JP2008101042A - シアノアクリレート系接着剤容器用ポリエチレン及びそれからなる容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)温度190℃、荷重2.16kgのメルトフローレート(MFR)が0.05〜100g/10分、(b)密度が0.930〜0.970g/cm3、(c)周期表第17族元素の含有量が10重量ppm以下、(d)リン系酸化防止剤の含有量が100重量ppm未満、(e)脂肪酸金属塩系制酸剤の含有量が100重量ppm未満、(f)無機系制酸剤の含有量が100重量ppm未満の要件を満足するシアノアクリレート系接着剤容器用ポリエチレンおよびそれからなる容器。
【選択図】なし
Description
ところが、ポリエチレンの種類、銘柄によっては、保存中に接着剤が一部硬化し粘度が上昇し、接着剤の性能を損なう問題があった。この問題はポリエチレンに添加される酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、顔料、その他機能性付与剤が原因となっていることが疑われていたが、影響度を判別することが困難であった。このため、これら添加剤を無添加にしたポリエチレンが一部用いられているが、例えば、高密度ポリエチレンは塩素を含んだ金属触媒、いわゆるチーグラー型触媒等を用いている場合が多く、酸化防止剤、中和剤等を添加しないと樹脂劣化や成形機を腐食させる等の理由から、ある程度の添加剤の使用は止むを得ない状況にある。
さらに、例えば、低密度ポリエチレンのような柔軟な樹脂の場合は、粘度の低い液体のシアノアクリレート系接着剤を容器から適量滴下させる際、容器の材質や肉厚の影響を強く受けることから高密度ポリエチレンのような剛性のある容器に対抗することが難しい状況にある。
(a)温度190℃、荷重2.16kgのメルトフローレート(MFR)が0.05〜100g/10分
(b)密度が0.930〜0.970g/cm3
(c)周期表第17族元素の含有量が10重量ppm以下
(d)リン系酸化防止剤の含有量が100重量ppm未満
(e)脂肪酸金属塩系制酸剤の含有量が100重量ppm未満
(f)無機系制酸剤の含有量が100重量ppm未満
なお、高活性のチーグラー型触媒における固体触媒成分の例としては、三塩化チタン、三塩化バナジウム、四塩化チタン又はチタンのハロアルコラートをマグネシウム化合物に担持した触媒成分、マグネシウム化合物とチタンの化合物の共沈殿物または共晶体などからなる触媒成分等が挙げられる。この中では、マグネシウム、チタン、塩素を含む固体触媒成分が好ましく、該固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とを組み合わせてなる触媒系が好ましい。有機アルミニウムとしては、トリエチルアルミニウム(以下、TEAと略す)、トリイソブチルアルミニウム(以下、TIBAと略す)、ジエチルアルミニウムクロライド(以下、DEACと略す)等が挙げられるが、成形機腐食性の観点より塩素成分を含まないものが好ましく、触媒活性の高いTEAがより好ましい。
本発明のポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、JIS−K7210(1999)熱可塑性プラスチックの流れ試験方法により、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定した値である。このMFRは、0.05〜100g/10分のものが利用でき、ブロー成形とチューブ成形の場合は、0.05〜5.0g/10分のものが好ましく、射出成形の場合は1〜100g/10分のものが好ましい。このMFRが上記下限値未満の場合は、成形時に押し出しが困難になる。一方、このMFRが上記上限値を超える場合は、容器の衝撃強度等が低下する。
このMFRを調整する方法としては、重合時の水素濃度、重合温度を変化させる方法等の一般的な方法で調整でき、水素濃度が高く、重合温度が高いほどMFRは高くなる。即ち、エチレンとα−オレフィンとの重合温度を上げることにより分子量を下げて結果としてMFRを大きくすることができ、重合温度を下げることにより分子量を上げて結果としてMFRを小さくすることができる。また、エチレンとα−オレフィンとの共重合反応において共存させる水素量(連鎖移動剤量)を増加させることにより分子量を下げて結果としてMFRを大きくすることができ、共存させる水素量(連鎖移動剤量)を減少させることにより分子量を上げて結果としてMFRを小さくすることができる。
本発明のポリエチレンの密度は、JIS−K6922−1及び2(1997)のポリエチレン成形用及び押出用材料試験方法により、190℃で標準メルトインデクサーから押し出されたストランドを30分間沸騰処理し、1時間放置後24時間以内に密度勾配管にて測定した値である。この密度は0.930g/cm3〜0.970g/cm3であり、好ましくは0.935g/cm3〜0.965g/cm3である。この密度が上記下限値未満の場合は、容器の剛性が低くなり、薄肉化できない。また、シアノアクリレート系接着剤の場合、低粘度の接着剤液を一滴ずつ、滴下しながら瞬時に硬化させるため微量な滴下量を制御できる容器の特性も必要である。この滴下量を制御する流滴性はポリエチレンの密度が低いほど悪化し不都合となる。さらに、密度が低いと水蒸気透過性が高くなり、水分で硬化反応を起こすシアノアクリレート系接着剤の保存安定性を損なう。この密度が上記上限値を超えると、ポリエチレン製造上困難であり、容器の衝撃強度が劣る。
この密度を調整する方法としては、エチレンと共重合させるコモノマーの種類や量により変化させることにより、所望のものを得ることができ、一般的にコモノマー量を多くすると密度を小さくすることができる。
本発明のポリエチレンの周期表第17族元素の含有量は、蛍光X線分析により測定される。周期表第17族元素の含有量は10重量ppm以下であり、好ましくは5重量ppm以下、さらに好ましくは1重量ppm以下である。周期表第17族元素の含有量が上記上限値を超える場合、成形機を腐食させる原因になると共にポリエチレン自体が劣化しやすくなる。周期表第17族元素としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチン等が挙げられ、いわゆるハロゲン元素といわれる。中でも塩素は主として触媒残渣に起因するものであり、ハロゲン捕捉効果のある中和剤等の添加により、成形機の腐食を防止することができるが、中和剤として一般的に用いられるステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩やマグネシウム及びアルミニウムを含む含水塩基性炭酸塩であるハイドロタルサイト、リチウムアルミニウム複合水酸化物塩等は、シアノアクリレート系接着剤を硬化させるので、中和剤として好ましくない。この周期表第17族元素の含有量は、触媒の種類と触媒収率、並びに添加剤の種類及び量により調整できる。中でも周期表第17族元素を含有しないクロム化合物を主成分とするフィリップス型触媒を使用することが好ましい。
例えば、主な金属元素の含有量は、1000重量ppm以下、好ましくは500重量ppm以下、さらに好ましくは300重量ppm以下であることが望ましい。金属元素の含有量は、蛍光X線分析により測定できる。金属元素の含有量が上記上限値を超えると容器内容物への金属元素の溶出が大きくなり、シアノアクリレート系接着剤を硬化させる原因となることがある。金属元素としては、樹脂に添加又は混入される主だった種類のものが挙げられ、例えば、ナトリウム、アルミニウム、ケイ素、バナジウム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛等が少ないほど好ましい。本発明のポリエチレンは、アルミニウム元素含有量が0.2重量ppm以下、または鉄元素含有量が0.2重量ppm以下であることがシアノアクリレート系接着剤容器として望ましい。さらに、本発明のポリエチレンは、チタン元素含有量が1重量ppm以下、クロム元素含有量が20重量ppm以下、またはケイ素元素含有量が250重量ppm以下としたものが、シアノアクリレート系接着剤容器適性が向上し好ましい。
さらに、マグネシウム、カルシウム、バリウムの含有量は、それぞれ1重量ppm以下、好ましくは0.5重量ppm以下、さらに好ましくは0.1重量ppm以下が望ましい。上記上限値を超えると容器内容物への当該元素の溶出が大きくなり、シアノアクリレート系接着剤を硬化させる原因となることがある。
本発明のポリエチレンのリン系酸化防止剤の含有量は、蛍光X線分析、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーを用いて測定される。リン系酸化防止剤の含有量は100重量ppm未満、好ましくは50重量ppm以下、さらに好ましくは10重量ppm以下である。このリン系酸化防止剤含有量が上記上限値を超える場合、シアノアクリレート系接着剤を硬化させるので好ましくない。このリン系酸化防止剤の含有量は、ポリエチレンの酸化防止剤を選択する際に種類及び量を適宜選択することにより調整することができる。
リン系酸化防止剤とは、分子中にリン元素を含む化合物であり、例えば、ホスファイト系有機化合物(分子中にホスファイト構造を有する有機化合物)、ホスフォナイト系有機化合物が挙げられ、具体的には、
トリフェニルホスファイト、
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、
トリス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、
トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、
トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、
ジフェニルアシッドホスファイト、
2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、
ジフェニルデシルホスファイト、
ジフェニルオクチルホスファイト、
ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
フェニルジイソデシルホスファイト、
トリブチルホスファイト、
トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、
トリデシルホスファイト、
トリラウリルホスファイト、
ジブチルアシッドホスファイト、
ジラウリルアシッドホスファイト、
トリラウリルトリチオホスファイト、
ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、
テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、
ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、
テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、
ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、
2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイト等が挙げられる。
本発明のポリエチレンの脂肪酸金属塩系制酸剤の含有量は、蛍光X線分析、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーを用いて測定される。脂肪酸金属塩系制酸剤の含有量は、100重量ppm未満、好ましくは50重量ppm以下、さらに好ましくは10重量ppm以下である。この脂肪酸金属塩系制酸剤含有量が上記上限値を超える場合、シアノアクリレート系接着剤を硬化させるので好ましくない。この脂肪酸金属塩系制酸剤の含有量は、ポリエチレンに触媒残渣として含有されるハロゲン元素の量を適宜選択することにより調整することができる。
脂肪酸金属塩系制酸剤としては、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸等の脂肪酸とカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛等の金属との化合物が挙げられ、具体的には
ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸マグネシウム、
ステアリン酸アルミニウム、
ステアリン酸亜鉛、
ヒドロキシステアリン酸カルシウム等が挙げられる。
本発明のポリエチレンの無機系制酸剤の含有量は、蛍光X線分析を用いて測定される。無機系制酸剤の含有量は100重量ppm未満、好ましくは50重量ppm以下、さらに好ましくは10重量ppm以下である。この無機系制酸剤含有量が上記上限値を超える場合、シアノアクリレート系接着剤を硬化させるので好ましくない。この無機系制酸剤の含有量は、ポリエチレンに触媒残渣として含有されるハロゲン元素の量を適宜選択することにより調整することができる。
脂肪酸金属塩系制酸剤としては、水酸基とカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛等の金属との化合物、マグネシウム及びアルミニウムを含む含水塩基性炭酸塩、リチウムアルミニウム複合水酸化物塩が挙げられ、具体的には
水酸化カルシウム、
水酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム、
水酸化亜鉛、
合成ハイドロタルサイト、
リチウムアルミニウム複合水酸化物塩等が挙げられる。
配合できるフェノール系酸化防止剤は、ポリエチレンに対して0.2重量%以下、好ましくは0.1重量%以下の添加が好適である。これを添加しないと酸化防止効果が不十分な場合があり、一方、上記上限値を超えると不経済であるばかりか変色、ブリード等が発生する傾向にある。ポリエチレンに含まれるフェノール系酸化防止剤は、蛍光X線分析、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーを用いて測定することができる。
フェノール系酸化防止剤としては、分子中にフェノール構造を有する有機化合物が挙げられ、具体的には、
2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、
トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、
1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、
2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、
2,4−ジ−t−ブチル−6−オクチルチオメチルフェノール、
ステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
ジステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、
トリデシル・3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、
チオジエチレンビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、
2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、
4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、
4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、
2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、
1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、
1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、
1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、
1,3,5−トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、
テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、
3,9−ビス[2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、
トリエチレングリコールビス[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、
テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)〔1,1−ビフェニル〕−4,4’−ジイルビスホスフォナイト等が挙げられる。
配合できるイオウ系酸化防止剤は、ポリエチレンに対して0.2重量%以下、好ましくは0.1重量%以下の添加が好適である。これを添加しないと酸化防止効果が不十分な場合があり、一方、上記上限値を超えると不経済であるばかりか変色、ブリード等が発生する傾向にある。ポリエチレンに含まれるイオウ系酸化防止剤は蛍光X線分析、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーを用いて測定することができる。
イオウ系酸化防止剤としては分子中にイオウ元素を含む化合物が挙げられ、具体的には、
ジ−ラウリル−3,3’−チオ−ジ−プロピオネート、
ジ−ミリスチル−3,3’−チオ−ジ−プロピオネート、
ジ−ステアリル−3,3’−チオ−ジ−プロピオネート、
ペンタエリスリチル−テトラキス(3−ラウリル−チオプロピオネート)等を挙げることができる。
このうち、アルキル2−シアノアクリレートの具体例としては、メチル2−シアノアクリレート、エチル2−シアノアクリレート、各種プロピル2−シアノアクリレート、各種ブチル2−シアノアクリレート、各種ペンチル2−シアノアクリレート、各種ヘキシル2−シアノアクリレート、各種オクチル2−シアノアクリレートなどが挙げられる。
アルコキシアルキル2−シアノアクリレートの具体例としては、エトキシエチル2−シアノアクリレート、メトキシエチル2−シアノアクリレート、メトキシイソプロピル2−シアノアクリレートなどが挙げられる。
シアノアクリレート系接着剤としては、市販の東亜合成社製の瞬間接着剤アロンアルファ201(商品名)、高圧ガス工業社製の瞬間接着剤シアノン(商品名)、セメダイン社製の瞬間接着剤ロックタイト(商品名)等が挙げられる。
これらブロー成形条件は、高密度ポリエチレンの一般的な条件でよい。具体的には、成形温度は成形可能な温度であれば特に限定されないが、樹脂温度で150〜250℃が好ましく、酸化防止剤が添加されていない場合は、成形時の熱により高密度ポリエチレンが分子切断しやすくなり、樹脂の劣化を招くので樹脂温度が200℃以下の低温で成形するほうがより好ましい。ブロー圧力については3〜10Kg/cm2程度、金型での冷却時間5〜60秒程度でボトル容量としては0.5〜100ml程度のものである。
(1)温度190℃、荷重2.16kgのメルトフローレート(MFR)
JIS−K7210(1999)熱可塑性プラスチックの流れ試験方法により、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
(2)密度
JIS−K6922−1及び2(1997)のポリエチレン成形用及び押出用材料試験方法により、190℃で標準メルトインデクサーから押し出されたストランドを30分間沸騰処理し、1時間放置後24時間以内に密度勾配管にて測定した。
(3)曲げ弾性率
JIS−K6922−2(1997)に準拠して測定した。
(4)周期表第17族元素の含有量
試料を温度180℃の熱圧縮成形機により、溶融後25℃/分の速度で降温し、厚み5mmのシートを成形した。このシートを島津製作所社製波長分散型蛍光X線分析装置にて検量線法により測定した。
(5)金属元素の含有量
試料を温度180℃の熱圧縮成形機により、溶融後25℃/分の速度で降温し、厚み5mmのシートを成形した。このシートを島津製作所社製波長分散型蛍光X線分析装置にて検量線法により測定した。
(6)酸化防止剤、制酸剤の含有量
試料を温度180℃の熱圧縮成形機により、溶融後25℃/分の速度で降温し、厚み0.5mmのシートを成形した。そのシートをソックスレー抽出器にてクロロホルム中で5時間還流抽出し、この抽出液を島津製作所社製ガスクロマトグラフィー及び液体クロマトグラフィーを用いて測定した。
(7)耐腐食性
鉄板をサンドペーパーで研磨し、ヘプタンで脱脂した後、この鉄板でポリエチレンを挟み温度250℃で10分間加熱した状態で圧縮シートを成形した。次に金属板で挟んだまま温度80℃、湿度80%の恒温恒湿槽に48時間入れ、金属板の樹脂との接触部を目視で観察し腐食状態を下記の基準で判定した。測定は各サンプルにつき3点ずつ行なった。
判定基準
○ :ほとんど腐食せず
× :一部腐食発生
××:全面腐食発生
(1)胴部肉厚
円筒状容器本体の肩部と底部の中間位置を切断し周方向に90度づつ4個所マイクロメーターで肉厚を測定し平均値を求めた。
(2)シアノアクリレート系接着剤の保存安定性
成形した20mlの容器中に、シアノアクリレート系接着剤(東亜合成社製の瞬間接着剤アロンアルファ201)を10ml入れて、容器にこの容器と同じ材料で成形した蓋を取り付け、40℃の加温室に6ケ月保管した。この後、この充填容器から接着剤を流し出し、粘度上昇に伴う流動性に変化がないか、目視で観察し保存安定性を観察した。この保存安定性は下記の基準で判定した。測定は各サンプルにつき3点ずつ行なった。
判定基準
○ :流動性の変化なし
△ :流動性の変化ほとんどなし
× :流動性に変化みられる
××:流動性が変化あり
(3)滴下性
室温23℃、湿度50%の室内で、成形した20ml容器本体にシアノアクリレート系接着剤(東亜合成社製の瞬間接着剤アロンアルファ201)を速やかに10ml注ぎ、先端がノズル状の円錐形状で先端部を直径0.4mmの針で穴あけ加工した射出成形ノズルを取り付けた。この後、手で容器胴部を指で押して滴下性を試験した。この滴下性は下記の基準で判定した。測定は各サンプルにつき3点ずつ行なった。
判定基準
○ :適度に滴下し作業性がよい
×過多 :滴下量が多すぎて作業性やや悪い
×過少 :滴下量が少なすぎて作業性やや悪い
××超過多:滴下量が多すぎて作業性悪い
××超過少:滴下量が少なすぎて作業性悪い
(1)容器本体内層用ポリエチレン(I)の製造
固体触媒として、無水三酸化クロムと純水を混合した溶液をシリカと攪拌混合し、110℃で乾燥後、さらに電気炉内の石英ガラス管に入れ焼成温度700℃で10時間焼成し、クロム原子担持量1重量%のフィリプス型触媒を用い、イソブタンを溶媒として、無水素状態で圧力30kg/cm2、重合温度100℃でエチレンと1−ヘキセンを連続に共重合させポリエチレン(I)(エチレン・1−ヘキセン共重合体)を製造した。
次に、このスラリーを減圧し、イソブタンを蒸発させ乾燥後、添加剤を一切使用せずにL/Dが26、直径40mmφのフルフライト型シングルスリュータイプの押出機で樹脂温度が220℃になるように調整してペレット化し、容器本体内層用の材料とした。
このようにして得られた容器本体内層用ポリエチレン(I)は、MFRが0.5g/10分、密度が0.950g/cm3、曲げ弾性率が1100MPa、塩素元素の含有量が1重量ppm以下、主な金属元素の含有量が300重量ppm以下であり、そのうち、ナトリウムは1重量ppm以下、マグネシウムは1重量ppm以下、アルミニウムは0.2重量ppm以下、ケイ素は250重量ppm以下、カルシウムは1重量ppm以下、鉄は0.2重量ppm以下、銅は1重量ppm以下、亜鉛は1重量ppm以下、バリウムは1重量ppm以下であった。
上記(1)とは別に、容器本体に付属するノズル状キャップ用の材料として、上記(1)の焼成温度を750℃、重合温度を105℃とした以外は上記と同様にして、ノズル状キャップ用の材料とした。このようにして得られたノズル状キャップ用ポリエチレン(II)は、MFRが5g/10分、密度が0.950g/cm3、塩素元素の含有量が1重量ppm以下、主な金属元素の含有量が300重量ppm以下であり、そのうち、ナトリウムは1重量ppm以下、マグネシウムは1重量ppm以下、アルミニウムは0.2重量ppm以下、ケイ素は250重量ppm以下、カルシウムは1重量ppm以下、鉄は0.2重量ppm以下、銅は1重量ppm以下、亜鉛は1重量ppm以下、バリウムは1重量ppm以下であった。
上記(1)で得られたポリエチレン(I)を用い、スパイラルダルでパリソン肉厚コントローラー付きのダイスを有する小型ダイレクト押出ブロー成形機で成形温度180℃、金型冷却は30℃、10秒間冷却、容器の重量は胴部中心部の肉厚が0.7mmになるように調整して、20ml容量の口部がネジ付きの単層の円筒状ボトルを中空成形した。
また、上記(2)で得られたポリエチレン(II)を用い、型締め圧力100トンの射出成形機を用いて、上記のブロー成形した容器本体にネジで取り付けられる、先端がノズル状のテーパー形状のキャップを成形した。成形条件は、成形温度220℃、円錐形状とし、金型冷却は30℃、10秒間とし、後で先端部を直径0.4mmの針で穴あけ加工した。
このようにして成形した容器本体とノズル状キャップとをネジ合わせて容器とした。
上記(3)で得られた容器にシアノアクリレート系接着剤(東亜合成社製の瞬間接着剤アロンアルファ201)10mlを充填し、容器内溶液の保存安定性及び容器内容液の滴下性の評価を行った。これらの評価結果を表1に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)の代わりに、有機過酸化物の高圧ラジカル重合法用い、圧力2400kg/cm2、温度180℃でエチレンを重合させてポリエチレン(III)を製造した。
このようにして得られた容器本体内層用ポリエチレン(III)は、MFRが1.0g/10分、密度が0.930g/cm3、曲げ弾性率が400MPa、塩素元素の含有量が1重量ppm以下、主な金属元素の含有量が300重量ppm以下であり、そのうち、ナトリウムは1重量ppm以下、マグネシウムは1重量ppm以下、アルミニウムは0.2重量ppm以下、ケイ素は250重量ppm以下、カルシウムは1重量ppm以下、鉄は0.2重量ppm以下、銅は1重量ppm以下、亜鉛は1重量ppm以下、バリウムは1重量ppm以下であった。
ポリエチレン(I)の代わりにポリエチレン(III)を使用した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表1に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)の代わりに、Mg(OEt)2、Ti(OBu)3Cl、n−C4H9OHを溶解し、エチルアルミニウムセスキクロライドで析出したチーグラー型高活性の固体触媒と、助触媒として塩素が含まれないトリエチルアルミニウムを用い、ノルマルヘプタンを溶媒として、水素の存在時様態で圧力12kg/cm2、温度90℃でエチレンの第1槽目の連続重合後、圧力3kg/cm2、温度80℃で第2槽目のエチレンと1−ブテンの共重合をさせてポリエチレン(IV)を製造した。
このようにして得られた容器本体内層用ポリエチレン(IV)は、MFRが0.5g/10分、密度が0.950g/cm3、曲げ弾性率が1100MPa、塩素元素の含有量が4重量ppm、主な金属元素の含有量が300重量ppm以下であり、そのうち、ナトリウムは1重量ppm以下、マグネシウムは1重量ppm以下、アルミニウムは0.2重量ppm以下、ケイ素は250重量ppm以下、カルシウムは1重量ppm以下、鉄は0.2重量ppm以下、銅は1重量ppm以下、亜鉛は1重量ppm以下、バリウムは1重量ppm以下であった。
ポリエチレン(I)の代わりにポリエチレン(IV)を使用した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表1に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにチバ・スペシャリティーケミカルズ社製トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(IF168と略す)を10重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表1に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにチバ・スペシャリティーケミカルズ社製トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(IF168と略す)を50重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表1に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときに日東化成工業社製ステアリン酸カルシウム(CaStと略す)を50重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表1に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときに協和化学工業社製Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O(DHT4Aと略す)を50重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表1に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにチバ・スペシャリティーケミカルズ社製ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(IR1010と略す)を1000重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表1に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにチバ・スペシャリティーケミカルズ社製ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(IR1010と略す)を3000重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表2に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにエーピーアイコーポレーション社製2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHTと略す)を1000重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表2に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにチバ・スペシャリティーケミカルズ社製オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(IR1076と略す)を1000重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表2に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにチバ・スペシャリティーケミカルズ社製1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(IR1330と略す)を1000重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表2に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときに旭電化社製3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン(AO80と略す)を1000重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表2に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにエーピーアイコーポレーション社製ジ−ミリスチル−3,3’−チオ−ジ−プロピオネート(DMTPと略す)を1000重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表2に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにエーピーアイコーポレーション社製ジ−ミリスチル−3,3’−チオ−ジ−プロピオネート(DMTPと略す)を3000重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表2に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにエーピーアイコーポレーション社製ジ−ステアリル−3,3’−チオ−ジ−プロピオネート(DSTPと略す)を1000重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表2に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにエーピーアイコーポレーション社製ジ−ラウリル−3,3’−チオ−ジ−プロピオネート(DLTPと略す)を1000重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表3に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときに旭電化社製ペンタエリスリチル−テトラキス(3−ラウリル−チオプロピオネート)(412Sと略す)を1000重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表3に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにエーピーアイコーポレーション社製2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHTと略す)を1000重量ppm及びエーピーアイコーポレーション社製ジ−ステアリル−3,3’−チオ−ジ−プロピオネート(DSTPと略す)を1000重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表3に示した。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにチバ・スペシャリティーケミカルズ社製オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(IR1076と略す)を1000重量ppm及びエーピーアイコーポレーション社製ジ−ミリスチル−3,3’−チオ−ジ−プロピオネート(DMTPと略す)を1000重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表3に示した。
実施例1の(3)容器の成形を、押出チューブ成形機で成形温度は180℃、チューブ内径が10mm、肉厚が0.7mmになるよう真空サイジングプレートで外径を調整し、水槽冷却した成形品に変えた以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。なお、容器本体と先端がノズル状の射出成形ノズルを熱溶着にて接合した。これらの評価結果を表3に示した。
実施例1の(3)容器の成形を、型締め圧力100トンの射出成形機で成形温度は220℃、金型冷却温度30℃、金型冷却時間10秒間の条件で成形後に先端がノズル状の円錐形状で先端部を直径0.4mmの針で穴あけ加工した射出成形ノズルを取り付けられるようにしたカップ状の10mlの成形品とした以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。なお、容器本体と先端がノズル状の射出成形ノズルを熱溶着にて接合した。これらの評価結果を表3に示した。
実施例2の重合圧力を1800kg/cm2、重合温度を210℃でエチレンを重合させた以外は実施例2と同様に行ない、ポリエチレン(V)を製造した。
このようにして得られた容器本体内層用ポリエチレン(V)は、MFRが1.0g/10分、密度が0.920g/cm3、曲げ弾性率が200MPa、塩素元素の含有量が1重量ppm以下、主な金属元素の含有量が300重量ppm以下であり、そのうち、ナトリウムは1重量ppm以下、マグネシウムは1重量ppm以下、アルミニウムは0.2重量ppm以下、ケイ素は250重量ppm以下、カルシウムは1重量ppm以下、鉄は0.2重量ppm以下、銅は1重量ppm以下、亜鉛は1重量ppm以下、バリウムは1重量ppm以下であった。
ポリエチレン(I)の代わりにポリエチレン(V)を使用した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表4に示した。
ポリエチレンの密度が小さいと容器からの滴下量が多くなり、容器材料として満足できるものではなかった。
実施例3の重合を、有機アルミニウムとしてジエチルアルミニウムクロライドを用い水素濃度、重合比率を調整して重合した以外は実施例1と同様に行ない、ポリエチレン(VI)を製造した。
このようにして得られた容器本体内層用ポリエチレン(VI)は、MFRが0.5g/10分、密度が0.950g/cm3、曲げ弾性率が200MPa、塩素元素の含有量が12重量ppm、主な金属元素の含有量が300重量ppm以下であり、そのうち、ナトリウムは1重量ppm以下、マグネシウムは1重量ppm以下、アルミニウムは0.2重量ppm以下、ケイ素は250重量ppm以下、カルシウムは1重量ppm以下、鉄は0.2重量ppm以下、銅は1重量ppm以下、亜鉛は1重量ppm以下、バリウムは1重量ppm以下であった。
ポリエチレン(I)の代わりにポリエチレン(VI)を使用した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表4に示した。
塩素含有量が多いと成形時の金型腐食性が大きく、容器材料として満足できるものではなかった。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにチバ・スペシャリティーケミカルズ社製トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(IF168と略す)を100重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表4に示した。
リン系酸化防止剤の含有量が100重量ppmを超えるとシアノアクリレート系接着剤の保存安定性が低下し、容器材料として満足できるものではなかった。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにチバ・スペシャリティーケミカルズ社製トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(IF168と略す)を1000重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表4に示した。
リン系酸化防止剤の含有量が多いとシアノアクリレート系接着剤の保存安定性が著しく低下し、容器材料として満足できるものではなかった。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときに旭電化社製2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(HP10と略す)を100重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表4に示した。
リン系酸化防止剤の含有量が100重量ppmを超えるとシアノアクリレート系接着剤の保存安定性が低下し、容器材料として満足できるものではなかった。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときにチバ・スペシャリティーケミカルズ社製テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)〔1,1−ビフェニル〕−4,4’−ジイルビスホスフォナイト(P−EPQと略す)を100重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表4に示した。
リン系酸化防止剤の含有量が100重量ppmを超えるとシアノアクリレート系接着剤の保存安定性が低下し、容器材料として満足できるものではなかった。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときに旭電化社製ビス(2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(PEP36と略す)を100重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表4に示した。
リン系酸化防止剤の含有量が100重量ppmを超えるとシアノアクリレート系接着剤の保存安定性が低下し、容器材料として満足できるものではなかった。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときに日東化成工業社製ステアリン酸カルシウム(CaStと略す)を100重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表5に示した。
制酸剤の含有量が100重量ppmを超えるとシアノアクリレート系接着剤の保存安定性が低下し、容器材料として満足できるものではなかった。
実施例1の容器本体内層用ポリエチレン(I)をペレタイズするときに協和化学工業社製Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O(DHT4Aと略す)を100重量ppm添加した以外は実施例1と同様に行ない、シアノアクリレート系接着剤容器を得た。これらの評価結果を表5に示した。
制酸剤の含有量が100重量ppmを超えるとシアノアクリレート系接着剤の保存安定性が低下し、容器材料として満足できるものではなかった。
実施例1の(3)容器の成形を、上記のポリエチレン(I)を厚さ0.5mmの内層に用い、上記のポリエチレン(IV)を厚さ0.2mmの外層に用い、スパイラルダルでパリソン肉厚コントローラー付きのダイスを有する小型ダイレクト押出ブロー成形機で成形温度180℃、金型冷却は30℃、10秒間冷却、容器の重量は胴部中心部の肉厚が0.7mmになるように調整して、20ml容量の口部がネジ付きの二層の円筒状ボトルを中空成形した。
また、上記のポリエチレン(II)を用い、型締め圧力100トンの射出成形機を用いて、上記のブロー成形した容器本体にネジで取り付けられる、先端がノズル状のテーパー形状のキャップを成形した。成形条件は、成形温度220℃、円錐形状とし、金型冷却は30℃、10秒間とし、後で先端部を直径0.4mmの針で穴あけ加工した。
このようにして成形した容器本体とノズル状キャップとをネジ合わせて容器とした。
このようにして得られた容器にシアノアクリレート系接着剤(東亜合成社製の瞬間接着剤アロンアルファ201)10mlを充填し、容器内溶液の保存安定性及び容器内容液の滴下性の評価を行った。これらの評価結果を表3に示した。
Claims (8)
- 下記要件(a)〜(f)を満足することを特徴とするシアノアクリレート系接着剤容器用ポリエチレン。
(a)温度190℃、荷重2.16kgのメルトフローレート(MFR)が0.05〜100g/10分
(b)密度が0.930〜0.970g/cm3
(c)周期表第17族元素の含有量が10重量ppm以下
(d)リン系酸化防止剤の含有量が100重量ppm未満
(e)脂肪酸金属塩系制酸剤の含有量が100重量ppm未満
(f)無機系制酸剤の含有量が100重量ppm未満 - フェノール系酸化防止剤の含有量が0.2重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のシアノアクリレート系接着剤容器用ポリエチレン。
- イオウ系酸化防止剤の含有量が0.2重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のシアノアクリレート系接着剤容器用ポリエチレン。
- フェノール系酸化防止剤の含有量が0.2重量%以下及びイオウ系酸化防止剤の含有量が0.2重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のシアノアクリレート系接着剤容器用ポリエチレン。
- ポリエチレンがフィリップス型触媒を用いて製造されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシアノアクリレート系接着剤容器用ポリエチレン。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリエチレンを用いて成形されたシアノアクリレート系接着剤容器。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリエチレンを最内層に用いて多層成形されたシアノアクリレート系接着剤容器。
- 容器の胴部の材料の曲げ弾性率が400〜1800MPaであって、容器胴部の全体の厚みが0.3〜2.0mmであることを特徴とする請求項6又は7に記載のシアノアクリレート系接着剤容器。
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