JP2007242819A - 半導体装置の製造方法、及び半導体製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パーティクルの半導体層への付着を抑制することができ、火炎の安定性向上と均熱化促進を図ることができ、さらに、ノズルヘッドの冷却を促進することができ、低温プロセスで大面積の半導体基板の熱処理を品質良く行うことが可能な半導体装置の製造方法等を提供する。
【解決手段】本発明の半導体装置の製造方法は、基板上に半導体層を形成する工程と、前記基板を、前記半導体層が下方に向くように配置する工程と、ガスバーナーの火炎を熱源として、前記半導体層を下方から熱処理する工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は半導体装置の製造に関し、パーティクルの付着を抑制した熱処理に関する。
CVD法などによって基板上に成膜したシリコンの再結晶化を図る結晶化方法には、800〜1000℃の高温熱処理による熱処理による固相成長法、エキシマレーザ照射を行うレーザアニール法、熱プラズマを熱源とする熱プラズマジェット法(特許文献1、非特許文献1)等がある。
特開平11−145148号公報 Crystallization of Si Thin Film Using Thermal Plasma Jet and Its Application to Thin-Film Transistor Fabrication, S.Higashi, AM-LCD '04 Technical Digest Papers, p.179
しかしながら、上述した熱処理による固相成長法では、半導体の基板が800〜1000℃の高温に耐えることが必要であるが、かかる基板は実質的には石英ガラスに限られる。また、石英ガラスは高価であり、大面積のものを製造することが難しい。レーザアニール法は、極短時間にシリコン膜の結晶化を行うことができるため、ガラス基板や樹脂基板等、耐熱性に乏しい基板に対しても広く用いることができる。しかしながら一方で、ランニングコストが高額であり、素子特性のバラツキが大きいという欠点を合わせ持つ。熱プラズマジェット法は短時間でシリコン膜の結晶化が可能であるが、熱源が要する高い消費電力と、多量の希ガスAr(アルゴン)の消費によるコスト高が不具合である。
また、ガスバーナーの火炎を熱源として熱処理する場合、熱処理プロセスにおいて生じるパーティクル(微粒子)が半導体基板へ付着することにより、得られる半導体基板の品質の維持が難しい。
よって、本発明は、パーティクルの付着を抑制しつつ、低温プロセスで大面積の半導体基板の熱処理を品質良く行うことが可能な半導体装置の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の半導体装置の製造方法は、基板上に半導体層を形成する工程と、前記基板を、前記半導体層が下方に向くように配置する工程と、ガスバーナーの火炎を熱源として、前記半導体層を下方から熱処理する工程と、を含むことを特徴とする。
このように、基板を反転させて半導体層を下方に向くように配置し、下方からガスバーナーの火炎で熱処理を行うことにより、パーティクルの半導体層への付着を抑制することができる。また、ガスバーナーを上方に配置して下方へ向けて熱処理すると、上昇気流によって火炎の揺らぎが生じるが、上記特徴とすることにより、火炎の安定性向上と均熱化促進を図ることができる。さらに、上昇気流がガスバーナーのノズルヘッド側に流れることがないので、ノズルヘッドの冷却を促進することができる。さらに、ガスバーナーを用いることによって熱源の大型化が可能となり、大型基板の熱処理が可能となる。
(2)好ましくは、前記熱処理は、前記ガスバーナーの火炎を直線状に形成し、該直線状火炎に対して前記半導体層を相対的に水平方向に走査することによって行われる。これによって、大面積の半導体基板を熱処理することができる。
(3)好ましくは、前記熱処理が、前記直線状火炎に対して前記半導体層を相対的に水平方向に複数回走査することによって行われる。これによって、大面積の半導体基板の各部位における温度差を一定に抑えつつ、徐所に加熱することができる。
(4)好ましくは、前記ガスバーナーの火炎は、水素及び酸素の混合ガスを燃料とする。燃料となる水素と酸素は水から得られ、燃料の入手が容易で安価である。これによって、加熱と共に燃焼によって生じる水蒸気ガスを半導体層に付与することができ、再結晶化と同時に半導体層のシリコン原子の原子間不対結合(ダングリングボンド)を水素又は酸素によって終端して電荷のトラップ密度を減少させることができる。
好ましくは、上記熱処理が上記水素及び酸素の混合ガスを水素過剰に設定して上記半導体層の再結晶化を行う。これにより、水素によって半導体層のダングリングボンドが終端される。
好ましくは、上記熱処理が上記水素及び酸素の混合ガスを酸素過剰に設定して表面に酸化膜が形成された半導体層の改質を行う。これにより、酸化膜(例えば、ゲート絶縁膜)の形成ができ、あるいはゲート絶縁膜と半導体膜間の界面準位密度が低減される。
(5)本発明の半導体装置の製造方法は、基板上に半導体層を形成する工程と、前記基板を、前記半導体層が下方に向くように配置する工程と、燃料となる水素及び酸素の混合ガスを水素過剰に設定したガスバーナーの火炎を熱源として、前記半導体層を下方から熱処理して再結晶化を行う、第1の熱処理工程と、前記第1の熱処理工程を経た前記半導体層に酸化膜を形成する工程と、前記基板を、前記酸化膜が下方に向くように配置する工程と、燃料となる水素及び酸素の混合ガスを酸素過剰に設定したガスバーナーの火炎を熱源として、前記酸化膜が形成された半導体層を下方から熱処理して改質を行う、第2の熱処理工程と、を含むことを特徴とする。
かかる構成により、パーティクルの付着を抑制しつつ、半導体層のダングリングボンドの終端化、ゲート絶縁膜と半導体層間の界面の改良を行うことが可能となる。
(6)好ましくは、前記熱処理を行う前に前記基板を予熱する工程を含む。これによって、急激な温度差による基板のヒートショックを防止する。基板の予熱は、例えば、載置台に組み込まれた電気ヒーターによって行うことができる。
(7)本発明の半導体製造装置は、ガスを燃焼して直線状の火炎を形成するガスバーナーと、前記直線状火炎の上方に配置され、前記直線状火炎に対して半導体層を相対的に水平方向に移動させる移動手段と、を含むことを特徴とする。
好ましくは、上記ガスバーナーと上記基板との距離を調整して該半導体層が曝される火炎の温度あるいは圧力を調整する。
好ましくは、上記ガスバーナーの上記基板に対する姿勢を調整して該半導体層が曝される火炎の圧力を調整する。
好ましくは、上記ガスバーナーが、ガスを導出する導気管と、上記導気管を覆ってガスを燃焼させる燃焼室と、燃焼ガス(火炎)を排出するノズル部と、ガスの流出口と、燃焼室、ノズル部、及びガス流出口を含む遮蔽器と、を含む。これにより、ノズルによって燃焼ガスの排出状態をコントロールすることが可能となる。
好ましくは、上記導気管に一定のピッチで複数の開口部が形成され、該導気管が往復動あるいは回転動する。これによって、均一な燃焼ガスを半導体基板に照射することが可能となる。
好ましくは、アルゴン、窒素、ヘリウムなどの不活性ガスを上記水素及び酸素の混合ガスに加えて上記火炎の温度を調整する。
ガスコントローラが水素及び酸素の混合ガスに加えて不活性ガスを使用することによって燃焼温度やノズルから流出するガス圧力の調整範囲が拡大する。
好ましくは、上記基板及びガスバーナーをチャンバで覆い、上記チャンバ内に不活性ガスを導入してチャンバ内の圧力を調整可能とする。また、加熱された半導体基板の酸化を抑制することが可能となる。
好ましくは、半導体製造装置は、水を蓄える水タンクと、上記水を電気分解して水素及び酸素の混合ガスを得る電気分解槽と、上記水素及び酸素の混合ガスを燃焼して直線状の火炎を形成するガスバーナーと、上記混合ガスにガスを追加して上記混合ガスの混合比を調整するガスコントローラと、前記直線状火炎の上方に配置され、前記直線状火炎に対して半導体基板を相対的に水平方向に移動させる移動手段と、を含む。
かかる構成とすることによって、半導体層の熱処理と同時に生成する水蒸気ガスにより半導体層のダングリングボンド終端処理を行うことができる。また、大型の半導体基板を処理することのできる熱処理装置を得ることが可能となる。
好ましくは、上記ガスバーナーが、上記混合ガスを導出する導気管と、上記導気管を覆って混合ガスを燃焼させる燃焼室と該燃焼ガスを排出する直線状に開口したノズル部とを含む遮蔽器と、を含む。これによって、ガスバーナーのノズルによって燃焼ガスの排出状態をコントロールすることが可能となる。
好ましくは、上記導気管に一定のピッチで複数の開口穴が形成され、該導気管が往復動あるいは回転動する。これによって、均一な燃焼ガスを生ぜしめ半導体基板を熱処理することが可能となる。
好ましくは、上記導気管は上記遮蔽器内を上記ノズル部に向かって進退する。これによって、ノズルから流出する燃焼ガスの温度を調節することが可能となる。
好ましくは、上記ガスコントローラは、上記半導体基板に成膜した半導体膜を再結晶化するときに、上記混合ガスを相対的に水素過剰に設定する。これによって、半導体膜のダングリングボンドを減少する。
好ましくは、上記ガスコントローラは、上記半導体基板に成膜したゲート絶縁膜(酸化膜)に熱処理を施すときに、上記混合ガスを相対的に酸素過剰に設定する。これにより、ゲート絶縁膜(酸化膜)と半導体膜の界面の界面準位密度を減少する。
好ましくは、上記ガスコントローラは、上記混合ガスに不活性ガスを加えて上記火炎の温度を調整する。これにより、温度調整範囲を拡大することが可能となる。
好ましくは、上記半導体製造装置は上記半導体基板を加熱あるいは予熱するヒーターを備える。これにより、熱処理を開始する前に所定温度に半導体基板温度を上昇させておき、火炎による急激な温度差に起因するヒートショックを防止することが可能となる。
このように、基板を反転させて半導体層を下方に向くように配置し、下方からガスバーナーの火炎で熱処理を行うことにより、パーティクルの半導体層への付着を抑制することができる。また、ガスバーナーを上方に配置して下方へ向けて熱処理すると、上昇気流によって火炎の揺らぎが生じるが、上記特徴とすることにより、火炎の安定性向上と均熱化促進を図ることができる。さらに、上昇気流がガスバーナーのノズルヘッド側に流れることがないので、ノズルヘッドの冷却を促進することができる。さらに、ガスバーナーを用いることによって熱源の大型化が可能となり、大型基板の熱処理が可能となる。
(半導体製造装置)
図1に、半導体製造装置1の例を示す。図1に示すように、半導体製造装置1は、水タンク11、電気分解槽12、及びガスコントローラ15から構成される燃料供給部と、ガスを燃焼して直線状の火炎を形成するガスバーナー22と、該直線状火炎の上方に配置され、半導体基板100を保持する保持部51であって、直線状火炎に対して半導体層を相対的に水平方向に移動させる移動手段と、から構成される。
水タンク11には純水が蓄えられおり、電気分解槽(電気分解装置)12に水を供給する。水は電気分解槽12によって電気分解されて水素ガス及び酸素ガスに分離される。分離された水素ガス及び酸素ガスはガスコントローラ15に供給される。ガスコントローラ15はコンピュータシステムと調圧弁、流量調整弁、各種センサ等によって構成されており、予め設定されたプログラムに従って下流のガスバーナー22に供給する水素ガス及び酸素ガスの混合ガスの供給量、供給圧力、両ガスの混合比等を調整する。
また、ガスコントローラ15は、図示しないガス貯蔵タンクから供給される、水素ガス、酸素ガスを更に混合ガスに導入してもよい。これにより、混合ガスの水素・酸素ガス比率を化学量論組成からずらし、水素過剰あるいは酸素過剰な混合ガスを得ることができる。
また、ガスコントローラ15は、図示しないガス貯蔵タンクから供給される、アルゴン(Ar)、窒素(N)、ヘリウム(He)等の不活性ガスを更に上記混合ガスに導入してもよい。これにより、ガスバーナー22の火炎温度(燃焼温度)や火炎状態の制御を行うことができる。
ガスコントローラ15の下流には閉空間を形成するチャンバ21が配置されている。チャンバ21内には、直線状の火炎を形成するガスバーナー22と、該直線状火炎の上方に配置された処理対象である半導体基板100と、半導体基板100を保持する保持部51であって直線状火炎に対して半導体層を相対的に水平方向に移動させる移動手段と、が配置されている。
チャンバ21内の雰囲気は、これに限定されないが、例えば、内部圧力が大気圧〜0.5MPa程度、内部温度が室温〜100℃程度に設定される。チャンバ21内の気圧を所望状態に保つために、既述アルゴンなどの不活性ガスをチャンバ21内に導入してもよい。
なお、急激な温度差等による半導体基板100のヒートショックを防止するため、半導体基板100を予め加熱(予熱)してもよい。この場合、例えば、半導体基板100を加熱(予熱)・冷却を行う機構が設けられた載置台上に配置し、外部の温度調節部によって温度制御しながら、加熱(予熱)・冷却を行う。加熱には電気ヒーター機構、冷却には冷却ガスや冷却水を用いる冷却機構などが用いられる。
図2は、ガスバーナー22と半導体基板100との関係を示す、図1において下方から見た平面図である。図2に示すように、ガスバーナー22は半導体基板100の幅(図2の上下方向)よりも大きい長手部材によって形成されている。これにより、ガスバーナーの長手方向に沿って火炎を直線状に形成することができる。ガスバーナー22の長手方向と直交する水平方向に半導体基板100を移動させることにより、又はガスバーナー22を移動させることによって、直線状火炎に対して半導体基板100を相対的に水平方向に走査するように構成されている。
好ましくは、直線状火炎に対して半導体層基板100(半導体層)を相対的に水平方向に複数回走査する。
図3は、ガスバーナー22と半導体基板100との関係を示す一例である。図3に示すように、ガスバーナー22は、混合ガスを燃焼室に導出するガスの出口穴が設けられた導気管22aと、導気管22aを囲む遮蔽器22bと、遮蔽器22bによって囲まれて混合ガスが燃焼する燃焼室22cと、燃焼ガスが遮蔽器22bから外方に出る出口となるノズル22dと、導気管22aに設けられた混合ガスの流出口22eと、によって構成されている。
ノズル22dと半導体基板100とのギャップを広く設定すると、燃焼ガスがノズルから放出される際に圧力が低下する。ノズル22dと半導体基板100とのギャップを狭く設定する(しぼる)と、燃焼ガスの圧力低下が抑制され、圧力は高くなる。従って、ギャップを調整することによってガス圧力を調整することができる。加圧によって水蒸気アニール、水素アニール、酸素アニールなどを促進することができる。各種アニールは混合ガスの設定によって選択可能である。
図4は、ガスバーナー22の一例を示す図であり、図4(A)は、ガスバーナー22の短手方向における断面図、図4(B)はガスバーナー22の長手方向における部分断面図を示している。両図において、図3と対応する部分には同一符号を付している。
この例では、導気管22aを囲むように遮蔽器22bが形成されている。遮蔽器22bの上方がノズル22dとなっており、導気管22aの上方のノズル22d側にガス流出口22eが線状(長穴)に設けられている。なお、直線状のガス流出口22eの各部位の流出量を同じにするために穴の幅を場所に応じて変えるようにしてもよい。
このように、混合ガスの流出口22eを線状に形成することによって、ガスバーナー22の燃焼室22cの火炎(トーチ)形状を線状(長尺の火炎)、複数トーチ、等にすることができる。ガスバーナー22近傍の温度プロファイルは流出口22eや遮蔽器22bのノズル部22d等の設計により、好ましくは、火炎の走査方向において矩形となるように設定される。
なお、ガスバーナーの別の一例として、図4におけるガス流出口22eを線状ではなく、互いに不連続の複数のガス流出口22eを等間隔で設けた構成としてもよい。この構成では燃焼室のガス密度を一様とし、ノズル22dから外部に流れるガス流量を均一にするために、導気管22aを左右方向へ移動可能に構成する。なお、導気管22aを固定とし、ガス流出口22eの各部位の流出量を同じにするために、必要によりガス流出口22eの間隔を場所に応じて変えてもよい。
図5は、本発明にかかるガスバーナー22の火炎を熱源として半導体基板100を熱処理する際における、熱流体及び熱拡散の状態を示す模式図である。図5に示すように、半導体基板100を下方からガスバーナー22の火炎で熱処理することにより、パーティクルの半導体層への付着を抑制することができる。また、上昇気流による火炎の揺らぎを防止して、火炎の安定性向上と均熱化促進を図ることができる。さらに、上昇気流がガスバーナーのノズルヘッド側に流れることがないので、ノズルヘッドの冷却を促進することができる。
図6は、比較例にかかるガスバーナー22の火炎を熱源として半導体基板100を熱処理する際における、熱流体及び熱拡散の状態を示す模式図である。図6に示すように、ガスバーナー22を上方に配置して火炎を下方へ向けて熱処理すると、パーティクルが半導体層へ付着してしまう可能性がある。また、上昇気流によって火炎の揺らぎが生じてしまう。
図7は、ノズル22の姿勢の調整(例えば、回転角度及び位置の調整)による流出ガス圧力を調整する例を示している。この例では、図7(A)に示すように、ノズル部22dの流出口形状を片側に開放した形状としている。このため、ガスバーナー22が直立した状態では流出燃焼ガスの圧力を下げることができる。また、図7(B)に示すように、ガスバーナー22を回動あるいは傾斜させると、半導体基板100の表面にノズル22dの流出口が接近して流出燃焼ガスの圧力を上げることができる。
また、図示していないが、ガスバーナー22のノズル部22dの遮蔽板を可動式として、ノズル開口(絞り)をガスバーナー22の走査方向において広狭に変更可能とすることができる。それにより、ガスバーナー22の走査方向における半導体基板100の被処理部部分の暴露時間、半導体基板100の熱処理の温度プロファイル、熱処理温度、火炎圧など調整することが可能となる。
以上のように、上記半導体製造装置は、下方からガスバーナーの火炎で熱処理するため、パーティクルの付着を抑制することができ、火炎の安定性向上と均熱化促進を図ることができる。また、上昇気流がガスバーナーのノズルヘッド側へ流れることがないので、ノズルヘッドの冷却を促進することができる。また、半導体基板を横切るような長尺のガスバーナーを備えるので、窓ガラスのような大面積の基板の熱処理を行うことができる。また、燃料となる水素と酸素を水の電気分解によって得ることができるので、ガス材料の入手が容易でランニングコストが安価である。
また、熱処理工程において、水素と酸素の混合比及び供給量を適宜に設定することによって還元雰囲気あるいは酸化雰囲気を容易に設定出来る。火炎温度の調整も容易である。更に、必要により不活性ガスを導入して火炎状態(温度、ガス圧力など)を調整することができる。
また、ガスバーナーのノズル形状などを調整することによって所望の温度プロファイルを得ることが容易である。
(半導体装置の製造方法)
次に、上述した半導体製造装置を使用した半導体装置(薄膜トランジスタ:以下TFTと称する)の製造例について図8を参照して説明する。
この実施例では、基板上に半導体層を形成した後水素リッチ雰囲気中で熱処理を行って再結晶化と膜の改質を行っている。また、ゲート絶縁層を形成した後に酸素リッチ雰囲気中で熱処理を行ってゲート絶縁膜と半導体層界面の改質を行っている。
まず、図8(A)に示すように、液晶表示器などに用いられる大面積のガラス基板101の上にCVD法などによってシリコン層102を成膜する。
次に、図8(B)に示すように、シリコン層102に上述した半導体製造装置のガスバーナー22によって下方から第1の熱処理を施し(図中では便宜上上方からの表記としている)、再結晶化してポリシリコン層とする。例えば、600〜1500℃の高温、ノズル22dから流出する火炎(高温ガス)の走査方向における幅10mm、該火炎のガス圧0.1〜0.2MPaの低圧力の火炎のガスバーナーに、シリコン層102を1m秒〜100m秒程度の短時間曝しただけでシリコン層の再結晶化ができるので、耐熱性の低い液晶表示器用ガラスを上記基板として使用出来る。
この第1の熱処理に際しては、予めガスコントローラ15にセットされたプログラムによって水素と酸素の反応比率(2:1)よりも水素の比率が大きくなる(水素リッチ)ように比率を調整する。この最適比率は理論値や実験によって求められている。ガスバーナー22は半導体基板100よりも幅が広く(図2参照)、一走査で基板100全体を熱処理可能である。ガスバーナー22の火炎は水素が余剰な還元性ガス炎であり、シリコン層102の加熱・再結晶化と共に、燃焼ガス中の余剰水素によってシリコン層中のダングリングボンドを減少させる。これによって結晶粒界等における電荷トラップ密度が減少して後述するTFTの特性(キャリア移動度)が向上する。
なお、走査は複数回行ってもよい。
なお、水素と酸素の比率が化学量論組成であっても、燃焼ガス中に生じた水蒸気の電離によって水素と酸素とが生じる。あるいは、完全に燃焼されない水素および酸素ガスが含まれている。これら水素と酸素によってもシリコン層102のダングリングボンドの終端化を行うことが可能である。
次に、図8(C)に示すように、シリコン層102をパターニングして半導体素子領域(島状領域)を形成する。
図8(D)に示すように、TFTのゲート絶縁層104を形成する。例えば、TEOSを材料としてCVD法によってシリコン酸化膜を成膜し、ゲート絶縁層103とする。更に、スパッタ法によってアルミニウムなどの金属材料を堆積し、これをパターニングしてゲート電極配線層104を形成する。なお、液体金属材料を液滴吐出法によってゲート電極配線パターンに沿って塗布し、乾燥させてゲート電極配線層104を得てもよい。
このゲート電極配線104をマスクとしてシリコン層102に高濃度の不純物イオン注入を行い、シリコン層102にソース領域及びドレイン領域を形成する。
次に、図8(E)に示すように、ガスバーナー22により下方から第2の熱処理を施し(図中では便宜上上方からの表記としている)、不純物を活性化させる。この熱処理では、好ましくはガスバーナー22の火炎を酸化性とする。酸化性火炎は混合ガスを酸素リッチとすることによって得られる。雰囲気中の酸素がシリコン層102とシリコン酸化膜(ゲート絶縁層)103との界面等におけるシリコン原子のダングリングボンドに結合し、該シリコン原子を電気的に不活性にして、界面準位密度を減少させる。このため、この第2の熱処理においては、上述した半導体製造装置におけるプロセスパラメータは、例えば、ガスバーナー22の火炎を300〜600℃の低温に、火炎の吹き出し圧力を、例えば、1.0〜2.0MPaの高圧力に設定される。
この後、図8(F)に示すように、通常のTFT製造プロセスによってTFTを完成させる。すなわち、CVD法などによってシリコン酸化膜を成膜して層間絶縁層105を形成する。シリコン層102のソース・ドレイン領域上の層間絶縁膜にコンタクトホールを開口する。このコンタクトホールを金属などの導電材料で埋設し、基板全体にアルミニウムなどの配線材料106を堆積し、パターニングしてTFT(半導体装置)を形成する。
図では、TFTは、液晶表示器や電気泳動装置の画素電極の駆動素子、有機EL素子の駆動素子、論理回路の素子、記憶回路の素子、演算回路の素子等として使用される。
上記の半導体製造方法によれば、バーナーの火炎で下方から熱処理をするので、パーティクルの付着を抑制することができ、火炎の安定性と均熱化促進を図ることができる。また、上昇気流がガスバーナーのノズルヘッド側に流れることがないので、ノズルヘッドの冷却が促進される。また、長尺のガスバーナーを使用すれば、大面積の基板を熱処理することが可能となる。この熱処理の際には熱処理部分を還元雰囲気/酸化雰囲気とすることができ、火炎中に水素、酸化、水蒸気を選択的に存在させて絶縁膜(例えば、ゲート絶縁膜)、半導体膜(例えば、シリコン)の各界面の改質を行うことができる。
(電子機器)
本発明を用いて製造される半導体装置は、これを備えた電子機器に応用することができる。電子機器の例としては、ガラス基板や樹脂基板等の上にTFTを用いて形成された表示回路、駆動回路、記憶回路、演算処理回路などを含む電子機器が該当する。より具体的には、本発明に係る製造プロセスや半導体製造装置を用いて製作された液晶表示装置、電気泳動表示装置、有機EL表示装置等の画像表示器を備えるものが該当する。
例えば、本発明を用いて製造された半導体装置を、携帯電話の表示部として使用することができる。
上記例に限らず本発明を用いて製造された半導体装置は、画像表示や文字表示を行う種々の電子機器の製造に適用可能である。例えば、電子ペーパー、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイなどにも活用することができる。
図1は本発明の半導体製造装置の例を示す説明図である。 図2はガスバーナー22と半導体基板100との関係を示す説明図である。 図3はガスバーナー22と半導体基板100との関係を示す説明図である。 図4はガスバーナー22の一例を示す説明図である。 図5は本発明にかかる熱流体及び熱拡散の状態を模式的に示す説明図である。 図6は比較例にかかる熱流体及び熱拡散の状態を模式的に示す説明図である。 図7はガスバーナーの吹き出し火炎(燃焼ガス)の圧力を調整する例を説明する説明図である。 図8は半導体装置の製造プロセスにガスバーナーを用いた例を説明する製造工程図である。
符号の説明
11 水タンク、12 電気分解槽、15 ガスコントローラ、21 チャンバ、22 ガスバーナー、51 保持部、100 半導体基板

Claims (7)

  1. 半導体装置の製造方法であって、
    基板上に半導体層を形成する工程と、
    前記基板を、前記半導体層が下方に向くように配置する工程と、
    ガスバーナーの火炎を熱源として、前記半導体層を下方から熱処理する工程と、
    を含む、半導体装置の製造方法。
  2. 前記熱処理が、前記ガスバーナーの火炎を直線状に形成し、該直線状火炎に対して前記半導体層を相対的に水平方向に走査することによって行われる、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記熱処理が、前記直線状火炎に対して前記半導体層を相対的に水平方向に複数回走査することによって行われる、請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記ガスバーナーの火炎は、水素及び酸素の混合ガスを燃料とする、請求項1〜3の何れかに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 半導体装置の製造方法であって、
    基板上に半導体層を形成する工程と、
    前記基板を、前記半導体層が下方に向くように配置する工程と、
    燃料となる水素及び酸素の混合ガスを水素過剰に設定したガスバーナーの火炎を熱源として、前記半導体層を下方から熱処理して再結晶化を行う、第1の熱処理工程と、
    前記第1の熱処理工程を経た前記半導体層に酸化膜を形成する工程と、
    前記基板を、前記酸化膜が下方に向くように配置する工程と、
    燃料となる水素及び酸素の混合ガスを酸素過剰に設定したガスバーナーの火炎を熱源として、前記酸化膜が形成された半導体層を下方から熱処理して改質を行う、第2の熱処理工程と、
    を含む、半導体装置の製造方法。
  6. 前記熱処理を行う前に前記基板を予熱する工程を含む、請求項1〜5の何れかに記載の半導体装置の製造方法。
  7. ガスを燃焼して直線状の火炎を形成するガスバーナーと、
    前記直線状火炎の上方に配置され、前記直線状火炎に対して半導体層を相対的に水平方向に移動させる移動手段と、
    を含む、半導体製造装置。

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