JP2008086217A - 健康食品 - Google Patents

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【課題】食物繊維量が十分であり、なおかつ、食物繊維バランスに優れた健康食品の提供。
【解決手段】穀物繊維、野菜・果実繊維、海藻繊維、芋繊維および豆繊維を含む健康食品。
【選択図】なし

Description

本発明は食物繊維をバランスよく配合した健康食品に関する。
日本における戦後の食生活の急激な変化および欧米化に伴い、脂肪の過剰摂取などによって食事のバランスが崩壊し、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症などの食生活を起因とする生活習慣病の増加が大きな社会問題となっている。
また、これらの疾患に関連して、メタボリックシンドローム(Metabolic Syndrome)の増加もまた大きな問題となっている。メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪蓄積(例えば、内臓脂肪型肥満(内臓肥満、腹部肥満))が認められ、かつ、血清脂質、血圧、血糖のうち2つ以上に異常(例えば、高血糖症、高血圧症、高脂血症)が認められる状態をいう。また、メタボリックシンドロームは虚血性心疾患および脳卒中などの動脈硬化性疾患の危険因子を助長する病態としても知られている。QOL(Quality of Life)を考えた上でもメタボリックシンドロームの予防、病態の改善および/または治療は重要である。また、メタボリックシンドロームの特徴として、内蔵脂肪の蓄積がその上流の成因として存在することが明らかとなっている。これまでの研究により、食物繊維には満腹感を持続させ、血清コレステロール低下作用や糖代謝調節作用などがあることが報告されており、肥満予防に対する食物繊維の重要性が報告されている。
かつて、1960年代の日本食には1日あたり20gもの食物繊維がバランスよく含まれていたが、1980年代には18g/日になり、さらに食の欧米化が進んだ2002年には14g/日とその摂取量の減少が続いている。最近のデータでは、食物繊維摂取量が1日に10gにも満たない場合もあることが分かっている。厚生労働省が2005年に発表した「日本人の食事摂取基準」によれば、日本人成人の食物繊維の摂取目安量は18〜27g/日であり、慢性的な食物繊維不足が顕著である。
このように、食物繊維摂取量の観点から、食物繊維量が十分であり、なおかつ、食物繊維バランスに優れた1960年代またはそれ以前の日本食に回帰することが理想的であるが、現代社会では困難である。
当該分野では、食物繊維を含む食品として、特開2006−42816号公報(特許文献1)に記載のものが知られているが、このような食品は、単に、食事を制限することなく、効率的にダイエットを行うためのダイエット食品であり、食物繊維の摂取量およびバランスを十分に考慮したものとはいえず、さらに、一食代替による栄養バランスの悪化や、特定の食物繊維の過剰摂取などの問題がある。
従って、当該分野では、食物繊維量が十分であり、なおかつ、食物繊維バランスに優れた健康食品の開発が切望されている。
特開2006−42816号公報
食物繊維量が十分であり、なおかつ、食物繊維バランスに優れた健康食品の提供。
本発明らは、鋭意研究の結果、穀物繊維、野菜・果実繊維、海藻繊維、芋繊維および豆繊維を含む健康食品が食物繊維バランスに優れ、その食餌後、1960年代またはそれ以前の日本食と同等の食物繊維摂取量が容易に達成できることを見出した。従って、本発明は、以下を提供する。
穀物繊維、野菜・果実繊維、海藻繊維、芋繊維および豆繊維を含む健康食品。
穀物繊維が、米、大麦、小麦、ライ麦、オート麦(えんばく)、そば、アマランサス、キヌアおよびとうもろこしを含む穀物、ならびに、それらの粉砕物および抽出物を含む調製物から選択される、上記の健康食品。
健康食品100重量部に対して、穀物繊維が20重量部〜40重量部含まれる、上記の健康食品。
野菜・果実繊維が、あしたば、かぶ、かぼちゃ、きゃべつ、ケール、ごぼう、セロリー、大根、タマネギ、チコリ、にんじん、ビート、モロヘイヤ、大麦若葉、しいたけ、えのきたけ、しめじ、プルーン、みかん、リンゴ、バナナ、パイナップル、桃およびグレープフルーツを含む野菜・果実、ならびに、それらの粉砕物および抽出物を含む調製物から選択される、上記の健康食品。
健康食品100重量部に対して、野菜・果実繊維が30重量部〜50重量部含まれる、上記の健康食品。
海藻繊維が、寒天、わかめ、こんぶ、ひじきおよびもずくを含む海藻、ならびに、それらの粉砕物および抽出物を含む調製物から選択される、上記の健康食品。
健康食品100重量部に対して、海藻繊維が0.1重量部〜5重量部含まれる、上記の健康食品。
芋繊維が、こんにゃくいも、さつまいも、さといも、じゃがいもおよびやまのいもを含む芋、ならびに、それらの粉砕物および抽出物を含む調製物から選択される、上記の健康食品。
健康食品100重量部に対して、芋繊維が0.1重量部〜5重量部含まれる、上記の健康食品。
豆繊維が、あずき、いんげんまめ、えんどう、そらまめ、大豆およびグァ豆を含む豆、ならびに、それらの粉砕物、抽出物および酵素による分解物を含む調製物から選択される、上記の健康食品。
健康食品100重量部に対して、豆繊維が15重量部〜35重量部含まれる、上記の健康食品。
粉末形態または顆粒形態である、上記の健康食品。
水溶液または水分散体の形態である、上記の健康食品。
メタボリックシンドローム、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、ならびに、脳卒中および虚血性心疾患を含む動脈硬化性疾患の予防および/または治療に使用する上記の健康食品。
本発明の健康食品によって、1960年代またはそれ以前の日本食と同程度に多種多様な食物繊維を自然なかたちでバランスよく摂取することができ、メタボリックシンドローム、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、脳卒中および虚血性心疾患などの動脈硬化性疾患など、特にメタボリックシンドロームの予防および/または治療に役立つ。また、腸内発酵物によるミネラル吸収促進作用、便通改善作用、有害物質排泄作用等が期待できる。
また、本発明の健康食品は、香料、人工甘味料など風味のマスキング剤を用いないでも食物繊維が本来持つ臭みがなく、また、服用に困難を伴わず、自然の風味が豊かであり、おいしく、継続して摂取することができる。さらに、幅広く料理に応用したり、好みに合わせた様々な風味付けを行ったりすることもできる。
食物繊維は、単に便通を改善し、腸内環境を整えるだけでなく、コレステロールや有害物質を排泄したり、脂質および糖質の吸収を穏やかにしたり、さらにはミネラルの吸収を促進することが可能である。このような食物繊維の能力を最大限に引き出すためには、1960年代またはそれ以前の日本食におけるように、食物繊維を多くの食品からバランスよく摂取することが重要である。
本発明の健康食品は、5種類の食物繊維、すなわち、穀物繊維、野菜・果実繊維、海藻繊維、芋繊維および豆繊維を含み、これらによって、かつての日本食のように食物繊維をバランスよく摂取することができる。
穀物繊維は、米、大麦、小麦、ライ麦、オート麦(えんばく)、そば、アマランサス、キヌアおよびとうもろこしを含む穀物、ならびに、それらの粉砕物および抽出物を含む調製物から選択され、風味および機能性の観点から、オート麦(ふすま)、小麦、大麦が好ましい。これらの穀物繊維を複数種組み合わせて使用してもよい。
穀物繊維は、健康食品100重量部に対して、20重量部〜50重量部、好ましくは20重量部〜45重量部、より好ましくは20重量部〜40重量部含まれる。
穀物繊維が健康食品100重量部に対して20重量部未満であると、血清脂質改善作用の低下や、分散性低下の恐れがあり、50重量部を超過すると、風味やテクスチャーが悪くなる恐れがある。
野菜・果実繊維は、あしたば、かぶ、かぼちゃ、きゃべつ、ケール、ごぼう、セロリー、大根、タマネギ、チコリ、にんじん、ビート、モロヘイヤ、大麦若葉、しいたけ、えのきたけ、しめじ、プルーン、みかん、リンゴ、バナナ、パイナップル、桃およびグレープフルーツを含む野菜・果実、ならびに、それらの粉砕物および抽出物を含む調製物から選択され、風味および機能性の観点から、チコリ、ビート、プルーン、大麦若葉が好ましい。これらの野菜・果実繊維を複数種組み合わせて使用してもよい。
野菜・果実繊維は、健康食品100重量部に対して、30重量部〜60重量部、好ましくは30重量部〜55重量部、より好ましくは30重量部〜50重量部含まれる。
野菜・果実繊維が健康食品100重量部に対して30重量部未満であると、腸内フローラ改善不足、ミネラル吸収促進作用の低下の恐れがあり、60重量部を超過すると、野菜臭などによる風味低下、過度の腸内発酵による膨満感および放屁の増加の恐れがある。
海藻繊維が、寒天、わかめ、こんぶ、ひじきおよびもずくを含む海藻、ならびに、それらの粉砕物および抽出物を含む調製物から選択され、風味および機能性の観点から、寒天、わかめ、昆布が好ましい。これらの海藻繊維を複数種組み合わせて使用してもよい。
海藻繊維は、健康食品100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部、好ましくは0.1重量部〜8重量部、より好ましくは0.1重量部〜5重量部含まれる。
海藻繊維が健康食品100重量部に対して0.1重量部未満であると、血清脂質低下作用、血糖値調節作用の低下の恐れがあり、10重量部を超過すると、海藻臭、塩味による風味低下の恐れがある。
芋繊維は、こんにゃくいも、さつまいも、さといも、じゃがいもおよびやまのいもを含む芋、ならびに、それらの粉砕物および抽出物を含む調製物から選択され、風味および機能性の観点から、こんにゃくいもが好ましい。これらの芋繊維を複数種組み合わせて使用してもよい。
芋繊維は、健康食品100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部、好ましくは0.1重量部〜8重量部、より好ましくは0.1重量部〜5重量部含まれる。
芋繊維が健康食品100重量部に対して0.1重量部未満であると、満腹感の低下、便通改善作用の低下の恐れがあり、10重量部を超過すると、粘性増加によるテクスチャーの低下、過剰な満腹感の恐れがある。
豆繊維が、あずき、いんげんまめ、えんどう、そらまめ、大豆およびグァ豆を含む豆、ならびに、それらの粉砕物、抽出物および酵素による分解物を含む調製物から選択され、風味および機能性の観点から、グァ豆、大豆が好ましい。これらの豆繊維を複数種組み合わせて使用してもよい。
豆繊維は、健康食品100重量部に対して、10重量部〜40重量部、好ましくは15重量部〜40重量部、より好ましくは15重量部〜35重量部含まれる。
豆繊維が健康食品100重量部に対して10重量部未満であると、血清脂質低下作用、血糖値調節作用の低下の恐れがあり、40重量部を超過すると、過度の満腹感、過度の腸内発酵による膨満感および放屁増加の恐れがある。
上記食物繊維は、市販品を使用してもよいが、穀物、野菜・果実、海藻、芋および豆そのもの、あるいは、これらに由来する自然なかたちで摂取できるような形態(例えば、当業者に公知の方法によって調製した乾燥物、粉砕物、抽出物および酵素による分解物を含む調製物など)が好ましく、保存安定性、携帯性の観点から、粉末形態がより好ましい。従って、本発明の健康食品は、粉末形態が好ましく、また、当業者に公知の技術によって製造された顆粒形態も好ましい。
さらに、2002年厚生労働省国民栄養調査結果から1日の国民一人あたりの不溶性食物繊維摂取量は10.9gであるのに対し、水溶性食物繊維の摂取量は3.4gにすぎない。この現状を考慮して、機能性の観点から、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維との割合(水溶性食物繊維:不溶性食物繊維)は、90:10〜50:50、好ましくは80:20〜50:50、より好ましくは80:20〜60:40、特に好ましくは80:20〜70:30である。
ここで、水溶性食物繊維は、上記穀物繊維、野菜・果実繊維、海藻繊維、芋繊維および豆繊維に含まれる、β−グルカン、イヌリン、アルギン酸、寒天、フコイダン、グルコマンナン、ペクチン、ガラクトマンナン、フラクトオリゴ糖、カラギーナンなどを指し、不溶性食物繊維とは、セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどを指す。
本発明の健康食品は、上記食物繊維に加えて、黒糖、砂糖、ブドウ糖、果糖、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、緑茶エキスなどのその他の成分を適宜含んでいてもよい。
本発明の健康食品中の穀物繊維、野菜・果実繊維、海藻繊維、芋繊維および豆繊維ならびにその他の成分の含有量は、重量基準で100%を超過しない程度に上記範囲内で適宜調節することができる。
本発明の健康食品のヒト成人1日あたりの摂取量は、通常1g〜20g、好ましくは3g〜15g、より好ましくは5g〜10gであり、体調等に応じて適宜変動してもよい。
本発明の健康食品を上記範囲内で使用することによって、1960年代またはそれ以前の日本食と同程度に十分な量の多種多様な食物繊維を自然なかたちでバランスよく摂取することができる。
本発明の健康食品1gに対し、5mL〜50mL、好ましくは7mL〜30mL、より好ましくは10mL〜20mLの水を添加し、水溶液または水分散体の形態で摂取することが好ましい。
本発明の健康食品は、食前、食間、食事中、食後のいずれにおいて摂取してもよく、通常の食事および飲料、食材に混入して摂取することもできる。
本発明の健康食品によって、1960年代またはそれ以前の日本食と同程度に多種多様な食物繊維を自然なかたちでバランスよく摂取することができ、メタボリックシンドローム、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、ならびに、脳卒中および虚血性心疾患を含む動脈硬化性疾患など、特にメタボリックシンドロームの予防および/または治療に有効である。
本明細書において予防とは、健常または上記疾患に罹患する恐れのある哺乳動物(例えば、ヒト、サル、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ウシ、ウマ、マウス、ラット、ウサギなど)において上記疾患の発症を抑制および/または遅延すること、あるいは、発症前の状態を保つことを意味し、治療とは上記疾患が発症した上記哺乳動物におけるその症状の軽減、緩和、改善および/または治癒を意味する。
また、本発明の健康食品は、香料、人工甘味料など風味のマスキング剤を用いないでも食物繊維が本来持つ臭みがなく、また、服用に困難を伴わず、自然の風味が豊かであり、おいしく、継続して摂取行ったりすることができる。さらに、幅広く料理に応用したり、好みに合わせた様々な風味付けを行ったりすることもできる。
以下、本発明の健康食品を実施例として記載するが、本発明が実施例に限定されないことに留意すべきである。
実施例1
チコリ根抽出物(オラフティ社製)、オート麦ふすま(株式会社明治フードマテリア製)、グァーガム酵素分解物(太陽化学株式会社製)、小麦ファイバー(ニュートリノヴァ・ジャパン株式会社製)、グァーガム(太陽化学株式会社製)、グルコマンナン(清水化学株式会社製)、大麦若葉末(山本漢方株式会社製)、寒天(伊那食品工業株式会社製)および海藻粉末(清水化学株式会社製)を混合することによって本発明の健康食品を調製した。
チコリ根抽出物 36.0
オート麦ふすま 20.0
グァーガム酵素分解物 20.0
小麦ファイバー 12.0
グァーガム 3.0
グルコマンナン 2.0
大麦若葉末 2.0
寒天 1.0
海藻粉末(わかめ、昆布) 1.0
その他(マルチトールなど) 3.0
合計(重量部) 100.0
実施例1に含まれる食物繊維の割合は以下の通りである。
穀物繊維 32.0
野菜・果実繊維 38.0
海藻繊維 2.0
芋繊維 2.0
豆繊維 23.0
その他(マルチトールなど) 3.0
合計(重量部) 100.0
実施例2
実施例1と同様に以下に示す配合量の健康食品を調製した。
穀物繊維 オート麦ふすま 26.3
小麦ファイバー 3.7
野菜・果実繊維 チコリ根抽出物 25.0
大麦若葉末 15.0
海藻繊維 海藻粉末(わかめ、昆布) 1.3
芋繊維 グルコマンナン 3.7
豆繊維 グァーガム酵素分解物 25.0
合計(重量部) 100.0
比較例1〜5
実施例1と同様に以下に示す配合量で比較例1〜5の食品を調製した。
Figure 2008086217
実施例1〜2および比較例1〜5の健康食品の風味、テクスチャー、膨満感および溶解性について以下のように評価を行った。
10名のパネラーに実施例1の健康食品(5g)を水70mLに溶いて摂取させた。摂取後、風味については「好ましい」、「好ましくない」;テクスチャーについては「良い」、「悪い」;膨満感については「気にならない」、「気になる」の2項目のうちいずれかを回答させた。
溶解性については、実施例1の健康食品(5g)に水70mLを加え、攪拌棒で10回攪拌した際の溶け残りについて、「完全に溶解する」、「溶け残る」のいずれかにて判定を行った。
実施例2および比較例1〜5の健康食品についても同様の方法で評価を行った。
パネラー10名の回答結果を、風味について「好ましい」、テクスチャーについて「良い」、膨満感について「気にならない」と回答した人数が、8〜10名の場合「○」、4〜7名の場合「△」、0〜3名の場合「×」として、表2に示す。
また、溶解性の評価結果を「完全に溶解する」を「○」、「溶け残る」を「×」として、表2に示す。
Figure 2008086217
試験例
肥満・高血圧自然発症ラットSHR/NDmcr−cp(メタボリックシンドロームモデル)において、食物繊維食負荷試験を行い、本発明の健康食品を評価した。
SHR/NDmcr−cpラットは、メタボリックシンドロームモデルであり、加齢に伴い肥満症および高血圧症を呈する。14週齢では、血中パラメーターの増悪が認められ、20週齢ではヒト糖尿病性腎症と類似した病変が認められる。
6週齢雄性SHR/NDmcr−cpラットを普通食群(SP食群)、10%混合繊維食群(実施例1の混合繊維食群)、10%難消化性デキストリン食群(単一繊維食群)の3群に分け(各群n=4)、自由摂食により食餌を与え、摂餌量および体重を毎週測定し、23週齢時に経口糖負荷試験を実施し、血糖値を測定した。
6週齢から23週齢にわたる食物繊維食負荷試験では、混合繊維食群において、19週齢時(試験14週目)に有意な体重増加抑制効果が認められた(p<0.05)。結果を表3に示す。
Figure 2008086217
23週齢時に経口糖負荷試験(1g/1kgBWグルコース)を実施した結果、SP食群の血糖値は糖負荷後30分で最大に達するのに比べて、混合繊維食群および単一繊維食群では60分で最大血糖に達した。また、混合繊維食群は単一繊維食群に比べて最大血糖値が低く、血糖値の急激な上昇を抑制した。結果を表4に示す。
Figure 2008086217
また、混合繊維食群では、概して、他群に比べて血糖値が低いことが分かった(SP食群=227±15mg/dl、混合繊維食群=207±19mg/dl、単一繊維食群=236±16mg/dl、p=0.273)。
18週間の試験終了後(23週齢時)、混合繊維食群の体重および腹囲は、SP食群、単一繊維食群に比べて有意に増加が抑制されていた。また、内蔵脂肪重量も混合繊維食において低下することが分かった。
上記メタボリックシンドロームモデルでの試験結果から、バランスのとれた混合食物繊維食、すなわち、本発明の健康食品の摂取により、体重増加の抑制、腹囲の減少など肥満抑制効果が得られることが分かった。また、経口糖負荷試験では、本発明の健康食品が穏やかな糖の吸収を促し、耐糖能を改善した。さらに、本発明の健康食品は、難消化性デキストリンのみの単一食物繊維に比べて、体重増加抑制、糖代謝の調節においてより肥満改善に効果的であることが分かった。
本発明の健康食品によって、1960年代またはそれ以前の日本食と同程度に多種多様な食物繊維を自然なかたちでバランスよく摂取することができ、さらに、本発明の健康食品は、メタボリックシンドローム、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、虚血性心疾患および脳卒中など動脈硬化性疾患など、特にメタボリックシンドロームの予防および/または治療に有効である。
また、本発明の健康食品は、香料、人工甘味料など風味のマスキング剤を用いないでも食物繊維が本来持つ臭みがなく、また、服用に困難を伴わず、自然の風味が豊かであり、おいしく、継続して摂取することができる。さらに、幅広く料理に応用したり、好みに合わせた様々な風味付けを行ったりすることもできる。

Claims (14)

  1. 穀物繊維、野菜・果実繊維、海藻繊維、芋繊維および豆繊維を含む健康食品。
  2. 穀物繊維が、米、大麦、小麦、ライ麦、オート麦(えんばく)、そば、アマランサス、キヌアおよびとうもろこしを含む穀物、ならびに、それらの粉砕物および抽出物を含む調製物から選択される、請求項1記載の健康食品。
  3. 健康食品100重量部に対して、穀物繊維が20重量部〜40重量部含まれる、請求項1記載の健康食品。
  4. 野菜・果実繊維が、あしたば、かぶ、かぼちゃ、きゃべつ、ケール、ごぼう、セロリー、大根、タマネギ、チコリ、にんじん、ビート、モロヘイヤ、大麦若葉、しいたけ、えのきたけ、しめじ、プルーン、みかん、リンゴ、バナナ、パイナップル、桃およびグレープフルーツを含む野菜・果実、ならびに、それらの粉砕物および抽出物を含む調製物から選択される、請求項1記載の健康食品。
  5. 健康食品100重量部に対して、野菜・果実繊維が30重量部〜50重量部含まれる、請求項1記載の健康食品。
  6. 海藻繊維が、寒天、わかめ、こんぶ、ひじきおよびもずくを含む海藻、ならびに、それらの粉砕物および抽出物を含む調製物から選択される、請求項1記載の健康食品。
  7. 健康食品100重量部に対して、海藻繊維が0.1重量部〜5重量部含まれる、請求項1記載の健康食品。
  8. 芋繊維が、こんにゃくいも、さつまいも、さといも、じゃがいもおよびやまのいもを含む芋、ならびに、それらの粉砕物および抽出物を含む調製物から選択される、請求項1記載の健康食品。
  9. 健康食品100重量部に対して、芋繊維が0.1重量部〜5重量部含まれる、請求項1記載の健康食品。
  10. 豆繊維が、あずき、いんげんまめ、えんどう、そらまめ、大豆およびグァ豆を含む豆、ならびに、それらの粉砕物、抽出物および酵素による分解物を含む調製物から選択される、請求項1記載の健康食品。
  11. 健康食品100重量部に対して、豆繊維が15重量部〜35重量部含まれる、請求項1記載の健康食品。
  12. 粉末形態または顆粒形態である、請求項1記載の健康食品。
  13. 水溶液または水分散体の形態である、請求項1記載の健康食品。
  14. メタボリックシンドローム、肥満症、糖尿病、高脂血症、高血圧症、ならびに、脳卒中および虚血性心疾患を含む動脈硬化性疾患の予防および/または治療に使用する、請求項1記載の健康食品。
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