JPH02129318A - アレスト特性の優れた鋼材の製造方法 - Google Patents

アレスト特性の優れた鋼材の製造方法

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JPH02129318A
JPH02129318A JP28289288A JP28289288A JPH02129318A JP H02129318 A JPH02129318 A JP H02129318A JP 28289288 A JP28289288 A JP 28289288A JP 28289288 A JP28289288 A JP 28289288A JP H02129318 A JPH02129318 A JP H02129318A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は脆性破壊伝播停止特性(以下アレスト特性と榊
す。)に優れ、更には溶接熱影響部(以下HAZ部と繻
す)靭性、母材靭性も優れた構造用鋼材の製造方法に関
するものである。
〈従来の技術〉 近年、海洋構造物、船舶、貯槽等の大型溶接構造用鋼の
材質特性に対する要望は厳しさを増しており、特にLN
G、LPG等を貯蔵するタンクやラインパイプは、脆性
破壊がもたらす被害の大きさとそれがもたらす社会不安
の大きさから、アレスト特性の向上が求められている。
具体的には、−46℃の液化ガスを貯蔵するタンク用鋼
材のアレスト特性としては、温度勾配型ESSO試験に
おいて測定される靭性値、Kcaで400kgf/am
’・5以上を示す事が求められている。
一方従来から綱材のアレスト特性に注目した提案はあり
、例えば特開昭60−29452号公報にはアレスト特
性に優れた高張力鋼が開示されている。
ここに開示された高張力鋼は、従来のセパレーションと
は異なり、延性に富んだフェライト組織内に適当な大き
さで分散状態の先行微小亀裂生成領域として上記延性に
富んだフェライトm織より脆性破壊発生特性が劣るM織
又は第2相を生成して、伝播する脆性亀裂に対して適当
な位置に先行微小亀裂を発生させ、再亀裂間を延性破壊
で連結させ伝播する亀裂の運動エネルギーを吸収して遂
に停止させるものである。しかしNi及びNbを使用す
るにもかかわらずE記Kcaが300kgf/mm” 
5を示す温度は一30℃でしかなく、上記した近年の要
望を満たさないものである。
前記した近年の要望に応える提案としては、特開昭62
−77419号公報にアレスト特性の優れた高張力鋼の
製造法が開示されている。
この提案は、Ni及びNbを使用し、炭素を0.05〜
0.20%含有せしめて強度と未再結晶域温度幅を確保
した低合金鋼スラブを900℃以上に加熱して一様にオ
ーステナイト化し、これをAr3点−20℃以上の仕上
げ温度で圧延し、微細なフェライト組繊を生成して好ま
しい集合組織を得て後、その温度からつまりAr、点−
20℃からAr=点−80゛C迄を空冷速度で冷却して
フェライl−&[1mを層状に変態させ、次いでその温
度から水冷して低温度とし、これによってフェライトと
層状ベーナイト又はマルテンサイトの焼入れ2相組織を
生成し、更にその鋼のAc、意思下の温度に加熱する焼
戻処理をして強度と靭性の優れた高張力鋼を得るもので
ある。
二の結果ここに開示されている製造法から得られる高張
力鋼は、鋼材に細粒フェライトと層状ベーナイト又はマ
ルテンサイト組織を生成し、脆性クラックが発生し伝播
する際に、細かいセパレーションを多発させて応力を分
散し、板厚効果と相乗的に作用させる事によって、−5
0℃においてKcaが440kgf/++v+” ’ 
〜720 kgf/mob” ’を示し、アレスト特性
を大幅に向上したもので、前記した近年の要望を満たし
ている。
〈発明が解決しようとする課題〉 上記特開昭62−77419号公報の提案はその目的を
達成するに当たって、低合金スラブを900℃以上に加
熱して後Ar=点−20℃迄に圧延をする事、及び圧延
後の制御冷却に続く水冷後にAc+点以下の温度に加熱
して焼戻処理を行う事を必須としており、このため多大
の熱エネルギーを必要として製造費の増大が避けられな
い。
又仕上圧延温度がAr、点−20℃未満になると大きく
伸びたフェライト粒を生成して提案の目的が達成出来な
くなるとして、^「3点−20℃以上の温度で仕上圧延
を終了する事を特定しており、このため圧延開始温度は
バススゲジュール、仕上板厚の変化によって変動してい
る。
この様な通常の圧延方法で上記特開昭62−77419
号公報の提案を実施すると、必ずしも該提案が実施例に
示すKca値が得られない事がある。
本発明はこれ等の問題点を伴わずに、少なくとも一46
℃でのKcaが600kgf/mm ’ ・5以上のア
レスト特性を有する鋼材を生産性良く、経済的に効率良
く製造する方法を提供する事を課題とするものである。
く課題を解決するための手段〉 本発明は上記課題を達成するために、 (1)構造用鋼を鋳型に注入して凝固し、該凝固完了鋼
片を再結晶終了温度からAr3点温度迄の範囲で圧下率
50%以上の未再結晶域圧延を行い、続いて700℃以
上750℃以下の範囲で圧下率30%以上50%以下の
2相域圧延を行う事を第1の手段とし、 (2)構造用鋼を鋳型に注入して凝固し、該擬固完了鋼
片を1250℃以上で2時間以上5時間未満保定して後
再結晶終了温度からAr、点温度迄の範囲で圧下率50
%以上の未再結晶域圧延を行い、続いて700℃以上7
50 ’C以下の範囲で圧下率30%以上50%以下の
2相域圧延を行う事を第2の手段とするものである。
(3)実質的にNi及び又はNbを含まない構造用鋼を
鋳型に注入して凝固し、該凝固完了鋼片を再結晶終了温
度からArz点温度迄の範囲で圧下率50%以上の未再
結晶域圧延を行い、続いて700℃以上750 ℃以下
の範囲で圧下率30%以上50%以下の2相域圧延を行
う事を第3の手段とし、(4)実質的にNi及び又はN
bを含まない構造用鋼を鋳型に注入して凝固し、該凝固
完了鋼片を1250℃以上で2時間以上5時間未満保定
して後再結晶終了温度からAr、点温度迄の範囲で圧下
率50%以上の未再結晶域圧延を行い、続いて700℃
以上750 ℃以下の範囲で圧下率30%以上50%以
下の2相域圧延を行う事を第4の手段とするものである
通常の構造用鋼材(溶接構造用鋼材を含む)は所要の材
質を得るために、従来から5業分野での活用で確認され
ている作用・効果の関係を基に、例えば特開昭61−1
17213号公報に記載されている様に、鉄及び不可避
的な成分に後述する理由を基に各元素を付記した量宛添
加して構成している。
つまり一般的には基本成分として、 C: 0.02〜0,18%  Al ; 0.007
〜0.1%Si:40.5%    S : 0.00
1〜0.005%Kn : 0.4〜1.8%  B 
: 0.0002〜0.003%P:≦0.015% 
  N:≦0 、004%と、 Ti : 0.003〜0.02% Ta : 0.0
03〜0.02%Zr : 0.003〜0.02% の1種又は2[!以上を含み、 Ni:62.0%    Mo:≦0.5%Cu:≦1
.0%    V:≦0.1%Nb:≦0.05%  
  Cr:≦0.5%Rem:≦0.003%Ca二≦
0.003%Mg:50.003% 但しREMとCaとMgを2種以上添加する時は、その
合計量は0.005%以下とする。
その他は必要に応して選択して添加する。
尚全体のCeqは≦0.45としている。
又これ等の成分の添加理由及び添加量の限定理由は、一
般には次の通りである。
Cは鋼の強度を向上するために使用し、用途上の必要強
度から0.02%を下限とし、耐溶接割れ性の劣化から
0.18%を上限としている。
又Siは母材の強度維持、溶鋼の予備脱酸のために必要
としているが、)HAZ部に高炭素マルテンサイトを生
成して靭性が低下するのを防止するために0.5%を上
限としている。
Mnは母材強度、靭性の確保と併せて粒内フェライト(
以下IFPと橘す)の生成相となる複合体の外殻を形成
するにnSの生成に0.4%を下限とし、HAZの耐溶
接割れ性、)IAZの靭性の劣化防止から1.8%を上
限としている。
Pはミクロ偏析による+IAZの靭性と耐割れ性の劣化
を防止するため0.015%を上限としている。
AIは脱酸、母材組織の細粒化、固溶Nの固定等のため
に0.007%以上で使用されるが、鋼の清浄度の低下
防止から0.1%を上限としている。
Sは通常IFP生成核となる複合体の外殻を形成するM
nSの生成にo、oot%以上を必要とするが、粗大な
A系介在物を形成して母材の靭性の悪化、異方性の増大
を防止するため0.005%を上限としている。
Bは一般に大入熱溶接時のHAZ靭性に有害な粒界フェ
ライト、フェライト・サイドプレートの抑制、BNの析
出によるHAZ固溶Nの固定等から少なくとも0.00
02%を添加しているが、多量の添加はFeat(CB
)*の析出による靭性低下、及びフリーBによるHAZ
の硬化性の増加を招くので、これ等を防止するため0.
003%を上限としている。
NもS、Bと同様に複合体の芯となるTi、 Zr、T
a、等の窒化物の析出のため添加するが、マトリ7クス
の靭性低下、)IAZにおける高炭素マルテンサイトの
生成促進等を防止するため0.004%を上限としてい
る。
Ti、 Zr、 Ta、は1種又は2種以上を選択添加
して前記した複合体の芯となる窒化物を生成しIFPの
生成核として作用せしめるため、0.003%以上の添
加量が必要であるが、鋼の清浄度の低下を防止するため
0.02%を上限としている。
以上が当業分野で構造用鋼の基本成分とする元素と各元
素の添加量及び添加理由である。
これに当業分野では■母材強度の上昇、及び母材、HA
Zの靭性向上の目的で、Ni、 Cu、、Nb、 No
■、Crの1種又は2種以上、或いは、■HAZの結晶
粒粗大化防止と母材の異方性(圧延方向のし方向と圧延
方向と直角方向のC方向の方向性)の軽減を目的として
、REM 、Ca、 Mgの1種又は2種以上の何れか
一方又は両方を添加している。
しかしながら0群のNiは母材の強度と靭性及びHAZ
靭性を同時に高めるために添加するが、焼き入れ性の増
加によりHAZにおけるIFPの形成が抑制される事が
ある。これを防止するため2.0%の添加量を上限とし
ている。
又Cuは母材の強度を高める割にHAZの硬さ上昇が少
ないが、応力除去焼鈍により)IAZの硬化性が増加す
るので1.0%を上限としている。
Nb、 No、 V、Crは焼き入れ性の向上と析出硬
化とにより母材強度を高め、母材の低温靭性を向上する
事が知られているが、1(AX靭性及び硬化性への悪影
響を防止するためそれぞれ0.05%、0.5%及び0
.1%、0.5%を各々の上限としている。
又■の群の成分として前記の通りHAZのオーステナイ
ト結晶粒粗大化防止のため、酸化物及び硫化物生成元素
である原子番号57〜71のランタノイド系元素及びY
の1種又は2種以上から選ばれた希土類元素(REM)
とCa及びMgの三者の中1種又は2種以上を添加して
いる。
これ等の元素は酸化物、硫化物もしくは酸硫化物を形成
し、HAZの結晶粒粗大化、母材の異方性を軽減する事
を目的に添加されるが、IFPの生成槙となるMnSの
形成が困難になるのを防止するために、これ等の元素の
2種以上の合計は0.005%を上限としており、各々
単独添加の場合は0.003%を上限としている。
又Ceqは0.45以下とするのが一般的であり、その
理由は焼き入れ性の増大によってIFPの生成を極めて
困難にし、HAZ靭性を低下せしめるとされている。
通常前記Ceqは次式で算出される値である。
Ceq=Cz+Siχ/24+Mnz/6 +NiZ/
40+ Cry15+MoZ/4 + Vχ/14 本発明が対象とする構造用鋼には、上記した通常の構造
用鋼の他、上記した理由がら添加しているNiがアレス
ト特性を向上するが、製造費が増大する事がらNiを使
用しない場合、及びNbが未再結晶域温度幅を広げるた
めアレスト特性を向上する組織の微細化の圧延には有利
であるが、HAZ靭性に悪影響がある事がらNbを使用
しない場合もそれぞれの鋼を含み、この様な理由からN
i及び又はNbを使用せず、残る各元素を上記した理由
の下に上記した範囲で同様に使用する構造用鋼を含む。
又特開昭58−19431号公報でラインパイプ用とし
て提示している成分、 C: 0.04 〜0.050  v:o、ot  −
o、io%Si : 0.01 〜0.050 Mn : 0.30 〜2.00%   Cr : 0
.05 〜1.0 %Nb : 0.008 〜0.0
50   No : 0.05 〜0.050 : 0
.012〜0.050   Ti : 0.005〜0
.050  %Nt : 0.20 〜0.050 更には特開昭59−47323号公報で高張力鋼として
開示している成分、 C: 0.02 〜0.050 1850.2%Si 
: 0.01 〜0.050 Mn : 0.50 〜2.00%  Cr:≦1.0
%AI : 0.01 〜0.I    Mo:50.
5%Ti : 0.005〜0.050% Cu:≦0
,50%N : (0,2〜0.5)X74% Ni:
51.5%の各々の成分を有する各鋼も本発明が対象と
する鋼である。
これ等から上記構造用鋼と同様にNiとNbを除いた残
りの成分を有する鋼も本発明が対象とする鋼である。
又本発明の実施において、凝固後の鋼片を再結晶終了温
度以下にするのは、連続鋳造後の冷却により行うと良く
、その間にAr3点以上の温度域で寸法・形状を調整す
るサイジング又は粗等の一次圧延加工を加える事は本発
明の作用・効果に支障がないので必要に応じて実施して
良く、更に1250℃以上の温度で2時間以上5時間以
下の保定は、鋼種によって使い分けて良く、使用する時
は上記圧延を含んで上記冷却過程で行う方法が熱経済上
(エネルギー経済上)最良であるが、不可能な時に再加
熱方法を用いる事は差し支えはない。
く作用〉 本発明者等は前記従来技術が有する課題を解消するため
に、次記する化学成分を有する一般的な構造用鋼を供試
鋼として種々実験・検討を繰り返した。
供試鋼Aの化学成分 C: 0.072%    T、AI : 0.044
%Si : 0.267%    Ti  : 0.0
07%Kn : 1.37  %    B  : 0
.0009%P : 0.007%    N  : 
0.0033%S : 0.002 %      c
eq  : 0.308供試綱Bの化学成分 C: 0.072%    Ti  : 0.007%
Si : 0.267%    B  : 0.000
9%Mn : 1.37  %    N  : 0.
0033%p:o、oo7%    Ni  : 0.
01  %S : 0.002%    Nb  : 
0.002%T、Al : 0.044%   ceq
  : 0.30Bその結果、本発明者等は製造費の低
減及び1(AZの靭性向上を目的に、Ni及びNbを添
加しない構造用鋼Aは、未再結晶域温度幅を拡大するた
めのNbの添加もなく、且つC量が低いため、再結晶回
復速度が著しく早く、そのため圧延中にも再結晶又は歪
みの回復が進行し、本来結晶粒の微細化を最も効率良〈
実施出来る未再結晶域圧延でありながら、結晶粒の微細
化を図る事が難しい。これはNbを用いた上記特開昭6
2−77419号公報が提案する方法で製品化する時も
同様で、温度待ちを含む圧延終了温度と異なり、実質的
な圧延を支配する圧延開始温度が時として未再結晶域を
外れ、結晶粒の微細化が不充分になって安定したアレス
ト特性が得られない前記した現象が生ずる事を知見した
この狭い未再結晶域温度幅で所要の圧延を完了する事が
圧延工程の工程能力不足等で不可能な場合は、未再結晶
域温度幅を拡大するため供試鋼Bの如<Nbを添加する
とアレスト特性は向上するがHAZ靭性が低下する事を
知得した。
そこで、母材の優れたアレスト特性と共に優れた)IA
Z靭性を有する鋼材を必要とする時の製造方法を検討し
た結果、Nbの添加に頼らず実質的な圧延を支配する未
再結晶域圧延開始温度を厳守し、そこから得られた鋼材
を2相域圧延すれば良い事を見出した。
この時の未再結晶域圧延は、Nbを添加する時も又添加
しない時も、過去の実績から得た未再結晶域を構成する
成分と温度条件に基づき、所要の圧延を実質的に行う圧
延開始温度を未再結晶域に定め、且つ該実質的な圧延を
終了する厳格な制御圧延を行わねばならない事を知見し
た。
これ等の知見を第1図乃至第7図に示す。
第1図はKca≧450kgf/mm” ’となる温度
、っまりT Kca450値と、未再結晶域圧延の開始
温度及び仕上げ温度の関係を整理したものである。
これによって、本発明者等は、圧延終了温度を従来から
効果があると知見されているArz点に設定しても、圧
延開始温度が高くなって実質的な圧延が未再結晶域を外
れると、T Kca450411は一り0℃〜−30゛
C程度となり、一方圧延の開始温度が未再結晶域内にあ
り、歪みの回復が進行しない間に所要の圧延が実質的に
完了していると、T Kca450(fiが−40〜−
50に達する事を知見した。
又このT Kca450値が−40〜−50に達した鋼
材に2層域圧延を加えると、図示の如< TKca45
0値は更に向上して−60〜−70に達する事を知見し
た。
同様にT Kca450値が一10℃〜−30℃程度の
再結晶域圧延材に2層域圧延を加えてもT Kca45
0値は−30〜−40程度にしか達しない事を知見した
第2図は未再結晶域圧延の圧下率と、TKca450に
、gf/am’・i値の関係を整理したもので、これに
よりTKca450kgf/ll11” ’値は圧下率
カ50%以上ニナると−40℃以下と好転する事を見出
した。
第3図は2相域圧延の開始温度及び圧下率とアレスト特
性TKca450kgf/m+++” ’の関係を整理
したもので、これによりTKca450kgf/a+m
” ’は2相域圧延の開始温度が低温になる程、又圧下
率が30%以上となると向上する事を見出した。
これについて本発明者等がその要因を調査した結果、7
00℃〜750℃で圧延した2相域圧延鋼は通常の圧延
で得られるγ1相域圧延鋼と異なり、R方向の異方性が
一段と増大され、この鋼材の存する表面エネルギー(亀
裂の伝播を抑制する抵抗エネルギー)γF、、2は、第
4図中に実線で示す如く、L方向(圧延方向)及びC方
向(圧延と直角方向)が増大されR方向(L及びCの中
間方向の45°方向)が通常のγ1相域圧延鋼のレベル
に維持されて最も小さく、従って脆性亀裂が発生し伝播
が始まっても、亀裂は相対的に表面エネルギーTP−2
の最も小さいR方向を選んで伝播し、その結果該亀裂の
進行は第5図に示す様に亀裂1が母材2内をジクザク状
に伝播し、これによって伝播エネルギーが吸収され停止
する事が判明した。
これに対し、T1相域圧延鋼の表面エネルギーγF−1
は第4図中に点線で示す如く、異方性がないので脆性亀
裂は主応力と直角方向に真っ直ぐに伝播する。
そのため、前記した各従来技術は第4図中にaで示すγ
F−1の低いベーナイト又はbで示すセメンタイトを生
成させ、そこに脆性亀裂伝播時に先行するセパレーショ
ンを多発させて亀裂伝播エネルギーを吸収して脆性亀裂
を停止させている。
従って表面エネルギーγF−1は図に明らかな様に表面
エネルギーr p−zの50%程度で、換言すると2相
域圧延鋼の表面エネルギーr p−zはγll境域圧延
鋼表面エネルギーγF−1の約2倍で、アレスト特性が
格段に向上する要因を形成している事を見出した。
これは従来技術が使用した各セパレーションとは全く異
なる機構による亀裂停止機能で、その亀裂停止能は高位
に安定している事を知見した。
第6図は2相域圧延の開始温度及び圧下率と母材靭性の
関係を整理したもので、これにより圧延開始温度が低下
して700℃未満となり、圧下率が50%を超えると加
工硬化により母材靭性が低下する事を見出した。
第7図は実施例及び比較例に示す各種の製造方法から得
た鋼材に対し、靭性向上のために偏析拡散処理を行った
ものと、無処理のもののKca値を整理したもので、セ
メンタイト(C等のミクロ偏析帯)の導入によるセパレ
ーションを利用してアレスト特性を向上させる方法では
、HAZ靭性を向上するために有効な偏析拡散処理を実
施するとアレスト特性は著しく劣化する。
しかしながら本発明の製造方法は前記した従来の知見と
はアレスト特性向上のメカニズムが異なるため偏析拡散
処理によるKca値の低下は殆ど見られない事を知見し
た。
以上の知見から、本発明者等は上述した本発明の製造方
法によって、構造用鋼を始めとして広くこの種産業分野
に用いられる前記各鋼材のアレスト特性を母材及びHA
Zの靭性を劣化させる事なく格段に向上し得る事を見出
した。
本発明は上記知見を基になされたものである。
〈実施例〉 (1)供試鋼の化学成分  (表1に示す、)本発明は
、前記した構造用鋼(溶接構造用鋼を含む)及びライン
パイプ用鋼、溶接構造用高張力鋼等の元素と各元素量で
あれば何れの組み合わせでも良いが、それぞれの代表的
な化学成分を有する鋼で、NiとNbを含まない鋼とそ
れ等を含む鋼を共に表1に示す如く準備した。
圧延条件、偏析均熱拡散処理の有無、及び得られた材質
を表2.3に示す。
(2)鋳造条件 ■鋳造方法 連続鋳造方法 ■凝固鋼片寸法 厚み42/250 wax幅180hm(3)1次圧延
条件(有無)(表2.3に示す。)(4)保定条件  
(有無)(表2.3に示す、)(5)未再結晶域圧延の
条件(表2.3に示す、)(6)2相域圧延の条件  
(表2.3に示す、)(7)アレスト特性     (
表2.3に示す。)アレスト特性の評価試験 一温度勾配型ESSO試験法 (3)  HAZ靭性       (表2,3に示す
。)(9)母材靭性      (表2.3に示す。)
本発明例の調香a1〜a49は表2,3に示す様に50
℃のKca値は≧680であった。
特に本発明例でTi、 Bを添加した鋼種3.4を用い
た調香a 13〜a 24は、−50℃のKca値が、
740〜865、母材靭性が−75〜−95℃1大入熱
溶接におけるHAZ靭性(継手靭性) VE−6o#が
17.1〜24.3 kgf −tsと共に高く、アレ
スト特性と靭性が共に優れている事を示した。
これに対し比較例の調香bl−b8は一50’C0Kc
a値は185〜330で、且つ母材の靭性vTrsは4
2〜−62℃と低く、母材靭性が低いためHAZ靭性も
表3に示す様に低かった。
〈発明の効果〉 本発明は、構造用鋼の凝固鋼片を未再結晶域で50%以
上の圧下率で圧延を行い、更に2相域における700 
C〜・750℃で圧下率30%以上50%以下の圧延を
行ってR方向の異方性を形成し、これにより、脆性亀裂
が発生すると、脆性亀裂は形成されたR方向の低表面エ
ネルギ一部を選択的に伝播して脆性亀裂の伝播エネルギ
ーを此処で吸収されて消滅するので、母材及びHAZの
各靭性の低下を伴う事なく、アレスト特性の優れた鋼材
を良好な生産性、経済性の下に効率良く製造する事を可
能としたもので、この種産業分野に多大の効果をもたら
すものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はK c a =450kgf/mm” ’とな
る温度、つまりT Kca450値と2次圧延の開始温
度との関係を示す。 第2図はT Kca450値と未再結晶域圧延の圧下率
との関係を示す。 第3図はTKca450kgf/+am” ’(’C)
と2相域圧延の開始温度及び圧下率との関係を示す。 第4図は本発明方法で製造した鋼材の異方性の作用を示
す。 第5図は第4図に示す鋼材に発生した脆性亀裂の伝播状
況を示す。 第6図は2相域圧延の開始温度及び圧下率と母材靭性の
関係を示す。 第7図は偏析拡散熱処理の有無とKca値の関係を示す
ものである。 特許出願人 新日本製鐵株式会社

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)構造用鋼を鋳型に注入して凝固し、該凝固完了鋼
    片を再結晶終了温度からAr_3点温度迄の範囲で圧下
    率50%以上の未再結晶域圧延を行い、続いて700℃
    以上750℃以下の範囲で圧下率30%以上50%以下
    の2相域圧延を行う事を特徴とするアレスト特性の優れ
    た鋼材の製造方法。
  2. (2)構造用鋼を鋳型に注入して凝固し、該凝固完了鋼
    片を1250℃以上で2時間以上5時間未満保定して後
    再結晶終了温度からAr_3点温度迄の範囲で圧下率5
    0%以上の未再結晶域圧延を行い、続いて700℃以上
    750℃以下の範囲で圧下率30%以上50%以下の2
    相域圧延を行う事を特徴とするアレスト特性の優れた鋼
    材の製造方法。
  3. (3)実質的にNi及び又はNbを含まない構造用鋼を
    鋳型に注入して凝固し、該凝固完了鋼片を再結晶終了温
    度からAr_3点温度迄の範囲で圧下率50%以上の未
    再結晶域圧延を行い、続いて700℃以上750℃以下
    の範囲で圧下率30%以上50%以下の2相域圧延を行
    う事を特徴とするアレスト特性の優れた鋼材の製造方法
  4. (4)実質的にNi及び又はNbを含まない構造用鋼を
    鋳型に注入して凝固し、該凝固完了鋼片を1250℃以
    上で2時間以上5時間未満保定して後再結晶終了温度か
    らAr_3点温度迄の範囲で圧下率50%以上の未再結
    晶域圧延を行い、続いて700℃以上750℃以下の範
    囲で圧下率30%以上50%以下の2相域圧延を行う事
    を特徴とするアレスト特性の優れた鋼材の製造方法。
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