JP2008163788A - マイナスイオン供給制御装置 - Google Patents
マイナスイオン供給制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008163788A JP2008163788A JP2006352352A JP2006352352A JP2008163788A JP 2008163788 A JP2008163788 A JP 2008163788A JP 2006352352 A JP2006352352 A JP 2006352352A JP 2006352352 A JP2006352352 A JP 2006352352A JP 2008163788 A JP2008163788 A JP 2008163788A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- negative ion
- cylinder pressure
- ion supply
- crank angle
- combustion state
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
【課題】所望のエンジン出力が得られるようにマイナスイオンの供給量を適切に制御する。
【解決手段】内燃機関の吸気通路に供給されるマイナスイオンの供給量Vを制御するためのマイナスイオン供給制御装置であって、筒内の燃焼状態を検出し、検出された燃焼状態が目標となる燃焼状態に近づくようにマイナスイオン供給量をフィードバック制御する。具体的には、筒内圧センサにより検出された筒内圧Pcが最大となるクランク角θmaxと、所定の目標クランク角θmaxtrgとの偏差Δθmaxに基づいてマイナスイオン供給量Vをフィードバック制御する。
【選択図】図3
【解決手段】内燃機関の吸気通路に供給されるマイナスイオンの供給量Vを制御するためのマイナスイオン供給制御装置であって、筒内の燃焼状態を検出し、検出された燃焼状態が目標となる燃焼状態に近づくようにマイナスイオン供給量をフィードバック制御する。具体的には、筒内圧センサにより検出された筒内圧Pcが最大となるクランク角θmaxと、所定の目標クランク角θmaxtrgとの偏差Δθmaxに基づいてマイナスイオン供給量Vをフィードバック制御する。
【選択図】図3
Description
本発明はマイナスイオン供給制御装置に係り、特に、内燃機関の吸気通路に供給されるマイナスイオンの供給量を制御するためのマイナスイオン供給制御装置に関する。
内燃機関において、吸気中にマイナスイオンを供給することで燃焼速度が上昇し、燃焼が促進されることが知られている(例えば特許文献1参照)。マイナスイオンは、水又は空気中の酸素に対し高電圧を用いてコロナ放電や電子放射等を行うことにより酸素マイナスイオンとして発生され、O−,O2−,O2 −,O3 −,On −で定義される。この酸素マイナスイオンは酸素分子に対して約1万倍の酸化力を有し、マイナスイオンを吸気中に混入させると燃料の酸化が促進され、燃焼率向上、排ガス浄化等が図られる。
ところで、従来、マイナスイオンを吸気に供給しても狙い通りの出力が得られないことが多かった。その理由としては、マイナスイオン発生装置で発生されるマイナスイオンの量が電圧変動や吸気中酸素濃度などの大気条件の影響を強く受け、この結果、吸気に供給されるマイナスイオンの量を適切に制御することが困難だったからである。
そこで、本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、所望のエンジン出力が得られるようにマイナスイオンの供給量を適切に制御することができるマイナスイオン供給制御装置を提供することにある。
本発明の第1の形態は、
内燃機関の吸気通路に供給されるマイナスイオンの供給量を制御するためのマイナスイオン供給制御装置であって、
筒内の燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、
前記燃焼状態検出手段により検出された燃焼状態が目標となる燃焼状態に近づくようにマイナスイオン供給量をフィードバック制御するフィードバック制御手段と
を備えたことを特徴とする。
内燃機関の吸気通路に供給されるマイナスイオンの供給量を制御するためのマイナスイオン供給制御装置であって、
筒内の燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、
前記燃焼状態検出手段により検出された燃焼状態が目標となる燃焼状態に近づくようにマイナスイオン供給量をフィードバック制御するフィードバック制御手段と
を備えたことを特徴とする。
この本発明の第1の形態によれば、燃焼状態検出手段により検出された燃焼状態が目標となる燃焼状態に近づくようにマイナスイオン供給量がフィードバック制御されるので、所望のエンジン出力が得られるようにマイナスイオンの供給量を適切に制御することができる。電圧変動や吸気中酸素濃度などの大気条件とは無関係に、筒内の燃焼状態を検出してマイナスイオン供給量をフィードバック制御するので、常に最適な燃焼状態を実現することが可能である。
本発明の第2の形態は、前記第1の形態において、
前記燃焼状態検出手段が筒内圧を検出する筒内圧センサからなり、
前記フィードバック制御手段が、前記筒内圧センサにより検出された筒内圧が最大となるクランク角と、所定の目標クランク角との偏差に基づいてマイナスイオン供給量をフィードバック制御する
ことを特徴とする。
前記燃焼状態検出手段が筒内圧を検出する筒内圧センサからなり、
前記フィードバック制御手段が、前記筒内圧センサにより検出された筒内圧が最大となるクランク角と、所定の目標クランク角との偏差に基づいてマイナスイオン供給量をフィードバック制御する
ことを特徴とする。
通常、内燃機関では、燃焼状態が最適となるような最大筒内圧に対応するクランク角が機種に応じて予め定まっている。よって、そのような目標クランク角に実際の最大筒内圧クランク角が近づくようにマイナスイオン供給量をフィードバック制御することで、所望のエンジン出力が得られるようにマイナスイオンの供給量を適切に制御することができる。
本発明の第3の形態は、前記第1の形態において、
前記燃焼状態検出手段が筒内圧を検出する筒内圧センサからなり、
前記フィードバック制御手段が、前記筒内圧センサにより検出された筒内圧の上昇速度と、所定の目標上昇速度との偏差に基づいてマイナスイオン供給量をフィードバック制御する
ことを特徴とする。
前記燃焼状態検出手段が筒内圧を検出する筒内圧センサからなり、
前記フィードバック制御手段が、前記筒内圧センサにより検出された筒内圧の上昇速度と、所定の目標上昇速度との偏差に基づいてマイナスイオン供給量をフィードバック制御する
ことを特徴とする。
通常、内燃機関では、燃焼状態が最適となるような筒内圧の上昇速度が機種に応じて予め定まっている。よって、そのような目標上昇速度に実際の筒内圧上昇速度が近づくようにマイナスイオン供給量をフィードバック制御することで、所望のエンジン出力が得られるようにマイナスイオンの供給量を適切に制御することができる。
本発明の第4の形態は、前記第1の形態において、
前記燃焼状態検出手段が筒内圧を検出する筒内圧センサからなり、
前記フィードバック制御手段が、前記筒内圧センサにより検出された筒内圧に基づいて算出される熱発生率と、所定の目標熱発生率との偏差に基づいてマイナスイオン供給量をフィードバック制御する
ことを特徴とする。
前記燃焼状態検出手段が筒内圧を検出する筒内圧センサからなり、
前記フィードバック制御手段が、前記筒内圧センサにより検出された筒内圧に基づいて算出される熱発生率と、所定の目標熱発生率との偏差に基づいてマイナスイオン供給量をフィードバック制御する
ことを特徴とする。
通常、内燃機関では、燃焼状態が最適となるような熱発生率が機種に応じて予め定まっている。よって、そのような目標熱発生率に実際の熱発生率が近づくようにマイナスイオン供給量をフィードバック制御することで、所望のエンジン出力が得られるようにマイナスイオンの供給量を適切に制御することができる。
本発明の第5の形態は、前記第1乃至第4いずれかの形態において、
内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御手段を備え、
前記点火時期制御手段により点火時期がノック限界付近に制御されているときにマイナスイオン供給制御を実行する
ことを特徴とする。
内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御手段を備え、
前記点火時期制御手段により点火時期がノック限界付近に制御されているときにマイナスイオン供給制御を実行する
ことを特徴とする。
内燃機関の点火時期を制御することにより、燃焼速度を制御して最適な燃焼状態を実現することが可能であるが、点火時期にはノック限界があり、このノック限界を超えて点火時期を進角させることはできない。しかしながら、本発明の第5の形態によれば、点火時期がノック限界付近に制御されているときにマイナスイオン供給制御が実行されるので、点火時期をノック限界付近に固定しつつマイナスイオン供給制御により燃焼速度を変えて最適な燃焼状態を実現することができる。
本発明によれば、所望のエンジン出力が得られるようにマイナスイオンの供給量を適切に制御することができるという、優れた効果が発揮される。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づき説明する。
図1は、本発明が適用される内燃機関を示す概略図である。図示されるように、内燃機関1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストン4を往復移動させることにより動力を発生する。内燃機関1は車両用多気筒エンジン(1気筒のみ図示)であり、火花点火式内燃機関、より具体的にはガソリンエンジンである。
内燃機関1のシリンダヘッドには、吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが気筒ごとに配設されている。各吸気弁Viおよび各排気弁Veは図示しないカムシャフトによって開閉させられる。また、シリンダヘッドの頂部には、燃焼室3内の混合気に点火するための点火プラグ7が気筒ごとに取り付けられている。
各気筒の吸気ポートは気筒毎の枝管を介して吸気集合室であるサージタンク8に接続されている。サージタンク8の上流側には吸気集合通路をなす吸気管13が接続されており、吸気管13の上流端にはエアクリーナ9が設けられている。そして吸気管13には、上流側から順に、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ5と、電子制御式スロットルバルブ10とが組み込まれている。なお吸気ポート、サージタンク8及び吸気管13により吸気通路が形成される。
吸気通路、特に吸気ポート内に燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)12が気筒ごとに配設される。インジェクタ12から噴射された燃料は吸入空気と混合されて混合気をなし、この混合気が吸気弁Viの開弁時に燃焼室3に吸入され、ピストン4で圧縮され、点火プラグ7で点火燃焼させられる。なお、インジェクタ12から燃焼室3内に燃料を直接噴射する方式であってもよい。
一方、各気筒の排気ポートは気筒毎の枝管を介して排気集合通路をなす排気管6に接続されており、排気管6には三元触媒からなる触媒11が取り付けられている。なお排気ポート、枝管及び排気管6により排気通路が形成される。触媒11の上流側に排気空燃比を検出するための触媒前センサ17が設置されている。
上述の点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12等は、制御手段としての電子制御ユニット(以下「ECU」と称す)20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置等を含むものである。またECU20には、図示されるように、前述のエアフローメータ5、触媒前センサ17のほか、内燃機関1のクランク角(位相)を検出するクランク角センサ14、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ15、スロットルバルブ10の開度を検出するスロットル開度センサ19、ノッキングを検出するノックセンサ23、その他の各種センサが図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。ECU20は、各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12等を制御し、点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度等を制御する。なおスロットル開度は通常アクセル開度に応じた開度に制御される。
各気筒には、半導体素子、圧電素子あるいは光ファイバ検出素子等を含む筒内圧センサ22が設けられている。各筒内圧センサ22は、対応する燃焼室3内に受圧面が臨むようにシリンダヘッドに配設されており、図示されないA/D変換器等を介してECU20に電気的に接続されている。各筒内圧センサ22は、対応する燃焼室3の筒内圧に比例した電圧信号をECU20に与える。なお、筒内圧センサは点火プラグと一体に設けてもよい。この筒内圧センサ22が本発明にいう燃焼状態検出手段を構成する。
加えて、マイナスイオンを発生するマイナスイオン発生装置30が具備され、このマイナスイオン発生装置30は吸気通路に接続されて発生したマイナスイオンを吸気通路に直接供給する。本実施形態ではサージタンク8にマイナスイオンを供給するが、供給位置はこれに限らず、例えば吸気ポートにマイナスイオンを供給してもよい。マイナスイオン発生装置30は、供給される電源電圧に基づいて高電圧を発生し、吸気通路内の吸気中の酸素又は大気中の酸素に対しコロナ放電や電子放射等を行うことにより、O−,O2−,O2 −,O3 −,On −として定義される酸素マイナスイオンを発生する。マイナスイオン発生装置30から供給されるマイナスイオン供給量は、マイナスイオン発生装置30で発生される高電圧の値やマイナスイオン発生装置30のオン時間をECU20で制御することにより、制御される。
次に、本実施形態におけるマイナスイオン供給量の制御について説明する。
本実施形態においては、筒内圧センサ22により筒内即ち燃焼室3内の燃焼状態が検出され、この検出された燃焼状態が目標となる燃焼状態に近づくようにマイナスイオン供給量がフィードバック制御される。
これを図2を用いてより詳しく説明する。図2はエンジン運転時の筒内圧Pcの変化を示したものである。図中実線で示すように、点火時期Igにおいて燃焼室3内の混合気が点火されると、筒内圧Pcは一気に上昇して最大値Pcmaxに達し、その後下降する。ここで、最大筒内圧Pcmaxに対応するクランク角θmaxの目標値θmaxtrgが予め定められており、この目標クランク角θmaxtrgに実際の最大筒内圧クランク角θmaxが近づくように、点火時期Ig及びマイナスイオン供給量Vが制御される。目標クランク角θmaxtrgは、これに実際の最大筒内圧クランク角θmaxが一致したときに最大のエンジン出力(より具体的にはエンジントルク)が得られるようにエンジンの機種毎に予め設定されており、その値は例えば13〜15°ATDC程度の値とされる。図中実線は、実際の最大筒内圧クランク角θmaxが目標クランク角θmaxtrgに一致した場合を示している。このような、実際の最大筒内圧クランク角θmaxを目標クランク角θmaxtrgに近づける制御をMBT制御と称す。
基本的には、ECU20が点火プラグ7の点火時期Igを制御することによって、実際の最大筒内圧クランク角θmaxを目標クランク角θmaxtrgに近づけるようにしている。
一方、エンジン出力向上のため、点火時期制御においては、ノッキングが発生しない(即ち、ノックセンサ23でノッキングが検出されない)範囲で点火時期Igができるだけ進角側に位置するように、点火時期Igが制御されている。このノッキングが発生しない最大進角位置をノック限界と称する。つまり、点火時期制御においては、実際の最大筒内圧クランク角θmaxが目標クランク角θmaxtrgに一致するように点火時期Igが制御され、点火時期Igがノック限界まで進角された場合にはそれ以上進角が行われない。
ところで、図2に一点鎖線で示すように、点火時期Igがノック限界付近まで進角されてもまだ実際の最大筒内圧クランク角θmaxが目標クランク角θmaxtrgより遅れている場合が問題となる。このような場合は、主にエンジンが高負荷運転(特に最大負荷付近での運転)されているときに起こり得る。こうなると、点火時期制御のみでは実際の最大筒内圧クランク角θmaxを目標クランク角θmaxtrgに近づけることができない。
そこで、このような場合にマイナスイオン発生装置30がオンされ、吸気中にマイナスイオンが供給される。すると、点火後の燃焼速度が上昇するので、図中実線で示すように、実際の最大筒内圧クランク角θmaxをより進角側に移動し、目標クランク角θmaxtrgに近づけることができる。このようにマイナスイオン発生装置30は、点火時期Igがノック限界まで進角されてもなお実際の最大筒内圧クランク角θmaxが目標クランク角θmaxtrgより遅れている場合にのみ作動される。これによりマイナスイオン発生装置30の作動を必要最小限とし、バッテリ電力の無駄な消費を抑えることができる。
ここで、マイナスイオン発生装置30から供給されるマイナスイオン量Vは、実際の最大筒内圧クランク角θmaxと目標クランク角θmaxtrgとの偏差Δθmax(=θmax−θmaxtrg)に基づいてフィードバック制御される。例えば図2に一点鎖線で示す例の如く、偏差Δθmaxがプラスの場合、マイナスイオン量Vは増大側に補正される。
このマイナスイオン供給制御の一態様を図3に基づいて説明する。図示するルーチンは気筒毎、1サイクル毎に、ECU20によって繰り返し実行される。なお1サイクルは720°クランク角に等しい。また、図示するルーチンは、点火時期制御において点火時期Igがノック限界付近に制御されている場合に実行される。
まずステップS101では、筒内圧センサ22により最大筒内圧Pcmaxが検出された時点でクランク角センサ14により検出されたクランク角、即ち最大筒内圧クランク角θmaxの値が取得される。そしてステップS102において、この最大筒内圧クランク角θmaxと所定の目標クランク角θmaxtrgとの偏差Δθmax(=θmax−θmaxtrg)が算出される。
次に、ステップS103において、偏差Δθmaxに基づき、マイナスイオンフィードバック補正量ΔVが、所定のマップ又は関数に従って算出される。図3に概略示されているように、マイナスイオンフィードバック補正量ΔVは、偏差Δθmax=0のときゼロであり、偏差Δθmaxが正方向に大きくなるほど正方向に大きくなり、偏差Δθmaxが負方向に大きくなるほど負方向に大きくなる。
次のステップS104では、クランク角センサ14の出力に基づいて計算されるエンジン回転速度Neと、アクセル開度センサ15の出力に基づいて計算される負荷Lとの値が取得される。そして、ステップS105では、これらエンジン回転速度Neと負荷Lとの値に基づき、マイナスイオン基本量Vbが、所定のマップ(図3に概略示される)又は関数に従って算出される。マイナスイオン基本量Vbは、エンジン回転速度Ne及び負荷Lが大きくなるほど大きくなる。
次に、ステップS106において、次回の燃焼用に供給するマイナスイオン量Vを式:V=Vb+ΔVにより算出する。最後にステップS107において、算出されたマイナスイオン量Vがマイナスイオン発生装置30から発生、供給されるように、マイナスイオン発生装置30が制御される。具体的には、マイナスイオン発生装置30でマイナスイオン発生のために発生される高電圧の値や発生時間が制御される。
このように、マイナスイオン基本量Vbが、エンジン運転状態を表す少なくとも一つのパラメータ(本実施形態ではエンジン回転速度Ne及び負荷Lの二つ)に基づきまず求められ、次いで、過不足分がマイナスイオンフィードバック補正量ΔVにより補正される。こうして、所望のエンジン出力が得られるようにマイナスイオンの供給量を適切に制御することができる。
次に、マイナスイオン供給制御の別の態様について説明する。この別の態様によれば、マイナスイオン供給量Vが、筒内圧センサ22により検出された筒内圧の上昇速度Up=dPc/dθと、所定の目標上昇速度Uptrgとの偏差ΔUp(=Up−Uptrg)に基づいてフィードバック制御される。
図2に示すように、点火時期Igがノック限界付近まで進角されてもまだ実際の最大筒内圧クランク角θmaxが目標クランク角θmaxtrgより遅れている場合(一点鎖線)、点火後の燃焼速度即ち筒内圧Pcの上昇速度は、実際の最大筒内圧クランク角θmaxが目標クランク角θmaxtrgに一致している場合(実線)に比べ遅くなる。よって、その筒内圧Pcの上昇速度を検知することにより実際の燃焼状態が最適か否か、即ち実際の最大筒内圧クランク角θmaxが目標クランク角θmaxtrgに一致するような燃焼状態であるか否かを判断することができる。筒内圧の目標上昇速度Uptrgは、これに実際の筒内圧上昇速度Upが一致したときにそのような最適な燃焼状態が実現されるような値に予め設定されている。
筒内圧上昇速度Upの算出方法については、点火時期Igから所定クランク角θa後の第1のタイミングθ1で、実際の筒内圧Pc1が筒内圧センサ22により検出され、次いで、第1のタイミングθ1から所定クランク角dθ後の第2のタイミングθ2で、実際の筒内圧Pc2が筒内圧センサ22により検出される。そして、これら筒内圧Pc1,Pc2の偏差dPc=Pc2−Pc1を所定クランク角dθで除して筒内圧上昇速度Upが算出される。なお、所定クランク角θa,dθについては、筒内圧上昇速度Upの検出タイミング(即ち第2のタイミングθ2)が必ず最大筒内圧クランク角θmaxよりも前にくるように設定される。第1及び第2のタイミングθ1,θ2間の所定クランク角dθは比較的短いクランク角間隔とされる。
このマイナスイオン供給制御の別の態様に係るルーチンを図4に基づいて説明する。図示するルーチンは気筒毎、1サイクル毎に、ECU20によって繰り返し実行される。また、図示するルーチンは、点火時期制御において点火時期Igがノック限界付近に制御されている場合に実行される。
まずステップS201では、クランク角センサ14により第1のタイミングのクランク角θ1が検出される。次いでステップS202では、筒内圧センサ22により第1のタイミングθ1における筒内圧Pc1が検出される。さらにステップS203では、クランク角センサ14により第2のタイミングのクランク角θ2が検出される。次いでステップS204では、筒内圧センサ22により第2のタイミングθ2における筒内圧Pc2が検出される。
この後、ステップS205では、これら筒内圧Pc1,Pc2の偏差dPc=Pc2−Pc1が算出されると共に、この筒内圧偏差dPcを所定クランク角dθで除して筒内圧上昇速度Upが算出される。なお簡単のため、所定クランク角dθを1として単に筒内圧偏差dPcを筒内圧上昇速度Upとみなしてもよい。
次いで、ステップS206において、筒内圧上昇速度Upと所定の目標上昇速度Uptrgとの偏差ΔUp(=Up−Uptrg)が算出される。
後は前記同様の処理が行われる。即ち、まずステップS207において、偏差ΔUpに基づき、マイナスイオンフィードバック補正量ΔVが、所定のマップ又は関数に従って算出される。図4に概略示されているように、マイナスイオンフィードバック補正量ΔVは、偏差ΔUp=0のときゼロであり、偏差ΔUpが正方向に大きくなるほど負方向に大きくなり、偏差ΔUpが負方向に大きくなるほど正方向に大きくなる。これは、偏差ΔUpが負のとき筒内圧上昇速度Upが目標上昇速度Uptrgより遅くなり、筒内圧上昇速度Upを早める必要があるからであり、また、偏差ΔUpが正のとき筒内圧上昇速度Upが目標上昇速度Uptrgより早くなり、筒内圧上昇速度Upを遅くする必要があるからである。
この後、ステップS208では前記ステップS104同様にエンジン回転速度Neと負荷Lとの値が取得され、ステップS209では前記ステップS105同様にエンジン回転速度Ne及び負荷Lの値に基づき、所定のマップ(図4に概略示される)又は関数に従ってマイナスイオン基本量Vbが算出される。そしてステップS210で前記ステップS106同様に次回の燃焼に供するマイナスイオン量Vが算出され、最後にステップS211において前記ステップS107同様にマイナスイオン量Vがマイナスイオン発生装置30から発生、供給されるようにマイナスイオン発生装置30が制御される。この別の態様によっても前記態様と同様の作用効果がもたらされる。
次に、マイナスイオン供給制御のさらなる別の態様について説明する。このさらなる別の態様によれば、マイナスイオン供給量Vが、筒内圧センサ22により検出された筒内圧Pcに基づいて算出される熱発生率dQと、所定の目標熱発生率dQtrgとの偏差ΔdQ(=dQ−dQtrg)に基づいてフィードバック制御される。目標熱発生率dQtrgは、これに実際の熱発生率dQが一致したときに最適な燃焼状態が実現されるように(即ち、実際の最大筒内圧クランク角θmaxが目標クランク角θmaxtrgに一致するように)予め設定されている。
以下、このさらなる別の態様を図5を参照しつつ説明する。図示するルーチンは気筒毎、1サイクル毎に、ECU20によって繰り返し実行される。また、図示するルーチンは、点火時期制御において点火時期Igがノック限界付近に制御されている場合に実行される。
まずステップS301では前記ステップS201同様に第1のタイミングのクランク角θ1が検出され、次いで、ステップS302では前記ステップS202同様に第1のタイミングθ1における筒内圧Pc1が検出される。さらにステップS303では前記ステップS203同様に第2のタイミングのクランク角θ2が検出され、ステップS304では前記ステップS204同様に第2のタイミングθ2における筒内圧Pc2が検出される。
この後、ステップS305では、これら筒内圧Pc1,Pc2に基づき、次式数1に従って、燃焼速度の指標値である熱発生率dQが算出される。
κは筒内混合気の比熱比であり、ここでは一定値として取り扱う。例えばκ=1.32である。V1,V2はそれぞれ第1及び第2のタイミングでの筒内容積である。筒内容積がクランク角θの関数であることから、V1,V2はクランク角θ1,θ2に基づきECU20によって計算される。
次いで、ステップS306において、熱発生率dQと所定の目標熱発生率dQtrgとの偏差ΔdQ(=dQ−dQtrg)が算出される。
後は前記同様の処理が行われる。ますステップS307において、偏差ΔdQに基づき、マイナスイオンフィードバック補正量ΔVが、所定のマップ又は関数に従って算出される。図4に概略示されているように、マイナスイオンフィードバック補正量ΔVは、偏差ΔdQ=0のときゼロであり、偏差ΔdQが正方向に大きくなるほど負方向に大きくなり、偏差ΔdQが負方向に大きくなるほど正方向に大きくなる。これは、偏差ΔdQが負のとき熱発生率dQが目標熱発生率dQtrgより小さいことから、燃焼速度を上げて熱発生率dQを高める必要があるからであり、また、偏差ΔdQが正のとき熱発生率dQが目標熱発生率dQtrgより大きいことから、燃焼速度を下げて熱発生率dQを低くする必要があるからである。
この後、ステップS308では前記ステップS104同様にエンジン回転速度Neと負荷Lとの値が取得され、ステップS309では前記ステップS105同様にエンジン回転速度Ne及び負荷Lの値に基づき、所定のマップ(図5に概略示される)又は関数に従ってマイナスイオン基本量Vbが算出される。そしてステップS310で前記ステップS106同様に次回の燃焼に供するマイナスイオン量Vが算出され、最後にステップS311において前記ステップS107同様にマイナスイオン量Vがマイナスイオン発生装置30から発生、供給されるようにマイナスイオン発生装置30が制御される。このさらなる別の態様によっても前記態様と同様の作用効果がもたらされる。
以上、本発明の一実施形態を述べたが、本発明の実施形態は他にも様々なものが可能である。例えば、筒内の燃焼状態を検出する手段としては、前記筒内圧センサ22のほか様々なものが可能であり、例えばイオンセンサを用いることもできる。筒内の燃焼は化学反応であり、燃焼時にイオンが発生することから、このイオン発生量をイオンセンサで検出することにより筒内の燃焼状態を検出することができる。前記実施形態では、点火時期制御において点火時期がノック限界付近に制御されている場合にマイナスイオン供給量のフィードバック制御を実行するようにしたが、これ以外の場合にもフィードバック制御は実行可能である。例えば、筒内の燃焼状態があまり良好でない低温始動時等にかかるフィードバック制御を実行するのも好適である。内燃機関の形態は特に限定されず、前記火花点火式内燃機関に限らず、圧縮着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)等であってもよい。
なお、前記実施形態では、ECU20によりフィードバック制御手段及び点火時期制御手段が構成される。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 内燃機関
3 燃焼室
7 点火プラグ
12 インジェクタ
14 クランク角センサ
15 アクセル開度センサ
20 電子制御ユニット(ECU)
22 筒内圧センサ
30 マイナスイオン発生装置
V マイナスイオン供給量
ΔV マイナスイオンフィードバック補正量
Vb マイナスイオン基本量
Pc 筒内圧
Pcmax 最大筒内圧
θ クランク角
θmax 最大筒内圧クランク角
θmaxtrg 目標クランク角
Δθmax 偏差
Up 筒内圧上昇速度
Uptrg 目標上昇速度
ΔUp 偏差
dQ 熱発生率
dQtrg 目標熱発生率
ΔdQ 偏差
Ig 点火時期
3 燃焼室
7 点火プラグ
12 インジェクタ
14 クランク角センサ
15 アクセル開度センサ
20 電子制御ユニット(ECU)
22 筒内圧センサ
30 マイナスイオン発生装置
V マイナスイオン供給量
ΔV マイナスイオンフィードバック補正量
Vb マイナスイオン基本量
Pc 筒内圧
Pcmax 最大筒内圧
θ クランク角
θmax 最大筒内圧クランク角
θmaxtrg 目標クランク角
Δθmax 偏差
Up 筒内圧上昇速度
Uptrg 目標上昇速度
ΔUp 偏差
dQ 熱発生率
dQtrg 目標熱発生率
ΔdQ 偏差
Ig 点火時期
Claims (5)
- 内燃機関の吸気通路に供給されるマイナスイオンの供給量を制御するためのマイナスイオン供給制御装置であって、
筒内の燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、
前記燃焼状態検出手段により検出された燃焼状態が目標となる燃焼状態に近づくようにマイナスイオン供給量をフィードバック制御するフィードバック制御手段と
を備えたことを特徴とするマイナスイオン供給制御装置。 - 前記燃焼状態検出手段が筒内圧を検出する筒内圧センサからなり、
前記フィードバック制御手段が、前記筒内圧センサにより検出された筒内圧が最大となるクランク角と、所定の目標クランク角との偏差に基づいてマイナスイオン供給量をフィードバック制御する
ことを特徴とする請求項1記載のマイナスイオン供給制御装置。 - 前記燃焼状態検出手段が筒内圧を検出する筒内圧センサからなり、
前記フィードバック制御手段が、前記筒内圧センサにより検出された筒内圧の上昇速度と、所定の目標上昇速度との偏差に基づいてマイナスイオン供給量をフィードバック制御する
ことを特徴とする請求項1記載のマイナスイオン供給制御装置。 - 前記燃焼状態検出手段が筒内圧を検出する筒内圧センサからなり、
前記フィードバック制御手段が、前記筒内圧センサにより検出された筒内圧に基づいて算出される熱発生率と、所定の目標熱発生率との偏差に基づいてマイナスイオン供給量をフィードバック制御する
ことを特徴とする請求項1記載のマイナスイオン供給制御装置。 - 内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御手段を備え、
前記点火時期制御手段により点火時期がノック限界付近に制御されているときにマイナスイオン供給制御を実行する
ことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のマイナスイオン供給制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006352352A JP2008163788A (ja) | 2006-12-27 | 2006-12-27 | マイナスイオン供給制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006352352A JP2008163788A (ja) | 2006-12-27 | 2006-12-27 | マイナスイオン供給制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008163788A true JP2008163788A (ja) | 2008-07-17 |
Family
ID=39693596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006352352A Pending JP2008163788A (ja) | 2006-12-27 | 2006-12-27 | マイナスイオン供給制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008163788A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009157449A1 (ja) | 2008-06-23 | 2009-12-30 | 旭硝子株式会社 | 太陽電池モジュール用バックシートおよび太陽電池モジュール |
JP2010101173A (ja) * | 2008-10-21 | 2010-05-06 | Daihatsu Motor Co Ltd | 火花点火式内燃機関の運転制御方法 |
JP2012112314A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
JP2015098799A (ja) * | 2013-11-18 | 2015-05-28 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
CN104763561A (zh) * | 2015-03-24 | 2015-07-08 | 宋骁卿 | 内燃机阴离子助燃器 |
-
2006
- 2006-12-27 JP JP2006352352A patent/JP2008163788A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009157449A1 (ja) | 2008-06-23 | 2009-12-30 | 旭硝子株式会社 | 太陽電池モジュール用バックシートおよび太陽電池モジュール |
JP2010101173A (ja) * | 2008-10-21 | 2010-05-06 | Daihatsu Motor Co Ltd | 火花点火式内燃機関の運転制御方法 |
JP2012112314A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
JP2015098799A (ja) * | 2013-11-18 | 2015-05-28 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
CN104763561A (zh) * | 2015-03-24 | 2015-07-08 | 宋骁卿 | 内燃机阴离子助燃器 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5089696B2 (ja) | ディーゼルエンジンのシリンダ内NOxを検知するためのイオン電流の使用 | |
JP4407581B2 (ja) | 気体燃料エンジン | |
JP6170852B2 (ja) | 内燃機関の燃焼制御装置 | |
JP4438792B2 (ja) | 圧縮自己着火式内燃機関の制御装置 | |
WO2015137003A1 (ja) | 内燃機関の燃焼制御装置 | |
JP6424067B2 (ja) | エンジン制御装置 | |
JP2011027059A (ja) | エンジンの制御装置 | |
JP2018091267A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2019183809A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
US20080060616A1 (en) | Control System for Internal Combustion Engine | |
JP2008163788A (ja) | マイナスイオン供給制御装置 | |
JP6010642B2 (ja) | 内燃機関の燃焼制御装置 | |
JP2007009852A (ja) | 内燃機関の燃料制御装置および燃料噴射時期制御方法 | |
JP4962464B2 (ja) | 圧縮着火式内燃機関の燃料噴射パラメータ適合方法及び燃料噴射制御システム | |
WO2012144051A1 (ja) | 内燃機関の制御装置及び方法 | |
JP2007285179A (ja) | 内燃機関のegr温度制御装置 | |
JP2005220820A (ja) | ガソリン/アルコール混合燃料直噴エンジンの制御装置 | |
JP2004197593A (ja) | 予混合圧縮着火内燃機関 | |
JP4730252B2 (ja) | ガス燃料内燃機関 | |
JP2011241777A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2008051005A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP5260770B2 (ja) | エンジンの制御装置 | |
JP4899772B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2009156153A (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御システム | |
JP2009174401A (ja) | 内燃機関の制御装置 |