JP5231053B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

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本発明は、ポリカルボキシレートを含有する潤滑油組成物に関し、特には、摺動面のスティックスリップを防止するとともに、250℃以上の高い引火点を有し、工作機械の摺動面の潤滑に好適に用いることができる潤滑油組成物に関する。
工作機械は、金属の工作物を、切削、研削などによって不要な部分を取り除き、所要の形状に作り上げる機械である。したがって、工作機械には、工作物と切削あるいは研削工具との間の摩擦を低減し、摩擦熱を除去することによって、工具の寿命を延ばし、かつ製品の仕上げ精度を上げるために切削油が用いられている。さらに、工作物や切削工具を任意の方向に移動できる摺動面(案内面)を有する機構が不可欠であり、そこには摺動面用潤滑剤が用いられている。
工作機械は、年々、高速化、高精度化、省エネルギー化、良好な作業環境対応などが進められている。工作機械の高速化、高精度化についは、NC化に伴い、また、摺動面用潤滑油の高性能化とも相俟って、目覚しく進展しているが、さらに高速化、高精度化、高い作業効率の要求に対応するため、摩擦係数が低く、低速時、始動時の摺動面においてスティックスリップを生じない、より優れた摩擦特性を有する摺動面用潤滑油が求められている。
さらに近年では、水溶性切削油の使用が広まり、摺動面用潤滑油との適合性、良好な分離性が求められている。例えば、摺動面に水溶性切削油が入り、摺動面用潤滑油に混入すると、摺動面用潤滑油の性能は損なわれ、摺動特性を低下し、油不溶性スラッジが生成するなどの問題を生じる。また、水溶性切削油は、一般的に、切削加工部の工作物に供給され、切りくずを分離して再び切削加工部の工作物に供給され、循環使用される。水溶性切削油に摺動面用潤滑油が混入し分離することなく乳化状態となると、水溶性切削油の性能は著しく低下し、また腐敗が生じることとなる。したがって、このような摺動面用潤滑油組成物としては、水溶性切削油と分離しやすい性能が求められ、油性剤などの最適化処方が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、2002年6月に消防法が一部改正され、引火点が250℃以上の潤滑油製品(シリンダー油、ギヤー油を除く)は、安全性が評価されて可燃性液体類に分類されることとなり、諸般の手続きやその取り扱いが緩和、簡略化されることとなった。しかしながら、従来、鉱油系工作機械用の摺動面用潤滑油は、耐スティックスリップ性を付与するための油性剤として硫化油脂、硫化エステルなどが使用されてきた。これら硫黄分を10%程度含む硫化油脂系油性剤は、硫黄−硫黄結合力が弱いので、油性剤単体の引火点が150〜200℃程度、高くても210℃程度であり、一般的な配合量(2〜5%)では、仕上がり潤滑油製品の引火点を250℃以上に調整することは困難であった。引火点が250℃以上の工作機械の摺動面用の潤滑油を調製するために引火点が280℃以上の潤滑油基油を用いることも考えられるが、潤滑油基油の引火点を高くすると、粘度、流動点などが高くなり、低温特性も悪化するので、せいぜい270℃程度までの潤滑油基油を用いるのが限界であり、硫化油脂、硫化エステルを配合して引火点250℃以上の工作機械の摺動面用の潤滑油を調製することは実質的に極めて難しい。
特開2002−275489号公報
本発明は、上記問題を解決するものであり、具体的には、良好な摩擦特性や抗乳化性(油水分離性)を有しながら、好ましくは引火点が250℃以上と、安全性が高く、取り扱いやすい潤滑油組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、特定の添加剤を選択し、配合して調製した潤滑油組成物は、スティックスリップを生じず、低摩擦係数を有し、しかも良好な水との分離性も得られ、さらに、引火点250℃以上の潤滑油組成物を容易に調製でき、したがって、特に摺動面用潤滑油として好適に使用できることを見出した。かかる知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次のとおりの潤滑油組成物である。
(1)鉱油系及び/又は合成油系の潤滑油基油に、ポリカルボキシレートを0.05〜10質量%含有することを特徴とする潤滑油組成物。
(2)引火点が250℃以上である(1)に記載の潤滑油組成物。
(3)ポリカルボキシレートが次の一般式(1)で表される化合物でなる(1)又は(2)に記載の潤滑油組成物、
(式中、Rは−C2m−を示し、mは2〜12の整数を示し、X及びYはそれぞれ独立してH、又は−CH−O−C(=O)−Rを示し、Rは炭素数4〜22の炭化水素基を示し、nは2〜20の整数を示す。)
(4)潤滑油基油が、ポリ−α−オレフィンである(1)〜(3)のいずれかに記載の潤滑油組成物。
(5)工作機械の摺動面を潤滑するために用いる(1)〜(4)のいずれかに記載の潤滑油組成物。
本発明は、潤滑油基油(鉱物油、ポリ−α−オレフィン、脂肪酸エステル)に、ポリカルボキシレートを含有する潤滑油組成物であるから、潤滑油としての基本性能として、良好な摩擦特性(耐スティックスリップ性)と油水分離性(抗乳化性)を有し、なおかつ引火点を250℃以上と安全性、取り扱い性を向上することもできるという格別の効果を奏する。このため、工作機械多目的油、油圧作動油、軸受油、圧縮機油、マシン油に有用であり、特に工作機械の摺動面用潤滑油組成物として好適に用いることができる。
以下、本発明の潤滑油組成物を詳しく説明する。
〔基油〕
本発明の潤滑油組成物に用いる基油は、該組成物の主成分となるものであり、通常の潤滑油の基油として使用されるものであれば、鉱物油、合成油、あるいはそれらの混合物のいずれも使用することができる。
基油の物性としては、動粘度、流動点、引火点などが重要であり、40℃における動粘度は20〜500mm/sが好ましく、30〜300mm/sがより好ましい。流動点は−5℃以下が好ましく、−10℃以下がより好ましい。さらに、粘度指数は90以上が好ましく、100以上であることがより好ましい。
これらの物性は、最終製品である潤滑油組成物の物性に大きく影響するものであり、最終潤滑油製品の用途の要求する物性が得られることが目的である。潤滑油基油は、潤滑油組成物の70〜80%、場合によっては90%を占める主成分であるので、所望の潤滑油組成物の物性に近い物性を有するものが好ましい。
また、潤滑油組成物は、引火点が250℃以上であれば、消防法上可燃性液体類に該当し取り扱いやすくなる。したがって、潤滑油組成物の主成分である潤滑油基油も、引火点が250℃以上であることが好ましい。
複数の潤滑油基油の混合物の場合、該混合物として上記物性を満足するものであれば、混合前の個々の基油が上記物性の範囲を外れていても使用することができる。
鉱物油系基油としては、原油を常圧蒸留し、あるいはさらに減圧蒸留して得られる留出油を各種の精製プロセスで精製した潤滑油留分が挙げられる。精製プロセスは、水素化精製、溶剤抽出、溶剤脱ろう、水素化脱ろう、硫酸洗浄、白土処理などであり、これらを適宜の順序で組み合わせて処理して本発明の基油を得ることができる。異なる原油あるいは留出油を、異なるプロセスの組合せ、順序により得られた、性状の異なる複数の精製油の混合物も有用である。いずれの方法によっても、得られる基油の性状が、前述した粘度、引火点、流動点及び粘度指数を満足するように調整することによって好ましく使用することができる。
合成油系基油としては、加水分解安定性に優れる基材を用いることが好ましく、例えばポリ−α−オレフィン、ポリブテンや2種以上の各種オレフィンの共重合体などのポリオレフィン、ポリエステル、ポリアルキレングリコール、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなどが挙げられる。なかでも、ポリ−α−オレフィンが、入手性、コスト面、粘度特性、酸化安定性、システム部材との適合性の面で好ましい。ポリ−α−オレフィンは、1−ドデセンや1−デセンなどの重合物がコスト面でさらに好ましい。
潤滑油基油として、例示した合成油を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。さらに、前記鉱物油と混合しても使用することもできる。
合成油系基油を含めて、複数の潤滑油基油の混合物を使用する場合、該基油混合物が上記物性を満足するものであれば、混合前の個々の基油がかかる物性の範囲を外れていても使用することができる。したがって、個々の合成油系基油は、上記物性を必ずしも満足する必要はないが、上記物性の範囲内であることが好ましい。
〔ポリカルボキシレート〕
本発明の潤滑油組成物に用いられるポリカルボキシレートは、高分子構成ユニット中にカルボキシル基及び/又はその塩を有する重量平均分子量が1000〜6000の高分子化合物であり、これを配合すると摩擦特性が向上する。その詳細なメカニズムは明らかではないが、カルボキシル基の残基部分が摺動部材の金属に結合して油性剤のように作用して摩擦特性が向上するものと考えられる。したがって、工作機械多目的油、油圧作動油、軸受油、圧縮機油、マシン油などに好適に使用することができる。特に、ポリカルボキシレートを含有させることにより、従来の硫化油脂、硫化エステルなど油性剤では困難であった引火点が250℃以上の工作機械の摺動面用潤滑油を容易に調製することができる。
したがって、ポリカルボキシレートの物性としては、引火点が250℃以上であることが好ましいが、それ以外の物性として、酸価が10mgKOH/g以下であることが好ましい。
本発明で用いることのできるポリカルボキシレートとしては多価アルコールと多価カルボン酸とをエステル化し、エステル化されずに残った官能基(カルボキシル基、水酸基)は、モノアルコール、モノカルボン酸で全てエステル化し官能基を炭化水素基で封鎖して安定性を確保することが好ましい。さらには、多価カルボン酸の全ての−COOH基を多価アルコールでエステル化した後、エステル化されずに残った多価アルコールの−OH基をモノカルボン酸でエステル化したかたちのコンプレックスエステルがより好ましい。
多価アルコールとしては、特に、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどのネオペンチルポリオールを好ましい。多価カルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸などのジカルボン酸が好ましい。また、モノカルボン酸としては、n-ペンタン酸、n-ヘキサン酸、n-ヘプタン酸、n-オクタン酸、n-ノナン酸、n-デカン酸、i-ペンタン酸、i-ヘキサン酸、i-ヘプタン酸、2-エチルペンタン酸、2-メチルヘキサン酸、i-オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、i-ノナン酸、3,5,5-トリメチルヘキサン酸、i-デカン酸などが挙げられる。上記性状を有するポリカルボキシレート(コンプレックスエステル)の製造方法を特に限定するものではなく、どのような方法で調製してもかまわないが、エステル化に際しては、原料の混合反応割合、反応順序やその他の反応条件を、適宜調整することによって、上記の性状を有するポリカルボキシレート(コンプレックスエステル)を調製することができる。これらのうち、ペンタエリスリトールとアジピン酸(ヘキサン二酸)及びラウリン酸(ドデカン酸)とのポリカルボキシレート(コンプレックスエステル)が特に好ましい。
本発明で用いることのできるポリカルボキシレートは、より具体的には次の一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
上記の式(1)において、Rは−C2m−を示し、mは2〜12の整数を示し、X及びYはそれぞれ独立してH、又は−CH−O−C(=O)−Rを示し、Rは炭素数4〜22の炭化水素基を示し、nは2〜20の整数を示す。一般式(1)において、表記の便宜上、末端を封鎖したかたちで示していないが、既に述べたようにエステル化されずに残った官能基(カルボキシル基、水酸基)は、モノアルコール、モノカルボン酸で全てエステル化することが好ましい。したがって、末端に残った官能基がカルボキシル基の場合、−ORで封鎖し、水酸基の場合は−C(=O)−Rで封鎖されていることになる(Rはそれぞれ炭化水素基を示す)。
ポリカルボキシレートの含有量は、0.05〜10質量%が好ましい。0.05質量%以下では、ポリカルボキシレートによる優れた摩擦特性が得られず、また10質量%以上含有してもコスト増となるばかりではなく、貯蔵安定性が低下するとともに、摩擦特性の特段の向上は期待できない。
本発明の潤滑油組成物には、本発明の目的を逸脱しない範囲で、油性剤、摩耗防止剤・極圧剤、酸化防止剤、流動点降下剤、たれ防止剤、防錆剤、解乳化剤、消泡剤などの添加剤を適宜の割合で配合することができる。
このうち、工作機械の摺動面用潤滑油などに油性剤として一般的に使用されている脂肪酸(ステアリン酸、オレイン酸など)、アルコール(ラウリルアルコール、オレイルアルコールなど)、リン酸エステル(直鎖状酸性リン酸エステル、分枝状酸性リン酸エステルなど)などを本発明のポリカルボキシレートと併用することが可能である。その際、いずれか一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いることもできる。これら油性剤の配合量は、0.1〜10質量%のものが好適である。摩擦特性への寄与が十分に発揮され、経済的にも好ましい範囲で適当量配合することができる。
摩耗防止剤・極圧剤としては、硫黄系(ジルジサルファイド、硫化オレフィンなど)、リン系(トリクレジルフォスフェート、ジアルキルジチチオフォスフェートなど)、有機金属系(ジアルキルジチオリン酸亜鉛など)などが挙げられる。耐摩耗性、極圧性への寄与が十分に得られ、かつ経済的にも好ましい範囲で適宜配合することができる。
また酸化防止剤としては、潤滑油用に一般的に使用されているフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などを適宜配合することができる。
流動点降下剤やたれ防止剤には、一般的に知られているPMAポリマー、ポリブテンなどの高分子化合物を適宜配合することができる。
防錆剤としては、Ca、Baなどの金属塩(スルフォネートなど)や非イオン系化合物(ソルビタンエステル、ノニルフェニルエーテル類など)、コハク酸部分エステルなどの一般的に知られている添加剤を適宜配合することができる。
解乳化剤としては、非イオン系化合物(ポリオキシアルキレン付加物、ノニルフェニルエーテル類など)や3級アミン(トリオレイルアミン、ジラウリルモノメチルアミンなど)などを適宜配合することができる。
また消泡剤としては、シリコーン系、PMAポリマー系を適宜使用できる。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
次の潤滑油基油、油性剤および共通添加剤を用いて、それぞれの基材を表1及び表2の上部に示す割合で配合して、実施例および比較例の潤滑油を調製した。
潤滑油基油
潤滑油基油として、以下の性状のパラフィン系鉱物油を用いた。
パラフィン系鉱物油A:引火点260℃、動粘度(40℃)が68.0mm/s、粘度指数102、流動点−12.5℃。
パラフィン系鉱物油B:引火点265℃、動粘度(40℃)が220.0mm/s、粘度指数102、流動点−10.0℃。
ポリ−α−オレフィン:引火点270℃、動粘度(40℃)が68.0mm/s、粘度指数135、流動点−60.0℃。
油性剤
ポリカルボキシレート:式(1)においてm=4、xおよびyは−CH−O−C(=O)−R、Rは炭素数12の直鎖状アルキル基、n=6であり、分子量4000、引火点300℃
硫化油脂:引火点150℃、硫黄分15%
硫化エステル:引火点210℃、硫黄分10%
共通添加剤
共通添加剤として、フェノール系酸化防止剤、コハク酸部分エステル系防錆剤、ポリブテン系たれ防止剤を含有する添加剤混合物を用いた。なお、共通添加剤は、いずれの組成物にも、同量(3質量%)配合した。
このようにして調製した実施例1〜4及び比較例1〜5の潤滑油組成物について、摩擦特性(スティックスリップの有無、摩擦係数)性能を試験し、評価した。その結果を表1及び表2の下部に示す。
潤滑油としての性能は、次に示す方法で試験し、評価した。
1.引火点
引火点は、JIS K2274に記載されているクリーブランド開放式(COC)にて測定した。
2.動粘度
JIS K2283に従い、キャノンフェンスケ粘度計にて、40℃における動粘度を測定した。
3.摩擦特性
摩擦特性の評価は、工作機械における摺動面でのスティックスリップをシミュレートできる小型往復動型摩擦試験機(日東精密産業株式会社製スティックスリップ試験機)を用いて行った。本試験機は、下部固定試験片に対し、上部可動試験片に任意の荷重をかけ、任意のすべり速度で往復運動させることができる。往復運動におけるスティックスリップの発生状況は目視にて観察し、摺動時にスティックスリップにともなう異音、振動が発生し、摩擦係数の振れが大きい場合を「有」とし、異音、振動がせず摩擦係数も一定の値で安定している場合を「無」とした。摩擦係数は歪みゲージにて連続的に読みとった。本試験では潤滑油組成物の真の摩擦特性を評価することを目的に、上部および下部試験片は、ともに鋳鉄(FC30)を用いた。なお試験は室温(約25℃)にて実施した。表1および表2では、面圧1kg/cm、すべり速度25mm/minにおけるスティックスリップの有無、摩擦係数を示した。
4.抗乳化性(油水分離性)
水溶性切削油との分離性をシミュレートするために、JIS K2520に記載されている抗乳化性試験を実施した。具体的には、供試油40mlと精製水40mlを54℃、1500rpm、5minの条件下で乳化し、生じた乳化液が供試油と水に分離する分離性の経時変化を観察した。撹拌終了直後は均一な乳化状態であるが、分離性が優れる場合は急速に乳化相が供試油相および水相へと分離していく。そこで、撹拌後30min後の乳化相の残存量を以下の基準でランク付けし、抗乳化性(油水分離性)を評価した。
◎:10ml未満
○:10ml以上 20ml未満
×:20ml以上
表1より、ポリカルボキシレートを配合することにより、引火点が250℃以上で、摺動面における低摩擦係数化が図られ良好な耐スティックスリップ性が得られ、かつなお抗乳化性が良好なものとすることができることがわかった。
表2から、パラフィン系鉱物油Aに共通添加剤のみを配合した比較例1の場合、摩擦係数が実施例に比べ高く、耐スティックスリップ性に劣ることがわかる。また共通添加剤に硫化油脂(比較例2、3)、硫化エステル(比較例4)を配合した場合、良好な摩擦特性が得られるものの、引火点が250℃を下回ることが分かる。
また、パラフィン系鉱物油Bに共通添加剤および硫化油脂(比較例5)を配合した場合、良好な摩擦特性が得られるものの、引火点が250℃を下回ることが分かる。
さらに、ポリ−α−オレフィンに共通添加剤および硫化油脂(比較例6)を配合した場合、引火点が250℃を上回るものの、摩擦特性に劣ることが分かる。

Claims (2)

  1. 40℃における動粘度が20〜500mm 2 /sの鉱油系及び/又は合成油系の潤滑油基油に、重量平均分子量が1000〜6000の下記一般式(1)で表されるポリカルボキシレートを0.05〜10質量%含有することを特徴とする工作機械の摺動面用潤滑油組成物。
    (式中、R 1 は−C m 2m −を示し、mは2〜12の整数を示し、X及びYはそれぞれ独立してH、又は−CH 2 −O−C(=O)−R 2 を示し、R 2 は炭素数4〜22の炭化水素基を示し、nは2〜20の整数を示す。)
  2. 潤滑油基油が、ポリ‐α‐オレフィンである請求項1に記載の工作機械の摺動面用潤滑油組成物。




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