JP5075342B2 - アルミニウム合金板材用潤滑組成物およびこれを用いたアルミニウム合金板ならびにアルミニウム合金板のプレス成形方法 - Google Patents

アルミニウム合金板材用潤滑組成物およびこれを用いたアルミニウム合金板ならびにアルミニウム合金板のプレス成形方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5075342B2
JP5075342B2 JP2006031466A JP2006031466A JP5075342B2 JP 5075342 B2 JP5075342 B2 JP 5075342B2 JP 2006031466 A JP2006031466 A JP 2006031466A JP 2006031466 A JP2006031466 A JP 2006031466A JP 5075342 B2 JP5075342 B2 JP 5075342B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum alloy
alloy sheet
carbon atoms
alcohol
lubricating composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006031466A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007211100A (ja
Inventor
知之 杉田
研二 野田
繁信 安永
秀一 川地
義和 木村
優気 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2006031466A priority Critical patent/JP5075342B2/ja
Publication of JP2007211100A publication Critical patent/JP2007211100A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5075342B2 publication Critical patent/JP5075342B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Description

本発明は、アルミニウム合金板材のプレス加工において、優れたプレス成形性を実現するアルミニウム合金板材用の潤滑組成物およびこれを用いたアルミニウム合金板ならびにアルミニウム合金板のプレス成形方法に関するものである。
アルミニウム合金板材は、鋼板に比べ軽量であり、耐食性にも優れているため、様々な産業分野で使用されている。近年、自動車の軽量化を図る目的でアルミニウム合金板材の使用頻度が次第に増加しているが、アルミニウム合金板材は鋼板に比べ成形性に劣るため、成形品の形状が複雑な場合にはプレス成形時にワレが発生し易いという問題がある。そのため、アルミニウム合金板は、量産車ではフード・ルーフ等の比較的成形が容易な部品への使用に限定されている。
この問題を解決する手段として、アルミニウム合金板材が良好な成形性を示す温度に加熱または冷却してプレス成形する方法や、アルミニウム合金板材に潤滑性を付与するための潤滑剤等が多数提案されている。
加熱してプレス成形する方法としては、例えば、「アルミニウム板材の温間深絞り加工方法」という名称にて、少なくとも深絞り用金型のダイスおよびブランクホルダーにおける被加工材と接触する面とコーナー部とを銅アルミニウム合金より構成した金型を使用すると共に、加工前に、雲母粉末を重量比5%以上20%以下の範囲で混入分散させた工業用潤滑剤(グリース、石鹸、ワックス、エマルジョン、動植物油脂、合成エステルのいずれか)を被加工材表面に塗布し、前記ダイスおよびブランクホルダーを加熱してプレス成形する方法が提案されている(特許文献1参照)。
冷却してプレス成形する方法としては、例えば、「アルミニウム又はアルミニウム合金板のプレス加工方法及び装置並びに同加工方法に使用する恒温装置」という名称にて、(a)アルミニウム又はアルミニウム合金板の素材を冷媒によって低温域に冷却する工程、(b)素材を冷却域に保持して成形金型により成形加工を行う工程、(c)成形加工後の素材を恒温装置によって常温に戻す工程、(d)常温に戻した後の素材をトリム型によってトリミングを行う工程よりなるプレス成形方法が提案されている(特許文献2参照)。
アルミニウム合金板に潤滑性を付与するための潤滑剤としては、例えば、「金属加工油組成物」という名称にて、炭素数10〜20のn−α−オレフィン30重量%以上と、全塩基価が450〜600mgKOH/gの過塩基性スルホネートを組成物の全塩基価が12.5〜200mgKOH/gになるように含有する組成物が提案されている(特許文献3参照)。
また、「アルミニウム箔圧延用潤滑油組成物」という名称にて、40℃における動粘度が1.0〜4.5cStである基油に対して、デシルアルコール0.5〜5重量%と、モノエステル0.5〜4重量%を含有し、かつデシルアルコールとモノエステルの合計を1〜8重量%の割合で配合してなる組成物が提案されている(特許文献4参照)。
特公平7−90293号公報(請求項1) 特許第3287148号公報(請求項1) 特許第2927644号公報(請求項1) 特許第2537522号公報(請求項1)
しかし、特許文献1にて提案されているプレス成形方法においては、金型を加熱する必要があるため、特殊な金型を用意する必要があり、金型を加熱するための電力も必要となることから、製造コストの増大は避けられない。また、高温条件で加工するため、潤滑剤が金型や成形品に固着し、成形不良の原因となったり、成形品の脱脂性等に不具合が生じる恐れがある。
また、特許文献2にて提案されているプレス成形方法においても、素材を冷却するための設備、冷却域に保持して加工を行う設備、および成形品を常温に戻すための設備を用意する必要があり、素材を冷却〜冷却域に保持して加工〜成形品を常温に戻すための電力も必要となることから、製造コストの増大は避けられない。
また、特許文献3にて提案されている潤滑剤においては、潤滑剤が付着した状態で長期間保管した場合、組成物の塩基価が高いために、アルカリ領域で腐食し易いアルミニウムでは、変色や白錆等が発生したり、脱脂性が低下する恐れがある。
また、特許文献4にて提案されている潤滑剤においては、潤滑性が不十分であり、潤滑成分が低分子量のアルコールおよびモノエステルであるため、単にその添加量を増量しても潤滑性の大幅な向上は期待できない。
本発明はこれらの問題に対処すべくなされたものであり、その目的は、従来の潤滑剤では不可能であったアルミニウム合金板材のプレス加工において、プレス成形時の温度制御なしに優れたプレス成形性を実現するアルミニウム合金板材用の潤滑組成物およびこれを用いたアルミニウム合金板ならびにアルミニウム合金板のプレス成形方法を提供することにある。
本発明は、アルミニウム合金板材用の潤滑組成物およびこれを用いたアルミニウム合金板ならびにアルミニウム合金板のプレス成形方法に関するものであり、本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物は、鉱油または合成油から選択される1種以上を基油とし、下記一般式(1)
Figure 0005075342
(式中、Rの炭素数が13以上21以下の直鎖飽和炭化水素鎖で、Rの炭素数が1以上3以下の直鎖飽和炭化水素鎖または以上18以下の分岐飽和炭化水素鎖。または、Rの炭素数がの分岐飽和炭化水素鎖で、Rの炭素数が14以上18以下の直鎖飽和炭化水素鎖である。)
で表されるモノエステルから選択される1種以上を10〜50質量%と、炭素数11〜17のオキソアルコールから選択される1種以上を5〜40質量%と、を含有することを特徴とするものである。
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物は、アルミニウム合金板材をプレス成形する際に潤滑剤として機能するものであり、さらに、本発明に係るアルミニウム合金板材用の潤滑組成物は、塗布したアルミニウム合金板材の腐食や変色を抑制する防錆剤としての機能を有するものである。
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物の構成成分であるモノエステルおよびオキソアルコールは、長鎖直鎖飽和炭化水素の主鎖を有するものであり、アルミニウム合金板材に塗布することにより、アルミニウム合金板材表面に緻密な吸着層を形成する。アルミニウム合金板材のプレス成形時には、この吸着層がアルミニウム合金板材表面と金型表面との間に介在することにより、摺動部の摩擦係数を低減すると共に、カジリや溶着等の発生を防止することができる。
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物においては、オキソアルコールが、炭素数10〜16の直鎖α−オレフィンを原材料としてオキソ法により製造されるオキソアルコールであって、下記一般式(2)
Figure 0005075342
(式中、R3は炭素数11〜17の直鎖飽和炭化水素鎖。)と下記一般式(3)
Figure 0005075342
(式中、R4は炭素数8〜14の直鎖飽和炭化水素鎖。)で表されるアルコールとの混合物であることが好ましい。
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物によれば、組成物の流動点が低くなることで、気温の低い冬季において、アルミニウム合金板材用潤滑組成物が凝固することなどを防ぐことができ、また、十分な潤滑性を得ることができる。
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物においては、前記一般式(2)と前記一般式(3)との混合物の割合が質量比で1:9〜9:1の範囲であることが好ましい。
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物によれば、アルミニウム合金板材用潤滑組成物が凝固することなどをさらに防ぐことができ、また、十分な潤滑性さらに得ることができる。
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物においては、さらにラノリン脂肪酸の多価アルコールエステルから選択される1種以上を0.1〜10質量%含有することが好ましい。
直鎖飽和炭化水素の主鎖を有するモノエステルおよびオキソアルコールは、潤滑性に優れる反面、主鎖が長鎖になる程流動点が上昇し、結果的に組成物の流動点も上昇する傾向にあるが、本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物は、流動点降下作用を有するラノリン脂肪酸エステルを加えることにより、組成物の流動点を下げることができる。
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物においては、前記アルミニウム合金板材用潤滑組成物の酸価が1.5mgKOH/g以下、塩基価が4mgKOH/g以下であることが好ましい。
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物によれば、アルミニウム合金板材に潤滑組成物を塗布した状態で保管した場合に腐食・変色が発生しにくく、脱脂性の低下を防ぐことができる。
本発明に係るアルミニウム合金板においては、前記アルミニウム合金板材用潤滑組成物が0.2g/m2〜5g/m2塗布されていることを特徴とするものである。
本発明に係るアルミニウム合金板によれば、アルミニウム合金板の腐食や変色を抑制することができ、また、プレス成形時において、摺動部の摩擦係数を低減すると共に、カジリや溶着等の発生を防止することができる。
前記アルミニウム合金板をプレス成形するアルミニウム合金のプレス成形方法においては、前記アルミニウム合金板を使用し、プレス成形することを特徴とするものである。
本発明に係るプレス成形方法によれば、摺動部の摩擦係数を低減すると共に、カジリや溶着等の発生を防止することができる。
すなわち、本発明に係るアルミニウム合金板材用の潤滑組成物およびこれを用いたアルミニウム合金板およびアルミニウム合金板のプレス成形方法は、アルミニウム合金板材のプレス成形時における優れた潤滑性を提供するものであり、産業上極めて有用なものである。
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物は、鉱油または合成油から選択される1種以上を基油とし、潤滑成分として下記一般式(1)
Figure 0005075342
(式中、R1、R2のいずれか一方は炭素数13以上で、R1の炭素数が21以下、R2の炭素数が18以下の直鎖飽和炭化水素鎖であり、そして他方は炭素数1以上で、R1の炭素数が7以下、R2の炭素数が8以下の直鎖または炭素数3以上で、R1の炭素数が17以下、R2の炭素数が18以下の分岐飽和炭化水素鎖である。)
で表されるモノエステルから選択される1種以上を10〜50質量%と、炭素数11〜17のオキソアルコールから選択される1種以上を5〜40質量%とを含有することを特徴とするものである。
つまり、R1、R2のいずれか一方は炭素数13以上で、R1が直鎖飽和炭化水素の場合、炭素数の上限は21、R2が直鎖飽和炭化水素の場合、炭素数の上限は18であり、他方は、直鎖飽和炭化水素の場合、炭素数の上限はR1では7、R2では8、分岐飽和炭化水素の場合、炭素数の上限はR1では17、R2では18である。
アルミニウム合金板材に使用されるアルミニウム合金は、特に規定するものではないが、自動車用途として使用されるアルミ合金が望ましい。アルミニウム合金としては、例えば、A3004、A5052、A5083、A5454、AA5022、AA5023、AA6016、AA6022、AA6111等を挙げることができる。
(基油)
基油としては、防錆油、金属加工油等の基油として一般に使用されている鉱油または合成油を採用することができる。この場合には、1種の基油を単独で使用することができるとともに、2種以上の複数種の基油を併用することもできる。鉱油としては、例えば、原油を蒸留して得られる留分を精製したパラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の精製鉱油を挙げることができ、合成油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、オレフィン系、芳香族系等の炭化水素系合成油、および、エステル系の合成油を挙げることができる。
(潤滑成分)
潤滑成分としての一般式(1)で表されるモノエステルとしては、飽和脂肪族モノカルボン酸と飽和脂肪族モノアルコールとのエステル化合物であって、飽和脂肪族モノカルボン酸または飽和脂肪族モノアルコールの少なくとも一方が炭素数13以上でR1の炭素数が21以下、R2の炭素数が18以下の直鎖飽和炭化水素鎖であり、そして他方は炭素数1以上で、R1の炭素数が7以下、R2の炭素数が8以下の直鎖または炭素数3以上で、R1の炭素数が17以下、R2の炭素数が18以下の分岐飽和炭化水素鎖を有するエステル化合物を採用することができ、モノエステルは、1種を単独で使用することができるとともに、2種以上の複数種を併用することもできる。R1、R2の両方が炭素数13未満の直鎖飽和炭化水素鎖、もしくは、R1、R2のいずれか一方が炭素数13以上の飽和炭化水素鎖であっても直鎖構造ではない場合には、潤滑性が不十分であるため好ましくない。また、R1、R2のいずれか一方が炭素数13以上で、R1の炭素数が21以下、R2の炭素数が18以下の直鎖飽和炭化水素鎖の場合には、低温時の凝固を抑制することができ、より好ましい。また、他方が直鎖飽和炭化水素鎖の場合に、R1の炭素数が7以下、R2の炭素数が8以下の場合には、低温時の凝固を抑制することができ、他方が分岐飽和炭化水素鎖の場合に、R1の炭素数が17以下、R2の炭素数が18以下の場合には、潤滑性の低下を抑制することができより好ましい。また、不飽和炭化水素鎖を有するものである場合には、酸化劣化し易く、腐食・変色の発生や、脱脂性の低下を招く恐れがある。また、ジエステルやトリエステル等、分子内に複数のエステル結合を有するエステルでは、その複雑な分子構造による立体障害により、緻密な吸着膜を形成できないことから、必要な潤滑性を得ることができない。さらに、分子内に複数のエステル結合を有することから、組成物のケン化価が高くなり脱脂性が劣るという問題がある。ここで、モノエステルの含有量は10〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。モノエステルの含有量が10質量%未満の場合は、潤滑性が不十分であり、また、モノエステルの含有量が50質量%を越えても潤滑性はそれほど上がらず不経済であるばかりでなく、脱脂性の低下を招く恐れがある。
一般式(1)で表されるモノエステルとしては、例えば、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸イソステアリル、ペンタデカン酸メチル、ペンタデカン酸エチル、ペンタデカン酸プロピル、ペンタデカン酸イソプロピル、ペンタデカン酸2−エチルヘキシル、ペンタデカン酸イソステアリル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸プロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸イソステアリル、ヘプタデカン酸メチル、ヘプタデカン酸エチル、ヘプタデカン酸プロピル、ヘプタデカン酸イソプロピル、ヘプタデカン酸2−エチルヘキシル、ヘプタデカン酸イソステアリル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸プロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソステアリル、イコサン酸メチル、イコサン酸エチル、イコサン酸プロピル、イコサン酸イソプロピル、イコサン酸2−エチルヘキシル、イコサン酸イソステアリル、ドコサン酸メチル、ドコサン酸エチル、ドコサン酸プロピル、ドコサン酸イソプロピル、ドコサン酸2−エチルヘキシル、ドコサン酸イソステアリル、2−エチルヘキサン酸ミリスチル、2−エチルヘキサン酸ペンタデシル、2−エチルヘキサン酸パルミチル、2−エチルヘキサン酸ヘプタデシル、2−エチルヘキサン酸ステアリル等を挙げることができる。
これらは単独でまたは二種以上を組合わせて使用することができる。
潤滑成分としての炭素数11〜17のオキソアルコールとしては、オキソ法により製造されるアルコールを挙げることができ、オキソ法によるアルコールの製造方法としては、触媒存在下、オレフィンに一酸化炭素と水素を反応させてアルデヒドとし、次いで、アルデヒドを水素化することによりアルコールを製造する方法がある。オキソアルコールは、1種を単独で使用することができるとともに、2種以上の複数種を併用することもできる。オキソアルコールの炭素数が11未満では潤滑性が不十分であり、炭素数が17を越えると組成物の流動点が高くなり過ぎ、気温の低い冬季において凝固するなど、使用上問題が生じる恐れがある。また、オキソアルコール以外のアルコールとして、例えば、脂肪酸を接触還元することにより得られる脂肪アルコールや、脂肪アルコールを縮合して得られるゲルベアルコール等があるが、飽和脂肪酸から製造される脂肪アルコールは、アルコールの流動点が高いために、気温の低い冬季において凝固してしまうため好ましくない。また、不飽和脂肪酸から製造される脂肪アルコールは、アルコールの流動点が低く低温性状に優れるという特徴があるが、酸化劣化し易く、腐食・変色の発生や、脱脂性の低下を招く恐れがある。また、ゲルベアルコールは、分岐鎖アルコールであるためアルコールの流動点が低く低温性状に優れるという特徴があるが、その複雑な分子構造による立体障害により、緻密な吸着膜を形成できないため、必要な潤滑性を得ることができない。オキソアルコールの含有量は、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。オキソアルコールの含有量が5質量%未満の場合は、潤滑性が不十分であり、また、オキソアルコールの含有量が40質量%を越えても潤滑性はそれほど上がらず不経済であるばかりでなく、脱脂性の低下を招く恐れがある。
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物においては、オキソアルコールが、炭素数10〜16の直鎖α−オレフィンを原材料としてオキソ法により製造されるオキソアルコールであって、下記一般式(2)
Figure 0005075342
(式中、R3は炭素数11〜17の直鎖飽和炭化水素鎖。)と下記一般式(3)
Figure 0005075342
(式中、R4は炭素数8〜14の直鎖飽和炭化水素鎖。)で表されるアルコールの混合物であることが好ましい。
一般式(2)で表されるアルコールとしては、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコールを挙げることができる。
一般式(3)で表されるアルコールとしては、2−メチル−1−デカノール、2−メチル−1−ウンデカノール、2−メチル−1−ドデカノール、2−メチル−1−トリデカノール、2−メチル−1−テトラデカノール、2−メチル−1−ペンタデカノール、2−メチル−1−ヘキサデカノールを挙げることができる。
また、一般式(2)で表されるアルコールと一般式(3)で表されるアルコールの含有比率は、質量比で1:9〜9:1の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、3:7〜7:3の範囲である。一般式(2)で表されるアルコールの含有比率が多すぎる場合には、組成物の流動点が高くなり、気温の低い冬季において凝固するなど、使用上問題が生じる恐れがある。一般式(2)で表されるアルコールの含有比率が少なすぎる場合には、十分な潤滑性が得られない。
(流動点降下成分)
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物においては、冬季における凝固を防止するため、組成物の流動点が0℃以下であることが好ましく、上記添加成分に加え、流動点降下成分として、さらにラノリン脂肪酸の多価アルコールエステルから選択される1種以上を、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%含有することにより、低温環境においてアルコールやエステルが結晶化し流動性を失うことを効果的に抑制することができる。すなわち、本発明に係るアルミニウム合金板材用の潤滑組成物において、ラノリン脂肪酸の多価アルコールエステルは、流動点降下剤として機能し、流動点が0℃以下となる。同様の効果を目的とした流動点降下剤は数多く市販されているが、本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物においては、既存の流動点降下剤に比べ、ラノリン脂肪酸の多価アルコールエステルの方がより効果的であり、潤滑性・防錆性・脱脂性等への悪影響が少ないという点で優れている。
ラノリン脂肪酸の多価アルコールエステルを構成する多価アルコールとしては、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトール等を挙げることができる。ラノリン脂肪酸の多価アルコールエステルは、これらの多価アルコールとラノリン脂肪酸のフルエステルでも良いし、部分エステルであっても良い。また、エステルを構成する脂肪酸の一部がラノリン脂肪酸以外の脂肪酸であっても良い。
ラノリン脂肪酸の多価アルコールエステルの流動点は40℃以下のものであることが好ましく、20℃以下のものがより好ましい。流動点が40℃を越えると、低温時ラノリン脂肪酸の多価アルコールエステル自体が析出し、性状が悪化する恐れがある。
ラノリン脂肪酸の多価アルコールエステルの含有量が0.1質量%未満の場合は、流動点降下作用の向上が不十分であり、また、ラノリン脂肪酸の多価アルコールエステルの含有量が10質量%を越えても流動点降下作用はそれほど上がらず不経済であるばかりでなく、脱脂性の低下を招く恐れがある。また、過剰に添加した場合には、低温時ラノリン脂肪酸の多価アルコールエステル自体が析出し、性状が悪化する恐れがある。
(防錆成分)
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物においては、アルミニウム合金板材に潤滑組成物を塗布した状態で保管する場合を考慮し、アルミニウム合金板材の腐食・変色を防止することを目的として、上記構成成分に加え防錆添加剤を添加することが好ましい。防錆添加剤としては、スルフォネート類、カルボン酸類、カルボン酸塩類、エステル類を採用することができ、これらのうちの1種を単独で使用することができるとともに、2種以上の複数種を併用することもできる。防錆添加剤の含有量は、10質量%以下とする。防錆添加剤の含有量が10質量%を越えても防錆性はそれほど上がらず不経済であるばかりでなく、脱脂性の低下を招く恐れがある。
スルフォネートとしては、例えば、石油留出成分の芳香族成分をスルホン化して得られる石油スルホン酸や、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸等の合成スルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩等を挙げることができる。
カルボン酸としては、例えば、カプロン酸、イソカプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸、ノナデカン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、ナフテン酸、アビエチン酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、トリメリット酸、ラノリン脂肪酸、アルケニルこはく酸、酸化ワックス等を挙げることができる。
カルボン酸塩としては、上記した各カルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩等を挙げることができる。
カルボン酸エステルとしては、上記した各カルボン酸とアルコールのエステル化合物を挙げることができる。アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、ネオペンチルアルコール、tert−アミルアルコール、sec−イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、イソヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトール、ポリアルキレングリコール等を挙げることができる。
また、本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物は、上記構成成分のみに限定されるものではなく、必要に応じて、油性向上剤、極圧添加剤、摩擦調整剤、消泡剤、界面活性剤、酸化防止剤等を添加することができる。
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物においては、組成物の40℃における動粘度が20mm2/sec以下であることが好ましく、10mm2/sec以下であることがより好ましい。動粘度が20mm2/secを越えると、組成物を塗布したアルミニウム合金板材を複数枚重ねた場合の密着力が大きくなり、ハンドリングが悪くなる。また、脱脂性の低下を招く恐れがある。
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物においては、組成物の酸価が1.5mgKOH/g以下、塩基価が4mgKOH/g以下であることが好ましく、より好ましくは、酸価1mgKOH/g以下、塩基価を3mgKOH/g以下である。組成物の酸価が1.5mgKOH/gを越えると、アルミニウム合金板材に潤滑組成物を塗布した状態で保管した場合に腐食・変色が発生し易く、脱脂性の低下を招く恐れがある。同様に、組成物の塩基価が4mgKOH/gを越えると、アルミニウム合金板材に潤滑組成物を塗布した状態で保管した場合に腐食・変色が発生し易く、脱脂性の低下を招く恐れがある。
ここで、所定範囲内で、各成分の含有量を制御することにより、組成物の酸価を1.5mgKOH/g以下、塩基価を4mgKOH/g以下とすることができる。
本発明に係るアルミニウム合金板においては、前記アルミニウム合金板材用潤滑組成物が0.2g/m2〜5g/m2塗布されていることを特徴とするものである。
本発明に係るアルミニウム合金板材用の潤滑組成物の使用方法については、特に限定するものではなく、プレス加工する際、成形直前のアルミニウム合金板材に対し、直接スプレー塗布しても良いし、ロールコーターなどを用いて塗布しても良い。また、アルミニウム合金板材に塗布せず、成形金型に塗布しておいても良い。さらに、アルミニウム合金板材製造メーカーにおいて、アルミニウム合金板材出荷前に予め塗布しておいても良い。
つぎに、本発明に係るアルミニウム合金板のプレス成形方法について説明する。
図1は、本発明に係るアルミニウム合金板のプレス成形方法を示したフローチャート図である。
図1に示すように、まず、アルミニウム合金板の製造における種々の工程を経て(S1)、アルミニウム合金板をコイルの状態にする(S2)。
ここで、コイルにするまでの工程は、通常行われる工程を採用することができるが、とくに限定されるものではない。
つぎに、コイルに、前記のアルミニウム合金板材用の潤滑組成物を塗布する(S3)。
この場合のアルミニウム合金板材用潤滑組成物の塗布方法は、所定の量をアルミニウム合金板に塗布できれば、特に限定するものではないが、均一に塗布するため、ロールコーティング、スプレーによる吹きつけ法、静電塗油等が好ましい。
つぎに潤滑組成物が塗布されたコイル状のアルミニウム合金板を切断するが(S5)、その前に一旦、潤滑組成物が塗布されたコイル状のアルミニウム合金を保管してもよい(S4)。
つぎに、潤滑組成物が塗布されたアルミニウム合金板をプレス成形する(S6)。
図2は、本発明に係る他のアルミニウム合金板のプレス成形方法を示したフローチャート図である。
図2に示すように、まず、アルミニウム合金板の製造における種々の工程を経て(S7)、アルミニウム合金板をコイルの状態にする(S8)。
ここで、コイルにするまでの工程は、通常行われる工程を採用することができるが、とくに限定されるものではない。
つぎにアルミニウム合金板を切断し、板の状態にする(S9)。
つぎに、この板状にしたアルミニウム合金板に前記のアルミニウム合金板材用の潤滑組成物を塗布する(S10)。
この場合のアルミニウム合金板材用潤滑組成物の塗布方法は、図1の態様と同様に特に限定するものではないが、均一に塗布するため、ロールコーティング、スプレーによる吹きつけ法、静電塗油等が好ましい。
つぎに、潤滑組成物が塗布された板状のアルミニウム合金板をプレス成形するが(S12)、その前に一旦、潤滑組成物が塗布された板状のアルミニウム合金を保管してもよい(S11)。
なお、本発明に係るアルミニウム合金板のプレス成形方法は、前記実施形態に限定されるものではない。
これらの本発明に係るプレス成形方法によれば、摺動部の摩擦係数を低減すると共に、カジリや溶着等の発生を防止することができる。
本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物によれば、アルミニウム合金板材をプレス成形する際に潤滑剤として機能するものであり、さらに、本発明に係るアルミニウム合金板材用の潤滑組成物は、塗布したアルミニウム合金板材の腐食や変色を抑制する防錆剤としての機能を有するものである。
また、アルミニウム合金板材のプレス成形時には、吸着層がアルミニウム合金板材表面と金型表面との間に介在することにより、摺動部の摩擦係数を低減すると共に、カジリや溶着等の発生を防止することができる。
また、本発明に係るアルミニウム合金板材用潤滑組成物によれば、組成物の流動点が低いことから、気温の低い冬季においても凝固することなく使用することができる。
また、アルミニウム合金板材に潤滑組成物を塗布した状態で保管した場合に腐食・変色が発生しにくく、脱脂性の低下を防ぐことができる。
本実施例では、各種の潤滑組成物を調製し、これらの潤滑組成物を試験油とするプレス成形性を確認する試験(プレス成形試験)、低温性状を確認する試験(低温性状確認試験)、脱脂性を確認する試験(脱脂試験)を行った。
(試験油):試験油の調製では、表1に示す基油として2種類、潤滑成分として8種類、流動点降下成分として2種類、防錆成分として2種類を採用して、これらの各成分を適宜組み合わせて調製した。採用した各成分については表1にまとめて示す。
ここで、潤滑組成物のうち、モノエステルとしては、a:パルミチン酸2−エチルヘキシル、オキソアルコールとしては、a:C11オキソアルコール、b:C13オキソアルコール、流動点降下成分のうち、a:トリメチロールプロパンラノリン脂肪酸トリエステルは、請求項の発明の構成を満たすものである。
また、潤滑組成物のうち、モノエステルとしては、b:ラウリン酸メチル、アルコールとしては、c:C9オキソアルコール、d:C19オキソアルコール、e:C12脂肪アルコール(ラウリルアルコール)、f:C20ゲルベアルコール(2−オクチルドデカール)、流動点降下成分のうち、b:トリメチロールプロパントリオレエートは請求項の発明の構成を満たさないものである。
Figure 0005075342
また、調製された試験油の組成および40℃における動粘度については、表2(実施例)、表3(比較例)に示す。但し、表2および表3において、添加量の単位は質量%、動粘度の単位は(mm2/sec)、酸価の単位は(mgKOH/g)、塩基価の単位は(mgKOH/g)である。また、表2および表3における各(―)欄は、該当する成分を含有していないことを示している。
また、表3において、請求項の発明の構成を満たさないものについては、数値に下線を引いて示す。
酸価はJIS規格K2501.5.1.1(指示薬滴定法)、塩基価はJIS規格K2501.5.2.2(電位差滴定法)により測定した。
<プレス成形試験>
アルミニウム合金板材(A5182−O 試験片形状1.0mm×84mmφのブランク)を試験片として、各試験片の表面に試験油をゴムローラを用いて2g/m2塗布して、各試験油ごとの供試片を調製した。これらの各供試片を、40mmφ(材質 SKD−11 ポンチR8mm)の円筒ポンチ、および42.5mmφのダイス(材質 SKD−11 ダイスR8mm)を用いて、ブランクホルダー押さえ荷重1000kgf(980N)、成形速度240mm/minの条件下で円筒絞り試験を行い、各供試片の潤滑性能を評価した。
潤滑性能の評価基準は、割れの生じない最大の円筒絞り高さとし、絞り高さが20mm以上の場合を成形性(優)◎、絞り高さが17.5mm以上20mm未満の場合を○、絞り高さが15mm以上17.5mm未満の場合を△、絞り高さが15mm以下の場合を×とした。得られた結果を表4(実施例)と、表5(比較例)に示す。
<低温性状確認試験>
低温時の性状安定性の指標として、各試験油の流動点をJIS規格K2269.3(流動点試験方法)に準じて測定した。
低温性状の評価基準は、流動点が−2.5℃以下のものを低温性(優)◎、流動点が0℃のものを○、流動点が2.5℃のものを△、流動点が2.5℃を越えるものを×とした。得られた結果を表4(実施例)と、表5(比較例)に示す。
<脱脂試験>
アルミニウム合金板材(A5182−O)試験片形状(1.0mm×70mm×100mm)を試験片として、各試験片の表面に試験油をゴムローラを用いて2g/m2塗布して、各試験油ごとの供試片を調製した。これらの各供試片を恒温恒湿の試験箱(温度50℃、湿度95%)に垂直に吊し、240時間放置した後脱脂試験に供した。脱脂試験では、脱脂剤として、ファインクリーナーE2001(日本パーカライジング株式会社製)を採用し、当該脱脂剤の2質量%水溶液を40℃に調整して、供試片を当該水溶液に浸漬して、当該水溶液を撹拌しつつ2分間放置した。浸漬終了後、供試片を流水中で30秒間水洗し、水洗後の供試片の脱脂状態を観察した。
脱脂状態の評価基準は、水洗後の各供試片の水濡れ面積(%)とし、水洗後の供試片の水濡れ面積が90%以上の状態を脱脂性(優)◎、水濡れ面積が80以上90%未満の状態を○、水濡れ面積が70以上80%未満の状態を△、水濡れ面積が70%未満の状態を×とした。得られた結果を表4(実施例)と、表5(比較例)に示す。
Figure 0005075342
Figure 0005075342
Figure 0005075342
Figure 0005075342
表4および表5に示すように、比較例1はモノエステルが含まれていないため成形性が不足し、比較例2はモノエステルの量が多すぎるため脱脂性が劣る。比較例3はオキソアルコールが含まれていないために成形性が不足し、比較例4はオキソアルコールの量が多すぎるため、低温性状と脱脂性に問題がある。比較例5は不適切なモノエステルを使用しているため成形性が不足している。比較例6はオキソアルコールの炭素数が少なすぎるため成形性に、比較例7は炭素数が多すぎるため低温性状に、それぞれ問題がある。比較例8、9はオキソアルコールを使用していないため低温性状や成形性に問題がある。比較例10は流動点降下成分の量が多すぎ、また酸価が高いため、脱脂性に問題があり、比較例11は流動点降下成分が不適切であるため、脱脂性・低温性状に悪影響を及ぼしている。比較例12は防錆成分の量が多すぎ、また塩基価が高いため、脱脂性に問題がある。
これに対し実施例1から9は配合する成分およびその量、とりわけ主成分であるモノエステルとオキソアルコールの成分・配合量が適性であるため、優れた成形性・低温性状・脱脂性を示す。
図1は、本発明に係るアルミニウム合金板のプレス成形方法を示したフローチャート図である。 図2は、本発明に係る他のアルミニウム合金板のプレス成形方法を示しフローチャート図である。

Claims (7)

  1. 鉱油または合成油から選択される1種以上を基油とし、
    下記一般式(1)
    Figure 0005075342
    (式中、Rの炭素数が13以上21以下の直鎖飽和炭化水素鎖で、Rの炭素数が1以上3以下の直鎖飽和炭化水素鎖または以上18以下の分岐飽和炭化水素鎖。または、Rの炭素数がの分岐飽和炭化水素鎖で、Rの炭素数が14以上18以下の直鎖飽和炭化水素鎖である。)
    で表されるモノエステルから選択される1種以上を10〜50質量%と、
    炭素数11〜17のオキソアルコールから選択される1種以上を5〜40質量%と、
    を含有することを特徴とするアルミニウム合金板材用潤滑組成物。
  2. 前記オキソアルコールが、炭素数10〜16の直鎖α−オレフィンを原材料としてオキソ法により製造されるオキソアルコールであって、下記一般式(2)
    Figure 0005075342
    (式中、R3は炭素数11〜17の直鎖飽和炭化水素鎖。)と、
    下記一般式(3)
    Figure 0005075342
    (式中、R4は炭素数8〜14の直鎖飽和炭化水素鎖。)
    で表されるアルコールとの混合物であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金板材用潤滑組成物。
  3. 前記アルコールの混合物の割合が、一般式(2):一般式(3)が質量比で1:9〜9:1の範囲であることを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム合金板材用潤滑組成物。
  4. 請求項1〜3に記載のアルミニウム合金板材用潤滑組成物において、さらにラノリン脂肪酸の多価アルコールエステルから選択される1種以上を0.1〜10質量%含有したことを特徴とするアルミニウム合金板材用潤滑組成物。
  5. 請求項1〜4に記載のアルミニウム合金板材用潤滑組成物において、前記アルミニウム合金板材用潤滑組成物の酸価が1.5mgKOH/g以下、塩基価が4mgKOH/g以下であることを特徴とするアルミニウム合金板材用潤滑組成物。
  6. 請求項1〜5に記載のアルミニウム合金板材用潤滑組成物が0.2g/m2〜5g/m2塗布されていることを特徴とするアルミニウム合金板。
  7. 請求項6に記載のアルミニウム合金板を使用し、プレス成形することを特徴とするアルミニウム合金板材のプレス成形方法。
JP2006031466A 2006-02-08 2006-02-08 アルミニウム合金板材用潤滑組成物およびこれを用いたアルミニウム合金板ならびにアルミニウム合金板のプレス成形方法 Expired - Fee Related JP5075342B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006031466A JP5075342B2 (ja) 2006-02-08 2006-02-08 アルミニウム合金板材用潤滑組成物およびこれを用いたアルミニウム合金板ならびにアルミニウム合金板のプレス成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006031466A JP5075342B2 (ja) 2006-02-08 2006-02-08 アルミニウム合金板材用潤滑組成物およびこれを用いたアルミニウム合金板ならびにアルミニウム合金板のプレス成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007211100A JP2007211100A (ja) 2007-08-23
JP5075342B2 true JP5075342B2 (ja) 2012-11-21

Family

ID=38489822

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006031466A Expired - Fee Related JP5075342B2 (ja) 2006-02-08 2006-02-08 アルミニウム合金板材用潤滑組成物およびこれを用いたアルミニウム合金板ならびにアルミニウム合金板のプレス成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5075342B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5283413B2 (ja) * 2008-03-27 2013-09-04 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 潤滑油組成物
JP5297742B2 (ja) 2008-09-26 2013-09-25 株式会社青木科学研究所 金型用粉体含有油性潤滑剤、これを用いた静電塗布方法、及び静電塗布装置
JP5283529B2 (ja) * 2009-02-10 2013-09-04 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 アルミニウム加工用潤滑油組成物
JP5883315B2 (ja) * 2012-02-28 2016-03-15 出光興産株式会社 金属加工用潤滑油組成物
JP6384649B2 (ja) * 2012-12-19 2018-09-05 協同油脂株式会社 潤滑油基油
JP6163435B2 (ja) * 2014-01-27 2017-07-12 出光興産株式会社 潤滑油組成物

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5216058B2 (ja) * 1972-02-10 1977-05-06
JPS49115107A (ja) * 1973-02-20 1974-11-02
GB8428621D0 (en) * 1984-11-13 1984-12-19 Alcan Int Ltd Lubricant
JPS63393A (ja) * 1986-06-19 1988-01-05 Nippon Steel Corp 多段式圧延機用水溶性冷間圧延油組成物
JPH01254798A (ja) * 1988-04-04 1989-10-11 Hakutou Kagaku Kk アルミニウム冷間加工用潤滑油
JPH0633272A (ja) * 1992-07-15 1994-02-08 Parker Kosan Kk 防錆油組成物
JP3354024B2 (ja) * 1994-12-22 2002-12-09 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム及びアルミニウム合金板の低温成形用潤滑剤
JPH10273687A (ja) * 1997-03-27 1998-10-13 Nippon Oil Co Ltd 塑性加工兼用さび止め油組成物
JP2002363592A (ja) * 2000-08-03 2002-12-18 Nippon Oil Corp さび止め油組成物
JP4463632B2 (ja) * 2004-07-06 2010-05-19 花王株式会社 アルミニウム及びアルミニウム合金板用熱間圧延油
JP4741816B2 (ja) * 2004-07-09 2011-08-10 住友軽金属工業株式会社 冷間圧延潤滑油

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007211100A (ja) 2007-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5075342B2 (ja) アルミニウム合金板材用潤滑組成物およびこれを用いたアルミニウム合金板ならびにアルミニウム合金板のプレス成形方法
CA2254125C (en) Biodegradable lubricant composition from triglycerides and oil-soluble copper
JP4466850B2 (ja) 軸受用潤滑油
JP5570683B2 (ja) 金属材料プレス加工用の潤滑油とそれを用いた金属材料のプレス加工方法
KR100391164B1 (ko) 알루미늄 및 알루미늄합금판의 저온성형용 윤활제
JP4619266B2 (ja) 自動車用高張力鋼板のプレス加工用の潤滑油
JP5202848B2 (ja) 金属材料加工用の潤滑油とそれを用いた金属材料の加工方法
JPS6366296A (ja) 潤滑油組成物
JP2023517562A (ja) オートマチックトランスミッションのための潤滑油組成物
CN115992021A (zh) 含硼添加剂作为铅腐蚀抑制剂的用途
JP5419267B2 (ja) ダイカスト油性離型剤
JP5231053B2 (ja) 潤滑油組成物
KR101906433B1 (ko) 비수용성 절삭유
JPH05339589A (ja) プレス加工兼用防錆油
JP3491721B2 (ja) 塑性加工用洗浄防錆油組成物
JPH08311476A (ja) 鋼板用防錆兼用プレス加工油
JP4467024B2 (ja) 高潤滑防錆油組成物
JP5060774B2 (ja) 亜鉛メッキ鋼板用金属加工油組成物
JP2008539316A (ja) 窒化ホウ素を含む高温バイオベース潤滑剤組成物
JP3639876B2 (ja) 塑性加工用防錆潤滑剤組成物
EP0146140A2 (en) Process for metal forming
WO2020131603A1 (en) Lubricating composition comprising a sulfur-containing carboxylic acid or ester additive
JP4829549B2 (ja) 塑性加工用潤滑油
WO2023190163A1 (ja) 潤滑油組成物
JP2007084663A (ja) 鋼板用潤滑防錆油

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110920

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120821

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120827

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5075342

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees