JP2008088487A - 溶接熱影響部の靭性および脆性亀裂停止特性に優れた鋼材およびその製法 - Google Patents

溶接熱影響部の靭性および脆性亀裂停止特性に優れた鋼材およびその製法 Download PDF

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Abstract

【課題】入熱量が40kJ/mm以上の溶接を行った場合のHAZ靭性に優れると共に、脆性亀裂が発生したときに脆性亀裂の伝播を停止させ、亀裂が伝播し難い鋼材、およびその製法を提供する。
【解決手段】C:0.03〜0.18%、Si:0.5%以下、Mn:0.9〜2.0%、およびN:0.003〜0.01%を含み、P:0.02%以下、S:0.015%以下、およびAl:0.01%以下を満足すると共に、更に、REM:0.001〜0.1%および/またはCa:0.0003〜0.02%と、Zr:0.001〜0.05%を夫々含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼材であり、REMおよび/またはCaと、Zrとを単独酸化物もしくは複合酸化物として含有し、且つ厚みt(mm)の鋼材の金属組織を観察したときに、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径を25μm以下とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、橋梁や高層建造物、船舶などの構造物に使用される鋼材に関するものであり、より詳細には、溶接するにあたり、熱影響を受ける部位(以下、溶接熱影響部またはHAZということがある)の靭性と、母材の脆性亀裂停止特性を改善した鋼材およびその製法に関するものである。
橋梁や高層建造物、船舶などに使用される鋼材に要求される特性は、近年益々厳しくなっており、とりわけ良好な靭性が求められている。これらの鋼材は、一般的に溶接にて接合されることが多いが、特にHAZは溶接時に熱影響を受けて靭性が劣化しやすいという問題がある。この靭性劣化は溶接時の入熱量が大きくなるほど顕著に現れ、その原因は溶接時の入熱量が大きくなるとHAZの冷却速度が遅くなり、焼入性が低下して粗大な島状マルテンサイトが生成することにあると考えられている。従ってHAZ靭性を改善するには、溶接時の入熱量を極力抑えればよいと考えられる。しかしその一方で、溶接作業効率を高める上では、例えばエレクトロガス溶接、エレクトロスラグ溶接、サブマージ溶接などの溶接入熱量が40kJ/mm以上の大入熱溶接法の採用が望まれる。
大入熱溶接法を採用した場合のHAZ靭性劣化を抑制する鋼材は、既にいくつか提案されている。例えば特許文献1には、鋼材中に微細なTiNを分散再析出させることで、大入熱溶接を行なったときのHAZで生じるオーステナイト粒の粗大化を抑制し、HAZ靭性の劣化を抑えた鋼材が提案されている。しかし本発明者らが検討したところ、溶接金属が1400℃以上の高温になると、HAZのうち特に溶接金属に近接した部位(ボンド部)において、溶接時に受ける熱により上記TiNが固溶消失してしまい、HAZ靭性の劣化を十分に抑えることができないことが分かった。
また特許文献2には、母材とHAZの靭性を向上させる技術として、鋼材に含まれる酸化物と窒化物の存在形態を制御することが開示されている。この文献には、TiとZrを組み合わせて使用することにより、微細な酸化物と窒化物を生成させて母材とHAZの靭性を向上させることが記載されている。またこうした微細な酸化物と窒化物を生成させるには、製造工程においてTi、Zrの順に添加すればよいことが開示されている。しかし本発明者らが検討したところ、HAZの靭性を更に高めるには酸化物量を増やせばよいが、上記特許文献2の技術において酸化物量を増加させるためにTiやZrを多量に添加すると、TiやZrなどの炭化物が形成され、鋼材(母材)の靭性が却って低下することが分かった。
ところで本発明者らは、溶接時に高温の熱影響を受けた場合でもHAZの靭性が劣化しない鋼材を特許文献3に先に提案している。この鋼材は、La23−SiO2系酸化物やCe23−SiO2系酸化物、La23−Ce23−SiO2系酸化物などの複合酸化物を鋼材中に分散させたものであり、この複合酸化物は、溶鋼中では液状で存在するため鋼中に微細分散し、しかも溶接時には熱影響を受けても固溶消失しないため、HAZの靭性向上に寄与する。上記特許文献3には、上記複合酸化物を生成させるため、溶存酸素量を調整した溶鋼へLaやCeを添加し、次いでSiを添加すればよいことも開示している。また特許文献3には、鋼材にTiを含有させて鋼材組織中にTiNを析出させることにより、HAZの靭性が更に高められること、またこうしたTiNを生成させるには、上記複合酸化物が生成した溶鋼へTiを添加すればよいことも開示している。
ところで構造物としての安全性を確保するには、脆性亀裂が発生しても脆性亀裂の伝播を停止させ、脆性亀裂の伝播領域を最小限に抑えること(以下、脆性亀裂停止特性ということがある)が望まれる。発生した脆性亀裂が広範囲に亘って伝播すれば、構造物自体の破壊につながるからである。ところが発生した脆性亀裂の伝播を抑制しつつ、大入熱溶接時のHAZ靭性を向上させた鋼材は今まで知られていない。
特公昭55−26164号公報 特開2003−213366号公報 特開2005−48265号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、特に入熱量が40kJ/mm以上の溶接を行った場合のHAZ靭性に優れると共に、脆性亀裂が発生したときに脆性亀裂の伝播を停止させ、亀裂が伝播し難い鋼材、およびその製法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る溶接熱影響部の靭性および脆性亀裂停止特性に優れた鋼材とは、C:0.03〜0.18%(「質量%」の意味。以下同じ)、Si:0.5%以下(0%を含まない)、Mn:0.9〜2.0%、およびN:0.003〜0.01%を含み、P:0.02%以下(0%を含まない)、S:0.015%以下(0%を含まない)、およびAl:0.01%以下(0%を含まない)を満足すると共に、更に、REM:0.001〜0.1%および/またはCa:0.0003〜0.02%と、Zr:0.001〜0.05%を夫々含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼材であり、REMおよび/またはCaと、Zrとを単独酸化物もしくは複合酸化物として含有し、且つ厚みt(mm)の鋼材の金属組織を観察したときに、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径が25μm以下である点に要旨を有する。
前記鋼材は、該鋼材に含まれる全酸化物の組成を測定し、単独酸化物として質量換算したときに、REMの酸化物および/またはCaOの合計が5%以上で、ZrO2が5%以上であることが好ましい。
前記鋼材は、HAZ靭性を一層改善するために、更に他の元素として、Ti:0.08%以下(0%を含まない)を含み、前記Tiを単独酸化物または複合酸化物として含有していることが好ましい。Tiの酸化物は、鋼材に含まれる全酸化物の組成を測定し、単独酸化物として質量換算したときに、0.3%以上であることが望まれる。
前記鋼材の強度を一層高めるために、更に他の元素として、Cu:2%以下(0%を含まない)、Ni:3.5%以下(0%を含まない)、Cr:3%以下(0%を含まない)、Mo:1%以下(0%を含まない)、Nb:0.25%以下(0%を含まない)、V:0.1%以下(0%を含まない)、およびB:0.005%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上の元素を含んでいても良い。
上記鋼材を製造する際には、溶存酸素量を0.0020〜0.010%の範囲に調整した溶鋼へ、(a)REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、Zrを添加するか、(b)REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、TiとZrを添加することによって、鋼材に所定の酸化物を含有させることができる。上記(b)の手順においては、上記溶存酸素量を調整した溶鋼へ、REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とZrを添加するに先立って、Tiを添加してもよい。
本発明によれば、大入熱溶接したときに1400℃レベルの高温に達しても鋼材中に固溶消失しない組成の酸化物を鋼材中に分散させるため、小〜中入熱溶接に限らず大入熱溶接でも、溶接熱影響部(HAZ)の靭性劣化を防止できる。また、鋼材の金属組織を適切に制御しているため、脆性亀裂が発生しても脆性亀裂の伝播を停止させることができ、脆性亀裂の伝播領域を最小限に抑えることができる。従って本発明によれば、溶接熱影響部の靭性と脆性亀裂停止特性を兼ね備えた鋼材を提供できる。
本発明者らは、まず上記特許文献3とは異なる組成の酸化物を鋼材中に分散させることによってHAZ靭性の向上を達成できないかについて検討を重ねた。その結果、REMおよび/またはCaと、Zrを鋼材に複合添加し、鋼材中にREMおよび/またはCaと、Zrとを単独酸化物もしくは複合酸化物として含有するように調整すれば、HAZ靭性を高めることができること、またこうした成分系に更にTiを複合添加することによって、Tiを単独酸化物または複合酸化物として含有するように調整すれば、HAZ靭性が一層向上することを見出した。更に、上記酸化物によるHAZ靭性の向上を阻害させることなく、脆性亀裂が発生したときの脆性亀裂の伝播を停止させるには、鋼材表面におけるフェライト粒の形態を適切に制御すればよいことを見出し、本発明を完成した。以下、上記本発明について詳述する。
まず、本発明の鋼材は、REMおよび/またはCaと、Zrとを単独酸化物もしくは複合酸化物として含有するものである。この様な酸化物が含まれるようにすれば、溶接時に熱影響を受けて1400℃レベルの高温になっても上記酸化物は固溶消失しないため、溶接時のHAZにおいてオーステナイト粒の粗大化を防止することができ、その結果として、REMやCa、Zrを夫々単独添加して酸化物を形成する場合よりもHAZの靭性をより改善することができる。
しかも上記単独酸化物あるいは複合酸化物を組み合わせて鋼材中に含有させれば、鋼材中に含まれる酸化物の絶対量を増大させることができ、鋼材(母材)の靭性劣化の原因となるREMの硫化物やCaの硫化物、或いはZr炭化物の生成を防止でき、結果として母材の靭性劣化を抑えつつHAZの靭性を向上させることができる。
本発明の鋼材は、(a)REMの酸化物および/またはCaOと、ZrO2を含有するか、あるいは(b)REMおよび/またはCaと、Zrを含む複合酸化物を含有するか、(c)REMの酸化物および/またはCaOと、ZrO2を含有すると共に、REMおよび/またはCaと、Zrを含む複合酸化物を含有するものであればよい。REMおよび/またはCaと、Zrを含む複合酸化物とは、例えばREMとZrを含む複合酸化物、CaとZrを含む複合酸化物、REMとCaとZrを含む複合酸化物などが挙げられる。
本発明の鋼材は、上述した酸化物の他に、更にTiの酸化物を含有することが好ましい。Tiの酸化物を含有することで、鋼材中に分散する酸化物量を更に増大させることができるため、HAZ靭性を一層向上させることができる。
上記Tiの酸化物は、鋼材中に単独酸化物(Ti23やTi35,TiO2)として含有されていてもよいし、例えば上記複合酸化物(即ち、REMとZrを含む複合酸化物、CaとZrを含む複合酸化物、REMとCaとZrを含む複合酸化物)に包含されて複合酸化物として含有されていてもよい。
上記鋼材は、該鋼材に含まれる全酸化物の組成を測定し、単独酸化物として質量換算したときに、REMの酸化物および/またはCaOの合計が5%以上で、且つZrO2が5%以上を満足することが好ましい。その理由は、HAZの靭性向上に寄与する酸化物量を確保するためである。REMの酸化物および/またはCaOの合計は10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。一方、ZrO2は10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。
上記鋼材がTiの酸化物を含有する場合は、該鋼材に含まれる全酸化物の組成を測定し、単独酸化物として質量換算したときに、Tiの酸化物が0.3%以上を満足することが好ましい。より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、特に好ましくは5質量%以上、最も好ましくは10質量%以上である。なお、Tiの単独酸化物は、鋼材中でTi23やTi35,TiO2として存在するが、鋼材に含まれる全てのTiの酸化物をTi23として換算した値が、上記範囲を満足していればよい。
本発明の鋼材は、該鋼材に含まれる全酸化物の組成を測定し、単独酸化物として質量換算したときに、REMの酸化物および/またはCaOと、ZrO2およびTiの酸化物(Ti23換算)の合計が55%以上であることが好ましい。合計が55質量%未満では、HAZの靭性向上に寄与する酸化物量が不足し、HAZの靭性を充分に改善できない。より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは65質量%以上である。
なお、酸化物の残りの成分組成は特に限定されないが、単独酸化物として換算したときに、例えばSiO2やAl23、MnOであればよい。SiO2やAl23、MnO以外の「その他」の成分は5質量%未満であることが好ましい。
鋼材に含まれる酸化物の組成は、鋼材の断面を例えばEPMA(Electron Probe X−ray Micro Analyzer;電子線マイクロプローブX線分析計)で観察し、観察視野内に認められる介在物を定量分析すれば測定できる。EPMAの観察は、例えば加速電圧を20kV,試料電流を0.01μA,観察視野面積を1〜5cm2とし、介在物の中央部での組成を特性X線の波長分散分光により定量分析する。分析対象とする介在物の大きさは、最大径が0.2μm以上のものとし、分析個数は少なくとも100個とする。
分析対象元素は、Al,Mn,Si,Ti,Zr,Ca,REM(例えば、LaとCe)およびOとし、既知物質を用いて各元素のX線強度と元素濃度の関係を予め検量線として求めておき、分析対象とする介在物から得られたX線強度と前記検量線から分析対象とする介在物に含まれる元素濃度を定量し、酸素含量が5%以上の介在物を酸化物とする。但し、一つの介在物から複数の元素が観測された場合には、それらの元素の存在を示すX線強度の比から各元素の単独酸化物に換算して酸化物の組成を算出する。本発明の鋼材では、こうして個々の酸化物について得られた定量結果を平均したものを酸化物の平均組成とする。
上述したように、本発明の鋼材においては、HAZ靭性を向上させるためにREMおよび/またはCaと、Zrを鋼材に複合添加し、鋼材にREMおよび/またはCaと、Zrとを単独酸化物もしくは複合酸化物として含有するように調整するが、鋼材に含有させる酸化物の組成を調整しても脆性亀裂停止特性を改善することはできない。
そこで本発明者らは、所定の酸化物を含有させて向上させたHAZ靭性を劣化させることなく、脆性亀裂停止特性を改善するために検討したところ、厚みt(mm)の鋼材の金属組織を観察したときに、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径が25μm以下であれば、鋼材の脆性亀裂停止特性を改善することができ、上記HAZ靭性も劣化させないことが明らかになった。
このことは後述する実施例から明らかであり、特に図2には、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径と脆性亀裂停止特性(0℃でのKca値)との関係を示している。この図2によれば、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径が小さいほど脆性亀裂停止特性が改善(0℃でのKca値が大きく)されていることが分かる。
このように鋼材表面におけるフェライト粒の平均粒径を小さくすれば脆性亀裂停止特性が改善できる理由については次のように考えられる。即ち、脆性亀裂の伝播は、結晶粒と結晶粒の境界(結晶粒界)が亀裂伝播の抵抗となるため、結晶粒界が密に存在していれば、脆性破壊自体が発生し難くなるし、微小な脆性亀裂が発生したとしても亀裂の伝播が停止されると考えられる。そのためフェライト粒を微細化すれば、発生した脆性亀裂の伝播を停止できる。
本発明では、上記平均粒径を25μm以下とすることで、脆性破壊伝播停止試験(詳細については実施例参照)において0℃でのKca:5900N/mm1.5以上を確保することができ、脆性亀裂停止特性を改善できる。上記平均粒径は、20μm以下であることが好ましい。
上記フェライト粒の平均粒径は、例えば次に示す手順で算出できる。まず、鋼材のおもて面と裏面を含み、圧延方向に平行で且つ鋼材表面(鋼材のおもて面)に対して垂直な面が露出するようにサンプルを切り出し、この露出面を研磨して鏡面仕上げする。
露出面の研磨方法は特に限定されず、例えば、#150〜#1000までの湿式エメリー研磨紙を用いて研磨するか、それと同等の機能を有する研磨方法を用いて研磨すればよい。また、鏡面仕上げを行なう際には、ダイヤモンドスラリーなどの研磨剤を用いればよい。
鏡面仕上げしたサンプルは3%ナイタール溶液を用いて腐食し、フェライト組織の結晶粒界を現出させた後、鋼材表面からt/100位置までの領域を、倍率100倍または400倍として写真撮影する。撮影された写真を画像解析し、観察視野内に認められるフェライト粒の板厚方向の長さを測定し、これを平均したものをフェライト粒の平均粒径とする。
なお、上記フェライト粒の平均粒径は、鋼材表面からt/100位置までの領域において観察する。鋼板表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の粒径が適切に制御されていれば、鋼板表面部のみならず、鋼板全体の脆性亀裂停止特性が向上することが本発明者らの検討により明らかになったからである。
鋼材表面からt/100位置までの領域における金属組織は、フェライトを主体とする。フェライト主体とは、フェライトの分率が50体積%以上であることを意味し、鋼材断面の金属組織を観察したときに、フェライトの面積率が50%以上であればよい。フェライトの面積率は、好ましくは55%以上であり、より好ましくは60%以上である。
上記金属組織の残部は、第二相として、パーライトやベイナイト、マルテンサイト等が生成していればよく、その種類は特に限定されない。第二相の面積率は50%未満であればよく、好ましくは45%未満、より好ましくは40%未満である。
次に、本発明の鋼材(母材)における成分組成について説明する。本発明の鋼材は、REM:0.001〜0.1%および/またはCa:0.0003〜0.02%と、Zr:0.001〜0.05%を含有するところに特徴がある。こうした範囲を定めた理由は以下の通りである。
REM、CaおよびZrは、鋼材中にREMの単独酸化物やCaの単独酸化物(CaO)、Zrの単独酸化物(ZrO2)、或いはREMおよび/またはCaと、Zrとの複合酸化物を形成してHAZの靭性向上に寄与する元素である。本発明の鋼材では、REMとCaは夫々単独で用いても併用してもよい。
REMを含有させる場合は、0.001%以上とすべきであり、好ましくは0.006%以上、より好ましくは0.010%以上である。しかし過剰に添加すると、REMの硫化物が生成して母材靭性が劣化するため、0.1%以下に抑えるべきである。好ましくは0.09%以下であり、より好ましくは0.08%以下とする。なお、本発明において、REMとは、ランタノイド元素(LaからLnまでの15元素)およびSc(スカンジウム)とY(イットリウム)を含む意味であり、これらの元素のなかでも、La、CeおよびYよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することが好ましく、より好ましくはLaおよび/またはCeを含有させるのがよい。
Caを含有させる場合は、0.0003%以上とすべきであり、好ましくは0.0005%以上、より好ましくは0.0008%以上である。しかし過剰に添加すると、粗大なCaの硫化物が生成して母材靭性が劣化するため、0.02%以下に抑えるべきである。好ましくは0.015%以下であり、より好ましくは0.01%以下とする。
Zrは、0.001%以上含有させるべきであり、好ましくは0.003%以上、より好ましくは0.005%以上である。しかし過剰に添加すると、粗大なZrの炭化物が生成して母材の靭性が劣化するため、0.05%以下に抑えるべきである。好ましくは0.04%以下であり、より好ましくは0.03%以下とする。
本発明の鋼材は、REMおよび/またはCaと、Zrを含むほか、基本元素として、C:0.03〜0.18%、Si:0.5%以下(0%を含まない)、Mn:0.9〜2.0%、およびN:0.003〜0.01%を含むものである。このような範囲を定めた理由は以下の通りである。
Cは、鋼材(母材)の強度を確保するために欠くことのできない元素であり、こうした効果を発揮させるには、0.03%以上含有させる必要がある。好ましくは0.04%以上であり、より好ましくは0.05%以上である。しかし0.2%を超えると、溶接時にHAZに島状マルテンサイトを多く生成してHAZ靭性の劣化を招くばかりでなく、溶接性にも悪影響を及ぼす。従ってCは0.18%以下、好ましくは0.15%以下、より好ましくは0.12%以下に抑える必要がある。
Siは、脱酸作用を有すると共に鋼材(母材)の強度向上に寄与する元素である。こうした効果を有効に発揮させるには、0.02%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.05%以上、更に好ましくは0.1%以上含有させるのがよい。しかし0.5%を超えると、鋼材(母材)の溶接性や母材靭性が劣化するため、0.5%以下に抑える必要がある。好ましくは0.45%以下であり、より好ましくは0.4%以下に抑えるのがよい。なお、HAZの更なる高靭性が求められる場合、Siは0.3%以下に抑えるのがよい。より好ましくは0.05%以下であり、更に好ましくは0.01%以下である。但し、このようにSi含有量を抑えるとHAZの靭性は向上するが、強度は低下する傾向にある。
Mnは、鋼材(母材)の強度向上に寄与する元素であり、こうした効果を有効に発揮させるには、0.9%以上含有させる必要がある。好ましくは1.0%以上、より好ましくは1.3%以上、更に好ましくは1.5%以上である。しかし、2.0%を超えて過剰に含有させるとHAZ靭性が劣化するので、Mn量は2.0%以下とする。好ましくは1.8%以下であり、より好ましくは1.7%以下である。
Nは、窒化物(例えば、ZrNやTiNなど)を析出する元素であり、該窒化物は溶接時にHAZに生成するオーステナイト粒の粗大化を防止してフェライト変態を促進するため、HAZ靭性を向上させるのに寄与する。こうした効果を有効に発揮させるため、0.003%以上含有させる。好ましくは0.004%以上である。Nは多いほどオーステナイト粒の微細化が促進されるため、HAZの靭性向上に有効に作用する。しかし0.01%を超えると、固溶N量が増大して母材靭性が劣化する。従ってNは0.01%以下に抑える必要があり、好ましくは0.009%以下、より好ましくは0.008%以下とする。
本発明の鋼材は、上記元素を含むほか、P:0.02%以下(0%を含まない)、S:0.015%以下(0%を含まない)およびAl:0.01%以下(0%を含まない)を満たすものである。このような範囲を定めた理由は以下の通りである。
Pは、偏析し易い元素であり、特に鋼材中の結晶粒界に偏析して靭性を劣化させる。従ってPは0.02%以下に抑制する必要があり、好ましくは0.018%以下、より好ましくは0.015%以下とする。
Sは、Mnと結合して硫化物(MnS)を生成し、母材靭性や板厚方向の延性を劣化させる有害な元素である。またSは、LaやCeと結合してLaSやCeSを生成し、REM酸化物の生成を阻害する。従ってSは0.015%以下に抑えるべきであり、好ましくは0.012%以下、より好ましくは0.008%以下、特に0.006%以下とする。
Alは、脱酸力の強い元素であり、過剰に添加すると酸化物を還元して所望の酸化物を生成し難くなる。従ってAlは0.01%以下に抑える必要があり、好ましくは0.0090%以下、より好ましくは0.0080%以下とする。
本発明で規定する含有元素は上記の通りであって、残部は鉄および不可避的不純物であり、該不可避的不純物として、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる元素(例えば、MgやAs,Seなど)の混入が許容され得る。また、更にTiを積極的に含有させることも可能である。
Ti:0.08%以下(0%を含まない)
Tiは、鋼材中にTiの酸化物を生成してHAZ靭性の向上に寄与する元素である。こうした効果を有効に発揮させるには、Tiは0.005%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.007%以上、更に好ましくは0.01%以上とする。しかし過剰に添加すると、酸化物が多量に生成し過ぎて鋼材(母材)の靭性を劣化させるため、0.08%以下に抑えるべきである。好ましくは0.07%以下であり、より好ましくは0.06%以下とする。
本発明の鋼材には、強度を高めるために、Cu:2%以下(0%を含まない)、Ni:3.5%以下(0%を含まない)、Cr:3%以下(0%を含まない)、Mo:1%以下(0%を含まない)、Nb:0.25%以下(0%を含まない)、V:0.1%以下(0%を含まない)およびB:0.005%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上の元素を含有させることも有効である。こうした範囲を定めた理由は以下の通りである。
Cuは、鋼材を固溶強化させる元素であり、こうした効果を有効に発揮させるには、0.05%以上含有させることが好ましい。より好ましくは0.1%以上であり、更に好ましくは0.2%以上である。特に0.6%以上含有させると、固溶強化のほか、時効析出強化も発揮し、大幅な強度向上が可能となる。しかし2%を超えて含有させると、鋼材(母材)の靭性が低下するため、Cuは2%以下に抑えるのがよい。好ましくは1.8%以下であり、より好ましくは1.6%以下とする。
Niは、鋼材の強度を高めると共に、鋼材の靭性を向上させるのに有効に作用する元素であり、こうした作用を発揮させるには、0.05%以上含有させることが好ましい。より好ましくは0.1%以上であり、更に好ましくは0.2%以上とする。Niは多いほど好ましいが、高価な元素であるため経済的観点から3.5%以下に抑えることが好ましい。より好ましくは3.3%以下であり、更に好ましくは3%以下とする。
Crを添加して強度を高めるには、0.01%以上含有させることが好ましい。より好ましくは0.02%以上、更に好ましくは0.03%以上である。しかし3%を超えると溶接性が劣化するため、Crは3%以下に抑えることが好ましい。より好ましくは1.5%以下であり、更に好ましくは1%以下である。
Moを添加して強度を高めるには、0.01%以上含有させるのが望ましい。より好ましくは0.02%以上であり、更に好ましくは0.03%以上含有させるのがよい。但し、1%を超えると溶接性を悪化させるため、Moは1%以下とするのが好ましい。より好ましくは0.9%以下であり、更に好ましくは0.8%以下に抑えることが推奨される。
Nbを添加して強度を高めるには、0.005%以上含有させるのが好ましい。より好ましくは0.01%以上であり、更に好ましくは0.03%以上である。しかし0.25%を超えると炭化物(NbC)が析出して母材靭性が劣化するので、Nbは0.25%以下に抑えるのが好ましい。より好ましくは0.23%以下であり、更に好ましくは0.20%以下とする。
Vを添加して強度を高めるには、0.005%以上含有させるのが望ましい。より好ましくは0.01%以上、更に好ましくは0.03%以上含有させるのがよい。しかし0.1%を超えると、溶接性が悪化すると共に母材靭性が劣化するため、Vは0.1%以下とするのが好ましい。より好ましくは0.08%以下、更に好ましくは0.06%以下に抑えるのがよい。
Bは、鋼材の強度を高めると共に、溶接時に加熱されたHAZが冷却される過程で鋼中のNと結合してBNを析出し、オーステナイト粒内からのフェライト変態を促進させる。こうした効果を有効に発揮させるには、0.0003%以上含有させるのが好ましい。より好ましくは0.0005%以上であり、更に好ましくは0.0008%以上である。しかし0.005%を超えると、鋼材(母材)の靭性が劣化するため、Bは0.005%以下とするのが好ましい。より好ましくは0.004%以下であり、更に好ましくは0.003%以下とするのがよい。
次に、本発明の鋼材を製造するに当たり、好適に採用できる製法について説明する。鋼材中に、REMおよび/またはCaと、Zrとを単独酸化物もしくは複合酸化物として適量含有させるには、後記の実施例から明らかなように、REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、Zrを添加する直前の溶存酸素量を適切に制御する。即ち、溶存酸素量を適切に制御した溶鋼へ、REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、Zrを複合添加することが有効である。この方法で製造すれば、REMやCa、Zrの添加量をある程度多くしても上記酸化物を確実に形成させることができ、結果としてREMの硫化物やCaの硫化物、或いはZrの炭化物の生成を防止することができるからである。
このとき上記元素を複合添加する前の溶存酸素量は、0.0020%以上に調整するのがよい。溶存酸素量が0.0020%未満では、REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、Zrを複合添加しても、酸素量不足になるため、HAZの靭性向上に寄与する酸化物量を確保することができず、しかも酸化物を形成できなかったREMやCaが硫化物を形成したり、Zrが炭化物を形成して母材靭性を劣化するからである。溶存酸素量は、0.0025%以上に調整することが好ましく、より好ましくは0.0030%以上である。しかし溶存酸素量が0.010%を超えていると、溶鋼中の酸素量が多すぎるため、溶鋼中の酸素と上記元素の反応が激しくなり溶製作業上好ましくない。従って溶存酸素量は0.010%以下に抑えるべきであり、好ましくは0.008%以下、より好ましくは0.007%以下とする。
上記REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、Zrを複合添加した後は、合金元素を添加して鋼材の成分を調整すればよい。
なお、上記溶存酸素量を調整した溶鋼へ上記元素を添加するに当たっては、REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、Zrを複合添加すればよく、例えばREMとCaを複合添加する場合には、(a)溶存酸素量を調整した溶鋼へREMとCaとZrを添加した後、合金元素を添加して鋼材の成分を調整してもよいし、(b)溶存酸素量を調整した溶鋼へREM(あるいはCa)とZrを添加した後、Ca(あるいはREM)以外の合金元素を添加して鋼材の成分を調整し、次いでCa(あるいはREM)を添加してもよい。
上記溶存酸素量を調整した溶鋼へ、REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、Zrを複合添加する手順は特に限定されず、例えば(a)REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を添加した後に、Zrを添加してもよいし、(b)Zrを添加した後に、REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を添加してもよいし、(c)REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、Zrを同時に複合添加してもよい。REMとCaを複合添加する場合には、(d)REM(あるいはCa)を添加した後に、Zrを添加し、次いでCa(あるいはREM)を添加してもよいし、(e)REMとCaとZrを同時に複合添加してもよい。
本発明の鋼材がTiを含む場合は、溶存酸素量を調整した溶鋼へ、REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、Zrを複合添加した後に、(a)鋼材の成分調整する際に併せてTiを添加してもよいし、(b)鋼材の成分調整した後に、Tiを添加してもよい。好ましくは溶存酸素量を調整した溶鋼へ、REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、TiとZrを添加するのが好ましい。
上記Tiを含む場合は、溶存酸素量を調整した溶鋼へ、REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とZrを添加するに先立って、Tiを添加することが推奨される。溶存酸素量を調整した溶鋼へ、Tiを添加すれば、まずTi23が形成されるが、Ti23は溶鋼との界面エネルギーが小さいため、形成されたTi23のサイズは微細になる。次いでREMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、Zrを複合添加することによってREMの酸化物やCaO、ZrO2が、上記Ti23を生成核として成長するため、結果的に粒子の個数が増大し、溶接時のHAZにおけるオーステナイト粒の粗大化抑制効果が大きくなる。
ところで、転炉や電気炉で一次精錬された溶鋼中の溶存酸素量は、通常0.010%を超えている。そこで本発明の製法では、REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、Zrを複合添加する前、或いはTiを添加する前に、溶鋼中の溶存酸素量を上記範囲に調整する必要がある。溶存酸素量を調整する方法としては、例えばRH式脱ガス精錬装置を用いて真空C脱酸する方法や、SiやMn,Ti,Alなどの脱酸元素を添加する方法などが挙げられ、勿論これらの方法を適宜組み合わせて溶存酸素量を調整しても良い。また、RH式脱ガス精錬装置の代わりに、取鍋加熱式精錬装置や簡易式溶鋼処理設備などを用いて溶存酸素量を調整しても良い。この場合、真空C脱酸による溶存酸素量の調整はできないため、溶存酸素量の調整にはSi等の脱酸元素を添加する方法を採用すれば良い。Si等の脱酸元素を添加する方法を採用するときは、転炉から取鍋へ出鋼する際に脱酸元素を添加しても構わない。
溶鋼へ添加するREMやCa,Zr,Tiの形態は特に限定されず、例えば、REMとして、純Laや純Ce,純Yなど、或いは純Ca,純Zr,純Ti、更にはFe−Si−La合金,Fe−Si−Ce合金などのREM合金,Fe−Si−Ca合金,Fe−Ca合金,Ni−Ca合金などのCa合金,Fe−Si−La−Ce合金などのREM−Ca合金などを添加すればよい。また、溶鋼へミッシュメタルを添加してもよい。ミッシュメタルとは、セリウム族希土類元素の混合物であり、具体的には、Ceを40〜50%程度,Laを20〜40%程度含有している。但し、ミッシュメタルには不純物としてCaを含むことが多いので、ミッシュメタルがCaを含む場合は本発明で規定する範囲を満足する必要がある。
一方、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径を25μm以下にするには、鋳造して得られたスラブを加熱して粗圧延した後、仕上げ圧延の温度域を調整するために空冷または強制冷却し、次いでオーステナイト再結晶温度域、オーステナイト未再結晶温度域または2相温度域で真ひずみ量0.5以上として仕上げ圧延すればよい。仕上げ圧延の温度域を、適切な温度域とすることで、フェライト粒を微細化できるからである。即ち、温度管理せずに常法に従って圧延した後、空冷または強制冷却して得られる金属組織は、平均粒径がせいぜい約35μm以上のフェライト組織であるため、脆性亀裂停止特性を充分に改善できない。これに対し、適切な温度域で仕上げ圧延してやれば、フェライト粒を一段と微細化できる。特に、2相温度域で仕上げ圧延すれば、フェライト粒を直接変形させることができるため、真ひずみが大きく導入され、フェライト粒を一層微細化できる。
仕上げ圧延では、真ひずみ量を0.5以上とするのがよい。真ひずみ量が0.5未満では、フェライト粒の微細化が不充分になることがあり、脆性亀裂停止特性を充分に改善できないことがあるからである。真ひずみ量は多くするほど好ましく、多くすればフェライト粒が小さくなる。
上記仕上げ圧延を行なう温度域は鋼材の化学成分組成によって多少変化する。そこで本発明では、鋼材の表面温度が900℃以下の領域で導入する真ひずみ量を0.5以上として仕上げ圧延する。但し、仕上げ圧延の温度域が低くなり過ぎると、フェライト組織の加工脆化が著しくなり、脆性亀裂停止特性が低下する傾向がある。従って仕上げ圧延終了温度は、「Ar3変態点−40℃」以上とするのがよい。Ar3変態点の温度は、鋼材に含まれる化学成分の含有量に基づいて下記(1)式で算出できる。上記温度は、鋼材表面からt/100位置までの温度を上記範囲で制御すればよい。
Ar3変態点(℃)=868−369×[C]+24.6×[Si]−68.1×[Mn]−36.1×[Ni]−20.7×[Cu]−24.8×[Cr]+190×[V] …(1)
但し、[ ]は、各元素の含有量(質量%)を示している。
上記真ひずみ量は、鋼材の表面温度が900℃での鋼片厚みをt、仕上げ圧延終了温度での鋼片厚みをtfとしたとき、下記(2)式で算出できる。
真ひずみ=ln(t/t) …(2)
但し、仕上げ圧延開始温度が900℃を下回る場合には、仕上げ圧延開始時における鋼材厚みをtとして上記真ひずみを算出する。なお、仕上げ圧延開始温度が900℃を超える場合には、鋼材の表面温度が900℃での鋼片厚みをtとする。
仕上げ圧延終了後は、常法に従って冷却すればよい。冷却方法は特に限定されず、空冷してもよいし、強制冷却してもよい。
こうして得られる本発明の鋼材は、例えば橋梁や高層建造物、船舶などの構造物の材料として使用でき、小〜中入熱溶接はもとより大入熱溶接(例えば、40kJ/mm以上)においても、溶接熱影響部の靭性劣化を防ぐことができると共に、脆性亀裂停止特性にも優れたものとなる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
溶銑を240トン転炉で一次精錬した後、該転炉から取鍋へ出鋼し、成分調整および温度調整しながら二次精錬を行った。
取鍋では、下記表1に示す脱酸方法で、下記表1に示す溶存酸素量に調整した。その後、下記表1に示す順序で元素を添加した。表1において、LaはFe−La合金の形態で、CeはFe−Ce合金の形態で、REMはLaを50%程度とCeを25%程度含有するミッシュメタルの形態で、CaはNi−Ca合金、またはCa−Si合金、またはFe−Ca圧粉体の形態で、ZrはZr単体で、TiはFe−Ti合金の形態で、夫々添加した。なお、表1におけるNo.16の溶存酸素量「−」は、定量限界未満であることを示す。
次いで必要に応じて残りの合金元素を添加して最終的に下記表2に示す組成(残部は鉄および不可避不純物)に調整した。なお、二次精錬にはRH式脱ガス精錬装置等を用いて脱Hや脱Sなどを行なった。表2において、「−」は元素を添加していないことを示しており、「未満」は元素を添加していないが不可避的に含まれていたため、検出されたが定量限界未満の範囲であったことを意味している。
成分調整した溶鋼を、連続鋳造機でスラブに鋳造し、得られたスラブを加熱した後、粗圧延し、仕上げ圧延の温度域を調整するために空冷または強制冷却した後、次いで仕上げ圧延した。仕上げ圧延の条件として、下記表3に仕上げ圧延終了温度(表面温度)を示した。表面温度は、圧延ライン上に設置された放射型温度計を用いて測定した実測値である。表3には、鋼板に含まれる化学成分の含有量に基づいて、上記(1)式からAr3変態点の温度を算出して示した。
上記(2)式から鋼材の表面温度が900℃以下の領域で導入した真ひずみ量を算出し、下記表3に示した。仕上げ圧延終了後は、表3に示す条件で冷却した。表3に示した冷却速度は、冷却開始温度から500℃までの平均値である。
得られた鋼板を用いて、EPMAによる介在物組成の調査、HAZ靭性の評価、金属組織の観察、および脆性亀裂停止特性の評価を、それぞれ下記の要領で実施した。
〈介在物組成の調査〉
各鋼板のt/4位置における横断面からサンプルを切り出した。切り出されたサンプル表面を島津製作所製「EPMA−8705(装置名)」を用いて600倍で観察し、最大径が0.2μm以上の析出物について成分組成を定量分析した。観察条件は、加速電圧を20kV,試料電流を0.01μA,観察視野面積を1〜5cm2,分析個数を100個とし、特性X線の波長分散分光により析出物中央部での成分組成を定量分析した。分析対象元素は、Al,Mn,Si,Ti,Zr,Ca,La,CeおよびOとし、既知物質を用いて各元素の電子線強度と元素濃度の関係を予め検量線として求めておき、次いで、前記析出物から得られた電子線強度と前記検量線からその析出物の元素濃度を定量した。
得られた定量結果のうち酸素含量が5%以上の析出物を酸化物とし、平均したものを酸化物の平均組成とした。全酸化物の平均組成を下記表4に示した。なお、Tiの酸化物およびREMの酸化物は、金属元素をMで表すと、鋼材中にM23やM35,MO2の形態で存在するが、これらの酸化物をM23に換算して酸化物の組成を算出した。また、一つの介在物から複数の元素が観測された場合には、それらの元素の存在を示すX線強度の比から各元素の単独酸化物に換算して酸化物の組成を算出した。なお、表4中の「その他」とは、分析対象としていない元素の酸化物(例えば、MgOなど)の総量である。
上記サンプル表面をEPMAで観察した結果、観察された酸化物は、REMおよび/またはCaと、Zrとを含む複合酸化物、或いは更にTiを含む複合酸化物が大半であったが、単独酸化物としてREMの酸化物、CaO、ZrO2、Ti23も生成していた。
〈HAZ靭性の評価〉
次に、溶接時に熱影響を受けるHAZの靭性を評価するために、大入熱溶接(入熱量40〜60kJ/mm)を模擬して溶接再現試験を行なった。溶接再現試験は、上記鋼片全体が1400℃になる様に加熱し、この温度で30秒または50秒間保持した後、冷却して行った。冷却速度は、800℃から500℃に冷却するときの時間(Tc)が300秒となるように調整した。
冷却後の鋼片からJISZ2242(2006)で規定されているVノッチシャルピー試験片を3本採取した。次に、該試験片を用いて−40℃でシャルピー衝撃試験を行い、吸収エネルギー(vE-40)を測定し、上記3本の試験片の平均値を求めた。30秒間保持したときと、50秒間保持したときの両方で、vE-40が100J以上のものをHAZ靭性に優れると評価した。測定結果を下記表5に示す。
〈金属組織の観察(円相当径の測定手順)〉
鋼板のおもて面と裏面を含むと共に、圧延方向に平行で且つ鋼材表面(鋼材のおもて面)に対して垂直な面が露出するようにサンプルを切り出し、この露出面を研磨して鏡面仕上げした。露出面の研磨には#150〜#1000までの湿式エメリー研磨紙を用いて研磨した後、研磨剤としてダイヤモンドスラリーを用いて鏡面仕上げした。
鏡面仕上げしたサンプルは3%ナイタール溶液を用いて腐食し、フェライト組織の結晶粒界を現出させた後、鋼材表面からt/100位置までの領域を、倍率100倍または400倍で撮影し、6cm×8cmの写真とした(即ち、100倍では600μm×800μm、400倍では150μm×200μmに相当する)。写真の6cmの辺は板厚方向に対応し、8cmの辺は圧延方向に対応している。撮影された写真を画像解析し、観察視野内に認められるフェライト粒の板厚方向の長さを測定し、これを平均したものをフェライト粒の平均粒径とする。結果を下記表5に示す。
また、上記真ひずみ量と平均フェライト粒径の関係を図1に示す。図1から明らかなように、真ひずみ量を0.5以下に制御すれば、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径を25μm以下に制御することができる。
フェライト粒の平均粒径を算出する際に、鋼材表面からt/100位置までの領域における金属組織を観察し、フェライト面積率も同時に測定した。その結果、金属組織に占めるフェライトの面積率は50%以上であった。
なお、倍率が100倍の場合は、観察視野数を少なくとも6枚とし、400倍の場合は、観察視野数を少なくとも35枚とした。
<脆性亀裂停止特性の評価>
脆性亀裂停止特性は、社団法人日本溶接協会(WES)発行の鋼種認定試験方法(2003年3月31日制定)で規定される「脆性破壊伝播停止試験」に準じて行った。試験は、脆性破壊伝播停止試験方法の図7.2に示されている形状の試験片を用い、該試験片に−190℃〜+60℃の範囲から選ばれる任意の温度範囲で温度勾配をつけて4試験体分行った。Kca値は下記(3)式で算出した。下記(3)式中、cは伝播部入口から脆性亀裂先端までの長さ、Tは脆性亀裂先端の温度(単位はK)、σは伝播部のグロス応力、Wは伝播部幅を示している。
Figure 2008088487
X軸を1/T、Y軸を算出したKca値として1/TとKca値の相関関係を示すグラフを作成し、4点の近似曲線と273Kとの交点を0℃でのKca値とした。0℃でのKca値を下記表5に示す。また、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径と脆性亀裂停止特性との関係を図2に示す。本発明では、0℃でのKcaが5900N/mm1.5以上の場合を合格(脆性亀裂停止特性に優れる)とする。
HAZ靭性と脆性亀裂停止特性の両方の特性を満足している例を本発明例(○)とし、少なくとも一方の特性を満足しない例を比較例(×)として総合判定した。判定結果を下記表5に示す。
Figure 2008088487
Figure 2008088487
Figure 2008088487
Figure 2008088487
Figure 2008088487
表5と図2から次のように考察できる。下記No.は、表5のNo.を意味している。No.1,2,4,5,7〜11,13〜18,20〜22,24,26〜29は、鋼材に酸化物としてREMの酸化物および/またはCaOと、ZrO2を含有しているため、溶接熱影響部の靭性が良好な鋼材が得られている。また、鋼材表面からt/100位置までの領域における金属組織が適切に制御されているため、脆性亀裂停止特性にも優れている。
No.3,6,12,19,23,25は、金属組織が適切に制御されていないため、脆性亀裂停止特性を改善するこができていない。No.30〜46は、鋼材に酸化物としてREMの酸化物および/またはCaOと、ZrO2の何れか一方を含有していないため、溶接熱影響部の靭性が劣っている。No.32,37,38,42,44,46については、脆性亀裂停止特性も劣っている。
図1は、真ひずみ量と平均フェライト粒径の関係を示すグラフである。 図2は、平均フェライト粒径と脆性亀裂停止特性との関係を示すグラフである。

Claims (8)

  1. C :0.03〜0.18%(「質量%」の意味。以下同じ)、
    Si:0.5%以下(0%を含まない)、
    Mn:0.9〜2.0%、および
    N :0.003〜0.01%を含み、
    P :0.02%以下(0%を含まない)、
    S :0.015%以下(0%を含まない)、および
    Al:0.01%以下(0%を含まない)を満足すると共に、
    更に、REM:0.001〜0.1%および/またはCa:0.0003〜0.02%と、
    Zr:0.001〜0.05%を夫々含有し、
    残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼材であって、
    REMおよび/またはCaと、Zrとを単独酸化物もしくは複合酸化物として含有し、且つ
    厚みt(mm)の鋼材の金属組織を観察したときに、鋼材表面からt/100位置までの領域におけるフェライト粒の平均粒径が25μm以下であることを特徴とする溶接熱影響部の靭性および脆性亀裂停止特性に優れた鋼材。
  2. 前記鋼材に含まれる全酸化物の組成を測定し、単独酸化物として質量換算したときに、REMの酸化物および/またはCaOの合計が5%以上で、ZrO2が5%以上を満足するものである請求項1に記載の鋼材。
  3. 前記鋼材が、更に他の元素として、Ti:0.08%以下(0%を含まない)を含むと共に、前記Tiを単独酸化物または複合酸化物として含有するものである請求項1または2に記載の鋼材。
  4. 前記鋼材に含まれる全酸化物の組成を測定し、単独酸化物として質量換算したときに、Tiの酸化物が0.3%以上を満足するものである請求項3に記載の鋼材。
  5. 前記鋼材が、更に他の元素として、
    Cu:2%以下(0%を含まない)、
    Ni:3.5%以下(0%を含まない)、
    Cr:3%以下(0%を含まない)、
    Mo:1%以下(0%を含まない)、
    Nb:0.25%以下(0%を含まない)、
    V :0.1%以下(0%を含まない)、および
    B :0.005%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上の元素を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の鋼材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の鋼材を製造する方法であって、溶存酸素量を0.0020〜0.010%の範囲に調整した溶鋼へ、REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、Zrを添加することを特徴とする溶接熱影響部の靭性および脆性亀裂停止特性に優れた鋼材の製法。
  7. 請求項3〜5のいずれかに記載の鋼材を製造する方法であって、溶存酸素量を0.0020〜0.010%の範囲に調整した溶鋼へ、REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、TiとZrを添加することを特徴とする溶接熱影響部の靭性および脆性亀裂停止特性に優れた鋼材の製法。
  8. 上記溶存酸素量を調整した溶鋼へ、REMおよびCaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とZrを添加するに先立って、Tiを添加する請求項7に記載の製法。
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