JP2008099663A - 潅水樋と育苗装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】極めて簡単な構造で設備コストを安価にしながら、各々の培地の株元に均一に潅水して、炭疽病等の病気の発生を有効に阻止する。
【解決手段】潅水樋は、育苗トレイ2に設けている複数の収納部20に配置される培地3に、所定の間隔で潅水孔5を設けている潅水チューブ4で潅水するための樋である。この潅水樋は、潅水チューブ4を上に載せる細長い形状であって、その上面には、複数に区画された凹部10を設けており、この凹部10には、収納部20に配置している培地3に潅水する排出部13を設けている。潅水樋は、潅水チューブ4の潅水孔5から供給される水を凹部10に供給し、凹部10の排出部13から各々の培地3に潅水する。
【選択図】図1

Description

本発明は、植物の種苗を植え付けしている培地に潅水する潅水樋と、この潅水樋を備える育苗装置に関する。
従来の農作物等の植物の灌水方式は、頭上灌水が広く利用されてきた。例えば、種苗の育苗においては、頭上灌水では、複数の種苗を配置した種苗ポットの上方に配置された散水口からシャワー状に散水されて水分が供給される。しかしながら、この方式では、各種苗に対して均一な灌水が難しいという問題があった。育苗して葉が生い茂るようになると、葉に遮られて株元まで水がかからず、種苗毎に灌水のムラができやすくなり、生育の良い種苗程、灌水ができなくなる傾向にあり、均質な種苗を生育できないという問題があった。
とくに、イチゴの育苗においては、炭疽病などの病害の伝染が問題となっている。炭疽病等の病害は、一般に雨や散水の水滴によって周囲の株に伝搬する。したがって、頭上灌水では、散水によって水と共に病害も散布してしまうこととなる。特に散水した水滴が土や泥を跳ね上げる結果、葉や茎の表面を傷付けてしまい、ここから病原菌が侵入して感染する。
さらに、イチゴの栽培においては、炭疽病に対する対策が最重視されている。炭疽病が蔓延するとイチゴは収穫できなくなる。このため、炭疽病が原因でイチゴの生産を中止する農家もあるなど、日本全国において、炭疽病をいかに少なくできるが最重要課題となっている。さらに、農薬の使用量を少なくしながら炭疽病を有効に阻止する技術が切望されている。さらに、このことに加えて、近年のイチゴは、炭疽病に対する耐性が弱くなる傾向がある。それは、品種改良が、炭疽病に対する耐性よりも、イチゴの甘さや風味を優先して行われるからである。困ったことに、美味なイチゴは炭疽病に弱くなる傾向にある。このことから、美味で高品質なイチゴの栽培には、炭疽病対策が極めて重要である。
イチゴの炭疽病は、育苗環境を快適にすることによって改善することができる。病原菌の伝染は、温度より湿度が重要で、夕方にはポット表面、茎葉が乾くように、長時間の灌水はしない。密植を避け通風をよくして、株内の湿度を下げることが重要である。また、本病の伝染方法は、病斑上に形成された胞子が雨滴や灌水の飛沫とともに飛散し、周辺株に感染するので、灌水時は水滴が跳ね上がらないように株元への灌水方法が切望されているのが実状である。
株元に灌水する方式としては、ドリップ灌水あるいは点滴灌水と呼ばれる方式が開発されている(例えば、特許文献1参照)。ドリップ灌水では、送水パイプから分岐管で分枝し、接続されたホースにより各種苗へ水分を供給する。これにより、周囲に水を飛散しないため、水滴に起因する炭疽病などの病害の伝染を防止できる。
しかしながら、ドリップ灌水は各々の培地に均一に灌水できない欠点がある。それは、ドリップ灌水は、送水の動力源として、圧力ポンプや水中ポンプを使用し、これに送水パイプを連結し、この送水パイプに連結している可撓性ホースを培地に配置している。この構造は、水圧は送水パイプのポンプに近い部分で高く、送水パイプが長くなるほど送水圧力が次第に低くなる。その結果、30分間も灌水するとポンプに近い部分では水量が多くなって過水状態となり、ポンプから離れた部分では水量不足の不均衡状態が生ずる。従って農作物に対する影響も大きなばらつきを生じる。また、水源は、主として河川や井戸水を利用するので不純物の混入も多く、これが口径の小さい噴出ノズルに詰まりやすい欠点もある。このため、余分の水を灌水する必要があって灌水量が相当に多くなり、農作物が実際に必要とする水量のほぼ10倍以上の水量を無駄に消費しているが実状である。また、ドリップ灌水に使用している可撓性ホースが各々種苗へ配置されているため、種苗の葉かきや芽の整理のときに、邪魔になり作業性が非常に低下してしまう欠点がある。
特開2001−186823号公報
ところで、近年、長尺性に優れた点滴灌水チューブが開発されている。この点滴灌水チューブは、単位面積当たりの潅水量が少ないため、同時に広い面積に潅水でき、また、株元等に滴下し、地中で拡散させるため、水の無駄がなく節水でき、さらにまた、必要水量が少ないので、ポンプ、配管径等が小さくてすみ、コストを低くできるなどの特徴を備えている。この点滴灌水チューブは、一定の灌水孔間隔(たとえば、10cm)で、点滴灌水する。これに対して、育苗トレイに収納した種苗等の間隔は、8cm、または9cmとなり、点滴灌水チューブの滴下位置と合わない。種苗は、育苗ポットだけの配置では、強風や散水時にポットが転倒するため、通常は、育苗トレイに収納して育苗をしている。このように、育苗トレイに収納した種苗等の間隔と、点滴灌水チューブの灌水孔の間隔とが合わないと、点滴灌水チューブから種苗の株元に正確に灌水できない。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、極めて簡単な構造で設備コストを安価にしながら、各々の種苗の株元に均一に潅水して、炭疽病等の病気の発生を有効に阻止できる潅水樋と、この潅水樋を備える育苗装置を提供することにある。
本発明の潅水樋は、育苗トレイ2に設けている複数の収納部20に配置される培地3に、所定の間隔で潅水孔5を設けている潅水チューブ4で潅水する樋である。この潅水樋は、潅水チューブ4を上に載せる細長い形状であって、その上面には、複数に区画された凹部10を設けており、この凹部10には、収納部20に配置している培地3に潅水する排出部13を設けている。潅水樋は、潅水チューブ4の潅水孔5から供給される水を凹部10に供給し、凹部10の排出部13から各々の培地3に潅水する。
本発明の潅水樋は、上に載せられる潅水チューブ4の横ずれを阻止する保持側壁14を上面の両側に設けることができる。
本発明の潅水樋は、排出部13の先端に突出部16を設けて、この突出部16の下面に水切り凸部17を設けることができる。
本発明の潅水樋は、下面に位置決め凸部15を設けて、この位置決め凸部15を育苗トレイ2の隔壁22に係止して、育苗トレイ2の定位置に配置することができる。
本発明の潅水樋は、凹部10の底面を、排出部13に向かって下り勾配に傾斜させることができる。
さらに、本発明の潅水樋は、凹部10の全長(L)を2cm以上とすることができる。
本発明の育苗装置は、複数の収納部20を有する育苗トレイ2と、この育苗トレイ2の上に配置されて、潅水チューブ4から供給される水を育苗トレイ2の収納部20に配置される培地3に供給する潅水樋1とを備える。潅水樋1は、潅水チューブ4を上に載せる細長い形状であって、その上面には、複数に区画された凹部10を有すると共に、この凹部10は、収納部20に配置している培地3に潅水する排出部13を設けている。育苗装置は、潅水チューブ4の潅水孔5から供給される水を凹部10に供給し、凹部10の排出部13から各々の培地3に潅水する。
本発明の育苗装置は、育苗トレイ2の収納部20に、種苗ポット6を介して培地3を配置することができる。
本発明の育苗装置は、ひとつの育苗トレイ2に、複数の潅水樋1を直列に並べて配設することができる。
さらに、本発明の育苗装置は、育苗トレイ2と潅水樋1をプラスチックで一体成形することができる。さらにまた、本発明の育苗装置は、潅水樋1に沿って配設される収納部20の間隔(K)を、潅水チューブ4の潅水孔5の間隔(D)と等しくすることができる。
本発明の潅水樋は、極めて簡単な構造で設備コストを安価にしながら、各々の培地に均一に潅水できる特徴がある。それは、本発明の潅水樋が、潅水チューブを上に載せる細長い形状であって、その上面には、複数に区画された凹部を設け、さらにこの凹部には、育苗トレイの収納部の培地に潅水する排出部を設けており、潅水チューブの潅水孔から供給される水を凹部に供給し、凹部の排出部から各々の培地に潅水するからである。とくに、この構造の潅水樋は、育苗トレイと潅水チューブとの間に配設して、潅水チューブの潅水孔から供給される水を、漏らさず確実に培地に供給できる特徴がある。この構造は、ドリップ灌水のように、各々の収納部の培地に潅水チューブを連結する必要がなく、育苗トレイの上に簡単な構造の潅水樋を配置して、この上に潅水チューブを載せる極めて簡単な構造となる。このため、設備コストを著しく低減できる。また、従来の潅水チューブを使用するドリップ灌水では、各々の潅水チューブが均一に潅水するのが難しいが、本発明では、各々の凹部から培地に滴下して補給するので、多数の収納部に均一に潅水できる。
また、本発明の請求項2の潅水樋は、上に載せられる潅水チューブの横ずれを阻止する保持側壁を上面の両側に設けているので、潅水チューブを上に載せてずれないように定位置に配置できる。このため、潅水チューブを潅水樋に結束する等の方法で連結する必要がなく、潅水樋と潅水チューブを簡単に設置できる。
さらに、本発明の請求項3の潅水樋は、排出部の先端に突出部を設けており、この突出部の下面に水切り凸部を設けている。この潅水樋は、凹部に供給される水を、正確に培地に潅水できる。それは、凹部の排出部から流れ出す水を、排出部の下面に沿って流すことなく、水切り凸部で確実に滴下して培地に供給するからである。
また、本発明の請求項4の潅水樋は、下面に位置決め凸部を設けており、この位置決め凸部を育苗トレイの隔壁に係止して、育苗トレイの定位置に配置されるようにしている。この構造の潅水樋は、育苗トレイの上に載せて、育苗トレイの定位置に配置できるので、簡単に育苗トレイの決められた正確な位置に配置でき、また、配置する状態で位置ずれしない。
さらに、本発明の請求項5の潅水樋は、凹部の底面を、排出部に向かって下り勾配に傾斜させているので、潅水チューブから凹部に供給される水を、スムーズに、また確実に培地に供給できる。
また、本発明の請求項8の育苗装置は、育苗トレイの収納部に、種苗ポットを介して培地を配置しているので、栽培される種苗を能率よく別の培地に植え付けできる。
さらに、本発明の請求項9の育苗装置は、ひとつの育苗トレイに、複数の潅水樋を直列に並べて配設しているので、ひとつの潅水樋を短くして、能率よく安価に多量生産できる。
さらに、本発明の請求項10の育苗装置は、育苗トレイと潅水樋をプラスチックで一体成形しているので、潅水樋が育苗トレイから外れたり位置ずれすることがなく、潅水樋の排出部を育苗トレイの収納部の正確な位置に配置できる。このため、潅水チューブから潅水樋に供給される水を排出部から各々の培地に確実に潅水できる。また、育苗トレイと潅水樋を一体成形しているので、育苗装置の組み立てや収納を簡単にして、能率よく作業できる特長がある。
さらにまた、本発明の請求項11の育苗装置は、潅水樋に沿って配設される収納部の間隔(K)を、潅水チューブの潅水孔の間隔(D)と等しくしているので、潅水チューブの潅水孔から供給される水を全ての凹部に確実に供給して各々の培地に確実に潅水できる特長がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための潅水樋と育苗装置を例示するものであって、本発明は潅水樋と育苗装置を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに、以下の説明において、同一の名称、符号については、同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
図1と図2に示す育苗装置は、収納部20に充填している培地3に種苗Sを植え付けし、培地3に潅水して種苗Sを生育させる。この育苗装置は、種苗Sを植え付けする培地3を充填する収納部20を複数形成した育苗トレイ2と、育苗トレイ2の上面に配置される潅水樋1と、この潅水樋1に水を供給するための潅水チューブ4とを備えている。なお、図1と図2に示す育苗装置は、潅水樋1の構造を理解しやすくするために、図において、手前側に配置される潅水樋1の上に配設される潅水チューブ4を省略している。実際の育苗装置においては、手前に配置される潅水樋1の上にも、潅水チューブ4が配設されており、この潅水チューブ4から潅水樋1に水が供給される。
育苗トレイ2は、プラスチックを射出成形し、あるいは真空成形して全体を製作される。育苗トレイ2は、複数の種苗Sを生育するために、培地3を配置する複数の収納部20を縦横に並べて設けている。育苗トレイ2は、長方形状の外周壁21の内側に、複数の隔壁22を格子状に設けて、複数の収納部20を複数行、複数列に区画している。図1と図2の育苗トレイ2は、4×6個の収納部20を縦横に並べて設けている。
図に示す育苗トレイ2は、収納部20に種苗ポット6を配置して、この種苗ポット6に培地3を充填している。すなわち、この育苗トレイ2は、培地3を充填している種苗ポット6を収納部20に配置すると共に、この培地3に種苗Sを植え付けして、複数の種苗Sを所定の位置に配置している。このように、種苗ポット6に種苗Sを植え付けする構造は、生育した種苗Sを、育苗トレイ2から簡単に取り出して移動できる特長がある。それは、培地3を充填している種苗ポット6を収納部20から取り出して種苗Sを培地3ごと移動できるからである。
種苗ポット6は、種苗Sを栽培するための容器で、内部に栽培用の培地3を収納している。種苗ポット6は、プラスチックシートを上方開口の容器形状に成形したものである。この種苗ポット6は、安価で、しかも軽いので、多数の種苗Sを栽培する育苗装置に最適である。ただ、種苗ポットは、必ずしもプラスチックシートで成形する必要はなく、硬質または軟質のプラスチックで所定の厚さの容器形状に成形することも、不織布等のシート材で成形することもできる。収納部20に配設される種苗ポット6は、上方から培地3に水が供給されて、培地3に植え付けらた種苗Sを生育させる。種苗ポット6は、図3と図4の拡大断面図に示すように、底から水を排水するために、底面に排水穴6aを開口している。
収納部20に種苗ポット6を収納する育苗トレイ2は、図1と図2に示すように、収納部20の内面に開口部を設けて、全体を軽くすると共に、使用するプラスチックの量を少なくして安価に製造できる。図に示す育苗トレイ2は、外周壁21と隔壁22を格子状に連結して各々の収納部20を縦横に区画している。さらに、育苗トレイ2は、各々の収納部20において、種苗ポット6の側面を保持する保持部23と種苗ポット6の底面を支持する支持部24とを、枠形状に連結された外周壁21や隔壁22の下方に配設している。保持部23は、収納部20の底面である支持部24と外周壁21や隔壁22とを連結する幅の狭い板状で、種苗ポット6の側面と対向する位置に設けている。支持部24は、種苗ポット6の底面を支持する板状で、種苗ポット6に潅水された過剰な水を排水するための排水穴25を中心に開口している。さらに、育苗トレイ2は、下面に突出して凸部26を設けて、育苗トレイ2を台の上に載せる状態で、排水穴25を塞がないようにしている。
図に示す育苗トレイ2の収納部20は、種苗ポット6を取り出しやすいように、開口部に向かって次第に開口面積を大きくするテーパー状としている。図の収納部20は、開口部の平面形状を正方形として、全体の形状を四角錐台状として、底の面積を開口部よりも小さくしている。ただ、収納部の開口部は、隔壁や外周壁の交差部分の内面を湾曲させて、コーナー部が湾曲する四角形状とすることもできる。さらに、収納部20は、必ずしも角錐台状とする必要はなく、円錐台状、あるいは角柱状や円柱状等とすることもできる。収納部20の大きさと形状は、生育させる種苗Sにより一定ではないが、たとえば開口部の幅を4〜10cm、底面の幅を2〜8cmとし、深さを5〜15cmとする。
以上の育苗トレイ2は、収納部20に種苗ポット6を配置して培地3を配設しているが、育苗トレイは、必ずしも種苗ポットを配置する必要はない。育苗トレイは、図5に示すように、収納部20を、直接に培地3を収納できる構造とすることもできる。この育苗トレイ2は、外周壁21や隔壁22で区画される収納部20を容器形状として、この収納部20の内部に直接に培地3を充填して種苗Sを植え付けている。この収納部20も、培地3に供給される余剰の水を排水する排水穴25を底面に開口している。
育苗装置は、育苗トレイ2の収納部20に、多数の種苗Sを配置している。図1に示す育苗装置は、4行6列に区画される育苗トレイ2の収納部20において、各行に3個、各列に2個の種苗Sを、それぞれ交互に配置して、全体で12個の種苗Sを配置している。すなわち、この育苗装置は、育苗トレイ2の互いに隣接する収納部20には、種苗Sを配置していない。このように、交互に種苗Sを配設する構造は、隣接する種苗間での病気の伝染を有効に防止できる特長がある。また、図2に示す育苗装置は、4行6列に区画される全ての収納部20に種苗Sを配設している。したがって、全体で24個の種苗Sを配置している。この育苗装置は、一度に多数の種苗Sを生育できる。
潅水樋1は、育苗トレイ2の上面に配設されて、収納部20に配置される培地3に潅水する。図1と図2に示す潅水樋1は、潅水チューブ4を上に載せる細長い形状であって、プラスチックで一体成形される。潅水樋1は、その上面に、複数に区画された凹部10を設けている。この凹部10は、収納部20に配置している培地3に潅水するための排出部13を設けている。潅水樋1は、図3と図4に示すように、上に配設される潅水チューブ4の潅水孔5から滴下する水が凹部10に供給される。さらに、潅水樋1は、凹部10に供給される水を排出部13から各々の培地3に潅水する。
図1と図2に示す育苗装置は、収納部20を4行6列に区画する育苗トレイ2の、1行目と2行目の間に位置する隔壁22と、3行目と4行目の間に位置する隔壁22の上面に潅水樋1を直線状に配置している。図1に示す育苗装置は、種苗Sを潅水樋1の左右に、交互に配置しているので、この潅水樋1は、左右に交互に潅水できる構造としている。図2に示す育苗装置は、種苗Sを潅水樋1の両側に並べて配置しているので、この潅水樋1は、両側に潅水できる構造としている。
さらに、図1と図2に示す育苗装置は、ひとつの育苗トレイ2に複数の潅水樋1を直列に並べて配設している。図の育苗装置は、1列の隔壁22に対して、2本の潅水樋1を直列に並べて、直線状に配置している。ただ、育苗装置は、育苗トレイに設ける収納部の数に応じて、3本以上の潅水樋を直列に並べることもできる。図の育苗装置は、2本の潅水樋1を直列に並べて、6列の収納部20に対応させるので、各々の潅水樋1は、3列の収納部20に対応させている。すなわち、図1の育苗装置は、1本の潅水樋1で、左右のいずれか片側の3箇所の収納部20に交互に潅水し、図2の育苗装置は、1本の潅水樋1で、左右両側の6箇所の収納部20に潅水する構造としている。このように、複数の潅水樋1を直列に並べて配列する構造は、1本の潅水樋1を短くできるので、潅水樋を成形する金型を簡単にして、能率よく多量に製造できる特長がある。
図1と図3に示す育苗装置の潅水樋1を図6ないし図9に、図2と図4に示す育苗装置の潅水樋1を図10ないし図13に示す。
図6ないし図9の潅水樋1は、左右の3箇所の収納部20に潅水するので、3個の凹部10を1列に設けている。この潅水樋1は、上面の両側に沿う側壁11を有すると共に、これらの側壁11を連結する区画壁12を両端と中間とに設けて、区画壁12で複数の凹部10に区画している。すなわち、この潅水樋1は、両側の側壁11と区画壁12とで囲まれた部分を凹部10としている。
図10ないし図13の潅水樋1は、左右の6箇所の収納部20に潅水するので、左右の2列に3個ずつの凹部10を設けている。この潅水樋1は、上面の両側に沿う側壁11と、2列の側壁11の中間に設けた中間壁18とを有しており、側壁11と中間壁18を連結する区画壁12を両端と中間とに設けて、中間壁18と区画壁12とで複数の凹部10に区画している。すなわち、この潅水樋1は、側壁11と中間壁18と区画壁12とで囲まれた部分を凹部10としている。
潅水樋1の上面に設けられる各々の凹部10は、収納部20に配置している培地3に潅水する排出部13を端部に設けている。ただ、排出部は、凹部の中央部に設けることもできる。図に示す潅水樋1は、一方の側壁11を切欠して排出部13を設けている。この排出部13は、潅水チューブ4から凹部10に供給される水を流下させて培地3の株元に供給する。したがって、排出部13の間隔(H)は、育苗トレイ2に配設される収納部20の間隔(K)、いいかえると育苗トレイ2に収納される種苗Sの間隔と等しくしている。さらに、凹部10は、その底面を、排出部13に向かって下り勾配に成形している。この形状の凹部10は、潅水チューブ4から供給される水を傾斜面である底面に沿って流下させて、排出部13からスムーズに排出できる。これらの凹部10は、上に配設される潅水チューブ4の潅水孔5から滴下する水を確実に受け取ることができるように、その全長(L)を2cm以上、好ましくは、4cm以上としている。
図6ないし図9に示す潅水樋1は、隔壁22の左右に交互に配置される培地3に潅水できるように、凹部10に設ける排出部13を左右に交互に設けている。この潅水樋1は、図6と図8において、手前から順に、左、右、左と交互に排出部13を設けている。この構造の潅水樋1は、同じタイプのものを左右反転する状態で直列に並べて、左右に交互に配置される6箇所の培地3に潅水できる。図1に示す育苗装置は、互いに直列に配置する2本の潅水樋1を、点対称の位置に配置している。直列に配置される2本の潅水樋1は、前方の潅水樋1が、手前から順に、左、右、左と交互に潅水し、後方の潅水樋1が、手前から順に、右、左、右と交互に潅水する。したがって、2本の潅水樋1でもって、隔壁22の左右に交互に配置される6箇所の培地3に交互に潅水できる。この潅水樋1は、上方に1本の潅水チューブ4を配設して、この潅水チューブ4の潅水穴5から各凹部10に供給される水を左右に配置される培地3に交互に潅水する。
また、図10ないし図13に示す潅水樋1は、隔壁22の両側に配置される培地3に潅水できるように、両側の側壁11の対向する位置に排出部13を設けている。この潅水樋1は、図4に示すように、2列に配列される凹部10の上方に、2列に潅水チューブ4を配置して、2本の潅水チューブ4の潅水穴5から各凹部10に供給される水を左右に交互に潅水する。この潅水樋1も、同じタイプのものを直列に並べて、両側に配置される全ての培地3に潅水できる。図2に示す育苗装置は、互いに直列に配置する2本の潅水樋1を、左右を反転して点対称の位置に配置している。
以上のように、同じタイプの潅水樋1を、直列に並べて配置する構造は、製造コストを低減しながら安価に多量生産して、しかも理想的に潅水できる特長がある。また、直列に配置する2本の潅水樋1の間隔を自由に調整して、排出部13の位置を調整できる特長もある。ただ、育苗装置は、必ずしも複数本の潅水樋を直列に並べて配置する構造には特定しない。育苗装置は、ひとつの潅水樋を、長く成形して、ひとつの潅水樋で全ての列の収納部に潅水する構造とすることもできる。
さらに、以上の図に示す潅水樋1は、排出部13から排出される水を、確実に培地3に供給するために、排出部13の先端に突出部16を設けている。図に示す突出部16は、凹部10の底面を、側壁11よりも外側まで突出させたものである。さらに、図の潅水樋1は、排出部13から排出される水を突出部16の先端から滴下させるために、突出部16の両側にも側壁を設けている。図の潅水樋1は、排出部13において側壁11を折曲して折曲壁11Aとし、この折曲壁11Aを突出部16の両側に配設して側壁としている。このように、排出部13の先端に突出部16を設ける構造は、排出部13から排出される水を、収納部20の中心方向に向かって排出するので、確実に培地3に潅水できる特長がある。
さらに、図に示す潅水樋1は、排出部13から排出される水を、排出部13の下面に沿って流すことなく、確実に滴下させて培地3に供給するために、突出部16の下面に水切り凸部17を設けている。図3、図4、図9及び図13に示す水切り凸部17は、下端に向かって厚さが次第に薄くなる先細り形状としている。この形状の水切り凸部17は、表面に沿って水を流下させると共に、流下する水を先端縁で水切りして、確実に培地3に滴下させる。したがって、排出部13から排出される水を、正確かつ確実に培地3に供給できる。ただ、水切り凸部は、以上の形状に特定せず、排出部から排出される水を潅水樋の下面に沿って流すことなく、確実に流下させて滴下できる他の全ての構造とすることができる。たとえば、水切り凸部は、図示しないが、下端を細くする先細り形状の凸部とすることもできる。さらに、突出部は、必ずしも下面に水切り凸部を設けることなく、図14に示すように、流下する水を案内する下り勾配の傾斜溝19を有する形状として、この傾斜溝19の先端縁で流下する水を水切りして培地に滴下させることもできる。
潅水樋1は、隔壁22の上端面に載せて定位置に配置している。潅水樋1は、隔壁22の上面の定位置に配置するために、下面に位置決め凸部15を設けている。図7と図9に示す潅水樋1は、位置決め凸部15を、両側に交互に設けている。図の潅水樋1は、位置決め凸部15を、排出部13と反対側の下面に設けている。この構造の潅水樋1は、図7の鎖線で示すように、位置決め凸部15を、隔壁22の片側に配置して、すなわち、隔壁22の両側に位置する収納部20に交互に挿入して、潅水樋1を定位置に保持する。ただ、潅水樋は、隔壁の両側に位置して一対の位置決め凸部を設けることもできる。
また、図11と図13に示す潅水樋1は、位置決め凸部15を、隔壁22の両側に位置して設けている。図の潅水樋1は、下面の中央部に、一対の位置決め凸部15を設けている。この構造の潅水樋1は、図11の鎖線で示すように、位置決め凸部15を、隔壁22の両側に配置して、言い換えると、一対の位置決め凸部15の間にできる隙間に隔壁22を挿入して、潅水樋1を安定して定位置に保持する。
位置決め凸部15は、その突出量が小さいと、隔壁22の上面の正確な位置に潅水樋1を位置決めできなくなるおそれがある。したがって、位置決め凸部15は、その突出量を大きくして、潅水樋1を安定して定位置に配置できる。ただ、位置決め凸部15の突出量が大きすぎると、収納部20に配置される培地3に接触して、潅水樋1を隔壁22の上面に安定して配置できなくなる。したがって、位置決め凸部15の突出量は、これらのことを考慮して、潅水樋1を位置ずれすることなく安定して隔壁22の上面に配置できる最適量に調整される。位置決め凸部15の突出量は、たとえば、2〜20mm、好ましくは、5〜10mmとする。
図9と図13の潅水樋1は、下面から下方に突出する凸条を設けて位置決め凸部15としている。凸条である位置決め凸部15は、図7と図11に示すように、凸条の側面を隔壁22の内面に沿わせて、正確に位置決めできる特長がある。また、凸条である位置決め凸部15は、図7と図11に示すように、その全長(T)を収納部20の内幅(W)よりも短くしている。それは、収納部20の開口部に配設された位置決め凸部15を収納部20の内側で軸方向に移動させて、潅水樋1の連結位置を微調整させるためである。したがって、位置決め凸部15の全長(T)は、好ましくは、収納部20の開口部の内幅(W)の80%以下、好ましくは70%以下、最適には約50%とする。
ただ、位置決め凸部の形状は、凸条に特定しない。位置決め凸部は、潅水樋を隔壁の上面の定位置に位置決めしながら配置できる他の全ての形状とすることができる。位置決め凸部は、たとえば、円柱状とすることもできる。円柱状の位置決め凸部は、複数個を交互に配置し、あるいは両側に配置して、潅水樋を隔壁の上面の定位置に安定して配置できる。
さらに、潅水樋1は、上に載せられる潅水チューブ4の横ずれを阻止する保持側壁14を上面の両側から突出して設けている。図6ないし図9に示す潅水樋1は、図1と図3に示すように、上方に1本の潅水チューブ4を配設するので、この潅水チューブ4の両側を保持する一対の保持側壁14を設けている。また、図10ないし図13に示す潅水樋1は、図2と図4に示すように、上方に2本の潅水チューブ4を配設するので、2本の潅水チューブ4を所定の位置に保持するように保持側壁14を設けている。この潅水樋1は、上面の両側から突出する保持側壁14で2本の潅水チューブの両側を支持している。さらに、この潅水樋1は、中間壁18から突出する突出壁18Aを設けており、この突出壁18Aを2本の潅水チューブ4の間に挿入して、2本の潅水チューブ4を正確に位置決めしている。ただ、潅水樋は、中間壁を高く成形して、2本の潅水チューブの間に挿入して位置決めすることもできる。以上の図に示す潅水樋1は、一方の端部に保持側壁14を設けている。これらの潅水樋1は、図1と図2に示すように、育苗トレイ2の上面に配置する状態で、育苗トレイ2の上面から外側に突出する部分に保持側壁14を配設している。ただ、図示しないが、保持側壁は、潅水樋の両端部に設けることも、中間部に設けることもできる。このように、保持側壁14を備える潅水樋1は、潅水チューブ4を定位置に配置できる。
さらに、潅水樋1は、図16ないし図19に示す構造とすることもできる。なお、これらの図において、前述の実施例と同じ構成要素については、同符号を付してその詳細な説明を省略している。これらの図に示す潅水樋1は、使用しないときに、互いに重ね合わせてコンパクトに収納できる構造としている。図の潅水樋1は、位置ずれしないように上下に重ねることができるように、両端部の下面に嵌入凸部31を設けている。この嵌入凸部31は、下方に積層される潅水樋1の凹部10に案内されて、上下に積層される潅水樋同士が前後左右に位置ずれするのを防止する。したがって、この嵌入凸部31は、横幅(t)を、凹部10の内幅(w)とほぼ等しく、あるいはやや小さくして、上下に積層される潅水樋1が左右方向に位置ずれするのを防止している。また、潅水樋1は、下面の両端部に設ける嵌入凸部31の外側の間隔(d)を、上面の両端部に設けた凹部10の両端側の内面の間隔(h)とほぼ等しく、あるいはやや小さくして、上下に積層される潅水樋1が前後方向に位置ずれするのを防止している。図に示す嵌入凸部31は、断面形状をT字状としている。T字状の嵌入凸部31は、横幅方向に延びる端部壁31Aの中央部から両端方向に突出する突出壁31Bを設けている。この嵌入凸部31は、端部壁31Aの全長を横幅(t)とし、潅水樋1の両端に位置する突出壁31Bの端縁の間隔を、嵌入凸部31の外側の間隔(d)としている。
さらに、図に示す潅水樋1は、上面の定位置に潅水チューブ4を配置できるように、隣接する凹部10の間に位置する区画壁12の上面に位置決め凹部32を設けている。図に示す区画壁12は、上面の中央部を湾曲形状に成形して位置決め凹部32を設けている。さらに、潅水樋1は、一方の端部に、上に載せられる潅水チューブ4の横ずれを阻止する保持側壁14を上面の両側から突出して設けている。この潅水樋1は、一対の保持側壁14で潅水チューブ4の両側を支持して定位置に配置できる。さらに、一対の保持側壁14の間に位置する区画壁12は、その幅を広くすると共に、上面に中央凹の位置決め凹部32を設けている。さらに、潅水樋1は、保持側壁14と反対側の端面から突出して連結突出部33を設けている。この連結突出部33は、図18と図19に示すように、上下の潅水樋1を左右反転して積層する状態で、一対の保持側壁14の間に案内されて、上下の潅水樋1が横ずれするのを防止する。したがって、連結突出部33の幅(k)は、一対の保持側壁14の間隔(s)よりやや小さくしている。
以上の構造の潅水樋1は、図18と図19に示すように、同じタイプのものを左右反転する状態で上下に積層して、上側の潅水樋1の嵌入凸部31を下側の潅水樋1の凹部10に案内すると共に、上側の潅水樋1の連結突出部33を下側の潅水樋1の一対の保持側壁14の間に案内して、上下に積層される潅水樋1が前後左右に位置ずれするのを防止しながら、コンパクトに収納できる。
図16と図17の潅水樋1は、図20と図21に示すように、育苗トレイ2の上面に配置される。図20と図21の育苗装置は、収納部20を4行6列に区画する育苗トレイ2の、1列目と2列目の間に位置する隔壁22と、3列目と4列目の間に位置する隔壁22と、5列目と6列目の間に位置する隔壁22との上面に潅水樋1を直線状に配置している。図に示す育苗装置は、種苗Sを潅水樋1の左右に、交互に配置しているので、この潅水樋1は、左右に交互に潅水できる構造としている。図16と図20の潅水樋1は、左右の4箇所の収納部20に潅水するので、4個の凹部10を1列に設けている。この潅水樋1も、上面の両側に沿う側壁11を有すると共に、これらの側壁11を連結する区画壁12を両端と中間とに設けて、区画壁12で複数の凹部10に区画している。
潅水樋1の上面に設けられる各々の凹部10は、収納部20に配置している培地3に潅水する排出部13を中央に設けている。ただ、排出部は、凹部の端部に設けることもできる。図に示す潅水樋1は、一方の側壁11を切欠して排出部13を設けている。この排出部13は、潅水チューブ4から凹部10に供給される水を流下させて培地3の株元に供給する。図16に示す潅水樋1は、隔壁22の左右に交互に配置される培地3に潅水できるように、凹部10に設ける排出部13を左右に交互に設けている。この潅水樋1は、手前から順に、左、右、左、右と交互に排出部13を設けている。この潅水樋1は、上方に1本の潅水チューブ4を配設して、この潅水チューブ4の潅水穴5から各凹部10に供給される水を左右に配置される培地3に交互に潅水する。さらに、図に示す潅水樋1は、排出部13から排出される水を、確実に培地3に供給するために、排出部13の先端に突出部16を設けている。
さらに、図16と図17の潅水樋1は、育苗トレイ2の隔壁22の上面の定位置に配置するために、下面に位置決め凸部15を設けている。図17と図21に示す潅水樋1は、位置決め凸部15を、両側に交互に設けている。図の潅水樋1は、位置決め凸部15を、排出部13と反対側の下面に設けている。この構造の潅水樋1は、図21の鎖線で示すように、位置決め凸部15を、隔壁22の片側に配置して、すなわち、隔壁22の両側に位置する収納部20に交互に挿入して、潅水樋1を左右方向に位置ずれしないように定位置に保持する。ただ、潅水樋は、隔壁の両側に位置して一対の位置決め凸部を設けることもできる。
また、図の潅水樋1は、両端部の下面に設けた嵌入凸部31を、育苗トレイ2の上面の定位置に配置するための位置決め凸部に併用している。図21の潅水樋1は、両端部の下面に設けた嵌入凸部31を外周壁21の外側に位置して設けている。図21の潅水樋1は、嵌入凸部31の端部壁31Aを、育苗トレイ2の外周壁21の外側に沿って配置して、潅水樋1を前後方向に位置ずれしないように定位置に保持している。
ただ、嵌入凸部は、図21の鎖線で示すように、間に隙間を設けた一対の柱体34Aとすることもできる。この形状の嵌入凸部34は、潅水樋を上下に積層して収納する状態においては、下方に積層される潅水樋の凹部に一対の柱体を案内して、上下に積層される潅水樋同士が前後左右に位置ずれするのを防止すると共に、図21に示すように、育苗トレイ2の互いに隣接する列間に潅水樋1を配置する状態においては、一対の柱体34Aを外周壁の外側に配置して潅水樋の前後方向の位置ずれを防止し、さらに、図示しないが、育苗トレイの互いに隣接する行間に潅水樋を配置する状態においては、2本の柱体の間の隙間に隔壁を挿入して、潅水樋の左右方向の位置ずれを防止できる。
潅水チューブ4は、潅水樋1の上面に配置している。図1と図3に示す潅水樋1は、凹部10を1列に設けているので、潅水樋1の上面に1本の潅水チューブ4を配設している。図2と図4に示す潅水樋1は、凹部10を2列に設けているので、潅水樋1の上面に2本の潅水チューブ4を平行に並べて配設している。2本の潅水チューブ4は、中間壁18の両側に配置している。これらの潅水チューブ4は、所定の間隔で複数の潅水孔5を設けている。潅水孔5は、下向きに開口されており、潅水樋1の凹部10に潅水する。したがって、潅水チューブ4に開口する潅水孔5は、各々の凹部10に対向するように、所定の間隔で開口している。潅水チューブ4は、ひとつの潅水孔5からひとつの凹部10に潅水する。それは、各々の凹部に供給する水量を均一にして、各々の培地3に正確に潅水するためである。ただ、潅水チューブは、ひとつの凹部に複数の潅水孔を対応させることもできる。この潅水チューブは、全ての凹部に同じ数の潅水孔を対応させて、たとえば2個の潅水孔から各々の凹部に潅水して、各々の凹部への潅水量を均一にする。
潅水チューブ4に開口される潅水孔5の間隔(D)は、好ましくは、潅水樋1に設ける排出部13の間隔(H)、すなわち育苗トレイ2の収納部20の間隔(K)と等しくする。この潅水チューブ4は、潅水孔5から供給される水を全ての凹部10に確実に供給できる特長がある。ただ、潅水チューブ4の潅水孔5の間隔(D)は、必ずしも潅水樋1の排出部13の間隔(H)と等しくする必要はない。たとえば、潅水チューブ4として、所定の間隔で潅水孔5を設けているホースを使用し、育苗トレイ2として、所定の間隔で収納部20を設けているトレイを使用する場合、必ずしも収納部20の間隔(K)と、潅水孔5の間隔(D)が等しいとは限らないからである。従来では、このように、収納部の間隔と異なる間隔で潅水孔を設けた潅水チューブを使用すると、複数の種苗の株元に、正確に潅水できなかった。これに対して、本発明では、育苗トレイ2の収納部20に収納された種苗Sに潅水チューブ4から直接潅水するのではなく、潅水チューブ4から潅水される水を潅水樋1の凹部10で受け取った後、この凹部10内を流下させて排出部13から排出して、収納部20に収納された培地3の株元に潅水する。したがって、凹部10の全長を調整することによって、収納部20の間隔(K)と潅水孔5の間隔(D)の差を補って、全ての潅水孔5から潅水される水を確実に凹部10で受け取って排出部13から株元に滴下できる。
たとえば、図6と図15は、潅水樋1に水を供給する潅水チューブ4の潅水孔5の間隔(D)が、育苗トレイ2の収納部20の間隔(K)よりも大きい場合を示している。これらの図の潅水樋1は、各々の排出部13の間隔(H)を育苗トレイ2の収納部20の間隔(K)と等しくしている。なお、図6では、潅水樋1の上に配設される潅水チューブ4の潅水孔5の位置を、凹部10に×印で示している。これらの図に示すように、潅水チューブ4の潅水孔5から潅水される水は、潅水樋1の各凹部10に供給されて、その後、凹部10内を流下して、収納部20の株元に潅水される。したがって、潅水孔5と収納部20の間隔に差のある潅水チューブ4と育苗トレイ2を使用しながら、全ての種苗Sの株元に確実に潅水できる。
さらに、図6の潅水樋1は、潅水孔5の間隔(D)が収納部20の間隔(K)よりも大きい潅水チューブ4を使用して、潅水孔5から滴下される水を各々の凹部10で確実に受け取ることができるように、各々の凹部10の位置と全長(L)を調整している。図6に示す潅水樋1は、紙面において下側に位置する2つの凹部10の全長(L)を、収納部20の間隔(K)とほぼ等しい長さとし、上側に位置する凹部10の全長(L)を、収納部20の間隔(K)よりも大きくしている。さらに、図6に示す潅水樋1は、紙面において下側に位置する端部を育苗トレイ2の外周壁21から突出する長さとしている。このように、端部を育苗トレイ2の外周壁21から突出させる潅水樋1は、育苗トレイ2の外周壁21よりも外側に位置する潅水孔5から滴下される水を、凹部10で確実に受け取ることができる。潅水樋1の端部の突出量(X)は、たとえば、1cm以上、好ましくは2cm以上とすることができる。この突出量(X)は、育苗トレイ2に一列に並べる収納部20の数や、潅水孔5と収納部20の間隔の差によって最適に設計される。
図6に示す潅水樋1は、収納部20よりも広い間隔で潅水孔5を設けた潅水チューブ4から滴下される水を凹部10で受け取れるように、端部を育苗トレイ2の外周壁21から突出させる構造としている。ただ、図示しないが、収納部より狭い間隔で、あるいは等しい間隔で潅水孔を設けた潅水チューブから滴下される水を凹部で受け取る潅水樋は、端部を育苗トレイの外周壁から突出させることなく、凹部の全長と位置を調整して、全ての潅水孔から潅水される水を確実に凹部で受け取ることができる。ただ、ひとつの凹部に複数の潅水孔を対応させる潅水樋は、全ての凹部に同じ数の潅水孔を対応させるために、収納部よりも潅水孔の間隔を狭くしながら、潅水樋の端部を育苗トレイの外周壁から突出させる構造とすることもある。
以上の潅水チューブ4は、潅水ポンプや水道等の潅水装置(図示せず)に連結され、潅水装置から供給される水を潅水孔5から排水して、潅水樋1の凹部10に供給する。したがって、潅水チューブは、潅水孔のある配管とすることもできる。
潅水装置は、設定時間を特定するタイマー(図示せず)と、このタイマーに開閉が制御される開閉弁(図示せず)とを備えている。開閉弁は、潅水チューブ4の途中に連結している。タイマーは、設定時間になると開閉弁を所定の時間開いて、潅水チューブ4に潅水し、潅水樋1に所定量の潅水をした後、開閉弁を閉弁して潅水を停止する。この潅水装置は、自動的に決められた量の水を潅水樋1に供給する。
図1と図2は、ひとつの育苗トレイ2を示しているが、育苗トレイ2は縦横に並べられて、多数の種苗Sを生育させる。縦方向に直列に並べる育苗トレイ2は、各々の潅水チューブ4を延長する状態で配設されて、各潅水チューブ4から複数の育苗トレイ2に水を供給することができる。この構造は、1本の潅水チューブ4で複数の育苗トレイ2に潅水して、多数の培地3に能率良く潅水できる。
さらに、図22ないし図28に示す育苗装置は、育苗トレイ2と潅水樋1をプラスチックで一体成形して設けている。さらに、育苗装置は、潅水樋1に水を供給する潅水チューブ4を、潅水樋1の上に配設している。なお、図22、図24、図27に示す育苗装置は、潅水樋1の構造を理解しやすくするために、図において、手前側に位置する潅水樋1の上に配設される潅水チューブ4を省略している。実際の育苗装置においては、手前に配置される潅水樋1の上にも、潅水チューブ4が配設されており、この潅水チューブ4から潅水樋1に水が供給される。
図22ないし図28に示す育苗トレイ2は、複数の種苗Sを生育するために、培地3を配置する複数の収納部20を縦横に並べて設けている。図の育苗トレイ2は、長方形状の上面プレート27を開口して、複数の収納部20を縦横に設けている。図の育苗トレイ2は、複数の収納部20を複数行に区画すると共に、各行において互いに隣接する収納部20の間に位置して、互いに隣接する行に配設される収納部20を位置するように配設している。すなわち、図の育苗トレイ2は、12個の収納部20を4行に区画して、1行に3個の収納部20を等間隔で配設すると共に、各行において互いに隣接する収納部20の間に、隣接する行の収納部20が位置するように縦横に交互に並べて配設している。ただ、図示しないが、育苗トレイは、複数の収納部を複数行、複数列に区画して、たとえば、4×6個の収納部を縦横に並べて設けることもできる。
図の育苗トレイ2は、潅水チューブ4に沿って配設される収納部20の間隔(K)、いいかえると各列の間隔(K)を、潅水チューブ4に設けられる潅水孔5の間隔(D)と等しくしている。この構造の育苗トレイ2は、図29に示すように、潅水樋1の上に配置される潅水チューブ4の潅水孔5から供給される水を、理想的に各収納部20に配置される培地3に供給できる特長がある。ただ、育苗トレイは、収納部の間隔(K)、いいかえると各列の間隔(K)を、必ずしも潅水チューブに設けられる潅水孔の間隔(D)と等しくする必要はなく、収納部の間隔(K)を潅水孔の間隔(D)より多少小さくすることも、あるいは多少大きくすることもできる。
図22ないし図26に示す育苗トレイ2は、収納部20の開口部の平面形状を円形とすると共に、開口部に向かって次第に開口面積を大きくするテーパー状としている。すなわち、図の収納部20は、全体形状を円錐台状として、底の面積を開口部よりも小さくしている。さらに、図の収納部20は、全体の形状を容器形状としている。図22と図23に示す育苗トレイ2は、容器状の収納部20に種苗ポット6を配置して、この種苗ポット6に培地3を充填している。すなわち、この育苗トレイ2は、培地3を充填している種苗ポット6を収納部20に配置すると共に、この培地3に種苗Sを植え付けして、複数の種苗Sを所定の位置に配置している。この育苗トレイ2は、収納部20の深さを、種苗ポット6を挿入して種苗Sを所定の位置に配置できる深さとしている。また、図24と図25に示す育苗トレイ2は、容器状の収納部20の内部に直接に培地3を充填して、この培地3に種苗Sを植え付けている。この育苗トレイ2は、図25に示すように、収納部20を深く成形して、内部に多量の培地3を充填できるようにしている。さらに、この育苗トレイ2は、収納部20の下部の内面に段差部29を設けており、図26に示すように、収納部20に種苗ポット6を挿入する状態で、種苗ポット6の下面を段差部29で支持して、種苗Sを所定の位置に配置できるようにしている。すなわち、この収納部20は、種苗ポット6を挿入する状態においては、種苗ポット6の下面を段差部29で支持して所定の深さに保持し、収納部20に直接に培地3を充填する状態においては、収納部20の容積を大きくして多量の培地3を充填できるようにしている。図の育苗トレイ2は、収納部20の下部を厚く成形して、内面に突出する段差部29を設けている。ただ、育苗トレイは、収納部の厚さを均一にすると共に、下部を内側に折曲して内面に突出する段差部を設けることもできる。さらに、以上の収納部20は、培地3に供給される余剰の水を排水する排水穴25を底面に開口すると共に、下面に突出して凸部26を設けて、育苗トレイ2を台の上に載せる状態で排水穴25を塞がないようにいる。
図27と図28に示す育苗トレイは、収納部20の開口部の平面形状を、コーナー部が湾曲する四角形状とすると共に、開口部に向かって次第に開口面積を大きくするテーパー状としている。すなわち、図の収納部20は、全体形状を四角錐台状として、底の面積を開口部よりも小さくしている。さらに、図の収納部20は、内面に開口部28を設けて、全体を軽くすると共に、使用するプラスチックの量を少なくして安価に製造できるようにしている。この育苗トレイ2は、収納部20に、培地3を充填している種苗ポット6を配置して、この培地3に種苗Sを植え付けしている。図に示すように、内面に開口部28を設けた収納部20は、種苗ポット6の側面を保持する保持部23の上端を上面プレート27に連結すると共に、保持部23の下端を、種苗ポット6の底面を支持する支持部24に連結している。保持部23は、収納部20の底面である支持部24と上面プレート27とを連結する幅の狭い板状で、種苗ポット6の側面、図においては、略四角形状の種苗ポット6のコーナー部と対向する位置に設けている。支持部24は、種苗ポット6の底面を支持する板状で、種苗ポット6に潅水された過剰な水を排水するための排水穴25を中心に開口すると共に、下面に突出して凸部26を設けている。
以上の育苗トレイ2は、板状の上面プレート27を薄く成形して、全体を軽くできると共に、プラスチックの量を少なくして安価に製造できる。薄い上面プレートは、図示しないが、上面や下面に、あるいは外周縁に沿ってリブを一体成形して補強できる。さらに、上面プレートは、図示しないが、収納部を設けていない部分に開口部を設けて、全体を軽くすると共に、使用するプラスチックの量を少なくして安価に製造することもできる。
さらに、図22ないし図28の育苗トレイ2は、上面に潅水樋1を一体成形して設けている。この潅水樋1は、潅水チューブ4を上に載せる細長い形状としており、潅水チューブ4から供給される水を、収納部20に配置される培地3に潅水する。潅水樋1は、上に配設される潅水チューブ4に沿って、複数に区画された凹部10を設けている。この凹部10は、収納部20に配置している培地3に潅水するための排出部13を設けている。潅水樋1は、上に配設される潅水チューブ4の潅水孔5から滴下する水が凹部10に供給される。さらに、潅水樋1は、凹部10に供給される水を排出部13から各々の培地3に潅水する。
図22ないし図28に示す育苗装置は、収納部20を4行に区画する育苗トレイ2の、1行目と2行目の間と、3行目と4行目の間とに潅水樋1を直線状に設けている。これらの図に示す育苗トレイ2は、収納部20を潅水樋1の左右に、交互に配置しているので、この潅水樋1は、左右に交互に潅水できる構造としている。図示しないが、収納部を潅水樋の両側に並べて配置する育苗トレイは、2列の潅水樋を設けて、各々の潅水樋から両側に潅水する構造とすることができる。
図の潅水樋1は、左右の6箇所の収納部20に潅水するので、6個の凹部10を1列に設けている。図22ないし図26の育苗トレイ2は、平面状の上面プレート27から一段下がる形状の凹部10を直線状に設けて潅水樋1としている。この潅水樋1は、互いに隣接する凹部10を区画壁12で区画している。この育苗トレイ2は、上面プレート27を厚く成形して、全体の強度を強くできる特長がある。また、図27と図28の育苗トレイ2は、平面状の上面プレート27の上面から突出する2列の側壁11を設けると共に、これらの側壁11を連結する区画壁12を両端と中間とに設けて、区画壁12で複数の凹部10に区画している。すなわち、この潅水樋1は、両側の側壁11と区画壁12とで囲まれた部分を凹部10としている。この育苗トレイ2は、上面プレート27を薄く成形して全体を軽くできると共に、使用するプラスチックの量を少なくして安価に製造できる。
潅水樋1に設けられる各々の凹部10は、収納部20に配置している培地3に潅水する排出部13を中央部に設けている。ただ、排出部は、凹部の端部に設けることもできる。図22ないし図26に示す潅水樋1は、一方の内面を切欠して排出部13を設けている。図27と図28に示す潅水樋1は、一方の側壁11を切欠して排出部13を設けている。これらの排出部13は、潅水チューブ4から凹部10に供給される水を流下させて培地3に供給する。したがって、排出部13の間隔(H)は、育苗トレイ2に配設される収納部20の間隔(K)、いいかえると育苗トレイ2に収納される種苗Sの間隔と等しくしている。さらに、凹部10は、その底面を、排出部13に向かって下り勾配に成形している。この形状の凹部10は、潅水チューブ4から供給される水を傾斜面である底面に沿って流下させて、排出部13からスムーズに排出できる。これらの凹部10は、上に配設される潅水チューブ4の潅水孔5から滴下する水を確実に受け取ることができるように、その全長(L)を2cm以上、好ましくは、4cm以上としている。
さらに、潅水樋1は、左右に交互に配置される培地3に潅水できるように、凹部10に設ける排出部13を左右に交互に設けている。この潅水樋1は、図において、手前から順に、左、右、左・・・と交互に排出部13を設けている。この潅水樋1は、上方に1本の潅水チューブ4を配設して、この潅水チューブ4の潅水穴から各凹部10に供給される水を左右に配置される6箇所の培地3に交互に潅水する。
さらに、図22、図23、図27、及び図28に示す潅水樋1は、排出部13の先端に突出部16を設けて、排出部13から排出される水を確実に培地3に供給できるようにしている。これらの図に示す育苗トレイ2は、突出部16を設ける部分に位置して、収納部20に開口部28を設けており、金型で突出部16を成形しながら型抜きできるようにしている。図に示す突出部16は、凹部10の底面を、側壁11よりも外側まで突出させたものである。図の突出部16は、排出部13から排出される水を流下できるように、その底面を収納部20の中心に向かって下り勾配に成形している。さらに、図27と図28の潅水樋1は、排出部13から排出される水を突出部16の先端から滴下させるために、突出部16の両側にも側壁を設けている。図の潅水樋1は、排出部13において側壁11を折曲して折曲壁11Aとし、この折曲壁11Aを突出部16の両側に配設して側壁としている。このように、排出部13の先端に突出部16を設ける構造は、排出部13から排出される水を、収納部20の中心方向に向かって排出するので、確実に培地3に潅水できる特長がある。さらに、図示しないが、突出部の下面に水切り凸部を設けて、排出部から排出される水を突出部の下面に沿って流すことなく、確実に滴下させて培地に供給することもできる。
さらに、潅水樋1は、上に載せられる潅水チューブ4の横ずれを阻止する保持側壁14を上面から突出して設けている。図に示す潅水樋1は、排出部13と対向する側の上面に突出して保持側壁14を設けている。図の潅水樋1は、左右に交互に排出部13を設けているので、保持側壁14を右左に交互に設けている。この潅水樋1は、潅水チューブ4の両側を保持側壁14で支持して、上に載せられる潅水チューブ4の横ずれを阻止できる。ただ、潅水樋は、排出部からずれた位置に、たとえば、区画壁の両側等に、潅水チューブの両側を保持する一対の保持側壁を設けることもできる。
潅水樋1の上面に配置される潅水チューブ4は、所定の間隔(D)で複数の潅水孔5を設けている。図22ないし図28に示す育苗トレイ2は、図29に示すように、潅水チューブ4に沿って配設される収納部20の間隔(K)を潅水チューブ4の潅水孔5の間隔(D)と等しくしている。このため、潅水孔5から供給される水を全ての凹部10に確実に供給できる特長がある。ただ、収納部の間隔(K)は、必ずしも潅水チューブの潅水孔の間隔(D)と等しくする必要はない。それは、この育苗装置が、潅水チューブ4から潅水される水を潅水樋1の凹部10で受け取った後、この凹部10内を流下させて排出部13から排出して、収納部20に収納された培地3の株元に潅水するからである。したがって、この育苗装置も、凹部の全長(L)を調整することによって、収納部の間隔(K)と潅水孔の間隔(D)の差を補って、全ての潅水孔から潅水される水を確実に凹部で受け取って排出部から株元に滴下できる。
本発明の育苗装置は、イチゴの他、果物、野菜の種苗の生育に好適に利用できる。
本発明の一実施例にかかる育苗装置の斜視図である。 本発明の他の実施例にかかる育苗装置の斜視図である。 図1に示す育苗装置の拡大断面図である。 図2に示す育苗装置の拡大断面図である。 育苗トレイの他の一例を示す断面斜視図である。 図1に示す育苗装置の潅水樋の平面図である。 図1に示す育苗装置の潅水樋の底面図である。 図6に示す潅水樋の斜視図である。 図8に示す潅水樋の底面斜視図である。 図2に示す育苗装置の潅水樋の平面図である。 図2に示す育苗装置の潅水樋の底面図である。 図10に示す潅水樋の斜視図である。 図12に示す潅水樋の底面斜視図である。 潅水樋の排出部に設ける突出部の他の一例を示す拡大斜視図である。 潅水孔の間隔が収納部の間隔より広い潅水チューブから株元に潅水する状態を示す概略断面図である。 潅水樋の他の一例を示す斜視図である。 図16に示す潅水樋の底面斜視図である。 図16に示す潅水樋を上下に重ねる状態を示す縦断面図である。 図16に示す潅水樋を上下に重ねる状態を示す横断面図である。 図16に示す潅水樋を育苗トレイに配置する状態を示す平面図である。 図20に示す潅水樋の底面図である。 本発明の他の実施例にかかる育苗装置の斜視図である。 図22に示す育苗装置の断面斜視図である。 本発明の他の実施例にかかる育苗装置の斜視図である。 図24に示す育苗装置の断面斜視図である。 図25に示す育苗装置に種苗ポットを配設する状態を示す断面斜視図である。 本発明の他の実施例にかかる育苗装置の斜視図である。 図27に示す育苗装置の断面斜視図である。 収納部の間隔が潅水孔の間隔に等しい育苗トレイに潅水チューブから潅水する状態を示す概略断面図である。
符号の説明
1…潅水樋
2…育苗トレイ
3…培地
4…潅水チューブ
5…潅水孔
6…種苗ポット 6a…排水穴
10…凹部
11…側壁 11A…折曲壁
12…区画壁
13…排出部
14…保持側壁
15…位置決め凸部
16…突出部
17…水切り凸部
18…中間壁 18A…突出壁
19…傾斜溝
20…収納部
21…外周壁
22…隔壁
23…保持部
24…支持部
25…排水穴
26…凸部
27…上面プレート
28…開口部
29…段差部
31…嵌入凸部 31A…端部壁
31B…突出壁
32…位置決め凹部
33…連結突出部
34…嵌入凸部 34A…注体
S…種苗

Claims (11)

  1. 育苗トレイ(2)に設けている複数の収納部(20)に配置される培地(3)に、所定の間隔で潅水孔(5)を設けている潅水チューブ(4)で潅水する潅水樋であって、
    潅水樋が、潅水チューブ(4)を上に載せる細長い形状であって、その上面には、複数に区画された凹部(10)を設けており、かつこの凹部(10)には、収納部(20)に配置している培地(3)に潅水する排出部(13)を設けており、
    潅水チューブ(4)の潅水孔(5)から供給される水を凹部(10)に供給し、凹部(10)の排出部(13)から各々の培地(3)に潅水するようにしてなる潅水樋。
  2. 上に載せられる潅水チューブ(4)の横ずれを阻止する保持側壁(14)を上面の両側に設けている請求項1に記載される潅水樋。
  3. 排出部(13)の先端に突出部(16)を設けており、この突出部(16)の下面に水切り凸部(17)を設けている請求項1に記載される潅水樋。
  4. 下面に位置決め凸部(15)を設けており、この位置決め凸部(15)を育苗トレイ(2)の隔壁(22)に係止して、育苗トレイ(2)の定位置に配置されるようにしてなる請求項1に記載される潅水樋。
  5. 凹部(10)の底面が、排出部(13)に向かって下り勾配に傾斜している請求項1に記載される潅水樋。
  6. 凹部(10)の全長(L)が2cm以上である請求項1に記載される潅水樋。
  7. 複数の収納部(20)を有する育苗トレイ(2)と、この育苗トレイ(2)の上に配置されて、潅水チューブ(4)から供給される水を育苗トレイ(2)の収納部(20)に配置される培地(3)に供給する潅水樋(1)とを備える育苗装置であって、
    潅水樋(1)が、潅水チューブ(4)を上に載せる細長い形状であって、その上面には、複数に区画された凹部(10)を有すると共に、この凹部(10)は、収納部(20)に配置している培地(3)に潅水する排出部(13)を設けており、
    潅水チューブ(4)の潅水孔(5)から供給される水を凹部(10)に供給し、凹部(10)の排出部(13)から各々の培地(3)に潅水するようにしてなる育苗装置。
  8. 育苗トレイ(2)の収納部(20)に、種苗ポット(6)を介して培地(3)を配置している請求項7に記載される育苗装置。
  9. ひとつの育苗トレイ(2)に、複数の潅水樋(1)を直列に並べて配設している請求項7に記載される育苗装置。
  10. 育苗トレイ(2)と潅水樋(1)をプラスチックで一体成形してなる請求項7に記載される育苗装置。
  11. 潅水樋(1)に沿って配設される収納部(20)の間隔(K)を、潅水チューブ(4)の潅水孔(5)の間隔(D)と等しくしてなる請求項10に記載される育苗装置。
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