JP2008088301A - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた難燃性を示すと共に、脱脂性にも優れる潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】(A)炭素数4〜24の脂肪族モノカルボン酸と3価又は4価の多価アルコールからなるポリオールエステル油を5〜45質量%、(B)炭素数4〜24の脂肪族モノカルボン酸、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸、及び3価又は4価の多価アルコールからなるコンプレックスエステル油を5〜38質量%、(C)40℃における動粘度が300mm/s以上、引火点280℃以上の鉱油を30〜90質量%、をそれぞれ含有し、かつ、前記(A)のポリオールエステル油と前記(B)のコンプレックスエステル油の合計が10〜70質量%であることを特徴とする潤滑油組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、産業機械などに用いられる潤滑油組成物に関し、優れた脱脂性と難燃性とを兼ね備えた潤滑油組成物に関する。
産業機械において潤滑油が高温に曝される場合、難燃性を有する潤滑油を使用することが求められている。一般に、難燃性潤滑油には、含水系や脂肪酸エステル、リン酸エステル等があり、その多くは油圧作動油として実績がある。特許文献1及び2には、難燃性に優れた合成エステル系潤滑油が開示されている。
ところで、鉄鋼設備等では、歯車や軸受部に使用する潤滑油においても難燃性を有することが期待されるが、実用化された例は少ない。特許文献3には、歯車や軸受部にも使用することができるW/Oエマルション系の難燃性潤滑油組成物が開示されている。しかし、含水系潤滑油の場合、長期にわたる使用等で系のバランスが崩れる場合には、潤滑油組成物の持つ本来の性能が損なわれることがある。また、水が多量に蒸発した場合には、難燃性が低下することがある。さらに、歯車や軸受部において潤滑油が開放系で使用された場合には、製品鋼板等へ潤滑油が付着する場合があり洗浄が必要とされることがある。そのため、このような潤滑油には、難燃性とともに製品鋼板等へ付着した潤滑油を除去しやすい性能、すなわち脱脂性に優れることが求められている。
特開平2−214795号公報 特開平3−21697号公報 特開平6−264087号公報
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、優れた難燃性を示すと共に、脱脂性にも優れる潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成する為に検討を重ねた結果、特定のポリオールエステル油、コンプレックスエステル油及び鉱油を、特定の配合比で含有する潤滑油組成物によって、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、(A)炭素数4〜24の脂肪族モノカルボン酸と3価又は4価の多価アルコールからなるポリオールエステル油を5〜45質量%、
(B)炭素数4〜24の脂肪族モノカルボン酸、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸、及び3価又は4価の多価アルコールからなるコンプレックスエステル油を5〜38質量%、
(C)40℃における動粘度が300mm/s以上、引火点280℃以上の鉱油を30〜90質量%、をそれぞれ含有し、
かつ、前記(A)のポリオールエステル油と前記(B)のコンプレックスエステル油の合計が10〜70質量%であることを特徴とする潤滑油組成物を提供するものである。なお、本発明においては、上記した、ポリオールエステル油とコンプレックスエステル油と鉱油との合計量が100質量%となるようにする。
本発明によれば、優れた難燃性を示すと共に、脱脂性にも優れる潤滑油組成物を提供することができる。
本発明の潤滑油組成物は、所定のポリオールエステル油、コンプレックスエステル油、および鉱油を含有する。以下、これらについて説明する。
(鉱油)
本発明の潤滑油組成物に用いられる鉱油は、40℃における動粘度が300mm/s以上であり、好ましくは350mm/s以上、さらに好ましくは400mm/s以上である。粘度が低すぎると十分な難燃性を有する潤滑油が得られない。なお、40℃における動粘度の上限値は、他成分との組み合わせで、適度な動粘度の潤滑油組成物が得られるものであれば特に制限はないが、下記に記載する具体例であるブライトストック等、入手しやすいものでは、600mm/s以下のものとなる場合が多い。なお、上記動粘度は、例えば、JIS K2283に規定されている方法で測定することができる。
また、引火点は280℃以上であり、好ましくは300℃以上である。引火点の上限値についても特に制限はないが、下記に記載する具体例であるブライトストック等、入手しやすいものでは、350℃以下となる場合が多い。
このような鉱油としては、その製造方法によって限定されるものではなく、従来公知の方法により得られる各種鉱油を用いることができる。例えば、原油の潤滑油留分を溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、白土処理等の精製処理を適宜組み合わせて精製したものが挙げられる。その具体例としては、ブライトストックが挙げられる。ここで、「ブライトストック」とは、原油の減圧蒸留残渣油を溶剤脱れき、溶剤抽出、溶剤脱ろう、水素精製して得られる高粘度潤滑油基油のことである。
本発明の潤滑油組成物に用いられる鉱油の含有量は、30〜90質量%の含有量であり、40〜85質量%が好ましい。そして、50〜80質量%がより好ましい。鉱油が、30質量%未満では、脱脂性が低下し、難燃性も低下する。また、90質量%を超えると却って脱脂性が低下する傾向にある。
(ポリオールエステル油)
本発明の潤滑油組成物に用いられるポリオールエステル油は、炭素数4〜24の脂肪族モノカルボン酸と3価又は4価の多価アルコールからなるエステルである。炭素数4〜24の脂肪族モノカルボン酸としては、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸等が挙げられ、炭素数8〜22の脂肪族モノカルボン酸がより好ましく、炭素数14〜22の脂肪族モノカルボン酸が最も好ましい。炭素数の範囲が上記範囲から外れると、潤滑油組成物の動粘度を適度に調整できない場合があり、また難燃性や脱脂性の効果にも影響する場合があるため好ましくない。なお、脂肪族モノカルボン酸は、直鎖又は分岐鎖のどちらでもかまわない。また、1分子のエステルを形成する脂肪族モノカルボン酸は同一であっても2種類以上の混合であっても構わない。
ポリオールエステルを形成する3価又は4価の多価アルコールとしては、炭素数が3〜6であるものが好ましい。このような多価アルコールとしては、グリセロール、エリスリトール、ネオペンチル構造を有する多価アルコール(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等)が挙げられる。これらの中でも好ましいのは、ネオペンチル構造を有する3価又は4価の多価アルコールであり、さらに、ネオペンチル構造を有する3価のアルコールが好ましく、特にトリメチロールプロパンが好ましい。
本発明で用いられるポリオールエステルとしては、多価アルコールの水酸基の全てがエステル化されている完全エステルであってもよく、水酸基の少なくとも1個以上がエステル化されていない水酸基の形で残っている部分エステルであってもよい。また、上記ポリオールエステルは単独で用いてもよいし、また2種類以上混合して用いてもよい。さらに、上記ポリオールエステルの40℃における動粘度は、10〜100mm/sであることが好ましい。さらに、エステル化は、従来公知の方法により行うことができる。
本発明の潤滑油組成物に用いられるポリオールエステル油は、5〜45質量%の含有量とし、好ましくは10〜40質量%の含有量とする。ポリオールエステル油が、5質量%未満では脱脂性が低下し、また、45質量%を超えると、難燃性が低下するためである。
(コンプレックスエステル油)
本発明の潤滑油組成物に用いられるコンプレックスエステル油は、炭素数4〜24の脂肪族モノカルボン酸、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸、及び3価又は4価の多価アルコールからなるエステルである。
炭素数4〜24の脂肪族モノカルボン酸としては、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸等が挙げられ、炭素数8〜22の脂肪族モノカルボン酸がより好ましく、炭素数14〜22の脂肪族モノカルボン酸が最も好ましい。炭素数の範囲が上記範囲から外れると、潤滑油組成物の動粘度を適度に調整できない場合があり、また難燃性や脱脂性の効果にも影響する場合があるため好ましくない。なお、脂肪族モノカルボン酸は、直鎖又は分岐鎖のどちらでもかまわない。また、1分子のエステルを形成する脂肪族モノカルボン酸は同一であっても2種類以上の混合であっても構わない。
炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられ、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸がより好ましく、炭素数10のセバシン酸が最も好ましい。炭素数の範囲を上記範囲から外れると、潤滑油組成物の動粘度を適度に調整できない場合があり、また難燃性や脱脂性の効果にも影響する場合があるため好ましくない。なお、脂肪族ジカルボン酸は、直鎖又は分岐鎖のどちらでもかまわない。また、1分子のエステルを形成する脂肪族ジカルボン酸は同一であっても2種類以上の混合であっても構わない。
コンプレックスエステルを形成する3価又は4価の多価アルコールとしては、炭素数が3〜6であるものが好ましい。このような多価アルコールとしては、グリセロール、エリスリトール、ネオペンチル構造を有する多価アルコール(例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)等が挙げられる。これらの中でも好ましいのはネオペンチル構造を有する3価又は4価の多価アルコールであり、さらにネオペンチル構造を有する4価の多価アルコールが好ましく、特にペンタエリスリトールが好ましい。
本発明で用いられるコンプレックスエステルとしては、多価アルコールの水酸基の全てがエステル化されている完全エステルであっても、水酸基の少なくとも1個以上がエステル化されていない水酸基の形で残っている部分エステルであってもよい。また、上記コンプレックスエステルは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。さらに、上記コンプレックスエステルの40℃における動粘度は、300〜3000mm/sであることが好ましい。さらに、エステル化は、従来公知の方法により行うことができる。
本発明の潤滑油組成物に用いられる合成系潤滑油基油のコンプレックスエステル油は、5〜38質量%の含有量とし、好ましくは10〜38質量%の含有量とする。これは、合成系潤滑油基油のコンプレックスエステル油が、5質量%未満では難燃性にやや劣り、他方、組成物全量基準で38質量%を超えると、脱脂性が低下するためである。
また、ポリオールエステル油とコンプレックスエステル油との合計量は、上記に記載の各成分の含有量の範囲を満たしていることを前提に、10〜70質量%であることが好ましく、さらには15〜60質量%が好ましく、特に20〜50質量%が好ましい。ポリオールエステル油とコンプレックスエステル油の合計量が10質量%未満であるとこれらのいずれかの成分が不足するため、不足する成分の影響を受け充分な効果が得られない。また、70質量%を超えると鉱油成分が相対的に不足し、充分な脱脂性と難燃性が得られない。
本発明の潤滑油組成物の動粘度は、好ましくは40℃で150〜400mm/sであり、より好ましくは150〜350mm/sである。動粘度がこの範囲より高いと脱脂性が低下することがあり、一方、動粘度がこの範囲より低いと十分な難燃性を得られないことがある。また、上記範囲の動粘度は、鉄鋼設備の装置等に用いられる工業用ギヤ油の用途に適している。
本発明にかかわる潤滑油組成物は、用途に応じてそれぞれ要求される性能を満たすために、一般に知られている各種添加剤、例えば摩耗防止剤、極圧剤、油性剤、酸化防止剤、金属清浄剤、金属不活性剤、無灰分散剤、防錆剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、消泡剤などの添加剤を適宜配合することも可能である。
摩耗防止剤及び極圧剤としては、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、アルキルフェニルホスフェート類、トリブチルホスフェート、ジブチルホスフェート類のリン酸エステル類、トリブチルホスファイト、ジブチルホスファイト、トリイソプロピルホスファイトなどの亜リン酸エステル類及びこれらのアミン塩等のリン系、硫化油脂、硫化オレイン酸等の硫化脂肪酸、ジベンジルジスルフィド、硫化オレフィン、ジアルキルジスルフィド等の硫黄系、Zn−ジアルキルジチオフォスフェート、Zn−ジアルキルジチオカルバメート、Mo−ジアルキルジチオフォスフェート、Mo−ジアルキルジチオカルバメート等の有機金属系化合物等が挙げられる。これらは、単独又は複数組み合わせて用いてもよく、本発明に係るポリオールエステル油とコンプレックスエステル油と鉱油との合計量100質量部に対し、摩耗防止剤及び極圧剤を0.01〜5質量部配合することができる。
油性剤としては、ステアリン酸,オレイン酸等の脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等の重合脂肪酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ脂肪酸、ラウリルアルコール、オレイルアルコール等の脂肪族飽和及び不飽和モノアルコール、ステアリルアミン、オレイルアミンなどの脂肪族飽和および不飽和モノアミン、ラウリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの脂肪族飽和および不飽和モノカルボン酸アミド、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール等のグリセリンエーテル、ラウリルポリグリセリンエーテル、オレイルポリグリセリンエーテル等のアルキル若しくはアルケニルポリグリセリンエーテル、ジ(2−エチルヘキシル)モノエタノールアミン、ジイソトリデシルモノエタノールアミン等のアルキル若しくはアルケニルアミンのポリ(アルキレンオキサイド)付加物等が挙げられる。これらは、単独又は複数組み合わせて用いてもよく、本発明に係るポリオールエステル油とコンプレックスエステル油と鉱油との合計量100質量部に対し、油性剤を0.01〜5質量部配合することができる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,2’−メチレンビス−4−メチル−6−t−ブチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤、N−フェニル−α−ナフチルアミン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン等のアミン系酸化防止剤、p,p’−ジノニルジフェニルアミン、混合ジアルキルジフェニルアミン、フェノチアジン等の硫黄系酸化防止剤、モリブデン系酸化防止剤、さらにジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。これらは、単独又は複数組み合わせて用いてもよく、本発明に係るポリオールエステル油とコンプレックスエステル油と鉱油との合計量100質量部に対し、酸化防止剤を0.01〜5質量部配合することができる。
金属清浄剤としては、Ca−スルフォネート、Ca−アルキルベンゼンスルフォネート、Ba−アルキルベンゼンスルフォネート、Mg−アルキルベンゼンスルフォネート、Na−アルキルベンゼンスルフォネート、Ca−アルキルナフタレンスルフォネート等の金属スルフォネート、Ca−フェネート、Ba−フェネート等の金属フェネート、Ca−サリシレート等の金属サリシレート、Ca−フォスフォネート、Ba−フォスフォネート等の金属フォスフォネート、Ca−カルボキシレート等が挙げられ、過塩基性塩、塩基性塩、中性塩等の塩基価の異なるものを任意に選択して用いることができる。これらは、単独又は複数組み合わせて用いてもよく、本発明に係るポリオールエステル油とコンプレックスエステル油と鉱油との合計量100質量部に対し、金属清浄剤を1〜5質量部配合することができる。
金属不活性剤としては、ベンゾトリアゾール、トリアゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、没食子酸エステル系の化合物等が例示される。これらは、単独又は複数組み合わせて用いてもよく、本発明に係るポリオールエステル油とコンプレックスエステル油と鉱油との合計量100質量部に対し、金属不活性剤を0.01〜1質量部配合することができる。
無灰分散剤としては、コハク酸イミド、コハク酸アミド、ベンジルアミン、コハク酸エステル、コハク酸エステル−アミド等を含有する添加剤及びそれらのホウ素含有物等が挙げられる。これらは、単独又は複数組み合わせて用いてもよく、本発明に係るポリオールエステル油とコンプレックスエステル油と鉱油との合計量100質量部に対し、無灰分散剤を1〜5質量部配合することができる。
防錆剤としては、ドデセニルコハク酸ハーフエステル、オクタデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸アミド等のアルキル又はアルケニルコハク酸誘導体、ソルビタンモノオレエート、グリセリンモノオレエート、ペンタエリスリトールモノオレエート等の多価アルコール部分エステル、Ca−石油スルフォネート、Ca−アルキルベンゼンスルフォネート、Ba−アルキルベンゼンスルフォネート、Mg−アルキルベンゼンスルフォネート、Na−アルキルベンゼンスルフォネート、Zn−アルキルベンゼンスルフォネート、Ca−アルキルナフタレンスルフォネート等の金属スルフォネート、ロジンアミン、N−オレイルザルコシン等のアミン類、ジアルキルホスファイトアミン塩等が例示される。これらは、単独又は複数組み合わせて用いてもよく、本発明に係るポリオールエステル油とコンプレックスエステル油と鉱油との合計量100質量部に対し、防錆剤を0.01〜5質量部配合することができる。
粘度指数向上剤としては、非分散型ポリメタクリレート、分散型ポリメタクリレート、非分散型オレフィンコポリマー(ポリイソブチレン、エチレン−プロピレン共重合体)、分散型オレフィンコポリマー、ポリアルキルスチレン、スチレン−ブタジエン水添共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体等のオレフィン共重合体が挙げられる。これらは、単独又は複数組み合わせて用いてもよく、本発明に係るポリオールエステル油とコンプレックスエステル油と鉱油との合計量100質量部に対し、粘度指数向上剤を1〜15質量部配合することができる。
流動点降下剤としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとアルキルナフタレンとの縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン、ポリブデン等が例示される。これらは、単独又は複数組み合わせて用いてもよく、本発明に係るポリオールエステル油とコンプレックスエステル油と鉱油との合計量100質量部に対し、流動点降下剤を0.01〜5質量部配合することができる。
消泡剤としては、液状シリコーン等が例示される。これらは、本発明に係るポリオールエステル油とコンプレックスエステル油と鉱油との合計量100質量部に対し、消泡剤を0.0005〜0.005質量部配合することができる。
本発明の潤滑油組成物は、上述のように、特定のポリオールエステル油、コンプレックスエステル油及び鉱油を、特定の配合比で含有することで、難燃性、脱脂性を高水準でバランスよく達成することができる。すなわち、上記3つの成分は、特定の配合比とすることで、それぞれの特性を補完し合いながら、難燃性および脱脂性を共に良好なものとすることができる。
本発明の潤滑油組成物は、難燃性を求められる種々の用途において使用することが可能である。例えば、産業機械の軸受や歯車、金属加工、特に好ましくは圧延機、搬送用ベルトコンベア、発電所のタービン、建設機械、工作機械、船舶等に用いることができる。特に、難燃性と共に脱脂性が求められるタイプのギヤ油(特に鉄鋼設備用のギヤ油)、圧延油、金属加工油等に好適に使用できる。
次に、本発明を、実施例と比較例によりさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの例によっては何等限定されるものではない。
実施例1〜4及び比較例1〜8では、以下に示す(1)〜(4)の成分を表1〜3に示した配合量(質量%)の割合で含有させた潤滑油組成物を調製し、それぞれの難燃性、脱脂性について評価を行った。
(1)鉱油A(ブライトストック、40℃の動粘度が500.9mm/sで、粘度指数96、引火点314℃)
(2)鉱油B(比較用鉱油、水素化精製鉱油、40℃の動粘度が99mm/sで、粘度指数97、引火点260℃)
(3)コンプレックスエステル(40℃の動粘度が510.2mm/sで、粘度指数154、ペンタエリスリトールと炭素数10のセバシン酸、炭素数18のイソステアリン酸の脂肪酸エステル)
(4)ポリオールエステル(40℃の動粘度が43.6mm/sで、粘度指数183、トリメチロールプロパンと炭素数18の直鎖脂肪族モノカルボン酸を主成分とする炭素数14〜22の脂肪族モノカルボン酸の脂肪酸エステル)
(脱脂性の評価)
脱脂性の評価は、下記のようにして行った。まず、気泡が試験片に付着しないように、各試料(潤滑油組成物)を試験片全体、均一に塗布した。脱脂剤として、FC4360(日本パーカライジング社製アルカリ性脱脂剤)を使用し、温度50℃の水にこれを2%溶解する溶液を調製した。当該溶液中に、試料が塗布された各試験片を静かに浸からせた。60秒後、各試験片を静かに引き上げ、水で洗浄後、試験片表面の油の残存量を目視で確認した。洗浄が確認できる面が全体の70%以上は「○」、30%以上70%未満は「△」、30%未満は「×」として評価を行った。結果を下記表1〜3に示す。なお、試験条件は下記の通りである。
−試験条件−
試験片 :JIS G 3141に規定するSPCC−SB 試験片A(1.6mm×60mm×80mm)
脱脂剤 :日本パーカライジング社製 脱脂剤FC4360(強アルカリ)
試験温度:50℃
浸漬時間:60秒
(燃焼性の評価)
難燃性の評価は、下記のようにして行った。まず、ステンレス製の容器を加熱炉で800℃まで加熱し、加熱炉から容器を取り出した直後に各試料(潤滑油組成物)を1g容器内へ滴下して、燃焼するかどうかの試験を行った。試料から炎が出て燃焼した場合を「×」、試料から炎が出ず燃焼しない場合を「○」として評価を行った。結果を下記表1〜3に示す。なお、試験条件は下記の通りである。
−試験条件−
試験容器:ステンレス製皿 内径75mm×深さ17mm×厚さ0.7mm
容器温度:800℃
Figure 2008088301
Figure 2008088301
Figure 2008088301
表1の実施例からは、本発明の構成を満たす潤滑油は、難燃性と脱脂性が共に優れていることがわかる。一方、表2および3の比較例からは、本発明の構成を外れると、十分な難燃性と脱脂性を同時に満たす潤滑油が得られないことがわかる。

Claims (2)

  1. (A)炭素数4〜24の脂肪族モノカルボン酸と3価又は4価の多価アルコールからなるポリオールエステル油を5〜45質量%、
    (B)炭素数4〜24の脂肪族モノカルボン酸、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸、及び3価又は4価の多価アルコールからなるコンプレックスエステル油を5〜38質量%、
    (C)40℃における動粘度が300mm/s以上、引火点280℃以上の鉱油を30〜90質量%、をそれぞれ含有し、
    かつ、前記(A)のポリオールエステル油と前記(B)のコンプレックスエステル油の合計が10〜70質量%であることを特徴とする潤滑油組成物。
  2. 潤滑油組成物の40℃における動粘度が150〜400mm/sであることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
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