JP2008098907A - 浮動アクティブキャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】既知のものに比べ用いるオペアンプ数が少なく、簡素化された回路構成であり、内部の回路構成をより簡素化した浮動アクティブキャパシタを提供する。
【解決手段】 第1及び第2入力端子1、2間に接続された4素子ブリッジ回路型の1次のパッシブ全域通過形遅相回路3、当該パッシブ全域通過形遅相回路3の出力遅相信号を単位利得増幅する電圧フォロワ4、電圧フォロワ4の出力遅相信号を反転増幅する位相反転回路5、電圧フォロワ4の出力と第1入力端子1間に接続した低抵抗値の第1抵抗6、位相反転回路5の出力と第2入力端子2間に接続した低抵抗値の第2抵抗7を備え、ブリッジ回路は、2素子が第1及び第2入力端子1、2間に直列接続した等高抵抗値を有する2つの抵抗3(1)、3(2)で、2素子が第1及び第2入力端子1、2間に直列接続した抵抗3(3)とキャパシタ3(4)であり、当該抵抗3(3)とキャパシタ3(4)の接続点から遅相信号を得ている。
【選択図】図1

Description

本発明は、浮動アクティブキャパシタに係り、特に、キャパシタ、抵抗、オペアンプからなる構成要素を組み合わせて構成するか、または、インダクタ、抵抗、オペアンプからなる構成要素を組み合わせて構成することにより、一対の入力端子間に浮動アクティブキャパシタが形成される浮動アクティブキャパシタに関し、連続可変インダクタを構成可能な浮動アクティブキャパシタに関する。
一般に、集中定数形フィルタにおいては、カットオフ周波数やフィルタの帯域幅等を変更する場合には、キャパシタ素子を変更すると同時にインダクタ素子も変更する必要があり、その変更時には、1端が接地接続されたこれらの素子だけでなく、浮動状態で使用されるこれらの素子についても、変更できる構成にすることが必要である。この場合、可変容量型のキャパシタ素子については、比較的大容量(数μF)を有する可変容量ダイオードを利用することが可能であるが、可変容量ダイオードの容量変化領域を超えるような大容量の可変容量素子が必要とする場合は、並列接続された複数個の可変容量ダイオードを用いるか、適当なアクティブキャパシタを利用することのいずれかである。
ところで、一端を接地接続して使用するアクティブキャパシタは、以下に述べる文献1あるいはジャイレータを用いる方法等によって実現することができる。
この場合、文献1は、柳沢 健 監訳、金井 元 他訳“アナログフィルタの設計”479頁〜496頁、秋葉出版、1986年2月発行に係るものであって、一般に、インピーダンス変換器(GIC)と呼ばれる回路を利用したものである。この回路は、直列接続された4個のインピーダンス素子Z1、Z2、Z3、Z4と、1個の負荷インピーダンスZ5と、2つのオペアンプとを組み合わせて構成した回路からなっており、その回路の入力インピーダンスは、(Z1・Z3・Z5)/(Z2・Z4)で表されることから、例えば、インピーダンスZ5をキャパシタとし、他のインピーダンスZ1、Z2、Z3、Z4をすべて抵抗にすれば、等価的にキャパシタが形成されるという性質を利用している
この他に、ジャイレータを用いる方法は、前記インピーダンス変換器(GIC)に酷似した回路であって、その内容は、前記文献1の中に詳しく記述されているので、ここではその説明を省略する。
一方、浮動アクティブキャパシタについては、インピーダンス変換器(GIC)あるいはジャイレータを用いることによって構成できることが文献1に記載されている。
この文献1の記載内容は、前述の浮動アクティブキャパシタを形成する際の構成において、負荷インピーダンスZ5の接地接続部分を切り離し、このインピーダンス変換器(以下、これを第1インピーダンス変換器という)と同一構成のインピーダンス変換器(以下、これを第2インピーダンス変換器という)を用意し、第2インピーダンス変換器の負荷インピーダンスZ5の代わりに第1インピーダンス変換器の負荷インピーダンスZ5の切り離し端を接続し、その負荷インピーダンスZ5を第1及び第2インピーダンス変換器の浮動共通負荷としたものである。このような構成にすれば、第1及び第2インピーダンス変換器の一対の入力端子間に浮動アクティブキャパシタを形成させることができる。
しかしながら、前記既知の浮動アクティブキャパシタは、4つのオペアンプを必要とするだけでなく、少なくとも8個またはそれ以上のインピーダンス素子を必要とするもので、それにより全体の回路構成がかなり複雑になり、それに伴って回路規模が大きくなって小型化を達成することが難しく、かつ、製造コストが高価になってしまう等の不具合を有しているものである。
かかる既知の浮動アクティブキャパシタが有する不具合を解消するために、本件出願人は、先に特願2006−255742号、発明の名称「浮動アクティブキャパシタ」を提案している。
この提案による浮動アクティブキャパシタは、まず、アクティブキャパシタを形成させるための手段として、入力信号電圧の位相に対して流入する信号電流の位相を90°進ませる必要があることから、入力端子に供給される信号電圧の位相を90°遅相させ、この90°遅相信号電圧に比例した信号電流を入力端子から流出させることによって等価的に入力信号電圧に対して90°進相した進相信号電流を流入させ、それにより入力信号端子間にアクティブキャパシタを形成するようにし、次いで、浮動アクティブキャパシタを形成させるための手段として、内部に仮想接地路を形成し、形成した仮想接地路を利用されている各回路の接地点に接続することにより、等価的にアクティブキャパシタを浮動状態にして使用できるようにしたものである。そして、この浮動アクティブキャパシタのキャパシタンス値は、90°遅相信号電圧を形成する際に90°遅相信号電圧が得られる信号周波数、また、90°進相信号電圧を形成する際に90°進相信号電圧が得られる信号周波数をそれぞれ適宜変更させることにより、可変キャパシタとして機能させることができるものである。
特願2006−255742号
前記提案による浮動アクティブキャパシタは、前記既知の浮動アクティブキャパシタに比べれば、用いられるオペアンプの数が少なく、簡素化された回路構成の浮動アクティブキャパシタを得ることができるものの、浮動アクティブキャパシタの内部に仮想接地路を形成し、かつ、その仮想接地路に利用されている各回路の接地点を接続する必要があることから、その分、内部の回路構成が複雑になってしまうことになる。
本発明は、このような技術的背景に基づいてなされたもので、その目的は、既知の浮動アクティブキャパシタに比べて、用いられるオペアンプの数が少なく、簡素化された回路構成にするともに、内部の回路構成をより簡素化することを可能にした浮動アクティブキャパシタを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明による浮動アクティブキャパシタは、第1入力端子及び第2入力端子間に一対の入力端が接続された4素子ブリッジ回路を構成する1次のパッシブ全域通過形遅相回路と、1次のパッシブ全域通過形遅相回路の出力遅相信号を増幅する低出力インピーダンスバッファ回路と、低出力インピーダンスバッファ回路の出力遅相信号を反転増幅する位相反転回路と、低出力インピーダンスバッファ回路の出力と第1入力端子間に接続された低抵抗値の第1抵抗と、位相反転回路の出力と第2入力端子間に接続された第1抵抗と等抵抗値の第2抵抗とを備え、ブリッジ回路の4素子は、2素子が第1及び第2入力端子間に直列接続された等しい高抵抗値を有する2つの抵抗であり、2素子が第1及び第2入力端子間に直列接続された抵抗とキャパシタであって、直列接続された抵抗とキャパシタの接続点から遅相信号が出力されるもので、第1入力端子及び第2入力端子間に信号電圧が供給されたとき、第1入力端子からその信号電圧に対して90°進相した信号電流が流出され、第2入力端子にその信号電圧に対して90°進相した信号電流が流入されることにより、第1入力端子及び第2入力端子間に浮動アクティブキャパシタが形成される第1構成手段を備える。
また、前記目的を達成するために、本発明による浮動アクティブキャパシタは、第1入力端子及び第2入力端子間に一対の入力端が接続された4素子ブリッジ回路を構成する1次のパッシブ全域通過形進相回路と、1次のパッシブ全域通過形進相回路の出力遅相信号を単位利得増幅する電圧フォロワと、電圧フォロワの出力遅相信号を反転増幅する位相反転回路と、電圧フォロワの出力と第1入力端子間に接続された低抵抗値の第1抵抗と、位相反転回路の出力と第2入力端子間に接続された第1抵抗と等抵抗値の第2抵抗とを備え、ブリッジ回路の4素子は、2素子が第1及び第2入力端子間に直列接続された等しい高抵抗値を有する2つの抵抗であり、2素子が第1及び第2入力端子間に直列接続されたインダクタと抵抗であって、直列接続されたインダクタと抵抗の接続点から遅相信号が出力されるもので、第1入力端子及び第2入力端子間に信号電圧が供給されたとき、第1入力端子からその信号電圧に対して90°進相した信号電流が流出され、第2入力端子からその信号電圧に対して90°進相した信号電流が流入されることにより、第1入力端子及び第2入力端子間に浮動アクティブキャパシタが形成される第2構成手段を備える。
前記第1構成手段及び第2構成手段において、電圧フォロワは、反転入力と出力とが直接接続され、非反転入力が1次のパッシブ全域通過形進相回路の遅相出力端に接続されたオペアンプからなり、位相反転回路は、反転入力と出力との間に負帰還抵抗が接続され、反転入力が入力抵抗を通して1次のパッシブ全域通過形進相回路の出力に接続され、非反転入力が1次のパッシブ全域通過形遅相回路における等しい高抵抗値を有する2つの抵抗の接続点に接続される構成になっている。
さらに、前記目的を達成するために、本発明による浮動アクティブキャパシタは、第1入力端子及び第2入力端子間に一対の入力端が接続された4素子ブリッジ回路を構成する1次のパッシブ全域通過形進相回路と、1次のパッシブ全域通過形進相回路の出力進相信号を単位利得増幅する電圧フォロワと、電圧フォロワの出力進相信号を反転増幅する位相反転回路と、位相反転回路の出力と第1入力端子間に接続された低抵抗値の第1抵抗と、電圧フォロワの出力と第2入力端子間に接続された第1抵抗と等抵抗値の第2抵抗とを備え、ブリッジ回路の4素子は、2素子が第1及び第2入力端子間に直列接続された等しい高抵抗値を有する2つの抵抗であり、2素子が第1及び第2入力端子間に直列接続されたキャパシタと抵抗であって、直列接続されたキャパシタと抵抗の接続点から進相信号が出力されるもので、第1入力端子及び第2入力端子間に信号電圧が供給されたとき、第1入力端子にその信号電圧に対して90°遅相した信号電流が流入され、第2入力端子からその信号電圧に対して90°遅相した信号電流が流出されることにより、第1入力端子及び第2入力端子間に浮動アクティブキャパシタが形成される第3構成手段を備える。
また、前記目的を達成するために、本発明による浮動アクティブキャパシタは、第1入力端子及び第2入力端子間に一対の入力端が接続された4素子ブリッジ回路を構成する1次のパッシブ全域通過形進相回路と、1次のパッシブ全域通過形進相回路の出力進相信号を単位利得増幅する電圧フォロワと、電圧フォロワの出力進相信号を反転増幅する位相反転回路と、位相反転回路の出力と第1入力端子間に接続された低抵抗値の第1抵抗と、電圧フォロワの出力と第2入力端子間に接続された第1抵抗と等抵抗値の第2抵抗とを備え、ブリッジ回路の4素子は、2素子が第1及び第2入力端子間に直列接続された等しい高抵抗値を有する2つの抵抗であり、2素子が第1及び第2入力端子間に直列接続された抵抗とインダクタであって、直列接続された抵抗とインダクタの接続点から進相信号が出力されるもので、第1入力端子及び第2入力端子間に信号電圧が供給されたとき、第1入力端子にその信号電圧に対して90°遅相した信号電流が流入され、第2入力端子からその信号電圧に対して90°遅相した信号電流が流出されることにより、第1入力端子及び第2入力端子間に浮動アクティブキャパシタが形成される第4構成手段を備える。
前記第3構成手段及び第4構成手段において、電圧フォロワは、反転入力と出力とが直接接続され、非反転入力が1次のパッシブ全域通過形遅相回路の進相出力端に接続されたオペアンプからなり、位相反転回路は、反転入力と出力との間に負帰還抵抗が接続され、反転入力が入力抵抗を通して1次のパッシブ全域通過形遅相回路の出力に接続され、非反転入力が1次のパッシブ全域通過形進相回路における等しい高抵抗値を有する2つの抵抗の接続点に接続される構成になっている。
以上、詳しく述べたように、本発明の浮動アクティブキャパシタによれば、第1及び第2入力端子間に接続された4素子ブリッジ回路で構成された1次のパッシブ全域通過形進相回路または1次のパッシブ全域通過形遅相回路と、電圧フォロワと、位相反転回路と、第1入力端子に90°遅相電流を流入する第1抵抗及び第2入力端子から90°遅相電流を流出する第2抵抗とによって構成されるので、既知の浮動アクティブキャパシタに比べて使用するオペアンプの数を少なくできるだけでなく、前記既提案されている浮動アクティブキャパシタに比べても、より簡素化された構成手段を用いることにより浮動アクティブキャパシタを形成することができるという効果があり、また、この浮動アクティブキャパシタによれば、1次のパッシブ全域通過形進相回路または1次のパッシブ全域通過形遅相回路に使用する素子の値、例えば抵抗の抵抗値等を変化させれば、浮動アクティブキャパシタのインダクタンス値が変化するようになり、インダクタンス値の調整が容易に行なえる連続可変浮動アクティブキャパシタを得ることができるという効果もある。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の浮動アクティブキャパシタにおける第1の実施の形態を示す回路構成図であって、構成要素の一部をブロック化した要部構成図である。
図1に示されるように、この浮動アクティブキャパシタは、第1入力端子1と、第2入力端子2と、1次のパッシブ全域通過形遅相回路(−90°)3と、電圧フォロワ(BF)4と、位相反転回路(INV)5と、小抵抗値(r)の第1抵抗6と、同じ小抵抗値(r)の第2抵抗7とからなっている。
そして、1次のパッシブ全域通過形遅相回路3は、4素子ブリッジ回路からなるもので、第1入力端子1と第2入力端子2間に、それぞれ、直列接続された高い同じ抵抗値(R)を有する抵抗3(1)、3(2)、及び、直列接続された抵抗値(R0 )の抵抗3(3)とキャパシタンス値(C0 )のキャパシタ3(4)からなっている。電圧フォロワ4は、反転入力(−)と出力とが直接接続されたオペアンプ4(1)により構成され、オペアンプ4(1)の非反転入力(+)がブリッジ回路の抵抗3(3)とキャパシタ3(4)の接続点に接続される。位相反転回路5は、オペアンプ5(1)とその反転入力(−)と出力間に接続された抵抗5(2)とその反転入力(−)と電圧フォロワ4の出力との間に接続された抵抗5(3)とにより構成され、オペアンプ5(1)の非反転入力(+)がブリッジ回路の抵抗3(1)、3(2)の接続点に接続される。第1抵抗6はオペアンプ4(1)の出力と第1入力端子1との間に接続され、第2抵抗7はオペアンプ5(1)の出力と第2入力端子との間に接続される。
この場合、ブリッジ回路の抵抗3(1)、3(2)は、抵抗3(1)、3(2)の接続点が通常の接地点に対して高インピーダンスを呈するように高い同抵抗値Rのものを用い、第1抵抗6及び第2抵抗7は、全体が浮動アクティブキャパシタの内部抵抗を示すことから低い同抵抗値rのものを用いている。
前記構成を有する浮動アクティブキャパシタは次のように動作する。
いま、第1入力端子1と第2入力端子2との間に信号電圧が供給されると、その信号電圧は1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3で90°遅相されて90°遅相信号電圧に変換され、得られた90°遅相信号電圧は電圧フォロワ4で単位利得で同相増幅された後、第1抵抗6を通して第1入力端子1に供給され、第1入力端子1から90°遅相信号電流として流出する。一方、電圧フォロワ4から出力された90°遅相信号電圧は位相反転回路6で位相反転されて90°進相信号電圧に変換され、得られた90°進相信号電圧は第2抵抗7を通して第2入力端子2に供給され、第2入力端子2から90°進相信号電流として流出する。このとき、第1入力端子1から90°進相信号電流が流出することは、第1入力端子1に90°遅相信号電流が流入されたことと等価となる。このように、第1入力端子1と第2入力端子2との間に信号電圧が供給されたとき、第1入力端子1から90°遅相信号電流が流出し、第2入力端子2に90°遅相信号電流が流入するので、第1入力端子1及び第2入力端子2から回路内部を見たとき、供給される信号に対してアクティブキャパシタが形成されることになる。
次に、図2は、本発明の浮動アクティブキャパシタにおける第2の実施の形態を示す回路構成図であって、構成要素の一部をブロック化した要部構成図である。
図2に示されるように、この第2の実施の形態による浮動アクティブキャパシタ(以下、これを第2実施形態という)と、図1に示された第1の実施の形態による浮動アクティブキャパシタ(以下、これを第1実施形態という)との構成の違いは、第1実施形態が、1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3として、直列接続された抵抗値(R0 )の抵抗3(3)とキャパシタンス値(C0 )のキャパシタ3(4)とを備えた構成であるのに対し、第2実施形態が、1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3として、インダクタンス値(L0 )のインダクタ3(5)と抵抗値(R0 )の抵抗3(6)とを備えた構成である点に違いがあるが、それ以外の各構成については同じ構成になっている。
そして、第1実施形態と第2実施形態とは、1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3に関してその構成の一部が異なっているが、1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3としての動作形態は殆ど同じであって、第2実施形態による抵抗3(5)とインダクタ3(6)の接続点には、第1実施形態によるキャパシタ3(3)と抵抗3(4)の接続点に形成される90°遅相信号と同じ90°遅相信号が形成されるものである。
なお、図2においては、図1に図示された構成要素と同じ構成要素について同じ符号を付け、それらの構成要素についての説明は、既に行っているので省略する。
また、第2実施形態による浮動アクティブキャパシタの動作は、第1入力端子1と第2入力端子2との間に信号電圧が供給されたとき、その信号電圧は第1実施形態の1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3と一部の構成を異にしている第2実施形態による1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3に供給されるが、前述のように、第2実施形態の1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3から90°遅相信号が出力される動作と、第1実施形態の1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3から90°遅相信号が出力される動作とは殆ど同じであることから、1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3以外の構成部分の動作を含めて、前述の第1実施形態による浮動アクティブキャパシタの動作と殆ど同じ動作になる。
このため、第2実施形態による浮動アクティブキャパシタにおいても、第1入力端子1と第2入力端子2との間に信号電圧が供給されたとき、第1実施形態による浮動アクティブキャパシタと同じように、第1入力端子1から90°遅相信号電流が流出し、第2入力端子2に90°遅相信号電流が流入するようになり、第1入力端子1及び第2入力端子2から回路内部を見たとき、供給される信号に対してアクティブキャパシタが形成されるものである。
次いで、図3は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態による浮動アクティブキャパシタにおいて、回路内部に基準電位点(接地点)が形成される状態を説明するブロック構成図である。
図3において、図1及び図2に図示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付けている。
図3に示されるように、電圧フォロワ4の基準電位点は、1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3における90°遅相信号出力端である抵抗3(3)とキャパシタ3(4)との接続点またはインダクタ3(5)と抵抗(6)の接続点に接続され、位相反転回路5の基準電位点は、1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3における同相信号出力端である2つの高抵抗3(1)、3(2)の接続点に接続されるもので、それぞれの基準電位点を仮想接地点と等価な状態になるような設定にしているので、第1入力端子1と第2入力端子2との間に形成されるアクティブキャパシタとして、基準電位点に対して浮動状態にある浮動アクティブキャパシタが形成されることになる。
このような動作が行われる際に、1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3及び電圧フォロワ4からなる構成部分は、第1入力端子1と第2入力端子2との間に供給される入力信号電圧をei 、電圧フォロワ4の出力信号電圧をeo とすれば、その伝達関数(eo /ei )は、(eo /ei )=(s−a)/2(s+a)で表すことができる。この式において、sはラプラス変換子、aは1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3に用いられる素子のインピーダンスによって決まる値である。
この場合、図1に図示の第1実施形態のように、1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3として、抵抗値(R0 )の抵抗3(3)とキャパシタンス値(C0 )のキャパシタ3(4)を用いている場合、a={1/(C0 ・R0 )}であり、1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3は、角周波数ωが1/(C0 ・R0 )になるときの周波数において90°進相する。また、図2に図示の第2実施形態のように、1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3として、インダクタンス値(L0 )のインダクタ3(5)と抵抗値(R0 )の抵抗3(6)を用いている場合、a=(R0 /L0 )であり、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路3は、角周波数ωが(R0 /L0 )になるときの周波数において90°進相する。なお、電圧フォロワ4の出力信号電圧eo は、位相反転回路5で位相が反転され、位相反転回路5の出力信号電圧は(−eo )になる。このとき、前述のように、第1抵抗6と第2抵抗7はともに小さい同抵抗値rに選ばれ、それらの抵抗値rの和2rが浮動アクティブキャパシタの内部抵抗になるので、第1抵抗6と第2抵抗7に流れる信号電流をiとすれば、i=(ei −2eo )/2rで表される。
ここで、第1入力端子1と第2入力端子2との間に供給される信号電圧をei、第1入力端子1と第2入力端子2に流れる信号電流を第1抵抗6と第2抵抗7に流れる信号電流と同じiとすれば、第1入力端子1及び第2入力端子2から内部を見たときのインピーダンスZは、Z=(ei /i)で表される。
そして、図1に図示の第1実施形態のように、a={1/(C0 ・R0 )}である場合、
Figure 2008098907
で示され、(C0 R0 /r)のキャパシタンス値と、rの内部抵抗を有する浮動アクティブキャパシタを得ることができる。ここで、当該抵抗3(3)の抵抗値(R0 )及び/または当該キャパシタ3(4)のキャパシタンス値(C0 )、好ましくは当該抵抗抵抗3(3)の抵抗値(R0 )を適宜変更すれば、浮動アクティブキャパシタのキャパシタンス値(C0 R0 /r)を可変することができる。
一方、図2に図示の第2実施形態のように、a=(R0 /L0 )である場合、
Figure 2008098907
で示され、(L0 /rR0 )のキャパシタンス値と、rの内部抵抗を有する浮動アクティブキャパシタを得ることができる。この場合も、当該インダクタ3(5)のインダクタンス値(L0 )及び/または抵抗3(6)の抵抗値(R0 )、好ましくは当該抵抗3(6)の抵抗値(R0 )を適宜変更すれば、浮動アクティブキャパシタのキャパシタンス値(L0 /rR0 )を可変することができる。
以上の各例は、1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3を用いて浮動アクティブキャパシタを構成したものであるが、1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路3を用いる代わりに、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路を用いた場合でも、浮動アクティブキャパシタの内部構成の一部を変更すれば、同じような浮動アクティブキャパシタを形成することができ、以下、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路を用いた例について説明する。
図4は、本発明の浮動アクティブキャパシタにおける第3の実施の形態を示す回路構成図であって、構成要素の一部をブロック化した要部構成図であり、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8を用いたときの一つの例を示すものである。
図4に示されるように、この浮動アクティブキャパシタは、第1入力端子1と、第2入力端子2と、1次のパッシブ全域通過形進相回路(+90°)8と、電圧フォロワ(BF)4と、位相反転回路(INV)5と、小抵抗値(r)の第1抵抗6と、同じ小抵抗値(r)の第2抵抗7とからなる。
そして、1次のパッシブ全域通過形進相回路8は、4素子ブリッジ回路からなり、第1入力端子1と第2入力端子2間に、それぞれ、直列接続されたそれぞれ高い同じ抵抗値(R)を有する抵抗8(1)、8(2)、及び、直列接続されたキャパシタンス値(C0 )のキャパシタ8(3)と抵抗値(R0 )の抵抗8(4)からなっている。電圧フォロワ4は反転入力(−)と出力とが直接接続されたオペアンプ4(1)により構成され、オペアンプ4(1)の非反転入力(+)がブリッジ回路のキャパシタ8(3)と抵抗(4)の接続点に接続される。位相反転回路5はオペアンプ5(1)とその反転入力(−)と出力間に接続された抵抗5(2)とその反転入力(−)と電圧フォロワ4の出力との間に接続された抵抗5(3)とにより構成され、オペアンプ5(1)の非反転入力(+)がブリッジ回路の抵抗8(1)、8(2)の接続点に接続される。第1抵抗6はオペアンプ5(1)の出力と第1入力端子1との間に接続され、第2抵抗7はオペアンプ4(1)の出力と第2入力端子2との間に接続される。
この場合も、ブリッジ回路の抵抗8(1)、8(2)は、抵抗8(1)、8(2)の接続点が通常の接地点に対して高インピーダンスを呈するように高い同じ抵抗値Rのものを用い、第1抵抗6及び第2抵抗7は、全体が浮動アクティブキャパシタの内部抵抗を示すことから低い同じ抵抗値rのものを用いている。
第3の実施の形態による浮動アクティブキャパシタは次のように動作する。
第1入力端子1と第2入力端子2との間に信号電圧が供給されると、信号電圧は1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8で90°進相されて90°進相信号電圧に変換され、得られた90°進相信号電圧は電圧フォロワ4で単位利得で同相増幅された後、第2抵抗7を通して第2入力端子2に供給されて第2入力端子2から90°進相信号電流として流出する。このとき、第1入力端子2から90°進相信号電流が流出することは、第2入力端子2に90°遅相信号電流が流入したことと等価となる。一方、電圧フォロワ4から出力された90°遅相信号電圧は第2抵抗6を通して第2入力端子2に供給されて第2入力端子2から90°遅相信号電流として流出する。このように、第1入力端子1と第2入力端子2との間に信号電圧が供給されたとき、第1入力端子1に90°遅相信号電流が流入し、第2入力端子2から90°遅相信号電流が流出するので、第1入力端子1及び第2入力端子2から回路内部を見たとき、供給される信号に対してアクティブキャパシタを形成することができる。
次に、図5は、本発明の浮動アクティブキャパシタにおける第4の実施の形態を示す回路構成図であって、構成要素の一部をブロック化した要部構成図であり、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8を用いた他の例を示すものである。
なお、図5においては、図4に図示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付けている。
図5に示されるように、第4の実施の形態による浮動アクティブキャパシタ(以下、これを第4実施形態という)と、図4に示された第3の実施の形態による浮動アクティブキャパシタ(以下、これを第3実施形態という)との構成の違いは、第3実施形態が、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8として、直列接続されたキャパシタンス値(C0 )のキャパシタ8(3)と抵抗値(R0 )の抵抗8(4)とを備えた構成であるのに対し、第4実施形態が、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8として、直列接続された抵抗値(R0 )の抵抗8(5)とインダクタンス値(L0 )のインダクタ8(6)とを備えた構成である点に違いがあるが、それ以外の各構成については同じ構成になっている。
そして、第3実施形態と第4実施形態とは、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8に関してその構成の一部が異なっているが、1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路8としての動作形態は殆ど同じであって、第4実施形態による抵抗8(5)とインダクタ8(6)の接続点には、第3実施形態によるキャパシタ8(3)と抵抗8(4)の接続点に形成される90°進相信号が同じように形成される。
なお、図5においては、図4に図示された構成要素と同じ構成要素について同じ符号を付け、それらの構成要素についての説明は、既に行っているので省略する。
また、第4実施形態による浮動アクティブキャパシタの動作は、第1入力端子と第2入力端子2との間に信号電圧が供給されたとき、その信号電圧は第3実施形態の1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8に対してその一部の構成が異なる第4実施形態の1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8に供給されるが、前述のように、第4実施形態の1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8から90°進相信号が出力される動作と、第3実施形態の1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8から90°進相信号が出力される動作とは殆ど同じであることから、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8以外の構成部分の動作を含めて、前述の第3実施形態による浮動アクティブキャパシタの動作と殆ど同じである。
このため、第4実施形態による浮動アクティブキャパシタにおいても、第1入力端子と第2入力端子2との間に信号電圧が供給されたとき、第3実施形態による浮動アクティブキャパシタと同様に第1入力端子1から90°進相信号電流が流出し、第2入力端子2に90°進相信号電流が流入するようになり、第1入力端子1及び第2入力端子2から回路内部を見たとき、供給される信号に対して浮動アクティブキャパシタが形成されることになる。
続いて、図6は、第3の実施の形態及び第4の実施の形態による浮動アクティブキャパシタにおいて、回路内部に基準電位点(接地点)が形成される状態を説明するブロック構成図である。
図6において、図4及び図5に図示された構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付けている。
図6に示されるように、電圧フォロワ4の基準電位点は、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8における90°進相信号出力端であるキャパシタ8(3)と抵抗8(4)との接続点または抵抗8(5)とインダクタ8(6)との接続点に接続され、位相反転回路5の基準電位点は、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8における同相信号出力端である2つの高抵抗8(1)、8(2)の接続点に接続され、それぞれの基準電位点が仮想接地点と等価な状態を示すような設定にしているので、第1入力端子1と第2入力端子2との間に形成されるアクティブキャパシタは、基準電位点に対して浮動状態にある浮動アクティブキャパシタを形成することができる。
このような動作が行われる際に、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8及び電圧フォロワ4からなる構成部分は、第1入力端子1と第2入力端子2との間に供給される入力信号電圧をei 、電圧フォロワ4の出力信号電圧をeo とすれば、その伝達関数(eo /ei )は、(eo /ei )={−(s−a)/2(s+a)}で表すことができる。この場合も、sはラプラス変換子、aは1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路8に用いられる素子のインピーダンスによって決まる値である。
ここで、図4に図示の第3実施形態のように、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8として、キャパシタンス値(C0 )のキャパシタ8(3)と抵抗値(R0 )の抵抗8(4)を用いている場合、a={1/(C0 ・R0 )}であり、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8は、角周波数ωが1/(C0 ・R0 )になるときの周波数において90°進相する。また、図5に図示の第4実施形態のように、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8として、抵抗値(R0 )の抵抗8(5)とインダクタンス値(L0 )のインダクタ8(6)を用いている場合、a=(R0 /L0 )であり、1次のパッシブ全域通過形90°進相回路8は、角周波数ωが(R0 /L0 )になるときの周波数において90°進相する。
そして、第1入力端子1と第2入力端子2との間に供給される信号電圧をei、第1入力端子1と第2入力端子2を流れる信号電流を第1抵抗6と第2抵抗7に流れる信号電流と同じiとすれば、第1入力端子1及び第2入力端子2から内部を見たときのインピーダンスZは、Z=(ei /i)で表されるもので、第3実施形態のように、a={1/(C0 ・R0 )}である場合、
Figure 2008098907
で示され、(C0 R0 /r)のキャパシタンス値と、rの内部抵抗を有する浮動アクティブキャパシタが得られる。
一方、図5に図示の第4実施形態のように、a=(R0 /L0 )である場合、
Figure 2008098907
で示され、(L0 /rR0 )のキャパシタンス値と、rの内部抵抗を有する浮動アクティブキャパシタが得られる。
この場合、第3実施形態における当該キャパシタ8(3)のキャパシタンス値(C0 )及び当該抵抗8(4)の抵抗値(R0 )、好ましくは当該抵抗8(4)の抵抗値R0 を、また、第4実施形態における当該抵抗8(5)の抵抗値(R0 )及び当該インダクタ8(6)のインダクタンス値(L0 )、好ましくは当該抵抗8(5)の抵抗値(R0 )をそれぞれ適宜変更すれば、浮動アクティブキャパシタのキャパシタンス値(C0 R0 /r)またはキャパシタンス値(L0 /rR0 )を可変することができる。
本発明の浮動アクティブキャパシタにおける第1の実施の形態を示す回路構成図であって、構成要素の一部をブロック化した要部構成図である。 本発明の浮動アクティブキャパシタにおける第2の実施の形態を示す回路構成図であって、構成要素の一部をブロック化した要部構成図である。 第1の実施の形態及び第2の実施の形態による浮動アクティブキャパシタにおいて、回路内部に基準電位点が形成される状態を説明するブロック構成図である。 本発明の浮動アクティブキャパシタにおける第3の実施の形態を示す回路構成図であって、構成要素の一部をブロック化した要部構成図である。 本発明の浮動アクティブキャパシタにおける第4の実施の形態を示す回路構成図であって、構成要素の一部をブロック化した要部構成図である。 第3の実施の形態及び第4の実施の形態による浮動アクティブキャパシタにおいて、回路内部に基準電位点が形成される状態を説明するブロック構成図である。
符号の説明
1 第1入力端子
2 第2入力端子
3 1次のパッシブ全域通過形90°遅相回路(−90°)
3(1)、3(2) 高抵抗値の抵抗
3(3)、3(6) 抵抗
3(4) キャパシタ
3(5) インダクタ
4 電圧フォロワ(BF)
4(1) オペアンプ
5 位相反転回路(INV)
5(1) オペアンプ
5(2)、5(3) 抵抗
6 低抵抗値の第1抵抗
7 低抵抗値の第2抵抗
8 1次のパッシブ全域通過形90°進相回路(+90°)
8(1)、8(2) 高抵抗値の抵抗
8(3) キャパシタ
8(4)、8(5) 抵抗
8(6) インダクタ

Claims (8)

  1. 第1入力端子及び第2入力端子間に一対の入力端が接続された4素子ブリッジ回路を構成する1次のパッシブ全域通過形遅相回路と、前記1次のパッシブ全域通過形遅相回路の出力遅相信号を単位利得増幅する電圧フォロワと、前記電圧フォロワの出力遅相信号を反転増幅する位相反転回路と、前記電圧フォロワの出力と前記第1入力端子間に接続された低抵抗値の第1抵抗と、前記位相反転回路の出力と前記第2入力端子間に接続された前記第1抵抗と等抵抗値の第2抵抗とを備え、前記ブリッジ回路の4素子は、2素子が前記第1及び第2入力端子間に直列接続された等しい高抵抗値を有する2つの抵抗であり、2素子が前記第1及び第2入力端子間に直列接続された抵抗とキャパシタであって、前記直列接続された抵抗とキャパシタの接続点から遅相信号が出力されるもので、前記第1入力端子及び前記第2入力端子間に信号電圧が供給されたとき、前記第1入力端子からその信号電圧に対して90°進相した信号電流が流出され、前記第2入力端子にその信号電圧に対して90°進相した信号電流が流入されることにより、前記第1入力端子及び前記第2入力端子間に浮動アクティブキャパシタが形成されることを特徴とする浮動アクティブキャパシタ。
  2. 第1入力端子及び第2入力端子間に一対の入力端が接続された4素子ブリッジ回路を構成する1次のパッシブ全域通過形進相回路と、前記1次のパッシブ全域通過形進相回路の出力遅相信号を単位利得増幅する電圧フォロワと、前記電圧フォロワの出力遅相信号を反転増幅する位相反転回路と、前記電圧フォロワの出力と前記第1入力端子間に接続された低抵抗値の第1抵抗と、前記位相反転回路の出力と前記第2入力端子間に接続された前記第1抵抗と等抵抗値の第2抵抗とを備え、前記ブリッジ回路の4素子は、2素子が前記第1及び第2入力端子間に直列接続された等しい高抵抗値を有する2つの抵抗であり、2素子が前記第1及び第2入力端子間に直列接続されたインダクタと抵抗であって、前記直列接続されたインダクタと抵抗の接続点から遅相信号が出力されるもので、前記第1入力端子及び前記第2入力端子間に信号電圧が供給されたとき、前記第1入力端子からその信号電圧に対して90°進相した信号電流が流出され、前記第2入力端子からその信号電圧に対して90°進相した信号電流が流入されることにより、前記第1入力端子及び前記第2入力端子間に浮動アクティブキャパシタが形成されることを特徴とする浮動アクティブキャパシタ。
  3. 前記電圧フォロワは、反転入力と出力とが直接接続され、非反転入力が前記1次のパッシブ全域通過形進相回路の遅相出力端に接続されたオペアンプからなることを特徴とする請求項1もしくは2のいずれかに記載の浮動アクティブキャパシタ。
  4. 前記位相反転回路は、反転入力と出力との間に負帰還抵抗が接続され、反転入力が入力抵抗を通して前記1次のパッシブ全域通過形進相回路の出力に接続され、非反転入力が前記1次のパッシブ全域通過形遅相回路における等しい高抵抗値を有する2つの抵抗の接続点に接続されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の浮動アクティブキャパシタ。
  5. 第1入力端子及び第2入力端子間に一対の入力端が接続された4素子ブリッジ回路を構成する1次のパッシブ全域通過形進相回路と、前記1次のパッシブ全域通過形進相回路の出力進相信号を単位利得増幅する電圧フォロワと、前記電圧フォロワの出力進相信号を反転増幅する位相反転回路と、前記位相反転回路の出力と前記第1入力端子間に接続された低抵抗値の第1抵抗と、前記電圧フォロワの出力と前記第2入力端子間に接続された前記第1抵抗と等抵抗値の第2抵抗とを備え、前記ブリッジ回路の4素子は、2素子が前記第1及び第2入力端子間に直列接続された等しい高抵抗値を有する2つの抵抗であり、2素子が前記第1及び第2入力端子間に直列接続されたキャパシタと抵抗であって、前記直列接続されたキャパシタと抵抗の接続点から進相信号が出力されるもので、前記第1入力端子及び前記第2入力端子間に信号電圧が供給されたとき、前記第1入力端子にその信号電圧に対して90°遅相した信号電流が流入され、前記第2入力端子からその信号電圧に対して90°遅相した信号電流が流出されることにより、前記第1入力端子及び前記第2入力端子間に浮動アクティブキャパシタが形成されることを特徴とする浮動アクティブキャパシタ。
  6. 第1入力端子及び第2入力端子間に一対の入力端が接続された4素子ブリッジ回路を構成する1次のパッシブ全域通過形進相回路と、前記1次のパッシブ全域通過形進相回路の出力進相信号を単位利得増幅する電圧フォロワと、前記電圧フォロワの出力進相信号を反転増幅する位相反転回路と、前記位相反転回路の出力と前記第1入力端子間に接続された低抵抗値の第1抵抗と、前記電圧フォロワの出力と前記第2入力端子間に接続された前記第1抵抗と等抵抗値の第2抵抗とを備え、前記ブリッジ回路の4素子は、2素子が前記第1及び第2入力端子間に直列接続された等しい高抵抗値を有する2つの抵抗であり、2素子が前記第1及び第2入力端子間に直列接続された抵抗とインダクタであって、前記直列接続された抵抗とインダクタの接続点から進相信号が出力されるもので、前記第1入力端子及び前記第2入力端子間に信号電圧が供給されたとき、前記第1入力端子にその信号電圧に対して90°遅相した信号電流が流入され、前記第2入力端子からその信号電圧に対して90°遅相した信号電流が流出されることにより、前記第1入力端子及び前記第2入力端子間に浮動アクティブキャパシタが形成されることを特徴とする浮動アクティブキャパシタ。
  7. 前記電圧フォロワは、反転入力と出力とが直接接続され、非反転入力が前記1次のパッシブ全域通過形遅相回路の進相出力端に接続されたオペアンプからなることを特徴とする請求項5もしくは6のいずれかに記載の浮動アクティブキャパシタ。
  8. 前記位相反転回路は、反転入力と出力との間に負帰還抵抗が接続され、反転入力が入力抵抗を通して前記1次のパッシブ全域通過形遅相回路の出力に接続され、非反転入力が前記1次のパッシブ全域通過形進相回路における等しい高抵抗値を有する2つの抵抗の接続点に接続されることを特徴とする請求項5もしくは7のいずれか1項に記載の浮動アクティブキャパシタ。
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