この発明の第1の局面による表示画面支持機構は、表示画面部を支持する表示画面支持部材と、前記表示画面支持部材を回動可能に支持するための台座側支持部材とを備えた表示画面支持機構において、表示画面支持部材と台座側支持部材とを相対的に回動させるための板状の板金製の支持軸と、支持軸に取り付けられ、規制解除状態では、画面支持部材の表示画面部を取り付ける表示画面取付部が水平方向となる角度まで回動可能であり、規制状態では、表示画面支持部材の表示画面取付部が水平方向となる角度まで回動しないように表示画面支持部材の回動範囲を所定の回動範囲に規制する回動範囲規制部材と、回動範囲規制部材を回動範囲を規制する方向に付勢するためのばね部材とをさらに備え、表示画面支持部材および台座側支持部材は、回動範囲規制部材に当接することによって表示画面支持部材の移動範囲を規制する当接部を含み、当接部は、表示画面支持部材に設けられた切り欠き状または穴状の第1当接部と、台座側支持部材に設けられた切り欠き状または穴状の第2当接部とを含み、表示画面支持部材の回動部は、板状の支持軸を挿入するために、円心側の根元部が上側に位置するように配置された扇形状の第1穴部を有し、台座側支持部材は、板状の支持軸を挿入するために、円心側の根元部が下側に位置するように配置された扇形状の第2穴部を有し、回動範囲規制部材の規制解除状態において、表示画面部を上方に傾く方向に回動させたとき、支持軸と表示画面支持部材とは台座支持部材の第2穴部の根元部を中心にして第2穴部の角度範囲で一体的に回動し、その後、支持部は表示画面支持部材の第1穴部の根元部を中心にして第1穴部の角度範囲で回動することにより、表示画面支持部材は、表示画面部を取り付ける表示画面取付部が水平方向となる角度まで回動可能であり、表示画面部を下方に傾く方向に回動させたとき、第1穴部と板状の支持軸とが当接することにより表示画面部が所定の角度よりも下方に傾くことが抑制されるように構成されている。
この第1の局面による表示画面支持機構では、上記のように、板状に形成された板金製の支持軸を設けることによって、板状の支持軸を回動軸として用いることができる。この場合、板状に形成された板金製の支持軸は、プレス加工により容易に穴加工や形状の加工を行うことができるので、丸軸状の回動軸の外周面に沿って溝加工や段差加工を行う場合と異なり、回動軸の加工が複雑になることもない。また、規制解除状態では、表示画面支持部材の表示画面部を取り付ける表示画面取付部が水平方向となる角度まで回動可能であり、規制状態では、表示画面支持部材の表示画面取付部が水平方向となる角度まで回動しないように表示画面支持部材の回動範囲を所定の回動範囲に規制する回動範囲規制部材を支持軸に取り付けることによって、搬送時には、回動範囲規制部材の規制を解除することにより、表示画面取付部が水平方向となる角度まで回動することができるとともに、通常使用時には、回動範囲規制部材を規制状態にすることにより、表示画面支持部材を水平方向までは達しない所定の回動範囲で回動させることができる。これにより、表示装置の使用時に、不意な衝撃やユーザの操作ミスなどにより、表示画面が水平方向まで傾くことを規制することができる。また、回動範囲規制部材を規制状態にしたとしても、所定の回動範囲内では自由に回動させることができるので、所定の回動範囲内で回動させる際に1回1回回動範囲規制部材を調節する必要がない。
また、第1の局面による表示画面支持機構では、回動範囲規制部材を回動範囲を規制する方向に付勢するためのばね部材を備えるように構成することによって、ばね部材の付勢力により、常に、表示画面部が水平方向まで傾くことを規制する状態を維持することができる。また、表示画面支持部材に切り欠き状または穴状の第1当接部を設けるとともに、台座側支持部材に切り欠き状または穴状の第2当接部を設けることによって、第1当接部および第2当接部と回動範囲規制部材との当接によって、安定して表示画面部が水平方向まで傾くことを規制することができる。また、表示画面支持部材の回動部を、板状の支持軸を挿入するために、円心側の根元部が上側に位置するように配置された扇形状の第1穴部を有するように構成するとともに、台座側支持部材を、支持軸を挿入するために、円心側の根元部が下側に位置するように配置された扇形状の第2穴部を有するように構成し、表示画面部を上方に傾く方向に回動させたとき、支持軸と表示画面支持部材とは台座側支持部材の第2穴部の根元部を中心にして第2穴部の角度範囲で一体的に回動し、その後、支持軸は表示画面支持部材の第1穴部の根元部を中心にして第1穴部の角度範囲で回動することにより、表示画面支持部材は、表示画面部を取り付ける表示画面取付部が水平方向となる角度まで回動可能であるように構成することによって、板状の支持軸を回動軸として用いた場合にも、扇形状の第1穴部および第2穴部により、容易に、表示画面取付部が水平方向となる角度まで回動させることができる。また、表示画面部を下方に傾く方向に回動させたとき、第1穴部と板状の支持軸とが当接することにより表示画面部が所定の角度よりも下方に傾くことが抑制されるように構成することによって、表示画面部の重心が下方に傾く方向にかかり過ぎて表示装置が倒れることを規制することができる。
この発明の第2の局面による表示画面支持機構は、回動部を含む表示画面支持部材と、表示画面支持部材の回動部を回動可能に支持するための台座側支持部材と、表示画面支持部材と台座側支持部材とを相対的に回動させるための板金製の板状の支持軸と、支持軸に取り付けられ、規制解除状態では、画面支持部材の表示画面部を取り付ける表示画面取付部が水平方向となる角度まで回動可能であり、規制状態では、表示画面支持部材の表示画面取付部が水平方向となる角度まで回動しないように表示画面支持部材の回動範囲を所定の回動範囲に規制する回動範囲規制部材とを備える。
この第2の局面による表示画面支持機構では、上記のように、板状に形成された板金製の支持軸を設けることによって、板状の支持軸を回動軸として用いることができる。この場合、板状に形成された板金製の支持軸は、プレス加工により容易に穴加工や形状の加工を行うことができるので、丸軸状の回動軸の外周面に沿って溝加工や段差加工を行う場合と異なり、回動軸の加工が複雑になることもない。また、規制解除状態では、表示画面支持部材の表示画面部を取り付ける表示画面取付部が水平方向となる角度まで回動可能であり、規制状態では、表示画面支持部材の表示画面取付部が水平方向となる角度まで回動しないように表示画面支持部材の回動範囲を所定の回動範囲に規制する回動範囲規制部材を支持軸に取り付けることによって、搬送時には、回動範囲規制部材の規制を解除することにより、表示画面取付部が水平方向となる角度まで回動することができるとともに、通常使用時には、回動範囲規制部材を規制状態にすることにより、表示画面支持部材を水平方向までは達しない所定の回動範囲で回動させることができる。これにより、表示装置の使用時に、不意な衝撃やユーザの操作ミスなどにより、表示画面部が水平方向まで傾くことを規制することができる。また、回動範囲規制部材を規制状態にしたとしても、所定の回動範囲内では自由に回動させることができるので、所定の回動範囲内で回動させる際に1回1回回動範囲規制部材を調節する必要がない。
上記第2の局面による表示画面支持機構において、好ましくは、回動範囲規制部材を回動範囲を規制する方向に付勢するためのばね部材をさらに備える。このように構成すれば、ばね部材の付勢力により、常に表示画面部が水平方向まで傾くことを規制する状態を維持することができる。
上記第2の局面による表示画面支持機構において、好ましくは、表示画面支持部材および台座側支持部材は、回動範囲規制部材に当接することによって表示画面支持部材の移動範囲を規制する当接部を含み、当接部は、表示画面支持部材に設けられた切り欠き状または穴状の第1当接部と、台座側支持部材に設けられた切り欠き状または穴状の第2当接部とを含む。このように構成すれば、第1当接部および第2当接部と回動範囲規制部材との当接によって、安定して表示画面部が水平方向まで傾くことを規制することができる。
上記第2の局面による表示画面支持機構において、好ましくは、表示画面支持部材の回動部は、板状の支持軸を挿入するために、円心側の根元部が上側に位置するように配置された扇形状の第1穴部を有し、台座側支持部材は、板状の支持軸を挿入するために、円心側の根元部が下側に位置するように配置された扇形状の第2穴部を有し、回動範囲規制部材の規制解除状態において、表示画面部を上方に傾く方向に回動させたとき、支持軸と表示画面支持部材とは台座支持部材の第2穴部の根元部を中心にして第2穴部の角度範囲で一体的に回動し、その後、支持部は表示画面支持部材の第1穴部の根元部を中心にして第1穴部の角度範囲で回動することにより、表示画面支持部材は、表示画面部を取り付ける表示画面取付部が水平方向となる角度まで回動可能である。このように構成すれば、板状の支持軸を回動軸として用いた場合にも、扇形状の第1穴部および第2穴部により、容易に、表示画面取付部が水平方向となる角度まで回動させることができる。
上記第2の局面による表示画面支持機構において、好ましくは、支持軸は、第1穴部の根元部が板状の支持軸の上面と当接するとともに、第2穴部の根元部が板状の支持軸の下面と当接することにより、第1穴部の根元部と第2穴部の根元部によって表示画面部の垂直荷重を受けるように構成されている。このように構成すれば、板状の支持軸は、表示画面支持部材を回動する際に、第1穴部の円心側の根元部および第2穴部の円心側の根元部によって回動中心の位置がずれることが抑制されるので、容易に扇形状の角度範囲で表示画面支持部材および支持軸を回動させることができる。また、板状の支持軸の上下両端部に表示画面部の垂直荷重が加わるため、表示画面部の回動動作を安定させることができる。
上記第2の局面による表示画面支持機構において、好ましくは、表示画面部を下方に傾く方向に回動させたとき、第1穴部と板状の支持軸とが当接することにより表示画面部が所定の角度よりも下方に傾くことが抑制されるように構成されている。このように構成すれば、表示画面部の重心が下方に傾く方向にかかり過ぎて表示装置が倒れることを規制することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による表示画面支持機構が設けられた液晶表示装置の全体構成を示した斜視図である。図2は、図1に示した本発明の一実施形態による液晶表示装置から表示画面部を取り外した状態を示した斜視図である。図3は、図1に示した本発明の一実施形態による液晶表示装置から表示画面部および表示画面支持機構を取り外した状態を示した表示画面旋回装置の斜視図である。図4〜図14は、図1に示した本発明の一実施形態による表示画面支持機構の詳細構造を示した図である。まず、図1〜図14を参照して、本発明の一実施形態による表示画面支持機構の構造について説明する。
本発明の一実施形態による表示画面支持機構10は、図1、図2および図4に示すように、表示画面支持部材11と、一対の台座側支持部材12と、板金製の板状の支持軸13および14と、板金製の抜止部材15と、金属製の皿ばね16と、板金製の圧接板17および18と、金属製の皿ばね16に当接する板部材19とから構成されている。また、圧接板17および18には、支持軸13および14を挿入するための長方形状の穴部17aおよび18aがそれぞれ設けられている。また、支持軸13が挿入される側の圧接板17および18には、それぞれ、後述する回動範囲規制部材20との干渉を避けるための切り欠き部17bおよび18bが設けられている。また、板部材19には、支持軸13および14を挿入するための長方形の穴部19aが設けられている。
また、表示画面支持部材11は、図4および図10に示すように、表示画面部取付部11aと、一対の回動部11bとを含んでいる。また、表示画面支持部材11の表示画面部取付部11aには、4つのねじ挿入孔11cが設けられている。また、表示画面支持部材11の一対の回動部11bは、表示画面部取付部11aの両側端部から、それぞれ、表示画面部取付部11aの表面に対して垂直方向に延びるように設けられている。
ここで、本実施形態では、図10に示すように、表示画面支持部材11の一対の回動部11bの回動中心部近傍には、それぞれ、扇形状の第1穴部11dが設けられている。この扇形状の第1穴部11dは、図4に示すように、板状の支持軸13および14を挿入するために設けられている。また、扇形状の第1穴部11dは、図10に示すように、円心側の根元部11eが上側に位置するように配置されているとともに、円心側の根元部11eが支持軸13および14の上面と当接される。これにより、扇形状の穴部11dの根元部11eが表示画面支持部材11を介して表示画面部40の垂直荷重を受けるように構成されている。また、扇形状の第1穴部11dは、図9および図10に示すように、垂直方向から一方に開く角度α1(45度)の中心角と他方に開く角度β1(5度)の中心角とを有する。また、表示画面支持部材11は、板状の支持軸13および14に支持された扇形状の第1穴部11dの根元部11eを中心にして、板状の支持軸13および14に対して扇形状の角度範囲(本実施形態では、α1+β1=50度)で回動可能に構成されている。すなわち、板金製の板状の支持軸13および14は、表示画面支持部材11の回動軸として機能する。また、図4に示すように、回動部11bの支持軸13が挿入される側には、第1穴部11dの根元部11eの反対側に切り欠き状の第1当接部11fが設けられている。この第1当接部11fは、後述する回動範囲規制部材20が表示画面支持部材11の回動範囲を規制する位置(図5参照)にあるときに、回動範囲規制部材20の規制部20aと当接することによって表示画面支持部材11の回動範囲を規制する機能を有する。
また、一対の台座側支持部材12は、図4および図11に示すように、それぞれ、台座取付部12aと、回動部取付部12bとを含んでいる。また、台座側支持部材12の回動部取付部12bは、台座取付部12aの一方端部から台座取付部12aの表面に対して垂直方向の上方に延びるように設けられている。
また、本実施形態では、台座側支持部材12の回動部取付部12bには、扇形状の第2穴部12dが設けられている。また、扇形状の第2穴部12dは、図11に示すように、板状の支持軸13および14を挿入するために設けられている。また、扇形状の第2穴部12dは、円心側の根元部12eが下側に位置するように配置されているとともに、支持軸13および14の下面と当接される。これにより、扇形状の第2穴部12dの根元部12eが、表示画面支持部材11と支持軸13および14とを介して表示画面部40の垂直荷重を受けるように構成されている。つまり、本実施形態では、表示画面支持部材11の第1穴部11dの根元部11eと、台座側支持部材12の第2穴部12dの根元部12eとによって表示画面部40の垂直荷重を受けるように構成されている。また、扇形状の第2穴部12dは、図9および図11に示すように、垂直方向から一方に開く角度α2(45度)の中心角と他方に開く角度β2(5度)の中心角とを有する。また、支持軸13および14は、台座側支持部材12の扇形状の穴部12dの根元部12eを中心にして、台座側支持部材12に対して扇形状の角度範囲(本実施形態では、α2+β2=50度)で回動可能に構成されている。また、図4に示すように、台座側支持部材12の支持軸13が挿入される側には、第2穴部12dの根元部12eの下方に穴状の第2当接部12fが設けられている。この第2当接部12fは、後述する回動範囲規制部材20が表示画面支持部材11の回動範囲を規制する位置(図5参照)にあるときに、回動範囲規制部材20の規制部20aと当接することによって表示画面支持部材11の回動範囲を規制する機能を有する。
また、板金製の板状の支持軸13および14は、図4に示すように、それぞれ一対の当接部13aおよび14aと、長方形状の穴部13bおよび14bとを含んでいる。支持軸13および14のそれぞれ一対の当接部13aおよび14aは、支持軸13および14の長手方向(X方向)に伸びる両側面の後端部に突出するように設けられている。この当接部13aおよび14aは、図2および図4に示すように、表示画面支持部材11側を圧接する圧接板17と当接させるために設けられている。また、支持軸13および14の長方形状の穴部13bおよび14bは、抜止部材15を挿入するために設けられている。
また、図12に示すように、板金製の抜止部材15はクサビ状に形成されているとともに、長手方向(Y方向)に伸びる一方側面15aに設けられた面取部15bと長手方向(Y方向)に延びる他方側面15cに設けられた面取部15dとを含んでいる。また、抜止部材15の一方側面15aの長さL1は、他方側面15の長さL2よりも短くなるように設けられている。このように抜止部材15がクサビ状に形成されていることによって、図2に示すように、抜止部材15が、板状の支持軸13および14に設けられた長方形状の穴部13aおよび14a(図4参照)に挿入された際に、容易に抜け落ちることが抑制される。また、面取部15bは、抜止部材15を支持軸13および14に設けられた長方形状の穴部13aおよび14aに挿入しやすくするために設けられている。また、
ここで、本実施形態では、図4に示すように、支持部13のねじ穴部13cには、表示画面支持部材11の回動範囲を規制する規制部20aを有するL字形状の回動範囲規制部材20が回動可能に取り付けられている。具体的には、回動範囲規制部材20の穴部20bに段付きねじ部材22(図13参照)を挿入して支持軸13のねじ穴部13cに締め付けることにより、回動範囲規制部材20が支持軸13のねじ穴部13cを中心軸として支持軸13に回動可能に取り付けられている。また、回動範囲規制部材20の規制部20aは、回動範囲規制部材20(図7参照)の長手方向(Z方向)の一方端部の台座支持部材12と対向する側に設けられている。また、回動範囲規制部材20の長手方向(Z方向)の他方端部には、曲げ加工によって形成され、回動範囲規制部材20を回動させる際に指により押圧可能な押圧部20cが設けられている。
また、図13に示すように、段付きねじ部材22のねじ部分の根元には、ねじりばね21のコイル部21aが嵌め込まれる段付き部22aが設けられている。段付きねじ部材22の段付き部22aの外径は、ねじりばね21のコイル部21aの内径D1(図8参照)よりも小さくなるように形成されている。本実施形態では、段付きねじ部材22の段付き部22aにねじりばね21のコイル部21aが嵌め込まれた状態で、段付きねじ部材22が回動範囲規制部材20の穴部20bを介して支持軸13のねじ穴部13cに締め付けられている。そして、回動範囲規制部材20は、図5に示すように、ねじりばね21により、常に回動範囲を規制する方向(図5の矢印E方向)に付勢されている。なお、ねじりばね21は、本発明の「ばね部材」の一例である。
また、本実施形態では、図1に示すように、表示画面旋回装置23が、表示装置100を支持している表示画面支持機構10を支持するために設けられており、表示画面旋回装置23は、表示画面支持機構10によって支持されている表示装置100の表示画面部40を水平方向(A方向およびB方向)に(たとえば±45度)回動させることができるように形成されている。
また、表示画面旋回装置23は、図3に示すように、板金製の台座24と、板金製の回動部材25と、金属製の押圧部材26および27と、板部材28と、抜止部材15と、皿ばね16と、板部材19とから構成されている。
また、図3および図4に示すように、回動部材25を板金製の台座24の所定の場所に載置した状態で、台座24に切り起こし加工によって一体的に形成された直立部24aおよび24bに、金属製の押圧部材26および27が、押圧部材26および27に設けられた長方形状の穴部(図示せず)を介してそれぞれ嵌め込まれている。また、台座24の上側面における直立部24aが形成されていない両端部において、一方端部側には切り起こし加工によって一体的に形成された爪部24eが設けられている。この爪部24eは、回動部材25が回動する際にガイドするように構成されている。また、爪部24eが設けられる側とは反対側の他方端部には、回動部材25が水平方向(図1のA方向およびB方向)に所定の角度だけ(たとえば±45度)回動する際に、回動部材25の回動動作を規制するための金属製の板部材28が、ねじ部材50によって固定されている。そして、2枚の皿ばね16が、それぞれ互いに凸となる向きに重ね合わせた状態で、押圧部材26および27の上にそれぞれ2枚ずつ嵌め込まれるように構成されている。さらに、2枚の皿ばね15の上側に、板部材19の長方形の穴部19aを介して、板部材19がそれぞれ嵌め込まれるとともに、抜止部材15が、それぞれの直立部24aおよび24bに設けられた長方形の孔部24cおよび24dに挿入されている。この場合、2枚の皿ばね16をそれぞれ所定の押圧力で押圧して撓ませた状態で抜止部材15が挿入されている。これによって、台座24と押圧部材26および27との間に挟持された回動部材25が水平方向に回動可能に保持されるように構成されている。
また、回動部材25は、図4に示すように、台座側支持部材12の台座取付部12aをねじ部材50によって固定するための4つのねじ取付孔25aが設けられた取付部25bを含んでいる。この回動部材25の4つのねじ取付孔25aに台座取付部12aの4つのねじ挿入穴12cを介してねじ部材50を締め付けることによって、台座側支持部材12が回動部材25に取り付けられている。
また、表示装置100の表示画面部40は、図1に示すように、画面部(図示せず)を含む表示モジュール41が、樹脂製のフロントキャビネット42およびリアキャビネット43によって内包されるように構成されている。また、図14に示すように、表示画面部40の表示モジュール41は、表示画面支持部材11のねじ挿入孔11cを介して、ねじ取付孔(図示せず)にねじ部材50が締め付けられることにより、表示画面支持部材11に取り付けられている。また、リアキャビネット43には、表示画面支持部材11を覆い隠して配置するための収容部43aが一体的に設けられている。
図15〜図19は、図1に示した本発明の一実施形態による表示画面支持機構の回動動作を説明するための断面図である。図5、図6、図9および図14〜図19を参照して、本実施形態による表示画面支持機構の回動動作について説明する。
まず、搬送時に、表示画面支持機構10を水平方向に回動させる場合について説明する。この場合、図5および図6に示すように、回動範囲規制部材20の押圧部20c(図7参照)をユーザが指で押圧することによって回動範囲規制部材20をねじりばね21による付勢力に抗して矢印F方向に移動させる。これにより、回動範囲規制部材20が表示画面支持部材11の第1当接部11fおよび台座側支持部材12の第2当接部12fに対して係合していない状態になるので、表示画面支持部材11の回動範囲が規制されていない規制解除状態となる。そして、この規制解除状態を維持しながら、図14に示すように、表示画面支持部材11が表示画面旋回装置23に対して垂直に支持されている状態から、表示画面部支持部材11により支持される表示画面部40を矢印C方向(表示画面40の上向きになる方向)に押圧する。この場合、図9に示すように、表示画面支持部材11の扇形状の第1穴部11dの根元部11eと支持軸13および14の上面とが当接しながら、表示画面支持部材11と支持軸13および14とが一体的に台座側支持部材12の扇形状の第2穴部12dの根元部12eを回動中心として、矢印C方向に回動を開始する。そして、図15の状態を経て、表示画面支持部材11と支持軸13および14とが45度(図9の角度α2)回動されると、図16に示すように、支持軸13および14の側面は、台座側支持部材12の扇形状の第2穴部12dの一方縁に当接する。この状態で、ユーザが表示画面部40を矢印C方向にさらに押圧すると、表示画面支持部材11が、扇形状の第1穴部11dの根元部11eを回動中心として支持軸13および14に対して矢印D方向への回動を継続する。そして、表示画面支持部材11が、矢印C方向にさらに45度(図9のα1)回動されると、図17に示すように、支持軸13および14は、表示画面支持部材11が、扇形状の第1穴部11dの一方縁に当接するとともに、矢印C方向への回動が終了する。このように、本実施形態では、回動範囲規制部材20を規制解除状態にした場合には、図14に示した表示画面部40が表示画面支持部材11によって表示画面旋回装置23に対して垂直に支持されている状態から、図17に示すように、矢印C方向に90度まで回動して表示画面部40が水平方向になるまで回動可能である。
なお、図17に示した表示画面部40が水平方向にまで傾いた状態から矢印D方向に回動させて図16の状態を経て図15の状態になると、回動範囲規制部材20の規制部20aは、ねじりばね21の矢印E方向(図5参照)への付勢力により自動的に図15に示すように、台座側支持部材の第2当接部12fに嵌り込み、第2当接部12fと係合して回動規制状態に復帰する。
次に、図5に示すように、通常使用時において、回動範囲規制部材20の押圧部20c(図7参照)が押圧されずに回動範囲規制部材20が矢印E方向に付勢されて、表示画面支持部材11の回動範囲が規制されている状態(回動規制状態)での回動動作について説明する。この回動規制状態では、図14に示すように、表示画面支持部材11が表示画面旋回装置23に対して垂直に支持されている状態から、表示画面部支持部材11により支持される表示画面部40をユーザが矢印C方向(表示画面部40が上向きになる方向)に押圧すると、図15に示すように、表示画面支持部材11の扇形状の第1穴部11dの根元部11eと支持軸13および14の上面とが当接しながら、表示画面支持部材11と支持軸13および14とが一体的に台座側支持部材12の扇形状の第2穴部12dの根元部12eを回動中心として、矢印C方向に回動する。この場合、回動範囲規制部材20の規制部20aは、表示画面部40の回動に伴って、まず台座側支持部材12の穴状の第2当接部12fの一方端部に当接され、さらに、ユーザによりC方向に押圧力が加えられて約30度まで表示画面部40が傾けられると、表示画面支持部材11の切欠き状の第1当接部11fの一方端部に当接される。すなわち、回動範囲規制部材20の規制部20aは、表示画面支持部材11の第1当接部11fの一方端部と台座側支持部材12の第2当接部12fの一方端部に挟み込まれることによって、表示画面部40はC方向に対して約30度以上回動されることが規制される。このように、本実施形態では、回動範囲規制部材20を規制状態にすることによって、表示画面部40を上向き方向にする場合の回動範囲が0度から約30度の回動範囲に規制され、回動範囲規制部材20による規制状態では、表示画面部40が水平方向にまでは回動しないように構成されている。
次に、図14に示した表示画面部40が表示画面支持部材11によって表示画面旋回装置23に対して垂直に支持されている状態から、表示画面支持部材11により支持される表示画面部40をユーザがD方向(表示画面部40が下向きになる方向)に押圧する場合について説明する。その場合、図9に示すように、表示画面支持部材11の扇形状の第1穴部11dの根元部11eと支持軸13および14の上面とが当接しながら、表示画面支持部材11と支持軸13および14とが一体的に台座側支持部材12の扇形状の第2穴部12dの根元部12eを回動中心として、矢印D方向に回動を開始する。そして、表示画面支持部材11と支持軸13および14とが5度(図9の角度β2)回動されると、図18に示すように、支持軸13および14は、台座側支持部材12の扇形状の第2穴部12dの他方縁に当接する。この状態で、ユーザが表示画面部40を矢印D方向にさらに押圧すると、表示画面支持部材11が、扇形状の第1穴部11dの根元部11eを回動中心として支持軸13および14に対して矢印D方向への回動を継続する。そして、表示画面支持部材11が、矢印D方向にさらに5度(図9のβ1)回動されると、図19に示すように、支持軸13および14は、表示画面支持部材11の扇形状の第1穴部11dの他方縁に当接することにより、矢印D方向へこれ以上回動することができない状態になる。このように、本実施形態では、図14に示した表示画面部40が表示画面支持部材11によって表示画面旋回装置23に対して垂直に支持されている状態から、図19に示すように、矢印D方向に10度まで回動可能である。
なお、図19に示すように、表示画面部40がD方向(表示画面部40が下向きになる方向)に約10度回動されている状態において、回動範囲規制部材20の規制部20aは、表示画面支持部材11の第1当接部11fと台座側支持部材12fの第2当接部12fとに嵌り込んだ状態である一方、表示画面支持部材11の第1当接部11fと台座側支持部材12の第2当接部12fとのどちらにも当接していない。つまり、回動範囲規制部材20は、表示画面部40が下向きになる方向の回動範囲を規制する機能を有しない。
また、図14に示すように、表示画面部40が表示画面支持部材11によって表示画面旋回装置23に対して垂直に支持されている状態から、表示画面部40の矢印C方向への回動角度が0度〜90度、または矢印D方向への回動角度が0度〜10度の任意の回動角度で、ユーザが表示画面部40の押圧を止めると、皿ばね16(図4参照)が圧接板18を介して表示画面支持部材11と台座側支持部材12とを挟持するように押圧しているため、表示画面支持部材11と台座側支持部材12との摩擦力によって表示画面支持部材11の回動角度は維持される。
本実施形態では、上記のように、板状に形成された板金製の支持軸を設けることによって、板状の支持軸13および14を回動軸として用いることができる。この場合、板状に形成された板金製の支持軸13および14は、プレス加工により容易に穴加工や形状の加工を行うことができるので、丸軸状の回動軸の外周面に沿って溝加工や段差加工を行う場合と異なり、回動軸の加工が複雑になることもない。また、規制解除状態では、表示画面支持部材11の表示画面部40を取り付ける表示画面取付部11aが水平方向となる角度まで回動可能であり、規制状態では、表示画面支持部材11の表示画面取付部11aが水平方向となる角度まで回動しないように表示画面支持部材11の回動範囲を所定の回動範囲に規制する回動範囲規制部材20を支持軸13および14に取り付けることによって、搬送時には、回動範囲規制部材20の規制を解除することにより、表示画面取付部31aが水平方向となる角度まで回動することができるとともに、通常使用時には、回動範囲規制部材20を規制状態にすることにより、表示画面支持部材11を水平方向までは達しない所定の回動範囲で回動させることができる。これにより、表示装置100の使用時に、不意な衝撃やユーザの操作ミスなどにより、表示画面部40が水平方向まで傾くことを規制することができる。また、回動範囲規制部材20を規制状態にしたとしても、所定の回動範囲内では自由に回動させることができるので、所定の回動範囲内で回動させる際に1回1回回動範囲規制部材20を調節する必要がない。
また、本実施形態では、回動範囲規制部材20を回動範囲を規制する方向に付勢するためのねじりばねを設けることによって、ねじりばねの付勢力により、常に表示画面部40が水平方向まで傾くことを規制する状態を維持することができる。
また、本実施形態では、表示画面支持部材11に切り欠き状または穴状の第1当接部11fを設けるとともに、台座側支持部材12に切り欠き状または穴状の第2当接部12fを設けることにより、第1当接部11fおよび第2当接部12fと回動範囲規制部材20との当接によって、安定して表示画面部40が水平方向まで傾くことを規制することができる。
また、本実施形態では、表示画面支持部材11の回動部11bを、板状の支持軸13および14を挿入するために、円心側の根元部が上側に位置するように配置された扇形状の第1穴部11dを有するように構成するとともに、台座側支持部材12を、板状の支持軸13および14を挿入するために、円心側の根元部が下側に位置するように配置された扇形状の第2穴部12dを有するように構成し、回動範囲規制部材20の規制解除状態において、表示画面部40を上方に傾く方向に回動させたとき、支持軸13および14と表示画面支持部材11とは台座支持部材12の第2穴部12dの根元部12eを中心にして第2穴部の角度範囲で一体的に回動し、その後、支持部13および14は表示画面支持部材11の第1穴部11dの根元部11eを中心にして第1穴部11dの角度範囲で回動することにより、表示画面支持部材11は、表示画面部40取り付ける表示画面取付部11aが水平方向となる角度まで回動可能であるように構成することによって、板状の支持軸13および14を回動軸として用いた場合にも、扇形状の第1穴部11dおよび第2穴部12dにより、容易に、表示画面取付部11aが水平方向となる角度まで回動させることができる。
また、本実施形態では、支持軸13および14は、第1穴部11dの根元部11eが板状の支持軸13および14の上面と当接するとともに、第2穴部12dの根元部12eが板状の支持軸13および14の下面と当接することにより、第1穴部11dの根元部11eと第2穴部12dの根元部12eによって表示画面部40の垂直荷重を受けるように構成することによって、板状の支持軸13および14は、表示画面支持部材11を回動する際に、第1穴部11dの円心側の根元部11eおよび第2穴部12dの円心側の根元部12eによって回動中心の位置がずれることが抑制されるので、容易に扇形状の角度範囲で表示画面支持部材11および支持軸13および14を回動させることができる。また、板状の支持軸13および14の上下両端部に表示画面部40の垂直荷重が加わるため、表示画面部40の回動動作を安定させることができる。
また、本実施形態では、表示画面部40を下方に傾く方向に回動させたとき、第1穴部11dと板状の支持軸13および14とが当接することにより表示画面部40が所定の角度よりも下方に傾くことが抑制されるように構成することによって、表示画面部40の重心が下方に傾く方向にかかり過ぎて表示装置100が倒れることを規制することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、回動範囲規制部材20を回動範囲を規制する方向に付勢するためのばね部材としてねじりばねを用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、圧縮ばねなどを用いてもよい。
また、上記実施形態では、表示画面支持部材11の第1当接部11fを切り欠き状に形成するとともに、台座側支持部材12の第2当接部12fを穴状に形成したが、本発明はこれに限らず、第1当接部11fおよび第2当接部12fは、穴状または切り欠き状のどちらに形成してもよい。