JP2005171300A - 大入熱溶接用高張力鋼と溶接金属 - Google Patents
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Abstract
【課題】150kJ/cm以上の大入熱サブマージアーク溶接を行っても、HAZおよび溶接金属部が、−56℃での衝撃値がHAZで80J以上、溶接金属部で50J以上を示す高張力鋼と溶接金属を提供する。
【解決手段】高張力鋼は、C:0.07%以下、Si:0.30%以下、Mn:1.0-2.0%、sol.Al:0.04- 0.10%、N:0.0020-0.010%、Ti:0.005-0.020%、B:0.0005-0.005%、残部Feおよび不可避不純物からなり、かつ(1)式で表されるARMの値を40-80とする。ARM=197−1457C−1140sol.Al+11850N−316(Pcm−C)・・(1)溶接金属は、C:0.12%以下、Si:0.30%以下、Mn:1.0-2.0%、合計Al:0.01- 0.05%、N:0.0020-0.010%、O:0.01-0.04%、Ti:0.005-0.020%、B:0.002- 0.008%を含み、かつ(2)式で表されるARWの値が50以上とする。ARW=145×B/N+142×f(Al/O)−140・・・(2)
【選択図】なし
Description
従来より、高張力鋼板のHAZ靱性の向上に対して、例えば、非特許文献1には、Tiを微量添加し鋼中にTiNを微細析出させてオーステナイト結晶粒の粗大化を抑制する方法が提案されている。その他、特許文献1には、Ti酸化物粒子を核生成サイトとして粒内フェライトを生成させて組織を微細化する方法が、特許文献2には、Ti、REM若しくはCaを含有する酸化物をBNの核生成サイトとして形成し、BNを核として組織を微細化する方法が提案されている。
一方、溶接金属部の靱性向上に関する研究もなされてきた。たとえば、Harrisonは非特許文献2で、サブマージアーク溶接の溶接金属を対象とし、溶接金属中の化学成分の影響を種々調査している。しかしながら、やはり溶接金属だけについての靱性の評価をするだけであり、HAZ靱性と両立させるとの観点での記述は一切ない。
(1)質量%で、C:0.07%以下、Si:0.30%以下、Mn:1.0〜2.0%、P:0.02%以下、S:0.01%以下、sol. Al:0.04〜0.10%、N:0.0020〜0.010%、Ti:0.005〜0.020%、B:0.0005〜0.005% 残部Feおよび不可避不純物からなる化学組成を有し、かつ以下の式(1)で表されるARMの値が40〜80であることを特徴とする大入熱溶接用高張力鋼。
ここで、Pcm= C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
(2) 前記化学組成が、さらに、質量%で、Cu:0.05〜0.50%、Ni:0.05〜0.50%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.05〜0.50%、Nb:0.005〜0.20%、V:0.005〜0.20%のうちの1種または2種以上を含有する上記(1)に記載の大入熱溶接用高張力鋼。
ここで、B、N、Al、O(酸素)は溶接金属中の各成分の含有量(質量%)
f(Al/O)は、Al/O<0.6のとき、f(Al/O)=−1.00+3.33×Al/O
Al/O>=0.6のとき、 f(Al/O)=1.60−Al/O である。
「鋼材」とは、板材、管材、棒材、線材、さらには形材など、鋼材一般を意味する。代表的には、板材である。さらに「溶接部材」とは、溶接により製作された部品、構造物一般を意味する。具体的には、溶接継手、あるいはタンクなどの溶接構造物である。
本発明者らは脱酸現象に著しい影響を与えるAlとO(酸素)のバランス(Al/O)
及び焼き入れ性に大きな影響を与えるBとNのバランス(B/N)に着目し、Al/O、
B/Nが溶接金属部の靱性に与える影響について調査した。その結果、次に述べる点を見
出し確認した。実験には溶接金属の化学成分により算出される炭素等量Ceq値が0.25から0.38の間のものを用いた。
Ceq= C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14 (単位はいずれもmass%)
である。
ARW=145×B/N+1.42×f(Al/O)−140
ここで、B、N、Al、O(酸素)は溶接金属中の各成分の含有量(質量%)を示す。
ここで、C、sol.Al、Nは母材中の各成分の含有量(質量%)、
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B である。
次に、本発明おいて高張力鋼および溶接金属の化学成分、つまり化学組成を上記の範囲に限定した理由について説明する。
Cは強度確保のために添加される。過剰に含むと溶接熱影響部(HAZ)にマルテンサイトや擬似パーライト(パーライト中の層状セメンタイトが層状から崩れた組織)を生成してHAZ靱性を劣化させるとともに母材の靱性及び溶接性を劣化させる。そこで、上限を0.07%とする。好ましくは0.06%以下である。なお、0.01%未満では強度が不足する場合もあるので、好ましくは0.01%以上である。
Siは溶鋼の脱酸に有効な元素であり、粒内フェライトの生成核となる酸化物を構成する元素である。Siはセメンタイト中に固溶しないため、過剰に含むと未変態オーステナイトがフェライトとセメンタイトに分解するのを阻害し、微細な硬化組織である島状マルテンサイトの生成を助長し、HAZ靱性を劣化させる。このためその上限を0.30%とする。
Mnは溶鋼の脱酸に有効な元素であり、本発明においてはフェライト生成核となる酸化物の構成元素としても必須の元素である。また、強度靱性の確保にも有効な元素である。このため、1.0%以上含有させる。しかし、過剰な含有は焼入性を過大にして溶接低温割れ性及びHAZ靱性を劣化させるため、2.0%以下とする。
Pは不可避的に含有される不純物元素であり、粒界に偏析してHAZにおける粒界割れの原因となる。このため、Pは低いほど好ましいが、経済的観点を考慮して許容される範囲を0.02%以下とする。さらに、母材及びHAZの靱性を向上させ、スラブ中心偏析も低減するには、0.01%以下とすることが望ましい。
SもPと同様に鋼に不可避的に含有される不純物元素である。Sが多量に存在する場合、MnS等の溶接割れ起点となる析出物を形成する。このためSは低いほど好ましいが、経済性を考慮して許容できる範囲を0.01%以下とする。さらに母材及びHAZの靱性を向上させ並びにスラブ中心偏析も低減するには、0.005%以下とすることが望ましい。
Alは脱酸剤として必要な元素であり、また本発明においてはフェライト生成核となる酸化物の構成元素としても必須である。添加量については前述のように、少なすぎると、溶接金属の組織を良好に制御することが出来ず、また、高すぎるとHAZおよび溶接金属部の靱性を損ねるため、適正量には上下限が存在する。つまり、0.04%以上0.10%以下とする。
本発明において、適切な範囲のNはHAZ亜粗粒域においてBNを形成し固溶Bを低減するか、あるいは、HAZ粗粒域でTiNを生成しγ粒粗大化抑制効果を発揮させる必要がある。これらの効果を得るためには0.0020%以上とする。しかし、Nが高くなりすぎると、溶接金属においてBの焼き入れ性を減じることになり、また過剰なNは固溶Nの増加によるHAZ全体にわたって一定の靱性の低下を生ずるため0.010%以下とする。
TiはFeO等の不安定な酸化物の生成を抑制するために添加される。このため0.005%以上含有させる。また、HAZ靱性確保のため、TiN析出によるピンニング効果を得るために、含有させる。しかし、過剰なTiは粗大なTiCの析出を招きHAZ及び母材の靱性に著しく有害であるため上限を0.020%とする。好ましくは、0.018%以下とする。
Bは、150kJ/cm以上の超大入熱溶接でのHAZ粗粒域の粒界フェライト生成抑制のため必須の元素であり、その効果を得るための下限値は0.0005%である。一方、過剰になると過度の焼入性上昇をもたらし特に小入熱溶接時の耐溶接低温割れ性を劣化させるので、上限を0.005%とする。好ましい下限は、0.0003%、上限は、0.0025%である。
Cu:
Cuは、母材の強度を高めるのに有効なので高強度鋼とする場合には添加する。0.05%未満では明確な効果が得られないので含有させる場合には0.05%以上とすることが望ましい。一方、0.50%を超えると鋳片の表面性状を劣化させ表面手入れ費用が無視できなくなるので0.50%以下とすることが望ましい。
Niは鋼中に固溶して靱性を高め、かつ焼入性を向上させることにより強度を高めるので低温環境で使用する高強度鋼の場合には添加する。高強度鋼の場合、0.05%未満では靱性の向上が期待できないので、含有させる場合には0.05%以上とすることが望ましい。一方、0.50%を超えると焼入性が過剰になりHAZ靱性がかえって劣化するので0.50%以下とするのがよい。
Crは安価に焼入性を高めることができるので、高強度鋼とする場合には添加する。0.05%未満では焼入性向上効果が明確に現れないので、含有させる場合には0.05%以上とすることが望ましい。一方、0.50%を超えるとHAZ靱性がかえって劣化するので0.50%以下とするのがよい。
Moは焼入性と焼戻し軟化抵抗を高め強度を向上させるので、より一層強度を高める場合には含有させる。0.05%未満では焼戻し軟化抵抗をそれほど期待できないので、焼戻し軟化抵抗も併せて得る場合には0.05%以上とすることが望ましい。一方、0.50%を超えるとHAZの靱性低下大きくなるので0.50%以下とすることが望ましい。
Nbは熱間圧延時の未再結晶温度域を広げ制御圧延を容易にし、強度及び靱性を向上させるのに有効である。0.005%未満では十分な強度の上昇が得られないので、含有させる場合には、0.005%以上、好ましくは、0.01%以上とすることが望ましい。一方、0.20%を超えるとHAZ靱性 を劣化させるので0.20%以下とすることが望ましい。より好ましくは、0.05%以下である。
Vは炭窒化物を析出することにより焼戻し軟化抵抗を高め強度を向上させるので、強度を一層高める場合に含有させる。0.005%未満では焼戻し軟化抵抗が明確に現れないので、含ませる場合には0.005%以上とすることが望ましい。一方、0.20%を超えて過剰になると母材靱性の低下が大きくなるので0.20%以下とするのがよい。より好ましくは、0.05%以下である。
これらの元素を含有させる場合、Mg、REM、Caのうちの1種以上を合計で0.0005〜0.0010%含有させる。これは特にγ粒内核生成サイトを供給することによりHAZ靱性を改善させる目的で添加するものであるが、0.0005%未満であれば、その効果はなく、逆に0.0010%以上であれば靱性、あるいは延性破壊抵抗を減じることになるため、その範囲を合計で0.0005〜0.0010%と規定している。
本発明において規定する上記の組成範囲内にある鋼を転炉又は電気炉で溶製し、所定の酸化物が凝固時に均一に分散するようにする。そのためには精錬にあたって、精錬初期にAl脱酸を大部分進行させることは避けることが望ましい。Al以外の組成の調整をMn及びSi等と共に行い、さらにTi等により脱酸が進行した後、出鋼直前にAlを微量溶鋼中に投入し、得られた溶鋼を鋳造することが望ましい。
JIS G0555(1998)の「鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方法」の表1の点算法による顕微鏡試験方法によって測定された鋼の清浄度が、dA60×400で、0.040%以下、dB60×400で、0.030%以下、dC60×400で、0.030%以下、となるようにする。
さらに連続鋳造の場合、鋳片の偏析もHAZの靱性に悪影響を及ぼすので、好ましくは偏析部において、Cが0.29%以下、Pが0.30%以下、Mnが3.5%以下、Ps’が 0.62%以下となるような管理を行う方がよい。
鋳造条件については、好ましくは例えば連続鋳造にて実施すればよい。表1に精錬条件と連続鋳造条件についてまとめて示す。
すでに述べたように、本発明にかかる鋼材には、鋼管、棒鋼などが包含されるが、その場合には、上述の製造方法を適宜変更することでそれぞれの鋼材を製造することができ、当業者には本明細書の記載からも明らかであろう。
本発明ではより直接的に溶接金属の化学成分も規定しているが、そのときの「溶接金属」は、母材を溶接ワイヤを使用して溶接したときに得られる母材組成が溶接ワイヤにより希釈されて得られた金属組織を言い、その化学組成は、具体的には、溶接金属部の中心部に沿った化学組成を云う。なお、溶接ワイヤは、その組成は、本発明で規定する溶接金属の化学組成を実現できるものであれば、特に制限はない。
Cは強度確保のために適正量含有させる。しかし、過剰に含むとマルテンサイトや擬似パーライト(パーライト中の層状セメンタイトが層状から崩れた組織)を生成して溶金靱性を劣化させる。そこで、上限を0.12%とする。
Siは強度確保のために適正量含有させる。しかしながら、過剰に含むと未変態オーステナイトがフェライトとセメンタイトに分解するのを阻害し、微細な硬化組織である島状マルテンサイトの生成を助長し溶金靱性を劣化させる。このためその上限を0.30%とする。
Mnは強度確保のために1.0%以上含有させる。しかしながら、過剰に含むと焼入性を過大にして溶金靱性を劣化させるため、2.0%以下とする。
Pは不可避的に含有される不純物元素であり、粒界に偏析して溶金組織における粒界割れの原因となる。このため、0.02%以下とする。
SもPと同様に鋼に不可避的に含有される不純物元素である。Sが多量に存在する場合、MnS等の溶接割れ起点となる析出物を形成する。このためSは低いほど好ましいが、経済性を考慮して許容できる範囲の0.01%以下とする。
Alは溶接金属中で極めて重要な元素である。溶接金属中には酸素が比較的豊富に存在することから、酸化物が生成し、それを積極的にアシキュラーフェライトの析出核として用いているが、酸化物からのα核生成能を良好に確保するためにはAl/Oを望ましくは、0.6近傍にコントロールする。Al量としては合計Al量として、0.01〜0.05%とする。
Nも重要な元素であるが、特に溶接金属においてはBと結合し、Bが有している焼き入れ性向上効果を減殺することがある。このため、0.010%以下にコントロールすることが望ましい。また、溶接金属のNが少なすぎることは、つまりは母材Nが少なすぎることを意味しており、この場合HAZ靱性を損ねる結果となるため、下限を0.0020%とした。
OはAlの項で述べたように酸化物生成の観点で重要である。少なすぎると酸化物の個数自体が不足する、あるいは最適Al/Oが得られないこととなり、多すぎると、組織の靱性を下げる結果となる、あるいは最適Al/Oが得られないこととなるため、0.01〜0.04%の間にコントロールする。
TiはHAZ靱性の確保のため、TiN析出によるピンニング効果を得るために、0.005%以上添加の必要がある。しかし、過剰なTiは粗大なTiCの析出を招き溶金靱性 に著しく有害であるため上限を0.020%とする。
Bは溶金の焼き入れ性向上の観点で極めて重要な元素である。少なすぎると十分な焼き入れ性向上効果が得られず、また多すぎると組織の靱性を下げる結果となるため、0.002〜0.008%の間にコントロールする。
ここで、ARMおよびARWのそれぞれの値を求める式の意味について述べる。
HAZあるいは溶接金属部の靱性を確保するためには、母材の化学成分を上述の個々の最適範囲に満足させた上で、下記式(1) で示すARMの値を40〜80にコントロールする。
ここで、Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
この式は本発明者らの研究によって得られた化学成分による回帰式であるが、特にAl、N、Bのこれまで述べてきた効果の靱性に対する影響を相対的に重み付けしている。この式により、極めて効率的に大入熱溶接用高張力鋼を得ることが可能になる。
つまり、下記式(2) に示すARWの値を50以上にコントロールすることで良好な靱性を有した溶接金属を得ることができる。
ここで、B,N,Al,O(酸素)は溶接金属中の各成分の含有量(質量%)
f(Al/O)は、Al/O<0.6のとき、 f(Al/O)=−1+3.33×Al/O
Al/O≧0.6のとき、f(Al/O)=1.6−Al/O である。
ワイヤー:US255(神戸製鋼製)AWS規格でF9A5-EG-G又はF8P5-EG-G相当
フラックス:PFI-50LT(表)、PFI-50R(裏)(神戸製鋼製)
を使用することが好ましい。この溶接ワイヤーは、低温用鋼溶接用溶接材料であり、このような材料を用いて前述したような溶接金属の組成を得ることができる。
これは船舶搭載用タンク用として要求される性能で、非常に厳しいものである。なお、80J以上は平均値であり、個々の値は50J以上が好ましい。溶接金属部も平均値50J以上であるが、個々の値は30J以上が好ましい。
また、組織制御の観点で、粒界フェライトを抑制することが重要であると前述したが、粒界フェライトの観察方法についても紹介しておく。すなわち、溶接方向と垂直断面を割断し、ダイヤモンドペーストを用いて鏡面研磨を実施した後、ナイタルエッチングにより溶融線を明確化し、溶接金属領域を確定する。溶接金属部の全域について倍率100倍の光学顕微鏡にて観察し、粒界フェライトの有無を調査した。
得られた熱延鋼板に圧延方向に溶接施工を実施した。溶接条件は表3の通りである。このとき得られた溶接継手に、シャルピー衝撃試験および化学成分分析を実施した。シャルピー衝撃試験は表面下2mmから採取し、ノッチ位置は溶接金属、溶融線および溶融線+1mmとした。繰り返し数は3とし試験温度を−56℃とした。化学成分分析は母材の1/4tで実施したほか、溶接金属中央においても実施した。
表5からも分かるように、本発明の範囲に適合しているW1〜W32の継手はいずれのノッチ位置においても優れたシャルピー衝撃特性を有している。
Claims (6)
- 質量%で、C:0.07%以下、Si:0.30%以下、Mn:1.0〜2.0%、P:0.02%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.04〜0.10%、N:0.0020〜0.010%、Ti:0.005〜0.020%、B:0.0005〜0.005%
残部Feおよび不可避不純物からなる化学組成を有し、かつ以下の式(1)で表されるARMの値が40〜80であることを特徴とする大入熱溶接用高張力鋼。
ARM=197−1457C−1140sol.Al+11850N−316(Pcm−C)・・・(1)
ここで、Pcm= C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B - 前記化学組成が、さらに、質量%で、Cu:0.05〜0.50%、Ni:0.05〜0.50%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.05〜0.50%、Nb:0.005〜0.20%、V:0.005〜0.20%のうちの1種または2種以上を含有する請求項1に記載の大入熱溶接用高張力鋼。
- 前記化学組成が、さらに、質量%で、Mg、REM、Caのうちの1種以上を合計で0.0005〜0.0010%含有する請求項1または2に記載の大入熱溶接用高張力鋼。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の化学組成を有する鋼材に大入熱溶接を施して得られる溶接金属であって、その化学組成が、質量%で、C:0.12%以下、Si:0.30%以下、Mn:1.0〜2.0%、P:0.02%以下、S:0.01%以下、合計Al量:0.01〜0.05%、N:0.0020〜0.010%、O(酸素):0.01〜0.04%、Ti:0.005〜0.020%、B:0.002〜0.008%を含み、かつ以下の式(2)で表されるARWの値が50以上であることを特徴とする溶接金属。
ARW=145×B/N+142×f(Al/O)−140・・・(2)
ここで、B、N、Al、O(酸素)は溶接金属中の各成分の含有量(質量%)
f(Al/O)は、 Al/O<0.6のとき、 f(Al/O)=−1+3.33×Al/O
Al/O≧0.6のとき、 f(Al/O)=1.6−Al/O である。 - 請求項4記載の化学組成を有する溶接金属を含む溶接金属部から成る溶接部材であって、−56℃におけるHAZの靱性値が80J以上、前記溶接金属部の靱性値が50J以上である溶接部材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の高張力鋼からなる鋼材に大入熱溶接を行って得られる、請求項4記載の化学組成を有し、請求項5記載の性能を満足する溶接金属部を有した船舶搭載用タンク。
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