JP2015148928A - 建設機械 - Google Patents

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聡美 近藤
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聡美 近藤
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Abstract

【課題】目標変位が変化しないときに不要な挙動を抑制することができる建設機械を提供する。
【解決手段】作業装置のシリンダには、シリンダ変位センサをそれぞれ設ける。コントローラ32は、シリンダの目標変位Xa0,Xb0を設定する目標姿勢設定部33と、目標姿勢設定部33による目標変位Xa0,Xb0とシリンダ変位センサによる実変位Xa1,Xb1とが等しくなるように操作信号Sa,Sbを生成する操作信号生成部34とを備える。操作信号生成部34のフィードバック操作信号生成部39は、目標変位Xa0,Xb0の変化が所定の閾値よりも小さいときに、偏差ΔXa,ΔXbに対するフィードバック操作信号SFBa,SFBbのゲインを低下させるフィードバックゲイン補正部44を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば自動動作機能を有する油圧ショベル等の建設機械に関する。
例えば油圧ショベル等の建設機械では、掘削作業や均し作業のように複数のアクチュエータ(油圧シリンダ等)を駆動させる作業がある。このような作業では、各アクチュエータに対応した操作レバーを同時に操作する必要があるため、手動操作によって目標通りの動作を行うには高度の操作能力が要求される。
このような高度な操作能力が要求される複雑な作業を行うために、建設機械が自動動作機能を有し、複数のアクチュエータからなる作業装置を所定の動作軌跡に沿って自動的に動作させる構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された建設機械では、油圧アクチュエータとなるシリンダに油圧制御弁を接続して設けると共に、自動動作時には、演算装置等を用いて油圧制御弁を自動的に制御する構成となっている。
特開昭49−132801号公報
ところで、油圧ショベル等の建設機械には、意図した動きと意図しない動きの2種類の挙動が生じる。前者は油圧アクチュエータを目標通りに動作させるために演算装置等が操作信号を出力したことによって油圧アクチュエータに生じる動きであり、後者は例えば動作開始時や停止時に急操作を行った際に作業装置の振動等によって油圧アクチュエータに生じる動きである。後者は、慣性力を円滑に吸収できないことが原因であり、慣性力が大きな作業装置に振動が生じると、油圧ショベル全体も大きく揺れてしまうこともある。
これに対し、上述した従来技術では、油圧アクチュエータの実変位が目標変位と一致するように、油圧制御弁を制御する。しかし、作業装置の操作開始時や停止時には、急な駆動や停止に伴って作業装置に振動が発生することがある。この場合、目標変位の変化がなくなった後でも、作業装置に生じる振動によって油圧アクチュエータの実変位が変化する。この結果、目標変位の変化がなく、油圧アクチュエータを駆動する必要がないときでも、実変位と目標変位との間に偏差が生じ、演算装置から油圧アクチュエータを動作させるための操作信号が出力される。
ここで、操作信号は、油圧制御弁の駆動以外にもエンジン、油圧ポンプ等の様々な制御に関係している。このため、微小な操作信号が発生することによって、例えば油圧ポンプ、エンジン等に通常の制御処理では想定していない制御が有効になってしまい、不要な挙動が生じる可能性がある。また、油圧アクチュエータの振動特性によっては、油圧アクチュエータの追従制御が発散して、振動が増加する虞れもある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、目標変位が変化しないときに不要な挙動を抑制することができる建設機械を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、油圧アクチュエータによって駆動する作業装置と、前記油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプと、該油圧ポンプから前記油圧アクチュエータに供給される圧油を制御する油圧制御弁と、該油圧制御弁に対するパイロット圧を制御する電磁弁と、前記作業装置の姿勢として前記油圧アクチュエータの実変位を検出する姿勢検出手段と、該姿勢検出手段によって検出した前記油圧アクチュエータの実変位に基づいて該電磁弁に操作信号を出力するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記作業装置の目標姿勢として前記油圧アクチュエータの目標変位を設定する目標姿勢設定手段と、該目標姿勢設定手段による目標変位と前記姿勢検出手段による実変位とが等しくなるように前記操作信号を生成する操作信号生成手段とを有する建設機械に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記操作信号生成手段は、前記目標姿勢設定手段による目標変位と前記姿勢検出手段による実変位との偏差に基づいて前記操作信号を生成するためのフィードバック操作信号を出力するフィードバック操作信号生成手段を備え、該フィードバック操作信号生成手段は、前記目標変位の変化が予め決められた所定の閾値よりも小さいときに、前記偏差に対するフィードバック操作信号のゲインを低下させるフィードバックゲイン補正手段を有する構成としたことにある。
請求項2の発明では、前記フィードバック操作信号生成手段は、前記偏差の微分に応じた微分制御信号を出力する微分制御部と、前記偏差に比例した比例制御信号を出力する比例制御部と、前記偏差の積分に応じた積分制御信号を出力する積分制御部と、前記微分制御信号、前記比例制御信号および前記積分制御信号を加算して前記フィードバック操作信号を生成する加算器とを備えたPID制御装置によって構成し、前記フィードバックゲイン補正手段は、前記目標変位の変化が予め決められた所定の閾値よりも小さいときに、前記積分制御部の積分ゲインを保持し、前記微分制御部の微分ゲインと前記比例制御部の比例ゲインとを低下させる構成としている。
請求項3の発明では、前記操作信号生成手段は、前記目標変位の変化に基づいて前記操作信号を生成するためのフィードフォワード操作信号を出力するフィードフォワード操作信号生成手段をさらに備える構成としている。
請求項4の発明では、前記フィードフォワード操作信号生成手段は、前記目標変位の変化を演算する目標変位微分演算部を有し、前記フィードバックゲイン補正手段は、前記目標変位微分演算部による目標変位の変化の演算値に基づいて、前記フィードバック操作信号のゲインを低下させる構成としている。
請求項1の発明によれば、操作信号生成手段のフィードバック操作信号生成手段はフィードバックゲイン補正手段を有するから、フィードバックゲイン補正手段によって、目標変位の変化が予め決められた所定の閾値よりも小さいときに、偏差に対するフィードバック操作信号のゲインを低下させることができる。これにより、目標変位の変化が閾値よりも小さいときには、作業装置に振動が生じて油圧アクチュエータの実変位が変化しても、フィードバック操作信号を抑制することができ、油圧アクチュエータ、油圧ポンプ等の不要な挙動を抑えることができる。
請求項2の発明によれば、フィードバックゲイン補正手段は、目標変位の変化が閾値よりも小さいときに、微分制御部の微分ゲインと比例制御部の比例ゲインとを低下させるから、フィードバック操作信号を抑制することができる。一方、フィードバックゲイン補正手段は、目標変位の変化が閾値よりも小さいときに、積分制御部の積分ゲインは保持するから、定常偏差を抑制することができる。
請求項3の発明によれば、操作信号生成手段はフィードフォワード操作信号生成手段をさらに備えるから、フィードフォワード操作信号生成手段によるフィードフォワード操作信号を用いて目標変位の変化に基づく操作信号を生成し、目標変位に対する応答性を高めることができる。
請求項4の発明によれば、フィードバックゲイン補正手段は、フィードフォワード操作信号生成手段の目標変位微分演算部による目標変位の変化の演算値に基づいて、フィードバック操作信号のゲインを低下させる。このため、フィードバックゲイン補正手段とフィードフォワード操作信号生成手段とは別個に目標変位の変化を演算する必要がなく、フィードバックゲイン補正手段の構成を簡略化することができる。
本発明の第1の実施の形態による油圧ショベルを示す正面図である。 ブームシリンダおよびアームシリンダを自動動作させるための構成を示す油圧回路図である。 ブームシリンダおよびアームシリンダを自動動作させるための構成を示すブロック図である。 コントローラの構成を示すブロック図である。 目標変位、実変位および操作信号の時間変化を示す特性線図である。 目標速度、フィードフォワード操作信号およびフィードバック操作信号の時間変化を示す特性線図である。 第2の実施の形態によるコントローラの構成を示すブロック図である。 変形例によるコントローラの構成を示すブロック図である。 第3の実施の形態によるコントローラの構成を示すブロック図である。 目標速度および操作信号の時間変化を示す特性線図である。 第4の実施の形態によるホイールローダを示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態による建設機械について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1において、1は建設機械としての油圧ショベルを示している。この油圧ショベル1の車体は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とにより構成されている。上部旋回体3の前側には作業装置8が俯仰動可能に設けられている。油圧ショベル1は、作業装置8を用いて土砂の掘削作業等を行う。
上部旋回体3は、油圧モータ(図示せず)等からなる旋回装置4を介して下部走行体2に取付けられ、旋回装置4によって下部走行体2に対して旋回駆動する。この上部旋回体3は、支持構造体をなす旋回フレーム5と、旋回フレーム5の前部側に設けられ運転室を形成するキャブ6と、旋回フレーム5の後部側に設けられ後述のエンジン21等を収容する建屋カバー7とを備えている。作業装置8は、キャブ6の側方に位置して旋回フレーム5の前部に設けられている。
図1に示すように、作業装置8は、旋回フレーム5の前部に俯仰動可能に連結されたブーム9と、ブーム9の先端側に俯仰動可能に連結されたアーム10と、アーム10の先端側に回動可能に連結されたバケット11とを備え、ブーム9、アーム10、バケット11には油圧アクチュエータとしてのブームシリンダ12、アームシリンダ13、バケットシリンダ14が設けられている。そして、オペレータがキャブ6内の作業用操作レバー(図示せず)を操作することによって、これらのシリンダ12〜14は伸長または縮小する。これにより、作業装置8は、上下方向に俯仰動し、土砂等の掘削作業を行うものである。
図2に示すように、ブームシリンダ12には、シリンダ12の伸長または縮小による実変位Xa1を検出するシリンダ変位センサ15が取付けられている。同様に、アームシリンダ13には、シリンダ13の伸長または縮小による実変位Xb1を検出するシリンダ変位センサ16が取付けられている。これらのシリンダ変位センサ15,16は、シリンダ12,13の実変位Xa1,Xb1に基づいて作業装置8の実際の姿勢を検出する姿勢検出手段を構成し、姿勢検出信号として例えば実変位Xa1,Xb1に対応した電圧、電流等の信号を出力する。油圧ショベル1は、シリンダ変位センサ15,16によって検出した実変位Xa1,Xb1等に基づいて、ブーム9およびアーム10を自動的に動作させる自動動作機能を備えている。
次に、油圧ショベル1の自動動作機能に係る構成について、図2ないし図4を参照しつつ説明する。
20はブームシリンダ12およびアームシリンダ13を駆動するための油圧回路を示している。この油圧回路20は、エンジン21、油圧ポンプ22、パイロットポンプ24、方向制御弁28,29、比例電磁弁30A,30B,31A,31B等によって構成されている。
エンジン21は、上部旋回体3の建屋カバー7内に収容されている。このエンジン21は、後述の油圧ポンプ22、パイロットポンプ24等の動力源となり、これらのポンプ22,24を回転駆動する。
油圧ポンプ22は、エンジン21により回転駆動され、タンク23と共にメインの油圧源を構成している。また、油圧ポンプ22は、他の油圧ポンプであるパイロットポンプ24と共にエンジン21により回転駆動され、パイロットポンプ24は、タンク23と共にパイロット油圧源を構成している。油圧ポンプ22は吐出管路25内に向けて圧油を吐出し、パイロットポンプ24はパイロット圧導管26に向けてパイロット圧油を吐出する。
パイロットポンプ24の吐出側には、例えばパイロット圧導管26とタンク23との間に低圧リリーフ弁27が設けられ、この低圧リリーフ弁は、パイロット圧導管26内の圧力が予め決められた低圧の設定値を越えたとき開弁して過剰圧をタンク23側にリリーフさせる。また、油圧ポンプ22の吐出側には、例えば吐出管路25とタンク23との間に高圧リリーフ弁(図示せず)が設けられ、この高圧リリーフ弁は、吐出管路25内の圧力が予め決められた高圧の設定値を越えたときに開弁して過剰圧をタンク23側にリリーフさせる。
ここで、吐出管路25は、複数の供給管路25A,25B(図2中では2本のみ図示)に分岐されている。これらの供給管路25A,25Bのうち第1の供給管路25Aは、ブームシリンダ12に対し、後述の方向制御弁28を介して圧油を供給する。第2の供給管路25Bは、アームシリンダ13に対し、後述の方向制御弁29を介して圧油を供給する。
28はブームシリンダ12用の油圧制御弁としての方向制御弁を示している。この方向制御弁28は、例えば6ポート3位置の油圧パイロット式方向制御弁により構成され、その両端側には一対の油圧パイロット部28A,28Bが設けられている。油圧パイロット部28A,28Bには、後述の比例電磁弁30A,30Bからパイロット圧油が供給される。これにより、方向制御弁28は中立位置(c)から左,右の作動位置(a),(b)のいずれかに切換えられる。
方向制御弁28が中立位置(c)から作動位置(a),(b)に切換えられたときには、油圧ポンプ22からの圧油が吐出管路25、第1の供給管路25Aを介してブームシリンダ12に供給される。これにより、ブームシリンダ12は、ロッド12Aが伸長または縮小する方向に駆動される。
29はアームシリンダ13用の油圧制御弁としての方向制御弁を示している。この方向制御弁29は、方向制御弁28とほぼ同様に構成される。このため、方向制御弁29は、例えば6ポート3位置の油圧パイロット式方向制御弁により構成され、その両端側には一対の油圧パイロット部29A,29Bが設けられている。油圧パイロット部29A,29Bには、後述の比例電磁弁31A,31Bからパイロット圧油が供給される。これにより、方向制御弁29は中立位置(c)から左,右の作動位置(a),(b)のいずれかに切換えられる。
方向制御弁29が中立位置(c)から作動位置(a),(b)に切換えられたときには、油圧ポンプ22からの圧油が吐出管路25、第2の供給管路25Bを介してアームシリンダ13に供給される。これにより、アームシリンダ13は、ロッド13Aが伸長または縮小する方向に駆動される。
30A,30Bはブームシリンダ12を操作するための比例電磁弁を示している。これらの比例電磁弁30A,30Bは、例えば3ポート2位置の電磁方向切換弁によって構成されている。比例電磁弁30Aの出力ポートは方向制御弁28の油圧パイロット部28Aに接続され、比例電磁弁30Bの出力ポートは方向制御弁28の油圧パイロット部28Bに接続されている。比例電磁弁30A,30Bは、後述のコントローラ32から出力される操作信号Saに応じて低圧位置(d)と高圧位置(e)との間で切換えられる。
具体的には、操作信号Saによって比例電磁弁30Aが高圧位置(e)に切換わるときには、比例電磁弁30Bが低圧位置(d)に切換わる。操作信号Saによって比例電磁弁30Bが高圧位置(e)に切換わるときには、比例電磁弁30Aが低圧位置(d)に切換わる。これにより、比例電磁弁30A,30Bは、操作信号Saに応じたパイロット圧を方向制御弁28の油圧パイロット部28A,28Bに供給し、方向制御弁28を切換え制御する。
31A,31Bはアームシリンダ13を操作するための比例電磁弁を示している。これらの比例電磁弁31A,31Bは、例えば3ポート2位置の電磁方向切換弁によって構成されている。比例電磁弁31Aの出力ポートは方向制御弁29の油圧パイロット部29Aに接続され、比例電磁弁31Bの出力ポートは方向制御弁29の油圧パイロット部29Bに接続されている。比例電磁弁31A,31Bは、後述のコントローラ32から出力される操作信号Sbに応じて低圧位置(d)と高圧位置(e)との間で切換えられる。これにより、比例電磁弁31A,31Bは、操作信号Sbに応じたパイロット圧を方向制御弁29の油圧パイロット部29A,29Bに供給する。
具体的には、操作信号Sbによって比例電磁弁31Aが高圧位置(e)に切換わるときには、比例電磁弁31Bが低圧位置(d)に切換わる。操作信号Sbによって比例電磁弁31Bが高圧位置(e)に切換わるときには、比例電磁弁31Aが低圧位置(d)に切換わる。これにより、比例電磁弁31A,31Bは、操作信号Sbに応じたパイロット圧を方向制御弁29の油圧パイロット部29A,29Bに供給し、方向制御弁29を切換え制御する。
32は比例電磁弁30A,30Bに操作信号Saを出力すると共に、比例電磁弁31A,31Bに操作信号Sbを出力するコントローラを示している。このコントローラ32は、例えばマイクロコンピュータ等によって構成され、入力側がシリンダ変位センサ15,16に接続され、出力側が比例電磁弁30A,30B,31A,31Bに接続されている。
図3および図4に示すように、コントローラ32は、作業装置8の目標姿勢としてブームシリンダ12およびアームシリンダ13の目標変位Xa0,Xb0を設定する目標姿勢設定部33(目標姿勢設定手段)と、目標姿勢設定部33による目標変位Xa0,Xb0とシリンダ変位センサ15,16による実変位Xa1,Xb1とが等しくなるように操作信号Sa,Sbを生成する操作信号生成部34(操作信号生成手段)とを備えている。操作信号生成部34は、ブーム9を操作するためのブーム用操作信号生成部35と、アーム10を操作するためのアーム用操作信号生成部36とを有する。
ブーム用操作信号生成部35は、フィードフォワード操作信号生成部37(フィードフォワード操作信号生成手段)、偏差演算部38、フィードバック操作信号生成部39(フィードバック操作信号生成手段)、加算部45を備える。
フィードフォワード操作信号生成部37は、目標変位Xa0の変化に基づいて操作信号Saを生成するためのフィードフォワード操作信号SFFaを出力する。図4に示すように、フィードフォワード操作信号生成部37は、目標変位Xa0の変化を演算する目標変位微分演算部としての微分器37Aと、微分器37Aから出力された目標変位Xa0の時間微分に対応した目標速度Va0を所定のゲインKffで増幅する増幅器37Bとによって構成される。このとき、フィードフォワード操作信号SFFaは、目標速度Va0とゲインKffとの積に対応する(SFFa=Kff×Va0)。なお、増幅器37BのゲインKffは、ブームシリンダ12の応答速度等を考慮して適宜設定される。
偏差演算部38は、目標変位Xa0と実変位Xa1との偏差ΔXaを演算する。この偏差演算部38は、入力側が目標姿勢設定部33とシリンダ変位センサ15とに接続され、出力側がフィードバック操作信号生成部39に接続されている。偏差演算部38は、目標変位Xa0から実変位Xa1を減算して偏差ΔXa(ΔXa=Xa0−Xa1)を算出し、この偏差ΔXaをフィードバック操作信号生成部39に向けて出力する。
フィードバック操作信号生成部39は、目標変位Xa0と実変位Xa1との偏差ΔXaに基づいて操作信号Saを生成するためのフィードバック操作信号SFBaを出力する。このフィードバック操作信号生成部39は、偏差ΔXaの微分(微分偏差dΔXa)に応じた微分制御信号Sdaを出力する微分制御部40と、偏差ΔXaに比例した比例制御信号Spaを出力する比例制御部41と、偏差ΔXaの積分(積分偏差iΔXa)に応じた積分制御信号Siaを出力する積分制御部42と、微分制御信号Sda、比例制御信号Spaおよび積分制御信号Siaを加算してフィードバック操作信号SFBaを生成する加算器43とを備えたPID制御装置によって構成されている。
ここで、微分制御部40は、偏差ΔXaを時間微分する微分器40Aと、微分器40Aから出力された微分偏差dΔXaを所定の微分ゲインKdで増幅する増幅器40Bとによって構成される。このとき、微分制御信号Sdaは、微分偏差dΔXaと微分ゲインKdとの積に対応する(Sda=Kd×dΔXa)。
比例制御部41は、偏差ΔXaを所定の比例ゲインKpで増幅する増幅器41Aによって構成される。このとき、比例制御信号Spaは、偏差ΔXaと比例ゲインKpとの積に対応する(Spa=Kp×ΔXa)。
積分制御部42は、偏差ΔXaを時間積分する積分器42Aと、積分器42Aから出力された積分偏差iΔXaを所定の積分ゲインKiで増幅する増幅器42Bとによって構成される。このとき、積分制御信号Siaは、積分偏差iΔXaと積分ゲインKiとの積に対応する(Sia=Ki×iΔXa)。
なお、目標速度Va0が閾値THa0よりも大きいブームシリンダ12の駆動時には、ゲインKd,Kp,Kiは、ブームシリンダ12の応答速度等を考慮して適宜設定される。このような駆動時には、ゲインKd,Kp,Kiは、例えば予め定められた一定値に設定される。但し、駆動時のゲインKd,Kp,Kiは、目標速度Va0以外の要因に基づいて可変に設定されてもよい。
フィードバック操作信号生成部39は、目標変位Xa0の変化(目標速度Va0)が所定の閾値THa0よりも小さいブームシリンダ12の停止時に、偏差ΔXaに対するフィードバック操作信号SFBaのゲインを低下させるフィードバックゲイン補正部44(フィードバックゲイン補正手段)を有する。このフィードバックゲイン補正部44は、例えばフィードフォワード操作信号生成部37から出力されるフィードフォワード操作信号SFFaの絶対値と操作信号閾値THsaとを比較し、比較結果に応じて微分制御部40の微分ゲインKdと、比例制御部41の比例ゲインKpとを調整する。
このとき、フィードフォワード操作信号SFFaは目標速度Va0とゲインKffとの積に対応しているから、操作信号閾値THsaは閾値THa0とゲインKffとの積に対応している(THsa=Kff×THa0)。また、閾値THa0は、例えば偏差ΔXaによってブームシリンダ12、油圧ポンプ22等に不要な挙動が生じるか否かを基準に設定される。
フィードフォワード操作信号SFFaの絶対値が操作信号閾値THsaよりも小さいときには、フィードバックゲイン補正部44は、積分制御部42の積分ゲインKiを予め設定された値に保持するのに対し、微分制御部40の微分ゲインKdと比例制御部41の比例ゲインKpとを予め設定された値よりも低下させる。一方、フィードフォワード操作信号SFFaの絶対値が操作信号閾値THsaよりも大きいときには、フィードバックゲイン補正部44は、積分ゲインKi、微分ゲインKdおよび比例ゲインKpのいずれも予め設定された値に保持する。
なお、図4に示すフィードバックゲイン補正部44は、フィードフォワード操作信号SFFaの絶対値に拘らず、積分ゲインを制御しないことによって、フィードフォワード操作信号SFFaの絶対値が操作信号閾値THsaよりも小さいときに、積分制御部42の積分ゲインKiを予め設定された値に保持する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えばフィードバックゲイン補正部44は、積分制御部42の積分ゲインKiを制御する構成としてもよい。この場合、フィードバックゲイン補正部44は、フィードフォワード操作信号SFFaの絶対値が操作信号閾値THsaよりも小さいときに、積分制御部42の積分ゲインKiを予め設定された値に保持する信号を出力すればよい。
加算部45は、フィードフォワード操作信号生成部37から出力されるフィードフォワード操作信号SFFaと、フィードバック操作信号生成部39から出力されるフィードバック操作信号SFBaとを加算して、操作信号Saを生成する。
アーム用操作信号生成部36も、ブーム用操作信号生成部35とほぼ同様に構成される。このため、アーム用操作信号生成部36は、フィードフォワード操作信号生成部37、偏差演算部38、フィードバック操作信号生成部39、加算部45を備える。
このとき、アーム用操作信号生成部36の目標変位Xb0、実変位Xb1、偏差ΔXb、目標速度Vb0、微分偏差dΔXb0、積分偏差iΔXb0、微分制御信号Sdb、比例制御信号Spb、積分制御信号Sib、フィードフォワード操作信号SFFb、フィードバック操作信号SFBb、操作信号Sbは、ブーム用操作信号生成部35の目標変位Xa0、実変位Xa1、偏差ΔXa、目標速度Va0、微分偏差dΔXa0、積分偏差iΔXa0、微分制御信号Sda、比例制御信号Spa、積分制御信号Sia、フィードフォワード操作信号SFFa、フィードバック操作信号SFBa、操作信号Saにそれぞれ対応する。アーム用操作信号生成部36のフィードバックゲイン補正部44は、目標速度Vb0が閾値THbよりも小さいとき、即ちフィードフォワード操作信号SFFbが閾値THbに応じた操作信号閾値THsbよりも小さいときに、偏差ΔXbに対するフィードバック操作信号SFBbのゲインを低下させる。
図2に示すように、コントローラ32には、自動動作と手動動作を切換える選択スイッチ46が接続して設けられている。選択スイッチ46によって手動操作が選択されたときには、コントローラ32は、オペレータによる図示しない作業用操作レバーの操作量に応じた操作信号Sa,Sbを比例電磁弁30A,30B,31A,31Bに向けて出力する。一方、選択スイッチ46によって自動操作が選択されたときには、目標姿勢設定部33から出力される目標変位Xa0,Xb0と実変位Xa1,Xb1との偏差ΔXa,ΔXbが小さくなるような操作信号Sa,Sbを比例電磁弁30A,30B,31A,31Bに向けて出力する。
次に、本実施の形態による油圧ショベル1の自動動作について、図2ないし図6を参照しつつ説明する。
まず、自動動作を行う場合は、オペレータは、選択スイッチ46によって自動操作を選択する。これにより、コントローラ32の目標姿勢設定部33は、予め設定された時系列の目標変位Xa0,Xb0をブーム用操作信号生成部35とアーム用操作信号生成部36とに出力する。
このとき、ブーム用操作信号生成部35のフィードフォワード操作信号生成部37は、目標変位Xa0に基づくフィードフォワード操作信号SFFaを生成し、ブーム用操作信号生成部35のフィードバック操作信号生成部39は、目標変位Xa0と実変位Xa1とに基づいてフィードバック操作信号SFBaを生成する。そして、ブーム用操作信号生成部35は、フィードフォワード操作信号SFFaとフィードバック操作信号SFBaとを加算した操作信号Saを出力する。これにより、操作信号Saに応じて比例電磁弁30A,30Bが切換え操作され、方向制御弁28を通じてブームシリンダ12に圧油が供給される。この結果、ブーム用操作信号生成部35は、目標変位Xa0と実変位Xa1との偏差ΔXaが小さくなるように、ブームシリンダ12を動作させる。
同様に、アーム用操作信号生成部36も、目標変位Xb0に基づくフィードフォワード操作信号SFFbと、目標変位Xb0と実変位Xb1とに基づくフィードバック操作信号SFBbとを加算して、操作信号Sbを生成する。これにより、操作信号Sbに応じて比例電磁弁31A,31Bが切換え操作され、方向制御弁29を通じてアームシリンダ13に圧油が供給される。この結果、アーム用操作信号生成部36は、目標変位Xb0と実変位Xb1との偏差ΔXbが小さくなるように、アームシリンダ12を動作させる。これらのシリンダ12,13等の動作によって、作業装置8は、例えば直線掘削のような予め目標姿勢設定部33に設定された動作を行う。
ここで、例えばブーム9を停止した状態でアーム10、バケット11、旋回装置4等を動作させるときには、目標姿勢設定部33による目標変位Xa0は、自動動作の途中で一時的に一定値に保持される。同様に、自動動作の途中でアーム10を停止した状態に保持することもある。
そこで、ブームシリンダ12を伸長した後に、一時的に停止させ、その後に縮小させる場合を考える。この場合、図5に示すように、目標変位Xa0は、時点t0から時点t1までの間にブームシリンダ12の伸長に応じて増加し、次なる時点t1から時点t2までの間は一時的に一定値に保持される。その後、目標変位Xa0は、時点t2から時点t3までの間にブームシリンダ12の縮小に応じて減少する。このとき、コントローラ32のブーム用操作信号生成部35は目標変位Xa0に応じた操作信号Saを出力するから、ブームシリンダ12は、目標変位Xa0に応じて動作する。このため、実変位Xa1は、ブームシリンダ12の伸長に応じて増加し、ブームシリンダ12の縮小に応じて減少する。
ここで、ブームシリンダ12の動作を時点t1で一時的に停止させたときでも、作業装置8等に作用する慣性力によって、作業装置8に振動が生じることがある。このため、時点t1で目標変位Xa0が変化せずに一定値に保持されたときでも、実変位Xa1が変化することがある。
このとき、図6に示すように、フィードフォワード操作信号SFFaは、目標変位Xa0の変化(目標速度Va0)に応じて時点t0から時点t1までの間に正側の値が出力され、時点t2から時点t3までの間に負側の値が出力されるのに対し、時点t1から時点t2までの間は0(零)付近の値に保持される。一方、フィードバック操作信号SFBaは、目標変位Xa0と実変位Xa1との偏差ΔXaを減少させるために、偏差ΔXaに応じて変化する。
ここで、フィードバックゲイン補正部44を省いた第1の比較例について検討する。このような第1の比較例では、フィードバック操作信号SFBxは、目標変位Xa0と実変位Xa1との偏差ΔXaを減少させるために、偏差ΔXaに応じた値が出力される。このため、図5および図6中に破線で示すように、時点t1から時点t2までの間でも、操作信号Sxおよびフィードバック操作信号SFBxは、偏差ΔXaに応じて振動した値になる。この結果、油圧ポンプ22やエンジン21に余分な負荷が加わると共に、ブームシリンダ12に不要な挙動が発生する。
これに対し、本実施の形態によるフィードバック操作信号生成部39はフィードバックゲイン補正部44を備えるから、フィードバックゲイン補正部44は、目標変位Xa0の時間変化としてフィードフォワード操作信号SFFaの絶対値が操作信号閾値THsaよりも小さいときには、微分ゲインKdと比例ゲインKpを低下させる。このため、フィードバック操作信号生成部39は、目標速度Va0が小さいとき、もしくはブームシリンダ12の停止時には、フィードバック操作信号SFBaを抑制することができる。この結果、図5および図6中に実線で示すように、本実施の形態では、時点t1から時点t2までの間では、偏差ΔXaが生じても、操作信号Saおよびフィードバック操作信号SFBaは、小さい値に保持される。これにより、目標変位Xa0が変化せずに一定値に保持されたときには、方向制御弁28を中立位置(c)付近に保持することができるから、油圧ポンプ22やエンジン21に余分な負荷が加わることがなくなるのに加え、ブームシリンダ12の不要な挙動を抑えることができる。
そして、目標変位Xa0の保持状態が解除されて再度変化したときには、偏差ΔXaが増加する。このため、フィードバックゲイン補正部44は、微分ゲインKdおよび比例ゲインKpの制限を解除して、これらを予め設定された値に復帰させる。これにより、時点t2から時点t3までの間は、目標変位Xa0の減少に応じたフィードフォワード操作信号SFFa、フィードバック操作信号SFBaおよび操作信号Saが出力されるから、目標変位Xa0の減少に応じてブームシリンダ12を縮小させることができる。
以上の自動動作については、ブーム9の動作を例に挙げて説明したが、アーム10の動作でも同様である。
かくして、本実施の形態では、操作信号生成部34のフィードバック操作信号生成部39はフィードバックゲイン補正部44を有するから、フィードバックゲイン補正部44によって、目標変位Xa0,Xb0の変化が予め決められた所定の閾値THa,THbよりも小さいときに、偏差ΔXa,ΔXbに対するフィードバック操作信号SFBa,SFBbのゲインを低下させることができる。具体的には、PID制御装置からなるフィードバック操作信号生成部39は、目標速度Va0,Vb0が閾値THa0,THb0よりも小さいときに、微分ゲインKdと比例ゲインKpを低下させる。
これにより、目標速度Va0,Vb0が閾値THa0,THb0よりも小さいときには、作業装置8に振動が生じてシリンダ12,13の実変位Xa1,Xb1が変化しても、フィードバック操作信号SFBa,SFBbを抑制することができ、シリンダ12,13、油圧ポンプ22等の不要な挙動を抑えることができる。
また、フィードバックゲイン補正部44は、目標速度Va0,Vb0が閾値THa0,THb0よりも小さいときでも、積分制御部42の積分ゲインKiは予め決められた所定の値に保持する。このため、目標速度Va0,Vb0が閾値THa0,THb0よりも小さくなっても、フィードバック操作信号生成部39は、積分偏差iΔXa0,iΔXb0を減少させるためのフィードバック操作信号SFBa,SFBbを出力する。この結果、目標速度Va0,Vb0が閾値THa0,THb0よりも小さいときでも、目標変位Xa0,Xb0と実変位Xa1,Xb1との間に生じる定常偏差を抑制することができ、実変位Xa1,Xb1を目標変位Xa0,Xb0に近付けることができる。
さらに、操作信号生成部34はフィードフォワード操作信号生成部37を備えるから、フィードフォワード操作信号生成部37によるフィードフォワード操作信号SFFa,SFFbを用いて目標変位Xa0,Xb0の変化に基づく操作信号Sa,Sbを生成し、目標変位Xa0,Xb0に対する応答性を高めることができる。
また、フィードバックゲイン補正部44は、フィードフォワード操作信号生成部37の微分器37Aによる目標変位Xa0,Xb0の変化の演算値(目標速度Va0,Vb0)に基づいて、フィードバック操作信号SFBa,SFBbのゲインを低下させる。このため、フィードフォワード操作信号生成部37とは別個に目標変位Xa0,Xb0の変化を演算する必要がなく、フィードバックゲイン補正部44等の構成を簡略化することができる。
次に、図7は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、フィードバックゲイン補正部には、フィードフォワード操作信号とは別個に目標変位の変化が入力される構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
51は第2の実施の形態によるコントローラで、このコントローラ51は、第1の実施の形態によるコントローラ32とほぼ同様に、目標姿勢設定部33と操作信号生成部34とを備えると共に、操作信号生成部34は、ブーム用操作信号生成部35とアーム用操作信号生成部36とを有する。操作信号生成部35,36は、フィードフォワード操作信号生成部37、偏差演算部38、フィードバック操作信号生成部39、加算部45を備える。
フィードバック操作信号生成部39は、微分制御部40、比例制御部41、積分制御部42および加算器43を備えたPID制御装置によって構成されると共に、目標変位Xa0,Xb0の変化が所定の閾値THa0,THb0よりも小さいときに、偏差ΔXa,ΔXbに対するフィードバック操作信号SFBa,SFBbのゲインを低下させるフィードバックゲイン補正部52(フィードバックゲイン補正手段)を有する。
ここで、フィードバックゲイン補正部52は、第1の実施の形態によるフィードバックゲイン補正部44とほぼ同様に構成される。但し、フィードバックゲイン補正部52の入力側には、目標変位Xa0,Xb0の変化である目標速度Va0,Vb0を演算する微分器53が接続される。このため、フィードバックゲイン補正部52は、微分器53から出力された目標速度Va0,Vb0に基づいて偏差ΔXa,ΔXbに対するフィードバック操作信号SFBa,SFBbのゲインを低下させる。この点で、第1の実施の形態によるフィードバックゲイン補正部44とは異なる。
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
なお、第2の実施の形態では、目標変位Xa0,Xb0の変化を演算する微分器53を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図8に示す変形例によるコントローラ61のように、フィードバックゲイン補正部62は、フィードフォワード操作信号生成部37の微分器37Aから出力される目標速度Va0,Vb0に基づいて偏差ΔXa,ΔXbに対するフィードバック操作信号SFBa,SFBbのゲインを低下させる構成としてもよい。
次に、図9および図10は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、操作信号生成部からフィードフォワード操作信号生成部を省いたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
71は第2の実施の形態によるコントローラで、このコントローラ71は、目標姿勢設定部33と、操作信号生成手段としての操作信号生成部72とを備える。この操作信号生成部72は、ブーム用操作信号生成部73とアーム用操作信号生成部74とを有する。但し、操作信号生成部73,74は、偏差演算部38、フィードバック操作信号生成部39、加算部45を備えるものの、フィードフォワード操作信号生成部が省かれている。この点で、第3の実施の形態による操作信号生成部73,74は、第1の実施の形態による操作信号生成部35,36とは異なる。
このとき、ブーム用操作信号生成部73のフィードバック操作信号生成部39から出力されるフィードバック操作信号は、ブーム9用の操作信号Saになる。同様に、アーム用操作信号生成部74のフィードバック操作信号生成部39から出力されるフィードバック操作信号は、アーム10用の操作信号Sbになる。
フィードバック操作信号生成部39は、微分制御部40、比例制御部41、積分制御部42および加算器43を備えたPID制御装置によって構成されると共に、目標変位Xa0,Xb0の変化が所定の閾値THa0,THb0よりも小さいときに、偏差ΔXa,ΔXbに対するフィードバック操作信号となる操作信号Sa,Sbのゲインを低下させるフィードバックゲイン補正部75(フィードバックゲイン補正手段)を有する。この場合、操作信号Sa,Sbは目標速度Va0,Vb0に応じて変化するように、例えばゲインKd,ゲインKp等が適宜設定される。これにより、操作信号Sa,Sbは、第1の実施の形態とほぼ同様に目標速度Va0,Vb0に応じて変化する(図10参照)。
また、フィードバックゲイン補正部75は、第1の実施の形態によるフィードバックゲイン補正部44とほぼ同様に構成される。但し、フィードバックゲイン補正部75の入力側には、目標変位Xa0,Xb0の変化である目標速度Va0,Vb0を演算する微分器76が接続される。このため、フィードバックゲイン補正部75は、微分器76から出力された目標速度Va0,Vb0の絶対値が閾値THa0,THb0よりも小さいときに、偏差ΔXa,ΔXbに対する操作信号Sa,Sb(フィードバック操作信号)のゲインを低下させる。この点で、第1の実施の形態によるフィードバックゲイン補正部44とは異なる。
例えば操作信号生成部72からフィードバックゲイン補正部75を省いた第2の比較例では、図10中に破線で示すように、操作信号Sxは、偏差ΔXa,ΔXbを減少させるために、目標速度Va0,Vb0に応じた値になる。このため、図10中に破線で示すように、時点t1から時点t2までの間で目標速度Va0,Vb0が小さくなっても、操作信号Sxは、偏差ΔXa,ΔXbに応じて振動した値が出力され、油圧ポンプ22等に不要な挙動が生じる虞れがある。
これに対し、第3の実施の形態による操作信号生成部72では、フィードバック操作信号生成部39にフィードバックゲイン補正部75を備えるから、フィードバックゲイン補正部75は、目標変位Xa0,Xb0の変化である目標速度Va0,Vb0の絶対値が閾値THa0,THb0よりも小さいときには、微分ゲインKdと比例ゲインKpを低下させる。このため、フィードバック操作信号生成部39は、目標速度Va0,Vb0が小さいときには、操作信号Sa,Sbを抑制することができる。この結果、図10中に実線で示すように、本実施の形態では、時点t1から時点t2までの間では、偏差ΔXa,ΔXbが生じても、操作信号Sa,Sbは、小さい値に保持される。これにより、油圧ポンプ22やエンジン21に余分な負荷が加わることがなくなるのに加え、ブームシリンダ12の不要な挙動を抑えることができる。
かくして、このように構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
次に、図11は本発明の第4の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、ホイールローダのアームシリンダおよびバケットシリンダの自動動作にフィードバックゲイン補正部を含むコントローラを適用したことになる。なお、第4の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
81は第4の実施の形態によるホイールローダを示し、このホイールローダ81は、左,右の前車輪82が設けられた前部車体83と、左,右の後車輪84が設けられた後部車体85とを有する。このとき、前部車体83と後部車体85とが、ホイールローダ81の車体を構成している。前部車体83と後部車体85とは、連結機構86を介して左,右方向に屈曲可能に連結されている。
前部車体83と後部車体85との間にはステアリングシリンダ87が設けられている。このステアリングシリンダ87を伸長または縮小させることにより、前部車体83と後部車体85とが連結機構86を中心として屈曲する。ホイールローダ81は、前部車体83と後部車体85とが連結機構86を中心として左,右方向に屈曲することにより、走行時の舵取りを行うアーティキュレート式の作業車両として構成されている。
後部車体85には、運転室を形成するキャブ88が設けられている。また、前車輪82および後車輪84は、プロペラシャフト、デファレンシャル機構等を介して後部車体85に搭載されたエンジン(いずれも図示せず)が連結されている。これにより、前車輪82および後車輪84は、エンジンからの動力によって同時に回転駆動され、ホイールローダ81は4輪駆動の状態で走行動作を行う。
89は前部車体3に設けられた作業装置(フロント)を示し、この作業装置89は、前部車体83に俯仰動可能に取付けられた左,右のアーム90と、各アーム90の先端側に回動可能に取付けられたローダバケット91とを備え、アーム90、ローダバケット91には油圧アクチュエータとしてのアームシリンダ92、バケットシリンダ93が設けられている。作業装置89は、アームシリンダ92によってアーム90を俯仰動させると共に、バケットシリンダ93によってローダバケット91を回動させることにより、ローダバケット91によって掬った土砂等をダンプトラックの荷台等に排出する土木作業を行う。
シリンダ92,93には、第1の実施の形態によるシリンダ変位センサ15,16とほぼ同様のシリンダ変位センサ94,95が取付けられている。また、シリンダ92,93には、第1の実施の形態による油圧ポンプ22、パイロットポンプ24、方向制御弁28,29、比例電磁弁30A,30B,31A,31B等からなる油圧回路20とほぼ同様な油圧回路96が接続して設けられている。また、ホイールローダ81は、この油圧回路96を制御するために、第1の実施の形態によるコントローラ32とほぼ同様なコントローラ97を備えている。このコントローラ97には、自動動作と手動動作を切換える選択スイッチ98が接続して設けられている。選択スイッチ98によって自動動作が選択されたときには、コントローラ97は、目標変位と実変位とに基づいて、シリンダ92,93に対する圧油の供給と排出を制御する。これにより、ホイールローダ81は、シリンダ変位センサ94,95によって検出した実変位等に基づいて、アーム90およびローダバケット91を自動的に動作させる。このとき、コントローラ97は、目標変位の変化が予め決められた所定の閾値よりも小さいときに、偏差に対するフィードバック操作信号のゲインを低下させる。
かくして、このように構成された第4の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
なお、前記第1ないし第3の実施の形態では、油圧アクチュエータとしてブームシリンダ12とアームシリンダ13を自動動作させる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、これらに加えて、油圧アクチュエータとしてのバケットシリンダ14や旋回装置4を動作させる油圧モータ等の自動動作に適用してもよく、例えばこれら複数の油圧アクチュエータのうち大きな振動が生じ易い単一の油圧アクチュエータに適用してもよい。
また、前記各実施の形態では、作業装置8の自動動作と手動動作を切換える選択スイッチ46,98を備えるものとしたが、選択スイッチ46,98を省いて自動動作だけを行う構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、姿勢検出手段は、シリンダ12,13,92,93の実変位を直接的に検出するシリンダ変位センサ14,15,94,95によって構成した。しかし、本発明はこれに限らず、姿勢検出手段は、例えば車体とブームとの間の角度やブームとアームとの間の角度を検出する角度センサによって構成し、これらの角度センサによって検出した作業装置の姿勢からシリンダ等の油圧アクチュエータの実変位を間接的に検出してもよい。
また、前記各実施の形態では、自走可能な車体に取付けられた作業装置8,89に適用した場合を例に挙げて説明したが、固定された基台に取付けられ作業装置に適用してもよい。
また、前記各実施の形態では、フィードバック操作信号生成部39は、微分制御部40、比例制御部41および積分制御部42を備えたPID制御装置によって構成したが、例えば微分制御部や積分制御部を省く構成としてもよい。また、フィードバック操作信号生成部は、PID制御に限らず、目標変位と実変位との偏差を減少させる各種のフィードバック制御を行うものでもよい。
さらに、前記各実施の形態では、建設機械として油圧ショベル1とホイールローダ81を例に挙げて説明したが、自動動作が可能な作業装置を備えた各種の建設機械に広く適用することができる。
1 油圧ショベル
8,89 作業装置
9 ブーム
10,90 アーム
11 バケット
12 ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)
13,92 アームシリンダ(油圧アクチュエータ)
14,93 バケットシリンダ(油圧アクチュエータ)
15,16,94,95 シリンダ変位センサ(姿勢検出手段)
20,96 油圧回路
22 油圧ポンプ
24 パイロットポンプ
28,29 方向制御弁(油圧制御弁)
30A,30B,31A,31B 比例電磁弁(電磁弁)
32,51,61,71,97 コントローラ
33 目標姿勢設定部(目標姿勢設定手段)
34,72 操作信号生成部(操作信号生成手段)
35,73 ブーム用操作信号生成部
36,74 アーム用操作信号生成部
37 フィードフォワード操作信号生成部(フィードフォワード操作信号生成手段)
37A 微分器(目標変位微分演算部)
38 偏差演算部
39 フィードバック操作信号生成部(フィードバック操作信号生成手段)
40 微分制御部
41 比例制御部
42 積分制御部
43 加算器
44,52,62,75 フィードバックゲイン補正部(フィードバックゲイン補正手段)
45 加算部
81 ホイールローダ
91 ローダバケット

Claims (4)

  1. 油圧アクチュエータによって駆動する作業装置と、前記油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプと、該油圧ポンプから前記油圧アクチュエータに供給される圧油を制御する油圧制御弁と、該油圧制御弁に対するパイロット圧を制御する電磁弁と、前記作業装置の姿勢として前記油圧アクチュエータの実変位を検出する姿勢検出手段と、該姿勢検出手段によって検出した前記油圧アクチュエータの実変位に基づいて該電磁弁に操作信号を出力するコントローラとを備え、
    前記コントローラは、前記作業装置の目標姿勢として前記油圧アクチュエータの目標変位を設定する目標姿勢設定手段と、該目標姿勢設定手段による目標変位と前記姿勢検出手段による実変位とが等しくなるように前記操作信号を生成する操作信号生成手段とを有する建設機械において、
    前記操作信号生成手段は、前記目標姿勢設定手段による目標変位と前記姿勢検出手段による実変位との偏差に基づいて前記操作信号を生成するためのフィードバック操作信号を出力するフィードバック操作信号生成手段を備え、
    該フィードバック操作信号生成手段は、前記目標変位の変化が予め決められた所定の閾値よりも小さいときに、前記偏差に対するフィードバック操作信号のゲインを低下させるフィードバックゲイン補正手段を有する構成としたことを特徴とする建設機械。
  2. 前記フィードバック操作信号生成手段は、前記偏差の微分に応じた微分制御信号を出力する微分制御部と、前記偏差に比例した比例制御信号を出力する比例制御部と、前記偏差の積分に応じた積分制御信号を出力する積分制御部と、前記微分制御信号、前記比例制御信号および前記積分制御信号を加算して前記フィードバック操作信号を生成する加算器とを備えたPID制御装置によって構成し、
    前記フィードバックゲイン補正手段は、前記目標変位の変化が予め決められた所定の閾値よりも小さいときに、前記積分制御部の積分ゲインを保持し、前記微分制御部の微分ゲインと前記比例制御部の比例ゲインとを低下させる構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
  3. 前記操作信号生成手段は、前記目標変位の変化に基づいて前記操作信号を生成するためのフィードフォワード操作信号を出力するフィードフォワード操作信号生成手段をさらに備える構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械。
  4. 前記フィードフォワード操作信号生成手段は、前記目標変位の変化を演算する目標変位微分演算部を有し、
    前記フィードバックゲイン補正手段は、前記目標変位微分演算部による目標変位の変化の演算値に基づいて、前記フィードバック操作信号のゲインを低下させる構成としてなる請求項3に記載の建設機械。
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