JP2008100321A - 高硬度鋼の高速断続切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 WC基超硬合金またはTiCN基サーメットで構成された工具基体表面に、硬質被覆層として、(a)下部層が、TiとCrの合量に対するCrの含有割合(Cr/(Ti+Cr))が0.005〜0.05(ただし、原子比)であるTiとCrの複合炭窒化物層、(b)中間層が、X線による結晶構造回折において、(0002)面からの相対X線回折強度IR(0002)が最大のピークを示す六方晶Cr2N層、(c)上部層が、AlとCrの合量に対するCrの含有割合(Cr/(Al+Cr))が0.01〜0.10(ただし、原子比)であるAlとCrの複合酸化物層、を化学蒸着で形成する。
【選択図】 なし
Description
(a)下部層が、いずれも化学蒸着形成された、Tiの炭化物(以下、TiCで示す)層、窒化物(以下、同じくTiNで示す)層、炭窒化物(以下、TiCNで示す)層、炭酸化物(以下、TiCOで示す)層、および炭窒酸化物(以下、TiCNOで示す)層のうちの1層または2層以上からなり、かつ3〜20μmの全体平均層厚を有するTi化合物層、
(b)上部層が、1〜15μmの平均層厚を有し、かつ、アルミニウムとクロムの合量に対するクロムの含有割合が0.01〜0.10(ただし、原子比)であるアルミニウムとクロムの複合酸化物[以下、(Al,Cr)2O3で示す]層、
以上(a)および(b)で構成された硬質被覆層を化学蒸着で形成してなる被覆工具が知られており、この被覆工具が、例えば各種の鋼や鋳鉄などの連続切削や断続切削に用いられることも良く知られるところである。
反応ガス組成:容量%で、AlCl3:2.3〜4%、CrCl3:0.04〜0.26%、CO2:6〜8%、HCl:1.5〜3%、H2S:0.05〜0.2%、H2:残り、
反応雰囲気温度:1020〜1050℃、
反応雰囲気圧力:6〜10kPa、
の条件で蒸着形成されることも知られている。
(a)まず、従来被覆工具の硬質被覆層において、下部層を構成するTi化合物層のうちのTiCN層(以下、従来TiCN層という)は、例えば、通常の化学蒸着装置にて、
反応ガス組成:容量%で、TiCl4:2〜10%、CH3CN:0.5〜3%、N2:10〜30%、H2:残り、
反応雰囲気温度:800〜900℃、
反応雰囲気圧力:6〜20kPa、
の条件(通常条件という)で蒸着形成されるが、
反応ガス組成:容量%で、TiCl4:2〜10%、CrCl3:0.01〜0.5%、CH3CN:0.5〜3%、N2:30〜45%、Ar:残り、
反応雰囲気温度:900〜1020℃、
反応雰囲気圧力:6〜20kPa、
の条件、すなわち上記の通常条件に比して、反応ガスのキャリアガスであるH2ガスをArガスに代えると共に、N2ガスの相対量を増加させ、かつCrCl3ガスをきわめて少量加え、さらに反応雰囲気温度を相対的に高くした条件で蒸着形成して、チタンとクロムの合量に対するクロムの含有割合(ただし、原子比)が0.005〜0.05であるチタンとクロムの複合炭窒化物(以下、「(Ti,Cr)CN」で示す)層を形成すると、この結果の(Ti,Cr)CN層は、上記の従来TiCN層と同様の結晶構造、すなわち格子点にTi、Cr、炭素(C)および窒素(N)からなる構成原子がそれぞれ存在するNaCl型面心立方晶の結晶構造を有するが、前記従来TiCN層に比して一段とすぐれた高温強度を有すること。
電界放出型走査電子顕微鏡を用い、図1(a),(b)に概略説明図で例示される通り、表面研磨面の測定範囲内に存在する立方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{112}面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフを作成した場合、前記従来TiCN層は、図3に例示される通り、{112}面の測定傾斜角の分布が0〜45度の範囲内で不偏的な傾斜角度数分布グラフを示すのに対して、前記(Ti,Cr)CN層は、図2に例示される通り、傾斜角区分の特定位置にシャープな最高ピークが現れ、このシャープな最高ピークは、グラフ横軸の傾斜角区分に現れる高さおよび傾斜角区分位置が前記(Ti,Cr)CN層におけるCrの含有割合を調整することにより変化すること。
さらに、上記(Ti,Cr)CN層のCr成分には、上記の作用の他に、層中にCr成分を含有しない上記従来TiCN層に比して、層自体の高温強度を向上させる作用もあり、この場合その含有割合がTiとの合量に占める原子比で0.005未満では所望の高温強度向上効果が現れず、一方その含有割合が同0.05を越えると、急激に軟化し、高熱発生を伴う高速断続切削では切刃部に偏摩耗の原因となる熱塑性変形が発生し易くなることからも、その含有割合はTiとの合量に占める原子比で0.005〜0.05とする必要があること。
つぎに、上部層と下部層間の接合強度を向上させる中間層について種々検討を行ったところ、中間層としては、六方晶窒化クロム(以下、「Cr2N」で示す)層からなり、かつ、X線による結晶構造解析において、六方晶窒化クロムの(hkil)面(但し、i=−(h+k))からの測定回折強度をI(hkil)とし、ICDD PDF No.35−803(注)に記載される標準X線回折強度I0(hkil)とI(hkil)との比として計算される相対回折強度IR(hkil)=I(hkil)/I0(hkil)を、回折面(11−20)、(0002)、(11−21)、(11−22)、(30−30)、(11−23)について求めた場合、IR(0002)が最大値を示すCr2N層が最適であることを見出した。
(注)「ICDD PDF」は、International Center for Diffraction Data(ICDD)のPowder Diffraction File(PDF)の略号。
具体的に言えば、次のとおりである。
電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフを作成した場合、0〜10度の範囲内にシャープな最高ピークが現れ、かつ0〜10度の範囲内に存在する度数割合が45%以上を占める傾斜角度数分布グラフを示すようになり、その結果として、上部層である(Al,Cr)2O3層が一段とすぐれた高温強度を備えるようになること。
以上(a)〜(f)に示される研究結果を得たのである。
「(1) 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に、
(a)下部層として、2.5〜150μmの平均層厚を有し、かつ、チタンとクロムの合量に対するクロムの含有割合(Cr/(Ti+Cr))が0.005〜0.05(ただし、原子比)であるチタンとクロムの複合炭窒化物層、
(b)中間層として、0.1〜3μmの平均層厚を有する六方晶窒化クロムからなり、かつ、X線による結晶構造解析において、六方晶窒化クロムの(hkil)面(但し、i=−(h+k))からの測定回折強度をI(hkil)とし、ICDD
PDF No.35−803に記載される標準X線回折強度I0(hkil)とI(hkil)との比として計算される相対回折強度IR(hkil)=I(hkil)/I0(hkil)を、回折面(11−20)、(0002)、(11−21)、(11−22)、(30−30)、(11−23)について求めた場合、IR(0002)が最大値を示す六方晶窒化クロム層、
(c)上部層として、1〜15μmの平均層厚を有し、かつ、アルミニウムとクロムの合量に対するクロムの含有割合(Cr/(Al+Cr))が0.01〜0.10(ただし、原子比)であるアルミニウムとクロムの複合酸化物層、
以上(a)〜(c)で構成された硬質被覆層を化学蒸着で形成してなる、高硬度鋼の高速断続切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具。
(2)前記(1)の表面被覆切削工具において、
前記(a)のチタンとクロムの複合炭窒化物層からなる下部層は、
電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する立方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{112}面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフにおいて、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示すこと、
を特徴とする前記(1)の表面被覆切削工具。
(3)前記(1)の表面被覆切削工具において、
前記(c)のアルミニウムとクロムの複合酸化物層からなる上部層は、
電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフにおいて、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示すこと、
を特徴とする前記(1)の表面被覆切削工具。
(4)前記(1)の表面被覆切削工具において、
前記(a)のチタンとクロムの複合炭窒化物層からなる下部層は、
電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する立方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{112}面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフにおいて、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示し、また、
前記(c)のアルミニウムとクロムの複合酸化物層からなる上部層は、
電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフにおいて、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示すこと、
を特徴とする前記(1)の表面被覆切削工具。
(5)前記(1)〜(4)の表面被覆切削工具において、
工具基体表面と、前記(a)のチタンとクロムの複合炭窒化物層からなる下部層との間に、0.1〜5μmの合計平均層厚を有し、かつ、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層、および炭窒酸化物層のうちの1層以上からなる化学蒸着で形成された密着性Ti化合物層を介在させること、
を特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。」
に特徴を有するものである。
(Ti,Cr)CN層の傾斜角度数分布グラフの傾斜角区分における最高ピーク位置および前記最高ピークが存在する所定の傾斜角区分内に存在する度数割合は、上記の通り層中のCr含有割合をTiとの合量に占める原子比で、0.005〜0.05とすることによって、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークを存在させ、かつ前記0〜10度の範囲内に存在する度数割合を、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上とすることができるものであり、したがって、その含有割合が0.005未満でも、0.05を越えても、前記最高ピーク位置の現れる傾斜角区分が0〜10度の範囲内から外れ、さらに前記0〜10度の範囲内に存在する度数割合は45%未満となってしまい、高速断続切削加工で、硬質被覆層にチッピングが発生しない、すぐれた高温強度向上効果を確保することができないものとなる。
このように下部層の(Ti,Cr)CN層は、従来TiCN層に比して、一段とすぐれた高温強度を有するようになるが、その平均層厚が2.5μm未満では所望のすぐれた高温強度向上効果を硬質被覆層に十分に具備せしめることができず、一方その平均層厚が15μmを越えると、偏摩耗の原因となる熱塑性変形が発生し易くなり、摩耗が加速するようになることから、その平均層厚を2.5〜15μmと定めた。
X線回折において、IR(0002)が最大値を示す、いわば基体の接線方向への(0001)面の集合度の高い六方晶の結晶構造を有するCr2N層は、例えば、通常の化学蒸着装置にて、上記下部層((Ti,Cr)CN層)上に、
反応ガス組成:容量%で、CrCl3:0.1〜5%、N2:20〜70%、HCl:0.3〜2%、H2:残り
反応雰囲気温度:900〜1040℃、
反応雰囲気圧力: 6〜20kPa、
の条件で蒸着することによって形成されるが、
蒸着条件が上記の範囲を外れた場合には、形成されるCr2N層の基体の接線方向への(0001)面の集合度が低下し、その結果として、Cr2N層上に蒸着形成される上部層((Al,Cr)2O3層)の(0001)面の度数割合も減少し、上部層の高温強度を改善する効果も低下する。
また、中間層としてのCr2N層は、その平均層厚が0.1μm未満では、下部層と上部層間の密着性向上、接合強度の改善を期待できず、一方、その平均層厚が3μmを超えると、硬質被覆層の高温硬さの低下を招くことになるので、その平均層厚を0.1〜3μmと定めた。
AlとCrの合量に対するCrの含有割合(Cr/(Al+Cr))が0.01〜0.10(ただし、原子比)である(Al,Cr)2O3層は、Cr2N層からなる中間層の上に、例えば、通常の蒸着装置により、
反応ガス組成:容量%で、AlCl3:2.3〜4%、CrCl3:0.04〜0.26%、CO2:6〜8%、HCl:1.5〜3%、H2S:0.05〜0.2%、H2:残り、
反応雰囲気温度:1020〜1050℃、
反応雰囲気圧力:6〜10kPa、
の条件で蒸着することによって形成され、すぐれた高温硬さと耐熱性を有し、硬質被覆層の耐摩耗性向上に寄与するばかりか、すぐれた高温強度も備え、耐チッピング性の向上にも寄与する。
即ち、上記条件で蒸着形成された(Al,Cr)2O3層について、
電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフにおいて、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示すようになり、したがって、層中のCr含有割合が上記範囲から外れると、傾斜角度数分布グラフで0〜10度の範囲内の傾斜角度数の割合が45%未満になってしまい、所望の高温強度向上効果が得られなくなる。
また、(Al,Cr)2O3層は、その平均層厚が1μm未満では、硬質被覆層に十分な耐摩耗性を発揮せしめることができず、一方その平均層厚が15μmを越えて厚くなりすぎると、チッピングが発生し易くなることから、その平均層厚を1〜15μmと定めた。
工具基体表面と硬質被覆層の下部層((Ti,Cr)CN層)との間の密着性をさらに改善するために、0.1〜5μmの合計平均層厚を有し、かつ、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層、および炭窒酸化物層のうちの1層以上からなる化学蒸着で形成された密着性Ti化合物層を介在させることができる。密着性Ti化合物層は、工具基体と下部層である(Ti,Cr)CN層のいずれにも強固に密着し、よって硬質被覆層の工具基体に対する密着性向上に寄与する作用をもつが、その合計平均層厚が0.1μm未満では、所望の密着性を確保することができず、一方前記密着性は5μmまでの合計平均層厚で充分であることから、その合計平均層厚を0.1〜5μmと定めた。
なお、上記本発明被覆工具のうち、本発明被覆工具2〜7、9〜13については、まず、表6に示される条件で、表7に示される合計目標層厚になるように密着性Ti化合物層を化学蒸着した後、密着性Ti化合物層上に下部層((Ti,Cr)CN層)を化学蒸着で形成した。
(下部層の種類、中間層としてのCr2N層の有無で、本発明被覆工具と従来被覆工具は硬質被覆層が異なる。)
TiNのI(200)=I(111)×I0(200)/I0(111)
=I(111)×100/72
Cr2NのI(11−21)=I[42.6°]−TiNのI(111)×100/72
すなわち、上記傾斜角度数分布グラフは、上記の改質TiCN層および従来TiCN層の表面を研磨面とした状態で、電界放出型走査電子顕微鏡の鏡筒内にセットし、前記研磨面に70度の入射角度で15kVの加速電圧の電子線を1nAの照射電流で、前記表面研磨面の測定範囲内に存在する立方晶結晶格子を有する結晶粒個々に照射して、電子後方散乱回折像装置を用い、30×50μmの領域を0.1μm/stepの間隔で、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{112}面の法線がなす傾斜角を測定し、この測定結果に基づいて、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計することにより作成した。
なお、図2は、本発明被覆工具6の(Ti,Cr)CN層の傾斜角度数分布グラフ、図3は、従来被覆工具6の従来TiCN層の傾斜角度数分布グラフをそれぞれ示すものである。
表7に示される通り、本発明被覆工具1〜13のすべての(Al,Cr)2O3層について、(0001)面の測定傾斜角の分布が0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが現れ、かつ0〜10度の範囲内の傾斜角区分内に存在する傾斜角度数の割合が45%以上である傾斜角度数分布グラフを示すのに対して、表8に示されるように、従来被覆工具1〜13の(Al,Cr)2O3層については、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に(0001)面の測定傾斜角の分布のピークが必ず現れるわけではなく、また、0〜10度の範囲内の傾斜角区分内に存在する傾斜角度数の割合も常に45%以上となるわけではないことから、従来被覆工具1〜13においては、すぐれた高温強度の(Al,Cr)2O3層が安定的に形成されてはいない。このことから、本発明被覆工具1〜13で、(0001)面配向度の高い六方晶構造のCr2N層からなる中間層を介して(Al,Cr)2O3層を蒸着形成したことによって、(Al,Cr)2O3層の(0001)面の0〜10度の度数割合が高められたことがわかる。
なお、図5は、本発明被覆工具6の(Al,Cr)2O3層の傾斜角度分布グラフ、図6は、従来被覆工具6の(Al,Cr)2O3層の傾斜角度分布グラフをそれぞれ示すものである。
被削材:JIS・SKD5の焼入れ材(HRC51)の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度: 300 m/min、
切り込み: 0.8 mm、
送り: 0.20 mm/rev、
切削時間: 10 分、
の条件(切削条件Aという)での合金工具鋼の湿式断続高速切削試験(通常の切削速度は、140m/min)、
被削材:JIS・SKT6の焼入れ材(HRC54)の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度: 250 m/min、
切り込み: 1.2 mm、
送り: 0.25 mm/rev、
切削時間: 10 分、
の条件(切削条件Bという)での合金工具鋼の湿式断続高速切削試験(通常の切削速度は、100m/min)、
被削材:JIS・SUJ2の焼入れ材(HRC52)の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度: 260 m/min、
切り込み: 0.9 mm、
送り: 0.18 mm/rev、
切削時間: 10 分、
の条件(切削条件Cという)での軸受鋼の湿式断続高速切削試験(通常の切削速度は、130m/min)、
を行い、いずれの切削試験(水溶性切削油使用)でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表9に示した。
しかるに、硬質被覆層の下部層が、{112}面の測定傾斜角の分布が0〜45度の範囲内で不偏的で、最高ピークが存在しない傾斜角度数分布グラフを示す従来TiCN層で構成された従来被覆工具1〜13においては、高硬度鋼の高速断続切削では硬質被覆層の高温強度不足が原因で、硬質被覆層にチッピング、欠損が発生し、比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
Claims (5)
- 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に、
(a)下部層として、2.5〜15μmの平均層厚を有し、かつ、チタンとクロムの合量に対するクロムの含有割合(Cr/(Ti+Cr))が0.005〜0.05(ただし、原子比)であるチタンとクロムの複合炭窒化物層、
(b)中間層として、0.1〜3μmの平均層厚を有する六方晶窒化クロムからなり、かつ、X線による結晶構造解析において、六方晶窒化クロムの(hkil)面(但し、i=−(h+k))からの測定回折強度をI(hkil)とし、ICDD PDF No.35−803に記載される標準X線回折強度I0(hkil)とI(hkil)との比として計算される相対回折強度IR(hkil)=I(hkil)/I0(hkil)を、回折面(11−20)、(0002)、(11−21)、(11−22)、(30−30)、(11−23)について求めた場合、IR(0002)が最大値を示す六方晶窒化クロム層、
(c)上部層として、1〜15μmの平均層厚を有し、かつ、アルミニウムとクロムの合量に対するクロムの含有割合(Cr/(Al+Cr))が0.01〜0.10(ただし、原子比)であるアルミニウムとクロムの複合酸化物層、
以上(a)〜(c)で構成された硬質被覆層を化学蒸着で形成してなる、高硬度鋼の高速断続切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具。 - 請求項1記載の表面被覆切削工具において、
前記(a)のチタンとクロムの複合炭窒化物層からなる下部層は、
電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する立方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{112}面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフにおいて、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示すこと、
を特徴とする請求項1記載の表面被覆切削工具。 - 請求項1記載の表面被覆切削工具において、
前記(c)のアルミニウムとクロムの複合酸化物層からなる上部層は、
電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフにおいて、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示すこと、
を特徴とする請求項1記載の表面被覆切削工具。 - 請求項1記載の表面被覆切削工具において、
前記(a)のチタンとクロムの複合炭窒化物層からなる下部層は、
電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する立方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である{112}面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフにおいて、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示し、また、
前記(c)のアルミニウムとクロムの複合酸化物層からなる上部層は、
電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフにおいて、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示すこと、
を特徴とする請求項1記載の表面被覆切削工具。 - 請求項1乃至4記載の表面被覆切削工具において、
工具基体表面と、前記(a)のチタンとクロムの複合炭窒化物層からなる下部層との間に、0.1〜5μmの合計平均層厚を有し、かつ、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層、および炭窒酸化物層のうちの1層以上からなる化学蒸着で形成された密着性Ti化合物層を介在させること、
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
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