記第一給蒸弁21および前記復圧弁24を閉じて、前記真空ポンプ16を停止するとともに、前記コンデンシングユニット11および前記ファン13を作動させて行われる。すなわち、図1の一点破線矢視の冷風循環流が形成され、この冷風循環流により、被冷却物3を冷却する。この冷風冷却工程S41は、前記品温センサ26による検出値が設定冷却温度となることで終了する。
<第四冷却パターン>
今、性状条件を真空冷却に適していると入力し、初期品温を90℃,設定冷却温度を20℃とすると、前記第四冷却パターンが選択され、図7の処理手順が実行される。
すなわち、第一冷風冷却工程S51→空気排除工程S52→第一真空冷却工程S53→第二真空冷却工程S54→復圧工程S55が順次実行される。
この第四冷却パターンにおいて、図4の前記第一冷却パターンと異なるのは、図4の前記第二冷風冷却工程S26が行われない点である。
以下の説明においては、図7の第一冷風冷却工程S51,空気排除工程S52,第一真空冷却工程S53,第二真空冷却工程S54,復圧工程S55は、それぞれ図4の第一冷風冷却工程S21,空気排除工程S22,第一真空冷却工程S23,第二真空冷却工程S24,復圧工程S25に相当するので、その説明を省略する。また、前記第一冷風冷却工程S51から前記空気排除工程S52への切り換えおよび前記第一真空冷却工程S53から前記第二真空冷却工程S54への切り換えは、図4の第一冷却パターンと同様であるので、その説明を省略する。
<第五冷却パターン>
今、性状条件を真空冷却に適していると入力し、初期品温を65℃,設定冷却温度を15℃とすると、前記第五冷却パターンが選択され、図8の処理手順が実行される。
すなわち、図8に示すように、空気排除工程S61→第一真空冷却工程S62→第二真空冷却工程S63→復圧工程S64が順次実行される。
この第五冷却パターンにおいて、前記第一冷却パターンと異なるのは、図4の第一冷風冷却工程S21および第二冷風冷却工程S26を行わず、前記第二真空冷却工程53の終了を品温が15℃となったタイミングとしている点である。
以下の説明においては、図8の空気排除工程S61,第一真空冷却工程S62,第二真空冷却工程S63,復圧工程S64は、それぞれ図4の空気排除工程S22,第一真空冷却工程S23,第二真空冷却工程S24,復圧工程25に相当するので、その説明を省略する。また、前記第一真空冷却工程S62から前記第二真空冷却工程S63への第二真空切換タイミングは、前記第一冷却パターンの前記第二真空切換タイミングと同様であるので、その説明を省略する。以下、前記第五冷却パターンにおいて前記第一冷却パターンと異なる部分を主として説明する。
図8において、前記空気排除工程S61,前記第一真空冷却工程S62および前記第二真空冷却工程S63は、図4の前記第一冷却パターンと同様に行われる。前記第二真空冷却工程S63において、前記品温センサ26による検出値が15℃となると、前記第二真空冷却工程S63を終了し、前記第一冷却パターンと同様に前記復圧工程S64を実行して、冷却運転を終了する。
<第六冷却パターン>
今、性状条件を真空冷却に適していると入力し、初期品温を90℃,設定冷却温度を75℃とすると、前記第六冷却パターンが選択され、図9の処理手順が実行される。
すなわち、第一冷風冷却工程S71は、前記第一冷却パターン(図4)の第一冷風冷却工程S21と同様にして行われる。この第一冷風冷却工程S71は、前記品温センサ26による検出値が設定冷却温度となることで終了する。
<真空冷却に適さない被冷却物の冷却>
今、性状条件を真空冷却に適していないと入力すると、初期品温条件および設定冷却温度条件に関係なく、前記冷風冷却パターンが選択され、図9と同様の処理手順が実行される。
すなわち、第一冷風冷却工程S71と同様の冷風冷却工程が、前記品温センサ26による検出値が設定冷却温度となるまで継続される。
以上のように構成される実施例1によれば、つぎの作用効果を奏する。被冷却物3の性状,初期品温および設定冷却温度に応じた冷却を実現することができ、1台の冷却装置で種々の冷却を短時間で、高品質にて実現することができる。
また、前記真空冷却工程を前記第一真空冷却手段41による第一真空冷却工程と前記第二真空冷却手段42による第二真空冷却工程とで、二段階により行っているので、前記真空冷却手段4の冷却能力を増強すべく冷却設備を大掛かりなものせずに済むことができる。また、真空冷却開始当初から過大な冷却能力で真空冷却するものと比較して、真空冷却手段の作動に必要なエネルギーを削減できるとともに、急激な冷却で被冷却物の品質低下が問題になる食材では、品質の低下を抑えることができる。
また、冷風冷却用の前記冷却用熱交換器9を前記第二真空冷却手段42の蒸気凝縮用のコールドトラップと兼用しているので、真空冷却手段の設備を簡素化でき、複合冷却装置のイニシャルコストを低減することができる。
つぎに、この発明の実施例1を実施する複合冷却装置1(以下、装置実施例1という。
)の他の実施例(以下、装置実施例2という。)を図10に基づき説明する。この装置実施例2は、前記真空冷却手段4を前記第一真空冷却手段41と前記第二真空冷却手段42とから構成するなどの点で前記装置実施例1と構成を同じくしており、以下に異なる部分を主として説明する。
この装置実施例2において、前記装置実施例1と異なるのは、前記第一真空冷却手段41の構成である。前記装置実施例1では、前記第一真空冷却手段41の構成要素を前記減圧ライン15,前記開閉弁17および前記真空ポンプ16としたが、この実施例2では、これらの構成要素に加えて、前記真空ポンプ16の上流側に凝縮用熱交換器31を設けた点である。前記開閉弁17は、前記凝縮用熱交換器31と前記冷却室2との間に設けている。前記凝縮用熱交換器41へは給水ライン32が接続される。そして、前記給水ライン32に設けた給水弁33の開閉により前記凝縮用熱交換器31への通水が制御され、この凝縮用熱交換器31の作動が制御される。前記給水弁33は、前記制御器6により制御される。
この装置実施例2の第一真空冷却手段41は、前記開閉弁17を開き、前記凝縮用熱交換器31および前記真空ポンプ16を作動させて、前記第一真空冷却工程を実行する。この第一真空冷却工程の第一真空冷却特性は、前記実施例1の第一真空冷却手段41のそれと同様であるが、前記凝縮用熱交換器31の冷却作用により真空冷却能力が前記実施例1の第一真空冷却手段41よりも増強されるとともに、前記冷却室2の空気排除が効率よく行える。
以上、この装置実施例2において、前記装置実施例1と異なる構成を説明したが、その他は同様であるので、その説明を省略する。また、この装置実施例2においても、被冷却物が真空冷却に適している場合には、前記第一〜第六冷却パターンが選択的に実行され、被冷却物が真空冷却に適していない場合には、冷風冷却工程が実行させるので、その説明を省略する。
つぎに、この発明の実施例1を実施する他の複合冷却装置1(以下、装置実施例3という。)を図11に基づき説明する。この装置実施例3は、比較的冷却能力の大きい複合冷却装置に好適である。この装置実施例3において、前記真空冷却手段4を前記第一真空冷却手段41と前記第二真空冷却手段42とから構成するなどの点で、前記装置実施例1および前記装置実施例2と構成を同じくしており、以下に異なる部分を主として説明する。
この装置実施例3において、前記装置実施例1と異なるのは、前記第一真空冷却手段41と第二真空冷却手段42の構成である。前記実施例1では、前記第一真空冷却手段41を前記真空ポンプ16を含む減圧排気冷却とし、前記第二真空冷却手段42を前記冷却用熱交換器9を用いた減圧密閉冷却としたが、この装置実施例2では、前記第一真空冷却手段41および前記第二真空冷却手段42の両方を減圧排気冷却とした点である。
具体的には、つぎのように構成している。すなわち、前記真空ポンプ16の上流側に凝縮用熱交換器31を設け、真空冷却手段の減圧器として、蒸気エゼクタ34を凝縮用熱交換器31の上流側に設けている。そして、この蒸気エゼクタ34へは第二給蒸ライン35が接続され、この第二給蒸ライン35に第二給蒸弁36が設けられる。そして、前記制御器6により制御される第二給蒸弁36の開閉により前記蒸気エゼクタ34への給蒸が制御され、この蒸気エゼクタ34作動が制御される。前記開閉弁17は、前記蒸気エゼクタ34と前記冷却室2との間に設けている。
この装置実施例3の第一真空冷却手段41は、前記開閉弁17を開き、前記真空ポンプ16の作動により第一真空冷却工程を実行するように構成される。この第一真空冷却工程
の第一真空冷却特性は、前記装置実施例1の第一真空冷却特性と同様である
また、前記第二真空冷却手段42は、前記真空ポンプ16の作動に加えて、前記蒸気エゼクタ34および前記凝縮用熱交換器31を作動させることにより第二真空冷却工程を実行するように構成する。この第二真空冷却工程の第二真空冷却特性は、前記第一真空冷却特性と同様であるが、前記蒸気エゼクタ34および前記凝縮用熱交換器31の冷却作用により真空冷却能力が前記真空冷却手段41よりも増強されるので、その分冷却速度が速い特性となる。
また、前記第一,第二,第四および第五冷却パターンに関して、この装置実施例3においては、前記装置実施例1および前記装置実施例2と異なり、前記第二真空冷却工程を、前記冷却用熱交換器9を用いた減圧密閉冷却(この減圧密閉冷却は、冷却を効果的に行うには空気排除が重要である。)により行わないので、真空冷却工程を実行する前の蒸気を供給することによる空気排除工程S21,S32,S41,S61を省略している。このプログラムの相違に関連して、この実施例装置3では、前記給蒸手段18を削除している。
以上、この装置実施例3において、前記実施例1と異なる構成を説明したが、その他は同様であるので、その説明を省略する。
この発明は、前記実施例1に限定されるものではない。前記実施例1では、前記第一〜第六冷却パターンと冷風冷却パターンとを選択的に実行可能としたが、1乃至複数の冷却パターンを省略することができる。
たとえば、初期品温条件を品温が高温域および中温域のいずれに属するかを判定するものとし、設定冷却温度条件を設定冷却温度が中温域および低温域のいずれに属するかを判定するものとした場合には、図12に示すような工程割当てに基づき、4種の冷却パターンが選択される。すなわち、前記第一冷却パターン,前記第二冷却パターン,前記第四冷却パターンおよび前記第五冷却パターンが選択される。
また、真空冷却工程を第一真空冷却手段41による第一真空冷却工程と、前記第二真空冷却手段42による第二真空冷却工程とからなる二段階の構成としているが、図1または10に示される複合冷却装置1を用いて、一段階の真空冷却工程を行うように構成することができる。すなわち、前記第一冷却パターンを例にとると、真空冷却工程としては、図4の前記第二真空冷却工程S24を省略した一段階のものとすることができる。
さらに、前記実施例1においては、前記第一冷却パターン〜前記第六冷却パターンを設定冷却温度を入力するだけで自動的に選択できる自動選択モードとしているが、食材の種類に応じて最適な冷却パターンを予め求めておき、食材を選択することで自動的に冷却パターンが選択される食材選択モードを加えることができる。さらに、使用者が、任意に冷却パターを構成する任意選択モードを加えることができる。
この発明の実施例1を実施した複合冷却装置の概略構成を説明する説明図である。 同実施例1の冷却パターンの選択を説明する図である。 同実施例1の処理手順を説明するフローチャート図である。 同実施例1の第一冷却パターンを説明するフローチャート図である。 同実施例1の第二冷却パターンを説明するフローチャート図である。 同実施例1の第三冷却パターンを説明するフローチャート図である。 同実施例1の第四冷却パターンを説明するフローチャート図である。 同実施例1の第五冷却パターンを説明するフローチャート図である。 同実施例1の第六冷却パターンを説明するフローチャート図である。 この発明の実施例1を実施した他の複合冷却装置の概略構成を説明する説明図である。 この発明の実施例1を実施した他の複合冷却装置の概略構成を説明する説明図である。 この発明の他の実施例の冷却パターンの選択を説明する図である。
符号の説明
1 複合冷却装置
2 冷却室
3 被冷却物
4 真空冷却手段
5 冷風冷却手段
6 制御器
41 第一真空冷却手段
42 第二真空冷却手段

Claims (2)

  1. 冷却室内の被冷却物の真空冷却と冷風冷却とを可能とし、被冷却物を10℃以下に冷却する複合冷却方法であって、
    被冷却物の温度(以下、品温という。)を高温域,中温域および低温域に区分し、
    前記高温域,前記中温域および前記低温域に対して、それぞれ被冷却物を冷風冷却する第一冷風冷却工程,被冷却物を真空冷却する真空冷却工程,被冷却物を冷風冷却する第二冷風冷却工程を割り当てる工程割当てを行うとともに、
    被冷却物が真空冷却に適した食材であって、被冷却物の到達冷却温度(以下、設定冷却温度という。)が前記低温域にある場合において、被冷却物の冷却開始温度(以下、初期品温という。)が前記高温域にある場合には、下記冷却パターン(1)を選択し、初期品温が前記中温域にある場合には、下記冷却パターン(2)を選択し、選択した冷却工程を実行することにより、被冷却物を初期品温から10℃以下に冷却することを特徴とする複合冷却方法。
    (1)被冷却物を冷風冷却する第一冷風冷却工程,被冷却物を真空冷却する真空冷却工程および被冷却物を冷風冷却する第二冷風冷却工程を順次行う冷却パターン。
    (2)被冷却物を真空冷却する真空冷却工程および被冷却物を冷風冷却する冷風冷却工程を順次行う冷却パターン。
  2. 冷却室内の被冷却物を真空冷却する真空冷却手段と、前記被冷却物を冷風冷却する冷風冷却手段と、前記真空冷却手段および冷風冷却手段を制御する制御手段とを備え、被冷却物を10℃以下に冷却する複合冷却装置であって、
    品温を高温域,中温域および低温域に区分し、
    前記高温域,前記中温域および前記低温域に対して、それぞれ被冷却物を冷風冷却する第一冷風冷却工程,被冷却物を真空冷却する真空冷却工程,被冷却物を冷風冷却する第二冷風冷却工程が割り当てられ、
    前記制御手段は、冷却パターン選択工程と冷却パターン実行工程を順次行い、
    前記冷却パターン選択工程は、被冷却物が真空冷却に適した食材であって、被冷却物の前記設定冷却温度が前記低温域にある場合において、被冷却物の初期品温が前記高温域にある場合には、下記冷却パターン(1)を選択し、初期品温が前記中温域にある場合には、下記冷却パターン(2)を選択し、
    冷却パターン実行工程は、前記冷却パターン選択工程で選択した冷却パターンを実行し、被冷却物を初期品温から10℃以下に冷却するものであることを特徴とする複合冷却

    (1)被冷却物を冷風冷却する第一冷風冷却工程,被冷却物を真空冷却する真空冷却工程および被冷却物を冷風冷却する第二冷風冷却工程を順次行う冷却パターン。
    (2)被冷却物を真空冷却する真空冷却工程および被冷却物を冷風冷却する冷風冷却工程を順次行う冷却パターン。
JP2006034769A 2006-02-13 2006-02-13 複合冷却方法および複合冷却装置 Expired - Fee Related JP4930896B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006034769A JP4930896B2 (ja) 2006-02-13 2006-02-13 複合冷却方法および複合冷却装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006034769A JP4930896B2 (ja) 2006-02-13 2006-02-13 複合冷却方法および複合冷却装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007212100A JP2007212100A (ja) 2007-08-23
JP4930896B2 true JP4930896B2 (ja) 2012-05-16

Family

ID=38490709

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006034769A Expired - Fee Related JP4930896B2 (ja) 2006-02-13 2006-02-13 複合冷却方法および複合冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4930896B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014119120A (ja) * 2012-12-13 2014-06-30 Miura Co Ltd 両扉式真空冷却機

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0835754A (ja) * 1994-07-26 1996-02-06 Waaku:Kk 食品冷却装置及び冷却法
JP2001012837A (ja) * 1999-06-29 2001-01-19 Matsushita Refrig Co Ltd 真空冷却装置を備えた冷蔵庫
JP3491892B2 (ja) * 2001-04-17 2004-01-26 株式会社日本ベネックス 冷却装置
JP2003004353A (ja) * 2001-06-21 2003-01-08 Miura Co Ltd 冷却方法および冷却装置
JP4055684B2 (ja) * 2003-09-05 2008-03-05 三浦工業株式会社 真空蒸気調理機
JP4352969B2 (ja) * 2003-12-04 2009-10-28 三浦工業株式会社 おにぎり製造システムおよびおにぎり製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007212100A (ja) 2007-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5115609B2 (ja) 冷却装置
US20070113567A1 (en) Refrigerator and control method thereof
KR20100059441A (ko) 냉장고 및 그 제어방법
JP4827009B2 (ja) 複合冷却装置
KR101721771B1 (ko) 냉장고 제어 방법
WO2018038023A1 (ja) 制御装置、プログラム、冷蔵庫の制御方法、及び冷蔵庫
US20170370635A1 (en) Refrigerator and method for controlling constant temperature thereof
KR100630832B1 (ko) 김치저장고의 김치야채 보관장치 및 그 제어방법
JP4930896B2 (ja) 複合冷却方法および複合冷却装置
JP2010133569A (ja) 複合冷却装置
JP4748388B2 (ja) 複合冷却装置
JP2008170016A (ja) 冷却装置
WO2007094141A1 (ja) 冷却装置
JP4655311B2 (ja) 複合冷却装置
KR20080085835A (ko) 복합 냉각 장치
JP2008101891A (ja) 冷却装置
JP4737718B2 (ja) 複合冷却装置
KR20080089780A (ko) 냉장고 온도 제어방법
KR20180023397A (ko) 냉장고의 쾌속 냉장 제어 방법
JP4923964B2 (ja) 冷却装置
JP2007240137A (ja) 冷却装置
KR101099497B1 (ko) 냉장고
JP5082371B2 (ja) 複合冷却装置
JP2008096077A (ja) 複合冷却装置
KR100775611B1 (ko) 김치 저장고의 운전 제어 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090204

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110822

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111013

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120123

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120205

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150224

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees