JP2008086234A - フルーツプレパレーション用シロップ - Google Patents

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【課題】加工工程や保存中のプレパレーション中でのフルーツのシュリンクを抑制し、また、シロップ中でのフルーツの分散性に優れたプレパレーション用シロップを提供する。更には、シロップ中でのフルーツのシュリンクを抑制することができる、フルーツのシュリンク抑制方法を提供する
【解決手段】フルーツプレパレーション用シロップに米澱粉を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、フルーツを糖やその他固形分を含有する溶液中で加工する際に用いる、フルーツプレパレーション用シロップに関する。詳細には、加工工程や保存中のフルーツのシュリンク(収縮)が抑制され、また、シロップ中でのフルーツの分散性に優れたフルーツプレパレーション用シロップに関する。
フルーツプレパレーションとは、フルーツを糖やその他固形分を含有する溶液(以下、「シロップ」と言う)中で加工したものであり、ヨーグルトやアイスクリーム、飲料などにフルーツを添加する際、生のフルーツに代えて使用される果実加工食品である。これらフルーツプレパレーションに用いられるシロップには、フルーツのシロップ中での分散性やヨーグルト、アイスクリームなどの食品との混合性を良好にするために、適度な粘度を付与することが行われてきた。
例えば、特許文献1にはヨーグルトなどに用いるアロエ葉肉含有加工品にコーンスターチを含有させることが記載されている。一方、特許文献2には生の果物の果肉片と粘稠剤を含有するジャム様食品が開示されており、粘稠剤として澱粉が開示されている。しかし、特許文献1及び2にはコーンスターチ、小麦澱粉、とうもろこし澱粉やワキシコーンスターチ等の記載はあるものの、米澱粉といった特定の澱粉を用いることについて一切記載されていない。更には、特許文献2におけるジャム様食品は果肉からの適度な水分の移動によってジャム様粘度を保つことを特徴としており、果肉のシュリンクを抑制することを目的としておらず、フルーツプレパレーションとは性質を異ならせるものである。また、コーンスターチやワキシコーンスターチといった米澱粉以外の澱粉を用いた場合は、調製したフルーツプレパレーション用シロップ中でフルーツを加工すると、フルーツ中の水分がシロップ側に移行し、フルーツのシュリンク(収縮)が起こりフルーツの食感を損なう、また移行した水分によってシロップの粘度が低下し、フルーツの分散性が低下する、ヨーグルトなどの食品に添加する際の作業性を悪化させてしまうといった問題があった。
一方、特許文献3には、ネイティブ型ジェランガムを安定剤として使用することを特徴とするフルーツプレパレーションが記載されており、併用安定剤の一種として澱粉が開示されているものの、米澱粉といった特定澱粉を用いることによりフルーツのシュリンクを抑制できることについて一切記載も示唆もされていない。更には、ネイティブ型ジェランガムを単独で用いた場合、少量の添加量でフルーツの分散性を維持する粘度を付与することができるものの、添加量のわずかな違いによってシロップの粘度が大きくぶれるなど、その粘度の調節は難しく取り扱いは容易ではなかった。
特開2004−248612号公報 特開昭59−192045号公報 特開2006−211940号公報
本発明はかかる事情に鑑みて開発されたものであり、加工工程や保存中のフルーツのシュリンクが抑制され、また、シロップ中でのフルーツの分散性に優れたフルーツプレパレーション用シロップを提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意研究を重ねていたところ、フルーツプレパレーション用シロップに米澱粉を含有することにより、加工工程や保存中のプレパレーション中でのフルーツのシュリンクを抑制することができ、またシロップ中でのフルーツの分散性に優れたプレパレーション用シロップとなることを見出して本発明に至った。
本発明は、以下の態様を有するフルーツプレパレーション用シロップ、及びプレパレーション用シロップ中でのフルーツのシュリンク抑制方法に関する;
項1.米澱粉を含有することを特徴とする、フルーツプレパレーション用シロップ。
項2.米澱粉の添加量が0.1〜5.0重量%である、項1記載のフルーツプレパレーション用シロップ。
項3.フルーツプレパレーション用シロップに米澱粉を含有することを特徴とする、フルーツプレパレーション中でのフルーツのシュリンク抑制方法。
本発明により、加工工程や保存中のプレパレーション中でのフルーツのシュリンクを抑制し、また、シロップ中でのフルーツの分散性に優れたプレパレーション用シロップを提供することができる。更には、シロップ中でのフルーツのシュリンクを抑制する、フルーツのシュリンク抑制方法を提供することができる。
本発明のフルーツプレパレーション用シロップは、米澱粉を含有することを特徴とする。本発明で用いる米澱粉としては、うるち米、もち米由来の未加工の生澱粉や化学的、物理的処理を施した加工澱粉でも構わないが、好ましくはもち米由来の加工・化工澱粉である。
加工・化工の程度は特に限定されず、例えば食品業界で広く用いられており、その製造方法も公知の方法(例えば、参考文献1:「加工澱粉の具体的使用方法について」食品技術加工 Vol.18 No3 pp.30-35(1998);参考文献2:Handbook of Water Soluble Gums and Resines,R.L.Davidson(Ed),Mc Grawhill,Inc.,NY,1890;参考文献3:Starch Chemistry and Technology,2nd ed,Whistler et al.(Ed),Academic Press,Inc.,Orlando,1984;参考文献4:Modified Starch:Properties and Uses,Wurzburg,O.B.,CRC Press,Inc.,Florida,1986等を参照のこと)を例示することができる。中でも化学的処理が施された米澱粉を使用するのが好ましい。
米澱粉の添加量としては、フルーツプレパレーション用シロップに対して、0.1〜5.0重量%、好ましくは0.5〜4.0重量%、更に好ましくは1.5〜3.5重量%を挙げることができる。なお、本発明で使用する米澱粉は商業上入手可能であり、松谷化学工業株式会社製のもみじ、日本NSC株式会社製のNOVATION8300などを挙げることができる。
更に、本発明のフルーツプレパレーション用シロップには、ネイティブ型ジェランガム及び/又は脱アシル型ジェランガムを併用することが好ましい。
本発明で使用するジェランガムは、Sphingomonas elodeaが産出する発酵多糖類であり、ネイティブ型ジェランガムは1−3結合したグルコース、1−4結合したグルクロン酸、1−4結合したグルコース及び1−4結合したラムノースの4分子を構成単位とする直鎖状の高分子多糖類の、1−3結合したグルコースに1構成単位当たりグリセリル基1残基とアセチル基が平均1/2残基結合したものであり、1構成単位当たりカルボキシル基1残基を有する。更に、脱アシル型ジェランガムは、1−3結合したグルコース、1−4結合したグルクロン酸、1−4結合したグルコース及び1−4結合したラムノースの4分子を構成単位とする直鎖状の高分子多糖類であり、1構成当たりカルボキシル基1残基を有するものである。
ネイティブ型ジェランガムの商業的に入手可能な製品として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のケルコゲル[商標:CPケルコ社]LT−100、ケルコゲル[同]HM及びケルコゲル[同]HTなどを挙げることができる。また、脱アシル型ジェランガムの商業的に入手可能な製品として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のゲルアップ[商標]K−S、ケルコゲル[同]などを挙げることができる。
ここで、米澱粉と併用する多糖類としてネイティブ型ジェランガムを用いることにより、より顕著にフルーツのシュリンクが抑制できるとともに、フルーツの高い分散性を維持しつつも食感が滑らかであり、フレーバーリリースが良好なフルーツプレパレーション用シロップとなる。米澱粉とネイティブ型ジェランガムを併用する場合の、米澱粉とネイティブ型ジェランガムのフルーツプレパレーション用シロップに対する添加量としては、シロップに対し、それぞれ米澱粉0.1〜5.0重量%、好ましくは0.5〜3.5重量%、更に好ましくは1.5〜3.0重量%、ネイティブ型ジェランガム0.01〜0.2重量%、好ましくは0.04〜0.15重量%、更に好ましくは0.06〜0.1重量%を好適な例として挙げることができる。
また、米澱粉に加え、脱アシル型ジェランガムを使用して得られたマイクロゲルをフルーツプレパレーション用シロップに用いることにより、更にシロップ中でのフルーツの分散性が高まる。脱アシル型ジェランガムを使用したマイクロゲルの製造方法としては、脱アシル型ジェランガムを含む安定剤と塩とを加熱攪拌溶解後、当該溶液を40℃以下、好ましくは30℃以下に冷却する方法を採ることが出来る。次に、ゲルの細砕化方法であるが、攪拌しながら冷却してゲル化と同時に細砕化を行っても良いし、冷却後攪拌することにより、ゲルを細砕化しても良い。細砕化の程度であるが、通常、原料を水に溶解する際に使用するプロペラ攪拌機や、超高速マルチ攪拌機などを使用して、500〜3000rpm(回転)で、5〜30分程度攪拌すれば良いが、例えばゲルがセットされた後に、粉砕器などでゲルをすりつぶしてもよい。
また、攪拌しながら冷却する方法として、超高温加熱処理法(UHT)を採用してもよい。UHTは、牛乳等の液状品の加熱殺菌に用いられ、通常加熱部で110〜140℃に保持された後、冷却部で55〜75℃に冷却されるのが一般的であるが、本発明では、冷却時の温度を通常より低い5〜40℃程度にすることで、マイクロゲルが得られる。
通常増粘剤を使用したフルーツプレパレーション用シロップでは夏場の外気にふれるような高温所に静置すると、シロップの品温が上昇し、粘度が低下することによりフルーツの分散性が低下することがあるが、上記の方法で得たマイクロゲルをシロップ中に含むことにより、温度変化によりフルーツのシロップ中での分散性が低下することはない。
また、マイクロゲルを調製するために必要な塩としては、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩などのカチオンを挙げることができ、好ましくはカルシウム塩である。カルシウム塩の例として、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、グルコン酸カルシウム、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、水酸化カルシウム、パントテン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム等の水可溶性のカルシウム塩の形態で用いられるか、または牛乳や豆乳などの動・植物性乳並びにこれらの乳製品の形態で用いることができる。塩の添加量は使用するジェランガムの種類やジェランガムの添加量によって、適宜調整することができるが、例えばカルシウム塩として乳酸カルシウムを添加する場合、シロップ部に対する添加量として、0.03〜0.3重量%を例示することができる。
なお、米澱粉と脱アシル型ジェランガムのフルーツプレパレーション用シロップに対する添加量としては、シロップに対し、それぞれ米澱粉0.1〜5.0重量%、好ましくは0.5〜3.5重量%、更に好ましくは1.5〜3.0重量%、脱アシル型ジェランガム0.05〜1.0重量%、好ましくは0.07〜0.5重量%、更に好ましくは0.08〜0.2重量%を好適な例として挙げることができる。更に、米澱粉、ネイティブ型ジェランガム、及び脱アシル型ジェランガムを併用する場合は、シロップに対し、それぞれ米澱粉0.1〜5.0重量%、好ましくは0.5〜3.5重量%、更に好ましくは1.5〜3.0重量%、ネイティブ型ジェランガム0.01〜0.2重量%、好ましくは0.04〜0.15重量%、更に好ましくは0.06〜0.1重量%、脱アシル型ジェランガム0.01〜0.8重量%、好ましくは0.03〜0.4重量%、更に好ましくは0.05〜0.15重量%添加することが好ましい。
また、フルーツプレパレーション用シロップは水溶性固形分(Brix)が5〜50重量%、好ましくは15〜45重量%、更に好ましくは20〜40重量%になるように任意に調整して使用することが望ましい。水溶性固形分は食用可能な水溶性の固形分の添加により調整を行うことができ、一般的な水溶性固形分の成分として、糖質を挙げることができるが、これに限定されず使用することができる。
糖質としては、砂糖、果糖、ブドウ糖、乳糖、水飴、還元水飴、果糖ブドウ糖液糖、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)等の糖質を使用することが出来る。なお、糖質のみで甘味が足りない場合は、アルパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ソーマチン、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア末等の高甘味度甘味料を添加しても良い。
そして、米澱粉と、必要に応じてネイティブ型ジェランガム及び/又は脱アシル型ジェランガムを含有するフルーツプレパレーション用シロップの調製方法としては、特に限定されずに、各種方法を用いることができる。具体的には、米澱粉、必要に応じてネイティブ型ジェランガム、脱アシル型ジェランガムを粉体混合したものをフルーツプレパレーション用シロップに添加する方法、いったん水に加熱溶解したものをシロップに添加する方法、あらかじめ糖質と混合した後に水に添加、加熱溶解する方法などが挙げられる。また、脱アシル型ジェランガムのマイクロゲルを用いる場合は、米澱粉、脱アシル型ジェランガム及び塩を加熱溶解したシロップを攪拌しながら冷却する方法、冷却後に攪拌する方法、米澱粉、脱アシル型ジェランガムを加熱溶解したシロップを冷却後、塩を加えて更に攪拌を続ける方法、予め調製したマイクロゲルをシロップ中に添加する方法など各種方法を用いることができる。
なお、フルーツプレパレーション用シロップは、適用される最終食品や、求められる分散性などによっても適宜調節することができるが、好ましくは2500〜8000mPa・s、更には、4000〜7500mPa・sの粘度に調整することが好ましい。また、フルーツと混合後は、1500〜4500mPa・s、更には、2000〜3500mPa・sの粘度に調整することが好ましい。
そして、フルーツプレパレーション用シロップ中にフルーツを添加することにより、シロップ中のフルーツのシュリンクが抑制され、かつフルーツの分散性に優れ、取り扱いが容易なフルーツプレパレーションを提供することができる。なお、フルーツとしては、適当なサイズにカットされたものを使用することができ、簡便には市販のフルーツ缶詰を使用することも出来る。フルーツの種類としては特に限定されず各種フルーツを使用することができ、具体的にはブドウ、みかん、ブルーベリー、桃、アロエ、メロン、オレンジ、パイン、いちご、クランベリー、ラズベリー、マンゴー、パパイヤ、すいか、りんご、柿、梨、あんず、スモモ、バナナ、チェリー、キウイフルーツ、アプリコット等の各種フルーツを挙げることができる。中でも、本発明のフルーツプレパレーション用シロップは、ブドウ、みかん、ブルーベリー、桃、アロエといった比較的シュリンクを起こしやすいフルーツであっても加工工程や保存中のプレパレーション中でのフルーツのシュリンクを顕著に抑制することができる。
なお、本発明において調製されたシロップとフルーツの配合割合は特に制限されるものではないが、シロップ:フルーツ=10:90〜90:10、好ましくは、70:30〜15:85、更に好ましくは、60:40〜20:80を挙げることができる。
更には、本発明のフルーツプレパレーション用シロップの副原料としては、香料、色素、酸味料、風味調整剤、酸化防止剤等などを挙げることができる。必要に応じて鉄、マグネシウム、リン、カリウム等のミネラル類、ビタミン類などを添加してもよい。
また、本発明は、加工工程や保存中のフルーツプレパレーション中でのフルーツのシュリンク抑制方法を提供するものである。当該抑制方法は、前述するように、米澱粉をフルーツプレパレーション用シロップに添加することにより実施することができる。そして、米澱粉をフルーツプレパレーション用シロップに添加する方法としては、上述の方法を取ることができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明は
これらに何ら限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは、「重量%
」を意味するものとする。文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
実施例1:フルーツプレパレーション(ブドウ)
下記表1に示す処方に従って、フルーツプレパレーション用シロップを調製した。詳細には、水に砂糖、もち米澱粉、ネイティブ型ジェランガムを添加し、80℃にて10分間攪拌、混合した。50%クエン酸溶液を用いてpHを3.8に調整し、全量を補正し、フルーツプレパレーション用シロップを調製した。一方、比較例としてもち米澱粉のかわりに、サゴヤシ由来の化工澱粉を用いる以外は実施例1と同様にしてフルーツプレパレーション用シロップを調製した(比較例1)。
調製した各々のフルーツプレパレーション用シロップ50部にブドウ果肉50部を加え、混合し、85℃にて30分間殺菌してフルーツプレパレーションを調製した。調製したフルーツプレパレーションを常温(25℃)にて1週間保存し、フルーツプレパレーション中のフルーツ果肉のシュリンク抑制率、分散性について評価した。なお、果肉のシュリンク抑制率については、シュリンク抑制率(%)=(プレパレーション中のフルーツ果肉重量(g)/プレパレーションに添加した初発フルーツ果肉重量(g))×100により計算した。結果を表1に示す。
Figure 2008086234
注1)松谷化学工業(株)製、商品名「もみじ」を用いた。
注2)日本エヌ・エス・シー(株)製、商品名「GBD−39」を用いた。
注3)ケルコゲルHM*を用いた。
米澱粉及びネイティブ型ジェランガムを含有したフルーツプレパレーション用シロップを用いてフルーツプレパレーションを調製することにより、シロップ中のブドウ果肉のシュリンクを顕著に抑制することができ、またブドウ果肉の分散性にも優れたフルーツプレパレーションとなった。一方、澱粉としてサゴヤシ由来の澱粉を含有したフルーツプレパレーション用シロップを用いた場合は、ブドウ果実のシュリンクを十分に抑制することはできず、ブドウ果実の食感を損なってしまった。更には、比較例1のフルーツプレパレーションは、時間経過と共にブドウ果実が沈降傾向にあった。
実施例2、3:フルーツプレパレーション(みかん、アロエ)
下記表2に示す処方に従って、フルーツプレパレーション用シロップを調製した。詳細には、水に砂糖、もち米澱粉、ネイティブ型ジェランガムを添加し、80℃にて10分間攪拌、混合した。クエン酸、クエン酸三ナトリウムを用いてpHを3.9に調整し、全量を補正し、フルーツプレパレーション用シロップを調製した。調製した各々のフルーツプレパレーション用シロップ50部に各フルーツ果肉50部を加え、混合し、85℃にて30分間殺菌後、常温(25℃)にて1ヶ月保存し、フルーツプレパレーション中のフルーツ果肉のシュリンク抑制率について評価した。一方、比較例としてもち米澱粉、ネイティブ型ジェランガムの代わりにキサンタンガム及びグァーガムを用いた以外は実施例2、3と同様にしてフルーツプレパレーションを調製した(比較例2、3)。結果を表2に示す。
Figure 2008086234
米澱粉及びネイティブ型ジェランガムを含有したフルーツプレパレーション用シロップ(実施例2、実施例3)を用いてフルーツプレパレーションを調製することにより、比較例2、比較例3よりも、シロップ中のみかんやアロエのシュリンクを抑制することができた。更には、実施例2、3で調製したフルーツプレパレーションは、みかんやアロエの分散性が高いにもかかわらず、フレーバーリリースが良好で口溶けのよいフルーツプレパレーションとなった。
実施例4、5:フルーツプレパレーション(ブルーベリー、桃)
下記表3に示す処方に従って、フルーツプレパレーション用シロップを調製した。詳細には、水に砂糖、もち米澱粉、ネイティブ型ジェランガムを添加し、80℃にて10分間攪拌、混合した。クエン酸、クエン酸三ナトリウムを用いてpHを3.9に調整し、全量を補正し、フルーツプレパレーション用シロップを調製した。調製した各々のフルーツプレパレーション用シロップ50部に各フルーツ果肉50部を加え、混合し、85℃にて30分間殺菌後、常温(25℃)にて1ヶ月保存し、フルーツプレパレーション中のフルーツ果肉のシュリンク抑制率について評価した。
Figure 2008086234
米澱粉及びネイティブ型ジェランガムを含有したフルーツプレパレーション用シロップを用いてフルーツプレパレーションを調製することにより(実施例4、5)、1ヶ月の長期保存においても、フルーツ果肉の分散性に優れ、かつフルーツ果肉のシュリンクが抑制されたフルーツプレパレーションとなった。
実施例6:フルーツプレパレーション(アロエ)
下記表4に示す処方のうち85%の水に、砂糖、米澱粉、ネイティブ型ジェランガム、脱アシル型ジェランガム、及びクエン酸三ナトリウムを添加し、80℃10分間攪拌溶解した後、溶液を20℃まで冷却した。これによって得られた溶液をプロペラ攪拌機にて2000rpmで攪拌しながら、残りの15%の水にクエン酸、乳酸カルシウムを予め溶解し20℃に調節した溶液を少しずつ添加してマイクロゲルを得た。アロエ葉肉を添加し85℃にて30分間加熱殺菌してフルーツプレパレーションを調製した(実施例6)。
Figure 2008086234
注4)ケルコゲル*を用いた。
調製した実施例6のアロエ入りフルーツプレパレーションは、1ヶ月の長期保存後も、アロエのシュリンクが顕著に抑制され、アロエ葉肉特有の食感が維持されたフルーツプレパレーションであった。更には、脱アシル型ジェランガムのマイクロゲルを添加することで、プレパレーション中のアロエ葉肉の分散性が非常に高まり、作業性に優れたフルーツプレパレーションとなった。

本発明により、加工工程や保存中のフルーツのシュリンクが抑制され、また、シロップ中でのフルーツの分散性に優れたフルーツプレパレーションを提供することができる。

Claims (3)

  1. 米澱粉を含有することを特徴とする、フルーツプレパレーション用シロップ。
  2. 米澱粉の添加量が0.1〜5.0重量%である、請求項1記載のフルーツプレパレーション用シロップ。
  3. フルーツプレパレーション用シロップに米澱粉を含有することを特徴とする、フルーツプレパレーション中でのフルーツのシュリンク抑制方法。
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JP2011000074A (ja) * 2009-06-19 2011-01-06 Q P Corp 酸性透明ゲル状食品

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