JPH06198394A - 耐ラメラテア性に優れた構造用厚鋼板の製造方法 - Google Patents

耐ラメラテア性に優れた構造用厚鋼板の製造方法

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JPH06198394A
JPH06198394A JP34865792A JP34865792A JPH06198394A JP H06198394 A JPH06198394 A JP H06198394A JP 34865792 A JP34865792 A JP 34865792A JP 34865792 A JP34865792 A JP 34865792A JP H06198394 A JPH06198394 A JP H06198394A
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less
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hot rolling
forging
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JP34865792A
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English (en)
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Noritsugu Itakura
教次 板倉
Tomoya Koseki
智也 小関
Kenichi Amano
虔一 天野
Osamu Tanigawa
治 谷川
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 C:0.01〜0.20%、 Si:0.01〜0.50%、Mn:0.5 〜
2.0 %、 P:0.05%以下、S:0.02%以下、
Al:0.005 〜0.1 %を含有し 残部はFe及び不可避的不
純物の組成になる溶鋼を、連続鋳造し、ついで熱間圧延
を施すことによって構造用厚鋼板を製造するに際し、連
続鋳造工程において、鋳片内部が凝固を完了するクレー
ターエンド近傍に圧下率5%以上の鍛圧加工を施した後
の鍛圧部の厚さをDとし、引き続く熱間圧延後の最終製
品厚をdとしたとき、D/dが1を超えかつ8以下を満
足する条件下に連続鍛圧及び熱間圧延を施す。 【効果】 板厚中央部が健全で耐ラメラテア性が向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、板厚方向の材質特
性、特に耐ラメラテア性に優れた構造用厚鋼板の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、構造物の大型化、複雑化に伴い、
特に厚さ方向に大きな応力が作用する部材において、伸
長したMnS等の非金属介在物に沿って層状に割れるラメ
ラテアが問題となっている。このラメラテアは厚さ方向
の引張試験の絞り値(RAZ)で評価される。
【0003】凝固ままの鋳片には、収縮性欠陥であるザ
ク及び介在物(特に問題となるのはMnS)が存在する。
前者は、圧延により次第に消失する。一方後者は、圧延
により変形し伸長する。ザク性欠陥の改善のためには、
圧下比を大きくすることが有効である。ザク性欠陥が消
失すると板厚中央部が健全になり圧延面と直角の厚み方
向(Z方向)の引張試験における絞り値(RAZ)を改
善でき、耐ラメラテア性が向上する。しかしながら、圧
下比を大きくするとMnSはより伸長するため、かえって
RAZを低下させる。すなわち低圧下比の領域ではRA
Zは主としてザクに支配され、また板厚中央部も健全と
はいい難い。一方、高圧下比の領域では、板厚中央部は
健全ではあるけれども、RAZは主として介在物(Mn
S)に支配され、劣化する。なお、生産性、製造コスト
の点から鋳片の製造方法の主流となっている連続鋳造鋳
片では、圧下比が3程度でRAZが最大になることが知
られている。
【0004】特公昭55-46450号公報には、最終板厚dに
対して1.5 ≦D/d≦5からなる厚みDの鋳片を作り、
この鋳片をオーステナイト結晶粒度がASTM No.2 好まし
くはNo.4より細かくなる温度域に再加熱し、圧延するこ
とからなる耐ラメラテア鋼の製造方法が開示されてい
る。しかしながら、この方法には、結晶粒の粗大化を防
止するため、加熱温度を厳密に管理しなければならない
という問題があり、生産性に問題があった。また、この
方法では、耐ラメラテア性を従来法より低温で加熱し、
低圧下比圧延とすることにより改善するものであるた
め、連続鋳造法により製造された鋳片の中央部に多数存
在する収縮性欠陥(ザク)が、圧延された後でも未圧着
の場合があり、鋼板板厚中央部の健全性にも問題を残し
ていた。
【0005】ザクの圧着に関しては、特公昭58-921号公
報に、熱間圧延によって鋳片から鋼材を製造するに当た
って、鋳片厚みをD、製品厚みをd、各圧延パス前後に
おける鋳片厚みをh1,h2 (h1 >h2 )、ロール半径
をRとしたとき、D/d≦6で、かつ少なくとも1回以
上の圧延パスに対して、次式
【数1】 {R(h1 −h2 )}1/2 /{(h1 +h2 )/2}≧ 0.8 を満足させることを特徴とする圧延方法が開示されてい
る。このようにザク圧着に関しては、鋳片自体のザク発
生はやむおえないものとして、主として鋳片に相当量の
圧延加工を加え消失させることを目指していた。しかし
ながら、この方法では、圧延工程に特別な注意を払う必
要があり、やはり生産性に問題を残していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の問
題を有利に解決するもので、生産性を損なうことなしに
板厚方向の材質特性に優れた厚鋼板を有利に製造するこ
とができる方法を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】さて発明者らは、上記の
問題を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、連続鋳造工
程及び熱間圧延工程に工夫を加え、鍛圧加工を利用して
連鋳鋳片の収縮性欠陥を減少すると共に、熱延条件を適
正化することにより、耐ラメラテア性が著しく向上する
ことの知見を得た。この発明は、上記の知見に立脚する
ものである。
【0008】すなわち、この発明の要旨構成は次のとお
りである。 1.C:0.01〜0.20mass%(以下単に%で示す)、Si:
0.01〜0.50%、 Mn:0.5 〜2.0 %、P:0.05%以
下、 S:0.02%以下、Al:0.005 〜0.1 %を含
有し 残部はFe及び不可避的不純物の組成になる溶鋼
を、連続鋳造し、ついで熱間圧延を施すことによって構
造用厚鋼板を製造するに際し、連続鋳造工程において、
鋳片内部が凝固を完了するクレーターエンド近傍に圧下
率5%以上の鍛圧加工を施した後の鍛圧部の厚さをDと
し、引き続く熱間圧延後の最終製品厚をdとしたとき、
D/dが1を超えかつ8以下を満足する条件下に連続鍛
圧及び熱間圧延を施すことを特徴とする耐ラメラテア性
に優れた構造用厚鋼板の製造方法(第1発明)。
【0009】2.第1発明において、溶鋼の成分組成
が、C:0.01〜0.20%、 Si:0.01〜0.50%、Mn:
0.5 〜2.0 %、 P:0.05%以下、S:0.02%以
下、 Al:0.005 〜0.1 %を含有し、さらにNb:
0.005 〜0.05%、 V:0.01〜0.1 %、Ni:0.1 〜1.
5 %、 Cu:0.1 〜2.0 %、Cr:0.05〜1.0 %、
Mo:0.05〜0.5 %、B:0.002 %以下、 Ti:
0.003 〜0.15%、REM:0.001 〜0.02%のうちから選ん
だ1種又は2種以上を含有し 残部はFe及び不可避的不
純物の組成になる構造用厚鋼板の製造方法(第2発
明)。
【0010】3.第1発明において、溶鋼の成分組成
が、C:0.01〜0.20%、 Si:0.01〜0.50%、Mn:
0.5 〜2.0 %、 P:0.05%以下、S:0.02%以
下、 Al:0.005 〜0.1 %を含有し、さらにCa:
0.0005〜0.005 %を含有する組成になる構造用厚鋼板の
製造方法(第3発明)。
【0011】4.第1発明において、溶鋼の成分組成
が、C:0.01〜0.20%、 Si:0.01〜0.50%、Mn:
0.5 〜2.0 %、 P:0.05%以下、S:0.02%以
下、 Al:0.005 〜0.1 %を含有し、さらにNb:
0.005 〜0.05%、 V:0.01〜0.1 %、Ni:0.1 〜1.
5 %、 Cu:0.1 〜2.0 %、Cr:0.05〜1.0 %、
Mo:0.05〜0.5 %、B:0.002 %以下、 Ti:
0.003 〜0.15%、REM:0.001 〜0.02%のうちから選ん
だ1種又は2種以上とCa:0.0005〜0.005 %とを含有し
残部はFe及び不可避的不純物の組成になる構造用厚鋼
板の製造方法(第4発明)。
【0012】以下、この発明の基礎となった実験結果に
ついて説明する。さて発明者らは、 0.13%C−0.3%Si−
1.3%Mn− 0.01%P−0.007%S−0.03% Alの組成になる溶
鋼を、連続鋳造する際に、連続鋳片の凝固完了点近傍に
鍛造金型を用いて鍛圧加工を施した。この時、圧下率を
変化させて、種々の板厚の鋳片(厚みD)とし、その後
常法に従いD/d=4(dは製品厚み)となる熱間圧延
を施した。得られた厚鋼板について、鍛圧率と、超音波
探傷(UT)によるザク性欠陥の有無及びZ方向の引張
試験における絞り値(RAZ)との関係を調査した。
【0013】図1に、調査結果を示す。同図より明らか
なように、圧下率が5%以上であればザク性欠陥はなく
なり、またRAZも改善されることが判明した。この理
由は、凝固完了近傍の温度の高い時点で鍛圧したため、
5%程度の比較的小さな圧下でもザクが圧着し、UT欠
陥ならびにRAZが改善されたものと考えられる。従っ
て、この発明では、鋳片内部が凝固を完了するクレータ
ーエンド近傍における鍛圧加工を、圧下率:5%以上で
実施することにしたのである。
【0014】次に、図2に、D/dとRAZとの関係に
ついて調べた結果を示す。実験は、 0.13%C−0.3%Si−
1.3%Mn− 0.01%P−0.007%S−0.03% Al鋼を、圧下率は
10%と一定にして鍛圧加工を施して厚みDの鋳片を作
り、その後種々の圧下率で熱間圧延を施して、D/d
(dは製品厚み)が種々に異なる熱延板を製造すること
により行った。図2より、明らかなように、D/dが1
を超えかつ8以下の場合にとりわけ良好なRAZが得ら
れた。そこで、この発明では、D/dにつき、1超、8
以下の範囲に限定したのである。
【0015】
【作用】次に、この発明において、素材の成分組成を前
記の範囲に限定した理由について説明する。 C:0.01〜0.2 % Cは、溶接性及び多層溶接におけるHAZ靭性の改善の
観点から、0.01〜0.2%に限定した。一般に、小入熱溶
接部は硬化し易く各種の割れが発生する。これらの防止
のためには、鋼の硬化性を低くすることが有効かつ必要
である。また、多層溶接部のHAZに生成する島状マル
テンサイトの生成を抑制するには、C含有量は低いこと
が望ましい。このためにCの上限を 0.2%とした。一
方、Cは重要な強化元素であり、極端な低減は強化の点
で不利であるので、下限を0.01%とした。
【0016】Si:0.01〜0.5 % Siは、脱酸剤及び強化成分として有用な元素であり、そ
のためには少なくとも0.01%の含有を必要とするが、含
有量が 0.5%を超えると母材の靭性及び溶接性を劣化さ
せるので、0.01〜0.5 %の範囲に限定した。
【0017】Mn:0.5 〜2.0 % Mnは、鋼の焼入れ性の向上に有効に寄与するが、 0.5%
未満では十分な焼入れ性を確保できずかえって母材靭性
の劣化を招き、一方 2.0%を超えると溶接熱影響部の硬
化が著しく、低温割れ感受性が高くなり、現地での溶接
施工性を害するので、 0.5〜2.0 %の範囲に限定した。
【0018】S:0.02%以下 Sは、MnSをできる限り低減させるためには、その混入
を極力低減することが好ましいが、あまりに極端な低減
はコスト高となるので、0.02%以下(好ましくは0.01%
以下)に制限することとした。
【0019】P:0.05%以下 Pは、強度の向上に寄与する反面、靭性を著しく害する
元素であるので、0.02%以下程度に低減することが好ま
しいが、構造用鋼材としては0.05%まで許容できる。
【0020】Al:0.005 〜0.1 % Alは、Siと同様、脱酸元素として、この種のAlキルド鋼
に必然的に含有される元素であるが、含有量が 0.1%を
超えると Al2O3系介在物が増加して靭性の低下を招き、
一方 0.005%を下回ると充分な脱酸ができず母材靭性が
劣化するので、0.005 〜0.1 %の範囲で含有させるもの
とした。
【0021】以上、基本成分について説明したが、この
発明ではさらに以下の元素を所定の範囲で含有させるこ
ともできる。 Nb:0.005 〜0.05% Nbは、圧延時にオーステナイト域ではNb(C,N)とし
て析出し、そのピンニング効果によって再結晶粒の粗大
化を防止する元素であり、最終的に微細組織を得るため
に効果的な元素である。しかしながら含有量が 0.005%
未満では十分にその効果が得られず、一方0.05%を超え
るとHAZの焼入れ性を上がり溶接割れ感受性が上昇す
るので、 0.005〜0.05%の範囲とした。
【0022】V:0.01〜0.1 % Vは、フェライト中への固溶によって鋼を強化する元素
であるが、0.01%未満ではその効果が不十分であり、一
方 0.1%を超えるとHAZの多層熱サイクルをうける箇
所が析出によって脆化するので、0.01〜0.1 %の範囲と
した。
【0023】Ni:0.1 〜1.5 % Niは、溶接性を害することなく母材の強度と靭性を向上
させる元素であるが、0.1 %未満ではその添加効果に乏
しく、一方 1.5を超える添加はコストの上昇を招くの
で、 0.1〜1.5 %の範囲とした。
【0024】Cu:0.1 〜2.0 % Cuは、Niと同じ作用を奏する他、耐食性の向上にも寄与
するが、 0.1%未満ではその効果が得られず、一方 2.0
%を超えて添加すると熱間脆性が生じ易くなるので、
0.1〜2.0 %の範囲とした。
【0025】Cr:0.05〜1.0 % Crは、圧延組織のベイナイト化を促進し、強度・靭性の
向上に有効に寄与するが、含有量が0.05%に満たないと
その添加効果に乏しく、一方 1.0%を超える添加は溶接
部の硬化性を増大させ靭性及び耐割れ性の低下を招くの
で、0.05〜1.0%の範囲に限定した。
【0026】Mo:0.05〜0.5 % Moは、ベイナイトの生成促進に有効に寄与し、その効果
は0.05%以上の添加で達成される。しかし、 0.5%を超
える添加は、HAZの硬化性を高め靭性を劣化させる。
特に多層溶接では再熱部にMoの炭化物が析出して靭性を
劣化させる。従って、Moは0.05〜0.5 %の範囲で含有さ
せるものとした。
【0027】B:0.002 %以下 Bは、焼入れ性の向上ひいては母材の強度、靭性の向上
に有効に寄与するが、0.002 %を超える添加はHAZの
硬化を招くため、上限を 0.002%とした。
【0028】Ti:0.003 〜0.15% Tiは、鋼中にTiNとして存在し、HAZ部のオーステナ
イト粒の成長を抑制すると共に、溶接部の結晶粒の粗大
化を抑制する作用があり、そのためには少なくとも 0.0
03%の添加が必要である。しかし、添加量が0.03%を超
えると、融点付近まで急熱されるボンド部でTiNが分解
して固溶Tiとなった場合、HAZ部の硬度が上昇し、溶
接部靭性が劣化するので0.03%以下とするのが好まし
い。ただし、Tiは析出強度能が大きいので、強度が要求
される場合には、0.15%まで許容できる。
【0029】REM :0.001 〜0.02% REM は、鋼中で硫化物又は酸化物として存在するが、こ
のREM の硫化物、酸化物は溶接部のボンド部においても
安定に存在し、TiNと同様、オーステナイト粒の成長を
抑制して靭性の向上に寄与する。しかしながら、含有量
が 0.001%に満たないとその効果が実用上無く、一方0.
02%を超えると鋼板の清浄度を損ないまた靭性に悪影響
を及ぼすので、 0.001〜0.02%の範囲に限定した。
【0030】Ca:0.0005〜0.005 % Caは、MnSを球状化させ衝撃値を向上させる有用元素で
あるが、0.0005%未満ではその効果が実用上無く、一方
0.005%を超える添加は鋼板の清浄度を損ないまた靭性
に悪影響を及ぼすので、0.0005〜0.005 %の範囲に限定
した。
【0031】以上、主として成分組成に関して、この発
明の特徴とその作用について述べたが、これだけではこ
の発明で所期した効果を十分に得ることはできない。こ
の発明で意図した優れた耐ラメラテア性を得るには、連
続鋳造における鍛圧条件及び熱間圧延条件を以下のとお
りに規制することが重要である。すなわち、連続鋳造工
程において、(1) 鋳片内部が凝固を完了するクレーター
エンド近傍に圧下率5%以上の鍛圧加工を施すこと、
(2) かかる鍛圧加工後の鍛圧部の厚さをD、また熱間圧
延後の最終製品厚をdとしたとき、D/dが1を超えか
つ8以下を満足する条件で連続鍛圧及び熱間圧延を施す
ことが肝要である。ここに、D/dを1超、8以下の範
囲に限定したのは、前掲図2に示したとおり、僅かでも
熱間圧延を施してD/d>1とすればRAZが改善さ
れ、一方8を超えるような強圧下ではかえってRAZ値
の低下を招くからである。
【0032】なお、この発明において、鋳片の加熱条件
(通常の温度範囲で圧延ができればよく)や圧延後の冷
却条件を特に規定する必要はなく、また焼入れ、焼き戻
しを行っても何らその効果を失うことはない。
【0033】
【実施例】
実施例1 表1に示す種々の化学成分の溶鋼を、転炉で溶製し、連
続鋳造−凝固末期の鍛造圧下を組合せ鋳片とした。つい
で表2に示す条件下で熱間圧延を行った。得られた各厚
鋼板の強度、Z方向引張試験における絞り値(RAZ)
及び超音波探傷(UT)による欠陥指数について調べた
結果を表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表2から明らかなように、鋼No.1は、鍛圧
加工を施していないため、RAZ及び鋼板内部の健全性
が劣っている。同様に、鍛圧加工を施さなかった鋼No.4
及び鍛圧率の少ない鋼No.11 はそれぞれ、RAZ及び鋼
板内部の健全性が劣っている。またD/dが適正範囲か
ら外れている鋼No.7は、RAZ及び鋼板内部の健全性が
劣っている。
【0037】これに対し、この発明に従い得られた鋼N
o.2〜3, 5〜10, 12〜14はいずれも、RAZ及び鋼板内
部の健全性に優れている。しかも鋼No.3はNbを、鋼No.5
〜7 はNb,Ni,Cu,Ti,REM を、鋼No.8はNb,V,Ti
を、鋼No.9はNi,Cu,Mo,Tiを、鋼No.10 はNb,Cr,
B,Tiを、鋼No.12 はTiを、鋼No.13 はNi,Tiを、鋼N
o.14はNb,Ti,REM をそれぞれ添加することにより、一
層の強度上昇が図れ、また板厚を増加させることができ
た。
【0038】実施例2 実施例1と同様にして、表3に示す種々の化学成分の溶
鋼を、転炉で溶製し、連続鋳造−凝固末期の鍛造圧下を
組合せ鋳片とした後、表4に示す条件下で熱間圧延を行
った。得られた各厚鋼板の強度、Z方向引張試験におけ
る絞り値(RAZ)及び超音波探傷(UT)による欠陥
指数について調べた結果を表4に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】表4から明らかなように、鋼No.15 は鍛圧
加工を施していないため、RAZ及び鋼板内部の健全性
が劣っている。同様に、鍛圧加工を施さなかった鋼No.1
7 及び鍛圧量の少ない鋼No.24 は、RAZ及び鋼板内部
の健全性が劣っている。また連続鋳造ままで鋼板とした
鋼No.25 は鋼板内部の健全性が劣っていた。
【0042】これに対し、この発明に従い得られた鋼N
o.16, 18 〜23, 25〜27はいずれも、RAZ及び鋼板内
部の健全性に優れている。しかも鋼No.18 〜20はNb,N
i,Cu,Ti,REM を、鋼No.21 はNb,V,Tiを、鋼No.22
はNb,Ni,Cu,Mo,Tiを、鋼No.23 はNb,Cr,B,Ti
を、鋼No.26 はNi,Tiを、鋼No.27 はNb,Ti,REM を添
加することによってそれぞれ、一層の強度上昇が図れ、
また板厚を増加させることができた。
【0043】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、板厚中央部
が健全で耐ラメラテア性に優れた構造用厚鋼板を製造す
ることでき、産業上益するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーターエンド近傍での鍛圧率とUT欠陥及
びRAZとの関係を示したグラフである。
【図2】D/dとRAZとの関係を示したグラフであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 天野 虔一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 谷川 治 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.01〜0.20mass%、 Si:0.01〜0.50
    mass%、 Mn:0.5 〜2.0 mass%、 P:0.05mass%以下、 S:0.02mass%以下、 Al:0.005 〜0.1 mass% を含有し 残部はFe及び不可避的不純物の組成になる溶
    鋼を、連続鋳造し、ついで熱間圧延を施すことによって
    構造用厚鋼板を製造するに際し、 連続鋳造工程において、鋳片内部が凝固を完了するクレ
    ーターエンド近傍に圧下率5%以上の鍛圧加工を施した
    後の鍛圧部の厚さをDとし、引き続く熱間圧延後の最終
    製品厚をdとしたとき、D/dが1を超えかつ8以下を
    満足する条件下に連続鍛圧及び熱間圧延を施すことを特
    徴とする耐ラメラテア性に優れた構造用厚鋼板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、溶鋼の成分組成が、 C:0.01〜0.20mass%、 Si:0.01〜0.50mass%、 Mn:0.5 〜2.0 mass%、 P:0.05mass%以下、 S:0.02mass%以下、 Al:0.005 〜0.1 mass% を含有し、さらに Nb:0.005 〜0.05mass%、V:0.01〜0.1 mass%、 Ni:0.1 〜1.5 mass%、 Cu:0.1 〜2.0 mass%、 Cr:0.05〜1.0 mass%、 Mo:0.05〜0.5 mass%、 B:0.002 mass%以下、 Ti:0.003 〜0.15mass%、 REM:0.001 〜0.02mass% のうちから選んだ1種又は2種以上を含有し 残部はFe
    及び不可避的不純物の組成になる構造用厚鋼板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、溶鋼の成分組成が、 C:0.01〜0.20mass%、 Si:0.01〜0.50mass%、 Mn:0.5 〜2.0 mass%、 P:0.05mass%以下、 S:0.02mass%以下、 Al:0.005 〜0.1 mass% を含有し、さらに Ca:0.0005〜0.005 mass% を含有する組成になる構造用厚鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、溶鋼の成分組成が、 C:0.01〜0.20mass%、 Si:0.01〜0.50mass%、 Mn:0.5 〜2.0 mass%、 P:0.05mass%以下、 S:0.02mass%以下、 Al:0.005 〜0.1 mass% を含有し、さらに Nb:0.005 〜0.05mass%、V:0.01〜0.1 mass%、 Ni:0.1 〜1.5 mass%、 Cu:0.1 〜2.0 mass%、 Cr:0.05〜1.0 mass%、 Mo:0.05〜0.5 mass%、 B:0.002 mass%以下、 Ti:0.003 〜0.15mass%、 REM:0.001 〜0.02mass% のうちから選んだ1種又は2種以上と Ca:0.0005〜0.005 mass% とを含有し 残部はFe及び不可避的不純物の組成になる
    構造用厚鋼板の製造方法。
JP34865792A 1992-12-28 1992-12-28 耐ラメラテア性に優れた構造用厚鋼板の製造方法 Pending JPH06198394A (ja)

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