JP2008100300A - ダイヤモンド被覆切削インサート及び切削工具 - Google Patents

ダイヤモンド被覆切削インサート及び切削工具 Download PDF

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和浩 浦島
Hideaki Yukimachi
秀晃 行待
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Abstract

【課題】耐剥離性に優れたダイヤモンド被覆膜を切削インサート基材に被覆した耐久性の高いダイヤモンド被覆切削インサート1、およびこのダイヤモンド被覆切削インサート1を備えた切削工具2の提供。
【解決手段】超硬合金の基材表面に形成されたダイヤモンド被覆膜中のダイヤモンド粒子のうち粒径200nm以下の粒子の数の割合が50%以上であり、隣接するダイヤモンド粒子における結晶方位が相違してなり、好ましくはダイヤモンド被覆膜中のダイヤモンド粒子間に非ダイヤモンド炭素成分が形成されており、ダイヤモンド被覆膜の膜厚が3〜30μmであり、表面にβ層を析出させてなる超硬合金にダイヤモンド被覆膜を被覆したことを特徴とするダイヤモンド被覆切削インサート1、およびこのダイヤモンド被覆切削インサート1を備えた切削工具2。
【選択図】図1

Description

この発明はダイヤモンド被覆切削インサート及び切削工具に関し、詳しくは、優れた耐久性を持つダイヤモンド被覆切削インサート及びこのダイヤモンド被覆切削インサートを備えた切削工具に関する。
切削用工具は、例えば図2に示す外径加工用の切削工具2のように、ホルダー3と呼ばれる支持体の先端に使い捨ての刃先である切削インサート1(チップ、スローアウェイチップ、刃先交換チップなどとも言う。)を取り付けた構造が多い。この切削インサートには被削材の種類、加工工程、切削速度などによって各種の材料が使用されている。例えば、超硬合金、サーメット、セラミックス、窒化ホウ素、さらにはこれらの表面に高硬度、耐摩耗性の被膜を被覆した材料が用いられている。しかし、切削インサートに対しては、近年益々その要求性能が過酷化しており、さらなる高性能化、低コスト化も求められている。このような状況下で、アルミニウム系基材の加工、特に高速加工にはダイヤモンド被覆膜で被覆した超硬合金は高硬度であると共に優れた耐熱性、耐摩耗性を有するため注目されている。
ダイヤモンドは、切削インサート材料として汎用されてきたアルミナ,窒化珪素,超硬合金等に比べて高い硬度を有し、また熱伝導率も高いことからダイヤモンドを切削インサートの素材とする開発が進められてきた。ところが、超高圧・高温下で焼結して合成されたダイヤモンド焼結体を用いたダイヤモンド焼結体インサートは、高価であり、またダイヤモンドよりも高硬度のものがないので、焼結後の切削インサートへの加工が困難なため形状的にも制約があった。そこで、マイクロ波や熱フィラメント等で励起状態にした炭素含有ガスを原料ガスとして用いた化学的気相合成法(CVD法という。)によって、ダイヤモンドを主体とした硬質被覆膜を基材上に形成したダイヤモンド被覆切削インサートが多数開発されている。この方法によれば、複雑形状の工具基材に対しても容易且つ安価にダイヤモンド被覆膜を形成できるので、この技術を応用して硬質被覆工具の研究開発が活発に進められている。最近では、硬質被覆膜の形成方法や形成された硬質被覆膜の形態を特定して切削工具部材としての性能を向上させることが試みられている。
ダイヤモンド被覆工具としては、例えば特許文献1には、炭化タングステン基超硬合金基体の表面に形成された硬質炭素質膜のレーザラマンスペクトルにおいて、ダイヤモンド結晶を示すピークの両側にピークのある波形を持つ硬質炭素質膜で被覆した切削工具が開示されている。また、特許文献2には、切削工具基材の表面の刃先先端部に被覆したダイヤモンド被覆膜のラマンスペクトルにおける、ダイヤモンド結晶を示すピークと非ダイヤモンド成分を示すピークとの強度比を特定した高性能の切削工具を開示している。その他にも、ダイヤモンドコーティング工業刃物の製造方法(特許文献3)、プラズマCVD製膜のダイヤモンド状炭素被膜の超硬合金製切削工具(特許文献4)が開示されている。また、ダイヤモンド被覆膜関連技術として、切削工具ではないが、表面を平均結晶粒径が3μm以下のダイヤモンド結晶を含む硬質炭素被膜で被覆し、硬質炭素被膜のラマンスペクトルにおける、ダイヤモンド結晶を示すピークと他のもうひとつのピークとの強度比を特定した摺動部材(特許文献5)などが開示されている。
特開昭60−123203号公報 特開平5−123098号公報 特開2004−76106号公報 特開5−342834号公報 特開平4−354871号公報
このように、基材上にダイヤモンド被覆膜を形成したダイヤモンド被覆切削インサートは、高硬度、及び/又は高耐熱性という優れた特徴を持つ切削工具として利用されている。従来のダイヤモンド被覆切削インサートでは、切削インサートの表面を被覆しているダイヤモンド被覆膜中のダイヤモンド粒子は、ダイヤモンドの結晶粒子の大きさが数ミクロンから数十ミクロン程度であり、結晶の成長方向が切削インサート基材の表面から垂直方向に向かって揃っており、結晶面の方向が規則的に並んでいる。一方、従来のダイヤモンド被覆切削インサートでは、ダイヤモンド被覆層が数ミクロンから数十ミクロン程度であった。この場合、図4及び図6に示すようにダイヤモンド粒子は、一層又は多くとも数層が密着して並んで被覆層を形成している。このため、従来のダイヤモンド被覆切削インサートは、ダイヤモンド被覆膜の内部応力の緩和、切削インサート基材との密着強度が不十分で、ダイヤモンド被覆膜の靭性不足による切削作業中のダイヤモンド粒子の剥離若しくは破壊に対する耐性が求められていた。すなわち、ダイヤモンド粒子のダイヤモンド被覆膜内での結合力をさらに高め、ダイヤモンド被覆膜の欠損や剥離を防ぎ、ダイヤモンド被覆切削インサートによる高速切削時等の耐摩耗性をさらに向上させることが期待されていた。また、アルミニウムなどの高速加工では切削インサートが摩耗しやすいだけでなく高温にもなりやすく、高温に弱い切削インサートは使用し難いとされている。このため、アルミニウムなどの高速切削においても使用できる、耐熱性、耐衝撃性の面からも長寿命のダイヤモンド被覆切削インサート及びこれを利用した切削工具が求められていた。
この発明は、上述のような要望に応える為になされたものであって、耐剥離性に優れたダイヤモンド被覆膜を切削インサート基材に被覆することによって、耐久性の高いダイヤモンド被覆切削インサート及び切削工具を提供することを課題としている。
上述のように、ダイヤモンド被覆切削インサートにおける問題点のひとつは、切削等の作業中の被覆膜の剥離である。この剥離原因については、切削作業中のダイヤモンド粒子に対する衝撃の他に、ダイヤモンド被覆膜と基材の熱膨張率の違いに基づく応力、特にダイヤモンド被覆膜内のダイヤモンド粒子の熱膨張率の違いによる圧縮応力が大きいためであると考えられる。そこで、発明者らは、衝撃によるダイヤモンド粒子の剥離の影響を小さくすること、及びダイヤモンド被覆膜内部の温度変化による圧縮応力を緩和する方法を検討した。その結果、ダイヤモンド被覆膜中のダイヤモンド結晶粒子を微粒化すること、及びダイヤモンド結晶粒子の結晶方位をランダムにして結晶粒子同士の剥離応力の伝達を遮ることがダイヤモンド被覆膜の耐久性向上に有効であることを見いだした。さらに、ダイヤモンド被覆膜中においてバインダ的な役割をしている非ダイヤモンド炭素成分を所定量含有させれば、ダイヤモンド被覆膜の耐摩耗性を損なうことなく、ダイヤモンド被覆膜内部の圧縮応力や膜の剥離が緩和できることを見いだした。そしてこのような特性を持つダイヤモンド被覆膜で被覆したダイヤモンド被覆切削インサートは、従来のダイヤモンド被覆切削インサートに比べ、極めて長寿命となることを見いだした。この発明者らは上記の知見に基づき、前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、
超硬合金の基材表面に形成されたダイヤモンド被覆膜中のダイヤモンド粒子のうち粒径200nm以下の粒子の数の割合が50%以上であり、隣接するダイヤモンド粒子における結晶方位が相違してなることを特徴とするダイヤモンド被覆切削インサートであり、
請求項2は、
前記ダイヤモンド被覆膜が気相合成法により形成されて成る前記請求項1に記載のダイヤモンド被覆切削インサートであり、
請求項3は、
ダイヤモンド被覆膜中のダイヤモンド粒子間に非ダイヤモンド炭素成分が形成されている請求項1又は2に記載のダイヤモンド被覆切削インサートであり、
請求項4は、
ダイヤモンド被覆膜の膜厚が3〜30μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載のダイヤモンド被覆切削インサートであり、
請求項5は、
前記超硬合金の基材表面は炭窒化チタンを主成分とするβ相を含有して成る請求項1〜4のいずれか1項に記載のダイヤモンド被覆切削インサートであり、
請求項6は、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のダイヤモンド被覆切削インサートを備えた切削工具である。
この発明によれば、ダイヤモンド被覆切削インサートにおける表面のダイヤモンド被覆膜は、ナノサイズの微小粒子の積み重ねにより形成されており、そのため、個々の粒子が剥離しても、ダイヤモンド被覆膜の膜厚全体にわたって一気にダイヤモンド被覆膜が剥離することがなく、耐剥離性、耐摩耗性の高い長寿命のダイヤモンド被覆切削インサート及び切削工具が得られる。特に、アルミニウムなどのように熱伝導性がよく高速切削される被削材の切削でも、ダイヤモンド被覆膜内部のダイヤモンド粒子間やダイヤモンド被覆膜と基材との間での熱応力が小さく、ダイヤモンド粒子の耐剥離性に優れ、ダイヤモンド被覆切削インサート及び切削工具の耐久性をさらに向上させることができる。さらに、この発明においては、ダイヤモンド被覆切削インサートにおけるダイヤモンド被覆膜中の隣接するダイヤモンド粒子における結晶方位が相違しており、ダイヤモンド被覆膜に応力がかかってもダイヤモンド粒子ごとに剥離に対する耐性が異なるため、ダイヤモンド被覆膜の膜厚全体にわたって一気に剥離することがない。
この発明のダイヤモンド被覆切削インサートは、ダイヤモンド被覆する前の基材の表面に気相合成法によりダイヤモンド被覆膜が形成されている。そして、ダイヤモンド被覆膜はその膜厚より小さなダイヤモンド粒子が石垣状に積み重なって形成されており、ダイヤモンド被覆膜中のダイヤモンド粒子のうち粒径200nm以下、好ましくは100nm以下の粒子の数の割合が50%以上である。また、平均粒径が200nm以下、好ましくは100nm以下であることが望ましい。さらに、500nm以上の粒子は1%以下であることが望ましい。この場合、それぞれのダイヤモンド粒子の粒径は、透過電子顕微鏡において観察されるダイヤモンド粒子毎の画面上の最大長さとする。この発明におけるダイヤモンド粒子の粒径は、観察像の色合いが異なる部分(例えば図3において黒色に観察される部分。)の最大長を計測することにより定量する。そして、ダイヤモンド粒子の数の割合は、任意の10μm中の粒径10nm以上の全てのダイヤモンド粒子の粒径を測定して、例えば200nm以下の粒子の数の割合を百分率で表わす。また、平均粒径は、任意の10μm中の粒径10nm以上の全てのダイヤモンド粒子の数平均粒径で表わす。このようなダイヤモンド被覆膜で被覆されたダイヤモンド被覆切削インサートは、切削工具としての使用中に個々のダイヤモンド粒子の剥離が起こっても、ダイヤモンド被覆膜の表面部から一つひとつの粒子ごとにダイヤモンド粒子が剥離するだけで、ダイヤモンド被覆膜の最深部、すなわち基材表面までは剥離が進み難い。また、個々のダイヤモンド粒子が小さいので、高温においてもダイヤモンド粒子の変形量が小さく、ダイヤモンド被覆膜中でのダイヤモンド粒子とその周りの非ダイヤモンド炭素成分との熱応力は小さくできる。上述の範囲を超えるような大きなダイヤモンド粒子、例えばミクロンサイズの大きさを有するダイヤモンド粒子を主体としたダイヤモンド被覆膜で被覆したダイヤモンド被覆切削インサートでは、一層のダイヤモンド粒子でダイヤモンド被覆膜の層を形成している場合が多いので、例えばひとつのダイヤモンド粒子が剥離すると、その部分のダイヤモンド被覆膜が欠損して基材表面が現れてしまう。基材はダイヤモンド被覆膜に較べて耐摩耗性が小さく、切削工具としての寿命はダイヤモンド被覆膜が剥離して、基材表面が露出したところで終わる。
通常、この発明のダイヤモンド被覆切削インサートにおけるダイヤモンド被覆膜は、1μm以上の膜厚があり、ダイヤモンド粒子は膜厚の1/10以下、好ましくは1/100程度であることが望ましい。このようにダイヤモンド粒子がダイヤモンド被覆膜の膜厚よりも十分に小さく、ダイヤモンド粒子が石垣状に積み重なってダイヤモンド被覆膜を形成していると、ダイヤモンド粒子一つひとつの剥離が、直ちにはダイヤモンド被覆膜の膜厚全体の剥離にならないのでダイヤモンド被覆膜の耐摩耗性が向上する。ダイヤモンド粒子が大きくかつカラム状に堆積している場合、切削時に受ける応力が連続する粒界に集中することにより、破損に至り易い。しかし、この発明のダイヤモンドの粒子は小さくかつランダムに配向しているので、切削時に受ける応力が小さい粒界に分散可能となり、ダイヤモンド被覆膜の耐剥離性を向上させることができる。石垣状に積み重なったダイヤモンド粒子は、例えばブロック塀やレンガ積みの壁面のように、同じ大きさの直方体のブロックやレンガが層状をなして規則正しく積み重なっているような状態ではなく、石垣のようにおおきさや形、並ぶ方向、結晶方位などが不規則になって積み重なっているダイヤモンド粒子の状態にあると考えられる。すなわち、この発明に係るダイヤモンド粒子は、ダイヤモンド被覆膜中で大きさも形状も均一ではなく、特に電子顕微鏡観察のような微視的観察をすれば、ダイヤモンド粒子の配置が不規則に並んでいる状態である。
この発明のダイヤモンド被覆切削インサートは、ダイヤモンド粒子がダイヤモンド被覆膜の膜厚よりも十分に小さく、ダイヤモンド粒子が膜厚方向に対して幾重にも重なって積み重なった状態のダイヤモンド被覆膜を有している(図3,5参照)。個々のダイヤモンド粒子は、電子顕微鏡により観察すると隣接するダイヤモンド粒子における結晶方位が互いに相違している。
このように個々のダイヤモンド粒子の結晶の大きさや結晶方位が異なっていると、ダイヤモンド粒子の熱膨張による歪が一定の方向性をもたなくなり分散され易い。このため、熱応力が緩和されるものと考えられる。このようなダイヤモンド粒子の不規則な配置により、ダイヤモンド被覆膜にかかる応力を個々のダイヤモンド粒子が剥離したり、ずれたりすることにより吸収し、ダイヤモンド被覆膜の膜厚方向全体への剥離を防いでいる。
この発明のダイヤモンド被覆切削インサートは、ダイヤモンド被覆膜中のダイヤモンド粒子間に非ダイヤモンド炭素成分、特にグラファイトが形成されていることが好ましい。グラファイト粒子等の非ダイヤモンド炭素成分は、図5に示すように、ダイヤモンド粒子の表面に結合しており、ダイヤモンド粒子に応力がかかったときに、グラファイト粒子等の非ダイヤモンド炭素成分が破壊したり移動したりして応力を緩和しているものと推定される。このような応力緩和作用は、ダイヤモンド被覆切削インサートが高温に曝されたときの熱応力に対しても、切削時の衝撃による機械的応力に対しても有効である。なお、ダイヤモンドはsp3結合にて結晶学的に規定された配列で炭素原子が並んだ状態となっているとされ、グラファイトはsp2結合にて炭素原子が配列しており二次元積層構造をゆうするものとされ、非晶質ダイヤモンドは炭素原子が不規則に配列した構造を有する。
この発明のダイヤモンド被覆切削インサートにおいてもダイヤモンド被覆膜の厚さは、3〜30μm、好ましくは5〜25μmとすることが望ましい。ダイヤモンド被覆膜の厚さが3μm未満であると、このダイヤモンド被覆切削インサートの使用中にこのダイヤモンド粒子が剥離して、ダイヤモンド被覆膜全体が剥離してしまうまでの時間が十分でない場合がある。また、ダイヤモンド被覆膜の厚さが30μm以上であると、工具としての使用中に、ダイヤモンド被覆膜中のダイヤモンド粒子の熱膨張と基材の熱膨張との違いにより熱応力が発生し易く、熱応力によるダイヤモンド被覆膜の剥離が起こるおそれがある。
以上の説明を定性的に、模式図的に説明すれば、図5に示すように、この発明におけるダイヤモンド被覆膜は、ナノサイズの微粒子であるダイヤモンド結晶粒子が積み重なって被膜を形成しており、そのダイヤモンド結晶粒子同士は、非ダイヤモンド炭素成分であるグラファイト及び/又は非晶質ダイヤモンドより結合されている。なお、図5においては、模式図として見やすくするため、膜厚に対してダイヤモンド粒子の大きさを相対的に大きく表示している。非ダイヤモンド炭素成分は、バインダやフィラーのような働きをしており、ダイヤモンド結晶粒子同士を結合している。
この発明に係るダイヤモンド被覆切削インサートにおける基材としては、その材質や種類等は特に限定されるものでなく、例えば超硬合金、アルミナセラミックス、ハイス鋼、CBN、窒化珪素、サイアロン等が挙げられる。その中でも、超硬合金が好ましい。特に超硬合金で形成された基材にあっては、その表面に炭窒化チタンを主成分とするβ相が存在する基材が好ましい。表面にβ相が存在すると、基材とダイヤモンド被覆膜との結合が強固となり特に好ましい。したがって、この発明の好適な一実施態様として、表面にβ相を有する超硬合金を基材とし、ダイヤモンド被覆膜を被覆してなるようなダイヤモンド被覆切削インサートが挙げられる。この発明のダイヤモンド被覆切削インサートは、どのような形状としても使用でき、従来から使用されている各種のスローアウェイチップの形状、例えば正方形、長方形、ひし形、三角形、その他の正多角形、円形などとすれば良い。なお、この発明のダイヤモンド被覆切削インサートにおいて、ダイヤモンド被覆膜の厚さは通常は数十ミクロン以下と基材の厚さ数mmに較べ無視できるほど薄いので、その形状は基材の形状でほぼ決定される。
基材上へのダイヤモンド被覆膜の形成方法については、気相合成法であれば特に限定するものではない。ダイヤモンド被覆膜の形成方法としては、マイクロ波プラズマCVD法、熱フィラメントCVD法、電子衝撃CVD法、高周波プラズマCVD法、レーザCVD法、直流プラズマCVD法など各種化学蒸着法によることができ、場合によってはアークイオンプレーティング法、反応性イオンプレーティング法などの各種物理蒸着法も利用できる。ダイヤモンド被覆膜の形成に用いる原料ガスは、炭素原子を含む化合物のガスであればよく、メタン、エタン、プロパン等の炭化水素系ガスの他、メタノール、エタノール等のアルコール系ガス、或は一酸化炭素等の酸化炭素系ガスを用いることもできる。原料ガスは水素ガスで希釈した混合ガスとすることが好ましい。一般的には、酸素原子を含まないガスであるメタンガスが好適に用いられ、メタンガスを水素ガスで希釈した混合ガスが用いられる。さらに、この発明のダイヤモンド被覆切削インサートの形成においては、上記混合ガス中にアルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス等の不活性ガスを添加することが好ましい。また、この発明におけるダイヤモンド被覆膜の形成において、ナノサイズの微小なダイヤモンド粒子を多数形成するためには、水素ガスとメタン等の原料ガスとの混合比を調整することが好ましい。さらに、ダイヤモンド粒子の粒径を制御するためには、窒素ガス等の不活性ガスの添加量を調整することが好ましい。
この発明のダイヤモンド被覆膜の形成においては、熱フィラメントCVD法、電子衝撃CVD法が好適に利用できる。図7は、この発明におけるダイヤモンド被覆膜製造に使用する電子衝撃CVD法を加味した熱フィラメントCVD法装置20の説明図である。11はこの熱フィラメントCVD法装置20のチャンバー、12はその排気管、13はチャンバー11内に導入するメタンと水素等の混合ガス導入管である。14はチャンバー11内に於ける基材用の台座であり、15は台座14上に載置されたダイヤモンド被覆形成用の基材である。16は基材15の上方に配置される熱フィラメント、17は熱フィラメント16の支持柱兼用の電圧印加用電極である。18及び19はそれぞれ電源である。
この熱フィラメントCVD法装置20による基材15に対する被覆膜の形成方法の一例について説明する。ダイヤモンド粒子を含有するダイヤモンド被覆膜を形成するときのチャンバー内の圧力は、通常1333.22Pa以上26664.4Pa以下(10Torr以上200Torr以下)である。ナノサイズのダイヤモンド微粒子を含有するダイヤモンド被覆膜を基材表面に形成するには、このチャンバー内の圧力を高くするのが好ましく、通常の場合3999.66Pa以上15998.64Pa以下(30Torr以上120Torr以下)である。チャンバー内に配置された基材の温度は、通常、700〜1000℃である。ナノサイズのダイヤモンド微粒子を含有するダイヤモンド被覆膜を基材表面に形成するには、基材の温度を高くするのが好ましく、通常の場合、750〜1000℃である。また、熱フィラメント16への印加電圧は10〜50V、同電流値は30〜100A、熱フィラメント電源18はAC又はDCとする。蒸着用の印加電圧、バイアス電圧は100〜1000Vとする。メタンと水素との組成比率はメタンが水素の1〜10vol%、好ましくは3〜7vol%とする。なお、窒素などの不活性ガスをメタン等の炭素源ガスに対し1〜20vol%、好ましくは5〜15vol%添加すると、ナノサイズのダイヤモンド粒子を含む被覆膜を形成することができて好ましい。熱フィラメント16と基材15との距離は5〜100mmとする。この実施態様においては、基材15は炭化タングステン超硬合金チップ(図1に示す四角形チップ:内接円12.7mm、厚4.76mm)とした。そして、チップ上に3〜30μmのダイヤモンド被覆膜が形成されるまで被覆操作を続ければ、この発明のダイヤモンド被覆切削インサートが製造できる。
上述したこの発明のダイヤモンド被覆切削インサートは、高温での硬度及び耐摩耗性に優れており、アルミニウム等の高速切削用の切削工具の刃先として優れた性質を持っている。このダイヤモンド被覆切削インサートは耐熱性、耐摩耗性に優れた長寿命の切削用スローアウェイチップとして有用であり、さらに、このダイヤモンド被覆切削インサートを、例えば図2に示すような外径加工用の切削工具2のホルダー3に設置すれば、優れた切削工具として各種の切削加工、特にアルミニウム等の高速切削加工に好適に使用できる。
この発明に係るダイヤモンド被覆切削インサートを備えた切削工具の種類は、どのようなものでもよく、例えば外径加工用工具、内径加工用工具、溝入れ工具、ねじ切り工具、面取り工具、パイプビード加工用工具、エンドミル,ミニチュアドリル等が挙げられる。通常は、上記切削工具は、スローアウェイチップ又は単にチップと呼ばれる切削インサートを備えたチップ交換式の工具である。この発明の切削工具は、耐久性を著しく向上している。
この発明を実施するための形態を具体的な実施例及び比較例によって示す。
(1)ダイヤモンド被覆切削インサートの作製
(実施例1〜6)
図1に示すようなβ炭化タングステンを含む超硬合金製のスローアウェイチップ基材上に、図6に示す熱フィラメントCVD法装置でダイヤモンド被覆膜を形成した。
ダイヤモンド被覆膜形成条件は以下のようにした。
チャンバ内圧:3999.66Pa(30Torr)、
チャンバ温度(基材温度):800℃、
混合ガス供給速度:500ml/分、
供給混合ガス組成比率(vol比):水素/メタン/窒素=960/40/4、
フィラメント印加電圧/電流:20V/100A、
フィラメント温度:1800℃、
バイアス電圧:300V、
ダイヤモンド被覆膜形成時間:3〜30時間、
ダイヤモンド被覆膜厚さ:実施例毎に表1に示す。
実施例1で形成された被覆膜のTEM写真を図3に示した。
(比較例1〜4)
前記実施例1〜6における被覆膜を形成する条件において、比較例1ではガス種を水素雰囲気に代え、比較例2では合成温度を低温側に代えた他は前記実施例1〜5における条件と同様にして、基材の表面に被覆膜を形成してダイヤモンド被覆切削インサートを製造した。比較例1で形成された被覆膜のTEM写真を図4に示した。比較例3,4については、特公昭62−6747号公報に記載の実施例に準じてダイヤモンド被覆切削インサートを製造した。
(2)ダイヤモンド被覆切削インサートの性状評価及び切削性能評価
実施例、比較例で製造したダイヤモンド被覆切削インサートの顕微鏡観察による粒径の測定、及び切削剥離試験結果を表1に示した。なお、図3,4には実施例1及び比較例1のダイヤモンド被覆切削インサートにおけるダイヤモンド被覆膜の電子顕微鏡写真を示した。
・顕微鏡観察による粒径の測定
ダイヤモンド粒子の粒径測定においては、ダイヤモンド被覆膜断面の電子顕微鏡観察により、粒子毎の最大長さを各粒子の粒径として測定する。10μmの面積中の粒径10nm以上のダイヤモンド粒子を全て測定して、その数平均粒径、及び100μm以上、200μm以上の粒径の粒子の数の割合を算出する。
・切削剥離試験
切削速度及び切り込みを一定にして切削を開始し、一定加工長ごとに切削送りをf=0.1mm/revずつ増加させていき、ダイヤモンド被覆膜の剥離が起きるまで続ける。ダイヤモンド被覆膜の剥離が起きたときの切削送りにより評価した。各実施例、比較例毎に4個のチップを作り、切削剥離試験を行い、その平均値を表1に示した。
被削材:アルミニウム合金(AC4A)、25×200×100mmの一枚板
カッタ:サンドビックRA285.2S−100−15j−31.75
(φ100 A,R+7° R,R0° 一枚刃にて評価)
スローアウェイチップ形状:
a;SPGN432
b;SPGN422
切削速度:471mm/min(S=1500rpm)
送り:f=0.1〜 mm/rev、 切り込み:d=0.5mm、 切削油:あり
Figure 2008100300
表1に示すように、この発明のダイヤモンド被覆切削インサートを備えた切削工具(実施例1〜6)は、ミクロンサイズのダイヤモンド粒子により形成されたダイヤモンド被覆膜(比較例1〜4)を形成したダイヤモンド被覆切削インサートを備えた切削工具に較べて、切削送りが大きく、耐久性が高いことが分かる。また、この発明のダイヤモンド被覆切削インサートを備えた切削工具は、ダイヤモンド被膜の厚さを3〜30μmとすると、特に切削送りが大きくなるまで使用可能で、耐久性が高くなることが分かる。
この発明のダイヤモンド被覆切削インサート及びこれを備えた切削工具は耐摩耗性、耐剥離性に優れた長寿命のスローアウェイチップ及び切削工具としてアルミニウム材をはじめとする各種材料の加工、特に高速加工に好適に使用できる。
図1は切削インサートの斜視図である。 図2は外径加工用ホルダーにインサートを取り付けた切削工具の正面図である。 図3はこの発明のダイヤモンド被覆切削インサートにおけるダイヤモンド被覆膜の電子顕微鏡写真である。 図4は従来のダイヤモンド被覆切削インサートの電子顕微鏡写真である。 図5はこの発明のダイヤモンド被覆膜の模式図である。 図6は従来のダイヤモンド被覆膜の模式図である。 図7は熱フィラメントCVD法装置の説明図である。
符号の説明
1:インサート
2:切削工具
3:ホルダ
B:ダイヤモンド被覆膜の膜厚
4:ダイヤモンド被覆膜
5:ダイヤモンド被覆膜
6:ナノサイズのダイヤモンド粒子
7:ミクロンサイズのダイヤモンド粒子
8:グラファイト
9:非晶質ダイヤモンド
10:基材
11:チャンバー
12:排気管
13:混合ガス導入管
14:台座
15:基材
16:熱フィラメント
17:支持柱兼用の電極
18:電源
19:電源
20:熱フィラメントCVD法装置

Claims (6)

  1. 超硬合金の基材表面に形成されたダイヤモンド被覆膜中のダイヤモンド粒子のうち粒径200nm以下の粒子の数の割合が50%以上であり、隣接するダイヤモンド粒子における結晶方位が相違してなることを特徴とするダイヤモンド被覆切削インサート。
  2. 前記ダイヤモンド被覆膜が気相合成法により形成されて成る前記請求項1に記載のダイヤモンド被覆切削インサート。
  3. ダイヤモンド被覆膜中のダイヤモンド粒子間に非ダイヤモンド炭素成分が存在して成る請求項1又は2に記載のダイヤモンド被覆切削インサート。
  4. ダイヤモンド被覆膜の膜厚が3〜30μmである請求項1〜3のいずれか一項に記載のダイヤモンド被覆切削インサート。
  5. 前記超硬合金の基材表面は炭窒化チタンを主成分とするβ相を含有して成る請求項1〜4のいずれか1項に記載のダイヤモンド被覆切削インサート。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のダイヤモンド被覆切削インサートを備えた切削工
    具。
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