JPH0853346A - ポリアクリル酸系パップ剤用粘着基剤およびその製造方法 - Google Patents
ポリアクリル酸系パップ剤用粘着基剤およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH0853346A JPH0853346A JP18863394A JP18863394A JPH0853346A JP H0853346 A JPH0853346 A JP H0853346A JP 18863394 A JP18863394 A JP 18863394A JP 18863394 A JP18863394 A JP 18863394A JP H0853346 A JPH0853346 A JP H0853346A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyacrylic acid
- adhesive base
- polyhydric alcohol
- less
- dispersed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
Abstract
ル酸系パップ剤用粘着基剤。 (1) パップ剤サンプルを、40℃、75%RHで1日静
置した後、JIS Z0237のタック試験法に準じて
行った時の、傾斜角30度でのボールタック値BT1
が、ボールナンバー20以上である。 (2) 40℃、75%RHで15日静置後のボールタック
値BT2 が、ボールナンバー13以上である。 (3) 上記BT1 −BT2 が8以下である。 (4) パップ剤サンプルを、40℃、75%RHで1日静
置後、および15日静置後に、ステンレス板に貼付し
て、10g/cm2 の荷重を加えたまま37℃、60%
RHで6時間静置した後に剥離した時の、ステンレス板
に付着残存した粘着基剤の重量がいずれも0.2g未満
である。 【効果】 初期粘着力、粘着力の経日安定性、賦形性の
全てに優れ、かつ不織布からのしみ出しのない高性能パ
ップ剤用粘着基剤を提供できた。
Description
に直接貼付して用いられるパップ剤用粘着基剤に関し、
詳しくは、優れた初期粘着力、経時安定性、賦形性を有
するポリアクリル酸系パップ剤用粘着基剤およびその製
造方法に関する。
は、ポリアクリル酸およびポリアクリル酸塩が用いられ
ている。例えば、特開平3−161436号、特開昭5
9−11061号、特開昭62−63512号、特開昭
61−260014号に記載されている様に、ポリアク
リル酸一価塩を必須成分としこれを多価アルコールに分
散させた後、ポリアクリル酸水溶液を添加するか、ある
いは水とポリアクリル酸粉末を添加してパップ剤用粘着
基剤としている。しかしながら、これらの従来技術のも
のは、安全性、初期粘着力、粘着力の経時安定性、皮膚
に貼付した後の賦形性等のパップ剤として重要な特性の
いずれかに問題があった。例えば、アクリル酸モノマー
が残存していたり、初期粘着力が低過ぎて皮膚に貼付で
きなかったり、初期粘着力を向上させたものは逆に体温
によって軟化して、剥離後に皮膚に残存したり、また水
の離脱や架橋反応進行によって粘着力が経時的に悪化し
ていく等の問題である。
135828号では、特定の粘度の水溶液となり得る固
体状もしくは粉体状のポリアクリル酸を他の水溶性高分
子と共に使用することによって、安全性に優れ、粘着特
性も比較的良好なパップ剤用基剤を提供する技術が開示
されている。しかしながら、やはり経日安定性や初期粘
着力はまだ不充分であり、また不織布基材からのしみ出
し等が起こり易いことから、さらに良好な粘着特性のパ
ップ剤用粘着基剤が求められていた。
期粘着力、粘着力の経日安定性、賦形性の全てに優れ、
しかも不織布からのしみ出しのない高性能パップ剤用粘
着基剤を提供することを目的とする。
系パップ剤用粘着基剤は、下記粘着特性のすべてを満足
するところに要旨を有する。 (1) 10gの粘着基剤を14cm×10cmの不織布に
塗布してから長さ10cm×幅5cmの試験片を切り出
し、40℃、75%RHで1日静置した後、JIS Z
0237のタック試験法に準じて行った時の、傾斜角
30度でのボールタック値BT1 が、ボールナンバー2
0以上である。 (2) 10gの粘着基剤を14cm×10cmの不織布に
塗布してから長さ10cm×幅5cmの試験片を切り出
し、40℃、75%RHで15日静置後、JIS Z
0237のタック試験法に準じて行った時の傾斜角30
度でのボールタック値BT2 が、ボールナンバー13以
上である。 (3) 上記BT1 −BT2 が8以下である。 (4) 10gの粘着基剤を14cm×10cmの不織布に
塗布し、40℃、75%RHで1日静置後、および15
日静置後に、SUS304のステンレス板に貼付する。
10g/cm2 の荷重を加えたまま37℃、60%RH
で6時間静置した後に剥離した時の、ステンレス板に付
着残存した粘着基剤の重量がいずれも0.2g未満であ
る。
中に、重量平均分子量1×106 以上の固体状ポリアク
リル酸および/または中和率30モル%以下(0%は含
まない、以下同じ)の固体状ポリアクリル酸塩を分散ま
たは溶解させたものと、ポリアクリル酸一価塩を多価ア
ルコール中に分散または溶解させたものを、多価金属化
合物を含む水と混合したものであることが好ましい。ま
た、重量平均分子量が1×106 以上というパラメータ
ーでなく、10%水溶液の粘度が1500cps以上を
満足する固体状ポリアクリル酸および/または中和率3
0モル%以下のポリアクリル酸塩を用いてもよく、いず
れも本発明で規定される粘着特性を達成する上で好まし
い実施態様である。さらに、C数>OH数≧2である多
価アルコールを用い、かつ直鎖状のポリアクリル酸およ
び/または中和率30モル%以下のポリアクリル酸塩を
用いることも、上記高性能な粘着特性を発現するための
好ましい実施態様である。
は、多価アルコール中に重量平均分子量1×106 以上
の固体状ポリアクリル酸および/または中和率30モル
%以下の固体状ポリアクリル酸塩を分散または溶解させ
たものと、ポリアクリル酸一価塩を多価アルコール中に
分散または溶解させたものを、多価金属化合物を含む水
の存在下で混合するところに特徴を有する。このとき、
固体状ポリアクリル酸および/または中和率30モル%
以下のポリアクリル酸塩が10%水溶液における粘度が
1500cps以上のものであってもよい。またC数>
OH数≧2である多価アルコールを用い、かつ直鎖状の
ポリアクリル酸および/または中和率30%以下のポリ
アクリル酸塩を用いることは、本発明の好ましい実施態
様である。
量化を図ると共に、各種原料の混合手順に着目し鋭意検
討した結果、高分子量のポリアクリル酸(塩)を用いる
ときには、水溶液状態で混合するよりも、多価アルコー
ル中に分散させて使用する方が著しく粘着特性が向上す
ることを見出し本発明に到達し得た。以下、本発明を詳
細に説明する。
記粘着特性を満足しなければならない。 (1) 10gの粘着基剤を10cm×14cmの不織布に
塗布してから長さ10cm×幅5cmの試験片を切り出
し、40℃、75%RHで1日静置した後、JIS Z
0237のタック試験法に準じて行った時の、傾斜角
30度でのボールタック値BT1 が、ボールナンバー2
0以上である。
して調製した10gの粘着基剤を不織布に塗布した後、
例えば表面保護のためポリエチレンフィルム等で覆い、
40℃、75%RHで一日静置する。10cm×5cm
に切り出した試験片を、JIS Z 0237に示され
る球転装置に粘着基剤面を上に向けて貼付し、傾斜角3
0度に設定し、試験片上端から10cmの位置から、1
/32〜31/32インチのステンレスボールを初速0
で転がし、粘着基剤上で1分間停止する最大径のボール
の直径の32倍の数値をボールナンバーとして測定値と
定めたものである。なお測定雰囲気は、25℃、65%
RHとした。
1 を初期粘着力の目安とし、BT1が20以上であるこ
とを必須要件とした。保存中に架橋反応が僅かに進行す
るため粘着力が低下することを考慮すると、BT1 が2
0より小さいと、初期粘着力が低いため、皮膚にうまく
貼付できずにすぐ剥れてしまうか、関節の動きに追随で
きないという問題が起こるため好ましくない。より好ま
しいBT1 は25以上である。
mの不織布に塗布してから長さ10cm×幅5cmの試
験片を切り出し、40℃、75%RHで15日静置後、
JIS Z 0237のタック試験法に準じて行った時
の傾斜角30度でのボールタック値BT2 が、ボールナ
ンバー13以上である。
を測定する時と同じである。ただしBT2 は、粘着基剤
を調製してから15日静置後のボールタック値である。
パップ剤用粘着基剤では、保存中に架橋反応が僅かに進
行するため粘着力が低下することは避け難いが、本発明
では経日変化の目安として、15日後のボールタック値
BT2 を13以上と定めた。BT2 が13より小さい
と、パップ剤を製造してから実際に使用者の手に渡るま
での期間が長いときに粘着不良が発生するため好ましく
ない。より好ましいBT2 は18以上である。
上述の様に、ボールタック値の経日変化は不可避現象で
はあるが、BT1 −BT2 が8以下であれば、保存安定
性は良好であるといえる。BT1 −BT2 が8を超える
と、粘着力の低下度合いが大き過ぎるため好ましくな
い。
mの不織布に塗布し、40℃、75%RHで1日静置
後、および15日静置後に、SUS304のステンレス
板に貼付する。10g/cm2 の荷重を加えたまま37
℃、60%RHで6時間静置した後に剥離した時の、ス
テンレス板に付着残存した粘着基剤の重量がいずれも
0.2g未満である。
を規定するものである。賦形性に劣るパップ剤は、皮膚
に貼付した時に「糊残り」が生じたり、室温の高い夏期
に「だれ」を生じることがある。本発明では、皮膚への
付着性と良い相関性を有する上記評価試験を用いて賦形
性の目安とした。粘着基剤調製の1日後、もしくは15
日後の付着残存量が0.2g未満でないと賦形性良好と
はいえない。
性の要件(1) 〜(4) すべてを満足しなければならない。
これらの要件中ひとつでも満足できないと、本発明で目
的とする高性能な粘着基剤を得ることはできないからで
ある。次に、本発明のパップ剤用粘着基剤の原料および
製造方法について説明する。
は、固体状ポリアクリル酸および/または中和率30%
以下のポリアクリル酸塩、多価アルコール、ポリアクリ
ル酸一価塩、水、架橋剤としての多価金属化合物であ
る。
の点から、重量平均分子量が1×106 以上であること
が好ましい。1×106 より小さいと、初期粘着性が低
下し賦形性も悪くなる。固体状ポリアクリル酸の粘度と
しては、10%水溶液のときの粘度が1500cps以
上であることが好ましい。粘度が低過ぎると粘着基剤を
調製した時の粘度が不足するばかりでなく、不織布から
のしみ出しが起こるといった不都合が生じるためであ
る。なおここでいう粘度とは、ブルックフィールド回転
粘度計で25℃で測定した値である。
ていない直鎖状(リニア)型のものが好ましい。架橋型
のポリアクリル酸を使用すると好ましい粘着特性が発現
しないためである。固体状ポリアクリル酸を製造する方
法は特に限定されないが、水溶液重合後、乾燥・粉砕す
る公知の方法が推奨される。具体的には、10〜40%
程度のアクリル酸水溶液に過硫酸塩系、レドックス系、
アゾ系等公知の開始剤を加え、室温〜100℃程度で、
1〜10時間重合を行い、得られるポリアクリル酸水溶
液を乾燥後粉砕すればよい。また、水溶液静置重合、逆
相懸濁重合や、逆相乳化重合を利用してもよい。
あるいはその代わりに、重量平均分子量が1×106 以
上の中和率30モル%以下(0%は含まない)のポリア
クリル酸塩を用いてもよい。中和率が30モル%を超え
るものでは、粘着性、賦形性が低下する。より好ましい
中和率の上限は10モル%である。ポリアクリル酸塩を
用いる時にも、ポリアクリル酸のときと同様の理由で1
0%水溶液の粘度は1500cps以上のものを用いる
ことが好ましい。中和率30モル%以下のポリアクリル
酸塩を得るには、予め一部中和されたアクリル酸塩を用
いて上述の水溶液重合や水溶液静置熱重合を行う方法
や、ポリアクリル酸を一部中和する方法等を採用するこ
ともできる。中和するために用いられるアルカリとして
は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属や他の一価
金属の水酸化物、アンモニア、有機アミンを含有する水
溶性の化合物が挙げられる。
30モル%以下のポリアクリル酸塩は、まず初めに固体
状で後述の多価アルコールと混合され、分散または溶解
状態になる。分散・溶解性の点や取扱いの容易さから、
粉末状もしくはフレーク状のものを用いることが好まし
い。本発明では、ポリアクリル酸および/または中和率
30モル%以下のポリアクリル酸塩はもうひとつの主原
料であるポリアクリル酸一価塩や架橋剤の多価金属化合
物と分散または溶解させる過程において、水溶液状態
(多価アルコールと水が混合している状態も含む)で使
用することは避けなければならない。水溶液状態で分散
または溶解を行なうと、本発明の目的とする優れた粘着
特性が得にくいためである。この理由は次の様に推測さ
れる。
30モル%以下のポリアクリル酸塩を予め多価アルコー
ル中に分散または溶解させておくと、多価アルコールが
ポリアクリル酸(またはその中和率30モル%以下の
塩)のカルボン酸部分の周囲に会合し一種の保護コロイ
ド的作用で保護膜を形成するため、ポリアクリル酸もし
くは中和率30モル%以下のポリアクリル酸塩に由来す
るカルボキシル基は、ポリアクリル酸一価塩との塩交換
反応や、多価金属化合物を加えた時の多価金属との架橋
反応が起こりにくい。この作用で、粘着基剤中ではポリ
アクリル酸または中和率30モル%以下のポリアクリル
酸塩は、高いカルボン酸密度を維持したまま存在するた
め、優れた粘着特性が得られるものと考えられる。
リル酸をポリアクリル酸一価塩と混合した場合には、多
価アルコールによる保護コロイド効果が発現せず、結局
塩交換反応や架橋反応が起こり易い状態となる。このた
めポリアクリル酸とポリアクリル酸一価塩は、均等に部
分中和されたポリアクリル酸塩になり、そしてさらに多
価金属による架橋反応が起きるのであるから、この様な
パップ剤用基剤では全ての粘着特性を良好にすることが
困難であると考えられる。
は、ポリアクリル酸(またはその中和率30モル%以下
の塩)を分散または溶解させるものであれば、特に限定
されず使用することができる。具体例としては、グリセ
リン、ジグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−また
は1,4−ブチレングリコール、エチレン−プロピレン
グリコール共重合体、ソルビトール等が挙げられ、単独
でまたは2種以上を混合して用いてもよい。特に、多価
アルコールのC数とOH数(水酸基数)が、C>OH≧
2である様な若干疎水性の多価アルコールほど上記保護
コロイド形成能が増幅されるため好ましい。これらの多
価アルコールは、ポリアクリル酸(または中和率30モ
ル%以下の塩)に対して少なくとも2倍(重量)、好ま
しくは5倍以上用いられる。使用量の上限値は30倍で
ある。
は、40〜100モル%中和されたポリアクリル酸塩で
あり、上述の中和率30モル%以下のポリアクリル酸塩
とは明確に区別される。ナトリウム、カリウム等のアル
カリ金属や他の一価金属塩、アンモニア、有機アミン塩
等の塩のものが利用できる。ポリアクリル酸一価塩にお
いても前述のポリアクリル酸と同様に、重合平均分子量
が1×106 以上のものが好ましい。ポリアクリル酸一
価塩においても、2倍量以上、好ましくは5倍量以上3
0倍量以下の多価アルコールに分散または溶解させた状
態で、後述の多価金属化合物を含む水と接触させること
が推奨される。
して多価金属化合物が用いられる。なかでも、架橋速度
が速く、賦形性にも優れている点で水溶性アルミニウム
塩が好ましい。具体的には水酸化アルミニウム、塩化ア
ルミニウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸
アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸ア
ルミニウムカリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウ
ム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート等が挙
げられ、中でも塩化アルミニウム(AlCl3・6H2
O)、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アル
ミニウムカリウム、硫酸アルミニウムアンモニウム等が
好ましく用いられる。
属化合物は、水溶液または水分散液の状態で前述のポリ
アクリル酸および/または中和率30モル%以下の塩の
多価アルコール分散液または溶液と、ポリアクリル酸一
価塩の多価アルコール分散液または溶液と混合される。
粘着基剤全体中、ポリアクリル酸および/または中和率
30モル%以下のポリアクリル酸が0.5〜5重量%、
ポリアクリル酸一価塩が0.5〜5重量%、多価金属化
合物が0.05〜1重量%となる様に混合することが好
ましい。
応じて無機充填剤が添加される。無機充填剤としては、
カオリン、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、酸化チタ
ン等が例示され、パップ剤用粘着基剤中1〜20重量%
配合される。
ル、カンフル、サリチル酸メチル、チモール、ハッカ
油、塩酸ジフェンヒドラミン、トウガラシエキス、マレ
イン酸クロロフェニラミン、インドメタシン、フェルビ
ナック、ケトプロフェン、フルルビプロフェン等を適宜
添加することができる。親油性の生理活性物質を用いる
場合には公知の界面活性剤や溶解剤を使用することが好
ましい。
造方法としては、例えば、粉末状のポリアクリル酸およ
び/または中和率30モル%以下のポリアクリル酸塩を
室温〜60℃の多価アルコールに添加し、よく撹拌して
分散または溶解させたもの(A液)と、ポリアクリル酸
一価塩を室温〜60℃の多価アルコールに添加し、よく
撹拌して分散または溶解させたもの(B液)を別々に製
造し、この(A液)と(B液)を、必要に応じて充填剤
や生理活性物質が含まれた多価金属化合物水溶液または
分散液(C液)中に、同時に、または徐々に加えてよく
混練する方法が挙げられる。
液)に接触させるまで水溶液状態で使用することは避け
なければならない。これは、前述の様に多価アルコール
の会合による保護コロイド効果を十分に発現させるため
である。
紙、フィルム等の支持体上に直接塗布する、あるいは、
剥離処理された基材上に塗布してこれらの支持体上に展
着させる等の方法でパップ剤を得ることができる。
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。
容量2リットルのセパラブルフラスコに、水840gと
アクリル酸150gを仕込み、窒素ガスを吹き込みなが
ら60℃に昇温した。撹拌しながら、10重量%の2,
2’−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩水溶液
を10g投入して重合を開始した。3時間後重合を終了
し、固形分15重量%のポリアクリル酸水溶液を得た。
この水溶液を3mmの厚みにテフロンシート上に塗布
し、120℃の熱風乾燥機で2時間乾燥し、乾燥物を粉
砕して、重合体1を得た。
酸水溶液を得た。この水溶液100gに、中和率が20
%となる様に、5重量%の水酸化ナトリウム33.3g
を加え均一に混合した。得られた水溶液を重合例1と同
様にして、乾燥・粉砕し、重合体2を得た。
%の水酸化ナトリウム66.6gを加えた以外は同様に
して、重合体3を得た。 重合例4 重合例2において、中和率が100%となる様に、5重
量%の水酸化ナトリウム166.4gを加えた以外は同
様にして、重合体4を得た。 重合例5 重合例1と同様にして固形分15重量%のポリアクリル
酸水溶液を得た。これをそのまま重合体5とした。
容量5リットルのセパラブルフラスコに水1124gを
仕込み、100℃に昇温した。窒素ガスを吹き込みなが
ら沸点温度付近で常圧下、1重量%の2,2’−アゾビ
ス−2−アミジノプロパン二塩酸塩水溶液140gと3
0重量%のアクリル酸水溶液2666gを60分にわた
って滴下しながら撹拌し、重合反応を行った。次いで、
1重量%の2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン
二塩酸塩水溶液70gを60分にわたって滴下し、系の
沸点温度でさらに30分間撹拌して重合反応を完了し
た。得られた固形分20重量%のポリアクリル酸水溶液
をを3mmの厚みにテフロンシート上に塗布し、120
℃の熱風乾燥機で2時間乾燥し、乾燥物を粉砕して、重
合体6を得た。
て測定した。カラムは昭和電工製のion pak K
S−806を、溶離液には0.1モルのリン酸水溶液
(pH7)を用い、RIで検出した。標準物質は、創和
科学製のポリアクリル酸ナトリウムを用いた。また、5
%水溶液にした時の粘度(cps)をブルックフィール
ド粘度計で25℃で測定した。粘度および分子量の測定
結果を表1に示す。
重量部とグリセリン20重量部に混合分散させて、A液
を作成した。また、重合体4を3.7重量部、プロピレ
ングリコール6重量部とグリセリン20重量部に混合し
分散させてB液を作成した。さらに、水33.7重量部
中に塩化アルミニウム6水和物(AlCl3 ・6H2
O)0.3重量部とカオリン6重量部を加え、C液を作
成した。A液、B液およびC液を同時に混合し15分間
混練した。得られた粘着基剤10gを10cm×14c
mの不織布に薄く均一に塗布してパップ剤サンプルを作
成し、粘着面をポリエチレンフィルムで覆った。このパ
ップ剤サンプルをアルミコートされた積層袋に入れてヒ
ートシールで密封し、40℃、75%RHの環境下に静
置した。
様にしてパップ剤サンプルを作成し、アルミコートされ
た積層袋に入れてヒートシールし、40℃、75%RH
の環境下に静置した。
様にしてパップ剤サンプルを作成し、アルミコートされ
た積層袋に入れてヒートシールし、40℃、75%RH
の環境下に静置した。
%)28.5重量部をプロピレングリコール6重量部と
グリセリン20重量部に混合分散させ、C液とを作成す
る時の水を9.5重量部に減らした以外は実施例1と同
様にしてパップ剤サンプルを作成し、アルミコートされ
た積層袋に入れてヒートシールし、40℃、75%RH
の環境下に静置した。
剤サンプルを下記の評価方法でその粘着特性を評価し
た。なお測定雰囲気は、25℃、65%RHとした。
してから長さ10cm×幅5cmの試験片を切り出し、
40℃、75%RHで1日静置した後、JISZ 02
37のタック試験法に供した。球転装置に粘着剤面を上
に向けて貼付し、傾斜角30度に設定し、試験片上端か
ら10cmの位置から、1/32〜31/32インチの
ステンレスボールを初速0で転がし、粘着剤上で1分間
停止する最大径のボールの直径の32倍の数値をボール
ナンバーとして測定値(BT1)と定めた。また、40
℃、75%RHで15日静置後のボールタック値(BT
2 )も上記方法で測定した。 ・経日安定性 上記BT1 −BT2 である。
して、40℃、75%RHで1日静置後、予め秤量した
SUS304のステンレス板に手で貼付する。10g/
cm2 の荷重を加えたまま、37℃、60%RHで6時
間静置した後に剥離し、ステンレス板を秤量することに
よって付着残存した粘着基剤の重量を算出した。 ・不織布からのしみ出し 賦形性の場合と同様にして得たパップ剤サンプルを、4
0℃、75%RHで1日静置後、不織布の粘着剤の非塗
布面へのしみ出しの有無を指触により確認した。
いずれも優れた粘着特性を示した。しかし、中和率40
%のポリアクリル酸塩のみを用いた比較例1では、賦形
性、経日安定性が悪く、水溶液のポリアクリル酸を含む
A液を用いた比較例2では、経日安定性が特に悪化して
いた。また分子量が低く、10%水溶液粘度の低いポリ
アクリル酸粉末を用いている比較例3では、不織布から
のしみ出しが認められた。
粘着力、経日安定性、賦形性を有し、不織布からのしみ
出しのない高性能なものである。これは、原料ポリアク
リル酸またはその中和率30モル%以下の塩の分子量が
高いこと、そして、これらを多価アルコール中に分散ま
たは溶解させてから、多価アルコールに分散または溶解
させたポリアクリル酸一価塩との混合を、多価金属化合
物水溶液または分散液の存在下で初めて接触させるもの
であること等の相乗効果によるものである。本発明のパ
ップ剤用粘着基剤は、消炎、鎮痛用パップ剤や、他の生
理活性物質の経皮吸収製剤基剤として、また冷却用具等
に有用である。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記粘着特性のすべてを満足することを
特徴とするポリアクリル酸系パップ剤用粘着基剤。 (1) 10gの粘着基剤を14cm×10cmの不織布に
塗布してから長さ10cm×幅5cmの試験片を切り出
し、40℃、75%RHで1日静置した後、JIS Z
0237のタック試験法に準じて行った時の、傾斜角
30度でのボールタック値BT1 が、ボールナンバー2
0以上である。 (2) 10gの粘着基剤を14cm×10cmの不織布に
塗布してから長さ10cm×幅5cmの試験片を切り出
し、40℃、75%RHで15日静置後、JIS Z
0237のタック試験法に準じて行った時の傾斜角30
度でのボールタック値BT2 が、ボールナンバー13以
上である。 (3) 上記BT1 −BT2 が8以下である。 (4) 10gの粘着基剤を14cm×10cmの不織布に
塗布し、40℃、75%RHで1日静置後、および15
日静置後に、SUS304のステンレス板に貼付する。
10g/cm2 の荷重を加えたまま37℃、60%RH
で6時間静置した後に剥離した時の、ステンレス板に付
着残存した粘着基剤の重量がいずれも0.2g未満であ
る。 - 【請求項2】 上記粘着基剤が、多価アルコール中に重
量平均分子量1×106 以上の固体状ポリアクリル酸お
よび/または中和率30モル%以下(0%は含まない、
以下同じ)の固体状ポリアクリル酸塩を分散または溶解
させたものと、ポリアクリル酸一価塩を多価アルコール
中に分散または溶解させたものを、多価金属化合物を含
む水と混合したものである請求項1に記載の粘着基剤。 - 【請求項3】 上記粘着基剤が、多価アルコール中に1
0%水溶液における粘度が1500cps以上のポリア
クリル酸および/または中和率30%以下のポリアクリ
ル酸塩を分散または溶解させたものと、ポリアクリル酸
一価塩を多価アルコール中に分散または溶解させたもの
を、多価金属化合物を含む水と混合したものである請求
項1に記載の粘着基剤。 - 【請求項4】 C数>OH数≧2である多価アルコール
を用い、かつ直鎖状のポリアクリル酸および/または中
和率30モル%以下のポリアクリル酸塩を用いる請求項
2または3に記載の粘着基剤。 - 【請求項5】 多価アルコール中に、重量平均分子量1
×106 以上の固体状ポリアクリル酸および/または中
和率30モル%以下の固体状ポリアクリル酸塩を分散ま
たは溶解させたものと、ポリアクリル酸一価塩を多価ア
ルコール中に分散または溶解させたものを、多価金属化
合物を含む水の存在下で混合するところに特徴を有する
ポリアクリル系パップ剤用粘着基剤の製造方法。 - 【請求項6】 多価アルコール中に、10%水溶液にお
ける粘度が1500cps以上のポリアクリル酸および
/または中和率30%以下のポリアクリル酸塩を分散ま
たは溶解させたものと、ポリアクリル酸一価塩を多価ア
ルコール中に分散または溶解させたものを、多価金属化
合物を含む水の存在下で混合するところに特徴を有する
ポリアクリル酸系パップ剤用粘着基剤の製造方法。 - 【請求項7】 C数>OH数≧2である多価アルコール
を用い、かつ直鎖状のポリアクリル酸および/または中
和率30%以下のポリアクリル酸塩を用いるものである
請求項5または6に記載の粘着基剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18863394A JP3521489B2 (ja) | 1994-08-10 | 1994-08-10 | ポリアクリル酸系パップ剤用粘着基剤およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18863394A JP3521489B2 (ja) | 1994-08-10 | 1994-08-10 | ポリアクリル酸系パップ剤用粘着基剤およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0853346A true JPH0853346A (ja) | 1996-02-27 |
JP3521489B2 JP3521489B2 (ja) | 2004-04-19 |
Family
ID=16227121
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18863394A Expired - Fee Related JP3521489B2 (ja) | 1994-08-10 | 1994-08-10 | ポリアクリル酸系パップ剤用粘着基剤およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3521489B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007039702A (ja) * | 1996-12-26 | 2007-02-15 | Nippon Shokubai Co Ltd | 樹脂粒子の製造方法 |
US7230061B2 (en) | 2001-12-06 | 2007-06-12 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Process for production of water-soluble (meth)acrylic polymers, water-soluble (meth)acrylic polymers, and use thereof |
JP2008094748A (ja) * | 2006-10-11 | 2008-04-24 | Saitama Daiichi Seiyaku Kk | パップ剤、及びパップ剤の製造方法 |
CN103387627A (zh) * | 2013-07-11 | 2013-11-13 | 淮北汇强高分子材料有限公司 | 一种用于制备水凝胶的部分中和的聚丙烯酸及其制备方法 |
-
1994
- 1994-08-10 JP JP18863394A patent/JP3521489B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007039702A (ja) * | 1996-12-26 | 2007-02-15 | Nippon Shokubai Co Ltd | 樹脂粒子の製造方法 |
JP4704317B2 (ja) * | 1996-12-26 | 2011-06-15 | 株式会社日本触媒 | 樹脂粒子の製造方法 |
US7230061B2 (en) | 2001-12-06 | 2007-06-12 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Process for production of water-soluble (meth)acrylic polymers, water-soluble (meth)acrylic polymers, and use thereof |
JP2008094748A (ja) * | 2006-10-11 | 2008-04-24 | Saitama Daiichi Seiyaku Kk | パップ剤、及びパップ剤の製造方法 |
CN103387627A (zh) * | 2013-07-11 | 2013-11-13 | 淮北汇强高分子材料有限公司 | 一种用于制备水凝胶的部分中和的聚丙烯酸及其制备方法 |
CN103387627B (zh) * | 2013-07-11 | 2015-09-30 | 淮北汇强高分子材料有限公司 | 一种用于制备水凝胶的部分中和的聚丙烯酸及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3521489B2 (ja) | 2004-04-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5130203B2 (ja) | 非水系粘着剤組成物、貼付剤および貼付剤の製造方法 | |
CN1758902B (zh) | 用于贴剂的基剂及使用该基剂的贴剂 | |
JP2005015537A (ja) | 感圧性粘着テープ | |
KR20170106428A (ko) | 실리콘 아크릴레이트 조성물 및 이의 제조 방법 | |
JP5185509B2 (ja) | 貼付剤 | |
JP3521489B2 (ja) | ポリアクリル酸系パップ剤用粘着基剤およびその製造方法 | |
JP2007320939A (ja) | パップ剤用基剤および膏体 | |
EP2305722B1 (en) | Water-soluble acrylic acid salt polymer and gelling base | |
US20120225110A1 (en) | Patch and patch preparation | |
EP2266553B1 (en) | Butenafine hydrochloride-containing aqueous patch | |
JP4799879B2 (ja) | 粘着剤、ならびにそれを用いた粘着テープおよび経皮吸収型製剤 | |
WO2003062342A1 (fr) | Adhesif autocollant et piece utilisant cet adhesif | |
JPS60226808A (ja) | シツプ薬 | |
JP2007126397A (ja) | 貼付剤 | |
EP1477189B1 (en) | Process for production of pressure-sensitive adhesive moldings comprising crosslinked polymers as the main component | |
US20110021642A1 (en) | Water-soluble acrylic acid salt polymer and gelling base | |
JP2012219044A (ja) | 貼付製剤 | |
JP2008162975A (ja) | 非水系温感粘着剤組成物および温感貼付剤 | |
JPH06135828A (ja) | 経皮吸収性製剤 | |
JP2009161618A (ja) | 貼付材組成物用添加剤、それを含む貼付材組成物及びその製造方法 | |
JPH0572222B2 (ja) | ||
JP2006298894A (ja) | 貼付シート | |
JP5245119B2 (ja) | 非水系貼付剤製造用組成物及び非水系貼付剤の製造方法 | |
JP2552659B2 (ja) | 医療用親水性粘着テープまたはシート | |
JP2012219045A (ja) | 貼付剤および貼付製剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040120 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040202 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080220 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 5 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 6 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 6 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110220 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |