JP2008091594A - 半導体ウエハの枚葉研磨装置 - Google Patents

半導体ウエハの枚葉研磨装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体ウエハの枚葉式研磨装置において、研磨ヘッドへのウエハの着脱にかかる時間を縮減し、全体としてのウエハの処理時間を短縮してコストを低減することが可能な半導体ウエハの枚様式研磨装置を提供する。
【解決手段】ロード、アンロードに振り分けられた受け皿を2つ持つ搬送機構4を設ける。搬送機構4がロード受け皿5とアンロード受け皿6を持つので、研磨ヘッド7からの研磨済みウエハの離脱と、未研磨ウエハの装着を連続して行い、研磨を実行し、研磨が行われている間に研磨済みウエハの取り込みと未研磨ウエハの取り出しを行うようにすることができる。研磨装置の待機時間を縮減し、1枚当たりのウエハの研磨時間を短縮する。
【選択図】図1

Description

この発明は1枚当たりの研磨に要する時間を短くし、より効率の高い半導体ウエハの片面研磨装置を提供する。長く太い半導体単結晶インゴットを成長させ円筒研削し、これを内周刃スライサーやワイヤソーで多数の薄い薄片に切断したものをウエハと呼ぶ。このような切断したてのウエハはアズカットウエハと呼ぶ。これにはソーマークがあるし加工変質層もある。縁が鋭利に尖っていて割れ易い。
そこでエッチングして変質層を除き、チャンファして縁に丸みを与える。レーザマークを付けることもある。厚みがバラバラではいけないので研削して所定の厚みに揃える。その後研磨して面を平滑にする。更に洗浄し、乾燥して包装する。そのようなものを出荷する。
半導体ウエハ研磨には粗研磨(一次研磨)と精細研磨(二次研磨)がある。粗研磨には主に2種類ある。片面だけを粗研磨する片面研磨、両面を粗研磨する両面研磨がある。両面粗研磨するか片面粗研磨するかは、デバイスの用途やコスト背景によってそれぞれ異なる。一般的にSiウエハでは8インチウエハまでは片面研磨、配線の微細化が進む12インチには裏面からの汚染を防ぐために両面研磨が用いられる。精細研磨はデバイスを動作させるウエハの表面を凸凹のない平坦な面に仕上げるもので、両面研磨ウエハであっても片面研磨ウエハであっても必ず必要な工程である。本発明は粗研磨の片面研磨、片面の精細研磨の装置に関わるものである。
半導体ウエハの研磨と言っても様々であるが、大きく分けて、研磨プレートにウエハをワックスで貼り付け、同時に複数のウエハを研磨するもの、ワックスを用いずバッキングパットを用いて1枚のウエハだけを研磨するものがある。
同時に複数枚のウエハを研磨するには、研磨プレートという平坦な円板に、複数枚(3枚〜7枚程度)のウエハをワックスで固定し、これを大きな研磨定盤の研磨布に押しつけ、研磨液を流しながら研磨プレートと研磨定盤を回転させる。これにより複数ウエハを同時研磨する。これはよく行われる方法であるが、ワックスでウエハを研磨プレートに固定しなければならない。ウエハにワックスを塗布し、熱した研磨プレートに貼り付け、その後冷却した研磨プレートを研磨定盤に押し当ててウエハを研磨し、研磨後のウエハをプレートから剥離する。更にプレートを洗浄する装置が必要となり、装置が大型化してしまう。一般的に、Siの8インチでこれらのプロセスを一貫して行う装置を構成すると、その幅は15mから20mになってしまう。更にワックスのついたウエハを洗浄しなければならないため、後の洗浄プロセスを複雑に構成する必要がある。
それに代わるものが、1枚だけのウエハを処理する枚葉式の装置である。枚葉式であれば研磨プレートは不要である。しかもワックスレスの装置が主流であるため、加熱・ワックス塗布・冷却・剥離といった複雑なプロセスが不要となり、小型化できるメリットがある。Siの12インチの枚葉研磨装置でも、5m程度で構成でき、ワックスレスのため、洗浄プロセスも簡略化できる。
研磨以外にもエッチング、薄膜形成でも枚葉式という言葉が使われる。いずれも1枚ずつ処理するという意味である。本発明でも1枚ずつ研磨するのを枚葉式と呼ぶ。本発明は枚葉式研磨装置の改良である。
半導体ウエハは先述のように、アズカットウエハからミラーウエハまで多くの工程を経る必要がある。縁を丸く磨くチャンファ、レーザマーク付け、平面研削、両面粗研磨、片面精細研磨、洗浄という6つの工程がある。片面精細研磨に枚葉式の装置を導入した場合、1枚ずつを研磨するため生産性が悪いという問題があり、この工程が全体の製造能力を決定するボトルネックになってしまっているのが一般的である。片面の枚葉研磨は従来、次のような方法で行っていた。
未研磨ウエハカセットから、第1吸着搬送機構によって受け皿上にウエハを運ぶ。受け皿は研磨装置の研磨ヘッド直下にウエハを運ぶ。研磨ヘッドがウエハを吸引する。研磨ヘッドが下降し研磨定盤にウエハを押しつけ研磨液を流しながら、研磨定盤と研磨ヘッドが回転してウエハの下面(表面)を研磨する。研磨が終わると、研磨ヘッドが上がり、その下へ受け皿が入り込んで研磨ウエハを受取る。第2吸着搬送機構が受け皿から研磨ウエハを取り上げて研磨済みウエハカセットへ運び、そこへ置く。第1吸着搬送機構は未研磨ウエハカセットから2番目の未研磨ウエハを取り出して受け皿に置く。受け皿は研磨ヘッドの下へウエハを運ぶ、研磨ヘッドはウエハを吸引する。そのような繰り返しでウエハは1枚1枚研磨される。ワックスを使わず、全て真空吸着でウエハを保持するので、ワックス塗布、ワックス除去などの手作業が不要である。その点ではコスト低減に好適な手法である。
ところが研磨の終わりから次の研磨までのウエハのやり取りに時間がかかりすぎて非能率的であった。従来法では片面精細研磨の工程に時間がかかりすぎ、全体としての処理時間が長くなりすぎる、という問題があった。装置を複数台導入することで、他の工程と処理能力のバランスを取っていたが、表面の微細加工の要求が高くなるにつれ設備費もかかり、その維持・管理も困難になる。複数台の配置のためには、従来の多枚数研磨と同じスペースが必要となり、コストも悪化する。本発明は、枚葉式研磨設備を新しく導入せずに、設備費、コストを維持したまま、1枚あたりの所要時間を短縮するものである。
特許文献1は、1枚のウエハについて3段階の研磨が必要な場合において、ウエハを保持して研磨定盤へ押しつけ研磨するトップリングを3つ設け、1枚目のウエハを1番目のトップリングにつけてトップリングを下げ、研磨定盤に接触させて1段目研磨をし、1番目トップリングを上げて、2番目ウエハを2番目トップリングへ取り付け、1番、2番のトップリングを下げ研磨定盤にウエハを接触させ、1番目ウエハは2段目研磨を、2番目ウエハは1段目研磨をする。
その後1、2番トップリングを上げ、3番目ウエハを3番目トップリングに固定し、1、2、3トップリングを下げ研磨定盤に接触させて1番目ウエハは3段階、2番目ウエハは2段階、3番目ウエハは1段階研磨を行う。1、2、3段階研磨は同一の研磨定盤、同一の研磨液を用いるが、トップリングの圧力や回転数が異なる。そういう3段階研磨が必要とされる場合に3段階研磨を3枚のウエハについて同時進行させることによってスループットを向上させることができる、と主張している。これは研磨の種類が3種類あるもので、しかも同じ研磨定盤で異種3段階研磨ができるというものである。
特開平9−174430
本発明は、ウエハの枚葉式研磨が全体の工程の生産能力を低く押さえていることを問題にする。枚葉式研磨の速度を実効的に上げることによって、研磨工程にかかる時間を縮減して製造工程の進行速度を均一化し、全体としてのウエハの処理時間を短縮してコストを低減する。
特許文献1はウエハを保持して研磨するトップリングを3つにして、異なるウエハ3枚を同時に研磨するものであり、スループットを向上させることができる。しかし本発明とは要求される条件が異なる。特許文献1は同じ研磨定盤で3段階研磨が必要である。本発明では3段階研磨は不要であり、1段階の研磨だけを行う。
どうして研磨に時間がかかるのか?ということを考えてみた。実際にウエハが研磨されていない待機時間が多すぎるのが原因であるということに気づいた。研磨の進行を細かく見ると次のようである。
初め、研磨ヘッドが上方へ引上げられている。取り出し機構によって未研磨ウエハが受け皿に置かれ、受け皿が研磨ヘッドの下へ入り込み、研磨ヘッドが未研磨ウエハを上から真空チャック(吸引)する。研磨ヘッドが降りて研磨定盤と接触し、研磨液を流しながらウエハの下面が研磨される。その間受け皿は空のまま待機している。研磨が終わると研磨ヘッドが引上げられ、その下へ受け皿が入り込む。研磨済みウエハが受け皿に移される。受け皿が引き出され、取り込み機構によって研磨済みウエハが受け皿から研磨済みウエハカセットへ移される。取り出し機構が2枚目のウエハを受け皿へ移す。受け皿が前進して研磨ヘッドにウエハを貼付ける。2枚目のウエハの研磨が始まる。受け皿は空の状態で待機する。
これを研磨ヘッドから見ると、長い休止時間があることが分かる。研磨が終わり、受け皿が研磨済みウエハを取り出し研磨済みウエハカセットに納め、未研磨ウエハを取り出して受け皿に載せ、受け皿から研磨ヘッドへ移すまでの時間、研磨は行われない。
研磨済みウエハを取り出し、未研磨ウエハを取り付けるまでの時間が研磨休止時間である。これが長すぎるということである。例えば処理済みウエハを研磨ヘッドから取り出して研磨済みウエハカセットへ収納するのに1分かかるとする。未研磨ウエハを取り出して研磨ヘッドへ吸引固定するのに1分かかるとする。研磨ヘッドが降りて研磨するのに1分かかるとする。これら工程の間の時間が30秒とする。合計3分30秒で1枚のウエハを研磨することになる。実際に研磨装置が働いているのは1分程である。待機時間が長すぎるのである。研磨装置を増やすことなく何とか1枚当たりの研磨時間を短縮したい。
ロード、アンロードに振り分けられた受け皿を2つ持つ搬送機構を設ける。搬送機構の受け皿を2つにすることによって、研磨ヘッドからの研磨済みウエハの離脱と、未研磨ウエハの装着を連続して行い、研磨を実行し、研磨が行われている内に研磨済みウエハの取り込みと未研磨ウエハの取り出しを行うようにして、研磨装置の待機時間を短縮し、1枚当たりのウエハの研磨時間を短縮する。
m番目ウエハの研磨中に、搬送機構は研磨済みのウエハ((m−1)番)を取り出し、次回((m+1)番)のウエハを取り込み待機する。研磨が終わり研磨ヘッドを上げると、研磨済みウエハの離脱と未研磨ウエハの装着を連続して一気に行う。研磨が行われないのは、研磨済みウエハの離脱と未研磨ウエハの装着の時間だけであるから、非研磨時間は極めて短くなる。m番目ウエハの研磨中に、m−1番ウエハの取り込み、m+1番ウエハの取り出しをするので、取り込み、取り出しの時間が研磨時間を制限することにならない。
受け皿が1つであると、どうしても研磨を中止して研磨済みウエハを取り込み、未研磨ウエハを取り出さなければならない。取り込み取り出しの時間が例えば2分かかるとすると、その間研磨できないため、研磨装置の待機時間が長かったのである。本発明は受け皿を2つにするので、研磨済みウエハと未研磨ウエハの2枚を受け皿に載せておくことができる。研磨中に取り込み取り出しを行うことが可能になる。だから研磨中止状態を長く持続することなく、ウエハ交換後直ちに研磨を行うことができる。
つまり2つの意味で時間を有効に使っている。一つは研磨ヘッドからのウエハの離脱、装着を連続して短時間で行えることである。もう一つは、研磨中に研磨済みウエハを研磨済みウエハカセットへ取り出し、未研磨ウエハを未研磨ウエハカセットから取り込むことができるということである。二つの意味で必要な作業時間を短縮できる。それによって、1枚当たりの研磨に要する時間をほぼ半減することができる。
しかも装置を変更するのは、搬送機構の先に分岐を設け、分岐の先に2つの受け皿を取り付けるだけでよい。ロード、アンロードに特化した受け皿である。分岐を作り搬送機構が受け皿を2つ持つことにして、ウエハの取り込み、取り出しのタイミングを少し変更するだけで済む。
搬送機構の動きのタイミングの変更はプログラムの変更だけでなされる。ハードの変更は2つの受け皿と分岐をもつ治具を搬送機構に設けるということだけである。受け皿は既成のものを使えるから新規に必要なものは分岐治具だけである。実際に必要な改善は分岐治具の製作ということだけである。だから設備費の増加は軽微である。既存の設備を改良し僅かな設備増によって効率を二倍近くに増大することができるので優れた発明である。
図1によって本発明の枚葉式研磨装置の概略の構成を説明する。ウエハの動きを分かりやすく説明することが目的であるから、個々の構成要素の構造形状は簡略化して描いている。実際の装置をそのまま描いているのではない。
左方に未研磨ウエハカセット1がある。これは未研磨ウエハWを水平に複数枚収容する収容棚を有する昇降可能な装置である。上から順に未研磨ウエハを取り出す。右方に研磨済みウエハUを順に入れる研磨済みウエハカセット2がある。これは研磨済みウエハUを水平に複数枚収容する棚をもつ昇降可能な装置である。ウエハには説明の便宜のため時に番号を付す。未研磨ウエハはWで、既研磨ウエハはUとして研磨前後のウエハを区別する。番号は同じウエハで共通に用いる。m番目ウエハWmが研磨されるとUmとなる。
これら未研磨ウエハカセット1、研磨済みウエハカセット2の中間に、取り出し、取り込み、搬送機構が設けられる。取り出し機構3は縦軸の途中で約90度折れ曲がったアームの先に真空吸引ブロックを設けたものである。真空吸引ブロックによってウエハ上面(裏面)を真空チャックして持ち上げることができる。取り出し機構3は縦軸の回りに回転でき昇降も可能である。取り出し機構3は未研磨ウエハカセット1から、未研磨ウエハWを取り出して搬送機構の受け皿に載せるためのものである。
搬送機構4は腕の部分だけ書いてあるが、分岐19の先に右腕20と左腕21を有する。右腕20の先にローダ受け皿5が設けられる。これは、運ぶ対象となるウエハの寸法にふさわしい直径を持つ皿型の容器で、真空チャック機構を持っている。これによってウエハWの下面(表面)を吸引する。左腕21の先端にアンローダ受け皿6が固定される。これも同じ寸法を有する皿型容器であり、真空チャック機構を持ち研磨済みウエハUの下面(表面)を吸引し保持することができる。
搬送機構4は前後に進退できるし、横方向に移動することもできる。後方定点で、取り出し、取り込み機構によってウエハのやり取りを行うことができる。前方定点は2箇所ある。
研磨ヘッド7は、ウエハを保持し研磨定盤の上で回転させて研磨するための装置である。後方の他の部材が隠れないよう図面上に現すため、研磨ヘッドは上部を省略し上下方向に小さく書いてある。上部が省略されているという意味で研磨ヘッドの上にはハッチンを引いた。ぞれぞれの図において研磨ヘッドの高さが違うように見えるが、それは省略した上部の部分の大きさが違うからである。
研磨ヘッド7は、ウエハWの上面を吸着することによってウエハを保持できる。研磨ヘッドは昇降可能である。また軸回りに順逆の回転もできる。研磨ヘッド7の直下には大きな研磨定盤8がある。これは上面に研磨布を有し、回転軸によって保持され回転軸周りに回転することができる。研磨ヘッド7は研磨定盤8の上で昇降する。研磨定盤には研磨液を供給するノズルを備える。
以上のように図1は各々の機構の関係と動きを示すものである。図1〜図9によって、ウエハW〜Uの研磨の順序を説明する。
[1.ウエハ取り出し(図1、図2)]
図1、2に示すように、取り込み機構3のアームが左に回転して未研磨ウエハカセット1の最上にある未研磨ウエハW1を真空チャックして取り出し、アームを右に回転させてローダ受け皿5の上に載せる。ローダ受け皿5も真空チャック機構を持ち上面に真空引き穴22を持つ。ローダ受け皿5は載せられたウエハW1を吸引固定する。取り込み機構3はカセット1の上あるいはその他の待機位置へ戻る。取り込み機構3の待機位置はどこに決めても良い。
[2.研磨ヘッドへの貼付け(図3)]
搬送機構4を延ばし、少し左回りに回転させて右腕20が研磨ヘッド7の下へ来るようにする。ローダ受け皿5の中心と研磨ヘッド7の中心が合致する。研磨ヘッド7の下面に未研磨ウエハW1を接触させ真空チャックする。図3では未研磨ウエハW1が隠れて見えないが、実際には研磨ヘッド7の下面に吸着されている。
図10にその状態の断面を示す。研磨ヘッド7は、平坦な下面の下に幾つかの真空吸引穴27を有する。真空吸引穴27は内部で統合されて軸を通る真空経路28に繋がる。真空経路28は外部の真空排気装置に繋がりウエハを吸引するようになっている。このような真空チャック機構は、前述の取り込み機構3、ローダ受け皿5、アンローダ受け皿6、取り込み機構9の全てに設けられる。よく知られた機構なので、研磨ヘッド7以外のこれらものについては、図示を省略した。
図10において、研磨ヘッド7の直下に大きい研磨定盤8がある。研磨布32が上面に貼ってある。回転軸30が研磨定盤8を回転可能に支持している。ノズル25があって研磨液を研磨布32の上に供給できるようになっている。
[3.ウエハの研磨(図4)]
研磨ヘッド7が下降して、研磨定盤8の上に接触する。ノズル25から研磨液26が流される。研磨定盤8が回転する。研磨ヘッド7自身も回転する。研磨定盤8の回転は、自身が回転(自転)する研磨ヘッド7にとって、公転するのと同じ作用を持つ。この公転と自転によってウエハWの下面が精細研磨される。研磨液の砥粒の寸法などは目的によって適宜選択される。研磨時間は例えば1分〜2分程度である。
W1がローダ受け皿5から研磨ヘッド7へ移されているので図4ではローダ受け皿5は空になっている。アンローダ受け皿6はもちろん空である。
[4.ウエハの研磨、次のウエハをローダ受け皿へ(図4、図5)]
ここが重要なのであるが、W1の研磨の最中に、取り込み機構3によって、2枚目の未研磨ウエハW2が、未研磨ウエハカセット1からローダ受け皿5の上に移される。それは図4に示している。受け皿が2つあるので、W1の研磨中にローダ受け皿5へ2枚目W2を載せることができるのである。図5のようにローダ受け皿5の上に2枚目未研磨ウエハW2が戴置固定され待機している。受け皿が1つであると研磨ウエハを取り出さなくてはならないから、これは不可能である。本発明は受け皿を2つにしたので、研磨中に受け皿とカセットとの間でウエハの交換を行うことができる。
[5.研磨済みウエハの取り出し(図6)]
W1の研磨が終了すると、研磨ヘッド7を上げて、その下面に吸着されているW1を取り出す。図6に示すように、右腕20のローダ受け皿5にはW2が戴置されている。搬送機構4を前方へ進出させ、左腕21のアンローダ受け皿6が研磨ヘッド7の丁度下へ来るように差し入れる。研磨ヘッド7にチャックされていた研磨済みウエハU1(W1を研磨したもの)がアンローダ受け皿6に移される。アンローダ受け皿6がU1を保持する。図6はその状態を示す。アンローダ受け皿6を研磨ヘッド7の下から横方向へ引き出す。図7はその状態を示す。搬送機構4の右腕20のローダ受け皿5には2番目の未研磨ウエハW2が、左腕21のアンローダ受け皿6には研磨済みウエハU1(研磨後のW1)が載っている。
[6.未研磨ウエハの取り付け(図8)]
この時点では、左腕21のU1をまだ研磨済みウエハカセット2に持って行かないで、右腕20のW2を研磨ヘッドに取り付けるようにする。W2を戴置したローダ受け皿5を研磨ヘッド7の直下へ運び、研磨ヘッド7を下げ研磨ヘッド下面にウエハW2をチャックする。それが図8に示すものである。図8ではW2が隠れて見えないが、図10に示すような状態で、研磨ヘッド7の下面に吸引固定されている。
[7.研磨(図9)]
研磨ヘッド7を研磨定盤まで下げ、回転する研磨定盤8との間で2番目の未研磨ウエハW2を研磨する。研磨液26がノズル25から研磨布へ与えられる。
[8.研磨済みウエハのアンロード(図9)]
W2の研磨が続いている。先ほど研磨ヘッド7から取り外してアンローダ受け皿6に戴置してあった研磨済みウエハW1を、ここで移動させる。取り込み機構9によって、アンローダ受け皿6の上の研磨済みウエハU1を吸い上げ軸周りに回転させ、研磨済みウエハカセット2の中へ入れる。研磨済みウエハU0の上に入る。アンローダ受け皿6が空になる。W2の研磨が続いている内に、取り出し機構3によって未研磨ウエハカセット1から3番目の未研磨ウエハW3を取り出して、ローダ受け皿5に載せる。このようにW2の研磨中に、U1のアンロードとW3のロードを行う。
[9.研磨終了直前(図5)]
W2の研磨が終わる直前に、ローダ受け皿5にはW3があり、アンローダ受け皿6は空になっている。図5に示すような状態となっている。ただし研磨されているのはW2で、ローダ受け皿6に載っているのはW3,研磨済みウエハ2の最上段にあるのはU1である。
その後は同じ手順を繰り返す。W2の研磨が終わりU2となる。研磨ヘッドを上げて、アンローダ受け皿6にU2を移し、ローダ受け皿5からW3を研磨ヘッドへ移す。研磨ヘッドを下げてW3の研磨を行う。W3の研磨中に、U2をアンローダ受け皿6から研磨済みウエハカセット2に移し、未研磨ウエハカセット1からW4をローダ受け皿5へ移す。その状態でW3の研磨終了を待つ。
未研磨ウエハWの取り出しや、研磨済みウエハの取り込みは研磨中に行うので非研磨時間が殆どない。研磨装置から見れば待機時間が短くなる。研磨装置が有効に利用されている。例えば研磨の時間が1分だとすると、研磨ヘッドからウエハUを取り去りWを取り付けるウエハの交換に20秒かかり、研磨ヘッドの昇降に20秒かかったとしても、一つのサイクル時間が1分40秒ということになる。
受け皿が1つの場合は、未研磨ウエハの取り出し、研磨済みウエハの取り込みの間研磨を休止しなければならなかったので、研磨休止時間が長く、1枚当たりの研磨工程所要時間が長かった。前述の例だと3分30秒かかっていた。それが本発明の場合は1分40秒に短縮することができる。研磨の効率を上げることができる。ウエハの製造コストを下げることができる。チャンファ、レーザマーキング、平面研削、両面粗研磨、片面精細研磨、洗浄の6工程のうち、片面精細研磨が最も遅くてこれが全作業工程の遅延をもたらしていた。本発明は研磨工程の時間を約半分に短縮できるから、片面精細研磨の処理能力が他の工程と均填し、全体の流れがより円滑になりコストを低減できる。
本発明の実施例にかかる半導体ウエハ枚葉研磨装置の概略斜視図。
未研磨ウエハカセットから1番目の未研磨ウエハW1を運び出してローダ受け皿に戴置した状態の、本発明の実施例にかかる半導体ウエハ枚葉研磨装置の斜視図。
1番目の未研磨ウエハW1をローダ受け皿から研磨ヘッドへ移し、研磨ヘッド下面にチャックした状態の、本発明の実施例にかかる半導体ウエハ枚葉研磨装置の斜視図。
1番目の未研磨ウエハW1を研磨定盤と研磨ヘッドの間に挟んで研磨し、その間に未研磨ウエハカセットから2番目の未研磨ウエハW2を取り出してローダ受け皿に戴置する途中の、本発明の実施例にかかる半導体ウエハ枚葉研磨装置の斜視図。
1番目の未研磨ウエハW1を研磨定盤と研磨ヘッドの間に挟んで研磨し、その間に未研磨ウエハカセットから2番目の未研磨ウエハW2を取り出してローダ受け皿に戴置した状態の、本発明の実施例にかかる半導体ウエハ枚葉研磨装置の斜視図。
1番目のウエハが研磨されたので研磨ヘッドを上げて研磨済みウエハU1を搬送機構のアンローダ受け皿の上に移し変えている瞬間を示す、本発明の実施例にかかる半導体ウエハ枚葉研磨装置の斜視図。
1番目のウエハが研磨されたので研磨ヘッドを上げて研磨済みウエハU1を搬送機構のアンローダ受け皿の上に移し変え、搬送機構を後ろへ引き戻した状態の、本発明の実施例にかかる半導体ウエハ枚葉研磨装置の斜視図。
1番目の研磨ウエハU1をアンロードせずそのままアンローダ受け皿上に残し、2枚目の未研磨ウエハW2を研磨ヘッド下面に取り付けている状態を示す、本発明の実施例にかかる半導体ウエハ枚葉研磨装置の斜視図。
研磨ヘッドを下げ2枚目のウエハW2を研磨している最中に、1枚目研磨済みウエハをアンローダ受け皿から研磨済みウエハカセットへ取り込む様子を示す、本発明の実施例にかかる半導体ウエハ枚葉研磨装置の斜視図。
図3、図8において引上げた研磨ヘッドの下面にウエハを真空チャックによって固定している状態の研磨ヘッド、研磨定盤の縦断面図。
図4、図5、図9において、研磨定盤の上へ降ろした研磨ヘッドの下面に固定されたウエハが研磨されている状態を示す、研磨ヘッド、研磨定盤の縦断面図。
符号の説明
1未研磨ウエハカセット
2研磨済みウエハカセット
3取り出し機構
4搬送機構
5ローダ受け皿
6アンローダ受け皿
7研磨ヘッド
8研磨定盤
9取り込み機構
22真空引き穴
23真空引き穴
27真空吸引穴
28真空経路
30回転軸
32研磨布
W未研磨ウエハ
U研磨済みウエハ

Claims (4)

  1. 半導体ウエハの片面研磨に用いられる枚葉研磨において、一つの搬送機構で未研磨ウエハを載せて研磨ヘッドの下面に運び研磨ヘッドの下面に取り付けるためのローダ受け皿、および研磨ヘッド下面から取り出した研磨済みウエハを載せて運び去るアンローダ受け皿を各々独立に持つことを特徴とする枚葉研磨装置。
  2. 研磨済みウエハをアンローダ受け皿から取り上げ研磨済みウエハカセットへ運ぶ取り込み機構と、未研磨ウエハカセットから次に研磨すべき未研磨ウエハを取り出し未研磨ウエハを搬送するローダ受け皿へ載置する取り出し機構とを持つことを特徴とする請求項1に記載の半導体ウエハの枚葉研磨装置。
  3. 一枚のウエハを研磨している間に、直前に研磨したウエハをアンローダ受け皿から研磨済みウエハカセットへ運び、次に研磨すべき未研磨ウエハを未研磨ウエハカセットからローダ受け皿へ運ぶようにしたことを特徴とする請求項2に記載の半導体ウエハの枚葉研磨装置。
  4. ウエハ1枚あたりの搬送と研磨で必要な所要時間に対して搬送時間が4割以下であることを特徴とする請求項1〜3に記載の半導体ウエハの枚葉研磨装置。
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