JP4294854B2 - 優れた超低温靭性を有する超高強度、溶接性鋼 - Google Patents

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は優れた靭性を有する超高強度、溶接性鋼板、及びそれから加工されたラインパイプに関する。更に特別には、本発明はHAZの強度の損失がラインパイプの残部に対し最小にされる超高強度、高靭性、溶接性、低合金ラインパイプ鋼、及びラインパイプの前駆体である鋼板の製造方法に関する。
【0002】
(背景技術)
種々の用語が以下の明細書に定義される。便宜のために、用語の解説が図面の簡単な説明の直前に示される。
現在、商用の最高の降伏強度のラインパイプは約550 MPa (80 ksi)の降伏強度を示す。例えば、約690 MPa (100 ksi)までの更に高い強度のラインパイプ鋼が市販されているが、本発明者らが知る限りでは、パイプラインを加工するのに商業的に使用されていなかった。更に、Koo及びLutonの米国特許第5,545,269号、同第5,545,270号及び同第5,531,842号に開示されているように、ラインパイプの前駆体として、少なくとも約830 MPa (120 ksi)の降伏強度及び少なくとも約900 MPa (130 ksi)の引張強さを有する優れた強度の鋼を製造することが実用的であることがわかった。Koo及びLutonにより米国特許第5,545,269号に記載された鋼の強度は鋼の化学的性質と加工技術のバランスにより得られ、それにより主として微粒子の焼もどしマルテンサイト及びベイナイト(これらはε−銅とバナジウム、ニオブ及びモリブデンのある種の炭化物もしくは窒化物または浸炭窒化物との沈殿により二次硬化される)を含む実質的に一様な微小構造が生成される。
【0003】
米国特許第5,545,269号明細書に、Koo及びLutonは鋼が少なくとも20℃/秒(36°F/秒)、好ましくは約30℃/秒(54°F/秒)の速度で仕上げ熱間圧延温度から400℃(752°F)以下の温度に急冷されて主としてマルテンサイト及びベイナイト微小構造を生成する高強度の鋼の製造方法を記載している。更に、所望の微小構造及び性質の獲得のために、Koo及びLutonによる発明は鋼板がε−銅とバナジウム、ニオブ及びモリブデンのある種の炭化物もしくは窒化物または浸炭窒化物との沈殿を生じるのに充分な時間の期間にわたるAc1変換点以下の温度、即ち、オーステナイトが加熱中に生成し始める温度における水冷板の焼もどしを伴う付加的な加工工程による二次焼入操作にかけられることを必要とする。急冷後の焼もどしの付加的な加工工程は重大なことに鋼板のコストを追加する。それ故、焼もどし工程を不要にするとともに所望の機械的性質を依然として得る鋼の新規加工方法を提供することが望ましい。更に、焼もどし工程は、所望の微小構造及び性質を生じるのに必要とされる二次焼入に必要であるが、0.93を超える降伏対引張強さの比をまたもたらす。好ましいパイプライン設計の観点から、降伏対引張強さの比を約0.93より低く保つとともに、高降伏強度及び高引張強さを維持することが望ましい。
【0004】
原油及び天然ガスを長距離輸送するのに現在利用することができる高強度を有するパイプラインに対する要望がある。この要望は(i)高いガス圧力の使用により輸送効率を増大し、かつ(ii)肉厚及び外径を減少することにより材料コスト及び施工コストを低減することについての必要性により誘導される。その結果として、現在利用できるあらゆるラインパイプよりも強いラインパイプに対する需要が増大してきた。
それ故、本発明の目的は低コスト、低合金、超高強度の鋼板の製造のための鋼の組成物及び加工の別法、並びにそれから加工されたラインパイプを提供することであり、その高強度特性は二次焼入を生じるための焼もどし工程を必要としないで得られる。更に、本発明の別の目的はパイプライン設計(降伏対引張強さの比が約0.93未満である)に好適であるラインパイプ用の高強度の鋼板を提供することである。
【0005】
殆どの高強度の鋼、即ち、約550 MPa (80 ksi)より大きい降伏強度を有する鋼に関する問題は、溶接後のHAZの軟化である。HAZは溶接誘発熱サイクル中に局所相変換または焼なましを受けて、母材と較べてHAZの有意な軟化、即ち、約15%以上までの軟化をもたらし得る。830 MPa (120 ksi)以上の降伏強度を有する超高強度の鋼が製造されていたが、これらの鋼は一般にラインパイプに必要な靭性を欠如し、ラインパイプに必要な溶接性要件を満足することができない。何とならば、このような材料は一般に約0.35より大きい比較的高いPcm(溶接性を表すのに使用される公知の工業用語)を有するからである。
それ故、本発明の別の目的はラインパイプの前駆体として少なくとも約690 MPa (100 ksi)の降伏強度、少なくとも約900 MPa (130 ksi)の引張強さ、及び低温、即ち、約-40℃(-40°F)までの低温における適用に充分な靭性を有するとともに一貫した製品品質を維持し、溶接誘発熱サイクル中にHAZの強度の損失を最小にする低合金、超高強度の鋼板を製造することである。
【0006】
本発明の更に別の目的はラインパイプに必要な靭性及び溶接性を有し、かつ約0.35未満のPcmを有する超高強度の鋼を提供することである。溶接性に関して広く使用されるが、Pcm及び溶接性を表すのに使用される別の公知の工業用語であるCeq(炭素当量)の両方はまたそれらが母材中で硬質の微小構造を生じる鋼の傾向に関するガイダンスを与える点で鋼の焼入性を反映する。本明細書に使用されるPcmはPcm=C重量%+Si重量%/30+(Mn重量%+Cu重量%+Cr重量%)/20+Ni重量%/60+Mo重量%/15+V重量%/15+5(B重量%)と定義され、またCeqはCeq=C重量%+Mn重量%/6+(Cr重量%+Mo重量%+V重量%)/5+(Cu重量%+Ni重量%)/15と定義される。
【0007】
(発明の開示)
米国特許第5,545,269号明細書に記載されたように、その中に記載された条件下で、超高強度の鋼の仕上げ圧延後の、400℃(752°F)以下の温度(好ましくは周囲温度)への水急冷の工程は空冷により置換されるべきではないことがわかった。何とならば、このような条件下では、空冷がオーステナイトをフェライト/パーライト凝集物に変換させて鋼の強度の劣化をもたらし得るからである。
このような鋼の水冷を400℃(752°F)より上で終了すると冷却中に不充分な変換焼入を生じ、それにより鋼の強度を低下し得ることがまた測定された。
【0008】
米国特許第5,545,269号明細書に記載された方法により製造された鋼板では、例えば、所定の時間間隔で約400℃〜約700℃(752°F-1292°F)の範囲の温度に再度加熱することによる、水冷後の焼もどしが鋼板中の一様な焼入を与え、鋼の靭性を改良するのに使用される。V切欠きシャルピー衝撃試験は鋼の靭性を測定するための公知の試験である。V切欠きシャルピー衝撃試験の使用により得られる測定の一つは所定の温度で鋼サンプルを破壊する際に吸収されるエネルギー(衝撃エネルギー)、例えば、-40℃(-40°F)または-20℃(-4°F)における衝撃エネルギー(vE-40)または(vE-20)である。別の重要な測定はV切欠きシャルピー衝撃試験により測定される遷移温度(vTrs)である。例えば、50%vTrsは破損表面が50面積%のせん断破壊を示す最低温度の実験測定及びV切欠きシャルピー衝撃試験からの外挿を表す。
【0009】
米国特許第5,545,269号明細書に記載された開発に続いて、高靭性を有する超高強度の鋼が最終焼もどしのコストのかかる工程を必要としないで製造し得ることが発見された。この望ましい結果は鋼の特別な化学的性質(それに基いて、主として微粒子下部ベイナイト、微粒子ラスマルテンサイト、またはこれらの混合物を含む微小構造が中断された冷却温度で、または周囲温度へのその後の空冷後に発生する)に応じて急冷を特別な温度範囲で中断することにより得られることがわかった。また、加工工程のこの新規な順序が従来得られたよりも更に高い強度及び靭性を有する鋼板の驚くべきかつ予期しない結果を与えることが発見された。
【0010】
本発明の上記目的と合致して、本明細書中に中断直接急冷(IDQ)と称される加工方法が提供され、この方法では所望の化学的性質の低合金鋼板が、熱間圧延の終了時に、水の如き好適な液体で好適な急冷停止温度(QST)に急冷し、続いて周囲温度に空冷することにより迅速に冷却されて主として微粒子下部ベイナイト、微粒子ラスマルテンサイト、またはこれらの混合物を含む微小構造を生じる。本発明を記載するのに使用される急冷はあらゆる手段(それにより、鋼の冷却速度を増大するその傾向について選択された液体が利用され、鋼を周囲温度に空冷することとは反対である)による加速された冷却を表す。
本発明は仕上げ板中に主として微粒子下部ベイナイト、微粒子ラスマルテンサイト、またはこれらの混合物を含む微小構造を生じるように、IDQと称される部分急冷方法、続いて空冷期について、焼入を得るための冷却速度のレジメ及びQSTパラメーターを調節する能力を有する鋼を提供する。
【0011】
5〜20ppmの程度の少量のホウ素の添加が低炭素、低合金鋼の焼入性に実質的な効果を有し得ることが当業界で公知である。こうして、鋼へのホウ素添加が優れた溶接性を有する低コスト、高強度の鋼のために不充分な化学的性質、例えば、低炭素当量(Ceq)を有する低合金鋼中にマルテンサイトの如き硬質相を生じるのに従来有効に使用されていた。しかしながら、ホウ素の所望の少量の添加の一貫した調節は容易には得られない。それは技術的に進歩した鋼製造設備及びノウハウを必要とする。本発明はIDQ方法により加工されて望ましい微小構造及び性質を生じ得る、ホウ素を添加し、また添加しない、鋼の化学的性質の範囲を提供する。
【0012】
本発明によれば、鋼の化学的性質と加工技術のバランスが得られ、それによりラインパイプが調製し得る、少なくとも約690 MPa (100 ksi)、更に好ましくは少なくとも約760 MPa (110 ksi)、更に好ましくは少なくとも約830 MPa (120 ksi)の降伏強度、そして好ましくは、約0.93未満、更に好ましくは約0.90未満、更に好ましくは約0.85未満の降伏対引張強さの比を有する高強度の鋼板の製造を可能にする。これらの鋼板では、ラインパイプ適用中の溶接後に、HAZの強度の損失が母材鋼の強度に対し約10%未満、好ましくは約5%未満である。加えて、ラインパイプを加工するのに好適なこれらの超高強度、低合金の鋼板は好ましくは少なくとも約10mm(0.39インチ)、更に好ましくは少なくとも約15mm(0.59インチ)、更に好ましくは少なくとも約20mm(0.79インチ)の厚さを有する。更に、これらの超高強度、低合金の鋼板は添加ホウ素を含まないし、または、特別な目的のために、約5ppm〜約20ppm、好ましくは約8ppm〜約12ppmの量の添加ホウ素を含む。ラインパイプ製品の品質は実質的に一貫して留まり、一般に水素補助亀裂を受け難い。
【0013】
好ましい鋼製品は好ましくは主として微粒子下部ベイナイト、微粒子ラスマルテンサイト、またはこれらの混合物を含む実質的に一様な微小構造を有する。微粒子マルテンサイトは自己焼もどし微粒子ラスマルテンサイトを含むことが好ましい。本発明を記載するのに使用され、また特許請求の範囲に使用される“主として”は少なくとも約50体積%を意味する。微小構造の残部は付加的な微粒子下部ベイナイト、付加的な微粒子ラスマルテンサイト、上部ベイナイト、またはフェライトを含むことができる。微小構造は少なくとも約60体積%〜約80体積%の微粒子下部ベイナイト、微粒子ラスマルテンサイト、またはこれらの混合物を含むことが更に好ましい。微小構造は少なくとも約90体積%の微粒子下部ベイナイト、微粒子ラスマルテンサイト、またはこれらの混合物を含むことが更に好ましい。
下部ベイナイト及びラスマルテンサイトの両方はバナジウム、ニオブ及びモリブデンの炭化物または浸炭窒化物の沈殿により硬化されてもよい。これらの沈殿、特にバナジウムを含む沈殿は、おそらくAc1変換点以下の温度に加熱された領域中の転位密度の実質的な減少を防止することにより、またはAc1変換点より上の温度に加熱された領域中で沈殿硬化を誘発することにより、或いはその両方により、HAZ軟化を最小にすることを助けることができる。
【0014】
本発明の鋼板は鋼スラブを通例の様式で調製することにより、また一実施態様において、鉄と示された重量%の下記の合金元素:
0.03-0.10%炭素(C)、好ましくは0.05-0.09%C
0-0.6%ケイ素(Si)
1.6-2.1%マンガン(Mn)
0-1.0%銅(Cu)
0-1.0%ニッケル(Ni)、好ましくは0.2-1.0%Ni
0.01-0.10%ニオブ(Nb)、好ましくは0.03-0.06%Nb
0.01-0.10%バナジウム(V)、好ましくは0.03-0.08%V
0.3-0.6%モリブデン(Mo)
0-1.0%クロム(Cr)
0.005-0.03%チタン(Ti)、好ましくは0.015-0.02%Ti
0-0.06%アルミニウム(Al)、好ましくは0.001-0.06%Al
0-0.006%カルシウム(Ca)
0-0.02%希土類金属(REM)
0-0.006%マグネシウム(Mg)
を含み、更に
Ceq=0.7、かつ
Pcm=0.35
により特性決定された鋼スラブを調製することにより製造される。
【0015】
また、上記の化学的性質は改良され、0.0005-0.0020重量%のホウ素(B)、好ましくは0.0008-0.0012重量%のBを含み、そのMo含量は0.2-0.5重量%である。
本発明の実質的にホウ素を含まない鋼について、Ceqは約0.5より大、かつ約0.7未満であることが好ましい。本発明のホウ素を含む鋼について、Ceqは約0.3より大、かつ約0.7未満であることが好ましい。
更に、若干のNが以下に説明されるように粒子成長抑制性の窒化チタン粒子を得るのに所望されるとしても、公知の不純物窒素(N)、リン(P)、及び硫黄(S)が鋼中で最小にされることが好ましい。好ましくは、N濃度は約0.001〜約0.006重量%であり、S濃度は約0.005重量%以下、更に好ましくは約0.002重量%以下であり、またP濃度は約0.015重量%以下である。この化学的性質において、鋼はホウ素が添加されない点で実質的にホウ素を含まず、ホウ素濃度が好ましくは約3ppm未満、更に好ましくは約1ppm未満であり、または鋼は上記のように添加ホウ素を含む。
【0016】
本発明によれば、主として微粒子下部ベイナイト、微粒子ラスマルテンサイト、またはこれらの混合物を含む微小構造を有する超高強度の鋼の好ましい製造方法は、鋼スラブをバナジウム及びニオブの実質的に全ての炭化物及び浸炭窒化物を溶解するのに充分な温度に加熱し、スラブをオーステナイトが再結晶する第一温度範囲で一つ以上の熱間圧延通過で減少して板を形成し、更に板をTnr温度、即ち、それより下ではオーステナイトが再結晶しない温度より下で、かつAr3変換点、即ち、オーステナイトが冷却中にフェライトに変換し始める温度より上の第二温度範囲で一つ以上の熱間圧延通過で減少し、仕上げ圧延板を少なくともAr1変換点と同じ位に低い温度、即ち、フェライトまたはフェライト+セメンタイトへのオーステナイトの変換が冷却中に完結される温度、好ましくは約550℃〜約150℃(1022°F-302°F)の温度、更に好ましくは約500℃〜約150℃(932°F-302°F)の温度に急冷し、急冷を停止し、急冷された板を周囲温度に空冷することを特徴とする。
【0017】
Tnr温度、Ar1変換点、及びAr3変換点は夫々鋼スラブの化学的性質に依存し、実験または好適なモデルを使用する計算により容易に測定される。
本発明の第一の好ましい実施態様の超高強度、低合金鋼は好ましくは少なくとも約900 MPa (130 ksi)、更に好ましくは少なくとも約930 MPa (135 ksi)の引張強さを示し、主として微粒子下部ベイナイト、微粒子ラスマルテンサイト、またはこれらの混合物を含む微小構造を有し、更に、セメンタイトの微細な沈殿及び必要によりバナジウム、ニオブ、及びモリブデンの炭化物、または浸炭窒化物の更に微細な沈殿を含む。微粒子ラスマルテンサイトは自己焼もどし微粒子ラスマルテンサイトを含むことが好ましい。
本発明の第二の好ましい実施態様の超高強度、低合金鋼は好ましくは少なくとも約900 MPa (130 ksi)、更に好ましくは少なくとも約930 MPa (135 ksi)の引張強さを示し、微粒子下部ベイナイト、微粒子ラスマルテンサイト、またはこれらの混合物を含む微小構造を有し、更に、ホウ素及びセメンタイトの微細な沈殿及び必要によりバナジウム、ニオブ、及びモリブデンの炭化物、または浸炭窒化物の更に微細な沈殿を含む。微粒子ラスマルテンサイトは自己焼もどし微粒子ラスマルテンサイトを含むことが好ましい。
本発明がその好ましい実施態様に関して説明されるが、本発明はそれらに限定されないことが理解されるであろう。逆に、本発明は特許請求の範囲に特定される本発明の精神及び範囲内に含まれる全ての別型、改良、及び均等物を含むことが意図されている。
【0018】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明の一局面によれば、鋼スラブはバナジウム及びニオブの実質的に全ての炭化物及び浸炭窒化物を溶解するのに充分な実質的に一様な温度、好ましくは約1000℃〜約1250℃(1832°F-2282°F)の範囲、更に好ましくは約1050℃〜約1150℃(1922°F-2102°F)の範囲にスラブを加熱し、スラブをオーステナイトが再結晶する第一温度範囲で第一熱間圧延して一つ以上の通過で好ましくは約20%〜約60%(厚さの)減少して板を形成し、オーステナイトが再結晶しない第一温度範囲より若干低く、かつAr3変換点より上の第二温度範囲で一つ以上の通過で第二熱間圧延して好ましくは約40%〜約80%(厚さの)減少し、圧延板を少なくとも約10℃/秒(18°F/秒)、好ましくは少なくとも約20℃/秒(36°F/秒)、更に好ましくは少なくとも約30℃/秒(54°F/秒)、更に好ましくは少なくとも約35℃/秒(63°F/秒)の速度でAr3変換点以上の温度から少なくともAr1変換点と同じ位に低い急冷停止温度(QST)まで、好ましくは約550℃〜約150℃(1022°F-302°F)、更に好ましくは約500℃〜約150℃(932°F-302°F)に急冷することにより焼入し、急冷を停止し、鋼板を周囲温度に空冷して主として微粒子下部ベイナイト、微粒子ラスマルテンサイト、またはこれらの混合物への鋼の変換の完結を促進することにより加工される。当業者により理解されるように、本明細書に使用される“厚さの減少%”は言及される減少の前の鋼スラブまたは板の厚さの減少%を表す。本発明を限定しないで、例のみの目的のために、約25.4 cm (10インチ)の鋼スラブが第一温度範囲で約12.7 cm (5インチ)の厚さに約50%(50%減少)減少され、次いで第二温度範囲で約2.54 cm (1インチ)の厚さに約80%(80%減少)減少されてもよい。
【0019】
例えば、図1を参照して、本発明に従って加工された鋼板は示された温度範囲内で制御された圧延10を受け(以下に更に詳しく記載されるようにして)、次いで鋼は開始急冷点14から急冷停止温度(QST)16まで急冷12を受ける。急冷が停止された後に、鋼は周囲温度に空冷18されて主として微粒子下部ベイナイト(下部ベイナイト領域20中)、微粒子ラスマルテンサイト(マルテンサイト領域22中)、またはこれらの混合物への鋼板の変換を促進する。上部ベイナイト領域24及びフェライト領域26が避けられる。
超高強度の鋼は必ず種々の性質を必要とし、これらの性質は合金元素と熱機械的処理の組み合わせにより生じられる。一般に鋼の化学的性質の小さい変化が製品特性の大きな変化をもたらし得る。種々の合金元素の役割及び本発明に関するそれらの濃度の好ましい制限が以下に示される。
【0020】
炭素は鋼及び溶接物にどのような微小構造であろうともマトリックス強化を与え、また主として小さい鉄炭化物(セメンタイト)、ニオブの浸炭窒化物〔Nb(C,N)〕、バナジウムの浸炭窒化物〔V(C,N)〕、及びMo2C(炭化モリブデンの形態)の粒子または沈殿(それらが充分に微細かつ多数である場合)の生成により沈殿強化を与える。加えて、Nb(C,N)沈殿は、熱間圧延中に、一般にオーステナイト再結晶を遅延し、粒子成長を抑制し、それによりオーステナイト粒子調質の手段を与え、降伏強度及び引張強さの両方並びに低温靭性(例えば、シャルピー試験における衝撃エネルギー)の改良をもたらすのに利用できる。炭素はまた焼入性、即ち、冷却中に鋼中に硬質かつ強固な微小構造を形成する能力を増大する。一般に炭素含量が約0.03重量%未満である場合、これらの強化効果が得られない。炭素含量が約0.10重量%より大きい場合、鋼は一般に現場溶接後の低温亀裂並びに鋼板及びその溶接HAZの靭性の低下を受けやすい。
【0021】
マンガンは本発明に従って必要とされる微小構造(これらは微粒子下部ベイナイト、微粒子ラスマルテンサイト、またはこれらの混合物を含み、強度と低温靭性の良好なバランスを生じる)を得るのに必須である。この目的のために、下限は約1.6重量%に設定される。上限は約2.1重量%に設定される。何とならば、約2.1重量%を超えるマンガン含量は連続鋳造鋼中の中央線偏析を促進する傾向があり、また鋼靭性の劣化をもたらし得るからである。更に、高いマンガン含量は鋼の焼入性を過度に増進し、それにより溶接物の熱影響ゾーンの靭性を低下することにより現場溶接性を低下する傾向がある。
ケイ素は脱酸及び強度の改良のために添加される。上限は現場溶接性及び熱影響ゾーン(HAZ)の靭性の有意な劣化(これは過度のケイ素含量により生じ得る)を回避するために約0.6重量%に設定される。ケイ素は脱酸に常に必要であるとは限らない。何とならば、アルミニウムまたはチタンが同じ機能を果たし得るからである。
【0022】
ニオブは鋼の圧延された微小構造の粒子調質を促進するために添加され、これが強度及び靭性の両方を改良する。熱間圧延中の浸炭窒化ニオブ沈殿は再結晶を遅延し、粒子成長を抑制し、それによりオーステナイト粒子調質の手段を与えるのに利用できる。また、それはNb(C,N)沈殿の生成により最終冷却中に付加的な強化を生じ得る。モリブデンの存在下で、ニオブは制御された圧延中にオーステナイト再結晶を抑制することにより微小構造を有効に調質し、沈殿硬化を与え、焼入性の増進に寄与することにより鋼を強化する。ホウ素の存在下で、ニオブは焼入性を相乗的に改良する。このような効果を得るために、少なくとも約0.01重量%のニオブが添加されることが好ましい。しかしながら、約0.10重量%を超えるニオブは一般に溶接性及びHAZ靭性に有害であり、こうして最大約0.10重量%が好ましい。約0.03重量%〜約0.06重量%のニオブが添加されることが更に好ましい。
【0023】
チタンは微粒子窒化チタン粒子を形成し、スラブ再熱中にオーステナイト粒子の粗大化を抑制することにより微小構造の調質に寄与する。加えて、窒化チタン粒子の存在は溶接物の熱影響ゾーン中の粒子粗大化を抑制する。それ故、チタンは母材及び溶接熱影響ゾーンの両方の低温靭性を改良するのに利用できる。チタンは窒化チタンの形態で遊離窒素を固定するので、それは窒化ホウ素の生成のために焼入性に関して窒素の有害な効果を防止する。この目的のために添加されるチタンの量は窒素の量の少なくとも約3.4倍(重量基準で)であることが好ましい。アルミニウム含量が低い(即ち、約0.005重量%未満)場合、チタンは溶接物の熱影響ゾーン中の粒子内フェライト形成のための核として利用でき、それによりこれらの領域中の微小構造を調質する酸化物を形成する。これらの目標を達成するために、少なくとも約0.005重量%のチタン添加が好ましい。上限は約0.03重量%に設定される。何とならば、過剰のチタン含量は窒化チタンの粗大化及び炭化チタン誘発沈殿硬化をもたらし、その両方が低温靭性の劣化を生じるからである。
は母材及び溶接物のHAZの強度を増大する。しかしながら、過剰の銅の添加は熱影響ゾーンの靭性及び現場溶接性を大いに劣化する。それ故、銅添加の上限は約1.0重量%に設定される。
【0024】
ニッケルは現場溶接性及び低温靭性を損なわないで本発明に従って調製された低炭素鋼の性質を改良するために添加される。マンガン及びモリブデンとは対照的に、ニッケル添加は板の低温靭性に有害である硬化された微小構造成分をそれ程形成しない傾向がある。0.2重量%より多い量のニッケル添加が溶接物の熱影響ゾーンの靭性の改良に有効であることが判明した。ニッケルは、ニッケル含量が約2重量%より多い場合に或る環境中で硫化物ストレス亀裂を促進する傾向を除いて、一般に有益な元素である。本発明に従って調製された鋼について、その上限は約1.0重量%に設定される。何とならば、ニッケルはコストのかかる合金元素である傾向があり、溶接物の熱影響ゾーンの靭性を劣化し得るからである。また、ニッケル添加は連続鋳造及び熱間圧延中の銅誘発表面亀裂の防止に有効である。この目的に添加されるニッケルは銅含量の約1/3より多いことが好ましい。
【0025】
アルミニウムは一般に脱酸の目的のためにこれらの鋼に添加される。また、アルミニウムは鋼微小構造の調質に有効である。また、アルミニウムは溶接の熱がTiNを部分溶解させ、それにより窒素を放出する粗大粒子HAZ領域中の遊離窒素の排除によりHAZ靭性を与えるのに重要な役割を果たし得る。アルミニウム含量があまりにも高い、即ち、約0.06重量%より上である場合、Al2O3(酸化アルミニウム)型混在物を形成する傾向があり、これらは鋼及びそのHAZの靭性に有害であり得る。脱酸はチタンまたはケイ素添加により行なわれてもよく、アルミニウムが常に添加される必要はない。
バナジウムはニオブの効果と同様であるが、それ程顕著ではない効果を有する。しかしながら、超高強度の鋼へのバナジウムの添加はニオブと組み合わせて添加された時に著しい効果を生じる。ニオブ及びバナジウムの組み合わされた添加は本発明の鋼の優れた性質を更に増進する。好ましい上限は約0.10重量%であるが、溶接物の熱影響ゾーンの靭性、ひいては現場溶接性の観点から、特に好ましい範囲は約0.03重量%から約0.08重量%までである。
【0026】
モリブデンは鋼の焼入性を改良し、それにより所望の下部ベイナイト微小構造の形成を促進するために添加される。鋼の焼入性に関するモリブデンの影響は特にホウ素を含む鋼で顕著である。モリブデンがニオブと一緒に添加される場合、モリブデンは制御された圧延中のオーステナイト再結晶の抑制を増強し、それにより、オーステナイト微小構造の調質に寄与する。これらの効果を得るために、実質的にホウ素を含まない鋼及びホウ素を含む鋼に添加されるモリブデンの量は夫々少なくとも約0.3重量%及び約0.2重量%であることが好ましい。上限は実質的にホウ素を含まない鋼及びホウ素を含む鋼について夫々約0.6重量%及び約0.5重量%であることが好ましい。何とならば、過剰量のモリブデンは現場溶接中に生じた熱影響ゾーンの靭性を劣化し、現場溶接性を低下するからである。
【0027】
クロムは一般に直接急冷に関する鋼の焼入性を増大する。また、それは一般に腐蝕及び水素補助亀裂耐性を改良する。モリブデンと同様に、過剰、即ち、約1.0重量%を超えるクロムは現場溶接後に低温亀裂を生じる傾向があり、また鋼及びそのHAZの靭性を劣化する傾向があり、こうして最大約1.0重量%が与えられる。
窒素は窒化チタンを生成することによりスラブ再熱中及び溶接物の熱影響ゾーン中のオーステナイト粒子の粗大化を抑制する。それ故、窒素は溶接物の母材及び熱影響ゾーンの両方の低温靭性の改良に寄与する。この目的のための最小窒素含量は約0.001重量%である。上限は約0.006重量%に保たれることが好ましい。何とならば、過剰の窒素はスラブ表面欠陥の発生を増大し、ホウ素の有効焼入性を低下するからである。また、遊離窒素の存在は溶接物の熱影響ゾーンの靭性の劣化を生じる。
【0028】
カルシウム及び希土類金属 (REM)は一般に硫化マンガン(MnS)混在物の形状を調節し、低温靭性(例えば、シャルピー試験における衝撃エネルギー)を改良する。少なくとも約0.001重量%のCaまたは約0.001重量%のREMが硫化物の形状を調節するのに望ましい。しかしながら、カルシウム含量が約0.006重量%を超える場合またはREM含量が約0.02重量%を超える場合、多量のCaO-CaS(酸化カルシウム−硫化カルシウムの形態)またはREM-CaS(希土類金属−硫化カルシウムの形態)が生成され、大きいクラスター及び大きい混在物に変換されることがあり、これらは鋼の清浄を損なうだけでなく、現場溶接性に悪影響を与える。カルシウム濃度は約0.006重量%に限定され、REM濃度は約0.02重量%に限定されることが好ましい。超高強度のラインパイプ鋼では、ESSP値を好ましくは約0.5より大かつ約10未満に保ちながら(この場合、ESSPは硫化物混在物の形状調節に関するインデックスであり、関係式:ESSP=(Ca重量%)〔1-124(O重量%)〕/1.25(S重量%)により定義される)、約0.001重量%より下への硫黄含量の減少及び約0.003重量%より下、好ましくは約0.002重量%より下への酸素含量の減少が靭性及び溶接性の両方を改良するのに特に有効であり得る。
マグネシウムは一般に微細に分散された酸化物粒子を形成し、これは粒子の粗大化を抑制し、かつ/またはHAZ中の粒子内フェライトの形成を促進し、それによりHAZ靭性を改良し得る。少なくとも約0.0001重量%のMgが有効であるMgの添加に望ましい。しかしながら、Mg含量が約0.006重量%を超える場合、粗大酸化物が生成され、HAZの靭性が劣化される。
【0029】
低炭素鋼(約0.3重量%未満の炭素含量)への約0.0005重量%から約0.0020重量%まで(5ppm-20ppm)の少量添加のホウ素は強力な強化成分、ベイナイトまたはマルテンサイトの生成を促進するとともに高温から周囲温度への鋼の冷却中に軟質フェライト及びパーライト成分の生成を遅延することによりこのような鋼の焼入性を著しく改良し得る。約0.002重量%を超えるホウ素はFe23(C,B)6(ホウ炭化鉄の形態)の脆性粒子の形成を促進し得る。それ故、約0.0020重量%のホウ素の上限が好ましい。約0.0005重量%〜約0.0020重量%(5ppm-20ppm)のホウ素濃度が焼入性に関する最大の効果を得るのに望ましい。以上に鑑みて、ホウ素は鋼板の厚さにわたる微小構造の一様性を促進するために高価な合金添加の代替として使用し得る。また、ホウ素は鋼の焼入性を増大する際のモリブデン及びニオブの両方の有効性を増強する。それ故、ホウ素添加は、高い原板強度を生じるための低Ceq鋼組成物の使用を可能にする。また、鋼に添加されたホウ素は高強度を優れた溶接性及び低温亀裂耐性と組み合わせる可能性を与える。また、ホウ素は粒子境界強度、ひいては水素補助粒子間亀裂に対する耐性を増進し得る。
【0030】
図1に示されるような本発明の熱機械的処理の第一目標は実質的に未再結晶オーステナイト粒子から変換され、好ましくはまたセメンタイトの微細な分散を含む、主として微粒子下部ベイナイト、微粒子ラスマルテンサイト、またはこれらの混合物を含む微小構造を得ることである。下部ベイナイト及びラスマルテンサイト成分はMo2C、V(C,N)及びNb(C,N)、またはこれらの混合物の微細に分散された沈殿により更に硬化されてもよく、或る場合には、ホウ素を含んでもよい。微粒子下部ベイナイト、微粒子ラスマルテンサイト、及びこれらの混合物の微小スケールの微小構造は材料に高強度及び良好な低温靭性を与える。所望の微小構造を得るために、鋼スラブ中の加熱されたオーステナイト粒子は第一にサイズを微小にされ、第二に変形され、平らにされ、その結果、オーステナイト粒子の厚さにわたる寸法が未だに小さく、例えば、好ましくは約5-20ミクロン未満であり、第三にこれらの平らにされたオーステナイト粒子が高密度の転位及びせん断バンドで充満される。これらの界面は、鋼板が熱間圧延の完結後に冷却される時に変換相(即ち、下部ベイナイト及びラスマルテンサイト)の成長を制限する。第二目標は、板が急冷停止温度に冷却された後に、充分なMo、V、及びNbを実質的に固溶体に保持することであり、その結果、Mo、V、及びNbがベイナイト変換中または溶接熱サイクル中にMo2C、Nb(C,N)、及びV(C,N)として沈殿されるのに利用できて鋼の強度を増進し、保存する。熱間圧延前の鋼スラブの再熱温度はV、Nb、及びMoの溶解を最大にするとともに鋼の連続鋳造中に生成されたTiN粒子の溶解を防止するのに充分に高くあるべきであり、また熱間圧延前のオーステナイト粒子の粗大化を防止するのに利用できるべきである。本発明の鋼組成物についてこれらの目標の両方を達成するために、熱間圧延前の再熱温度は少なくとも約1000℃(1832°F)かつ約1250℃(2282°F)以下であるべきである。スラブは実質的に全てのスラブ、好ましくは全スラブの温度を、例えば、スラブを時間の所定期間にわたって炉に入れることにより、所望の再熱温度に上昇するのに適した手段により再熱されることが好ましい。本発明の範囲内のあらゆる鋼組成物に使用されるべきである特定の再熱温度は当業者により実験または好適なモデルを使用する計算により容易に決定し得る。更に、実質的に全てのスラブ、好ましくは全スラブの温度を所望の再熱温度に上昇するのに必要な炉温度及び再熱時間は当業者により通常の工業刊行物を参考にして容易に決定し得る。
【0031】
本発明の範囲内のあらゆる鋼組成物について、再結晶範囲と非再結晶範囲の境界を特定する温度、Tnr温度は鋼の化学的性質、更に特別には、圧延前の再熱温度、炭素濃度、ニオブ濃度及び圧延通過で与えられる減少の量に依存する。当業者は実験またはモデル計算により夫々の鋼組成物についてこの温度を決定し得る。
実質的に全てのスラブに適用する再熱温度を除いて、本発明の加工方法を記載するのに言及されるその後の温度は鋼の表面で測定される温度である。鋼の表面温度は、例えば、光学高温計の使用により、または鋼の表面温度を測定するのに適したあらゆるその他の装置により測定し得る。本明細書に言及される急冷(冷却)速度は板の厚さの中央、または実質的に中央の速度であり、急冷停止温度(QST)は板の中間厚さから伝達される熱のために急冷が停止された後の板の表面で到達される最高温度、または実質的に最高の温度である。所望の加速冷却速度を得るために必要とされる急冷液の温度及び流量は当業者により通常の工業刊行物を参考にして決定し得る。
【0032】
本発明の熱間圧延条件は、オーステナイト粒子をサイズで微小にすることに加えて、オーステナイト粒子中の変形バンドの形成により転位密度の増大を与え、それにより圧延が終了された後の冷却中に変換生成物、即ち、微粒子下部ベイナイト及び微粒子ラスマルテンサイトのサイズを制限することにより微小構造の更なる調質をもたらす。再結晶温度範囲の圧延減少が本明細書に開示された範囲より減少され、一方、非再結晶温度範囲の圧延減少が本明細書に開示された範囲より増大される場合、オーステナイト粒子は一般にサイズが不充分に微小であり、粗大オーステナイト粒子を生じ、それにより鋼の強度及び靭性の両方を低下し、高度の水素補助亀裂感受性を生じる。一方、再結晶温度範囲の圧延減少が本明細書に開示された範囲より増大され、一方、非再結晶温度範囲の圧延減少が本明細書に開示された範囲より減少される場合、オーステナイト粒子中の変形バンド及び転位下部構造の形成は、圧延が終了された後に鋼が冷却される時に変換生成物の充分な調質を与えるのに不適当になり得る。
【0033】
仕上げ圧延後、鋼は好ましくはほぼAr3変換点以上の温度から急冷し、Ar1変換点以下の温度、即ち、オーステナイトからフェライトまたはフェライト+セメンタイトへの変換が冷却中に完結される温度、好ましくは約550℃(1022°F)以下、更に好ましくは約500℃(932°F)以下で終了することにかけられる。水急冷が一般に利用される。しかしながら、あらゆる好適な液体が急冷を行うのに使用されてもよい。圧延と急冷の間の延長された空冷は一般に本発明に従って使用されない。何とならば、それは典型的な製鋼所で圧延及び冷却プロセス中の材料の正常な流れを中断するからである。しかしながら、急冷サイクルを温度の適当な範囲で中断し、次いで急冷された鋼を周囲温度でその仕上げ状態まで空冷することにより、特に有利な微小構造成分が圧延プロセスを中断しないで、こうして圧延工場の生産性に殆ど影響しないで得られることが測定された。
熱間圧延され、急冷された鋼板はこうして最終空冷処理にかけられ、これはAr1変換点以下である温度、好ましくは約550℃(1022°F)以下、更に好ましくは約500℃(932°F)以下で開始される。この最終冷却処理は微細に分散されたセメンタイト粒子の微粒子下部ベイナイト及び微粒子ラスマルテンサイト微小構造中の実質的に一様な充分な沈殿を可能にすることにより鋼の靭性を改良する目的のために行なわれる。更に、急冷停止温度及び鋼組成に応じて、更に微細に分散されたMo2C、Nb(C,N)、及びV(C,N)沈殿が生成され、これらが強度を増大し得る。
【0034】
記載された方法により製造された鋼板は、比較的低い炭素濃度にもかかわらず、板の厚さ方向中の微小構造の高度の一様性により高強度及び高靭性を示す。例えば、このような鋼板は一般に少なくとも約830 MPa (120 ksi)の降伏強度、少なくとも約900 MPa (130 ksi)の引張強さ、及び少なくとも約120ジュール(90フィート−ポンド)の靭性(-40℃(-40°F)で測定される、例えば、vE-40)を示し、これらはラインパイプ適用に適した性質である。加えて、熱影響ゾーン(HAZ)軟化の傾向がV(C,N)及びNb(C,N)沈殿の存在、及び溶接中の付加的な形成により低減される。更に、水素補助亀裂に対する鋼の感受性が著しく低減される。
鋼中のHAZは溶接誘発熱サイクル中に発達し、溶接融着ラインから約2-5mm(0.08-0.2インチ)延長し得る。HAZ中で、温度勾配が、例えば、約1400℃から約700℃まで(2552°F-1292°F)形成し、これは以下の軟化現象が一般に低温から高温まで起こる領域を含む:高温焼もどし反応による軟化、並びにオーステナイト化及び遅い冷却による軟化。低温、700℃(1292°F)付近では、バナジウム及びニオブ並びにそれらの炭化物または浸炭窒化物が存在して高い転位密度及び下部構造を保持することにより軟化を防止し、または実質的に最小にし、一方、高温、850℃-950℃(1562°F-1742°F)付近では、付加的なバナジウム及びニオブの炭化物または浸炭窒化物沈殿が生成し、軟化を最小にする。溶接誘発熱サイクル中の正味の効果はHAZ中の強度の損失が原鋼の強度に対し約10%未満、好ましくは約5%未満であることである。即ち、HAZの強度は母材の強度の少なくとも約90%、好ましくは母材の強度の少なくとも約95%である。HAZ中の強度の維持は主として約0.06重量%より大きい合計のバナジウム及びニオブの濃度のためであり、バナジウム及びニオブの夫々が鋼中に約0.03重量%より大きい濃度で存在することが好ましい。
当業界で公知であるように、ラインパイプは公知のU-O-E方法により板から形成され、この方法では、板がU字形(“U”)に成形され、次いでO字形(“O”)に成形され、シーム溶接後に、O字形が約1%膨張される(“E”)。成形及び膨張はそれらの同時の作業焼入効果によりラインパイプの増大された強度をもたらす。
以下の実施例は上記発明を説明するのに利用できる。
【0035】
(実施例)
IDQ 加工の好ましい実施態様
本発明によれば、好ましい微小構造は主として微粒子下部ベイナイト、微粒子ラスマルテンサイト、またはこれらの混合物を含む。詳しくは、強度と靭性の最高の組み合わせのため、またHAZ軟化耐性のために、更に好ましい微小構造はセメンタイト粒子に加えて、Mo、V、Nbまたはこれらの混合物を含む微細かつ安定な合金炭化物で強化された微粒子下部ベイナイトを主として含む。これらの微小構造の特別な例が以下に示される。
【0036】
微小構造に関する急冷停止温度の効果
1) 充分な焼入性を有するホウ素を含む鋼:約20℃/秒〜約35℃/秒(36°F/秒-63°F/秒)の急冷速度でIDQ加工された鋼中の微小構造は組成パラメーター、例えば、炭素当量(Ceq)及び急冷停止温度(QST)により測定される鋼の焼入性により主として支配される。本発明の鋼板に好ましい厚さを有する鋼板に充分な焼入性、即ち、約0.45より大かつ約0.7未満のCeqを有するホウ素鋼が望ましい微小構造(好ましくは、主として微粒子下部ベイナイト)の形成及び機械的性質について拡大された加工ウインドーを与えることによりIDQ加工に特に適している。これらの鋼に関するQSTは非常に広い範囲、好ましくは約550℃から約150℃まで(1022°F-302°F)であってもよく、しかも所望の微小構造及び性質を未だ生じる。これらの鋼を低QST、即ち、約200℃(392°F)でIDQ加工する場合、微小構造は主として自己焼もどしされたラスマルテンサイトである。QSTが約270℃(518°F)に上昇されるにつれて、微小構造は自己焼もどしされたセメンタイト沈殿のわずかな粗大化を除いて約200℃(392°F)のQSTによるものと殆ど変化されない。約295℃(563°F)のQSTで加工されたサンプルの微小構造はラスマルテンサイト(主フラクション)と下部ベイナイトの混合物を明らかにした。しかしながら、ラスマルテンサイトは有意な自己焼もどしを示し、良く発達された自己焼もどしされたセメンタイト沈殿を明らかにする。図5を参照して、約200℃(392°F)、約270℃(518°F)、及び約295℃(563°F)のQSTで加工された上記鋼の微小構造が図5の顕微鏡写真52により表される。図2A及び図2Bを再度参照して、図2A及び図2Bは約295℃(563°F)のQSTにおける広範なセメンタイト粒子を明らかにする明暗視野の顕微鏡写真を示す。ラスマルテンサイトのこれらの特徴は降伏強度の若干の低下をもたらし得る。しかしながら、図2A及び図2Bに示された鋼の強度は依然としてラインパイプ適用に適している。図3及び図5を参照して、QSTが約385℃(725°F)のQSTに上昇されるにつれて、微小構造は、図3及び図5の顕微鏡写真54に示されるように、主として下部ベイナイトを含む。明視野透過電子顕微鏡写真、図3は下部ベイナイトマトリックス中の特徴的なセメンタイト沈殿を明らかにする。この実施例の合金では、下部ベイナイト微小構造は熱暴露中の優れた安定性、溶接の微粒子の準臨界的かつ臨界間の熱影響ゾーン(HAZ)中でさえも軟化に抵抗することを特徴とする。これはMo、V及びNbを含む型の非常に微細な合金浸炭窒化物の存在により説明されるかもしれない。図4A及び図4Bは約10nm未満の直径を有する炭化物粒子の存在を明らかにする明視野及び暗視野の透過電子顕微鏡写真を夫々示す。これらの微細な炭化物粒子は降伏強度の有意な増大を与え得る。
【0037】
図5は好ましい化学実施態様でホウ素鋼の一つでなされた微小構造及び性質の観察の要約を表す。夫々のデータ点の下の数字はそのデータ点に使用されたQST(℃)を表す。この特別な鋼では、QSTが500℃(932°F)を超えて、例えば、約515℃(959°F)に上昇されるにつれて、主たる微小構造成分が、図5の顕微鏡写真56により示されるように、上部ベイナイトになる。約515℃(959°F)のQSTでは、少量ではあるが、認められる量のフェライトが、図5の顕微鏡写真56により示されるように、また生成される。正味の結果は、強度が靭性の同等の利点を生じないで実質的に低下されることである。この実施例では、かなりの量の上部ベイナイト、特に主として上部ベイナイト微小構造が強度及び靭性の良好な組み合わせのために避けられるべきであることがわかった。
2.不充分な化学的性質を有するホウ素を含む鋼:不充分な化学的性質(約0.5未満かつ約0.3より大きいCeq)を有するホウ素を含む鋼を本発明の鋼板に好ましい厚さを有する鋼板にIDQ加工する場合、得られる微小構造は種々の量の初析フェライト及び共析フェライトを含んでもよく、これらは下部ベイナイト及びラスマルテンサイト微小構造よりも極めて軟質の相である。本発明の強度目標を満足するために、軟質相の合計量は約40%未満であるべきである。この制限内で、フェライトを含むIDQ加工されたホウ素鋼は約200℃(392°F)のQSTによる不充分なホウ素を含む鋼について図5に示された高強度レベルで若干魅力的な靭性を与え得る。この鋼はフェライトと自己焼もどしされたラスマルテンサイトの混合物を特徴とし、後者は図5の顕微鏡写真58に示されるようにサンプル中の主たる相である。
【0038】
3.充分な焼入性を有する実質的にホウ素を含まない鋼:本発明の実質的にホウ素を含まない鋼は同レベルの焼入性を得るためにホウ素を含む鋼と較べて高含量のその他の合金元素を必要とする。それ故、これらの実質的にホウ素を含まない鋼は、本発明の鋼板に好ましい厚さを有する鋼板に許容し得る微小構造及び性質を得るように有効に加工されるために、好ましくは約0.5より大かつ約0.7未満の高Ceqを特徴とすることが好ましい。図6は好ましい化学実施態様で実質的にホウ素を含まない鋼についてなされた機械的性質測定(正方形)を表し、これらが本発明のホウ素を含む鋼についてなされた機械的性質測定(円)と比較される。夫々のデータ点による数字はそのデータ点について使用されたQST(℃)を表す。微小構造性質観察が実質的にホウ素を含まない鋼についてなされた。534℃のQSTでは、微小構造は主としてフェライトであり、沈殿+上部ベイナイト及び双晶マルテンサイトを含んでいた。461℃のQSTでは、微小構造は主として上部ベイナイト及び下級ベイナイトであった。428℃のQSTでは、微小構造は主として下部ベイナイトであり、沈殿を含んでいた。380℃及び200℃のQSTでは、微小構造は主としてラスマルテンサイトであり、沈殿を含んでいた。この実施例では、かなりの量の上部ベイナイト、特に主として上部ベイナイト微小構造が強度及び靭性の良好な組み合わせのために避けられるべきであることがわかった。更に、非常に高いQSTがまた避けられるべきである。何とならば、フェライト及び双晶マルテンサイトの混合微小構造は強度及び靭性の良好な組み合わせを与えないからである。実質的にホウ素を含まない鋼を約380℃(716°F)のQSTでIDQ加工する場合、微小構造は図7に示されるように主としてラスマルテンサイトである。この明視野透過電子顕微鏡写真は高い転位含量を有する微細な平行のラス構造(それにより、この構造の高強度が誘導される)を明らかにする。その微小構造は高強度及び靭性の観点から望ましいと思われる。しかしながら、靭性は均等のIDQ急冷停止温度(QST)または実際に約200℃(392°F)程度に低いQSTで本発明のホウ素を含む鋼で得られた主として下部ベイナイト微小構造で得られる程には高くないことが注目される。QSTが約428℃(802°F)に上昇されるにつれて、微小構造は主としてラスマルテンサイトからなるものから主として下部ベイナイトからなるものへと迅速に変化する。図8、428℃(802°F)のQSTにIDQ加工された鋼“D”(本明細書の表2に記載)の透過電子顕微鏡写真は下部ベイナイトフェライトマトリックス中の特徴的なセメンタイト沈殿を明らかにする。この実施例の合金では、下部ベイナイト微小構造は熱暴露中の優れた安定性、溶接の微粒子の準臨界及び臨界間の熱影響ゾーン(HAZ)中でさえも軟化に抵抗することを特徴とする。これはMo、V及びNbを含む型の非常に微細な合金浸炭窒化物の存在により説明されるかもしれない。
【0039】
QST温度を約460℃(860°F)に上昇する場合、主として下部ベイナイトの微小構造が上部ベイナイトと下部ベイナイトの混合物からなるものにより置換される。予想されたように、高QSTは強度の低下をもたらす。この強度低下は有意な体積分率の上部ベイナイトの存在に起因する靭性の低下により伴われる。図9に示された明視野透過電子顕微鏡写真は約461℃(862°F)のQSTでIDQ加工された実施例鋼“D”(本明細書の表2に記載)の領域を示す。顕微鏡写真はベイナイトフェライトラスの境界におけるセメンタイト小板状体の存在を特徴とする上部ベイナイトラスを明らかにする。
更に高いQST、例えば、534℃(993°F)では、微小構造はフェライトを含む沈殿及び双晶マルテンサイトの混合物からなる。図10A及び10Bに示された明視野透過電子顕微鏡写真は約534℃(993°F)のQSTでIDQ加工された実施例鋼“D”(本明細書の表2に記載)の領域から撮影される。この標本では、認められる量の沈殿を含むフェライトが脆い双晶マルテンサイトと一緒に生成された。正味の結果は、強度が実質的に靭性の同等の利点を生じないで低下されることである。
【0040】
本発明の許容し得る性質について、実質的にホウ素を含まない鋼は所望の構造及び性質を生じるのに適当なQST範囲、好ましくは約200℃から約450℃まで(392°F-842°F)を与える。約150℃(302°F)より下では、ラスマルテンサイトが最適靭性についてあまりにも強固であり、一方、約450℃(842°F)より上では、鋼が最初にあまりにも多い上部ベイナイトを生じ、次第に有害な沈殿とともに多量のフェライトを生じ、最終的に双晶マルテンサイトを生じ、これらのサンプルの不充分な靭性をもたらす。
これらの実質的にホウ素を含まない鋼中の微小構造特徴はこれらの鋼のそれ程望ましくない連続冷却変換特性により生じる。添加ホウ素の不在下では、フェライト核形成がホウ素を含む鋼の場合のようには有効に抑制されない。結果として、高QSTでは、かなりの量のフェライトが変換中に初期に形成され、残りのオーステナイトへの炭素の関与を生じ、これが続いて高炭素双晶マルテンサイトに変換する。第二に、鋼中の添加ホウ素の不在下では、上部ベイナイトへの変換が同様に抑制されず、不適当な靭性特性を有する望ましくない混合上部ベイナイト及び下部ベイナイト微小構造をもたらす。それにもかかわらず、製鋼所がホウ素を含む鋼を一貫して製造する専門的技術を有しない場合、上記ガイドラインが特にQSTに関してこれらの鋼を加工するのに使用されることを条件として、IDQ加工が格別の強度及び靭性の鋼を製造するのに依然として有効に利用し得る。
【0041】
本発明に従って加工された鋼スラブは微小構造に所望の効果を誘発するために圧延の前に適当な再熱を受けることが好ましい。再熱はオーステナイト中でMo、Nb及びVの炭化物及び浸炭窒化物を実質的に溶解する目的に利用でき、こうしてこれらの元素は更に所望の形態の鋼加工、即ち、急冷前だけでなく冷却及び溶接後のオーステナイトまたはオーステナイト変換生成物中の微細な沈殿中にその後に再沈し得る。本発明において、再熱は約1000℃(1832°F)〜約1250℃(2282°F)、好ましくは約1050℃から約1150℃まで(1922°F-2102°F)の範囲の温度で行なわれる。合金設計及び熱機械的加工は強固な浸炭窒化物フォーマ、特にニオブ及びバナジウムに関して下記のバランスを生じるように調整された。・これらの元素の約1/3が急冷前にオーステナイト中で沈殿することが好ましい。・これらの元素の約1/3が急冷後の冷却の際にオーステナイト変換生成物中で沈殿することが好ましい。
・これらの元素の約1/3が固溶体中に保持されることが好ましく、HAZ中の沈殿に利用できて550 MPa (80 ksi)より大きい降伏強度を有する鋼で観察される通常の軟化を軽減する。
実施例の鋼の製造に使用される圧延スケジュールが表1に示される。
【0042】
【表1】
Figure 0004294854
【0043】
鋼を35℃/秒(63°F/秒)の冷却速度で仕上げ圧延温度から急冷停止温度まで急冷し、続いて周囲温度に空冷した。このIDQ加工は主として微粒子下部ベイナイト、微粒子ラスマルテンサイト、またはこれらの混合物を含む所望の微小構造を生じた。
再度図6を参照して、鋼D(表2)(これは実質的にホウ素を含まない)(破線により連結されたデータ点の下の組)だけでなく、所定の少量のホウ素を含む鋼H及びI(表2)(平行な線の間のデータ点の上の組)が900 MPa (135 ksi)を超える引張強さ及び-40℃(-40°F)で120ジュール(90フィート−ポンド)を超える靭性、例えば、120ジュール(90フィート−ポンド)を超えるvE-40を生じるように配合され、加工し得ることがわかる。夫々の場合、得られる材料は主として微粒子下部ベイナイト及び/または微粒子ラスマルテンサイトを特徴とする。“534”(そのサンプルに使用される急冷停止温度(℃)の表示)と標識されたデータ点により示されるように、加工パラメーターが本発明の方法の限界の外にある場合、得られる微小構造(沈殿を含むフェライト+上部ベイナイト及び/または双晶マルテンサイトまたはラスマルテンサイト)は本発明の鋼の所望の微小構造ではなく、また引張強さもしくは靭性、またはこれらの両方がラインパイプ適用に所望の範囲の下にある。
【0044】
本発明に従って配合された鋼の例が表2に示される。“A”−“D”と同定された鋼は実質的にホウ素を含まない鋼であり、一方、“E”−“T”と同定された鋼は添加ホウ素を含む。
【0045】
【表2】
Figure 0004294854
【0046】
優れた超低温靭性 (ULTT) に好ましい実施態様
約900 MPa (135 ksi)より大きい引張強さを有し、かつ優れた超低温靭性を有する本発明の鋼板を得るために、鋼板の微小構造は少なくとも約90体積%の微粒子下部ベイナイトと微粒子ラスマルテンサイトの混合物を含むことが好ましい。微粒子下部ベイナイトと微粒子ラスマルテンサイトの混合物の好ましくは少なくとも約2/3、更に好ましくは少なくとも約3/4が約10ミクロン未満の平均粒子サイズを有する未再結晶オーステナイトから変換された微粒子下部ベイナイトを含む。粒子内に微細に分散された炭化物を特徴とするこのような微粒子下部ベイナイトは優れた超低温靭性を示す。破壊表面の微細なファセットを特徴とするこのような微粒子下部ベイナイトの優れた低温靭性はこのような微小構造中の破壊通路の湾曲部に起因し得る。自己焼もどしされた微粒子ラスマルテンサイトは微粒子下部ベイナイトの超低温靭性と同様の超低温靭性を与える。逆に、多量のマルテンサイト−オーステナイト(MA)成分を含む上部ベイナイトは劣った低温靭性を有する。一般に、高比率のフェライト及び/または上部ベイナイトを含む微小構造で超高強度を得ることは困難である。このような成分は微小構造の非一様性をもたらす。こうして、微小構造の残りの体積%は上部ベイナイト、双晶マルテンサイト、及びフェライト、またはこれらの混合物を含み得るが、上部ベイナイトの形成が最小にされることが好ましい。鋼板の微小構造は約8体積%未満のマルテンサイト−オーステナイト成分を含むことが好ましい。
【0047】
本発明のこのULTT実施態様の優れた超低温靭性を有する鋼板を製造するために、鋼の最終微小構造を有効に調質するために、先のオーステナイト微小構造、即ち、オーステナイトからフェライトへの変換温度、即ち、Ar3変換点付近にあるオーステナイト微小構造を最適化することが望ましい。この目標を達成するために、先のオーステナイトは約10ミクロン未満の粒子平均サイズの形成を促進するように未再結晶オーステナイトとしてコンディショニングされる。未再結晶オーステナイトのこのような粒子調質はこのULTT実施態様の鋼の超低温靭性を改良するのに特に有効である。所望の超低温靭性(例えば、約-60℃(-76°F)未満、好ましくは約-85℃(-121°F)未満の50%vTrs及び約120J(88フィート−ポンド)より大きく、好ましくは約175J(129フィート−ポンド)よりも大きいvE-4 0)を得るために、未再結晶オーステナイトの平均粒子サイズ、dは約10ミクロン未満であることが好ましい。変形バンド及び双晶境界(これらは変換中にオーステナイト粒子境界のように作用する)がオーステナイト粒子境界として処理され、こうしてオーステナイト粒子境界を形成する。詳しくは、線と先に形成されたオーステナイト粒子境界の間の交差の数により割られた鋼板の厚さを横切って描かれた直線の全長が平均粒子サイズ、dである。こうして測定されたオーステナイト粒子サイズは、例えば、V切欠きシャルピー衝撃試験により測定されたような超低温靭性特性と非常に良好な相関関係を有することが判明した。
【0048】
このULTT実施態様の鋼に関する合金組成及び加工方法の以下の記載が本発明の鋼について上記された合金組成及び加工方法を更に特定する。
このULTT実施態様の鋼について、P値(これは鋼中の或る種の合金元素の組成に依存する)は鋼の焼入性を記述し、本明細書に定義され、また所望の強度と超低温靭性のバランスを得るために以下に説明される範囲内に確立されることが好ましい。更に特別には、P値範囲の下限は少なくとも約930 MPa (135 ksi)の引張強さ及び優れた超低温靭性を得るように設定される。P値範囲の上限は優れた現場溶接性及び熱影響ゾーン中の低温靭性を得るように設定される。P値は以下に、また用語解説に更に定義される。
このULTT実施態様の実質的にホウ素を含まない鋼について、P値は約1.9より大かつ約2.8未満であることが好ましい。実質的にホウ素を含まない鋼について、P値はP値=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+Mo+V-1(式中、合金元素C、Si、Mn、Cr、Ni、Cu、Mo及びVは重量%で表される)と定義される。
【0049】
このULTT実施態様のホウ素を含む鋼について、P値は約2.5より大かつ約3.5未満であることが好ましい。ホウ素を含む鋼について、P値はP値=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+2Mo+V(式中、合金元素C、Si、Mn、Cr、Ni、Cu、Mo及びVは重量%で表される)と定義される。
このULTT実施態様の鋼の合金元素についての更なる特定に関して、炭素含量は所望の強度及び厚さにわたる微粒子下部ベイナイト及び微粒子ラスマルテンサイト微小構造を得るために少なくとも約0.05重量%であることが好ましい。
更に、このULTT実施態様の目的のために、マンガン成分の下限は約1.7重量%であることが好ましい。マンガンは強度と低温靭性の良好なバランスを生じるこのULTT実施態様に所望の微小構造を得るのに必須である。
鋼の焼入性に関するモリブデンの影響はこのULTT実施態様のホウ素を含む鋼に特に顕著である。P値定義を参照して、P値におけるモリブデンに関する焼入性倍数は実質的にホウ素を含まない鋼では1の値、またホウ素を含む鋼では2の値をとる。モリブデンがニオブと一緒に添加される場合、モリブデンは制御された圧延中にオーステナイト再結晶の抑制を増強し、それにより、オーステナイト微小構造の調質に寄与する。このULTT実施態様の鋼でこれらの所望の効果を得るために、実質的にホウ素を含まない鋼に添加されるモリブデンの量は少なくとも約0.35重量%であることが好ましく、またホウ素を含む鋼に添加されるモリブデンの量は少なくとも約0.25重量%であることが好ましい。
【0050】
非常に少量のホウ素が上部ベイナイトの形成を抑制することにより鋼の焼入性を大いに増大し、下部ベイナイト微小構造の形成を促進し得る。このULTT実施態様の鋼の焼入性を増大するためのホウ素の量は少なくとも約0.0006重量%(6ppm)であることが好ましく、本発明の全ての鋼によれば、約0.0020重量%(20ppm)以下であることが好ましい。開示された範囲のホウ素の存在は非常に有効な焼入剤である。これは焼入性パラメーター、P値に関するホウ素の存在の効果により実証される。有効範囲のホウ素はP値を1だけ増大し、即ち、それは焼入性を増大する。また、ホウ素は鋼の焼入性を増大する際にモリブデン及びニオブの両方の有効性を増強する。
【0051】
このULTT実施態様の鋼では、リン及び硫黄(これらは一般に不純物として鋼中に存在する)の含量は夫々約0.015重量%未満及び約0.003重量%未満であることが好ましい。この好ましさは溶接物の母材及び熱影響ゾーンの低温靭性の改良を最大にする必要から生じる。記載された制限リン含量は連続鋳造スラブ中の中央線偏析を減少し、粒子間破壊を防止することにより低温靭性の改良に寄与する。記載された制限硫黄含量は熱間圧延中に伸ばされる硫化マンガン混在物の数及びサイズを減少することにより鋼の延性及び靭性を改良する。
バナジウム、銅、またはクロムがこのULTT実施態様の鋼に添加されてもよいが、必要とされない。バナジウム、銅、またはクロムがこのULTT実施態様の鋼に添加される場合、夫々約0.01重量%、0.1重量%、または0.1重量%の下限が好ましい。何とならば、これらは鋼の性質に認められる影響を与えるのに必要な個々の元素の最小量であるからである。一般に本発明の鋼に関して説明されたように、バナジウム含量に好ましい上限は約0.10重量%、更に好ましくは約0.08重量%である。約0.8重量%の上限がこのULTT実施態様において銅及びクロムの両方に好ましい。何とならば、それを超える銅またはクロム含量は現場溶接性及び熱影響ゾーンの靭性を有意に劣化する傾向があるからである。
上記化学組成を有する鋼でさえもが、それらがこのULTT実施態様の所望の微小構造を生じるのに適した条件下で加工されない限り、所望の性質を生じないであろう。
【0052】
本発明のこのULTT実施態様によれば、所望の化学的性質の鋼スラブまたはインゴットを好ましくは約1050℃〜約1250℃(1922°F-2282°F)の温度に再熱する。次いでそれを本発明の方法に従って熱間圧延する。詳しくは、このULTT実施態様について、熱間圧延を約700℃(1292°F)より高い仕上げ圧延温度で行うことが好ましく、また重圧延、即ち、約50%以上の厚さの減少が好ましくは約950℃(1742°F)〜約700℃(1292°F)で起こる。更に詳しくは、再熱スラブまたはインゴットを好ましくは少なくとも約20%かつ約50%未満の減少(厚さの)まで熱間圧延してオーステナイトが再結晶する第一温度範囲内で一つ以上の通過で板を形成し、次いで第一温度範囲より若干低く、かつAr3変換点の上の第二温度範囲内(オーステナイトが再結晶しない)で一つ以上の通過で約50%より大きい減少(厚さの)まで熱間圧延し、その第二温度範囲は約950℃〜約700℃(1742°F-1292°F)であることが好ましい。仕上げ圧延後に、このULTT実施態様のホウ素を含む鋼及び実質的にホウ素を含まない鋼の両方について、鋼板を少なくとも約10℃/秒(18°F/秒)、好ましくは少なくとも約20℃/秒(36°F/秒)の冷却速度で約450℃(842°F)〜約200℃(392°F)の所望の急冷停止温度に急冷する。急冷を停止し、鋼板を周囲温度に空冷して微粒子下部ベイナイトと微粒子ラスマルテンサイトの混合物の少なくとも約90体積%への鋼板の変換の完結を促進し、前記混合物の少なくとも約2/3が約10ミクロン未満の平均粒子サイズを有する未再結晶オーステナイトから変換された微粒子下部ベイナイトからなる。
【0053】
更に説明するために、鋼を少なくとも約1050℃(1922°F)に再熱し、その結果、個々の元素の実質的に全てが固溶体にとり込まれ、またその結果、鋼が圧延中に所望の温度範囲内に留まる。鋼を好ましくは約1250℃(2282°F)以下の温度に再熱して圧延によるその後の調質が充分には有効ではないような程度までのオーステナイト粒子の粗大化を避ける。鋼を全鋼スラブまたはインゴットの温度を所望の再熱温度に上昇するのに適した手段により、例えば、鋼スラブまたはインゴットを或る時間の期間にわたって炉に入れることにより再熱することが好ましい。再熱板を、再熱により粗大にされたオーステナイト粒子が先に説明したように高温圧延中に微細な粒子に再結晶するような条件下で圧延することが好ましい。所望されるように厚さ方向にオーステナイト粒子構造の超調質を得るために、重圧延をオーステナイトが再結晶しない第二温度範囲内で行うことが好ましい。一般に、約0.01重量%より多いニオブ及びモリブデンの両方を含む、このULTT実施態様の鋼について、この非再結晶温度範囲の上限、即ち、Tnr温度は約950℃(1742°F)である。この非再結晶温度範囲内で、約50%以上の熱間圧延中の厚さの減少が所望の微小構造調質を生じるのに好ましい。圧延を、オーステナイトが冷却中にフェライトに変換し始める温度、即ち、Ar3変換点より上で完結することが好ましい。更に、このULTT実施態様の鋼について、熱間圧延を約700℃(1292°F)以上の温度で完結することが好ましい。低温における高靭性は圧延を約約700℃(1292°F)及びAr3変換点の両方より依然として上でできるだけ低い温度で完結することにより得られる。加えて、このULTT実施態様の鋼について、熱間圧延を約850℃(1562°F)以下の温度で完結することが好ましい。所望の微粒子下部ベイナイト微小構造を得るために、圧延鋼を、例えば、水急冷により、約10℃/秒(18°F/秒)より大きく、好ましくは約20℃/秒(36°F/秒)より大きい急冷(冷却)速度で、好ましくは約450℃(842°F)〜約200℃(392°F)の温度(そこで下部ベイナイト及びオーステナイト変換が完結に達する)に冷却し、その結果、実質的にフェライトが生成されない。約10℃/秒(18°F/秒)より大きく、好ましくは約20℃/秒(36°F/秒)より大きい冷却速度は臨界冷却速度に相当してフェライト/上部ベイナイトの形成を実質的に排除し、鋼をこのULTT実施態様について特定された範囲の下限に近いP値で低合金添加で調製された鋼中で主として下部ベイナイト/ラスマルテンサイトに変換させる。高冷却速度では、靭性のわずかな改良が可能である。冷却速度の上限は熱伝導率により特定されるので、上限は明記されない。急冷による冷却が約450℃(842°F)より上で停止される場合、上部ベイナイトが生成する傾向があり、これは低温靭性に有害であり得る。対照的に、このような冷却が約200℃(392°F)より下まで続けられる場合、熱的に不安定なマルテンサイト微小構造が形成する傾向があり、これは低温靭性の低下をもたらし得る。更に、熱的に不安定なマルテンサイトの存在は熱影響ゾーン中の軟化の程度を増大する傾向がある。こうして、急冷停止温度(QST)は約450℃(842°F)〜約200℃(392°F)に制限されることが好ましい。
【0054】
このULTT実施態様に従って調製された鋼の例が以下に示される。種々の組成の材料を実験室融解により重さ約50 kg (110ポンド)及び厚さ約100mm(3.94インチ)のインゴットとして、また製鋼の既知の方法であるLD-コンバーターと連続鋳造の組み合わせにより厚さ約240mm(9.45インチ)のスラブとして調製した。インゴットまたはスラブを本明細書に記載された方法に従って種々の条件下で板に圧延した。厚さ約15mm(0.6インチ)から約25mm(1インチ)までの範囲の板の性質及び微小構造を調べた。鋼サンプルの機械的性質、即ち、降伏強度(YS)、引張強さ(TS)、-40℃(-40°F)における衝撃エネルギー(vE-40)、及びV切欠きシャルピー衝撃試験による50%vTrsを圧延方向に垂直の方向で測定した。約1400℃(2552°F)の最高加熱温度及び約800℃(1472°F)〜約500℃(932°F)で約25秒の冷却時間、即ち、約12℃/秒(22°F/秒)の冷却速度で溶接ヒートサイクルシミュレーターにより再現された熱影響ゾーンを使用して、熱影響ゾーン中の靭性、-20℃(-4°F)における衝撃エネルギー(vE-20)を評価した。現場溶接性を日本工業規格、JIS G 3158に従ってYスリット溶接亀裂試験(予熱温度を測定するための既知の試験)により測定して熱影響ゾーンの低温亀裂の防止に必要とされる最低予熱温度に基いて評価した。約1000 MPa (145 ksi)の引張強さ、約0.3KJ/mmの熱インプット及び金属100g当り水素3ccを含む溶接金属で電極を使用して溶接をガス金属アーク溶接方法により行った。
表3、及び表4(メートル(S.I.)単位)並びに表5(英国単位)は、比較の目的のために調製されたこのULTT実施態様の範囲外の幾つかの鋼に関するデータと一緒に本発明のこのULTT実施態様の実施例に関するデータを示す。このULTT実施態様の鋼板は強度、低温における靭性、及び現場溶接性の優れたバランスを有する。
【0055】
【表3】
Figure 0004294854
【0056】
【表4】
Figure 0004294854
【0057】
【表5】
Figure 0004294854
【0058】
【表6】
Figure 0004294854
【0059】
【表7】
Figure 0004294854
【0060】
【表8】
Figure 0004294854
【0061】
本発明のこのULTT実施態様は優れた現場溶接性及び低温靭性を有する超高強度ラインパイプ(930 Mpa以上の引張強さを有するAPI X100以上の)用の鋼の安定な大量生産を可能にする。これはパイプライン設計及び輸送効率並びに設置効率の有意な改良をもたらす。
このULTT実施態様の組成物を有し、本明細書に記載された方法に従って加工された鋼は、天然ガスもしくは原油の輸送用のラインパイプ、種々の型の溶接加圧容器、及び工業機械を含む、多種の用途に適している。
以上の発明が一つ以上の好ましい実施態様に関して記載されたが、その他の改良が特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱しないでなし得ることが理解されるべきである。
【0062】
用語の解説
Ac 1 変換点:オーステナイトが加熱中に形成し始める温度
Ar 1 変換点:オーステナイトからフェライトまたはフェライト+セメンタイトへの変換が冷却中に完結される温度
Ar 3 変換点:オーステナイトが冷却中にフェライトに変換し始める温度
B+M:微粒子下部ベイナイトと微粒子ラスマルテンサイトの混合物
セメンタイト:炭化鉄
Ceq (炭素当量):溶接性を表すのに使用される公知の工業用語;また、Ceq=(C重量%+Mn重量%/6+(Cr重量%+Mo重量%+V重量%)/5+(Cu重量%+Ni重量%)/15)
ESSP:鋼中の硫化物混在物の形状調節に関するインデックス;また、ESSP=(Ca重量%)〔1-124(O重量%)〕/1.25(S重量%)
Fe 23 (C,B) 6 :ホウ炭化鉄の形態
HAZ:熱影響ゾーン
重圧延:約50%より大きい厚さの減少
IDQ:中断直接急冷
不充分な化学的性質:約0.50未満のCeq
MA:マルテンサイト−オーステナイト成分
Mo 2 C:炭化モリブデンの形態
Nb(C,N):ニオブの浸炭窒化物
Pcm:溶接性を表すのに使用される公知の工業用語;また、Pcm=(C重量%+Si重量%/30+(Mn重量%+Cu重量%+Cr重量%)/20+Ni重量%/60+Mo重量%/15+V重量%/10+5(B重量%))
主として:本発明を記載するのに使用され、少なくとも約50体積%を意味する
【0063】
実質的にホウ素を含まない鋼に関するP値:2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+Mo+V-1(式中、C、Si、Mn、Cr、Ni、Cu、Mo及びVは重量%で表される)
ホウ素を含む鋼に関するP値:2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+2Mo+V(式中、C、Si、Mn、Cr、Ni、Cu、Mo及びVは重量%で表される)
急冷:(本発明を記載するのに使用される)、空冷とは反対に、鋼の冷却速度を増大するその傾向について選択された液体が利用されるあらゆる手段による加速された冷却
急冷(冷却)速度:板の厚さの中央、または実質的に中央における冷却速度
急冷停止温度 (QST):板の中間厚さから伝達される熱のために、急冷が停止された後に、板の表面で到達される最高、または実質的に最高の温度
REM:希土類金属
T nr 温度:それより下ではオーステナイトが再結晶しない温度
TS:引張強さ
V(C,N):バナジウムの浸炭窒化物
vE -20 :-20℃(-4°F)におけるV切欠きシャルピー衝撃試験による衝撃エネルギー
vE -40 :-40℃(-40°F)におけるV切欠きシャルピー衝撃試験による衝撃エネルギー
vTrs:V切欠きシャルピー衝撃試験により測定された遷移温度
50 vTrs:破壊表面が50面積%のせん断破壊を示す最低温度の実験測定及びV切欠きシャルピー衝撃試験からの外挿
YS:降伏強度
【図面の簡単な説明】
【図1】 経過プロセス時間と温度の特別な組み合わせと関連する種々の微小構造成分のオーバーレイによる、本発明の加工工程の略図である。
【図2A】 約295℃(563°F)の急冷停止温度で加工された鋼の主として自己焼もどしされたラスマルテンサイト微小構造を明らかにする明視野透過電子顕微鏡写真である。
【図2B】 約295℃(563°F)の急冷停止温度で加工された鋼の主として自己焼もどしされたラスマルテンサイト微小構造を明らかにする暗視野透過電子顕微鏡写真である。図2Bはマルテンサイトラス内の良く発達したセメンタイト沈殿を示す。
【図3】 約385℃(725°F)の急冷停止温度で加工された鋼の主として下部ベイナイト微小構造を明らかにする明視野透過電子顕微鏡写真である。
【図4A】 約385℃(725°F)のQSTで加工された鋼の明視野透過電子顕微鏡写真である。図4Aは主として下部ベイナイト微小構造を示す。
【図4B】 約385℃(725°F)のQSTで加工された鋼の暗視野透過電子顕微鏡写真である。図4Bは約10nm未満の直径を有するMo、V、及びNbの炭化物粒子の存在を示す。
【図5】 全て本発明の、本明細書中の表2に“H”及び“I”として同定されたホウ素鋼(円)、並びに本明細書中の表2に“G”として同定された不充分なホウ素鋼(正方形)の特別な化学配合物についての靭性及び引張強さの相対値に関する急冷停止温度の効果を示すプロット及び透過電子顕微鏡写真を含む複合ダイヤグラムである。-40℃(-40°F)におけるシャルピー衝撃エネルギー(vE-40)(ジュール)が縦座標にあり、引張強さ(MPa)が横座標にある。
【図6】 全て本発明の、本明細書中の表2に“H”及び“I”として同定されたホウ素鋼(円)、並びに本明細書中の表2に“D”として同定された実質的にホウ素を含まない鋼(正方形)の特別な化学配合物についての靭性及び引張強さの相対値に関する急冷停止温度の効果を示すプロットである。-40℃(-40°F)におけるシャルピー衝撃エネルギー(vE-40)(ジュール)が縦座標にあり、引張強さ(MPa)が横座標にある。
【図7】 約380℃(716°F)の急冷停止温度でIDQ加工された、サンプル鋼“D”(本明細書中の表2に記載)中の転位ラスマルテンサイトを明らかにする明視野透過電子顕微鏡写真である。
【図8】 約428℃(802°F)の急冷停止温度でIDQ加工された、サンプル鋼“D”(本明細書中の表2に記載)の主として下部ベイナイト微小構造の領域を明らかにする明視野透過電子顕微鏡写真である。下部ベイナイトの特徴である一方向に配列されたセメンタイト小板状体がベイナイトラス内に見られる。
【図9】 約461℃(862°F)の急冷停止温度でIDQ加工された、サンプル鋼“D”(本明細書中の表2に記載)中の上部ベイナイトを明らかにする明視野透過電子顕微鏡写真である。
【図10A】 約534℃(993°F)の急冷停止温度でIDQ加工された、サンプル鋼“D”(本明細書中の表2に記載)中のフェライトにより包囲されたマルテンサイト(中央)の領域を明らかにする明視野透過電子顕微鏡写真である。微細な炭化物沈殿がフェライト/マルテンサイト境界に隣接する領域中のフェライト内に見られる。
【図10B】 約534℃(993°F)の急冷停止温度でIDQ加工された、サンプル鋼“D”(本明細書中の表2に記載)中の高炭素、双晶マルテンサイトを明らかにする明視野透過電子顕微鏡写真である。

Claims (13)

  1. 少なくとも930 MPa の引張強さ、120 J より大きい-40℃におけるV切欠きシャルピー試験による衝撃エネルギー、-60℃未満の50%vTrs、及び少なくとも90体積%の微粒子下部ベイナイト及び微粒子ラスマルテンサイトの混合物を含む微小構造を有する鋼板であって、前記混合物の少なくとも2/3が10ミクロン未満の平均粒子サイズを有する未再結晶オーステナイトから変態された微粒子下部ベイナイトからなり、かつ前記鋼板が鉄と下記の重量%の合金元素
    0.05%〜0.10%のC、
    1.7%〜2.1%のMn、
    0.015%未満のP、
    0.003%未満のS、
    0.2%〜1.0%のNi、
    0.01%〜0.10%のNb、
    0.005%〜0.03%のTi、
    0.25%〜0.6%のMo、
    0.6重量%以下のSi、及び
    0.06重量%以下のAl
    とを含み、
    ホウ素を含まず、かつP値=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+Mo+V-1(式中、合金元素C、Si、Mn、Cr、Ni、Cu、Mo及びVは重量%で表される)と定義されるP値が1.9〜2.8であり、
    残部が不可避的不純物からなる再熱鋼から製造されることを特徴とする鋼板。
  2. 少なくとも930 MPaの引張強さ、120 Jより大きい-40℃におけるV切欠きシャルピー試験による衝撃エネルギー、-60℃未満の50%vTrs、及び少なくとも90体積%の微粒子下部ベイナイト及び微粒子ラスマルテンサイトの混合物を含む微小構造を有する鋼板であって、前記混合物の少なくとも2/3が10ミクロン未満の平均粒子サイズを有する未再結晶オーステナイトから変態された微粒子下部ベイナイトからなり、かつ前記鋼板が鉄と下記の重量%の合金元素
    0.05%〜0.10%のC、
    1.7%〜2.1%のMn、
    0.015%未満のP、
    0.003%未満のS、
    0.2%〜1.0%のNi、
    0.01%〜0.10%のNb、
    0.005%〜0.03%のTi、
    0.25%〜0.6%のMo、
    0.6重量%以下のSi、
    0.06重量%以下のAl、及び
    0.0006重量%〜0.0020重量%のホウ素を更に含み、かつP値=2.7C+0.4Si+Mn+0.8Cr+0.45(Ni+Cu)+2Mo+V(式中、合金元素C、Si、Mn、Cr、Ni、Cu、Mo及びVは重量%で表される)と定義されるP値が2.5〜3.5であり、
    残部が不可避的不純物からなる再熱鋼から製造されることを特徴とする鋼板。
  3. 微小構造がさらに8体積%未満のマルテンサイト−オーステナイト成分を含む請求項1又は2記載の鋼板。
  4. -40℃におけるV切欠きシャルピー試験による衝撃エネルギーが、175 Jより大きい請求項1〜3のいずれか1項記載の鋼板。
  5. 50%vTrsが-85℃未満である請求項1〜4のいずれか1項記載の鋼板。
  6. (i)0.01重量%〜0.1重量%のV、(ii)0.1重量%〜0.8重量%のCu、及び(iii)0.1重量%〜0.8重量%のCrからなる群から選ばれた少なくとも一種の添加剤を更に含む請求の範囲第1〜5のいずれか1項記載の鋼。
  7. 0.001重量%〜0.006重量%のカルシウム、0.001重量%〜0.02重量%のREM、及び0.0001重量%〜0.006重量%のマグネシウムを更に含む請求の範囲第1項〜第6項のいずれか1項記載の鋼。
  8. 少なくとも930 MPa の引張強さ、120 Jより大きい-40℃におけるV切欠きシャルピー試験による衝撃エネルギー、-60℃未満の50%vTrs、及び少なくとも90体積%の微粒子下部ベイナイト及び微粒子ラスマルテンサイトの混合物を含む微小構造を有する鋼板であって、前記混合物の少なくとも2/3が10ミクロン未満の平均粒子サイズを有する未再結晶オーステナイトから変態された微粒子下部ベイナイトからなる鋼板の調製方法であって、前記方法が
    (a)請求項1〜7のいずれか1項記載の鋼スラブを1050℃〜1250℃の範囲の温度に加熱する工程、
    (b)前記スラブをオーステナイトが再結晶する第一温度範囲の一つ以上の熱間圧延通過で減少して板を形成する工程、
    (c)前記板をオーステナイトが再結晶しない第二温度範囲の一つ以上の熱間圧延通過で更に減少する工程(50%より大きい厚さの減少が前記第二温度範囲で生じ、かつ前記熱間圧延が700℃及びAr3 変態点の両方よりも大きい仕上げ圧延温度で終了される)、
    (d)前記板を少なくとも10℃/秒の速度で450℃〜200℃の範囲の急冷停止温度に急冷する工程、及び
    (e)前記急冷を停止し、前記板を周囲温度に空冷して少なくとも90体積%の微粒子下部ベイナイト及び微粒子ラスマルテンサイトの混合物(前記混合物の少なくとも2/3が10ミクロン未満の平均粒子サイズを有する未再結晶オーステナイトから変態された微粒子下部ベイナイトからなる)への前記鋼板の変態の完結を促進する工程
    を含むことを特徴とする鋼板の調製方法。
  9. 微小構造がさらに8体積%未満のマルテンサイト−オーステナイト成分を含む請求項記載の調製方法。
  10. -40℃におけるV切欠きシャルピー試験による衝撃エネルギーが、175 Jより大きい請求項8又は9記載の調製方法。
  11. 50%vTrsが-85℃未満である請求項8〜10のいずれか1項記載の鋼板。
  12. 工程(c)の前記第二温度範囲が950℃より下である請求の範囲第項〜第11項のいずれか1項記載の方法。
  13. 工程(c)の前記仕上げ圧延温度が850℃より下である請求の範囲第項〜第12項のいずれか1項記載の方法。
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