JP2008098371A - 半導体装置の製造方法及び電子機器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板に対する熱負荷を低減できる半導体装置の製造方法を提供する。また、半導体素子の特性を向上させる。
【解決手段】半導体装置(例えば、TFT)の製造において、基板100上にシリコン膜102を形成し、シリコン膜102に対し、水素及び酸素の混合ガスを燃料とするガスバーナー22の火炎を走査することにより熱処理(再結晶化)を行なう際、予め基板を裏面からヒーター内蔵のステージ部51で加熱する。もしくは、あらかじめ、基板に対し、上記火炎を第1走査することにより、基板の温度を上昇させた後、上記火炎を第2走査することにより、熱処理を施す。このように基板に対し予備加熱を行なうことで基板に対する熱負荷(熱衝撃、熱変形)を防止することができる。
【選択図】図10
【解決手段】半導体装置(例えば、TFT)の製造において、基板100上にシリコン膜102を形成し、シリコン膜102に対し、水素及び酸素の混合ガスを燃料とするガスバーナー22の火炎を走査することにより熱処理(再結晶化)を行なう際、予め基板を裏面からヒーター内蔵のステージ部51で加熱する。もしくは、あらかじめ、基板に対し、上記火炎を第1走査することにより、基板の温度を上昇させた後、上記火炎を第2走査することにより、熱処理を施す。このように基板に対し予備加熱を行なうことで基板に対する熱負荷(熱衝撃、熱変形)を防止することができる。
【選択図】図10
Description
本発明は半導体装置の製造方法、特に、熱処理工程における基板に対する熱負荷の軽減に関するものである。
半導体装置の製造工程においては、種々の熱処理が行われる。例えば、CVD(chemical vapor deposition、化学気相成長)法などによって基板上に成膜したシリコンの再結晶化を図る際には、熱処理が施される。具体的な結晶化方法としては、600〜1000℃の高温熱処理による固相成長法、エキシマレーザ照射を行うレーザアニール法、熱プラズマを熱源とする熱プラズマジェット法(特許文献1、非特許文献1)等がある。
また、再結晶化されたシリコン膜上に絶縁膜として酸化膜を形成する際にも熱酸化膜法(ドライ酸素酸化、ウェット酸化、スチーム酸化、水素燃焼酸化)等が用いられている。
この他の熱処理工程として、例えば、不純物イオンの活性化、レジスト膜のアッシング、機能液の焼成などの工程がある。
特開平11−145148号公報
Crystallization of Si Thin Film Using Thermal Plasma Jet and Its Application to Thin-Film Transistor Fabrication, S.Higashi, AM-LCD '04 Technical Digest Papers, p.179
しかしながら、上述した熱処理による固相成長法では、基板が600〜1000℃の高温に加熱されるため、基板に対する熱負荷が大きく、基板の歪みや割れが生じやすい。また、結晶化に長時間を必要とし、生産性に乏しい。また、レーザアニール法によれば、耐熱性の低いガラス基板を用いることができるものの、高価な設備が必要とされるとともに、素子特性のばらつきが大きくなる傾向がある。
そこで、本発明者らは、基板に対する熱負荷が軽減でき、大面積の基板の熱処理を行うことが可能な半導体装置の製造方法として、水素及び酸素の混合ガスを燃料とするガスバーナーの火炎を施すことによる熱処理を研究対象とし(例えば、特願2005−329205等参照)、当該処理特性を向上させるべく鋭意検討している。
しかしながら、当該熱処理において、基板全体(バルク)温度と火炎の照射部位との温度差によって基板の割れが生じ易いことが判明した。また、基板全体が高温状態となると基板の変形(歪み)が生じることが判明した。
よって、本発明は、基板に対する熱負荷を低減できる半導体装置の製造方法等を提供することを目的とする。また、本発明は、半導体素子の特性を向上させることができる半導体装置の製造方法等を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る半導体装置の製造方法は、(a)基板の第1面上に第1膜を形成する工程と、(b)上記第1膜に対し、水素及び酸素の混合ガスを燃料とするガスバーナーの火炎を走査することにより、熱処理を施す工程と、を有し、(c)上記熱処理は、上記基板を第2面から加熱した後、もしくは加熱しつつ行なわれることを特徴とする半導体装置の製造方法。
かかる方法によれば、基板温度と火炎の照射部位の温度との温度差を低減でき、基板に対する熱負荷(特に、熱衝撃)を緩和することができる。
例えば、上記加熱は、上記基板の第2面側に搭載されたヒーターにより行なわれる。かかる方法によれば、容易に基板のバルク温度を上昇させることができる。
好ましくは、上記基板の第2面の平均温度と上記火炎の照射部位の温度との温度差は、300℃以下である。このように、温度差を設定することで、基板に対する熱負荷を軽減することができる。
好ましくは、上記基板の第2面の平均温度は、600℃以下である。かかる方法によれば、特に、基板の変形、歪みを軽減することができる。
好ましくは、上記基板の第2面の平均温度は、300℃以上600℃以下である。かかる方法によれば、基板の割れや変形を軽減することができる。
例えば、上記第1膜は、シリコン膜であり、上記熱処理により上記シリコン膜の結晶化が行なわれる。かかる方法によれば、シリコン膜の再結晶化の際の基板に対する熱負荷を軽減することができる。
(2)本発明に係る半導体装置の製造方法は、(a)基板の第1面上に第1膜を形成する工程と、(b)上記第1膜に対し、水素及び酸素の混合ガスを燃料とするガスバーナーの火炎を第1走査することにより、上記基板の温度を上昇させる工程と、(c)上記第1膜に対し、水素及び酸素の混合ガスを燃料とするガスバーナーの火炎を第2走査することにより、熱処理を施す工程と、を有する。
かかる方法によれば、第1走査により基板の温度を上昇させたので、第2走査の際、基板の温度と火炎の照射部位の温度との温度差を低減できる。よって、基板に対する熱負荷(特に、熱衝撃)を緩和することができる。また、ガスバーナーの走査によって基板の温度を上昇させるという予備的な加熱を行なうことができ、ヒーター等の構成を省略することができる。
好ましくは、上記第1走査時における上記ガスバーナーと上記基板との第1間隔は、上記第2走査時における上記ガスバーナーと上記基板との第2間隔より大きい。このように、第1間隔を大きく設定することで、基板温度を緩やかに所定の温度まで上昇させることができる。
好ましくは、上記第1走査時における走査速度は、上記第2走査時における走査速度より小さい。このように、第1走査速度を小さく設定することで、基板温度を緩やかに所定の温度まで上昇させることができる。
好ましくは、上記第2走査時における上記基板の第1面であって、上記火炎の照射部位を除く部位の平均温度と上記火炎の照射部位の温度との温度差は、300℃以下である。このように、温度差を設定することで、第2走査時における基板に対する熱負荷を軽減することができる。
好ましくは、上記第2走査時における上記基板の第1面であって、上記火炎の照射部位を除く部位の平均温度は、600℃以下である。かかる方法によれば、基板の割れや変形を軽減することができる。
好ましくは、上記第2走査時における上記基板の第1面であって、上記火炎の照射部位を除く部位の平均温度は、300℃以上600℃以下である。かかる方法によれば、基板の割れや変形を軽減することができる。
例えば、上記第1膜は、シリコン膜であり、上記第2走査により上記シリコン膜の結晶化が行なわれる。かかる方法によれば、シリコン膜の再結晶化の際の基板に対する熱負荷を軽減することができる。
(3)本発明に係る電子機器の製造方法は、上記半導体装置の製造方法を有する。ここで「電子機器」とは、本発明にかかる半導体記憶装置を備えた一定の機能を奏する機器一般をいい、その構成に特に限定はないが、例えば、携帯電話、ビデオカメラ、テレビジョン、ロールアップ式テレビジョンの他、大型スクリーン、パーソナルコンピュータ、携帯型情報機器(いわゆるPDA)等、各種のものが含まれる。
本実施の形態では、水素及び酸素の混合ガスを燃料とするガスバーナーを用いて、バルク全体が予め加熱された基板に対し、熱処理を行なう。以下、この熱処理を「水素火炎処理」と言うことがある。この熱処理には、例えば、シリコン膜(半導体膜、半導体層)の再結晶化の際の熱処理がある。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の機能を有するものには同一もしくは関連の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。
1)半導体製造装置
まず、本実施の形態の半導体装置の製造に用いられる半導体製造装置について図1〜図9を参照しながら説明する。
まず、本実施の形態の半導体装置の製造に用いられる半導体製造装置について図1〜図9を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態の半導体装置の製造に用いられる半導体製造装置の構成例を示す図である。図1において、水タンク11には純水が蓄えられおり、電気分解槽(電気分解装置)12に水を供給する。水は電気分解槽12によって電気分解されて水素ガス及び酸素ガスに分離される。分離された水素ガス及び酸素ガスはガスコントローラ15に供給される。ガスコントローラ15はコンピュータシステムと調圧弁、流量調整弁、各種センサ等によって構成されており、予め設定されたプログラムに従って下流のガスバーナー22に供給する水素ガス及び酸素ガス(混合ガス)の供給量、供給圧力、両ガスの混合比等を調整する。
また、ガスコントローラ15は図示しないガス貯蔵タンクから供給される、水素ガス(H2)、酸素ガス(O2)を更に前述の混合ガスに導入し、ガスバーナー22に供給する。これにより、混合ガスの水素および酸素の混合比(混合比率)を水(H2O)の化学量論組成比(H2:O2=2mol:1mol)からずらし、水素過剰(水素リッチ)あるいは酸素過剰(酸素リッチ)な混合ガスを得る。
また、ガスコントローラ15は、図示しないガス貯蔵タンクから供給される、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、窒素(N2)等の不活性ガスを更に上記混合ガスに導入することができる。これにより、ガスバーナー22の火炎温度(燃焼温度)や火炎状態の制御を行っている。
上述した水タンク11、電気分解槽12およびガスコントローラ15は燃料(原料)供給部を構成する。
ガスコントローラ15の下流には閉空間を形成するチャンバ(処理室)21が配置されている。チャンバ21には、熱処理の火炎を発生するガスバーナー22、処理対象の基板(半導体基板やガラス基板等)100を載置してガスバーナー22に対して相対的に移動可能とするステージ部(載置台)51等が配置されている。
チャンバ21内の雰囲気は、これに限定されないが、例えば、内部圧力が大気圧〜0.5MPa程度、内部温度が室温〜100℃程度に設定可能なよう構成されている。チャンバ21内の気圧を所望状態に保つために、前述のアルゴンなどの不活性ガスをチャンバ21内に導入することができる。
ステージ部51はパーティクル防止のために基板を載置した台を一定速度で移動する機構が設けられている。また、急激な温度差等による基板100のヒートショックを防止するため、基板100の載置台に加熱(予熱)や冷却を行う機構が設けられており、外部の温度調節部52によってこの温度制御がなされる。加熱には電気ヒーター機構、冷却には冷却ガスや冷却水を用いる冷却機構などが用いられる。
例えば、本実施の形態においては、ステージ部51内にヒーターが内蔵されている。よって、このヒーターにより予備加熱が可能となる。
図2は、半導体製造装置のガスバーナー部の構成例を示す平面図である。図2に示すように、図1の半導体製造装置のガスバーナー22はステージ部51の幅(図示の上下方向)よりも大きい長手部材によって形成され、ステージ部51の幅より広い幅の火炎を放射できる。ガスバーナー22の長手方向と直交する方向(図中の矢印方向)にステージ部51を移動することにより、あるいはガスバーナー22を移動することによって、ガスバーナー22が基板100を走査するように構成されている。
図3は、半導体製造装置のガスバーナー部の構成例を示す断面図である。図3に示すように、ガスバーナー22は、混合ガスを燃焼室に導出するガスの出口穴が設けられた導気管22a、導気管22aを囲む遮蔽器22b、遮蔽器22bによって囲まれて混合ガスが燃焼する燃焼室22c、燃焼ガスが遮蔽器22bから外方に出る出口となるノズル22d、導気管22aに設けられた混合ガスの流出口22eなどによって構成されている。
ノズル22dと基板100とのギャップ(距離)を広く設定すると、燃焼ガスがノズルから放出される際に圧力が低下する。ノズル22dと基板100とのギャップをせまく設定する(しぼる)と、燃焼ガスの圧力低下が抑制され、圧力は高くなる。従って、ギャップを調整することによってガス圧力を調整することができる。加圧によって水蒸気アニール、水素リッチアニール、酸素リッチアニールなどを促進することができる。各種アニールは混合ガスの設定によって選択可能である。図中には、水蒸気(H2O蒸気)の噴出の様子を示す。
後述するように、混合ガスの流出口22eを複数あるいは線状に形成することによって、ガスバーナー22の燃焼室22cの火炎(トーチ)形状を線状(長尺の火炎)、複数のトーチ状等にすることができる。ガスバーナー22近傍の温度プロファイルは流出口22eや遮蔽器22bのノズル22d等の設計により、好ましくは、火炎の走査方向において矩形となるように設定される。
図4は、半導体製造装置のガスバーナー部の第1構成例を示す図である。図4(A)はガスバーナー22の短手方向における断面図、図4(B)はガスバーナー22の長手方向における部分断面図を示し、図4(C)はガスバーナー部を模式的に示した斜視図である。これらの図において、図3と対応する部分には同一符号を付している。
この例では、導気管22aを囲むように遮蔽器22bが形成されている。遮蔽器22bの下方がノズル22dとなっており、導気管22aの下方(ノズル22d側)にガス流出口22eが線状(長穴)に設けられている。なお、直線状のガス流出口22eの各部位の流出量を同じにするために穴の幅を場所に応じて変えるようにしてもよい。
図5は、半導体製造装置のガスバーナー部の第2構成例を示す図である。ガスバーナー22の他の構成例を示している。図5(A)はガスバーナー22の短手方向における断面図、図5(B)はガスバーナー22の長手方向における部分断面図を示している。両図において、図3と対応する部分には同一符号を付している。
この例では、導気管22aを囲むように遮蔽器22bが形成されている。遮蔽器22bの下方がノズル22dとなっており、導気管22aの下方(ノズル22d側)に複数のガス流出口22eが等間隔で設けられている。この構成では燃焼室のガス密度を一様とし、ノズル22dから外部に流れるガス流量を均一にするために、導気管22aを例えば図示の左右方向に適宜移動可能なように構成されている。なお、導気管22aを固定とし、ガス流出口22eの各部位の流出量を同じにするために、必要によりガス流出口22eの間隔を場所に応じて変えるようにしてもよい。
図6は、半導体製造装置のガスバーナー部の第3構成例を示す図である。図6(A)はガスバーナー22の短手方向における断面図、図6(B)はガスバーナー22の長手方向における部分断面図を示している。両図において、図3と対応する部分には同一符号を付している。
この例でも、導気管22aを囲むように遮蔽器22bが形成されている。遮蔽器22bの下方がノズル22dとなっており、導気管22aの側面に複数のガス流出口22eが螺旋状に等間隔で設けられている。この構成では燃焼室のガス密度を一様とし、ノズル22dから外部に流れるガス流量を均一にするために、導気管22aを図中の矢印のように回転可能に構成している。
図7は、ノズルの高さと流出ガスの圧力との関係を示す図である。図7(A)に示すように、基板100の表面からノズル22dを離間させることによって流出燃焼ガスの圧力を下げることができる。また、図7(B)に示すように、基板100の表面にノズル22dを接近させることによって流出燃焼ガスの圧力を上げることができる。
図8は、ノズルの形状および角度と流出ガスの圧力との関係を示す図である。図8に示すように、ノズル22dの形状や姿勢の調整(例えば、流出口の形状や基板に対する角度の調整)により流出ガス圧力を調整することができる。この例では、図8(A)に示すように、ノズル22dの流出口形状を片側に開放した形状としている。このため、ガスバーナー22が直立した状態では流出燃焼ガスの圧力を下げることができる。また、図8(B)に示すように、ガスバーナー22を回動あるいは傾斜させると、基板100の表面にノズル22dの流出口が接近して流出燃焼ガスの圧力を上げることができる。
図9は、ノズルと導気管との距離と流出ガスの圧力との関係を示す図である。図9に示すように、導気管22aと遮蔽器22bとの相対的な位置関係を可変としてノズル22dから流出する燃焼ガスの温度を調整することができる。例えば、導気管22aが遮蔽器22b内でノズル22dに向かって進退可能である構造にして、燃焼室22cを移動し、熱源とノズル22d間の距離を変えることが可能となる。また、熱源と基板間との距離の調整が可能となる。
従って、図9(A)に示すように、導気管22aがノズル22dに相対的に接近する場合にはノズル22dから流出する燃焼ガスは相対的に高温になる。また、図9(B)に示すように、導気管22aがノズル22dから相対的に離間する場合にはノズル22dから流出する燃焼ガスは相対的に低温になる。
このような構造は、ガスバーナー22と基板100間のギャップを変えることなく、流出燃焼ガスの温度を調整することを可能とし、具合がよい。もちろん、ガスバーナー22と基板間のギャップを変えて基板温度を調整してもよい。もちろん、ガスバーナー22と基板間のギャップを変えて、更に、導気管22aと遮蔽器22bとの相対的な位置関係を調整してガス温度を調整する構成とすることができる。また、ガスバーナー22の基板に対する走査速度を変えることにより基板温度を調整することができる。
なお、図4〜図9に示したガスバーナーの構造は、これらを適宜に組み合わせることが可能である。
例えば、図7に示す構成と図9に示す構成とを組み合わせることができる。図7に示すガスバーナー22全体を基板100に対して接近あるいは離間する構成としてノズル22dと基板100間のギャップを調整可能とし、基板100の温度(例えば、表面温度)を調節する。更に、図9に示したようにガスバーナー22内の導気管22aをノズル22dに向かって進退可能とすることによって基板100の温度を微調節する。これによって、基板100の温度を目標とする熱処理温度とすることがより容易となる。
また、図7と図8に示す構成を組み合わせることができる。ガスバーナー22全体を基板100に対して接近あるいは離間する構成としてノズル22dと基板100間のギャップを調整可能とし(図7参照)、基板100の表面温度や火炎の圧力を調節する。更に、ガスバーナー22全体の基板100に対する姿勢を調整することによって基板100の表面温度や火炎の圧力を調節する(図8参照)。
また、図7と図8と図9に示す構成を組み合わせることができる。ガスバーナー22全体を基板100に対して接近あるいは離間する構成としてノズル22dと基板100間のギャップを調整可能とし、基板100の表面温度や火炎の圧力を粗調節する(図7参照)。更に、ガスバーナー22全体の基板100に対する姿勢を調整することによって基板100表面の火炎の圧力を調節する(図8参照)。更に、ガスバーナー22内の導気管22aをノズル22dに向かって進退可能とすることによって基板100の表面温度を微調節する(図9参照)。かかる構成により、より正確な熱処理が可能となる。
また、図示していないが、ガスバーナー22の遮蔽板22bを可動式として、ノズル22dの開口(流出口、絞り)をガスバーナー22の走査方向において広狭に変更可能とすることができる。それにより、ガスバーナー22の走査方向における基板100の被処理部分の暴露時間、基板100の熱処理の温度プロファイル、熱処理温度、火炎圧などを調整することが可能となる。
以上説明した半導体製造装置においては、基板を横切るような長尺のガスバーナーを備えるので、窓ガラスのような大面積の基板の熱処理を行うことができる。また、燃料となる水素と酸素を水の電気分解によって得ることができるので、ガス材料の入手が容易でランニングコストが安価である。
また、上記半導体製造装置においては、ガスバーナー22に、遮蔽器22bを設けたが、遮蔽器22bを用いず、ガスバーナー22を外気にさらした状態、即ち、導気管22aから直接火炎を放射することにより処理を行ってもよい。また、上記半導体製造装置においては、遮蔽器22bから燃焼ガスが噴出している場合について説明したが、遮蔽器22bから火炎が出るよう調整してもよい。
また、基板に対する処理は、燃焼ガスによる処理でも、火炎を直接接触させる処理でもよい。これらの処理の制御は、各処理の条件毎に適宜設定することができる。
特に、火炎は、還元性の強い内炎(還元炎)と酸化性の強い外炎(酸化炎)とを有し、いずれを基板に接触させるかによって、処理条件に応じた設定をすることができる。また、内炎は比較的低温(500℃程度)であり、外炎は、高温(1400〜1500℃程度)である。内炎と外炎との間は、さらに高温で1800℃程度となる。従って、処理条件に応じた設定をすることができる。
また、熱処理工程において、水素と酸素の混合比及び供給量を適宜に設定することによって還元雰囲気(水素リッチ)あるいは酸化雰囲気(酸素リッチ)を容易に設定できる。
また、燃料となる水素と酸素を水の電気分解によって得るので、水(H2O)の化学量論組成比である2mol:1molの水素及び酸素の混合ガスを容易に得ることができ、この混合ガスに別途酸素もしくは水素を添加することで、還元雰囲気(水素リッチ)あるいは酸化雰囲気(酸素リッチ)を容易に設定できる。
また、火炎温度の調整も容易である。更に、必要により不活性ガスを導入し、もしくは原料ガスの流量を調整して火炎状態(温度、ガス圧力など)を調整することができる。
また、ガスバーナーのノズル形状などを調整することによって所望の温度プロファイルを得ることが容易である。
このようなガスバーナーを用いた処理は、生産性が高く、また、安価に処理を行うことができる。また、火炎の原料ガスが水素や酸素など、クリーンなエネルギーであり、主生成物が水であるため、環境負荷(環境破壊)を低減できる。
2)半導体装置の製造方法
(製造方法1)
次に、前述した半導体製造装置を使用した半導体装置(TFT)の製造方法1について図10〜図13を参照しながら説明する。図10は、本実施の形態の半導体装置(TFT)の製造方法を示す工程断面図である(図12および図13について同じ)。
(製造方法1)
次に、前述した半導体製造装置を使用した半導体装置(TFT)の製造方法1について図10〜図13を参照しながら説明する。図10は、本実施の形態の半導体装置(TFT)の製造方法を示す工程断面図である(図12および図13について同じ)。
まず、図10(A)に示すように、ガラス基板(石英基板、基板、透明基板、絶縁性基板)100上に、下地保護膜(下地酸化膜、下地絶縁膜)101として例えば酸化シリコン膜を形成する。この酸化シリコン膜は、TEOS(tetra ethyl ortho silicate、テトラエトキシシラン)および酸素ガスなどを原料ガスとして、例えばプラズマCVD(chemical vapor deposition、化学気相成長)法を用いて形成する。
次いで、下地保護膜101上に半導体膜として例えばシリコン膜102を形成する。このシリコン膜は、例えば、SiH4(モノシラン)ガスを用いたCVD法で形成する。次に、シリコン膜102上に、図示しないフォトレジスト膜(以下、単に「レジスト膜」という)を形成し、露光および現像(フォトリソグラフィー)することにより、島状にレジスト膜(マスク膜、レジストマスク)を残存させる。次いで、かかるレジスト膜をマスクに、シリコン膜102をエッチングし、半導体素子領域(島状領域)を形成する。次いで、レジスト膜を除去する。以下、このフォトリソグラフィー、エッチングおよびレジスト膜の除去の処理をパターニングと言う。
次いで、シリコン膜102に熱処理を施し、シリコンを再結晶化し、多結晶シリコン膜102aとする。この際、ステージ部51上にて、基板100に予備加熱を施した後、シリコン膜102に対し水素火炎処理を行ない、シリコンの再結晶化(結晶化)を行なう。
まず、図10(B)に示すように、基板100の裏面側(第2面側)を図1のステージ部51に搭載し、基板100をその裏面から加熱する。この基板100全体の温度(バルク温度)が、例えば、300℃以上となるよう予備的な加熱を行なう。この加熱は、基板100のステージ部51に加熱(予熱)を行う機構、例えば、電気ヒーター機構によってなされる。
次いで、ガスバーナー22を基板100(シリコン膜102)上に走査することによって熱処理を施す。即ち、ガスバーナー22を基板100の表面側(第1面側)に走査することにより、シリコン膜102が再結晶化(結晶化)され、多結晶シリコン膜102aとなる(図10(B))。
このように、本実施の形態によれば、水素火炎処理を行なう前に予備加熱を行なったので、基板に対する熱衝撃を緩和することができる。この予備加熱は、水素火炎処理の前に基板の温度が所定の予備加熱温度に達するよう行なわれる。また、必要に応じて、水素火炎処理中にも基板を加熱し続けてもよい。但し、水素火炎処理は、短期間で行なわれるため、直前までの加熱でも十分予備過熱の効果を奏する。
このシリコン膜の再結晶化には、650℃から900℃程度の熱処理が必要である。かかる高温処理を基板に施す場合には、その熱衝撃により基板の割れが生じる。特に、ガラス基板は、熱衝撃に弱く、割れ易い。
しかしながら、本実施の形態によれば、水素火炎処理の前に基板に対し予備加熱を施したので、熱衝撃を緩和することができる。例えば、上記シリコン膜の再結晶化においては、火炎の走査速度が0.03〜1.5m/sであり、火炎の1スポット(火炎径)当り、0.7〜0.01秒の時間で照射することとなる。このように、水素火炎処理においては、瞬時に部分的に熱負荷が加わるため、熱衝撃対策は重要である。
図11に、基板の予備加熱温度〔℃〕と、基板に対する最大圧縮応力〔MPa〕との関係を示す。tは、基板の厚さを示し、厚さ1.1mm、0.5mmのガラス基板(ホウ珪酸ガラス<OA-10>)に対し、それぞれシュミュレーションを行なった。図示するように、予備加熱温度の上昇に伴って基板に対する応力が低下している。例えば、ホウ珪酸ガラス基板の場合、基板の破壊応力は、約99.8MPaであることから、予備加熱温度が300℃程度以上で基板の破壊を防止することができる。
一方、予備加熱温度は600℃以下が好ましい。図11から分かるように、予備加熱温度が高い程基板に対する応力が低下する。しかしながら、基板の温度が600℃以上となると、熱による基板の歪(歪み、変形)が生じやすくなる。よって、予備加熱温度は、300℃以上600℃以下が好ましいと考えられる。
ここでは、予備加熱温度(バルク温度)を、予備過熱側の基板の面(表面又は裏面)の平均温度をいうものと定義する。例えば、ヒーターによる基板の裏面加熱の場合には、基板裏面の平均温度、製造方法2において後述する火炎の照射による表面加熱の場合には、基板表面(但し、火炎の照射部を除く)の平均温度をいう。もちろん、基板の深さ方向の温度も考慮し、基板全体の温度の平均が上記温度範囲であればより好ましいことは言うまでもない。
また、破壊応力(熱衝撃)は、基板の最高温度(処理部、火炎照射部)と基板の表面の平均温度(火炎の照射部位を除く)との温度差や、基板の最低温度との温度差が大きい程大きくなる。よって、基板の最高温度(処理部、火炎照射部)と基板の表面の平均温度(火炎の照射部位を除く)との温度差を300℃以下とすることが好ましい。より好ましくは、基板の最高温度(処理部、火炎照射部)と基板の最低温度との温度差当該温度差を300℃以下とすることが好ましい。特に、基板の厚さが大きくなると、基板中の温度勾配が生じ易い。また、熱処理の種類によって、必要な熱容量が異なり、例えば、火炎照射部が900℃程度となる処理が好ましい場合もある。よって、上記温度差を300℃以下とすることにより、熱衝撃を緩和することができる。
なお、上記工程においては、シリコン膜102をパターニングした後、水素火炎処理を施したが、シリコン膜102に水素火炎処理を施した後、パターニングしてもよい。
次いで、図12(A)に示すように、多結晶シリコン膜102a上にゲート絶縁膜103として例えば酸化シリコン膜を形成する。この酸化シリコン膜は、例えばTEOSおよび酸素ガスなどを原料ガスとして、プラズマCVD法を用いて形成する。なお、この酸化シリコン膜を熱酸化膜としてもよい。また、シリコン膜102の水素火炎処理の際、その表面に酸化膜が形成されている場合には、当該酸化膜を除去した後、ゲート絶縁膜を形成する。なお、この酸化膜をゲート絶縁膜もしくはゲート絶縁膜の一部として用いてもよい。
次いで図12(B)に示すように、ゲート絶縁膜103上に、導電性膜として例えばAl(アルミニウム)等の金属材料を例えばスパッタ法により形成する。次に、導電性膜を所望の形状にパターニングし、ゲート電極(ゲート電極配線)Gを形成する。導電性膜としては、Alの他、Ta(タンタル)等の高融点金属を用いてもよい。
次いで、ゲート電極Gをマスクとしてシリコン膜102中に、不純物イオンを打ち込む(ドープする、注入する)ことにより、ソース、ドレイン領域104a、104bを形成する。なお、104a、104bのうち、いずれか一方がソース領域となり、他方がドレイン領域となる。また、不純物イオンは、n型半導体層を形成する場合には、例えば、PH3(リン化水素、Phosphine)を、p型半導体層を形成する場合には、例えば、B2H6(ジボラン)をイオン打ち込みする。その後、熱処理を行ない、不純物イオンを活性化する。
次いで、図13(A)に示すように、ゲート電極G上に、層間絶縁膜105を形成する。この層間絶縁膜105は、例えば、TEOSおよび酸素ガスなどを原料ガスとしたプラズマCVDにより形成することができる。また、ポリシラザン溶液などの絶縁性の液体材料を塗布し、熱処理を施す(焼成する)ことにより形成してもよい。ポリシラザン溶液を用いた場合、その焼成により酸化シリコン膜が形成される。ポリシラザン溶液とは、ポリシラザンを有機溶媒(例えばキシレン溶液)に溶かしたものである。
次いで、図13(B)に示すように、層間絶縁膜105をパターニングすることにより、ソース、ドレイン領域104a、104b上にコンタクトホールを形成する。
次いで、このコンタクトホールの内部を含む層間絶縁膜105上に、導電性膜106として例えばITO(インジウム・スズ酸化膜)をスパッタリング法を用いて形成する。導電性膜106としては、ITOの他、例えばAl、Mo(モリブデン)もしくはCu(銅)等の金属材料を用いてもよい。また、ゾルゲル法やMOD(Metal-organic decomposition 、有機金属堆積法)法を用いて導電性膜106を形成してもよい。
次いで、導電性膜106を所望の形状にパターニングし、ソース、ドレイン電極(ソース、ドレイン引き出し電極、引き出し配線)106a、106bを形成する。なお、106a、106bのうち、いずれか一方がソース電極となり、他方がドレイン電極となる。
以上の工程によって、TFTがほぼ完成する。
(製造方法2)
上記製造方法1においては、ステージ部(ヒーター)51上にて、基板100の予備加熱を行なったが、水素火炎処理により基板100の予備加熱を行なってもよい。
(製造方法2)
上記製造方法1においては、ステージ部(ヒーター)51上にて、基板100の予備加熱を行なったが、水素火炎処理により基板100の予備加熱を行なってもよい。
即ち、水素火炎処理においては、ガスバーナー22の先端と基板100との間隔(ギャップ)を容易に変更することが可能である。従って、当該間隔を熱処理の際より大きく設定することで、基板100の予備加熱を行なうことができる。
なお、製造方法1と同じ工程については、その説明を簡略化し、予備加熱工程について詳細に説明する。
図14および図15は、本実施の形態の半導体装置(TFT)の製造方法2を示す工程断面図である。まず、製造方法1と同様に、図14(A)に示すように、ガラス基板100上に、下地保護膜101を形成する。次いで、下地保護膜101上に半導体膜として例えばシリコン膜102を形成する。
次いで、シリコン膜102に熱処理を施し、シリコンを再結晶化し、多結晶シリコン膜102aとするのであるが、この熱処理に先立って、基板100の予備加熱を行なう。
即ち、図14(B)に示すように、ガスバーナー22を基板100(シリコン膜102)上に走査(第1走査)することによって予備加熱を行なう。この予備加熱においては、基板100全体の温度が、例えば、300℃以上となるよう加熱を行なう。この際、ガスバーナー22の先端と基板100との間隔(ギャップ)d1とする。また、その走査速度をs1とする。間隔d1は、後述する熱処理(本処理)の場合より大きく設定する(d1>d2)。このように、間隔d1を大きくとることで、基板100の急激な温度上昇を緩和できる。言い換えれば、基板(バルク)全体をゆっくり温度上昇させることができる。なお、この際、火炎の先端が基板に接触していなくてもよい。
また、走査速度s1は、後述する熱処理(本処理)の場合より小さく設定する(s1<s2)ことが好ましいと考えられる。間隔d1を大きくとっていることから、熱の伝達速度が低下しているため、より遅い走査が好ましいと考えられる。また、上記熱の伝達速度の低下を補償するため、同一箇所に対して複数回の走査を行なってもよい。この場合、走査速度s1は、s2と同等もしくはそれ以上でもよい。
また、図11を参照しながら説明したように予備加熱温度(基板表面(但し、火炎の照射部を除く)の平均温度)は、300℃以上600℃以下が好ましいと考えられる。
また、基板の厚さが大きくなると、基板中の温度勾配が生じ易く、さらに、熱処理の種類によって、必要な熱容量が異なる。よって、上記温度勾配を300℃以下とすることにより、熱衝撃を緩和することができる。即ち、基板の最高温度(処理部、火炎照射部)と基板の表面の平均温度(火炎の照射部位を除く)との温度差を300℃以下とする、より好ましくは、基板の最高温度(処理部、火炎照射部)と基板の最低温度との温度差当該温度差を300℃以下とすることにより、熱衝撃を緩和することができる。
上記予備加熱を行なった後、図14(C)に示すように、ガスバーナー22を基板100(シリコン膜102)に近づけ、走査(第2走査)することによって熱処理(本処理)を行なう。この際、ガスバーナー22の先端と基板100との間隔(ギャップ)d2(<d1)とする。また、その走査速度をs2(>s1)とする。かかる熱処理により、シリコン膜102が再結晶化(結晶化)され、多結晶シリコン膜102aとなる。
このように、本実施の形態によれば、熱処理を行なう前の予備加熱を水素火炎で行なったので、製造方法1の場合と同様に、基板に対する熱衝撃を緩和することができる。さらに、ガスバーナー22の先端と基板100との間隔を小さくすることで、容易に本処理を行なうことができる。また、ヒーターを用いた場合と比較し、予備加熱に必要なエネルギー(電力等)を低減することができる。また、ガスバーナー22の先端と基板100との間隔d1の調整により容易に基板100の昇温速度を調整することができる。よって、予備加熱時間の短縮を図ることができる。
なお、予備過熱において、火炎の照射時間をミリ秒帯とし、火炎の熱拡散長を基板の厚さと比較し、極小さくしてもよい(基板厚さ>>熱拡散長)。
次いで、製造方法1と同様に、図15(A)に示すように、多結晶シリコン膜102a上にゲート絶縁膜103として例えば酸化シリコン膜を形成する。次に、導電性膜104を所望の形状にパターニングし、ゲート電極(ゲート電極配線)Gを形成する。
次いで、ゲート電極Gをマスクとしてシリコン膜102中に、不純物イオンを打ち込む(ドープする、注入する)ことにより、ソース、ドレイン領域104a、104bを形成する。
次いで、製造方法1と同様に、図15(B)に示すように、ゲート電極G上に、層間絶縁膜105を形成する。次いで、層間絶縁膜105をパターニングすることにより、ソース、ドレイン領域104a、104b上にコンタクトホールを形成する。次いで、このコンタクトホールの内部を含む層間絶縁膜105上に、導電性膜106として例えばITO(インジウム・スズ酸化膜)をスパッタリング法を用いて形成する。さらに、導電性膜106を所望の形状にパターニングし、ソース、ドレイン電極106a、106bを形成する。以上の工程によって、TFTがほぼ完成する。
なお、上記製造方法1および2においては、シリコン膜102の再結晶化の際の熱処理(水素火炎処理)に対する予備加熱を例に説明したが、本発明の予備加熱は、当該工程に限定されず、熱処理に対し広く適用可能である。
例えば、製造方法1で説明した、レジスト膜の除去、ゲート絶縁膜を形成する際の熱酸化、不純物イオンの活性化熱処理、また、層間絶縁膜(ポリシラザン)の焼成、ゾルゲル法もしくはMOD法の際の熱処理など、を水素火炎処理により行なうことができる。例えば、レジスト膜に水素火炎を照射(走査)し、灰化(除去)する。また、半導体層の表面に加水素火炎を照射することにより、酸化膜(ゲート酸化膜)を形成する。また、不純物イオン打ち込み後の半導体層に水素火炎を照射し、不純物イオンを活性化する。また、ポリシラザン溶液などの機能液を塗布した後、塗布膜に水素火炎を照射し、焼成する。また、金属化合物溶液などの機能液を塗布した後、塗布膜に水素火炎を照射し、加水分解反応や熱分解反応を起こさせ金属化合物膜を形成する。このように、種々の熱処理に水素火炎処理を用いることができる。よって、これらの熱処理の前に本発明の予備加熱を行なうことにより、基板に対する熱負荷(熱衝撃、熱変形)を低減することができる。
なお、上記種々の熱処理に必要な熱量が異なることは言うまでもなく、ギャップd2や走査速度s2等の条件は適宜調整する必要がある。しかしながら、いずれの熱処理においても、本発明の予備加熱を行なうことにより、基板に対する熱負荷を低減することができる。
また、上記製造方法1および2においては、TFTの製造工程を例に説明したが、本発明の予備加熱は、シリコン膜の再結晶化や上記種々の熱処理を必要とする半導体装置の製造に広く適用可能である。
<電気光学装置および電子機器の説明>
次に、前述の実施の形態で説明した方法で形成される半導体装置(例えばTFT)が使用される電気光学装置(電子機器)について説明する。
<電気光学装置および電子機器の説明>
次に、前述の実施の形態で説明した方法で形成される半導体装置(例えばTFT)が使用される電気光学装置(電子機器)について説明する。
前述の半導体装置(例えばTFT)は、例えば、電気光学装置(表示装置)の駆動素子として用いられる。図16に、電気光学装置を用いた電子機器の例を示す。図16(A)は携帯電話への適用例であり、図16(B)は、ビデオカメラへの適用例である。また、図16(C)は、テレビジョンへ(TV)の適用例であり、図16(D)は、ロールアップ式テレビジョンへの適用例である。
図16(A)に示すように、携帯電話530には、アンテナ部531、音声出力部532、音声入力部533、操作部534および電気光学装置(表示部)500を備えている。この電気光学装置に、本発明により形成された半導体装置を使用する(組み込む)ことができる。
図16(B)に示すように、ビデオカメラ540には、受像部541、操作部542、音声入力部543および電気光学装置(表示部)500を備えている。この電気光学装置に、本発明により形成された半導体装置を使用する(組み込む)ことができる。
図16(C)に示すように、テレビジョン550は、電気光学装置(表示部)500を備えている。この電気光学装置に、本発明により形成された半導体装置を使用する(組み込む)ことができる。なお、パーソナルコンピュータ等に用いられるモニタ装置(電気光学装置)にも、本発明により形成された半導体装置を使用する(組み込む)ことができる。
図16(D)に示すように、ロールアップ式テレビジョン560は、電気光学装置(表示部)500を備えている。この電気光学装置に、本発明により形成された半導体装置を使用する(組み込む)ことができる。
なお、電気光学装置を有する電子機器には、上記の他、大型スクリーン、パーソナルコンピュータ、携帯型情報機器(いわゆるPDA、電子手帳)等、さらには、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、電光掲示板、宣伝広告用ディスプレイなど、各種のものが含まれる。
11…水タンク、12…電気分解槽、15…ガスコントローラ、21…チャンバ(処理室)、22…ガスバーナー、22a…導気管、22b…遮蔽器、22c…燃焼室、22d…ノズル、22e…流出口、51…ステージ部、100…ガラス基板(基板)、101…下地保護膜、102…シリコン膜、102a…多結晶シリコン膜、103…ゲート絶縁膜、103a…ポリシラザン塗布膜、104a、104b…ソース、ドレイン領域、105…層間絶縁膜、105a、105b…ポリシラザン塗布膜、106…導電性膜、106a、106b…ソース、ドレイン電極、500…電気光学装置、530…携帯電話、531…アンテナ部、532…音声出力部、533…音声入力部、534…操作部、540…ビデオカメラ、541…受像部、542…操作部、543…音声入力部、550…テレビジョン、560…ロールアップ式テレビジョン、G…ゲート電極
Claims (14)
- (a)基板の第1面上に第1膜を形成する工程と、
(b)前記第1膜に対し、水素及び酸素の混合ガスを燃料とするガスバーナーの火炎を走査することにより、熱処理を施す工程と、を有し、
(c)前記熱処理は、前記基板を第2面から加熱した後、もしくは加熱しつつ行なわれることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記加熱は、前記基板の第2面側に搭載されたヒーターにより行なわれることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記基板の第2面の平均温度と前記火炎の照射部位の温度との温度差は、300℃以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
- 前記基板の第2面の平均温度は、600℃以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
- 前記基板の第2面の平均温度は、300℃以上600℃以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1膜は、シリコン膜であり、前記熱処理により前記シリコン膜の結晶化が行なわれることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
- (a)基板の第1面上に第1膜を形成する工程と、
(b)前記第1膜に対し、水素及び酸素の混合ガスを燃料とするガスバーナーの火炎を第1走査することにより、前記基板の温度を上昇させる工程と、
(c)前記第1膜に対し、水素及び酸素の混合ガスを燃料とするガスバーナーの火炎を第2走査することにより、熱処理を施す工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第1走査時における前記ガスバーナーと前記基板との第1間隔は、前記第2走査時における前記ガスバーナーと前記基板との第2間隔より大きいことを特徴とする請求項7記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1走査時における走査速度は、前記第2走査時における走査速度より小さいことを特徴とする請求項7又は8記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2走査時における前記基板の第1面であって、前記火炎の照射部位を除く部位の平均温度と前記火炎の照射部位の温度との温度差は、300℃以下であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2走査時における前記基板の第1面であって、前記火炎の照射部位を除く部位の平均温度は、600℃以下であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2走査時における前記基板の第1面であって、前記火炎の照射部位を除く部位の平均温度は、300℃以上600℃以下であることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1膜は、シリコン膜であり、前記第2走査により前記シリコン膜の結晶化が行なわれることを特徴とする請求項7乃至12のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
- 請求項1乃至13のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法を有することを特徴とする電子機器の製造方法。
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