JP2008094331A - 制動装置の制動利得特性が可変に制御される車輌 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦係数が低い低μ路に於いて制動時の車輪スリップを抑制しつつ許容される時間内に十分な減速効果を上げることができるようにする一方、摩擦係数が高い高μ路に於いては軽い制動操作で快適な制動が達成されるようにする。
【解決手段】路面の摩擦係数の大小を判別し、低μ路に於いてはブレーキペダルの踏量に対する制動力の増大率を表す制動利得を踏量が小さいとき小さくし、踏量が大きいとき大きくし、また高μ路に於いては踏量が小さいとき大きくし、踏量が大きいとき小さくする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ブレーキペダルの踏込み力または踏込み変位(以下、これら両者を総合して踏量という)に対する制動力の増大率を表す制動利得が可変に制御される制動装置を備えた車輌の制動利得を制御することに係る。
マスタシリンダ内のピストン後面の油圧室へアシスト油圧を導入する作動モードとピストン前面の油圧室とピストン後面の油圧室とを連通させる作動モードとの間に切り換えられる車輌の制動装置に於いて、路面が摩擦係数の低い低μ路であることが検出されたときには、ピストン前面の油圧室とピストン後面の油圧室とが連通された作動モードとし、ブレーキペダルに加えられる踏力に対する制動油圧の増大率を表す制動油圧増大勾配を小さくすることが下記の特許文献1に記載されている。また下記の特許文献2には、左右の車輪に対する路面の摩擦係数が異なるスプリット路に於いて、車輌の制動時に車輌に作用するヨーモーメントを考慮して、ブレーキペダルに加えられる踏力が所定値以上であると判定された場合には、そうでない場合に比して、摩擦係数の大きい側の制動力発生手段の制動油圧増大勾配を抑制すること記載されている。また下記の特許文献3には、車輪のスリップ率の検出に基づく制動時のアンチロック制御に関連して、路面の摩擦係数が所定値以下である低μ路に於いて運転者の制動操作がじわじわと行われるときには、ブレーキアシスト手段の作動を停止させることが記載されている。また下記の特許文献4には、マスタシリンダ油圧に対する自動加圧手段を備えた制動装置に於いて、低μ路に於いてアンチスキッド制御行われるときには、自動加圧手段の作動を抑制することが記載されている。
特開2001-315635 特開2001-204144 特開2003-89351 特開2002-67917
摩擦係数が低い低μ路にてブレーキペダルが踏まれたとき車輪がスリップすることによる大きな障害は、車速がまだ高い状態にて車輪間に生ずる滑り度の違いにより車輌の進路に偏向を来たすことであり、この点から低μ路走行中にはブレーキペダルの踏量に対する制動力の増大率を表す制動利得を下げることは理に適っている。しかし、制動装置は、最終的には、踏量が十分大きくなれば十分な大きさの制動力を発揮することができるようになっていることが必要であり、たとえ低μ路上にあっても制動利得が低いままであっては、許容される時間内に十分な減速効果を上げることができない。また制動利得を下げた制動であっても、制動が進行すれば車速は下がるので、車速の低下と共に車輪間の滑り度の違いにより車輌の進路に偏向を来たすことが障害となる度合は緩和されてくる。
一方、路面の摩擦係数が高い高μ路を走行しているときには、制動の初期から制動利得が大きくされても、車輪のスリップ率そのものが小さいことから、車輪間にさしたるスリップ率の差が生ずることはないので、制動の初期から制動利得を大きくしておくことにより、僅かなブレーキペダルの踏み込みにより所望の制動が得られ、制動操作を快適にすることができる。
いずれにしても、車輌の制動装置は、路面の摩擦係数がどうであれ、標準的な運転者が普通にブレーキペダルを一杯に踏み込んだとき或る所定値の最大制動力が得られるようになっているべきものであるので、今、ブレーキペダルの踏量を横軸に取り、制動力を縦軸に取ったグラフで見れば、踏量に対応する制動力の対応を示す右上がりの線の最終点は、車種に応じて一定の位置に来るべきものである。
本発明は、路面の摩擦係数に対する車輌制動装置の制動利得の適合に関する上記の諸点に鑑み、車輌制動装置の制動利得の制御を更に改良すること課題としている
上記の課題を解決するものとして、本発明は、ブレーキペダルの踏量に対する制動力の増大率を表す制動利得を可変に制御できる制動利得可変制動装置と、タイヤに対する路面の摩擦係数を判別する摩擦係数判別手段と、前記摩擦係数判別手段による前記摩擦係数の判別に基づいて前記制動利得を制御する制動利得制御手段とを有し、前記摩擦係数が所定の小さい状態にあると判別されたときには前記踏量が所定の小さい領域にあるとき前記踏量が所定の大きい領域にあるときに比して前記制動利得が小さくされることを特徴とする車輌を提案するものである。
前記摩擦係数が前記所定の小さい状態より大きい所定の大きい状態にあると判別されたときには前記踏量が所定の小さい領域にあるときの前記制動利得は前記摩擦係数が前記所定の小さい状態にあると判別されていて前記踏量が前記所定の小さい領域にあるときの前記制動利得より大きくされてよい。
前記摩擦係数が前記所定の大きい状態にあると判別されたときには前記踏量が前記所定の小さい領域より大きい所定の大きい領域にあるときの前記制動利得は前記踏量が前記所定の小さい領域にあるときより小さくされてよい。
前記摩擦係数が前記所定の小さい状態にあると判別されたときの制動力の最大値と前記摩擦係数が前記所定の大きい状態にあると判別されたときの制動力の最大値とが互いに同一とされてよい。
前記摩擦係数判別手段は運転者が操作する手動判別手段或いは前記摩擦係数の検出に基づいて作動する自動判別手段であってよい。
上記の如く、車輌が、ブレーキペダルの踏量に対する制動力の増大率を表す制動利得を可変に制御できる制動利得可変制動装置と、タイヤに対する路面の摩擦係数を判別する摩擦係数判別手段と、前記摩擦係数判別手段による前記摩擦係数の判別に基づいて前記制動利得を制御する制動利得制御手段とを有し、前記摩擦係数が所定の小さい状態にあると判別されたときには前記踏量が所定の小さい領域にあるとき前記踏量が所定の大きい領域にあるときに比して前記制動利得が小さくされるようになっていれば、摩擦係数の低い低μ路を走行中にブレーキペダルが踏み込まれるときには、ブレーキペダル踏込みの初期には制動利得を比較的小さくして制動を緩やかに進行させることにより車輪間に大きなスリップ差が生ずることを回避しつつ車輌の減速を図り、車輌の減速が進み、仮令多少の車輪間スリップ差が生じてもさして障害とならなくなった後、制動利得を上げるようにし、低μ路に於いても制動時間を長引かせることなく車輪間スリップ差による車輌の偏向を抑制した車輌制動を行うことができる。
前記摩擦係数が前記所定の小さい状態より大きい所定の大きい状態にあると判別されたときには前記踏量が所定の小さい領域にあるときの前記制動利得は前記摩擦係数が前記所定の小さい状態にあると判別されていて前記踏量が前記所定の小さい領域にあるときの前記制動利得より大きくされれば、摩擦係数の高い高μ路を走行中にブレーキペダルが踏み込まれるときには、ブレーキペダル踏込みの初期から制動利得を比較的大きくして軽いブレーキペダル踏込みによっても所望の制動が得られるようにして高μ路走行に於ける制動操作を快適なものとすることができる。
前記摩擦係数が前記所定の大きい状態にあると判別されたときには前記踏量が前記所定の小さい領域より大きい所定の大きい領域にあるときの前記制動利得は前記踏量が前記所定の小さい領域にあるときより小さくされれば、高μ路走行時に前記踏量が大きい領域にて前記制動利得が高過ぎることにより制動力の調節が行いにくくなることを回避することができる。
前記摩擦係数が前記所定の小さい状態にあると判別されたときの制動力の最大値と前記摩擦係数が前記所定の大きい状態にあると判別されたときの制動力の最大値とが互いに同一とされれば、前記摩擦係数が小さい状態であって、前記踏量が小さい領域では前記制動利得が小さくされ、前記踏量が大きい領域では前記制動利得が大きくされる場合、および前記摩擦係数が大きい状態であって、前記踏量が小さい領域では前記制動利得が大きくされ、前記踏量が大きい領域では前記制動利得が小さくされる場合のいずれの場合にも、ブレーキペダルがいっぱいに踏み込まれたとき最終的に得られる制動力の最大値を同じにすることができ、制動利得を変化させる制動モードの如何に拘わらず制動装置そその最大容量まで作動させることができる。
前記摩擦係数判別手段が運転者により操作される手動判別手段とされれば、運転者は自らの意思により制動特性を低μ路走行用制動特性と高μ路走行用制動特性との間で選択し、それを意識した制動操作を行うことができ。一方、前記摩擦係数判別手段が前記摩擦係数の検出に基づいて作動する自動判別手段とされれば、路面の摩擦係数の変化に応じて制動特性を自動的に低μ路走行用制動特性と高μ路走行用制動特性との間に切り換えることができる。
図1は、本発明による車輌の一つの実施の形態をその制動部の構造について示す概略図である。
図に於いて、10がブレーキペダルであり、12がマスタシリンダ装置のマスタシリンダであり、14がマスタシリンダ装置のピストンである。そして16がブレーキペダル12とマスタシリンダ装置のピストン14の間に介装されてブレーキペダルの踏込み力または踏込み変位、即ち、ここでいう踏量、をピストン14の変位にその相対的大きさを調節可能に変換する制動利得可変調節手段である。18は制動変位可変調節手段16の入力軸であり、20はその出力軸である。制動利得可変調節手段16は入力軸16の変位に対する出力軸20の変位を可変に調節する手段である。図示の実施の形態に於いては、制動利得可変調節手段16とマスタシリンダ装置のピストン14の間に無反力ブースタ22が介装されている。制動利得可変調節手段16の構造については、それが機械式に構成される場合の例について後程図3を参照して説明する。
無反力ブースタ22は、図に於いては、その構造が機能上の原理をより明瞭に示すよう解図的に示されている。その弁ポートの実際の構造は、スライド式ではなく、当接式弁ポートの弁座が可動式に構成される等、図示と異なる構造であってよい。無反力ブースタ22は、剛固な円盤状の前壁部24と、その中心部より延在する円筒状の蛇腹部26と、剛固な円盤状の後壁部28と、前壁部24と後壁部28の間に囲まれた空間を前後に二分するダイヤグラム30と、その中心部より蛇腹部26の内側にそれに沿って延在する円筒状弁座32と、円筒状弁座32内にその軸線に沿って摺動するよう制動利得可変調節手段16の出力軸20と連結されたピストン状の弁体34と、一端にて円筒状弁座32に連結され他端にてマスタシリンダ装置のピストン14と連結された出力軸36とを有している。
円筒状弁座32にはその軸線方向に沿った2つの位置に弁ポート38と40とが形成されており、図示の状態では弁ポート38はピストン弁体34との重なり合いより外れて開放されており、弁ポート40はピストン弁体34と重なり合って閉ざされている。ダイヤグラム30の左方の室空間には真空ポンプ42からの真空が導入されており、この真空は出力軸36の円筒状弁座32との連結部に形成されたフランジ部に形成された孔44を経て円筒状弁座32内の円筒状空間に及ぼされている。図示の状態では、この真空は更に弁ポート38を経てダイヤグラム30の右方の室空間にまで達している。このとき弁ポート40はピストン弁体34により閉じられているので、この状態ではダイヤグラム30の左右両側に同じ真空が作用している。
この状態よりブレーキペダル10の踏込みに応じて制動利得可変調節手段16の出力軸20が図にて左方へ移動されると、弁ポート38はピストン弁体34により閉じられ、弁ポート40はピストン弁体34との重なりより外れて開放されるので、ダイヤグラム30の右側には大気圧が作用するようになり、ダイヤグラム30はその両面に作用する差圧により押されて図にて左方へ変位する。ダイヤグラム30による円筒状弁座32の左方への変位は、もしそれが弁34の左方への変位を上回れば、弁ポート38が開かれて弁ポート40が閉じられることになるので、それは生じない。かくしてストン弁体34の左方への変位に追従して出力軸36は左方へ変位し、その際ピストン弁体34を左方へ変位させる力に関係なく、出力軸36の左方へ変位は真空ポンプ42により与えられる真空のエネルギにより付勢され、ブレーキペダルの踏込みに応じてブレーキペダルに対しては無反力にてマスタシリンダ装置のブーストアップ作動が生ずる。尚、円筒状弁座32に対するピストン弁体34の変位は弁ポート38および40を開閉する範囲でよいので、その範囲を越える両者間の相対変位は適当なストッパにより阻止され、真空ポンプ42からの真空の供給が停止したときにも、ブーストアップは得られないが、マスタシリンダ装置のピストン14はブレーキペダル10により直接駆動され得るようになっている。
46はブレーキペダルの踏込みに対し反力を及ぼす戻しばねである。無反力ブースタ22では出力軸36に作用する油圧による反力は入力軸20には伝わらない。従って、ブレーキペダルの踏込みに対し戻しばね46により直接反力が及ぼされるようになっており、戻しばね46が強くされれば、運転者はブレーキペダルの踏込み度合を主として踏込み力として感知するので、前記踏量は主としてブレーキペダル踏込み力を表すものとなり、戻しばね46が弱くされれば、運転者はブレーキペダルの踏込み度合を主として踏込み変位として感知するので、前記踏量は主としてブレーキペダル踏込み変位を表すものとなる。いずれにしても、図1に示す実施の形態に於いては、ブレーキペダル10の踏込みによる回動角が前記踏量を表す。
マスタシリンダ12内にはフリーピストン48が設けられており、ピストン14とフリーピストン48の間の前室内にて加圧された油は、油路50F,52FL,52FRを経て前左輪のホイールシリンダ54FLおよび前右輪のホイールシリンダ54FRへ供給され、ブレーキディスク56FLおよび56FRを挾圧して前左輪および前右輪を制動するようになっている。マスタシリンダ12内のフリーピストン48より後方の後室内にて加圧された油は、油路58R,60RL,60RRを経て後左輪のホイールシリンダ62RLおよび後右輪のホイールシリンダ62RRへ供給され、ブレーキディスク64RLおよび64RRを挾圧して後左輪および後右輪を制動するようになっている。
油路52FL,52FRの途中には油路を選択的に遮断する油圧遮断弁66FL,66FRが設けられており、また油路60RL,60RRの途中には油路を選択的に遮断する油圧遮断弁68RL,68RRが設けられている。油路52FL,52FRの油圧遮断弁66FL,66FRよりホイールシリンダ54FL,54FR側は油路を選択的に遮断する油圧遮断弁70FL,70FRを経て戻り油路72に接続されており、同様に油路60RL,60RRの油圧遮断弁68RL,68RRよりホイールシリンダ62RL,62RR側は油路を選択的に遮断する油圧遮断弁74RL,74RRを経て戻り油路72に接続されている。
ホイールシリンダ54FL,54FR,62RL,62RRへは、マスタシリンダ装置による以外にも、油圧ポンプ76により加圧された油圧が油圧供給制御弁78を備えた油路80を経て供給されるようになっている。油路80は油路60RLおよび60RRに接続されていると共に油路82経て油路52FLおよび52FRにも接続されている。油圧ポンプ76はマイクロコンピュータを備えた車輌の電子制御装置(ECU)84によりその作動を制御され、油圧遮断弁66FL,66FR,68RL,68RR,70FL,70FR,74RL,74RRが電子制御装置84により制御されることと相俟って、車輌をスピンやドリフトアウトに対し制御する車輌走行安定制御(VSC)を行うようになっている。
尚、油路80は油圧逃し制御弁86により戻り油路72へ向けて選択的に接続されるようになっている。88は油溜であり、90は油圧アキュムレータである。油圧供給制御弁78および油圧逃し制御弁86も電子制御装置84によりその作動が制御されるようになっている。また油路50F、58R,82の途中には、それぞれ一方向弁92、94、96が設けられている。
電子制御装置84には、ブレーキペダル作動センサ98よりブレーキペダルの傾動角を示す信号が供給される他、図には示されていない車速センサ、操舵角センサ、ヨーレートセンサ、制動モード選択スイッチより、車速、運転者による操舵角、車体のヨーレート、運転者による制動モードの選択を示す信号、およびその他の車輌運転に関する種々の信号が供給されている。電子制御装置84は、車速と操舵角とに基づいてこの技術の分野に於いては周知の要領にて車体の目標ヨーレートを算出し、これとヨーレートセンサにより検出された実ヨーレートとの偏差から車輌走行の各時点に於けるタイヤに対する路面の摩擦係数を推定し、該摩擦係数が或る所定の比較的小さい限界値以下であるか否かを判定することにより、該摩擦係数が或る所定の小さい状態にあるあるか否かを判別し、また該摩擦係数が或る所定の比較的大きい限界値以上であるか否かを判定することにより、該摩擦係数が或る所定の大きい状態にあるあるか否かを判別する。或いはまた、摩擦係数に関するこれらの判別は、上記の如き要領による実際の摩擦係数の検出に代えて、或いはそれに優先して、運転者による制動モード選択スイッチの切換えに基づいて行われてもよい。いずれにしても、電子制御装置84は、これらの判別に基づいて制動利得可変調節手段16を制御し、運転者によるブレーキペダルの踏込みの度合に当るブレーキペダルの踏量に対し無反力ブースタ22を介してマスタシリンダ12により発生される制動油圧に対応して得られる制動力の増大率を表す制動利得を一例として図2に例示する如く制御する。
図2は横軸をブレーキペダルの踏量とし、縦軸を制動力としてその間の関係を示すグラフであり、図中、線aは上記の要領にて路面の摩擦係数が或る所定の小さい状態にあると判別されたときの踏量に対する制動力の関係を示し、線bは上記の要領にて路面の摩擦係数が或る所定の大きい状態にあると判別されたときの踏量に対する制動力の関係を示し、線cは上記の要領にて路面の摩擦係数が上記いずれの状態でもないと判別されたときの踏量に対する制動力の関係を示す。上記の制動利得は、これら各線の勾配である。
即ち、図2に示す例では、摩擦係数が所定の小さい状態にあると判別されたときには、線aに沿って、踏量が所定の小さい領域Sasにあるとき、踏量が所定の大きい領域Salにあるときに比して、制動利得(線の勾配)が小さくされ、摩擦係数が前記所定の小さい状態より大きい所定の大きい状態にあると判別されたときには、線bに沿って、踏量が所定の小さい領域Sbsにあるときの制動利得は、摩擦係数が前記所定の小さい状態にあると判別されていて踏量が前記所定の小さい領域Sasにあるときの制動利得より大きくされ、摩擦係数が前記所定の大きい状態にあると判別されたときには、線bに沿って、踏量が前記所定の小さい領域Sbsより大きい所定の大きい領域Sblにあるときの制動利得は、踏量が前記所定の小さい領域Sbsにあるときより小さくされ、摩擦係数が前記所定の小さい状態にあると判別されたときの制動力の最大値と前記摩擦係数が前記所定の大きい状態にあると判別されたときの制動力の最大値とが互いに同一とされる。但し,これは一つの実施の形態であり、摩擦係数の大小は任意の複数の範囲に判別されてよく、踏量の範囲もまた任意の複数の範囲に分けられてよい。
図3は、制動利得可変調節手段16の一つの実施の形態を示す概略図である。図に於いて、軸18および20はそれぞれ図1に於ける制動利得可変調節手段16の入力軸18および出力軸20に対応している。この場合、軸18および20の互いに隔置されて近接した端部は、枢軸100に長溝102にて係合することにより枢軸100の回りに回動するてこ部材104の長溝102に沿って異なる位置に回動可能に連結されている。軸18および20が適当な案内手段によりほぼ軸線方向に移動するよう案内されていれば、てこ部材104の図に於ける上下方向の位置は、ほぼ一定に維持される。これに対し枢軸100が、図には示されていない適当な線型アクチュエータにより、図にて左右方向位置は固定され、上下に調節変位される。
かかる構成によれば、枢軸100が長溝102に沿って図示の中間位置より図にて下方へ変位されると、軸18の軸線方向変位に対する軸20の軸線方向変位の割合が低減され、これによって同じブレーキペダル踏込み量に対するピストン14の変位量は低減され、制動利得の低減が生じ、逆に枢軸100が長溝102に沿って図示の中間位置より図にて上方へ変位されると、軸18の軸線方向変位に対する軸20の軸線方向変位の割合が増大され、これによって同じブレーキペダル踏込み量に対するピストン14の変位量は増大され、制動利得の増大が生じる。この場合、上記の線型アクチュエータが何らかの故障により作動しなくなったときには、枢軸126がその位置に留まるようにされていれば、制動利得可変調節手段による制動利得の可変調節はそれ以後できなくなるが、ブレーキペダルの踏込みによりマスタシリンダ装置を作動させて車輌を制動する機能は何ら損なわれないようにすることができる。
以上に於いては本発明を一つの実施の形態について詳細に説明したが、かかる実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
本発明による車輌の一つの実施の形態をその制動部の構造について示す概略図。 ブレーキペダルの踏量と制動力の間の関係を示すグラフ。 制動利得可変調節手段の一例を示す概略図。
符号の説明
10…ブレーキペダル、12…マスタシリンダ、14…ピストン、16…制動利得可変調節手段、18…入力軸、20…出力軸、22…無反力ブースタ、24…前壁部、26…蛇腹部、28…後壁部、30…ダイヤグラム、32…円筒状弁座、34…ピストン弁体、36…出力軸、38,40…弁ポート、42…真空ポンプ、44…孔、46…戻しばね、48…フリーピストン、50F,52FL,52FR…油路、54FL,54FR…ホイールシリンダ、56FL,56FR…ブレーキディスク、58R,60RL,60RR…油路、62RL,62RR…ホイールシリンダ、64RL,64RR…ブレーキディスク、66FL,66FR,68RL,68RR,70FL,70FR…油圧遮断弁、72…戻り油路、74RL,74RR…油圧遮断弁、76…油圧ポンプ、78…油圧供給制御弁、80,82…油路、84…電気式制御装置、86…油圧逃し制御弁、88…油溜、90…油圧アキュムレータ、92,94,96…一方向弁、98…ブレーキペダル作動センサ、100…枢軸、102…長溝、104…てこ部材

Claims (6)

  1. ブレーキペダルの踏量に対する制動力の増大率を表す制動利得を可変に制御できる制動利得可変制動装置と、タイヤに対する路面の摩擦係数を判別する摩擦係数判別手段と、前記摩擦係数判別手段による前記摩擦係数の判別に基づいて前記制動利得を制御する制動利得制御手段とを有し、前記摩擦係数が所定の小さい状態にあると判別されたときには前記踏量が所定の小さい領域にあるとき前記踏量が所定の大きい領域にあるときに比して前記制動利得が小さくされることを特徴とする車輌。
  2. 前記摩擦係数が前記所定の小さい状態より大きい所定の大きい状態にあると判別されたときには前記踏量が所定の小さい領域にあるときの前記制動利得は前記摩擦係数が前記所定の小さい状態にあると判別されていて前記踏量が前記所定の小さい領域にあるときの前記制動利得より大きくされることを特徴とする請求項1に記載の車輌。
  3. 前記摩擦係数が前記所定の大きい状態にあると判別されたときには前記踏量が前記所定の小さい領域より大きい所定の大きい領域にあるときの前記制動利得は前記踏量が前記所定の小さい領域にあるときより小さくされることを特徴とする請求項2に記載の車輌。
  4. 前記摩擦係数が前記所定の小さい状態にあると判別されたときの制動力の最大値と前記摩擦係数が前記所定の大きい状態にあると判別されたときの制動力の最大値とが互いに同一とされることを特徴とする請求項2または3に記載の車輌。
  5. 前記摩擦係数判別手段は運転者が操作する手動判別手段であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車輌。
  6. 前記摩擦係数判別手段は前記摩擦係数の検出に基づいて作動する自動判別手段であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車輌。
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