JP2008094748A - パップ剤、及びパップ剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パップ剤は、支持体と、この支持体の少なくとも一方の面上に配置された膏体層と、を備える。この膏体層は、アクリル酸ナトリウムに対するアクリル酸の含有比が55/45以上75/25以下(モル比)の共重合体を含有し、且つ、粘着力を増強する粘着増強成分を実質的に含有していない。
【選択図】なし
Description
第1に、基剤に加えてポリブテンや流動パラフィン等を膏体層に添加したので、膏体層が嵩張る。このため、適用対象への密着性や、適用対象の形状変化等への追従性が不充分である。
第2に、ポリブテンや流動パラフィンを含む種々の成分を膏体層に添加する必要があるので、製造工程が煩雑化する。このため、比較的安価な共重合体を使用したにもかかわらず、パップ剤の製造コストが高くなる。
そこで(1)の発明によれば、アクリル酸ナトリウムに対するアクリル酸の含有比が55/45以上(モル比)の共重合体を膏体層に添加したので、粘着力が充分に向上され、パップ剤が経時的に適用対象から脱離するのを抑制できる。
そこで(1)の発明によれば、粘着増強成分(例えば、ポリブテン、脂環式飽和炭化水素樹脂、ロジン誘導体、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂)を膏体層に実質的に含有させなかったので、膏体層の嵩が低減される。これにより、適用対象への密着性及び適用対象の形状変化等への追従性を向上できる。また、粘着増強成分の添加量が極めて低減されているので、パップ剤を安価に製造できる。更に、粘着増強成分を添加する工程を省略すれば、製造工程が簡素化し、パップ剤を容易且つより安価に製造できる。
そこで(1)の発明によれば、アクリル酸ナトリウムに対するアクリル酸の含有比が75/25以下(モル比)の共重合体を膏体層に添加したので、共重合体を容易且つ高収率で製造できる。
また、「実質的に含有していない」とは、粘着力増強作用が発揮される程度の量を含有していないことを指す。
なお、膏体層は粘着増強成分を実質的に含有していないので、膏体層に可塑剤を添加しなくとも、パップ剤は剛直化しない。このため、適用対象への追従性は維持される。
そこで(6)の発明によれば、膏体層の厚みを5g/140cm2以上10g/140cm2以下としたので、嵩が小さく、適用対象への密着性及び適用対象の形状変化等への追従性を向上できるとともに、粘着力が充分に向上され、パップ剤が経時的に適用対象から脱離するのを抑制できる。
また、粘着力が充分に向上されているので、膏体層に粘着増強成分を添加しなくとも、パップ剤が経時的に適用対象から脱離するのを抑制できる。そこで本発明によれば、粘着増強成分を膏体層に添加しなかったので、膏体層の嵩が低減される。これにより、適用対象への密着性及び適用対象の形状変化等への追従性を向上できる。また、粘着増強成分の添加量が極めて低減されているので、パップ剤を安価に製造できる。更に、粘着増強成分を添加する工程を省略すれば、製造工程が簡素化し、パップ剤を容易且つより安価に製造できる。
更に、アクリル酸ナトリウムに対するアクリル酸の含有比が75/25以下(モル比)の共重合体を膏体層に添加したので、共重合体を容易且つ高収率で製造できる。
本実施形態に係るパップ剤は、支持体と、この支持体の少なくとも一方の面上に配置された膏体層と、この膏体層上に配置された剥離シートと、を備える。
膏体層は、水溶性高分子及び水を含有する。また、膏体層は、これら以外にも、多価アルコール、多価金属塩、界面活性剤等、一般的に使用される成分を任意に含有してもよい。
本発明のパップ剤における膏体層には、水溶性高分子として、アクリル酸とアクリル酸ナトリウムとの共重合体が添加される。この共重合体において、アクリル酸ナトリウムに対するアクリル酸の含有比は、55/45以上75/25以下(モル比)である。このような共重合体としては、例えば、「NP−800(登録商標)」(昭和電工社製)が挙げられる。
膏体層は、通常、適用対象に与える刺激を低減するために、pH6〜7程度に調整される。本発明においては、更に、粘着力をより向上できる点を考慮して、pH4.50以上5.50以下であることが好ましい。より好ましくは、4.60以上5.20以下である。
膏体層に添加される水としては、精製水、滅菌水、天然水等が挙げられる。水は、水溶性高分子等の分散剤又は溶解剤として作用し、後述する保湿剤としてのグリコール類や多価アルコールを均一に分散させ溶解させるのに重要な役割を果たす。更に、水は、使用感を向上したり、適用対象としての皮膚へ移行して潤いやハリを与えたりする。
(多価アルコール)
膏体層に添加される多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、キシリトールが挙げられる。この中でも、作業性や使用感等を向上できる点で、グリセリンが好ましい。
多価金属塩としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、含水ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、カオリン、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウムが挙げられる。これらのうち、合成ケイ酸アルミニウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルサルフェート塩、2−エチルヘキシルアルキル硫酸エステルナトリウム塩、ノルマルドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤;ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミネート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、グリセロールモノステアレート、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン等の非イオン界面活性剤;が添加されてもよい。
更に、本発明の膏体層には、酸化防止剤、架橋剤、薬剤、防腐剤、粘着付与剤、溶解剤、色素、香料、紫外線吸収剤、無機充填剤及びpH調整剤等が添加されてよい。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアヤレチン酸、トコフェロール、酢酸トコフェロール、天然ビタミンE等が挙げられる。
架橋剤としては、水難溶性アルミニウム化合物、多官能性エポキシ化合物、アミノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、有機系架橋剤、金属又は金属化合物等の無機系架橋剤が、単独で又は組合せて使用できる。
薬剤としては、薬理活性を有するものであれば特に限定されないが、消炎鎮痛剤(インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、フェルビナク、ケトロラク、ジクロフェナク、ロキソプロフェン、又はこれらの塩等)、制吐剤(塩酸グラニセトロン、塩酸アザセトロン、塩酸オンダンセトロン、塩酸ラモセトロン等)、ホルモン剤(エストラジオール、エストロン、エストリオール、エキリン、エキレニン、プロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ジドロゲステロン、酢酸クロルマジノン、エチステロン、ジメチステロン、ノルエチステロン、酢酸ノルエチステロン、エナント酸ノルエチステロン、酢酸エチノジオール、酢酸メゲストロール、アリルエストレノール等)、頻尿治療剤(塩酸オキシブチニン等)、カルシウム拮抗剤(ニフェジピン、ニゾルジピン、ニカルジピン、ニトレジピン等)、コルチコステロイド類(ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、プロピオン酸クロベタゾール等)、催眠鎮静剤(フェノバルビタール、トリアゾラム、ニトラゼパム、ロラゼパム等)、精神安定剤(フルフェナジン、ジアゼパム、クロルプロマジン等)、抗高血圧剤(クロニジン、塩酸クロニジン、ピンドロール、プロプラノロール、ニトレンジピン、メトプロロール等)、降圧利尿剤(ハイドロサイアザイド等)、抗生物質(ペニシリン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、クロラムフェニコール等)、麻酔剤(リドカイン、塩酸ジブカイン、アミノ安息香酸エチル等)、抗菌性物質(塩酸ベンザルコニウム、クロトリマゾール等)、ビタミン剤(ビタミンA等)、抗てんかん剤(ニトラゼパム等)、冠血管拡張剤(ニトログリセリン、硝酸イソソルビド等)、抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン等)、鎮咳剤(塩酸ツロブテロール、サルブタモール、フマル酸ケトチフェン、トラニラスト、塩酸イソプロテレノロール等)、抗鬱剤(塩酸クロミプラミン、塩酸アミトリプチリン等)、脳循環改善剤(メシル酸ジヒドロエルゴトキシン、イフェンプロジル等)、抗腫瘍剤(5−フルオロウラシル等)、筋弛緩剤(エペリゾン、ダントロレン等)、鎮痛剤(フェンタニール、モルヒネ等)、ポリペプチド系のホルモン剤(黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH−RH)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)等)、末梢血管拡張剤、免疫調節剤(ポリサッカライド類、オーラノフィン、ロベンザリット等)、利胆剤(ウルソデスオキシコール酸等)、利尿剤(ヒドロフルメチアジド等)、糖尿病用剤(トルブタミド等)、痛風治療剤(コルヒチン等)、抗パーキンソン剤(アマンタジン、レボドパ等)、抗めまい剤(ジフェニドール、ベタヒスチン等)等が挙げられる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルが挙げられる。
保型剤としては、カゼイン、プルラン、寒天、デキストラン、アルギン酸ソーダ、可溶性デンプン、カルボキシデンプン、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルエーテル、マレイン酸共重合体、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、イソブチレン無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール部分ケン化物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、N−ビニルアセトアミド等が挙げられる。
溶解剤としては、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、クロタミトン、ハッカ油、N−メチル−2−ピロリドン、ベンジルアルコール、炭酸プロピレン等が挙げられる。
色素としては、赤色2号(アマランス)、赤色3号(エリスロシン)、赤色102号(ニューコクシン)、赤色104号の(1)(フロキシンB)、赤色105号の(1)(ローズベンガル)、赤色106号(アシッドレッド)、黄色4号(タートラジン)、黄色5号(サンセットエローFCF)、緑色3号(ファストグリーンFCF)、青色1号(ブリリアントブルーFCF)、青色2号(インジゴカルミン)等の法定色素が使用できる。
香料としては、ハッカ油、ケイヒ油、チョウジ油、ウイキョウ油、ヒマシ油、テレピン油、ユーカリ油、オレンジ油、ラベンダー油、レモン油、ローズ油、レモングラス油等や、ローズマリー、セージ等の植物抽出物等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エステル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、サリチル酸エステル、アントラニル酸メチル、ウンベリフェロン、エスクリン、ケイ皮酸ベンジル、シノキサート、グアイアズレン、ウロカニン酸、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ジオキシベンゾン、オクタベンゾン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、スリソベンゾン、ベンゾレソルシノール、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート等が挙げられる。
無機充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸塩(例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等)、ケイ酸、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜鉛酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、カオリンが挙げられる。
pH調整剤としては、酢酸、ギ酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、安息香酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、塩酸、硝酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、酢酸緩衝液等が挙げられる。
支持体としては、膏体層を支持できるものであれば特に限定されず、伸縮性又は非伸縮性の支持体が使用でき、具体的には、繊維シート又は樹脂フィルム等が挙げられる。これらのうち、汗等によるムレや皮膚刺激を抑制できる点で、水蒸気透過性を有する織布又は不織布からなる繊維シートが好ましい。
剥離シートとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のフィルム、上質紙とポリオレフィンとのラミネートフィルム等が挙げられる。これらの剥離シートには、剥離シートの剥離が容易となる点で、膏体層との対向面にシリコン処理が施されていることが好ましい。
本実施形態に係るパップ剤の製造方法は、例えば、以下のようなものである。まず、基剤(膏体原料)を常法に従って調製し、この基剤を支持体又は剥離シート上に塗布することで、膏体予備層を形成する。続いて、形成された膏体予備層に剥離シート又は支持体を張り合わせて、複合体を作製する。この複合体を所定の形状に裁断した後、室温で数日間保管し、膏体予備層において架橋反応を充分に行わせ、パップ剤を得る。
まず、優れた粘着力を得るために必要な共重合体の種類を検討するために、以下の実施例1〜3及び比較例1を行った。
インドメタシン0.65質量%、クロタミトン0.6質量%、N−メチル−2−ピロリドン0.5質量%、ハッカ油0.3質量%、中和度35%であるポリアクリル酸部分中和物「NP−800(登録商標)」(昭和電工社製)6質量%、カルボキシメチルセルロースナトリウム「FT−1」(日本製紙ケミカル社製)2質量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油0.3質量%、ソルビタン脂肪酸エステル0.3質量%、乾燥水酸化アルミニウムゲル0.07質量%、エデト酸ナトリウム0.08質量%、酒石酸0.6質量%、酸化チタン1.5質量%、軽質無水ケイ酸2質量%、濃グリセリン35質量%に対して、100質量%となるように精製水を混合し撹拌した。得られた混合撹拌物を、140cm2の不織布上に7g塗布し、乾燥させた後、剥離シートで被覆することで、パップ剤を作製した。
ポリアクリル酸部分中和物として、「NP−800(登録商標)」(昭和電工社製)4質量%と、中和度50%である「NP−700(登録商標)」(昭和電工社製)2質量%との混合物を使用し、酒石酸を0.8質量%添加した点を除き、実施例1と同様の手順でパップ剤を作製した。
ポリアクリル酸部分中和物として、「NP−800(登録商標)」(昭和電工社製)2質量%と、「NP−700(登録商標)」(昭和電工社製)4質量%との混合物を使用し、酒石酸を1質量%添加した点を除き、実施例1と同様の手順でパップ剤を作製した。
ポリアクリル酸部分中和物として、「NP−700(登録商標)」(昭和電工社製)6質量%のみを使用し、酒石酸を1.2質量%添加した点を除き、実施例1と同様の手順でパップ剤を作製した。
実施例1〜3及び比較例1で作製したパップ剤について、以下のような方法で、粘着性及び官能性の試験を行った。
100gの分銅にベークライト板(10mm×10mm)が張り合わされた100g荷重ベークライト板を、引っ張り試験機「テンシロン PTM−100W」(オリエンテック社製)内の所定位置に取り付けた。次に、剥離シートを剥がし、粘着面を上にしてパップ剤を試料台上に載置し、この試料台を吸引して試料片を固定した後、粘着面と100g荷重ベークライト板面とを3秒間接触させた。続いて、300mm/分の速度で引っ張り試験機を稼動し、ベークライト板面が粘着面から剥離した時の抵抗力を測定した。
パップ剤を2.5cm×7.0cmの試験片に切り取り、同じ大きさのクラフトテープを支持体側に貼った。次に、剥離シートを半分(2.5cm×3.5cm)剥がし、粘着面(2.5cm×3.5cm)を耐水紙に貼り付けた。続いて、2kgのローラーを3.5cm/4秒の速度で一往復させることで、耐水紙を圧着し、試料とした。得られた試料を引っ張り試験機に装着し、試料の粘着面が耐水紙から剥離した時の抵抗力を測定した。具体的な試験条件は、以下の通りであった。
試験条件
温度:23℃
湿度:65%
試験片:2.5cm×7.0cm
試料面積:2.5cm×3.5cm
圧着:2kgローラー、1往復(3.5cm/4秒)
貼着性
パップ剤の剥離シートを緩やかに剥がし、膏体面に親指を密着させた。このときの親指皮膚への貼着性を、以下の基準で評価した。
◎:剥離するときに強い抵抗がある。
○:剥離するときに抵抗がある。
△:パップ剤の自重で徐々に剥離する。
×:パップ剤の自重で容易に剥離する。
パップ剤の剥離シートを緩やかに剥がし、膏体面に指を押し付け、その後、離した。このときの指への膏体残りを、以下の基準で評価した。
◎:膏体が指に全く付着しない。
○:膏体が指にほとんど付着しない。
△:膏体が指にわずかに付着する。
×:膏体が指に多量に付着する。
次に、粘着力と、共重合体の量との関係を調査するために、以下の実施例4〜5を行った。
含有量を、カルボキシメチルセルロースナトリウム1質量%、酸化チタン1質量%、軽質無水ケイ酸1質量%に変更し、カルボキシルメチルセルロースナトリウムを粘度300mPa・s、含有量1質量%(例えば、「F30HC」(日本製紙ケミカル社製))に変更し、新たに、チモール及び黄色5号を微量添加した点を除き、実施例1と同様の手順でパップ剤を作製した。
ポリアクリル酸部分中和物「NP−800(登録商標)」(昭和電工社製)の添加量を7質量%とした点を除き、実施例4と同様の手順でパップ剤を作製した。
実施例4〜5で作製したパップ剤について、前述したような方法で粘着力及び官能性を試験し、以下のような方法で保持力を測定した。
パップ剤を2.5cm×7.0cmの試験片に切り取った。続いて、剥離シートを剥がした後、パップ剤の粘着面(2.5cm×2.5cm)を、耐水紙にプラスチックフィルムが貼り付けられた試験台上に貼り付けた。2kgのローラーを2.5cm/3秒の速度で一往復させることで、粘着面を圧着し、試料とした。得られた試料を保持力試験機「エタック FX212P」(楠本化成社製)に取り付け、試料の粘着面が試験台から剥離するまでの時間を測定した。具体的な試験条件は、以下の通りであった。
試験条件
温度:40℃
湿度:65%
試験片:2.5cm×7.0cm
試料面積:2.5cm×2.5cm
圧着:2kgローラー、1往復(3秒/2.5cm)
荷重:1kg
プラスチックフィルム:インクジェットプリンタラベル透明光沢フィルム、厚み0.145mm、エーワン社製
次に、粘着性とpHとの関係を調査するために、実施例6を行った。
含有量を、酒石酸0.7質量%、乾燥水酸化アルミニウムゲル0.06質量%、エデト酸ナトリウム0.09質量%へと変更した点を除き、実施例5と同様の手順でパップ剤を作製した。
実施例5及び実施例6について、前述の方法に従って粘着力及び官能性を評価した。また、膏体のpHは、パップ剤の膏体2.0gを採取し、この膏体に水20mLを加えて充分にすりつぶして膏体が分散された液のpHを、日本薬局方一般試験法pH測定法に従って測定することで、決定した。
次に、粘着性と、結合成分の量及び種類との関係を調査するために、以下の実施例7〜12を行った。
エデト酸ナトリウムの含有量を0.1質量%へと変更した点を除き、実施例6と同様の手順でパップ剤を作製した。
ゼラチンの含有量を1.5質量%へと変更した点を除き、実施例7と同様の手順でパップ剤を作製した。
使用したカルボキシメチルセルロースの粘度を200mPa・s、含有量1質量%(例えば、「F20HC」(日本製紙ケミカル社製))へと変更した点を除き、実施例7と同様の手順でパップ剤を作製した。
ゼラチンの含有量を1.5質量%へと変更した点を除き、実施例9と同様の手順でパップ剤を作製した。
使用したカルボキシメチルセルロースの粘度を100mPa・s、含有量1質量%(例えば、「F20HC」(日本製紙ケミカル社製))へと変更した点を除き、実施例7と同様の手順でパップ剤を作製した。
ゼラチンの含有量を1.5質量%へと変更した点を除き、実施例11と同様の手順でパップ剤を作製した。
Claims (7)
- 前記粘着増強成分は、ポリブテン、脂環式飽和炭化水素樹脂、ロジン誘導体、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1記載のパップ剤。
- 前記膏体層は、更に、前記粘着増強成分の可塑剤を実質的に含有していない請求項1又は2記載のパップ剤。
- 前記可塑剤が、流動パラフィンである請求項3記載のパップ剤。
- 前記膏体層は、pH4.50以上5.50以下である請求項1から4いずれか記載のパップ剤。
- 前記膏体層は、前記支持体の少なくとも一方の面上に、5g/140cm2以上10g/140cm2以下配置されている請求項1から5いずれか記載のパップ剤。
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