JPH03236419A - 溶接熱影響部靭性と耐ラメラーティアー性に優れた厚鋼板の製造法 - Google Patents

溶接熱影響部靭性と耐ラメラーティアー性に優れた厚鋼板の製造法

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JPH03236419A
JPH03236419A JP3189090A JP3189090A JPH03236419A JP H03236419 A JPH03236419 A JP H03236419A JP 3189090 A JP3189090 A JP 3189090A JP 3189090 A JP3189090 A JP 3189090A JP H03236419 A JPH03236419 A JP H03236419A
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toughness
steel plate
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less
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JP3189090A
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Yoshio Terada
好男 寺田
Rikio Chijiiwa
力雄 千々岩
Hiroshi Tamehiro
為広 博
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は溶接熱影響部(以下HAZと呼ぶ)の低温靭性
が優れた高張力鋼板の製造法に関する。
この方法で製造した鋼は海洋構造物、圧力容器、造船、
橋梁、建築、ラインパイプなと溶接鋼構造物に用いるこ
とができる。
(従来の技術) 低合金鋼のHAZ靭性は、(1)結晶粒のサイズ、(2
)高炭素島状マルテンサイト(M+)、上部ベイナイト
(Bu)などの硬化相の分散状態、(3)粒界脆化の有
無、(4)元素のミクロ偏析なと種々の冶金学的要因に
支配される。なかでもHAZの結晶粒のサイズは低温靭
性に大きな影響を与えることが知られており、HAZ組
織を微細化する数多くの技術が開発実用化されている。
例えば、TiNを微細分散させ、50kg f / a
+4級高張力鋼の溶接時のHAZ靭性を改善する手段が
開示されている(昭和54年6月発行「鉄と鋼」第65
巻第8号1232頁)。しかしこれらの析出物は溶接時
には溶融線(以下FLと呼ぶ)近傍では大部分が溶解さ
れ、HAZ組織の粗粒化を生じHAZ靭性が劣化すると
いう欠点を有する。
この問題に対して、本発明者の一部は鋼中にTi酸化物
を微細分散させ、溶接時のHAZにおいて粒内アシキュ
ラーフェライト(以下IFPと呼ぶ)を生成させること
により、HAZ組織が微細化され、HAZ靭性を著しく
改善できることを、特開昭83−210235号、特開
平1−15321号各公報に示した。
その後溶接HAZ組織と靭性の関係を鋭意検討した結果
、鋼中にTi酸化物を微細分散させた鋼においても、北
南域やLPGタンクなどの極低温の環境で使用される鋼
板のHAZ靭性は十分とは言えない。
さらに晦洋構造物などでは板厚方向の特性も問題となり
、板厚方向に応力が作用するために耐ラメラ−ティア−
性が要求される。しかしながら現在のところFL近傍ま
でHAZ組織を安定して微細化し、板厚方向の特性を改
善する技術は存在しない。
(発明か解決しようとする課題) 本発明は溶接HAZ靭性と耐ラメラ−ティア−性の優れ
た高張力鋼板の製造法を提案するものである。本発明の
高張力鋼は溶融線棒近傍を含めたHAZ全域で組織が微
細化し、優れた低温靭性と良好な耐ラメラ−ティア−性
を有する。
(課題を解決するための手段) 本発明の要旨は、溶存酸素量が0.003〜0.020
%の溶鋼中にTiをo、oio〜0.040%添加し、
その後30分以内にZrを0.005〜0.030%添
加し、さらに15分以内にCaを0.001〜0.01
0%添加した後、連続鋳造法により凝固を完了させ、重
量%でC:0.03〜0.15%、Si:0.6%以下
、Mn:0.8〜2.0%、P :0.025%以下、
S : 0.005%以下、Aに0.004%以下、N
b:0.003〜0.(160%、N : 0.002
0〜0.0060%、T i:0.005〜0.020
%、Zr:0.00’3〜0.015%、Ca:0.0
005〜0.0050%、0 : 0.(101〜0.
001i%を含有し、且つ−0.010%≦(Ti) 
−21[0) −(0.35CZ「〕+0.25 (C
a〕)I−3,4CN)  ≦+[1,010%を満足
し、残部が鉄および不可避的不純物からなる実質的にA
lを含有しない鋳片を、1250”C以下の温度で再加
熱後、鋼板を製造すること、および溶存酸素量が0.0
03〜(1,(120%の溶鋼中にTiを0.010〜
0.040%添加し、その後30分以内にZrを0.0
05〜0.030%添加し、さらに15分以内にCaを
o、ooi〜o、oto%添加した後、連続鋳造法によ
り凝固を完了させ、重量%てC: 0.03〜0.15
%、S i:0.6%以下、Mn : 0.8〜2.0
%、P :0.025%以下、S :0.005%以下
、A、& : 0.004%以下、Nb : 0.00
3〜0.060%、N : 0.0020〜o、ooe
o%、T i:o、005〜0.020%、Zr:0.
003〜0.015%、0:0.001〜0.0O6%
に、さらにB:0.0003〜O,0OLO%、N i
 : 0.05〜4.00%、Cu:0.05〜1.5
0%、Cr:0.05〜1.00%、V:0.005〜
0 、080%、Mo:0.05〜0.40%の一種ま
たは二種を含有し、且つ−0.010%≦(Ti)  
21 (0)−(0.35[Zr)  +0.25 C
Ca) )l −3.4〔N〕 ≦+ 0.010%を
満足し、残部が鉄および不可避的不純物からなる実質的
にAρを含有しない鋳片を、1250’C以下の温度で
再加熱後、鋼板を製造することである。
(作  用) 以下に本発明について詳細に説明する。
発明者らの研究によれば、HAZ靭性は(1〉鋼の化学
成分、(2)組織(結晶粒の大きさと硬化相の分布状!
!りに大きく依存し、鋼成分の適正化とこれによる結晶
粒の微細化が高靭性化に不可欠であると考えられる。発
明者の一部が特開昭63−210235号、特開平1−
15321号各公報に示したように、TI酸化物を微細
分散させた鋼は、溶接時のHAZ (とくにFL近傍)
において、IFPを生成させることによりHAZ組織が
微細化され、HAZ靭性を著しく改善できる。
一方、発明者らは特開平1−159356号公報、およ
び平成1年t2月29日出願の明細書に示したように、
TiとZrの複合酸化物は鋳片全厚にわたって微細均一
分散が可能なこと、および酸化物を核としてIFPが生
成することから、板厚中心部を含めた全ての板厚位置に
おいて、HAZの全域で組織が微細化され、極めて優れ
た低温靭性が得られることを見いだした。
しかしその後の検討の結果、T1とZrの複合酸化物は
、溶鋼中でTiとZrの複合酸化物がクラスター状に凝
集し浮上しやすいため、微細分散させるためには凝固ま
での時間を極力短くしなければいけないことが判明した
そこで凝固までの時間依存性の少ない酸化物について鋭
意検討した結果、TI、Zr、Caの複合酸化物は低融
点の酸化物となり、凝固までの時間依存性が少ないこと
を見いだし、微細分散に極めて有効であることが判明し
た。さらにCaの添加により耐ラメラ−ティア−性も著
しく向上することが判明した。
すなわちT1.Zr、Caの添加方法を規定することに
より、鋼中にTIとZrとCaの複合酸化物(主として
Ti O、ZrO2,CaOか3 らなる酸化物)を多量に微細均一分散させることができ
、HAZ靭性が飛躍的に改善されるとともに、耐ラメラ
−ティア−性も著しく向上することを見いたし本発明に
至った。
T1とZrとCaの複合酸化物を多量に微細分散させた
鋼は、FL近傍の1400℃以上に加熱される領域にお
いても、γ−α変態時にγ粒内に存在するTiとZrと
Caの複合酸化物を核として、IFPを生成し、HAZ
組織を著しく微細化する。
また、FLから離れた領域(FLから5111m程度ま
での領域)においては、微細TiNを含有させることに
よりHAZ靭性を改善できる。これは微細TiNにより
γ粒の粗大化が抑制され、組織が微細化されるためであ
る。
このような効果を有するTj とZrとCaの複合酸化
物を鋼中に多量に微細分散させるためには、まずTiと
zr、l!:Caを添加する溶鋼中の溶存酸素量を0.
003〜0.020%にする必要がある。溶存酸素量が
0.003%未満であるとTL、  Zr、  Caに
よる脱酸後の酸素量が少なくなり、最終的な微細酸化物
の個数が少なくなるためである。
しかし溶存酸素量が0.020%を超えるとTi。
Zr、Caを添加しても脱酸が十分に行なわれず、清浄
度が落ちて母材の靭性が劣化する。Ti。
Zr、Caの添加量は脱酸により、添加量の約50%が
スラグとして出るために最終的に必要とするTf 、Z
r、Ca1lの2倍添加する必要がある。
T1.zr、Caを添加する順序としてはTfを添加し
た後Z「を添加し、その後Caを添加する必要がある。
これは酸素との親和力がTi。
Zr、Caの順に強いために、CaをZrより先に添加
すると鋼中に生成する酸化物はCa主体の酸化物に、ま
たZrをTiより先に添加すると鋼中に生成する酸化物
はZr主体の酸化物となるためである。Ca、Zrの酸
化物からはIFPは全く生成せず、HAZ組織の微細化
効果は期待できない。
Tiを添加しさらにZ「を添加する場合に、TIを添加
後、30分以内にZ「を添加する必要がある。TIを添
加後、30分以上経過するとT1酸化物の凝集・合体お
よび浮上が進むために、最終的に微細な酸化物を鋼中に
均一分散させることができないためである。
Tiを添加後にZ「を添加することにより、溶鋼中に存
在している微細なTi酸化物は酸素との親和力が強い2
「により衝突かつ還元されるために、TIとZrの複合
酸化物となる。そして凝集・合体および浮上が抑えられ
る。さらにZrを添加後15分以内にCaを添加する必
要かある。
Z「を添加後、15分以上経過するとたとえTiとZ「
の複合酸化物でも凝集・合体および浮上が進むために、
最終的に微細な酸化物を鋼中に均一分散させることがて
きないためである。Tiを添加後にZrを、その後Ca
を添加することにより、溶鋼中に存在しているTIとZ
r酸化物は酸素との親和力が最も強いCaにより衝突か
つ還元され、低融点の酸化物を生成するために酸化物は
微細化され、さらに凝集・合体および浮上が抑えられる
ので、最終的に微細な複合酸化物を鋼中に多量に均一分
散させることができる。
さらに酸素と結合して残ったCaは、Sと結合して、圧
延によって伸びないCaSを形成して、耐ラメラ−ティ
ア−性をも著しく向上させる。
通常の製鋼性において鋼中にTiとZrとCaの複合酸
化物、TiNを確保させるには、とくにTi 、Zr、
Ca、N、Ojiとそのバランスノ適正化が必須である
。このためTi 、Zr、Ca。
N、0ffiをそれぞれT i:o、005〜0.02
0%、Zr:0.003〜0.015%、Ca:0.0
005〜0.005%、N:0.0020〜0.006
5%、o :0.001〜0.006%、且つ−0.0
10%≦CTI) −2i [0) −(0.35〔Z
r〕 +0.25 CCa〕)l−3,4[N)≦+0
.010%に限定する必要がある。
TI 、Zr、Ca、N、O量の下限はTi とZrと
Caの複合酸化物、TiN、CaSを生成させるための
必要最小量である。T1.Zr量の上限はTiCやZr
Cの生成によるHAZ靭性の劣化を防止するためである
。Ca量の上限はCaOが多量に生成して鋼の靭性、清
浄度も害するのを防止するためである。N量の上限は固
溶NによるHAZ靭性の劣化を防止するためである。
また0量の上限は非金属介在物の生成による鋼の清浄度
、靭性の劣化を防止するためである。
しかし、単に個々の元素量を限定するだけでは、微細な
Tiと2「とCaの複合酸化物、TiNを同時に安定し
て得ることができないので、Ti。
Zr、Ca量のバランスを一09口lO%S ET+)
21 [0) −(0.35[Zr) +0.25 [
Ca) )l −3.4〔N〕≦+o、oio%に限定
した。T1.Zr。
Ca、N、O量がこの範囲にあるとHAZ靭性は飛躍的
に向上する。
上式はTi  OZrO,、、Cab、TiN23” のみが生成すると考えたとき、化学量論的に見たTIの
過、不足量を表現したものである。下限はTiff1の
不足によるTiNの生成量の不足を防ぐためであり、上
限は過剰のTiによるTiCの析出を防止するためであ
る。
TiとZrとCaの複合酸化物によるHAZ組織の微細
化効果を得るためには、鋼中に適当な大きさの酸化物を
均一に分散させなければならない。
TiとZ「とCaの複合酸化物の粒子径として0.05
〜5−1個数として30〜300個/II!1が望まし
い。
Ti とZrとCaの複合酸化物の粒子径が0.5−以
下、あるいは個数が30al/−以下になるとIFPの
生成能力が弱くなる。またTjと2「とCaの複合酸化
物の粒子径が5ttn以上、あるいは個数が300個/
−以上になるとTiとZrとCaの複合酸化物自身が脆
性き裂の発生点となったり、鋼の清浄度が低下してHA
Zだけでなく母材の低温靭性も劣化する。
なおT1とZrとCaの複合酸化物個数および大きさは
鋳片断面部を研磨した後、光学顕微鏡により測定したも
のである。
しかし、たとえ鋼中にTiとZrとCaの複合酸化物、
TiNを生成させても基本成分が適当でないと優れたH
AZ靭性は得られない。以下にそのほかの基本成分の限
定理由について説明する。
CMの下限0.03%は、母材および溶接部の強度の確
保ならびにNb、Vなどの添加時に、これらの効果を発
揮させるための最小量である。しかしC量が多すぎると
、HAZ靭性に悪影響を及ぼすだけでなく母材靭性、溶
接性を劣化させるので、上限を0.15%とした。
Slは脱酸上鋼に含まれる元素で、Slが多くなると溶
接性、HAZ靭性が劣化するため、その上限を0.6%
とした。本発明鋼ではAll脱酸で十分であり、さらに
Ti脱酸でも良い。SlについてHAZ靭性の点からは
含有量を0.15%程度とすることが望ましい。
Mnは強度、靭性を確保する上で不可欠の元素であり、
その下限は0.8%である。しかしMn量が多すぎると
焼入性が増加して溶接性、HAZ靭性が劣化するたけで
なく、目標とする規格に適合する母材強度を得ることが
できない。このためMn量の上限を2.0%とした。
本発明鋼において、不可避的不純物であるPおよびSを
それぞれ0.025%以下、o、oto%以下とした理
由は、母材、HAZの低温靭性をより一層向上させるた
めである。Pjlの低減は接合部における粒界破壊傾向
を減少させ、Sjlの低減は粒界フェライトの生成を抑
制する傾向がある。最も好ましいP、5ffiはそれぞ
れ0.01%、 0.0050%以下である。
Alは一般に脱酸上鋼に含まれる元素であるが、本発明
では好ましくない元素であり、0.004%以下と限定
した。これはA11が鋼中に含まれていると酸素と結合
してTiの酸化物が生成しなくなるためである。脱酸は
T1およびSlだけでも可能であり、本発明においてA
l量は少ないほど良く、0.003以下が望ましい。
Nbはγ粒界に生成するフェライトを抑制し、Tj酸化
物を核とする微細なIFPの生成を促進する働きがある
。この効果を得るためには最低0.003%のNb量が
必要である。しかしながらNblが多すぎると、逆に微
細なIFPの生成を妨げるのでその上限をo、oeo%
とした。
つぎに、B、NI 、Cu、Cr、V、Mo。
Caを添加する理由について説明する。
基本成分にさらに、これらの元素を添加する主たる目的
は本発明鋼の特徴を損なうことなく、強度・靭性などの
特性の向上をはかるためである。
したがって、その添加量は自ら制限されるべき性質のも
のである。
Bは溶接後の溶融線近傍においてγ粒界に固溶Bとして
偏析し粒界フェライトを抑制する。この効果を得るため
には最低0.0003%のB量が必要である。しかし、
過剰のB添加はFe23(CB)6などの粗大な析出物
かγ粒界に析出して低温靭性を劣化させるので、B量の
上限を0.0015%とする必要がある。
Niは溶接性、HAZ靭性に悪影響を及はすことなく、
母材の強度、靭性を向上させるが、0 、05 %以下
では効果が薄く、4.0%以上の添加は溶接性に好まし
くないために上限を4,0%とした。
CuはNi とほぼ同様の効果とともに耐食性、耐水素
誘起割れ性などにも効果かあるが、1.5%を超えると
熱間圧延時にCu −クラックが発生し、製造困難とな
る。このため上限を1.5%とした。
Crは母材および溶接部の強度を高める元素であるが、
1.0%を超えると溶接性やHAZ靭性を劣化させ、ま
た0、05%以下では効果が薄い。したがってCr量は
0゜05〜1.0%とする。
VはNbとほぼ同じ効果を持つ元素であるが、0.01
%以下では効果が少なく、上限は0.08%まで許容で
きる。
Moは母材および溶接部の強度を高める元素であるが、
0.4%を超えるとC「と同様に母材、接合部の靭性、
溶接性の劣化を招き好ましくない。
また0、05%以下では効果が薄い。したがってM。
量は0.05〜0.4%とする。
鋼の成分を上記のように限定しても、製造法が適切でな
ければ溶接前の鋼中に微細なTiとZrとCaの複合酸
化物やTiNを微細分散させることはできない。このた
め製造条件についても限定する必要がある。
まず、鋼は工業的には連続鋳造で製造することが必須で
ある。この理由は、連続鋳造法では大型鋼塊による造塊
−分塊法に比較して凝固時の冷却速度が速く、スラブ中
に微細なTIとZrとCaの複合酸化物やTiNが多量
に得られるためである。大型鋼塊による造塊−分塊広で
はTIとZrとCaの複合酸化物やTiNを鋳片中に微
細分散させることは難かしい。
鋳片の再加熱温度を1250℃以下とする必要がある。
これ以上の温度で再加熱するとTiNが粗大化して、溶
接前の鋼中に微細なTiNがなくなり、HAZにおける
組織の微細化が不可能になるためである。
なお、本発明においては、鋳片の再加熱は必ずしも実施
する必要はなく、ホットチャージ圧延やダイレクト圧延
を行なっても全く問題はない。
本発明では鋳片再加熱後の圧延法などについては、とく
に限定しないが、いわゆる加工熱処理や圧延後の焼入焼
戻、焼きならし処理が強度、靭性を確保する上で適切で
ある。これは、たとえ優れたHAZ靭性が得られても、
母材の靭性が劣っていると鋼材としては不十分なためで
ある。
母材の低温靭性を優れたものとするには鋼の結晶粒を微
細化する必要がある。加工熱処理の方性としては、(1
)制御圧延、(2)制御圧延−加速伶却、(3)圧延直
接焼入焼戻などが挙げられるが、最も好ましいのは制御
圧延と加速冷却の組合せである。
なお、この鋼を製造後、脱水素などの目的でA c 1
変態点以下の温度に再加熱しても本発明の特徴を損なう
ものではない。
(実 施 例) 表1に実施例を示す。
周知の転炉、連続鋳造、厚板工程で種々の鋼成分の鋼板
を製造し、サブマージドアーク溶接(SAW)を実施し
、HAZ、靭性を一60℃での2m+*Vノツチシャル
ピー試験によって調査した。
試験片は1/4を位置から採取し、ノツチ位置はFL、
HAZlmmとした。さらに、板厚方向の特性(耐ラメ
ラ−ティア−性)を直径10mmの板厚方向引張試験片
により調査した。
表1で明らかなように本発明にかかる鋼が、すべて良好
なHAZ靭性と良好な耐ラメラ−ティア−性を有する。
これに対し比較鋼はことことくHAZや板厚方向の特性
(耐ラメラ−ティア−性)が劣化する。
比較鋼において鋼16はTi量が少なくTiとZrとC
aの複合酸化物によるIFPの生成効果がないことと、
TiNによるγ粒抑制効果がないためにHAZ靭性は劣
化する。鋼17はTfjitが多くTiCの析出により
HAZ靭性は劣化する。鋼18はZr量が少なくTiと
ZrとCaの複合酸化物が生成しないため(こIFPの
生成量が少なくHAZ靭性は劣化する。鋼19は2「量
、が多すぎるためにZrCの析出によりHAZ靭性は劣
化する。
鋼20はCa量が少なくTjとZrとCaの複合酸化物
によるIFPの生成効果がなく、HAZ靭性が劣化する
とともに、板厚方向特性(耐ラメラ−ティア−性)か劣
化する。鋼21はCafiが多すぎるためにCab、C
aSが多量に生成して鋼の靭性が劣化する。鋼22はT
i 、Zr、Ca、N、0のバランスが悪く、HAZ靭
性が劣化する。鋼23はTi 、Zr、Ca、N、Oの
バランスが悪く、HAZ靭性が劣化する。鋼24はAp
量が多くTiと2「とCaの複合酸化物が生成しないた
めにIFPの生成量が少なくHAZ靭性は劣化する。
鋼25はTi添加前の溶存酸素量が少なく最終の酸素量
も少ないために酸化物個数が減少しHAZ靭性は劣化す
る。鋼26はTi添加前の溶存酸素量が多すぎるために
脱酸が十分に行なわれず鋼の清浄度が落ち、母材および
HAZ靭性が劣化する。鋼27はZrを添加してからT
Iを添加したためにZr (!:Ca主体の酸化物が生
威し、IFPが生成しないためにHAZ靭性は劣化する
。鋼28はCaを添加してからZ「を添加したためにT
iとCa主体の酸化物が生成し、酸化物の個数が減少す
るためにHAZ靭性は劣化する。鋼29はTiを添加し
てからZrを添加するまでの時間が長いのでTIとZr
とCaの複合酸化物の個数が少なく、IFPの生成量が
少ないためにHAZ靭性は劣化する。鋼30はZrを添
加してからCaを添加するまでの時間が長いのてTiと
2「とCaの複合酸化物の個数が少なく、 IFPの生成量が少ないた めにHAZ靭性は劣化する。
(発明の効果) 本発明により、母材はもとより溶接HAZ全域において
極めて優れた低温靭性を有する鋼を大量、且つ安価に製
造することが可能になった。その結果、溶接構造物の安
全性を大きく向上させることができた。
代 理 人

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、溶存酸素量が0.003〜0.020%の溶鋼中に
    Tiを0.010〜0.040%添加し、その後30分
    以内にZrを0.005〜0.030%添加し、さらに
    15分以内にCaを0.001〜0.010%添加した
    後、連続鋳造法により凝固を完了させ、 重量%で C:0.03〜0.15%、 Si:0.6%以下、 Mn:0.8〜2.0%、 P:0.025%以下、 S:0.005%以下、 Al:0.004%以下、 Nb:0.003〜0.060%、 N:0.0020〜0.0060%、 Ti:0.005〜0.020%、 Zr:0.003〜0.015%、 Ca:0.0005〜0.0050%、 O:0.001〜0.006% を含有し、且つ −0.010%≦〔Ti−2{〔O〕−(0.35〔Z
    r〕+0.25〔Ca〕)}−3.4〔N〕≦+0.0
    10%を満足し、残部が鉄および不可避的不純物からな
    る実質的にAlを含有しない鋳片を、1250℃以下の
    温度で再加熱後、鋼板を製造することを特徴とする溶接
    熱影響部靭性と耐ラメラーティアー性に優れた厚鋼板の
    製造法。 2、重量%で、 B:0.0003〜0.0010%、 Ni:0.05〜4.00%、 Cu:0.05〜1.50%、 Cr:0.05〜1.00%、 V:0.005〜0.080%、 Mo:0.05〜0.40% の一種または二種 を含有し、且つ −0.010%≦〔Ti〕−2{〔O〕−(0.35〔
    Zr〕+0.25〔Ca〕)}−3.4〔N〕≦+0.
    010%を満足し、実質的にAlを含有しない鋳片であ
    る請求項1記載の溶接熱影響部靭性と耐ラメラーティア
    ー性に優れた厚鋼板の製造法。
JP3189090A 1990-02-13 1990-02-13 溶接熱影響部靭性と耐ラメラーティアー性に優れた厚鋼板の製造法 Pending JPH03236419A (ja)

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