JP6163435B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents
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(1)基油に、以下の(A)から(D)までの各成分を配合してなることを特徴とする潤滑油組成物。
(A)アルファオレフィン
(B)下記式〔1〕で表されるカルボン酸エステル
R1COOR2・・・〔1〕
(R1は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、および1つ以上のエステル構造の少なくともいずれかを含んでもよいヒドロカルビル基であり、水素原子を除く全原子数は6以上である。R2は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子および1つ以上のエステル構造の少なくともいずれかを含んでもよいヒドロカルビル基であり、炭素数は4以上である。式〔1〕のカルボン酸エステルは、カルボキシル基一つあたりの全原子数(水素原子を除く)が36以下である。)
(C)過塩基性金属塩
(D)酸化パラフィンの金属塩および酸化パラフィンのエステルのうち少なくともいずれか
(2)上述の(1)に記載の潤滑油組成物において、前記(A)成分の炭素数が6以上であることを特徴とする潤滑油組成物。
(3)上述の(1)または(2)に記載の潤滑油組成物において、前記(C)成分がカルシウム塩、バリウム塩およびナトリウム塩のうち少なくともいずれかであることを特徴とする潤滑油組成物。
(4)上述の(3)に記載の潤滑油組成物において、前記(C)成分がスルフォネート、フェネートおよびサリシレートのうち少なくともいずれかであることを特徴とする潤滑油組成物。
(5)上述の(1)から(4)までのいずれか1つに記載の潤滑油組成物において、前記(D)成分における酸化パラフィンの金属塩がカルシウム塩、ナトリウム塩およびバリウム塩のうち少なくともいずれかであることを特徴とする潤滑油組成物。
(6)上述の(1)から(5)までのいずれか1つに記載の潤滑油組成物において、前記基油の40℃動粘度が8mm2/s以下であることを特徴とする潤滑油組成物。
(7)上述の(1)から(6)までのいずれか1つに記載の潤滑油組成物において、前記(B)成分の配合量が組成物全量基準で0.1質量%以上10質量%以下であり、前記(D)成分の配合量が組成物全量基準で3質量%以上10質量%以下であることを特徴とする潤滑油組成物。
(8)上述の(1)から(7)までのいずれか1つに記載の潤滑油組成物において、前記(A)成分の配合量が組成物全量基準で3質量%以上12質量%以下であり、前記(C)成分の配合量が組成物全量基準で1質量%以上15質量%以下であることを特徴とする潤滑油組成物。
(9)上述の(1)から(8)までのいずれか1つに記載の潤滑油組成物において、前記基油の配合量が組成物全量基準で50質量%以上90質量%以下であることを特徴とする潤滑油組成物。
(10)上述の(1)から(9)までのいずれか1つに記載の潤滑油組成物が金属加工油であることを特徴とする潤滑油組成物。
(11)上述の(10)に記載の潤滑油組成物において、前記金属加工油が冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、アルミ板およびアルミ合金板のいずれかに用いられることを特徴とする潤滑油組成物。
(A)アルファオレフィン
(B)カルボン酸エステル
(C)過塩基性金属塩
(D)酸化パラフィンのエステルおよび酸化パラフィンの金属塩のうち少なくともいずれか
以下、本発明を詳細に説明する。
本組成物に用いられる基油としては、特に限定されるものではなく、一般に金属加工油の基油として知られる鉱油および合成油を用いることができる。
鉱油としては、パラフィン基系原油、中間基系原油、またはナフテン基系原油を常圧蒸留した残渣油、または常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油、さらにはこれらを常法に従って精製することによって得られる精製油、例えば溶剤精製油、水添精製油、脱ロウ処理油、白土処理油などを挙げることができる。
また、合成油としては、例えば、ポリブテン、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールエステル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、ヒンダードエステル、およびシリコーンオイルなどを挙げることができる。
これらの潤滑油基油は、1種単独で、または2種以上を混合して、さらには鉱油と合成油を組み合わせて使用することができる。
基油の40℃における動粘度が8mm2/s以下であると洗浄性や脱脂性に優れる。一方、油膜保持性や潤滑性さらには防錆性を良好に確保する観点からは40℃における動粘度が1mm2/s以上であることが好ましい。
(a)低粘度基油の40℃における動粘度は、より好ましくは1mm2/s以上2mm2/s以下の範囲である。一方、(b)高粘度基油の40℃における動粘度は、より好ましくは20mm2/s以上32mm2/s以下の範囲である。
(a)低粘度基油と(b)高粘度基油の配合比率については、本発明の効果を奏する範囲で特に制限はないが、(a)成分:(b)成分質量比で5:1〜20:1の範囲で混合したものが好ましい。
基油の配合量は、組成物全量基準で50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
本組成物における(A)成分は、アルファオレフィンである。アルファオレフィンを配合することにより本組成物の加工性、特にアルミ板への加工性を高めることができる。アルファオレフィンとしては炭素が6以上のものがアルミ板への加工性の観点より好ましく、炭素数が8以上のものがより好ましく、炭素数が12以上のものがさらに好ましい。また、低温特性の観点よりアルファオレフィンの炭素数は20以下であることが好ましい。アルファオレフィンとしては、直鎖状のものが潤滑性の観点より好ましい。
本組成物における(B)成分は、下記式〔1〕で表されるカルボン酸エステルである。
R1COOR2・・・〔1〕
ここで、R1は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、および1つ以上のエステル構造の少なくともいずれかを含んでもよいヒドロカルビル基であり、水素原子を除く全原子数は6以上である。また、R2は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子および1つ以上のエステル構造の少なくともいずれかを含んでもよいヒドロカルビル基であり、炭素数は4以上である。さらに、式〔1〕のカルボン酸エステルは、カルボキシル基一つあたりの全原子数(水素原子を除く)が36以下である。
上記した特定のカルボン酸エステルを配合することにより、本組成物は加工性に非常に優れるようになり、特にアルミ板への高い加工性を担保することができる。
このようなカルボン酸エステルとしては、一価カルボン酸と一価アルコールとから得られるエステル、一価カルボン酸と多価アルコールとから得られるエステル、ジエステルなどの多価カルボン酸と一価アルコールとから得られるエステルなどが挙げられる。これらは、芳香族系および脂肪族系のいずれでもよく、部分エステルおよびフルエステルのいずれでもよい。
これらのカルボン酸あるいはカルボン酸単位は、個別に用いてもよく、2以上の任意の混合物として用いてもよい。
上記エステルの具体例としては、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソノニル、パルミチン酸イソデシル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソノニル、ステアリン酸イソデシル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、オレイン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸オクチル、オレイン酸イソノニル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸ジグリセリル、オレイン酸トリグリセリル、シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジヘキシル、シュウ酸ジヘキシル、シュウ酸ビス(2−エチルヘキシル)、シュウ酸ジオクチル、シュウ酸ジイソノニル、シュウ酸ジイソデシル、コハク酸ジブチル、コハク酸ジヘキシル、コハク酸ジヘキシル、コハク酸ビス(2−エチルヘキシル)、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソノニル、コハク酸ジイソデシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジイソノニル、およびセバシン酸ジイソデシルなどが挙げられる。以上、モノエステル、とジエステルおよびトリエステルのみ例示したが、他の構造のエステルでもよい。なお、上記した各エステルは2以上の任意の混合物として用いることができる。
すなわち、R1は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、および1つ以上のエステル構造の少なくともいずれかを含んでもよいヒドロカルビル基であり、水素原子を除く全原子数は6以上であり、好ましくは10以上である。また、R2は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子および1つ以上のエステル構造の少なくともいずれかを含んでもよいヒドロカルビル基であり、炭素数は4以上である。さらに式〔1〕のカルボン酸エステルは、カルボキシル基一つあたりの全原子数(水素原子を除く)が36以下であり、好ましくは28以下であり、より好ましくは24以下である。
潤滑油組成物としての低温安定性および原料入手の容易性の観点より、R1の水素原子を除く全原子数は20以下であることが好ましく、同様の理由によりR2の好ましい炭素数は16以下である。
本組成物における(C)成分は、過塩基性金属塩である。(C)成分は、本組成物において、防錆剤として機能するが、特に鋼板に対する防錆効果に優れる。過塩基性金属塩としては、金属スルフォネート、金属サリシレート、および金属フィネートが好ましく適用できる。また、これらは、アルカリ土類金属塩あるいはアルカリ金属塩であることが好ましく、金属系清浄剤として知られているものより選択して使用することもできる。
金属フェネートとしては、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応物のアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩)やアルカリ土類金属塩(例えばマグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等)が挙げられる。これらのうち、カルシウム塩が防錆性、潤滑性および脱脂性を両立させる上で特に好ましく用いられる。
また、上記した各カルシウム塩のうちでは、特にカルシウムスルフォネートが好ましい。
上記した各金属塩においては、全塩基価(TBN)が300mgKOH/g以上であることが好ましく、400mgKOH/g以上700mgKOH/g以下であることがより好ましい。全塩基価が300mgKOH/g以上であると防錆性および加工性により優れるようになる。また、全塩基価が700mgKOH/g以下であると、潤滑油組成物中における溶解性および分散性の観点で好ましい。なお、全塩基価は、JIS K 2501の過塩素酸法に準拠して測定した値である。
(C)成分の配合量が1質量%以上であると、防錆性に優れるだけでなく、特に亜鉛メッキ鋼板の加工性に優れるようになる。また、この配合量が15質量%以下であると、潤滑油としての好ましい動粘度や低温安定性、他の添加剤による、鋼板の加工性以外の他の性能を十分に担保できる。
本組成物における(D)成分は、酸化パラフィンの金属塩および酸化パラフィンのエステルのうち少なくともいずれかである。(D)成分は、本組成物において、防錆剤として機能するが、特にアルミ板に対する防錆効果に優れる。
酸化パラフィンの金属塩とは、酸化パラフィンと、アルカリ金属やアルカリ土類金属とを反応させ、酸化パラフィンが有する酸性基の一部または全部を中和して塩としたものをいう。ここで、原料として使用される酸化パラフィンとしては特に制限されないが、具体的には例えば、石油留分の精製の際に得られるパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムや合成により得られるポリオレフィンワックス、スラックワックス等のワックスを酸化することによって製造されるもの等が挙げられる。また、原料として使用されるアルカリ金属やアルカリ土類金属には特に制限はないが、上記(C)成分の説明で示されたアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩)やアルカリ土類金属塩(例えばマグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等)が防錆効果の点で好ましい。特にカルシウムスルフォネートが防錆性および脱脂性を両立させる上で好ましい。
なお、酸化ワックスのバリウム塩を用いると、人体や生態系に対する安全性が不十分となるので、使用することは必ずしも推奨されない。
(D)成分の配合量が2質量%以上であると、特にアルミ板への防錆性および加工性に優れるようになる。また、この配合量が20質量%以下であると、潤滑油中における溶解性や潤滑油としての好ましい動粘度、他の添加剤による、アルミ板の防錆性や加工性以外の他の性能を十分に担保できる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、およびオクタデシル3−(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのモノフェノール系化合物、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、および2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)などのジフェノール系化合物が挙げられる。
酸化防止剤の配合量が0.1質量%以上であると、潤滑油組成物の酸化劣化をより防止できるようになる。また、この配合量が5質量%以下であると、他の添加剤の効果を十分に担保できる。
極圧剤としては、例えば、リン酸エステルや亜リン酸エステルを挙げることができる。リン酸エステルや亜リン酸エステルとしては、リン系極圧剤として潤滑油分野で用いられているものを使用することができ、具体的には、アルキルフォスフェート、アルキルフォスファイト、アルキルアシッドフォスフェート、アルキルチオフォスファイト、アルキルアシッドフォスフェートのアミン塩、およびアルキルリン酸のカルシウム塩などが挙げられる。ここでアルキル基の炭素数は11以上のものが好ましい。炭素数が11以上であると、加水分解に対する安定性を高めることができる。一方、アルキル基の炭素数は、溶解性および潤滑性の観点より17以下であることが好ましい。上記したリン酸エステル、亜リン酸エステルは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
上述した極圧剤の配合量は、組成物全量基準で、0.1質量%以上5質量%以下の範囲であることが好ましい。極圧剤としてリン酸エステルや亜リン酸エステルを用いる場合、組成物全量基準かつリン換算量で0.01質量%以上2質量%以下の範囲が好ましい。
消泡剤としては、例えばジメチルポリシロキサンやポリアクリレート等が挙げられる。消泡剤の好ましい配合量は、組成物基準で0.0001質量%以上2質量%以下程度の範囲である。
〔実施例1〜11、比較例1〜9〕
表1に示すように、基油に各成分および添加剤を配合して各試料油を調整し、下記方法によって評価した。その結果も表1に示す。
JIS K2283に準拠して測定した。
(2)防錆性
60×80×0.8mmのSPCC−SD(冷間圧延鋼板)に試料油を塗布した。24時間の油切り後、屋外の格納箱にて暴露試験を7日間行い、鋼板表面の錆びの有無を目視観察し、以下の基準で評価した。
〇:さびなし
×:さびあり
60×80×0.8mmの合金化溶融亜鉛メッキ鋼板に試料油を約1g/mm2塗布した。当該鋼板に対し、往復動摺動試験器を用いて、10往復目の最大摩擦係数を測定した。なお、試験に用いた球は、SUJ21/2インチ球であり、3kgf(29.4N)の押し付け荷重をかけて測定した。測定は、温度70℃、摺動速度40mm/s、摺動回数10回の条件で行った。得られた摩擦係数を以下の基準で評価した。
◎:0.3未満
○:0.3以上、0.4未満
△:0.4以上、0.5未満
×:0.5以上
アルミ板(A5052板)に、各試料油を約1g/mm2塗布した。当該アルミ板について、往復動摺動試験器を用いて試験を行い、10往復目のアルミ板表面について顕微鏡によりアルミ板のかじりの有無を観察した。試験に用いた球はSUJ2 3/4インチ球であり、0.5kgf(4.9N)の押し付け荷重をかけて測定した。測定は、温度60℃、摺動速度10mm/s、摺動回数10回の条件で行った。評価基準は以下の通りである。
○:アルミ板へのかじりなし
×:アルミ板へのかじり有り
60×80×0.8mmのSPCC−SD(冷間圧延鋼板)に試料油を約1g/mm2塗布した。当該鋼板を脱脂液(パーカーFCE2001(2質量%溶液))に15秒浸漬し、その後30秒間水洗して脱脂状態を確認した。脱脂の程度は脱脂後の水濡れ面積にて評価した。水濡れ面積が80%以上になる脱脂時間によって以下のように評価した。
◎:45秒以内に水濡れ面積が80%
○:45秒を経過し、120秒以内に水濡れ面積が80%
×:120秒以上経過後に水濡れ面積が80%
100mL瓶に試料油を100mL入れて密閉し、−5℃の恒温槽に静置した。24時間後に、試料油について「くもりの有無」および「沈殿の有無」を目視で観察し、以下の基準で評価した。
〇:くもりおよび沈殿のいずれもなし
△:くもりおよび沈殿のいずれかが観察される
×:くもりおよび沈殿が観察される
2)基油B:鉱油 40℃動粘度 26.5mm2/s
3)アルファオレフィンA:1−ヘキサデセン((A)成分)
4)アルファオレフィンB:1−デセン((A)成分)
5)カルボン酸エステルA:ステアリン酸ブチル((B)成分)
6)カルボン酸エステルB:ステアリン酸メチル((B)成分にくらべR2の炭素数が少ない)
7)カルボン酸エステルC:ステアリン酸ステアリル((B)成分にくらべ総原子数が38と多すぎる)
8)カルボン酸エステルD:カプリル酸モノグリセリル((B)成分にくらべR2の炭素数が少ない)
9)カルボン酸エステルE:オレイン酸モノグリセリル((B)成分にくらべR2の炭素数が少ない)
10)カルボン酸エステルF:C8〜C10酸トリグリセリド((B)成分)
11)カルボン酸エステルG:オレイン酸トリグリセリド((B)成分)
12)カルボン酸エステルH: しゅう酸ジブチル((B)成分)
13)過塩基性Caスルフォネート:TBN 500mgKOH/g((C)成分)
14)酸化パラフィンのカルシウム塩A:酸価(電位差法)9.02mgKOH/g、Ca:1.34質量%((D)成分)
15)酸化パラフィンのカルシウム塩B:酸価(電位差法)6.5mgKOH/g、Ca
:1.10質量%((D)成分)
16)酸化防止剤:モノブチルフェニルモノオクチルフェニルアミン
表1によれば、実施例1〜11の試料油を用いると、亜鉛メッキ鋼板の摩擦係数が小さく、アルミ板の加工性に優れるとともに、防錆性、および脱脂性も良好であり、さらに低温安定性にも優れる。
一方、比較例1〜9の試料油では、本発明の潤滑油組成物における必須構成成分のいずれかを欠いていているため、亜鉛メッキ鋼板の摩擦係数、アルミ板の加工性、防錆性、脱脂性、および低温安定性の全てを満足することはできない。
Claims (9)
- 基油に、以下の(A)から(D)までの各成分を配合してなる潤滑油組成物であって、
前記(A)成分の配合量が当該潤滑油組成物全量基準で8質量%以下であり、
当該潤滑油組成物が金属加工油であり、前記金属加工油がアルミ板に用いられる
ことを特徴とする潤滑油組成物。
(A)アルファオレフィン
(B)下記式〔1〕で表されるカルボン酸エステル
R1COOR2・・・〔1〕
(R1 は、1つ以上のエステル構造を含んでもよいヒドロカルビル基であり、水素原子を除く全原子数は6以上である。R2 は、1つ以上のエステル構造を含んでもよいヒドロカルビル基であり、炭素数は4以上である。式〔1〕のカルボン酸エステルは、カルボキシル基一つあたりの全原子数(水素原子を除く)が36以下である。)
(C)過塩基性金属塩
(D)酸化パラフィンの金属塩および酸化パラフィンのエステルのうち少なくともいずれか - 請求項1に記載の潤滑油組成物において、
前記(A)成分の炭素数が6以上である
ことを特徴とする潤滑油組成物。 - 請求項1または請求項2に記載の潤滑油組成物において、
前記(C)成分がカルシウム塩、バリウム塩およびナトリウム塩のうち少なくともいずれかである
ことを特徴とする潤滑油組成物。 - 請求項3に記載の潤滑油組成物において、
前記(C)成分がスルフォネート、フェネートおよびサリシレートのうち少なくともいずれかである
ことを特徴とする潤滑油組成物。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の潤滑油組成物において、
前記(D)成分における酸化パラフィンの金属塩がカルシウム塩、ナトリウム塩およびバリウム塩のうち少なくともいずれかである
ことを特徴とする潤滑油組成物。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の潤滑油組成物において、
前記基油の40℃動粘度が8mm2/s以下である
ことを特徴とする潤滑油組成物。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の潤滑油組成物において、
前記(B)成分の配合量が組成物全量基準で0.1質量%以上10質量%以下であり、前記(D)成分の配合量が組成物全量基準で3質量%以上10質量%以下である
ことを特徴とする潤滑油組成物。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の潤滑油組成物において、
前記(A)成分の配合量が組成物全量基準で3質量%以上8質量%以下であり、前記(C)成分の配合量が組成物全量基準で1質量%以上15質量%以下である
ことを特徴とする潤滑油組成物。 - 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の潤滑油組成物において、
前記基油の配合量が組成物全量基準で50質量%以上90質量%以下である
ことを特徴とする潤滑油組成物。
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