JP2008101345A - アーティキュレート式作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】路面から入力される荷重による前フレームのロール回転方向の振動が後フレームに伝達されるのを抑制し、後フレームに設けられた運転室の振動を低減し乗り心地を向上することができるアーティキュレート式作業機を提供する。
【解決手段】前フレーム3と後フレーム9との間を結合フレーム41により相対ロール運動可能に連結し、その結合フレーム41と後フレーム9の結合部9Bの間に一対の複動式油圧シリンダ46,68をロール回転方向に対向して動作するよう配置し、後フレーム9の状態量に応じて電磁比例リリーフ弁62,67により油圧シリンダ46,68の伸び方向の推力を制御する。また、油圧シリンダ46,68のボトム側からの作動油を電磁比例リリーフ弁62,67を通して排出する油路47B,69Bと、ロッド側からの作動油を固定絞り弁63a,63bを通して排出する油路72a,72bを独立して設ける。
【選択図】図9

Description

本発明は、例えばホイールローダのように、前フレームと後フレームとが左右方向に屈曲することによって操舵を行うアーティキュレート式作業機に関する。
一般に、ホイールローダ等のアーティキュレート式作業機として、前フレームと後フレームとが例えば鉛直方向に延びる屈曲軸を介して左右方向に屈曲可能にピン結合(連結)したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、ホイールローダにおいては、前フレームには土砂の掘削、運搬等を行うバケット等の作業装置が設けられ、後フレームには作業者が運転、操作を行う運転室が設けられるほか、エンジン、トルクコンバータ、走行減速器、油圧ポンプ、燃料タンク、作動油タンクなどが搭載されており、作業装置は油圧ポンプで発生した油圧によって駆動される。前フレーム、後フレームにはそれぞれ前車軸、後車軸が設けられ、これら前車軸、後車軸にはそれぞれ前輪、後輪が取り付けられている。
また、前フレームと後フレームとの間には例えば2本のステアリングシリンダが設けられており、このステアリングシリンダを伸縮させることによって前フレームと後フレームとを屈曲軸を中心に屈曲させ、左右方向に対する走行時の操舵を行う構成となっている。
特許文献1記載に記載のホイールローダにおいては、車両本体のピッチング、バウンシング等の振動を抑制するために、ブームシリンダの負荷保持側油質室に振動抑制用アキュムレータを接続して、マス部材となる作業装置と、バネ作用をなすアキュムレータにより、ダイナミックダンパーを構成している。
特許第2936976号
アーティキュレート式作業機においては、前フレームに設けられた作業装置を用いて土砂の掘削、運搬を行うため、前フレーム側は大きな荷重を受け止める必要がある。そのため、前フレームと前車軸との間に緩衝用懸架装置は設けられておらず、前車軸は前フレームに対してロール角が固定された状態でロール運動不能に取り付けられている。一方、後フレームには作業者が運転、操作を行う運転室が設けられており、後フレームに対して後車軸がロール運動可能に取り付けられることにより、後車軸がロール軸周りに回動して路面の凹凸を吸収する構成となっていた。
不整地の走行時において、後車軸は後フレームに対してロール運動可能に取り付けられているため、後車軸に対して入力される荷重によるロール回転方向の振動は後車軸のロール軸周りの回動によって吸収され、後フレームには伝わらない。しかし、前車軸は、前フレームに対してロール角が固定された状態で取り付けられているため、前車軸に対して入力される荷重によるロール回転方向の振動を吸収することができず、その振動が前フレームに伝わる。また、従来技術のアーティキュレート式作業機では、前フレームと後フレームとがロール軸周りに相対回転できない構成となっているため、前フレームのロール回転方向の振動が後フレームに伝達され、運転室を振動させて乗り心地を悪化させるという問題がある。
特許文献1には、作業装置を動吸振器(ダイナミックダンパー)として利用し、車両本体の振動を抑制しようとする構成が開示されている。しかし、この構成では、車体のピッチ振動及びバウンス振動を低減することができるものの、ロール回転方向の振動は低減することができない。
本発明の目的は、路面から入力される荷重により前フレームがロール回転方向に振動するとき、その振動が後フレームに伝達されるのを抑制し、後フレームに設けられた運転室の振動を低減し乗り心地を向上することができるアーティキュレート式作業機を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、作業装置が設けられた前フレームと、前記前フレームに左右方向に屈曲可能に連結され運転室が設けられた後フレームと、前記前フレームに設けられ、左右に車輪を備えた前車軸と、前記後フレームに設けられ、左右に後輪を備えた後車軸とを備え、前記前フレームは前記前車軸に対してロール運動不能に取り付けられ、前記後フレームは前記後車軸に対してロール運動可能に取り付けられたアーティキュレート式作業機において、前記前フレームと後フレームとの間に設けられ、これらを相対ロール運動可能に連結する連結機構と、前記後フレームに設けられ、この後フレームのロール運動を規制する一対の複動式油圧シリンダを含む油圧制御手段と、前記後フレームの状態量を検出し、この状態量に応じて前記油圧制御手段を制御し、前記後フレームの姿勢及び振動を制御する演算制御手段とを備えるものとする。
このように連結機構と、一対の複動式油圧シリンダを含む油圧制御手段と、演算制御手段を設け、前フレームと後フレームを相対ロール運動可能に連結し、状態量に応じて油圧制御手段を制御し、後フレームの姿勢及び振動を制御することにより、路面から入力される荷重により前フレームがロール回転方向に振動するとき、その振動が後フレームに伝達されるのが抑制され、前フレームの振動による後フレームに設けられた運転室の振動を低減することができる。
また、路面から入力される荷重により前フレームがロール回転方向に振動するとき、その振動が後フレームに伝達されないようにするだけであれば、前フレームと後フレームを相対ロール運動可能に連結するだけでよい。しかし、後フレームは後車軸に対してロール運動可能に取り付けられているため、前フレームに対してもロール運動可能に連結された場合は、後フレームム及び運転室はロール回転方向の拘束がなくなるため、ロール回転方向に適切な姿勢を維持することができなくなる。
本発明においては、連結機構により前フレームと後フレームを相対ロール運動可能に連結しただけではなく、後フレームのロール運動を規制する一対の複動式油圧シリンダを設け、この油圧シリンダを含む油圧制御手段を演算制御手段により制御し、後フレームの姿勢及び振動を規制する構成としている。これにより後フレーム及び運転室はロール回転方向に適切な姿勢を維持しつつ、路面から入力される荷重による前フレームの振動が後フレームに伝達されるのを抑制し、後フレームに設けられた運転室の振動を低減し乗り心地を向上することができる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記一対の複動式油圧シリンダは、それぞれ、前記後フレームのロール回転中心の両側にロール回転方向に対向して動作するよう配置され、前記油圧制御手段は、前記一対の複動式油圧シリンダに選択的に油圧源の圧油を供給する圧油供給部と、前記一対の複動式油圧シリンダのそれぞれに設けられ、前記圧油供給部から前記一対の複動式油圧シリンダに選択的に圧油が供給されるときに、その圧油の圧力を制御する一対の圧力制御部とを有するものとする。
このように圧油供給部と一対の圧力制御部を設け、油圧源の圧油を一対の複動式油圧シリンダに選択的に供給し、その圧油の圧力を制御することにより、一対の複動式油圧シリンダの一方の推力のみを選択的に制御することができる。
また、一対の複動式油圧シリンダをロール回転中心の両側にロール回転方向に対向して動作するよう配置することにより、一対の複動式油圧シリンダの推力を選択的に制御することで両方のロール回転方向に対する推力の制御を行うことができ、制御が単純化し、制御の信頼性を向上することができる。
(3)上記(2)において、好ましくは、前記油圧制御手段の一対の圧力制御部は、それぞれ、前記圧油供給部から選択的に供給された圧油を対応する油圧シリンダに導く第1油路と、この第1油路に連通する第2油路であって、電磁比例リリーフ弁を備え、前記対応する油圧シリンダに導かれた圧油の一部を前記電磁比例リリーフ弁を通して排出する第2油路と、この第2油路とは独立して設けられた第3油路であって、絞りを備え、前記対応する油圧シリンダから排出された圧油を前記絞りを通して排出する第3油路とを有し、前記演算制御手段は前記電磁比例リリーフ弁を制御するものとする。
これにより油圧制御手段の一対の圧力制御部において、圧油供給部から選択的に供給された圧油が油圧シリンダに導かれ、その圧油の一部が電磁比例リリーフ弁を通して排出されるとともに、油圧シリンダから排出された圧油が絞りを通して排出される。これにより一対の複動式油圧シリンダが発生する力は、一方の油圧シリンダに供給される圧油が電磁比例リリーフ弁を通って排出される際に制御される圧力による推力と、他方の油圧シリンダから絞りを通って排出される際に発生する圧力による反力の合力となり、このとき反力は常に減衰力となるため、油圧シリンダの推力によって生ずる後フレームの制振動作を安定させることができる。
また、推力を発生させる油路と反力(減衰力)を発生させる油路とが互いに独立しているため、電磁比例リリーフ弁で制御された圧力が、直接、複動式油圧シリンダに作用するようになり、推力の制御に対して良好な応答性を得ることができる。
加えて、複動式油圧シリンダの推力及び減衰力は全て作動油を排出する時の絞り抵抗によって発生させるため、複動式油圧シリンダのチューブ内が負圧になりキャビテーションが発生することが無く、キャビテーションによって発生した気泡によって電磁比例リリーフ弁による圧力制御性や絞りによる減衰力が損なわれることがない。
(4)また、上記(2)又は(3)において、好ましくは、前記油圧制御手段の圧油供給部は、電磁方向切換弁を備え、この電磁方向切換弁を介して前記一対の圧力制御部に圧油を供給する第4油路、及びリリーフ弁を備え、前記一対の圧力制御部からの排出油を前記リリーフ弁を介してタンクヘ還流する第5油路とを有し、前記演算制御手段は前記電磁方向切換弁を制御するものとする。
これにより電磁方向切換弁を制御して一対の複動式油圧シリンダに選択的に油圧源の圧油を供給することができる。また、圧力制御部からの排出油をリリーフ弁を介してタンクへ還流するので、第5油路の最低圧がリリーフ弁の設定圧に補償され、一対の複動式油圧シリンダに作動油が流入する場合(メークアップ)の負圧の発生を防止し、キャビテーションの発生を防止することができる。
(5)また、上記(2)において、好ましくは、前記演算制御手段は、前記後フレームのロール回転方向の姿勢と振動に関する状態量を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された状態量に基づいて前記後フレームの姿勢と振動を制御するための前記一対の複動式油圧シリンダの目標推力を演算し、この目標推力が得られるよう前記圧油供給部と前記一対の圧力制御部とを制御するための制御指令を計算する制御指令演算手段とを有するものとする。
これにより演算制御手段は、後フレームのロール回転方向の姿勢と振動に関する状態量に基づいて油圧制御手段を制御し、後フレームの姿勢及び振動を制御することができる。
(6)更に、上記(2)において、好ましくは、前記油圧制御手段の圧油供給部は、前記一対の複動式油圧シリンダの一方に選択的に圧油を供給する電磁方向切換弁を有し、前記油圧制御手段の一対の圧力制御部は、それぞれ、前記一対の複動式油圧シリンダに供給される圧油の圧力を制御する電磁比例リリーフ弁を有し、前記演算制御手段は、前記後フレームのロール回転方向の姿勢と振動に関する状態量を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された状態量に基づいて前記後フレームの姿勢と振動を制御するための前記一対の複動式油圧シリンダの目標推力を演算し、この目標推力が得られるよう前記圧油供給部の電磁方向切換弁と前記一対の圧力制御部の電磁比例リリーフ弁とを制御するための制御指令を計算する制御指令演算手段とを有するものとする。
これにより演算制御手段は、後フレームのロール回転方向の姿勢と振動に関する状態量に基づいて油圧制御手段を制御し、後フレームの姿勢及び振動を制御することができる。
(7)また、上記(2)において、好ましくは、前記油圧制御手段の一対の圧力制御部は、それぞれ、前記圧油供給部から選択的に供給された圧油を対応する油圧シリンダに導く第1油路と、この第1油路に連通する第2油路であって、電磁比例リリーフ弁を備え、前記対応する油圧シリンダに導かれた圧油の一部を前記電磁比例リリーフ弁を通して排出する第2油路と、この第2油路とは独立して設けられた第3油路であって、絞りを備え、前記対応する油圧シリンダから排出された圧油を前記絞りを通して排出する第3油路とを有し、前記油圧制御手段の圧油供給部は、電磁方向切換弁を備え、この電磁方向切換弁を介して前記一対の圧力制御部に圧油を供給する第4油路、及びリリーフ弁を備え、前記一対の圧力制御部からの排出油を前記リリーフ弁を介してタンクヘ還流する第5油路とを有し、前記演算制御手段は、前記後フレームのロール回転方向の姿勢と振動に関する状態量を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された状態量に基づいて前記後フレームの姿勢と振動を制御するための前記一対の複動式油圧シリンダの目標推力を演算し、この目標推力が得られるよう前記圧油供給部の電磁方向切換弁と前記一対の圧力制御部の電磁比例リリーフ弁とを制御するための制御指令を計算する制御指令演算手段とを有するものとする。
これにより上記(3)で述べたように、一対の複動式油圧シリンダが発生する力は、一方の油圧シリンダに供給された圧油が電磁比例リリーフ弁を通って排出される際に制御される圧力による推力と、他方の油圧シリンダから絞りを通って排出される際に発生する圧力による反力の合力となり、このとき反力は常に減衰力となるため、油圧シリンダの推力によって生ずる後フレームの制振動作を安定させることができる。また、推力を発生させる油路と反力(減衰力)を発生させる油路とが互いに独立しているため、電磁比例リリーフ弁で制御された圧力が、直接、複動式油圧シリンダに作用するようになり、推力の制御に対して良好な応答性を得ることができる。加えて、複動式油圧シリンダの推力及び減衰力は全て作動油を排出する時の絞り抵抗によって発生させるため、複動式油圧シリンダのチューブ内が負圧になりキャビテーションが発生することが無く、キャビテーションによって発生した気泡によって電磁比例リリーフ弁による圧力制御性や絞りによる減衰力が損なわれることがない。
また、上記(4)で述べたように、圧力制御部からの排出油をリリーフ弁を介してタンクへ還流するので、第5油路の最低圧がリリーフ弁の設定圧に補償され、一対の複動式油圧シリンダに作動油が流入する場合(メークアップ)の負圧の発生を防止し、キャビテーションの発生を防止することができる。
そして、後フレームのロール回転方向の姿勢と振動に関する状態量に応じて油圧制御手段を最適に制御することができる。
(8)上記(5)〜(7)のいずれかにおいて、好ましくは、前記検出手段は、前記後フレームのロール回転方向の姿勢に関する第1状態量を検出する第1検出手段と、前記後フレームのロール回転方向の振動に関する第2状態量を検出する第2検出手段とを有し、前記制御指令演算手段は、前記第1検出手段によって検出された第1状態量に基づいて前記後フレームの姿勢を制御するための復元力を計算するとともに、前記第2検出手段によって検出された第2状態量に基づいて前記後フレームの振動を制御するための減衰力を計算し、前記復元力と減衰力を合成して前記後フレームの姿勢と振動を制御するための前記一対の複動式油圧シリンダの目標推力を演算するものとする。
これにより演算制御手段は、後フレームのロール回転方向の姿勢と振動に関する状態量に基づいて油圧制御手段を制御し、後フレームの姿勢及び振動を制御することができる。
(9)上記(5)において、好ましくは、前記制御指令演算手段は、前記目標推力の正負に応じて前記一対の複動式油圧シリンダの一方に圧油を供給するよう前記圧油供給部を制御するための制御指令を計算し、前記一方の油圧シリンダに前記目標推力の大きさに応じた推力が発生するよう前記一対の圧力制御部の対応するものを制御するための制御指令を計算するものとする。
これにより演算制御手段は、後フレームのロール回転方向の姿勢と振動に関する状態量に基づいて油圧制御手段を制御し、後フレームの姿勢及び振動を制御することができる。
(10)上記(6)又は(7)において、好ましくは、前記制御指令演算手段は、前記目標推力の正負に応じて前記一対の複動式油圧シリンダの一方に圧油を供給するよう前記圧油供給部の電磁方向切換弁を制御するための制御指令を計算し、前記一方の油圧シリンダに前記目標推力の大きさに応じた推力が発生するよう前記一対の圧力制御部の対応するものの電磁比例リリーフ弁を制御するための制御指令を計算するものとする。
これにより演算制御手段は、後フレームのロール回転方向の姿勢と振動に関する状態量に基づいて油圧制御手段を制御し、後フレームの姿勢及び振動を制御することができる。
本発明によれば、後フレーム及び運転室を適切な姿勢に維持しつつ、路面から入力される荷重による前フレームの振動が後フレームに伝達されるのを抑制し、後フレームに設けられた運転室の振動を低減し乗り心地を向上することができる。
また、一対の複動式油圧シリンダをロール回転中心の両側にロール回転方向に対向して動作するよう配置したので、一対の複動式油圧シリンダの推力を選択的に制御するで両方のロール回転方向に対する推力の制御を行うことができ、制御が単純化し、制御の信頼性を向上することができる。
また、一対の複動式油圧シリンダが発生する力は、圧油が一方の油圧シリンダから電磁比例リリーフ弁を通って排出される際に制御される圧力による推力と、他方の油圧シリンダから絞りを通って排出される際に発生する圧力による反力の合力となり、このとき反力は常に減衰力となるため、油圧シリンダの推力によって生ずる後フレームの制振動作を安定させることができる。
また、推力を発生させる油路と反力(減衰力)を発生させる油路とが互いに独立しているため、電磁比例リリーフ弁で制御された圧力が、直接、複動式油圧シリンダに作用するようになり、推力の制御に対して良好な応答性を得ることができる。
加えて、複動式油圧シリンダの推力及び減衰力は全て作動油を排出する時の絞り抵抗によって発生させるため、複動式油圧シリンダのチューブ内が負圧になりキャビテーションが発生することが無く、キャビテーションによって発生した気泡によって電磁比例リリーフ弁による圧力制御性や絞りによる減衰力が損なわれることがない。
また、圧力制御部からの排出油をリリーフ弁を介してタンクへ還流するので、油路の最低圧がリリーフ弁の設定圧に補償され、一対の複動式油圧シリンダに作動油が流入する場合(メークアップ)の負圧の発生を防止し、キャビテーションの発生を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態によるアーティキュレート式作業機としてホイールローダを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態によるホイールローダを示す斜視図であり、図2は、図1に示したホイールローダのフレーム部分(前フレーム及び後フレーム部分)の平面図であり、図3は図2に示したフレーム部分を屈曲した状態で示す平面図であり、図4は図2に示したフレーム部分のIV−IV線断面図である。
図1〜4において、本実施の形態に係わるホイールローダ1は、ホイールローダ1の前側に配置された前部車体2と、ホイールローダ1の後側に配置された後部車体7とを有している。
前部車体2は、略箱状に形成された前フレーム3と、この前フレーム3の下側に設けられた前車軸4と、この前車軸4の左右両端に設けられた車輪5,5と、前フレーム3の前側に俯仰動可能に取り付けられた作業装置6とによって大略構成されている。
前車軸4は、左右の車軸管4A,4A内に収容されて回転可能に支持されると共に、この車軸管4A,4Aは前フレーム3の下面に固定されている。これにより、前車軸4は、ロール軸Oを中心とするロール運動が不能な状態で前フレーム3に取り付けられている。また、前車軸4と前フレーム3との間には、各種の緩衝用懸架装置等は設けられておらず、作業装置6に加わる大きな荷重を前フレーム3、前車軸4、前輪5,5等によって受承する構成となっている。
作業装置6は、図1に示すように、前フレーム3の左右上端側に設けられたブラケット部3Aに俯仰動可能に取り付けられたブーム6Aと、このブーム6Aの先端部に回動可能に取り付けられたローダバケット6Bとにより大略構成されている。そして、作業装置6は、シリンダ6Dによってブーム6Aを、また、シリンダ6Cによってローダバケット6Bをそれぞれ上下方向に俯仰動させることにより土砂等の運搬作業を行うものである。
後部車体7は、駆動源8を収容する後フレーム9と、この後フレーム9の下側に設けられた後車軸10と,この後車軸10の左右両端に設けられた後輪11,11と、後フレーム9上に設けられた運転室12とによって大略構成されている。
後フレーム9は、略四角形の枠状に形成され、駆動源8が収容された収容枠部9Aと、この収容枠部9Aの前側に設けられた結合部9Bとによって構成されている。駆動源8はエンジン、油圧ポンプ8A(図9参照)、走行用の油圧モータ等を包含している。
収容枠部9Aの下側には、左右方向に延びる一対の支持ブラケット13,13が設けられており、これら一対の支持ブラケット13,13は前後方向に離間して配置されている。さらに、各支持ブラケット13,13には前、後のロール軸Oに沿って貫通した挿通孔13A,13Aが設けられている。そして、一対の支持ブラケット13,13間には後車軸10の支持部14が配置されている。
図5は、図2に示したフレーム部分のV−V線断面図である。後車軸10の支持部14は、その左右両側に後車軸10を収容した車軸管10A,10Aが固着されると共に、前後両側にはロール軸Oに沿って延びる支持軸14A,14Aが突出して設けられている。そして、支持部14の支持軸14A,14Aは、一対の支持ブラケット13,13の挿通孔13A,13A内に挿通されている。これにより、後車軸10は、後フレーム9に対してロール軸O周りに回動可能に軸支されている。
また、後車軸10は、前車軸4と共にドライブシャフト15、15を通じて駆動源8の油圧モータ部8aに連結されている。これにより、前輪5,5と後輪11,11とには、ドライブシャフト15を通じて駆動源8の駆動力が伝達され、4輪駆動が可能となっている。後車軸10と油圧モータ部8aとを連結するドライブシャフト15は、図5に示すように前側の支持軸14A内に挿通されている。
また、結合部9B上には作業者が乗り込む運転室12が配置されている。
図6は、図2に示したフレーム部分のVI−VI線断面図であり、図7は、図6に示したフレーム部分において、結合フレームが後フレームに対しロール軸周りに相対角変位した状態を示す、図6と同様な断面図であり、図8は、図6に示したフレーム部分のVIII−VIII線縦断面図である。
前フレーム3と後フレーム9との間に結合フレーム41が設けられており、この結合フレーム41は、左右方向の中央に位置して上下両側に鉛直方向(屈曲軸Z方向)に延びる連結ピン42,42を備えると共に、ロール軸Oに沿って後フレーム9側に向けて延びる円筒状の結合軸43を備えている。結合軸43内には、前車軸4と駆動源8とを連結するドライブシャフト15が挿通されている。
後フレーム9の結合部9Bには、ロール軸Oに沿って延びる円筒状の結合筒部16が設けられると共に、この結合筒部16内には結合軸43を軸支する軸受17が設けられている。
結合フレーム41は、前フレーム3の上板3B、下板3Cに挟まれた状態で連結ピン42,42を介して前フレーム3に連結されると共に、結合軸43が結合部9Bの結合筒部16内に挿通され、軸受17によって軸支されることにより後フレーム9に連結されている。これにより結合フレーム41は、屈曲軸Z(連結ピン42,42)を中心にして前フレーム3と後フレーム9とを左右方向に屈曲可能に連結している。また、連結フレーム41の結合軸43は、軸受け17によってロール軸Oを中心に回動可能に軸支されている。これにより結合フレーム41は、前フレーム3と後フレーム9とを相対ロール運動可能に連結している。また、結合フレーム41は、後フレーム9の結合部9Bと共に連結機構を構成している。
また、図2、図3及び図6に示すように、結合フレーム41の前側には、連結ピン42,42を挟んで左右両側に位置した一対の結合ブラケット44,44が設けられると共に、この結合ブラケット44,44には、ステアリングシリンダ22,22の一端側が取り付けられている。一方、ステアリングシリンダ22,22の他端側は、前フレーム3の下板3Cに取り付けられている。ステアリングシリンダ22,22は、駆動源8の油圧ポンプ8Aから圧油が給排されることによって伸縮し、前フレーム3を後フレーム9に対して、左右方向に屈曲させる構成となっている。
更に、結合フレーム41の左右両側には取り付けブラケット45,45が設けられ、結合部9Bの左右側壁部の内側には取り付けブラケット55,55が設けられている。そして、後フレーム9と結合フレーム41との間には、結合フレーム41の左右両側に、上下方向に平行に、後フレーム9ロール運動を規制するよう一対の油圧シリンダ46,68が設けられている。この油圧シリンダ46,68は、そのチューブのボトム側が後フレーム9の結合部9Bの取り付けブラケット55,55に取り付けられ、ロッドの先端側が結合フレーム41の取り付けブラケット45,45に取り付けられている。また、油圧シリンダ46,68は、そのチューブのボトム側油室46A,68A(図9)とロッド側油室46B,68B(図9)が独立している複動式油圧シリンダであり、それぞれ、ロール軸O(後フレーム9のロール回転中心)を挟んで左右対称に、ロール回転方向に対向して動作するよう配置されている。ここで、油圧シリンダ46,48がロール回転方向に対向して動作するとは、油圧シリンダ46,48の同じ側のシリンダ室であるボトム側油室46A,68A(図9参照)に圧油が供給されたとき、ロール回転方向に反対方向の推力を発生するように動作することを意味する。
次に、本実施の形態によるホイールローダ1の制御システムについて説明する。ホイールローダ1の制御システムは上述した1対の複動式油圧シリンダ46,68を含む油圧制御システム(油圧制御手段)100(図9)と、後フレーム9のロール回転方向の振動を規制するようその油圧制御システムを制御する演算制御システム(演算制御手段)200(図10)を備えている。
図9は油圧制御システム(油圧制御手段)100を示す油圧回路図である。
図9において、本実施の形態に係わる油圧制御システム100は、圧油供給部24と、一対の圧力制御部47,69と、上記の一対の複動式油圧シリンダ46,68とを備え、油圧シリンダ46,68は、そのボトム側油室46A,68Aとロッド側油室46B,68Bが一対の圧力制御部47,69にそれぞれ接続されている。圧油供給部24、圧力制御部47,69はそれぞれ一体の弁ブロックとして構成されており、圧力制御部47,69の弁ブロックは、それぞれ図6及び図7に示すように、油圧シリンダ46,68のチューブ外壁面に一体的に取り付けられている。
圧油供給部24は、油圧ポンプ8Aから供給される圧油を固定絞り弁20及び電磁方向切換弁23を介して一対の圧力制御部47,69に選択的に供給する供給油路(第4油路)24B,24Cと、油圧ポンプ8Aから供給される圧油を固定絞り弁20、高圧リリーフ弁18及び低圧リリーフ弁19を介してタンクに還流させるリリーフ油路24Aと、一対の圧力制御部47,69からの戻り油を合流させ、低圧リリーフ弁19を介してタンクに還流させる戻り油路(第5油路)24Dとを有している。
電磁方向切換弁23は3位置3ポートからなり、中央位置は圧力制御部47,69への2つのポートをいずれもブロックし、他の2位置は一対の圧力制御部47,69の一方に圧油を供給しつつ、他方のポートをブロックする構成となっている。そして、後述するコントローラ49からの指令電流によってソレノイド23A,23Bが駆動されることにより選択位置が切り換わり、圧油を一対の圧力制御部47,69の一方に選択的に供給したり、いずれにも供給を行わないようにしたりする。
電磁方向切換弁23が中央位置以外にある場合、油圧ポンプ8Aから供給される圧油は供給油路24B又は24C(以下、「又は」を括弧書きで示す)を通って圧力制御部47(69)に流入する。その流量は圧力制御部47(69)と固定絞り弁20の絞り抵抗の合計で決まる。固定絞り弁20の絞り抵抗値は、圧力制御部47(69)に必要以上の流量が供給されるのを防ぐように、適正に設定されている。
リリーフ油路24Aは、電磁方向切換弁23と一対の圧力制御部47,69に供給される圧油の最高圧力を制限する。設定される最高圧力の制限値は、高圧リリーフ弁18の設定圧と低圧リリーフ弁19の設定圧の和となる。また、電磁方向切換弁23の位置に関わらず、低圧リリーフ弁19には常に作動油の流れを発生させている。したがって、低圧リリーフ弁19の上流側は常に低圧リリーフ弁19の設定圧に保たれており、そこにつながる低圧油路60a,60bの最低圧力は、常に低圧リリーフ弁19の設定圧力に保たれる。
更に、一対の圧力制御部47,69のそれぞれからの戻り油路である低圧油路60a,60bと圧油供給部24の戻り油路24Dの間にはオペレートチェック弁21a,21bが設けられており、このオペレートチェック弁21a,21bは、油圧ポンプ8Aから圧油供給部24に圧油が供給されている時には開状態となって低圧油路60a,60bから戻り油路24Dに作動油を通し、圧油が供給されていないときには閉状態となって、低圧油路60a,60bから戻り油路24Dへの作動油の流れをブロックする。
圧力制御部47(69)は、チェック弁64a(64b)、電磁比例リリーフ弁62(67)、チェック弁65a(65b)、電磁比例リリーフ弁62(67)の前段の油路(第1油路)47A(69A)、油路47A(69A)から分岐し、油圧シリンダ46(68)のボトム側油室46A(68A)に通じる油路(第2油路)47B(69B)、固定絞り弁63a(63b)を備えた油路(第3油路)72a(72b)、メークアップ用のチェック弁66a(66b),70a(70b)を有している。
圧油供給部24の供給油路24B(24C)から高圧油路61a(61b)を通って供給される圧油は、チェック弁64a(64b)、電磁比例リリーフ弁62(67)、チェック弁65a(65b)を介して低圧油路60a(60b)に流れ、圧油供給部24に還流する。電磁比例リリーフ弁62(67)の前段の油路47A(69A)からは、油圧シリンダ46(68)のボトム側油室46A(68A)に通じる油路47B(69B)が分岐しているため、油圧シリンダのボトム側油室46A(68A)の圧力は、電磁比例リリーフ弁62(67)の設定圧力に制御される。この電磁比例リリーフ弁62(67)の設定圧は、後述するコントローラ49から出力される指令電流によってソレノイド62Aが駆動されることにより、油圧シリンダのボトム側油室46A(68A)の圧力をその指令電流の大きさに応じて連続的に制御する機能を有している。
そして、油圧シリンダ46(68)が伸縮する際に、ボトム側油室46A(68A)及びロッド側油室46B(68B)が作動油を給排するが、油圧シリンダ46(68)が縮む際は、ボトム側油室46A(68A)から排出される作動油は、電磁比例リリーフ弁62(67)を通って低圧油路60a(60b)に排出され、ロッド側油室46B(68B)に流入する作動油はチェック弁66a(66b)を通って低圧油路60a(60b)から供給される(メークアップ)。一方、油圧シリンダ46(68)が伸びる場合、ボトム側油室46A(68A)に流入する作動油は高圧油路61a(61b)からチェック弁64a(64b)を通って供給され、高圧油路61a(61b)からボトム側油室46A(68A)への作動油の供給流量が不足する場合には、低圧油路60a(60b)からチェック弁70a(70b)を通って不足分の作動油が供給される(メークアップ)。ロッド側油室46B(68B)から排出される作動油は、ロッド側油室46B(68B)に繋がる油路72a(72b)及びこの油路72a(72b)に設けられた固定絞り弁63a(63b)を通って低圧油路60a(60b)に排出される。このとき、ロッド側油室46B(68B)には固定絞り弁63a(63b)を通る作動油の流量に応じた圧力が発生するため、油圧シリンダ46(68)の伸長動作に対しては常に減衰力が作用する。
また、油圧シリンダ46(68)が縮む際、油圧シリンダ46(68)のチューブにロッドが挿入されることにより、ボトム側油室46A(68A)とロッド側油室46B(68B)の容量の和(総容積)が小さくなる。油圧シリンダ46(68)の総容積が小さくなった分の作動油は圧力制御部47(69)を通って圧油供給部24に排出されるが、チェック弁64a(64b)によって高圧油路61a(61b)への排出はブロックされるため、低圧油路60a(60b)を通って圧油供給部24に排出される。この排出油は圧油供給部24のオペレートチェック弁21a(21b)を通るので、油圧ポンプ8Aが作動していないときには、排出油はオペレートチェック弁21a(21b)にブロックされる。つまり、油圧ポンプ8Aが作動していないときには、油圧シリンダ46(68)は縮むことができずにロックされた状態となる。
図10は演算制御システム(演算制御手段)200を示すブロック図である。
図10において、本実施の形態に係わる演算制御システム200は、例えば一対の油圧シリンダ46,68の少なくとも一方に設けられた変位センサ(第1検出手段)25と、後フレーム9の左右両側にそれぞれもうけられた加速度センサ(第2検出手段)26A,26Bと、コントローラ49とを有している。
変位センサ25は、例えば、油圧シリンダ46のチューブ内に取り付けられ、ロッドの伸長位置を検出してこの伸長位置に応じた電気信号(例えば電圧信号等)を出力する。これにより、変位センサ25は、後フレーム9と結合フレーム41との間の相対ロール角変位θに応じた信号(相対ロール角変位信号S1)を出力している。このとき、結合フレーム41は前フレーム3と同じロール角変位を行うから、相対ロール角変位信号S1は前フレーム3と後フレーム9との間の相対ロール角変位θにも対応している。
なお、変位センサ25は、油圧シリンダ46に設けたが、左右両側の油圧シリンダ46,68の両方に設けてもよい。
加速度センサ26A,26Bは、後フレーム9に加わる上下方向の加速度を検出し、この加速度に応じた信号(加速度信号S2a,S2b)をそれぞれ出力する。そして、加速度センサ26A,26Bから出力された加速度信号S2a,S2bは、後述するように減算処理等が施され、後フレーム9の絶対ロール角速度ωの検出に用いられる。
コントローラ49は例えば後部車体7(後フレーム9)に設置され、制御指令演算手段として機能するものであり、このコントローラ49は、姿勢制御部28、制振制御部31、弁駆動電流出力部34等によって大略構成されている。
コントローラ49は、その入力側が変位センサ25と加速度センサ26A,26Bに接続され、出力側が油圧制御手段の電磁方向切換弁23及び電磁比例リリーフ弁62(67)に接続されている。そして、コントローラ49は、変位センサ25による相対ロール角変位信号S1を用いて、ロール軸O周りの相対ロール角変位θを目標相対ロール角変位θ0に収束させるための復元力F1を演算すると共に、加速度センサ26A,26Bによる加速度信号S2a,S2bを用いて、ロール軸O周りの振動を減少させる減衰力F2を演算し、これらの復元力F1と減衰力F2に基づいて油圧シリンダ46(68)が後フレーム9と結合フレーム41との間に加えるべき推力F0を演算する。これにより、コントローラ49は、油圧制御手段を用いて油圧シリンダ46(68)のボトム側の圧力を増減させ、油圧シリンダ46(68)で発生する、ロール回転方向の振動を制限するための推力F0を制御している。
姿勢制御部28は、変位センサ25から出力されたアナログ信号からなる相対ロール角変位信号S1を用いて、ロール軸O周りの相対ロール角変位θの目標相対ロール角変位θ0に収束させるための復元力F1を演算するものであり、この姿勢制御部28は、その入力側が増幅器29とA/Dコンバータ30とを介して変位センサ25に接続され、出力側が後述する弁駆動電流出力部34に接続されている。また、姿勢制御部28は、変位センサ25による相対ロール角変位信号S1に対して例えば換算係数を乗じて相対ロール角変位θに換算する角変位換算器28Aと、この角変位換算器28Aによる相対ロール角変位θと予め設定された目標相対ロール角変位θ0(例えばθ0=0)との偏差E1(E1=θ0−θ)を演算する相対ロール角変位偏差演算器28Bと、この相対ロール角変位偏差演算器28Bによって偏差E1のうち制御が必要となる周波数成分を取り出す制御フィルタ28Cとによって構成されている。
ここで、変位センサ25から出力されたアナログ信号からなる相対ロール角変位信号S1は、増幅器29によって増幅された後にA/Dコンバータ30を用いてディジタル信号に変換される。このため、角変位換算器28Aには、ディジタル信号からなる相対ロール角変位信号S1が入力されている。また、制御フィルタ28Cは、例えば低域通過フィルタ、帯域通過フィルタ、PlD制御フィルタ等のディジタルフィルタによって構成され、偏差E1に対して各種のフィルタ処理を行うことによって、適正な振幅補正と位相補正とを行う。これにより制御フィルタ28Cは、後フレーム9と結合フレーム41との間の相対ロール角変位θを目標相対ロール角変位θ0に収束させるための復元力F1を出力する。従って、姿勢制御部28は、後フレーム9と結合フレーム41との間の相対ロール角変位θをフィードバック制御するものである。
制振制御部31は、加速度センサ26A,26Bによる加速度信号S2a,S2bを用いて、ロール軸O周りの振動を減少させる減衰力F2を演算するものであり、この制振制御部31は、その入力側が増幅器32とA/Dコンバータ33とを介して加速度センサ26A,26Bに接続され、出力側が弁駆動電流出力部34に接続されている。また、制振制御部31は、加速度センサ26A,26Bによる加速度信号S2a,S2bの加速度差ΔS2(ΔS2=S2a−S2b)を演算する減算器31Aと、この減算器31Aによる加速度差ΔS2に対して例えば積分することによって後フレーム9に作用する絶対ロール角速度ωを換算する角速度換算器31Bと、この角速度換算器31Bによる絶対ロール角速度ωと予め設定された目標絶対ロール角速度ω0(例えば、ω0=0)との偏差E2(E2=ω0−ω)を演算する絶対ロール角速度偏差演算器31Cと、この絶対ロール角速度偏差演算器31による偏差E2のうち制御が必要となる周波数成分を取り出す制御フィルタ31Dとによって構成されている。
ここで、加速度センサ26A,26Bから出力されたアナログ信号からなる加速度信号S2a,S2bは、増幅器32によって増幅された後にA/Dコンバータ33を用いてディジタル信号に変換される。このため、減算器31Aには、ディジタル信号からなる加速度信号S2a,S2bが入力されている。また、制御フィルタ31Dは、例えば低域通過フィルタ、帯域通過フィルタ等のディジタルフィルタによって構成され、偏差E2に対して各種のフィルタ処理を行うことによって、適正な振幅補正と位相補正とを行う。これにより制御フィルタ31Dは、後フレームの絶対ロール角速度ωを目標絶対ロール角速度ω0に収束させるための減衰力F2を出力する。従って、制振制御部31は、後フレーム9に対する絶対ロール角速度ωをフィードバック制御するものである。
弁駆動電流出力部34は入力側が姿勢制御部28と制振制御部31とに接続され、出力側が油圧制御手段の電磁方向切換弁23及び電磁比例リリーフ弁62(67)に接続されている。この弁駆動電流出力部34は、復元力F1と減衰力F2を加算し推力F0を演算する加算器34Aと、この加算器34Aによって演算された推力F0を油圧シリンダ46(68)のボトム側の断面積Adで割った目標差圧ΔP(ΔP=F0/Ad)を演算する目標差圧演算器34Bと、この目標差圧演算器34Bによって演算された目標差圧ΔPを圧油供給部24に設けられた電磁方向切換弁23及び左右一対の圧力制御部47,69にそれぞれ設けられた電磁比例リリーフ弁62,67の弁駆動指令Va,Vb,Vc,Vdに変換する弁駆動指令演算器34Cと、この弁駆動指令演算器34Cにより変換されたディジタル信号からなる弁駆動指令Va,Vb,Vc,Vdをアナログ信号に変換するD/Aコンバータ34Dと、このD/Aコンバータ34Dにより変換されたアナログ信号の弁駆動指令に応じて圧油供給部24に設けられた電磁方向切換弁23及び左右一対の圧力制御部47,69にそれぞれ設けられた電磁比例リリーフ弁62,67を駆動するための弁駆動電流S0a,S0b,S0c,S0dを出力する駆動増幅器34Eとによって構成されている。これにより弁駆動電流出力部34は、姿勢制御部28の復元力F1と制振制御部31の減衰力F2とに基づいて油圧シリンダ46(68)が後フレーム9と結合フレーム41との間に加える推力F0を演算し、この推力F0に応じた弁駆動電流S0a,S0b,S0c,S0dを出力する。
弁駆動指令Va,Vbはそれぞれ電磁方向切換弁23のソレノイド23A,23Bへの弁駆動指令であり、弁駆動指令Vc,Vdはそれぞれ電磁比例リリーフ弁62,67のソレノイド62A,67Aへの弁駆動指令である。
図11は、弁駆動指令演算器34Cにおいて、目標差圧ΔPを弁駆動指令Va,Vbに変換するのに用いる目標差圧ΔPと弁駆動指令Va,Vbとの関係を示す図である。
図11において、目標差圧ΔPと弁駆動指令Vaとの関係は、実線で示すように、目標差圧ΔPがΔP<0の負の範囲内にあるとき及び0≦ΔP<ΔP21の不感帯にあるときは、弁駆動指令Vaは最小値の0であり(Va=0)、目標差圧ΔPがΔP>ΔP21とΔP21を超えると、弁駆動指令Vaは最大値Vmax1となるように設定されている。同様に、目標差圧ΔPと弁駆動指令Vbとの関係は、破線で示すように、目標差圧ΔPがΔP>0の正の範囲内にあるとき及びΔP22<ΔP≦0の不感帯にあるときは、弁駆動指令Vbは最小値の0であり(Vb=0)、目標差圧ΔPがΔP<ΔP22とΔP22より小さくなると、弁駆動指令Vbは最大値Vmax1となるように設定されている。
図12は、弁駆動指令演算器34Cにおいて、目標差圧ΔPを弁駆動指令Vc,Vdに変換するのに用いる目標差圧ΔPと弁駆動指令Vc,Vdとの関係を示す図である。
図12において、目標差圧ΔPと弁駆動指令Vcとの関係は、実線で示すように、目標差圧ΔPがΔP<0の負の範囲内にあるときは、弁駆動指令Vcは最小値の0であり(Vc=0)、目標差圧ΔPが正の範囲内にあるときは、目標差圧ΔPが大きくなるに従って弁駆動指令Vcは比例的に増加し、目標差圧ΔPがΔP4に達すると、弁駆動指令Vcは最大値Vmax2となるように設定されている。同様に、目標差圧ΔPと弁駆動指令Vdとの関係は、破線で示すように、目標差圧ΔPがΔP>0の正の範囲内にあるときは、弁駆動指令Vdは最小値の0であり(Vd=0)、目標差圧ΔPが負の範囲内にあるときは、目標差圧ΔPが小さくなるに従って弁駆動指令Vdは比例的に増加し、目標差圧ΔPがΔP3に達すると、弁駆動指令Vdは最大値Vmax2となるように設定されている。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
<ホイールローダの基本動作>
まず、ホイールローダ1の基本動作について説明する。
ホイールローダ1が走行する時には、ドライブシャフト15を介して前車軸4及び後車軸10に連結された駆動源8の油圧モータ等を駆動する。これにより、前車軸4及び後車軸10を介して前輪5及び後輪11が回転駆動し、ホイールローダ1は前進、後進する。また、ホイールローダ1を左右方向に操舵するときには、駆動源8の油圧ポンプ8Aを用いてステアリングシリンダ22,22を伸長、縮小させる。これにより、前フレーム3と後フレーム9とは屈曲軸Zを中心に左右方向に屈曲するから、ホイールローダ1を左右方向に進行させることができる。そして、土砂等の掘削作業を行う場合には、駆動源8の油圧ポンプ8Aを用いてシリンダ6Dを伸縮動作させ、ブーム6Aを俯仰動させる。この状態で、ホイールローダ1を前進、後退させ、ローダバケット6Bを用いた掘削作業等を行う。
<制振作用に係わる動作>
次に、本実施形態の制御システムによるロール回転方向の振動(ロール振動)を制限する制振作用に係わる動作について説明する。
<制振作用に係わる演算制御システムの動作>
まず、演算制御システムの動作について説明する。
コントローラ49の姿勢制御部28には、油圧シリンダ46(68)に内蔵された変位センサ25による相対ロール角変位信号S1が入力されるから、角変位換算器28Aは、相対ロール角変位信号S1を用いて後フレーム9と結合フレーム41(前フレーム3)との間の相対ロール角変位θを計算する。このとき、相対ロール角変位偏差演算器28Bは相対ロール角変位θと目標相対ロール角θ0(例えばθ0=0)との偏差E1(E1=θ0−θ)を演算する。制御フィルタ28Cは、この偏差E1に対して各種のフィルタ処理を行い、適正な振幅補正と位相補正を行った復元力F1を求める。
ここで、角度変位換算器28Aは、運転席12から前方を見たとき、後フレーム9が前フレーム3に対して時計方向にロール運動したときのフレーム9と結合フレーム41(前フレーム3)との間の相対ロール角変位θを正の値として計算し、後フレーム9が前フレーム3に対して反時計方向にロール運動したときの相対ロール角変位θを負の値として計算する。
一方、コントローラ49の制振制御部31には、後フレーム9の左右両側にそれぞれ配設された2個の加速度センサ26A,26Bによる加速度信号S2a,S2bが入力されるから、減算器31Aは、加速度信号S2a,S2bの差分として加速度差ΔS2(ΔS2=S2a−S2b)を演算し、角速度換算器31Bは、この角速度差ΔS2を用いて後フレーム9に作用する絶対ロール角速度ωを計算する。このとき、絶対ロール角速度偏差演算器31Cは絶対ロール角速度ωと目標絶対ロール角速度ω0(例えばω0=0)との偏差E2(E2=ω0−ω)を演算する。制御フィルタ31Dは、この偏差E2に対して各種のフィルタ処理を行い、適正な振幅補正と位相補正を行った減衰力F2を求める。
ここで、加速度センサ26A,26Bは、それぞれ、上方向の加速度を正の値として検出し、下方向の加速度を負の値として検出する。
そして、これらの復元力F1と減衰力F2は弁駆動電流出力部34に入力され、加算器34Aは、復元力F1と減衰力F2とを加算して油圧シリンダ46(68)による推力F0を目標差圧演算器34Bに出力する。目標差圧演算器34Bは、加算器34Aから入力された推力F0を油圧シリンダ46(68)のボトム側断面積Adで割ることによって、電磁比例リリーフ弁62(67)によって油圧シリンダ46(68)のボトム側油室46A(68A)と低圧油路60a(60b)の間に発生させる目標差圧ΔPを算出する。
さらに、弁駆動指令演算器34Cにおいて、図11及び図12に示した 関係を用いて、目標差圧ΔPから電磁方向切換弁23及び電磁比例リリーフ弁62(67)の弁駆動指令Va,Vb,Vc,Vdを計算する。弁駆動指令Va,Vbはそれぞれ電磁方向切換弁23のソレノイド23A,23Bの弁駆動指令であり、弁駆動指令Vc,Vdはそれぞれ電磁比例リリーフ弁62,67のソレノイド62A,67Aの弁駆動指令である。
そして、弁駆動指令Va,Vb,Vc,Vdを受け、駆動増幅器34Eが弁駆動電流S0a,S0b,S0c,S0dを出力する。これにより、油圧制御手段の電磁方向切換弁23のソレノイド23A,23B、及び、電磁比例リリーフ弁62(67)のソレノイド62A(67A)が駆動され、電磁比例リリーフ弁62(67)によって制御されたボトム側圧力ΔPによって、油圧シリンダ46(68)はΔPにボトム側断面積Adを乗じた推力F0を発生する。
また、ホイールローダ1に入力される外力、油圧シリンダ46(68)による推力等によって、ホイールローダ1の運動が変化する。このため、変位センサ25による相対ロール角変位信号S1と加速度センサ26A,26Bによる加速度信号S2a,S2bとをコントローラ49にフィードバックし、油圧シリンダ46(68)の制御ループを継続している。
<制振作用に係わる油圧制御システムの動作>
次に、油圧制御システムの動作について説明する。
弁駆動指令演算器34Cで計算される弁駆動指令Va,Vb,Vc,Vdは、目標差圧ΔPが正、すなわち推力F0が正の値のとき、図11及び図12に示した関係により、Vaを一定値(Vmax1)、Vcを目標差圧ΔPに比例する値とし、Vb及びVdを0とする。これにより電磁方向切換弁23のソレノイド23Aが駆動され、油圧ポンプ8Aからの圧油は高圧油路24Bを通って圧力制御部47に供給される。そして、ソレノイド62Aによって電磁比例リリーフ弁62における差圧、すなわち、油圧シリンダ46のボトム側油室46Aの圧力が連続的に制御されることで、油圧シリンダ46は目標差圧ΔPにボトム側断面積Adを乗じた推力F0を伸長方向に発生する。一方、目標差圧ΔPが負、すなわち推力F0が負の値のときには、同様にして反対側の油圧シリンダ68が推力(減衰力)F0を伸長方向に発生する。
このように圧油供給部24の電磁方向切換弁23が、油圧ポンプ8Aからの圧油を一対の圧力制御部47(69)に選択的に供給し、電磁比例リリーフ弁62,67の一方によって油圧シリンダ46,68の一方の伸び方向の推力のみを選択的に制御する。ここで、一対の油圧シリンダ46,68はロール回転方向に対向して動作するよう配置されているため、油圧シリンダ46,68の一方の伸び方向の推力のみを選択的に制御しても、両方のロール回転方向に対する推力の制御を行うことができる。
また、同時に、反対側の油圧シリンダ68(46)のボトム側から排出される作動油が固定絞り弁63b(63a)を通ることによって、油圧シリンダ68(46)の伸長方向への働きに対して反力(減衰力)が発生する。この反力(減衰力)も油圧シリンダ46、68の両方で同時に発生することはないが、2つの油圧シリンダ46,68はロール回転方向に対向して動作するよう配置されているため、油圧シリンダ46、68の伸長動作に対する固定絞り弁63a,63bによる反力(減衰力)は、両方のロール回転方向に対して作用することになる。
その結果、油圧シリンダ46(68)の伸び方向の推力(減衰力)と油圧シリンダ68(46)の固定絞り弁63b(63a)による反力(減衰力)との合力も、両方のロール回転方向に対して作用することができる。これにより制御が単純となり、制御の信頼性を向上することができる。
そして、このように電磁比例リリーフ弁62(67)による油圧シリンダ46(68)の伸び方向の推力を制御するとともに、電磁比例リリーフ弁62(67)による油圧シリンダ46(68)の伸び方向の推力と、反対側の油圧シリンダ68(46)の固定絞り弁63b(63a)による反力(減衰力)との合力により、後フレーム9の振動を制御するので、後フレーム9及び運転室12を適切な姿勢に維持しつつ、後フレーム9及び運転室12の振動を効果的に低減し、乗り心地を向上することができる。この詳細は後述する。
また、本実施の形態では、油圧シリンダ46(68)を複動式とすることでボトム側油室46A(68A)の油路とロッド側油室46B(68B)の油路とを互いに独立させ、ボトム側油室46A(68A)の油路において油圧シリンダ46(68)の圧力制御をし、ロッド側油室46B(68B)の油路に固定絞り弁63a(63b)を配置したので、固定絞り弁63a(63b)がボトム側油室46A(68A)の圧力制御性に与える影響が排除される。
さらに、圧力制御部47(69)から圧油供給部24へ戻った作動油がタンクに還流する際、低圧リリーフ弁19を通過することから、低圧油路60a(60b)の最低圧力が補償される。これにより油圧シリンダ46(68)に作動油がメークアップされる場合の負圧の発生を防止し、キャビテーションの発生を抑えている。
<制振作用に係わる油圧制御システムの動作の詳細>
演算制御システム及び油圧制御システムの動作を後フレーム9の状態量との関係で更に詳細に説明する。
1.姿勢制御
まず、姿勢制御の必要性について説明する。
路面から入力される荷重による前フレーム3のロール回転方向に振動が後フレーム9に伝達されないようにするだけであれば、結合フレーム41を介して前フレームと後フレームを相対ロール運動可能に連結すだけでよい。しかし、後フレーム9は後車軸10に対してロール運動可能に取り付けられているため、後フレーム9が前フレーム3に対してもロール運動可能に連結された場合は、後フレーム9及び運転室12はロール回転方向の拘束がなくなるため、ロール回転方向に適切な姿勢を維持することができなくなる。
本実施の形態では、後フレーム9及び運転室12の振動を低減するに際して、下記のように後フレーム9及び運転室12は適切な姿勢を維持することができる。
まず、後フレーム9が結合フレーム41(前フレーム3)に対して反時計方向にロール回転変位しようとする場合について説明する。この場合、角度変位換算器28Aでは、後フレーム9と結合フレーム41(前フレーム3)との間の相対ロール角変位θが負の値として演算され、相対ロール角変位偏差演算器28Bでは偏差E1(E1=θ0−θ)が正の値として演算され、制御フィルタ28Cでは復元力F1が正の値として求められる。また、目標差圧演算器34Bでは、目標差圧ΔPが正の値として演算され、弁駆動指令演算器34Cでは、図11及び図12に示した関係により、下記の弁駆動指令Va,Vb,Vc,Vdが演算される。
Va=一定値(Vmax1)
Vc=目標差圧ΔPに比例する値
Vb=0
Vd=0
これにより電磁方向切換弁23のソレノイド23Aが駆動され、油圧ポンプ8Aからの圧油は高圧油路24Bを通って圧力制御部47に供給される。これと同時に、電磁比例リリーフ弁62のソレノイド62Aが駆動され、電磁比例リリーフ弁62における差圧、すなわち、油圧シリンダ46のボトム側油室46Aの圧力が弁駆動指令Vcに応じた値に制御されることで、油圧シリンダ46は目標差圧ΔPにボトム側断面積Adを乗じた推力F0(復元力F1)を伸長方向に発生する。これにより後フレーム9と結合フレーム41(前フレーム3)との間の相対ロール角変位θが0となるよう制御される。
後フレーム9が結合フレーム41(前フレーム3)に対して時計方向にロール回転変位しようとする場合は、同様にして反対側の油圧シリンダ68が目標差圧ΔPにボトム側断面積Adを乗じた推力F0(復元力F1)を伸長方向に発生し、後フレーム9と結合フレーム41(前フレーム3)との間の相対ロール角変位θを0とするよう制御する。この場合、目標差圧ΔPは負の値として演算され、弁駆動指令演算器34Cでは、図11及び図12に示した関係により、下記の弁駆動指令Va,Vb,Vc,Vdが演算される。
Vb=一定値(Vmax1)
Vd=目標差圧ΔPに比例する値
Va=0
Vc=0
すなわち、この場合は、電磁方向切換弁23のソレノイド23Bが駆動され、油圧ポンプ8Aからの圧油は高圧油路24Cを通って圧力制御部69に供給される。また、電磁比例リリーフ弁67のソレノイド67Aが駆動され、油圧シリンダ68のボトム側油室68Aの圧力が弁駆動指令Vdに応じた値に制御される。
このように本実施の形態では、油圧シリンダ46(68)は、後フレーム9と結合フレーム41(前フレーム3)との間の相対ロール角変位θを0とするような推力F0(復元力F1)を発生させる。このとき、前輪5の変形によって若干の変動があるものの、前車軸4と前フレーム3とは、地面に対してほぼ一定の角度(例えば地面に平行となる角度)を保つ。この結果、地面に対して一定のロール角変位θを保ち、屈曲軸Zが地面に対して鉛直方向となるように、後フレーム9を姿勢制御することができる。
2.制振制御
次に、例えば路面から前フレーム3に入力される荷重が後フレーム9に伝達されて、後フレーム9が振動しようとする場合について説明する。
後フレーム9の振動がロール回転方向に振動する場合、その振動により、後フレームの左右に設置された加速度センサ26A,26Bには上下方向の加速度が反対方向に繰り返し作用する。このような後フレームの振動に対し、本実施の形態の制御システムは、加速度センサ26A,26Bがそれぞれ上下方向の加速度を検出し、次のように動作する。
まず、加速度センサ26Aに下方向の加速度が作用し、加速度センサ26Bに上方向の加速度が作用する場合は、加速度センサ26Aでは加速度が負の値として検出され、加速度センサ26Bでは加速度が正の値として検出され、減算器31Aでは、加速度信号S2a,S2bの差分として加速度差ΔS2(ΔS2=S2a−S2b)が負の値として演算され、角速度換算器31Bでは後フレーム9に作用する絶対ロール角速度ωが負の値として演算される。そして、絶対ロール角速度偏差演算器31Cでは偏差E2(E2=ω0−ω)が正の値として演算され、制御フィルタ31Dでは、減衰力F2が正の値として求められる。また、目標差圧演算器34Bでは、目標差圧ΔPが正の値として演算され、弁駆動指令演算器34Cでは、図11及び図12に示した関係により、下記の弁駆動指令Va,Vb,Vc,Vdが演算される。
Va=一定値(Vmax1)
Vc=目標差圧ΔPに比例する値
Vb=0
Vd=0
これにより電磁方向切換弁23のソレノイド23Aが駆動され、油圧ポンプ8Aからの圧油は高圧油路24Bを通って圧力制御部47に供給される。これと同時に、電磁比例リリーフ弁62のソレノイド62Aが駆動され、電磁比例リリーフ弁62における差圧、すなわち、油圧シリンダ46のボトム側油室46Aの圧力が弁駆動指令Vcに応じた値に制御されることで、油圧シリンダ46は目標差圧ΔPにボトム側断面積Adを乗じた推力F0(減衰力F2)を伸長方向に発生する。
また、この場合は、同時に、反対側の油圧シリンダ68に係わる固定絞り弁63bにより減衰力が発生する。すなわち、この場合は、後フレーム9の加速度センサ26Bが位置する側が上方向に移動しようとする場合であり、加速度センサ26Bと同じ側に位置する他方の油圧シリンダ68に対して伸長方向の力が作用する。このとき、油圧シリンダ68は伸長方向に動作しようとするが、油圧シリンダ68のボトム側から排出される作動油が固定絞り弁63bを通ることによって、油圧シリンダ68の伸長動作に対して反力(減衰力)が発生する。
このように加速度センサ26Aに下方向の加速度が作用し、加速度センサ26Bに上方向の加速度が作用する場合は、電磁比例リリーフ弁62による油圧シリンダ46の伸び方向の推力と、反対側の油圧シリンダ68の固定絞り弁63bによる反力(減衰力)との合力が後フレーム9に作用し、後フレーム9の加速度を抑制することができる。
加速度センサ26Aに上方向の加速度が作用し、加速度センサ26Bに下方向の加速度が作用する場合は、同様にして油圧シリンダ68は目標差圧ΔPにボトム側断面積Adを乗じた推力F0(減衰力F2)を伸長方向に発生する。この場合、目標差圧ΔPは負の値として演算され、弁駆動指令演算器34Cでは、図11及び図12に示した関係により、下記の弁駆動指令Va,Vb,Vc,Vdが演算される。
Vb=一定値(Vmax1)
Vd=目標差圧ΔPに比例する値
Va=0
Vc=0
すなわち、この場合は、電磁方向切換弁23のソレノイド23Bが駆動され、油圧ポンプ8Aからの圧油は高圧油路24Cを通って圧力制御部69に供給される。また、電磁比例リリーフ弁67のソレノイド67Aが駆動され、油圧シリンダ68のボトム側油室68Aの圧力が弁駆動指令Vdに応じた値に制御される。
また、この場合は、同時に、伸長しようとする油圧シリンダ46のボトム側から排出される作動油が固定絞り弁63aを通ることによって、油圧シリンダ46の伸長動作に対して反力(減衰力)が発生する。
このようにこの場合も、電磁比例リリーフ弁67によりよる油圧シリンダ68の伸び方向の推力と、反対側の油圧シリンダ46の固定絞り弁63aによる反力(減衰力)との合力により後フレーム9の加速度を抑制することができる。
このように本実施の形態では、油圧シリンダ46(68)は、後フレーム9の絶対ロール角速度ωを0とするような推力F0(減衰力F2)を発生させる。この推力F0は、いわゆるスカイフック理論による減衰力F2となるから、この減衰力F2によって大きなロール制振効果を得ることができ、後フレーム9を制振制御することができる。
また、一対の油圧シリンダ46,68が発生する力は、油圧シリンダ46(68)の伸縮動作に対して、作動油が一方の油圧シリンダ46(68)から電磁比例リリーフ弁62(67)を通って排出される際に制御される圧力による推力と、他方の油圧シリンダ68(46)から固定絞り弁63b(63b)を通って排出される際に発生する圧力による反力の合力となり、このとき反力は常に減衰力(油圧シリンダ68(46)の伸縮速度に対して逆向きの力)となるため、油圧シリンダ46(68)の推力によって生ずる後フレーム9の制振動作を安定させることができる。
すなわち、電磁比例リリーフ弁62(67)による推力制御はアクティブ制御であり、このアクティブ制御のハンチング(発信)に対する安定性は、理想的に計算された目標差圧ΔPに対して、実差圧(実際に油圧シリンダ46(48)で発生する差圧)がどれだけ忠実かによって決まる。特に、目標差圧ΔPが振動的な場合、目標差圧ΔPに対する実差圧の応答遅れ量(振動成分の位相遅れ)が重要であり、応答遅れ量が限度を超えると、制御によっては振動を増幅する(ハンチングさせる)ことになる。一方、固定絞り弁63b(63b)によって発生する減衰力は粘性減衰力であり、この粘性減衰力は、振動に対して絶対的に安定な位相特性を持っており、目標差圧ΔPによって発生させようとしている推力に対し、常に位相が進んでいる。したがって、目標差圧ΔPによって発生させる推力と別に、固定絞り弁63b(63b)による粘性減衰力を付与することで、実差圧によって発生する実推力の遅れを幾分取り戻す作用が得られる。このように固定絞り弁63b,63bを設けることで制御を安定化させることができる。
また、本実施の形態では、電磁比例リリーフ弁62,67により推力を発生させる油路47B,69Bと、固定絞り弁63a,63bにより減衰力を発生させる油路70a,70bが互いに独立しているため、固定絞り弁63a,63bがボトム側油室46A,68Aの圧力制御性に与える影響が排除される。これにより電磁比例リリーフ弁62,67で制御された圧力が直接油圧シリンダ46,68に作用するので、推力の制御に対して良好な応答性を得ることができる。
加えて、油圧シリンダ46,68の推力及び減衰力は全て電磁比例リリーフ弁62,67及び固定絞り弁63a,63bより作動油を排出するときの絞り抵抗によって発生させるため、油圧シリンダ46,68のチューブ内が負圧になりキャビテーションが発生することが無く、キャビテーションによって発生した気泡によって電磁比例リリーフ弁62,67による圧力制御性や、固定絞り弁63a,63bによる減衰力が損なわれることがない。したがって、上述した姿勢制御及び制振制御を確実に行うことができる。
<効果のまとめ>
以上のように構成した本実施の形態によれば、次の効果が得られる。
1.前フレーム3と後フレーム9との間を相対ロール運動可能に連結する連結機構(結合フレーム41、結合部9B)を設け、連結機構の結合フレーム41と後フレーム9の結合部9Bの間に、互いの相対ロール運動を規制する力を与える一対の複動式油圧シリンダ46,68をそれぞれロール回転方向に対向して動作するよう配置し、後フレーム9の状態量に応じて電磁比例リリーフ弁62(67)により油圧シリンダ46(68)の伸び方向の推力を制御するので、後フレーム9及び運転室12は適切な姿勢を維持しつつ、前フレーム3から後フレーム9にロール回転方向の振動が伝達するのを抑制し、後フレーム9及び運転室12の振動を効果的に低減し、乗り心地を向上することができる。
2.連結機構を構成する結合フレーム41と後フレーム9の結合部9Bの間に、互いの相対ロール運動を規制する力を与える一対の複動式油圧シリンダ46,68をそれぞれロール回転方向に対向して動作するよう配置したので、相対ロール運動に対して一対の複動式油圧シリンダ46,68が相反する伸縮動作を行うため、それぞれの複動式油圧シリンダで発生する推力を伸縮いずれか一方のみとしても両方のロール回転方向の運動を規制する力を発生させることができる。これにより制御が単純となり、制御の信頼性を向上することができる。
3.一対の複動式油圧シリンダ46,68のそれぞれを制御する一対の圧力制御部47,69と、この一対の圧力制御部に作業機本体の油圧ポンプ8Aからの圧油を選択的に供給する圧油供給部24からなる油圧制御手段を設け、この圧力制御部47,69には、複動式油圧シリンダ46,68のボトム側或いはロッド側のいずれか一方からの作動油を電磁比例リリーフ弁62,67を通して排出する油路と、他方からの作動油を固定絞り弁63a,63bを通して排出する油路をそれぞれ独立して設けたので、一対の複動式油圧シリンダ46,68が連結機構を構成する結合フレーム41と後フレーム9の結合部9Bの間に発生する力は、複動式油圧シリンダ46(68)の伸縮動作に対して、作動油が一方の複動式油圧シリンダ46(68)から電磁比例リリーフ弁62(67)を通って排出される際に制御される圧力による推力と、他方の複動式油圧シリンダ68(46)から固定絞り弁63a,63bを通って排出される際に発生する圧力による反力の合力となり、このとき反力は常に減衰力(複動式油圧シリンダ46(68)の伸縮速度に対して逆向きの力)となるため、複動式油圧シリンダ46(68)の推力によって生ずる後フレームの制振動作を安定させることができる。
4.推力を発生させる油路と反力(減衰力)を発生させる油路とが互いに独立しているため、電磁比例リリーフ弁62,67で制御された圧力が直接複動式油圧シリンダ46(68)に作用するので、推力の制御に対して良好な応答性を得ることができる。
5.加えて、複動式油圧シリンダ46(68)の推力及び減衰力は全て作動油を排出する時の絞り抵抗によって発生させるため、複動式油圧シリンダ46(68)のチューブ内が負圧になりキャビテーションが発生することが無く、キャビテーションによって発生した気泡によって電磁比例リリーフ弁62,67による圧力制御性或いは固定絞り弁63a,63bによる減衰力が損なわれることがない。
6.圧油供給部24には、電磁方向切換弁23を介して一対の圧力制御部47,69に圧油を供給する油路を設けたことにより、一対の複動式油圧シリンダ46,68にそれぞれ設けられた圧力制御部47,69に選択的に作動油を供給することができ、両方のロール回転方向に対する推力を一つの油圧ポンプ8Aによって制御することができる。また、電磁比例リリーフ弁62,67に所定の流量を安定して供給できるため、複動式油圧シリンダ46(68)の伸縮動作が無い場合でも、複動式油圧シリンダ46(68)の推力を制御することができる。
7.一対の圧力制御部47,69からの戻り油を合流してリリーフ弁19を介してタンクヘ還流する油路24Dを設けたので、圧力制御部47(69)からの戻り油路60a,60bの最低圧がリリーフ弁19の設定圧に補償され、複動油圧シリンダ46(68)に作動油が流入する場合(メークアップ)の負圧の発生を防止し、キャビテーションの発生を防止することができる。
8.後フレーム9のロール回転方向の姿勢と振動に関する状態量を検出する検出手段(変位センサ25、加速度センサ26A,26B)と、この検出手段により検出された状態量に基づき、油圧制御手段の電磁比例リリーフ弁62,67や電磁方向切換弁23に対する制御指令を計算する制御指令演算手段を設けたので、油圧制御手段及び一対の複動式油圧シリンダ46,68を、後フレーム9の運動状態に応じて最適に制御することが可能である。
9.低圧リリーフ弁19によって油圧シリンダ46,68内のキャビテーションを防止できるので、電磁比例リリーフ弁62,67における制御性の悪化、固定絞り弁63a,63bにおける減衰力の低下をいずれも防止することができる。したがって、姿勢制御及び制振制御を確実に行うことができる。
なお、上記の実施の形態は本発明の精神の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、1対の複動式油圧シリンダ46,68を後フレーム9と結合フレーム41との間に配置したが、油圧シリンダ46,68の配置位置はそれには限られず、後フレーム9のロール運動を規制することができる位置であれば、それ以外の位置であってもよい。例えば、後フレーム9と後車軸10を収容する車軸管10A,10Aとの間に油圧シリンダ46,68を配置してもよい。この例は特願2005−119903に詳しい。また、結合フレームを後フレーム9と一体化した場合は、結合フレームと前フレームとの間に油圧シリンダ46,48を配置してもよい。
本発明の実施の形態によるホイールローダを示す斜視図である。 図1に示したホイールローダのフレーム部分(前フレーム及び後フレーム部分)の平面図である。 図2に示したフレーム部分を屈曲した状態で示す平面図である。 図2に示したフレーム部分のIV−IV線断面図である。 図2に示したフレーム部分のV−V線断面図である。 図2に示したフレーム部分のVI−VI線断面図である。 図6に示したフレーム部分において、結合フレームが後フレームに対しロール軸周りに相対角変位した状態を示す、図6と同様な断面図である。 図6に示したフレーム部分のVIII−VIII線縦断面図である。 本発明の実施の形態に係わる油圧制御システム(油圧制御手段)を示す油圧回路図である。 本実施の形態に係わる演算制御システム(演算制御手段)を示すブロック図である。 弁駆動指令演算器において、目標差圧ΔPを弁駆動指令Va,Vbに変換するのに用いる目標差圧ΔPと弁駆動指令Va,Vbとの関係を示す図である。 弁駆動指令演算器において、目標差圧ΔPを弁駆動指令Vc,Vdに変換するのに用いる目標差圧ΔPと弁駆動指令Vc,Vdとの関係を示す図である。
符号の説明
1 ホイールローダ(アーティキュレート式作業機)
2 前部車体
3 前フレーム
4 前車軸
5 前輪
6 作業装置
7 後部車体
9 後フレーム
8A 油圧ポンプ(油圧源)
9A 収容枠部
9B 結合部
10 後車軸
11 後輪
12 運転室
13 支持ブラケット
14 支持部
18 高圧リリーフ弁
19 低圧リリーフ弁(リリーフ弁)
20 固定絞り弁
21a,21b オペレートチェック弁
22 ステアリングシリンダ
23 電磁方向切換弁
23A,23B ソレノイド
24 圧油供給部
24A リリーフ油路
24B,24C 供給油路(第4油路)
24D 戻り油路(第5油路)
25 変位センサ
26A,26B 加速度センサ
28 姿勢制御部
31 制振制御部
34 弁駆動電流出力部
41 結合フレーム(連結機構)
43 結合軸
46,68 一対の複動式油圧シリンダ
46A,68A ポトム側油室
46B,68B ロッド側油室
47A,69A 油路(第1油路)
47B,69B 油路(第2油路)
72a,72b 油路(第3油路)
47,69 圧力制御部
49 コントローラ
60a,60b 低圧油路
61a,61b 高圧油路
62,67 電磁比例リリーフ弁
62A,67A ソレノイド
63a,63b 固定絞り弁(絞り)
64a,64b,65a,65b,66a,66b,70a,70b チェック弁
100 油圧制御システム(油圧制御手段)
200 演算制御システム(演算制御手段)

Claims (10)

  1. 作業装置が設けられた前フレームと、前記前フレームに左右方向に屈曲可能に連結され運転室が設けられた後フレームと、前記前フレームに設けられ、左右に車輪を備えた前車軸と、前記後フレームに設けられ、左右に後輪を備えた後車軸とを備え、前記前フレームは前記前車軸に対してロール運動不能に取り付けられ、前記後フレームは前記後車軸に対してロール運動可能に取り付けられたアーティキュレート式作業機において、
    前記前フレームと後フレームとの間に設けられ、これらを相対ロール運動可能に連結する連結機構と、
    前記後フレームに設けられ、この後フレームのロール運動を規制する一対の複動式油圧シリンダを含む油圧制御手段と、
    前記後フレームの状態量を検出し、この状態量に基づいて前記油圧制御手段を制御し、前記後フレームの姿勢及び振動を制御する演算制御手段とを備えることを特徴とするアーティキュレート式作業機。
  2. 請求項1記載のアーティキュレート式作業機において、
    前記一対の複動式油圧シリンダは、それぞれ、前記後フレームのロール回転中心の両側にロール回転方向に対向して動作するよう配置され、
    前記油圧制御手段は、前記一対の複動式油圧シリンダに選択的に油圧源の圧油を供給する圧油供給部と、前記一対の複動式油圧シリンダのそれぞれに設けられ、前記圧油供給部から前記一対の複動式油圧シリンダに選択的に圧油が供給されるときに、その圧油の圧力を制御する一対の圧力制御部とを有することを特徴とするアーティキュレート式作業機。
  3. 請求項2記載のアーティキュレート式作業機において、
    前記油圧制御手段の一対の圧力制御部は、それぞれ、前記圧油供給部から選択的に供給された圧油を対応する油圧シリンダに導く第1油路と、この第1油路に連通する第2油路であって、電磁比例リリーフ弁を備え、前記対応する油圧シリンダに導かれた圧油の一部を前記電磁比例リリーフ弁を通して排出する第2油路と、この第2油路とは独立して設けられた第3油路であって、絞りを備え、前記対応する油圧シリンダから排出された圧油を前記絞りを通して排出する第3油路とを有し、
    前記演算制御手段は前記電磁比例リリーフ弁を制御することを特徴とするアーティキュレート式作業機。
  4. 請求項2又は3記載のアーティキュレート式作業機において、
    前記油圧制御手段の圧油供給部は、電磁方向切換弁を備え、この電磁方向切換弁を介して前記一対の圧力制御部に圧油を供給する第4油路、及びリリーフ弁を備え、前記一対の圧力制御部からの排出油を前記リリーフ弁を介してタンクヘ還流する第5油路とを有し、
    前記演算制御手段は前記電磁方向切換弁を制御することを特徴とするアーティキュレート式作業機。
  5. 請求項2記載のアーティキュレート式作業機において、
    前記演算制御手段は、前記後フレームのロール回転方向の姿勢と振動に関する状態量を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された状態量に基づいて前記後フレームの姿勢と振動を制御するための前記一対の複動式油圧シリンダの目標推力を演算し、この目標推力が得られるよう前記圧油供給部と前記一対の圧力制御部とを制御するための制御指令を計算する制御指令演算手段とを有することを特徴とするアーティキュレート式作業機。
  6. 請求項2記載のアーティキュレート式作業機において、
    前記油圧制御手段の圧油供給部は、前記一対の複動式油圧シリンダの一方に選択的に圧油を供給する電磁方向切換弁を有し、
    前記油圧制御手段の一対の圧力制御部は、それぞれ、前記一対の複動式油圧シリンダに供給される圧油の圧力を制御する電磁比例リリーフ弁を有し、
    前記演算制御手段は、前記後フレームのロール回転方向の姿勢と振動に関する状態量を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された状態量に基づいて前記後フレームの姿勢と振動を制御するための前記一対の複動式油圧シリンダの目標推力を演算し、この目標推力が得られるよう前記圧油供給部の電磁方向切換弁と前記一対の圧力制御部の電磁比例リリーフ弁とを制御するための制御指令を計算する制御指令演算手段とを有することを特徴とするアーティキュレート式作業機。
  7. 請求項2記載のアーティキュレート式作業機において、
    前記油圧制御手段の一対の圧力制御部は、それぞれ、前記圧油供給部から選択的に供給された圧油を対応する油圧シリンダに導く第1油路と、この第1油路に連通する第2油路であって、電磁比例リリーフ弁を備え、前記対応する油圧シリンダに導かれた圧油の一部を前記電磁比例リリーフ弁を通して排出する第2油路と、この第2油路とは独立して設けられた第3油路であって、絞りを備え、前記対応する油圧シリンダから排出された圧油を前記絞りを通して排出する第3油路とを有し、
    前記油圧制御手段の圧油供給部は、電磁方向切換弁を備え、この電磁方向切換弁を介して前記一対の圧力制御部に圧油を供給する第4油路、及びリリーフ弁を備え、前記一対の圧力制御部からの排出油を前記リリーフ弁を介してタンクヘ還流する第5油路とを有し、
    前記演算制御手段は、前記後フレームのロール回転方向の姿勢と振動に関する状態量を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された状態量に基づいて前記後フレームの姿勢と振動を制御するための前記一対の複動式油圧シリンダの目標推力を演算し、この目標推力が得られるよう前記圧油供給部の電磁方向切換弁と前記一対の圧力制御部の電磁比例リリーフ弁とを制御するための制御指令を計算する制御指令演算手段とを有することを特徴とするアーティキュレート式作業機。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項記載のアーティキュレート式作業機において、
    前記検出手段は、前記後フレームのロール回転方向の姿勢に関する第1状態量を検出する第1検出手段と、前記後フレームのロール回転方向の振動に関する第2状態量を検出する第2検出手段とを有し、
    前記制御指令演算手段は、前記第1検出手段によって検出された第1状態量に基づいて前記後フレームの姿勢を制御するための復元力を計算するとともに、前記第2検出手段によって検出された第2状態量に基づいて前記後フレームの振動を制御するための減衰力を計算し、前記復元力と減衰力を合成して前記後フレームの姿勢と振動を制御するための前記一対の複動式油圧シリンダの目標推力を演算することを特徴とするアーティキュレート式作業機。
  9. 請求項5記載のアーティキュレート式作業機において、
    前記制御指令演算手段は、前記目標推力の正負に応じて前記一対の複動式油圧シリンダの一方に圧油を供給するよう前記圧油供給部を制御するための制御指令を計算し、前記一方の油圧シリンダに前記目標推力の大きさに応じた推力が発生するよう前記一対の圧力制御部の対応するものを制御するための制御指令を計算することを特徴とするアーティキュレート式作業機。
  10. 請求項6又は7記載のアーティキュレート式作業機において、
    前記制御指令演算手段は、前記目標推力の正負に応じて前記一対の複動式油圧シリンダの一方に圧油を供給するよう前記圧油供給部の電磁方向切換弁を制御するための制御指令を計算し、前記一方の油圧シリンダに前記目標推力の大きさに応じた推力が発生するよう前記一対の圧力制御部の対応するものの電磁比例リリーフ弁を制御するための制御指令を計算することを特徴とするアーティキュレート式作業機。
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