JP2008088941A - アルコール混合燃料エンジンの制御装置 - Google Patents

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【課題】冷間始動時であっても燃焼悪化や失火による排気エミッションの悪化を低減することのできるアルコール混合燃料エンジンの制御装置を提供する。
【解決手段】アルコール混合燃料を供給する燃料供給手段を備えるエンジンにおいて、筒内において、アルコール混合燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段と、該アルコール濃度検出手段により検出されたアルコール濃度に対応させて、供給燃料量および/または点火時期を制御する制御手段とを備え、アルコール濃度検出手段は、筒内に臨む受圧面にアルコール官能膜64が配設された受圧部材61と、受圧部材との間で圧力が伝達される圧電素子63と、圧電素子63を所定の周波数で励振させる励振手段と、圧電素子63の出力信号の変化に基づきアルコール濃度を判別するアルコール濃度判別手段とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明はエンジンの制御装置、特に、ガソリンまたはガソリンとアルコールとを混合したアルコール混合燃料を用いるいわゆるフレキシブルフュエル車両に搭載されるアルコール混合燃料エンジンの制御装置に関する。
石油燃料に対する代替燃料の1つとしてアルコール燃料が有望視されており、ガソリンとアルコールとを混合した、いわゆるアルコール混合燃料として一部では実用化されている。ところが、このアルコール混合燃料はガソリン100%の燃料に比べ、その発熱量や気化特性が異なると共に、ガソリンに対する混合割合を示すそのアルコール濃度によっても特性が異なるので、ガソリン100%の燃料の使用を前提とするエンジンにそのままアルコール混合燃料を使用すると、制御空燃比が理論空燃比から外れ、排気成分が変化したり、運転性が悪化したりすることになる。
そこで、例えば、特許文献1には、燃料の比誘電率の変化でアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出センサをガソリンタンク内、ガソリンポンプの上流または下流に配設することにより、アルコール濃度を検出するガソリンの液種識別装置が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、始動開始から筒内圧を検出し、検出された筒内圧の演算値(図示平均有効圧力の積算値)が所定時点でどのレベルにあるのかに基づき、使用燃料の性状(重軽質)を検出する内燃機 関の燃料性状検出装置が開示されている。
特開2004−125465号公報 特開平9−144591号公報
ところで、特許文献1に開示されている、ガソリンタンク内、ガソリンポンプの上流または下流に配設されたアルコール濃度検出センサを用いた場合には、該センサで検出される燃料性状と実際にエンジンに噴射供給される燃料性状とが異なることがあり、正確な制御ができないことがある。すなわち、例えば、インジェクタに至る燃料経路内に燃料が残留した状態で、新たな異なるアルコール濃度の燃料が補給されたような場合には、エンジンに実際に噴射供給される直前の燃料のアルコール濃度は検出できないのである。従って、特に厳しい着火条件が要求される冷間始動時等においては、このアルコール濃度が不明のために燃焼悪化や失火が発生し易く排気エミッションの悪化を招くおそれがある。
また、特許文献2に開示の技術は、検出された筒内圧の演算値(図示平均有効圧力の積算値)に基づき、使用燃料の性状(重軽質)を検出するものであり、実際に燃焼により発生した筒内圧に依存している。従って、使用燃料の性状を検出するためには、所定時間ないしは所定数の運転サイクルを要するものであり、始動時の燃焼開始時点での燃料性状を検出することはできない。この結果、エンジンに実際に噴射供給され燃焼前の燃料のアルコール濃度は検出できず、特許文献1に開示の技術と同様に、特に厳しい着火条件が要求される冷間始動時等において、このアルコール濃度が不明のために燃焼悪化や失火が発生し易く排気エミッションの悪化を招くおそれがあるのである。
そこで、本発明の目的は、冷間始動時であっても燃焼悪化や失火による排気エミッションの悪化を低減することのできるアルコール混合燃料エンジンの制御装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の一形態に係るアルコール混合燃料エンジンの制御装置は、アルコール混合燃料を供給する燃料供給手段を備えるエンジンにおいて、筒内において、アルコール混合燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段と、該アルコール濃度検出手段により検出されたアルコール濃度に対応させて、供給燃料量および/または点火時期を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、前記アルコール濃度検出手段は、筒内に臨む受圧面にアルコール官能膜が配設された受圧部材と、該受圧部材との間で圧力が伝達される圧電素子と、該圧電素子を所定の周波数で励振させる励振手段と、該圧電素子の出力信号の変化に基づきアルコール濃度を判別するアルコール濃度判別手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記アルコール濃度検出手段は、少なくともエンジンの始動時において、圧縮行程にある気筒の圧電素子に対する励振手段を所定のクランク角で作動させることを特徴とする。
上記本発明の一形態によれば、アルコール混合燃料のアルコール濃度が、筒内においてアルコール濃度検出手段により検出される。この結果、エンジンに実際に供給された燃焼前の燃料のアルコール濃度が検出され、このアルコール濃度検出手段により検出されたアルコール濃度に対応させて、制御手段により供給燃料量および/または点火時期が制御される。従って、例えば始動時においては、初回の点火時期および/または2回目の供給燃料量が、検出されたアルコール濃度に対応させて設定できるので、燃焼悪化や失火の発生を招くおそれが低減される。
ここで、前記アルコール濃度検出手段が、筒内に臨む受圧面にアルコール官能膜が配設された受圧部材と、該受圧部材との間で圧力が伝達される圧電素子と、該圧電素子を所定の周波数で励振させる励振手段と、該圧電素子の出力信号の変化に基づきアルコール濃度を判別するアルコール濃度判別手段と、を備える形態によれば、燃料供給手段により供給されたアルコール混合燃料は受圧部材に配設されたアルコール官能膜に吸着される。アルコール混合燃料を吸着したアルコール官能膜が配設された受圧部材は、そのアルコール吸着量に応じて質量が変化する。そこで、励振手段により所定の周波数で圧電素子を励振させると、受圧部材が強制振動されるが、その振動周波数はアルコール吸着量に応じた質量変化に対応して変化する。この受圧部材の振動周波数の変化が圧電素子の出力信号の変化として表れるので、アルコール濃度判別手段は圧電素子の出力信号の変化に基づきアルコール濃度を判別することができる。
また、前記アルコール濃度検出手段が、少なくともエンジンの始動時において、圧縮行程にある気筒の圧電素子に対する励振手段を所定のクランク角で作動させる形態によれば、少なくともエンジンの始動時においては、圧縮行程にある気筒の圧電素子に対する励振手段が所定のクランク角で作動されるので、受圧部材の振動周波数の変化による圧電素子の出力信号の変化に基づき、確実に、エンジンに実際に供給された燃焼前の燃料のアルコール濃度が検出される。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づき詳述する。
図1は、本実施形態に係るアルコール混合燃料エンジンの制御装置のシステム構成図である。図示のエンジン(内燃機関)1は、いわゆる直噴式の車両用火花点火式エンジンであり、好ましくは多気筒エンジンである(1気筒のみ図示)。気筒毎に、シリンダ31内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁としてのインジェクタ11が設けられている。このエンジン1に使用される燃料は、本実施形態では、アルコールとしてのエタノールとガソリンとの混合燃料、すなわち、エタノール混合燃料である。従って、以下の説明においては、アルコール濃度の表現の代わりにエタノール濃度を用いることもある。
エアクリーナ(図示せず)から吸入された空気は、吸気通路5を介して各気筒のシリンダ内燃焼室に分配供給される。吸気通路5は、上流側から順に配置された吸気管51、吸気マニホールド52及び吸気ポート41により区画形成される。吸気マニホールド52は、上流側に位置された集合部としてのサージタンク4と、サージタンク4に一端が接続され他端が各気筒の吸気ポート41にそれぞれ接続された気筒毎の枝管53とからなる。吸気管51にはエアフローメータ2と電子制御式スロットル弁3とが設けられている。
インジェクタ11は、吸気行程及び圧縮行程のいずれか一方又は両方で燃料噴射を行うよう、制御手段としての電子制御ユニット(以下、ECUと称す)100により制御される。圧縮行程噴射の場合、上昇してくるピストン43の頂部の凹部44に向けて燃料を噴射し、凹部44内面に沿って巻き上がるタンブル状の流れを生成する過程で燃料と空気とを混合させ、点火プラグ7付近に比較的リッチな混合気層を、その周りに比較的リーンな混合気層を形成する。インジェクタ11は、ECU100から出力されるオン信号により開弁し、燃料を噴射し、ECU100から出力されるオフ信号により閉弁し、燃料噴射を停止する。
エンジン1からの排気は排気通路8を通じて排出される。排気通路8は、エンジン1のシリンダヘッドに気筒毎に形成された排気ポート45と、これら排気ポート45に接続される排気マニホールド54と、排気マニホールド54の下流側に接続された排気浄化用の触媒9と、触媒9の下流側に接続された排気管55とにより構成される。排気マニホールド54は、各気筒の排気ポート45にそれぞれ接続された気筒毎の枝管と、枝管の下流側に位置された集合部とからなる。
吸気ポート41及び排気ポート45がそれぞれ吸気弁42及び排気弁46により開閉される。吸気弁42及び排気弁46は、それぞれ吸気弁用カムシャフト12及び排気弁用カムシャフト13によって開閉駆動される。なおこれら吸気弁42及び排気弁46の開閉時期を可変にするための可変バルブタイミング機構が設けられてもよい。
ECU100は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種センサ類からの出力信号に基づいて所定の演算処理を行い、インジェクタ11、点火プラグ7及びスロットル弁3の駆動モータ19等を制御し、燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期及び吸入空気量等を制御する。
前記センサ類には前述のエアフローメータ2が含まれる。エアフローメータ2は、これを通過する吸入空気の流量に応じた信号をECU100に出力する。ECU100は、エアフローメータ2の出力値に基づきエンジンの負荷率を算出する。また、前記センサ類にはクランク軸23の角度を検出するクランクポジションセンサ24が含まれる。クランクポジションセンサ24は、所定のクランク角度間隔でパルス信号を出力する。このパルス信号に基づいてECU100はエンジン1の実際のクランク角度を検出すると共に、回転速度を算出する。
また、アクセルペダルの踏込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ27、スロットル弁3の開度を検出するスロットルポジションセンサ28、エンジン1の冷却水温度(以下単に水温という)を検出する水温センサ29、排気ガスの酸素濃度を検出する空燃比センサ30が前記センサ類に含まれる。
スロットル弁3の開度はECU100によって制御される。即ち、ECU100は、通常、スロットルポジションセンサ28の出力値がアクセル開度センサ27の出力値に応じた値となるように駆動モータ19を制御する。
また、筒内情報、特にシリンダ31内における燃焼室の圧力(筒内圧)を検出するための筒内圧センサが設けられている。筒内圧センサは、筒内圧に応じた電圧信号をECU100に出力する。ECU100は、筒内圧センサから得られた信号に基づいて筒内圧を算出する。
本実施形態における筒内圧センサは、エタノール混合燃料のエタノール濃度を検出するエタノール濃度センサと兼用可能に設けられている。よって、以下の説明では、これを筒内圧およびエタノール濃度センサ6と称することにする。筒内圧およびエタノール濃度センサ6は、その先端部に設けられた受圧部材の受圧面をシリンダ31内に臨ませてシリンダヘッド33に配置されている。
この筒内圧およびエタノール濃度センサ6は、例えば図2に示す如く構成されている。筒内圧およびエタノール濃度センサ6は、シリンダ内に臨む受圧面を有する受圧部材61を先端に有する小径部6Aと、基端側に位置する大径部6Bと、これら小径部6Aと大径部6Bとの間に位置する段部ないしはショルダ部6Cとを備えている。本実施形態におけるショルダ部6Cは、先細りの環状をなす円錐面にて形成されている。なお、筒内圧およびエタノール濃度センサ6は、自身に加えられた力に応じた信号を出力する圧電素子63と、受圧部材61に加えられた圧力を圧電素子63に伝達する伝達部材62と、受圧部材61の受圧面に配設されたエタノール官能膜64を備えて構成されている。受圧部材61は、金属製のダイアフラムからなり、加えられる圧力に応じてセンサ軸方向に変形可能である。圧電素子63は、例えば圧電結晶からなり、自身に加えられる力学的な力に応じて電圧を変化させたり、自身に加えられる電圧に応じて力学的な力を生じさせたりする。圧電素子63の電極にはECU100内に構成される後述する励振手段およびエタノール濃度判別手段が接続されている。なお、伝達部材62は受圧部材61と圧電素子63との間に介設され、受圧部材61に加えられた力を圧電素子63に伝達すると共に、圧電素子63に発生された振動を受圧部材61に伝達し、さらに受圧部材61の熱を圧電素子63に伝達させぬよう断熱機能も有する。
ここで、エタノール官能膜64とは混合燃料中のエタノールを吸着する機能を有する薄膜であり、このエタノール官能膜64としては、Fe/CoクラスターまたはCo/Moクラスター等を用いることができる。そして、これらは周知の方法、例えば、音速ジェット法、レーザ蒸発法、スパッタリング法または溶液法等によって受圧部材61の受圧面に配設され得る。
この筒内圧およびエタノール濃度センサ6では、シリンダ内の圧力が受圧部材61に加えられると、受圧部材61がたわむことで伝達部材62が圧縮力を受け、この圧縮力が圧電素子63に伝達される。これにより圧電素子63も圧縮され、その結果、圧電素子63からは筒内圧に応じて変化する電圧信号がECU100に出力される。ECU100はこの出力信号に基づいて筒内圧を検知することになる。一方、後で詳述するが、受圧部材61の振動周波数の変化による圧電素子の出力信号の変化に基づき、エタノール濃度が検出される。
一方、シリンダヘッド33に形成される筒内圧センサ装着穴35は、一端が燃焼室に開口し、筒内圧およびエタノール濃度センサ6の小径部6Aに対して非接触状態でこれを取り囲む小径孔部35Aと、筒内圧およびエタノール濃度センサ6の大径部6Bを収容する大径孔部35Bと、これら小径孔部35Aと大径孔部35Bとの間に位置し、筒内圧およびエタノール濃度センサ6のショルダ部6Cが当接する段部35Cとを有している。本実施形態による段部35Cは、筒内圧およびエタノール濃度センサ6のショルダ部6Cと対応した先細りの環状をなす円錐面にて形成されている。
なお、筒内圧センサ装着穴35は段部35Cを有する段付穴であり、筒内圧およびエタノール濃度センサ6のショルダ部6Cが該段部35Cに当接されてシールされる、いわゆる、ショルダシール方式とされている。
次に、上記システム構成になる実施形態において、ECU100により行われるエタノール濃度判別ないしは算出ルーチンの一例を、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
この算出ルーチンは、所定時間(例えば、10ms)毎に実行される。まず、エンジン1が始動される際のステップS301において、エンジン1がクランキング中であるか否かが判定される。クランキング中であるときはステップS302に進み、始動時の運転条件が取得される。本実施の形態では、例えば、水温センサ29による水温とクランクポジションセンサ24によるエンジン回転数と必要に応じてバッテリー電圧とが取得される。そして、次のステップS303において所定気筒が判別される。この所定気筒とは燃料が噴射供給されるべき気筒を意味し、例えば、始動のためにクランキングが開始されたときは、その最初に燃料が噴射供給されるべき気筒であり、それ以降では、順に、その次に燃料が噴射供給されるべき気筒である。
次に、ステップS304では、ステップS303において判別された所定気筒に対し、吸気行程または圧縮行程の初期のいずれかに所定量の燃料が噴射供給される。このときの燃料噴射量は、上述の始動時の運転条件に対応させて予め設定されてマップに保管されており、この燃料噴射量に見合う噴射時間、インジェクタ11が開弁される。
そして、次のステップS305において、燃料が噴射供給された所定気筒における筒内圧およびエタノール濃度センサ6の圧電素子63が、その圧縮行程における所定のクランク角で、ECU100に構成された励振手段により所定の周波数で励振される。ここで、インジェクタ11により噴射供給されたエタノール混合燃料は筒内でスワール流やタンブル流の吸入空気と共に混合気を形成して、そのエタノール成分が筒内圧およびエタノール濃度センサ6の受圧部材61に配設されたエタノール官能膜64に吸着される。エタノール混合燃料のエタノール濃度に応じた量のエタノール成分を吸着したエタノール官能膜64が配設されている受圧部材61は、そのエタノール吸着量に応じて質量が変化する。すなわち、励振手段により所定の周波数で圧電素子63を励振させると、伝達部材62を介して受圧部材61も強制振動されるが、その振動周波数はエタノール吸着量に応じた質量変化に対応して変化する。
この一例を、図4に示す。図4において、実線で示す振動波形Aは、受圧部材61に配設されたエタノール官能膜64にエタノールが吸着されていないとき、すなわち、エタノール官能膜64を含む受圧部材61の質量が小さいときであり、破線で示す振動波形Bは、受圧部材61に配設されたエタノール官能膜64に所定量のエタノールが吸着されているとき、すなわち、エタノール官能膜64を含む受圧部材61の質量が比較的大きいときを表している。なお、図示はしないが、エタノールの吸着量が前述の所定量よりも少ないときは、振動波形Bよりも高い周波数の振動波形となる。このように、エタノールの吸着量に応じてエタノール官能膜64を含む受圧部材61の質量が大きくなるように変化すると、共振周波数が低下する振動波形となるのである。
そこで、この受圧部材61の振動周波数の変化が圧電素子63の出力信号の変化として表れるので、次のステップS306において、ECU100に構成されたエタノール濃度検出手段は圧電素子63の出力信号の変化に基づきエタノール濃度を判別ないしは検出する。すなわち、エタノール濃度検出手段は、所定のエタノール濃度に対応する圧電素子63の出力信号に関連付けて、予め実験により求められた判別値をマップの形態で保管しており、この判別値と圧電素子63の出力信号とを対比することにより、エタノール濃度を判別することによりエタノール混合燃料のエタノール濃度を検出するのである。
そして、ステップS306においてエタノール濃度が検出されると、次のステップS307に進み、得られたエタノール濃度に最適な点火時期が設定されることになる。すなわち、例えばエタノール濃度が高いときは、始動時の固定進角に対し濃度に応じて点火時期を進角させ、燃焼性ないしは着火性を向上させるのである。なお、上述のエタノール濃度判別ないしは算出ルーチンとは別に実行される、エンジン1の運転実行ルーチンで実際に点火されて筒内で燃焼が生じると、受圧部材61に配設されたエタノール官能膜64に吸着されていたエタノール成分は焼失し、エタノール官能膜64は初期状態にリセットされる。
上述のステップS302ないしステップS307は、始動時のクランキング中において、点火順序に対応して気筒毎に実行される。
一方、ステップS301における判定でクランキング中でないとき、すなわち、始動時でない通常の運転状態のときは、ステップS308に進み、通常時の筒内圧検出制御が行なわれる。すなわち、シリンダ内の圧力が受圧部材61に加えられると、受圧部材61がたわむことで伝達部材62が圧縮力を受け、この圧縮力が圧電素子63に伝達される。これにより圧電素子63も圧縮され、その結果、圧電素子63からは筒内圧に応じて変化する電圧信号がECU100に出力される。ECU100はこの出力信号に基づいて筒内圧を検知し、この気筒毎の筒内情報に基づいて点火時期及び燃料噴射量等を最適値に制御するのである。なお、この筒内圧検出制御は、燃焼開始後の、例えば膨張行程における筒内圧を検出することにより、クランキング中に行なうこともできる。
なお、上記説明においては、ガソリンに対しアルコールとしてのエタノールが混合されたエタノール混合燃料の場合について説明したが、本発明は燃料としてエタノールのみを用いる場合にも適用可能であることは云うまでもない。かかる観点から、本明細書において、エタノール混合燃料とはエタノールが100%の場合も含む意味で用いられている。
本発明に係るアルコール混合燃料エンジンの制御装置の一実施形態に係るシステム構成を示す側面概略図である。 本発明の一実施形態に係る筒内圧およびエタノール濃度センサを示す一部断面図である。 本発明の一実施形態におけるエタノール濃度算出ルーチンの一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における筒内圧およびエタノール濃度センサの受圧部材の振動周波数が、エタノール吸着量による質量変化に対応して変化する様子を示すグラフである。
符号の説明
1 アルコール混合燃料エンジン
6 筒内圧およびエタノール濃度センサ
6A 小径部
6B 大径部
6C ショルダ部
7 点火プラグ
11 インジェクタ
61 受圧部材
62 伝達部材
63 圧電素子
64 エタノール官能膜
100 ECU(電子制御ユニット)

Claims (3)

  1. アルコール混合燃料を供給する燃料供給手段を備えるエンジンにおいて、
    筒内において、アルコール混合燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段と、
    該アルコール濃度検出手段により検出されたアルコール濃度に対応させて、供給燃料量および/または点火時期を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするアルコール混合燃料エンジンの制御装置。
  2. 前記アルコール濃度検出手段は、筒内に臨む受圧面にアルコール官能膜が配設された受圧部材と、該受圧部材との間で圧力が伝達される圧電素子と、該圧電素子を所定の周波数で励振させる励振手段と、該圧電素子の出力信号の変化に基づきアルコール濃度を判別するアルコール濃度判別手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のアルコール混合燃料エンジンの制御装置。
  3. 前記アルコール濃度検出手段は、少なくともエンジンの始動時において、圧縮行程にある気筒の圧電素子に対する励振手段を所定のクランク角で作動させることを特徴とする請求項2に記載のアルコール混合燃料エンジンの制御装置。
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