JP2008085606A - 携帯型端末 - Google Patents

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Abstract

【課題】モードダイアル等の操作部の構成や操作が簡易で、操作の手間を低減した携帯型端末の提供を図る。
【解決手段】携帯型端末である放送受像表示装置1は、使用者の操作を受けるモードダイアル20と複数の開口を備えるロック板21とを、筐体2の上面に回動可能に取り付けたものである。筐体2の背面にはロックスライド10を取り付けている。ロックスライド10の内側には、くの字形状の板バネ部40を取り付けている。板バネ部40には摺動ピン30を弾接させていて、ロックスライド10が開状態では、板バネ部40は摺動ピン30の先端がロック板21の開口に当接する位置に向けて摺動ピン30を付勢する。ロックスライド10が閉状態では、板バネ部40は摺動ピン30の側面がロック板21の開口の側壁に当接する位置に向けて摺動ピン30を付勢する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、携帯型のビデオカメラやラジオ、テレビ放送再生端末などの携帯型端末に関するものである。
近年、携帯型のビデオカメラやラジオ、テレビ放送再生端末など様々な携帯型端末が普及している。携帯型端末のなかには、動作モードを設定するためのモードダイアルを備え、モードダイアルの所定回動角度を電源オフに設定したものが知られている。
このようなモードダイアルを備える携帯型端末を使用者がポケット等に携帯する場合、利用者が意図していなくてもモードダイアルに回転トルクが伝わって、モードダイアルが回動して携帯型端末の電源が入ることがある。そこでモードダイアルが勝手に回動しないように対策を施した携帯型端末が提供されている。
特許文献1に開示された従来例の携帯型端末は、モードダイアルのロック機構として、モードダイアルに設けた突起部と、筐体(背面カバー)に設けた係合部とを備える。そして、突起部と係合部とを係合させモードダイアルをロックする。モードダイアルにはモードロックボタンを設けていて、モードロックボタンを押圧することでモードダイアルの突起部を変位させ、突起部と係合部との係合を解く。これにより、モードダイアルのロックを解除する。またモードロックボタンには、突起部を係合部方向に付勢するバネ部材を設けていて、モードダイアルが電源オフ位置のときに、バネ部材の弾性力により自動的に突起部と係合部とが係合する。
この携帯型端末ではさらに、モードダイアルのクリック機構として、凹凸部を有するクリック板をモードダイアルに備え、凸部を有する板バネを背面カバーに備える。そして、板バネの凸部とクリック板の凹凸部とを弾接させることにより、モードダイアルの回動に伴い板バネを弾性摺動させ、モードダイアルにクリック感を与える。
特開2005−50637号公報
従来例の携帯型端末では、モードダイアルが電源オフに対応する回動角度のときに使用者がモードロックボタンを押圧していなければ、強制的にロックが掛かってしまう。したがって、使用者が誤ってモードダイアルをロック位置まで回動した場合にも、強制的にロックが掛かり使用者にロック解除の手間がかかる。また、ロック機構やクリック機構をそれぞれ設けるため、構成が複雑で部品点数が多かった。
本発明はこのような従来の課題を解決しようとするものであり、モードダイアルの構成が簡易で、操作性が高い携帯型端末を提供することを目的とする。
(1)本発明は、筐体に摺動可能に取り付けられ、その先端付近が筐体に回動可能に取り付けた円盤状のダイアルに接する摺動ピンと、前記摺動ピンを摺動方向に向けて付勢する付勢部と、を備える携帯型端末において、前記ダイアルは、前記摺動ピンが回動に伴って当接する円周上に複数の開口を配したものであり、前記付勢部は、前記摺動ピンの摺動方向に垂直に摺動して固定されるスライド部材と、前記スライドに固定されるとともに前記摺動ピンを前記摺動方向に付勢する、くの字形状の板バネと、を備える。
この構成では、スライド部材が摺動ピンの軸方向に垂直に摺動するので、板バネと摺動ピンが弾接する位置も摺動する。したがって、スライド部材の位置によって摺動ピンに異なる付勢力が与えられる。これにより摺動ピンに与える付勢力が、スライド部材の位置によって調整可能になる。
板バネの付勢力が強い位置にスライド部材を固定すれば、開口が摺動ピンの先端にきたときに開口と摺動ピンとが堅固に係合しダイアルを固定することができる。一方、板バネの付勢力が弱い位置にスライド部材を固定すれば、開口が摺動ピンの先端にきたとしても、必ずしも強制的にダイアルにロックがかかることを無くすことができる。これにより、不要な解除操作が必要でなくなり使用者にとっての操作性が高まる。
(2)本発明の前記摺動ピンは、前記摺動方向に平行な側面部を備え、前記ダイアルの複数の開口のいずれかは、当該ダイアルの回動面に対して垂直な内壁を有する。
この構成において、上記開口の内壁に摺動ピンの側面部を当接させれば、摺動ピンがダイアルの回動を阻害し、ダイアルを確実にロックできる。
(3)本発明の前記摺動ピンは、前記ダイアルの回動面に対して非垂直な面からなる先端部を備え、前記ダイアルの複数の開口のいずれかは、前記摺動ピンの先端部に勘合する形状の開口を少なくとも含む。
この構成において、上記開口が摺動ピンの先端にきたときには、付勢力が強い位置にスライドを固定していても、上記開口と摺動ピンの先端部とは、回動面に非垂直な面同士で当接する。この場合、開口の縁から摺動ピンの先端に伝わる回転トルクから、摺動ピンの軸方向に分力が生じる。したがって摺動ピンがダイアルの形状に沿って弾性摺動し、ダイアルにクリック感が伝わる。
(4)本発明の前記スライド部材は、前記ダイアルの開口に前記摺動ピンの側面部が嵌通しない位置に向けて、前記板バネが前記摺動ピンを付勢する第1の摺動位置、または、前記ダイアルの開口の内壁に前記摺動ピンの側面部を当接させる位置に向けて、前記板バネが前記摺動ピンを付勢する第2の摺動位置で固定されることを特徴とする。
この構成では、スライド部材が第2の摺動位置にあって、さらに、ダイアルの回動面に対して垂直な内壁を有する開口がちょうど摺動ピンの先端の位置にくる場合にのみ、ダイアルはロックされる。一方、スライド部材が第2の摺動位置であっても、ちょうど摺動ピンの先端の位置にきた開口が、前記摺動ピンの先端部の形状に嵌合する形状であれば、モードダイアルをロックすることなくクリック感のみ得ることができる。また、スライド部材が第1の摺動位置にあれば、開口の形状によらずに、モードダイアルがロックしない。
この発明によれば、簡易な構成でモードダイアルをロックする機構を構成でき、ダイアルの所定角度であっても、強制的にロックがかかることがなくなる。さらにモードダイアルにクリック感を与える事も可能になる。したがって、使用者が誤ってモードダイアルのロックに対応する回動角度までモードダイアルを回動させた場合であっても、必ずしもモードダイアルのロックが掛からないので、使用者にとっての操作性が改善される。
以下、本発明の携帯型端末の実施形態として、放送電波を受信して映像表示を行う携帯型の放送受像表示装置を例に説明する。
まず、放送受像表示装置の概略構成を説明する。図1と図2は、携帯型端末である放送受像表示装置1の外観図である。図1(A)は背面図、図1(B)は上面図、図1(C)は正面図であり、図2(A)は背面図、図2(B)は上面図である。
本実施形態の放送受像表示装置1は、筐体2の内部に受像回路や映像処理回路、モード選択回路などの電子基板を内装する。また、放送受像表示装置1は、筐体2の正面に設けた表示部3に映像処理回路の出力する映像を表示する。また、放送受像表示装置1は、筐体2の上面に回動可能に設けたモードダイアル20の操作により、回動角度に従った動作モードを設定する。また、放送受像表示装置1は、筐体2の背面に摺動可能に設けたロックスライド10の操作により、モードダイアル20をロックする。また、上面図に示すモードダイアル20の内側に設けたボタン5はモードダイアル20と同軸に配置されていて、モード以外の各種操作(映像等の再生・停止操作など)に用いる。
図1はロックスライド10を図左側に摺動させて閉じた状態の外観を示している。このようにロックスライド10を閉位置にスライドさせている場合であって、且つ、モードダイアル20が電源オフに対応する回動角度であれば、モードダイアル20はロックしている。ロックスライド10を閉位置にスライドさせている場合であっても、モードダイアル20の回動角度が電源オフに対応していない他の回動角度であれば、モードダイアル20はロックされず、モードダイアル20は回動可能である。
一方、図2はロックスライド10を図右側に摺動させて開いた状態の外観を示している。このようにロックスライド10を開状態にスライドさせることで、モードダイアル20はロックが解除された状態になる。このようにロックスライド10を開位置にスライドさせている場合は、モードダイアル20の回動角度が電源オフに対応する回動角度であっても、モードダイアル20はロックされずに回動可能である。
図1に示すようにロックスライド10を閉状態にして、モードダイアル20の回動角度を電源オフに対応するものにしていれば、モードダイアル20がロックし、例えば放送受像表示装置1を使用者がポケットやかばんに入れていてもロックスライド10が使用者に不作為に開状態になることが殆んどなくなる。したがって、モードダイアル20にどのような回転トルクが掛かろうと、勝手に電源が入ってしまうことを無くすことができる。
次に、各部材について説明する。
筐体2は、プラスチック成形した背面カバー部材と正面カバー部材とを接合した、正面−背面間が薄肉の略方形部材である。筐体2の角にあたる部分は湾曲させ滑らかにしている。この筐体2の背面右側には、使用者が筐体2全体をグリップし易いよう、背面方向に突出する把持部4を設けている。この把持部4上にはロックスライド10を配している。また、筐体2の把持部4上面側にはモードダイアル20を配している。このようにロックスライド10とモードダイアル20とを筐体2の同側に設けているため、使用者は筐体2を片手で確実に把持しながら、その手でロックスライド10とモードダイアル20の操作をできる。なお、筐体2の、ロックスライド10とモードダイアル20と表示部3とに覆われた位置それぞれには、開口(不図示)を設けている。これらの開口を介して筐体2にはロックスライド10とモードダイアル20と表示部3とをそれぞれ取り付けている。これら開口の詳細については後述する。
把持部4のロックスライド10に覆われている位置には、ロックスライド10を収容するスライド収納部6を設けている(図2参照)。また、スライド収納部6のロックスライド10を開いた状態で露出する位置には凹部7を設けている。また、スライド収納部6のロックスライド10を開いた状態でも露出することがない内側にも凹部7と同一形状の凹部(不図示)を設けている。また、ロックスライド10の裏側には、このスライド収納部6内の各凹部の形状と一致する形状の凸部(不図示)を設けている。スライド収納部6内の各凹部に、ロックスライド10の凸部を嵌合させることで、ロックスライド10が開位置または閉位置で保持される。ロックスライド10を開位置または閉位置で保持した状態からロックスライド10をスライドさせると、ロックスライド10の凸部が弾性変形して凹部との嵌合が解かれる。
モードダイアル20は略円筒円盤形状で外側面にグリップ溝を設けている。また、モードダイアル20の内側には、ボタン5を収容する嵌合孔を設けている。このモードダイアル20は筐体2内部に設けられている後述するクリック機構により、複数の所定回動角度でクリック感が得られるようにしている(以下、この所定回動角度のことをクリック角度と称する。)。各クリック角度には各種動作モードを対応させている。例えば、電源オフモード、受信した放送を表示部に表示する放送表示モード、内蔵するメモリに記憶している映像ファイルの映像を表示部に表示する録画再生モード、内蔵するメモリに記憶している音楽ファイルの音楽を再生するとともに音声ファイルの文字情報を表示部に表示する音楽再生モードなどである。このため、モードダイアル20の操作のみで容易に放送受像表示装置1のモード切り替えができ、高い操作性を使用者に提供できる。なお、切り替えの対象となるモードは上記以外のどのようなモードであっても良い。
ロックスライド10は、プラスチック成形された「つ」の字形状の部材である。ロックスライド10は図左方向に摺動して閉じた状態で、筐体2に湾曲して沿い、部分的に筐体背面方向に突出する。ロックスライド10が閉状態で筐体2に沿って湾曲するため、使用者がポケット等にこの携帯型端末を入れていても、勝手にロックスライド10が開状態になってしまうことを低減している。また、ロックスライド10が部分的に筐体背面方向に突出するため、ロックスライド10はグリップ性が高いものとなっている。なお、このロックスライド10は筐体内部に突出する台部(不図示)を備えている。この台部については後述する。
次に、筐体2の内部構成について説明する。
図3は、放送受像表示装置1の内側から背面カバー部材を見た分解図であり、同図(A)がロックスライド10を開状態にした図、同図(B)がロックスライド10を閉状態にした図である。
筐体2の内部には、モードダイアルに連動して回動するロック板21と図上下方向に摺動する摺動ピン30と、摺動ピン30を図上方向に付勢する板バネ部40と、摺動ピン30を図下方向に付勢するコイルバネ41とを備えている。
ロック板21は筐体2の上面に設けた開口を介してモードダイアル20に固着していて、筐体2に対して回動可能に保持されている。また、ロックスライド10の台部11を、筐体2の背面に設けた開口を介して筐体2の内側に突出させている。この台部11には板バネ部40をネジ止めしている。したがって板バネ部40はロックスライド10に連動し、筐体2に対して図左右方向に摺動する。摺動ピン30は筐体に固着された円筒状の軸受け部8に挿通されていて、図上下方向にのみ摺動可能に保持されている。コイルバネ41は内側に摺動ピン30が挿通されており、摺動ピン30の段部31と筐体2の軸受け部8との間に保持されている。
図4はロック板21の詳細構成を示していて、同図〈A〉は主面図であり、同図(B)は同図(A)に示すXA−XA断面図である。ロック板21は円筒円盤形状であり、中央にボタン5を配置するための中心孔24を備えている。また、円周付近に8つの開口22A〜22G,23を備えている。各開口22A〜22G,23は45°ごとに等間隔配置されていて、開口22A〜22Gは半球状の凹みであり、開口23は主面間を貫通する貫通孔状である。開口22A〜22G,23はそれぞれロック板21の外縁に接するように配置して、ロック板21の外縁と各開口との間には薄肉の部位ができないようにしている。これにより薄肉のの破損や不具合し易い部分をなくしている。なお、各開口22A〜22G,23に対応する回動角度は、各種動作モードを対応させていて、開口23が摺動ピン30に係合されると、端末本体は電源オフになる。
図5は摺動ピン30の詳細構成を示している。摺動ピン30は、コイルバネを係止するための段部31と上ピン部30Aと下ピン部30Bと先端部32とを同軸に配置したものである。上ピン部30Aと下ピン部30Bとは同じ半径の円柱形状である。段部31は、それらより半径の大きな円柱形状である。また、先端部32は半球状である。この摺動ピン30は、段部31よりも図上側にコイルバネ41が装荷され、筐体2の内側に設けられた軸受け部8に挿入され、先端部32でロック板21に当接する。また、摺動ピン30の図下側の端は板バネ部40に弾接する。
図6は板バネ部40とロックスライド10の詳細構成を示している。板バネ部40とロックスライド10とは、ネジ42により固定されている。ロックスライド10は筐体内に収容されるT字型の台部11を備えていて、台部11はネジ穴(不図示)を有している。板バネ部40は、くの字形状の部材である。この板バネ部40は、ロックスライド10の台部11上に載置されるバネ下肢部44と、バネ下肢部44から屈曲するバネ上肢部43と、バネ下肢部44の側方から図下方向に湾曲して延びロックスライド10の台部11にねじ止めされる台接続部45とを備えている。板バネ部40の台接続部45には、ネジ止めのために孔(不図示)を設けており、この孔に対して、ロックスライド10の台部11に設けたネジ穴を重ねて、ネジ穴にネジ42を螺合している。また、板バネ部40のバネ上肢部43とバネ下肢部44とは、ロックスライド10が開状態にスライドする方向に次第に拡開するように、バネ上肢部43を斜行させている。このように板バネ部40とロックスライド10とを構成しているので、ロックスライド10が筐体に対して相対的にスライドすると、板バネ部40も同様にスライドする。ロックスライド10を閉状態から開状態にスライドさせるとバネ上肢部43に摺動ピン30が当接する位置が、バネ上肢部43とバネ下肢部44との接続端付近からバネ上肢部43の先端付近にスライドする。
次に、上記した構成の動作について説明する。
図3(B)に示すようにロックスライド10を閉状態にしている場合、ロックスライド10の筐体内に配置している板バネ部40は筐体内を図右方向にスライドしている。一方、摺動ピン30は図左右方向には変異しないように筐体に固定された軸受け部8に挿通されている。また、板バネ部40のバネ上肢部が摺動ピン30の摺動方向に対して斜行する方向に傾いて(拡開して)いる。したがってこの場合、摺動ピン30の下端はバネ上肢部の先端付近に当接(弾接)し、板バネ部40から図上側に向けて強い付勢力を受ける。なお、コイルバネ41からは図下側に向けて付勢力を受けるが、コイルバネ41のバネ定数は板バネ部40よりも弱く設定している。
モードダイアル20の回動角度が電源オフ位置に対応した回動角度であれば、摺動ピン30の先端が当接するはずのモードダイアルの位置には、主面間に貫通する形状の開口23があり、摺動ピン30は図上方向に変位する。そして開口23内に摺動ピン30が挿通した図示する位置で、板バネ部40の付勢力とコイルバネ41の付勢力とが拮抗する。開口23の内側の側面には、摺動ピン30の先端ではなく側面が接する。開口23の内側の側面と摺動ピン30の側面とは、ロック板21の回動方向にそれぞれ垂直であり、例えロック板21に回転トルクがかかっても、摺動ピンには、摺動方向の外力が生じない。したがって、摺動ピン30の位置は、ロック板21にかかる回転トルクによらずに一定に維持され、ロック板21が回動しない。よって、ロックスライド10を閉状態にしていて、且つ、モードダイアル20が電源オフに対応する回動角度の場合には、モードダイアル20はロックされることになる。
また、このようにロックスライド10を閉状態にしている場合であっても、モードダイアル20の回動角度が電源オフ位置に対応した回動角度でなければ、摺動ピン30の先端がロック板21の主面に弾接する。モードダイアル20の回動角度が電源オフ以外の他のモードに対応した回動角度であれば、摺動ピン30の先端が半球状の開口22(22A〜22G)に接するが、開口22の内壁と摺動ピン30の先端は、ロック板21の回動方向にそれぞれ非垂直であり、摺動ピン30にはロック板21の回転トルクから摺動方向の分力が生じる。したがって、摺動ピン30の位置は図上下方向に、ロック板21の主面形状にしたがって変位し、摺動ピン30が弾性摺動する。これにより、ロックスライド10を閉状態にしていて、且つ、モードダイアル20が電源オフ以外の他のモードに対応する回動角度の場合には、モードダイアル20ではクリック感が得られることになる。
また、図3(A)に示すようにロックスライド10を開状態にしている場合、ロックスライド10の筐体内に配置している板バネ部40は筐体内を図左方向にスライドしている。一方、摺動ピン30は図左右方向には変異しないように筐体に固定された軸受け部8に挿通されている。また、板バネ部40のバネ上肢部が摺動ピン30の摺動方向に対して斜行する方向に傾いている。したがってこの場合、摺動ピン30の下端はバネ上肢部とバネ下肢部の接続部位付近に当接(弾接)し、板バネ部40から図上側に向けて弱い付勢力を受ける。
それまで、モードダイアル20がロックされていて、モードダイアル20の回動角度が電源オフ位置に対応した回動角度であれば、摺動ピン30は図下方向に変位する。そして開口23の角付近に摺動ピン30の先端が位置する図示する状態で、板バネ部40の付勢力とコイルバネ41の付勢力とが拮抗する。この状態で、仮にモードダイアル20に回転トルクがかかると、摺動ピン30の先端は開口23の角に接し、ロック板21から力を受ける。開口23の角と摺動ピン30の先端とは、ロック板21の回動方向に非垂直に接するので、摺動ピン30にはロック板21の回転トルクから摺動方向の分力が生じる。したがって、摺動ピン30の位置は図下方向に変位し、摺動ピン30が弾性摺動する。これにより、ロックスライド10を開状態にしていれば、モードダイアル20が電源オフに対応する回動角度であってもモードダイアル20は回動可能になり回動に伴いクリック感が得られることになる。
また、半球状の開口22(22A〜22G)に摺動ピン30の先端が接する状態では、ロックスライド10を開状態にしている場合であっても、摺動ピン30にはロック板21の回転トルクから摺動方向の分力が生じ、摺動ピン30が弾性摺動する。この場合にも、モードダイアル20ではクリック感が得られることになる。
このように本発明の構成を採用した携帯型端末は、モードダイアルをロックする構成と、モードダイアルにクリック感を与える構成を、同一の部材で構築でき、従来よりも部品点数を低減し、携帯型端末のコストを抑制できる。また、ロックスライド10を開状態にしている場合であれば、どのようなモードダイアルの回動角度であっても、ロックがかかることがなく、使用者が誤ってモードダイアルのロックに対応する回動角度までモードダイアルを回動させた場合であっても、ロック解除の操作を必要としない。したがって、使用者に良好な操作性を提供できる。
なお、本実施形態では、携帯型端末として放送受像再生装置を用いる例を示したが、本発明はモードダイアルを用いるものであれば多様な装置に適用でき、放送受像再生装置に限られない。例えば、携帯型音楽再生装置や、携帯型ビデオカメラ、携帯型ラジオ、カメラ装置、携帯電話など多様な装置に適用可能である。
実施形態に係る携帯型の放送受像再生装置の、ロックした状態での外観図である。 実施形態に係る携帯型の放送受像再生装置の、ロック解除した状態での外観図である。 実施形態に係る携帯型の放送受像再生装置の分解図である。 実施形態に係る携帯型の放送受像再生装置に内装するロック板の構成図である。 実施形態に係る携帯型の放送受像再生装置に内装する摺動ピンの構成図である。 実施形態に係る携帯型の放送受像再生装置に内装する板バネ部とロックスライドの構成図である。
符号の説明
1−放送受像表示装置
2−筐体
3−表示部
4−把持部
5−ボタン
6−スライド収納部
7−凹部
8−軸受け部
10−ロックスライド
11−台部
20−モードダイアル
21−ロック板
22,23−開口
24−中心孔
30−摺動ピン
30A−上ピン部
30B−下ピン部
31−段部
32−先端部
40−板バネ部
41−コイルバネ
42−ネジ
43−バネ上肢部
44−バネ下肢部
45−接続部

Claims (5)

  1. 筐体に摺動可能に取り付けられ、その先端付近が筐体に回動可能に取り付けた円盤状のダイアルに接する摺動ピンと、前記摺動ピンを摺動方向に向けて付勢する付勢部と、を備える携帯型端末において、
    前記摺動ピンは、前記摺動方向に平行な側面部と、前記ダイアルの回動面に対して非垂直な先端部と、を備え、
    前記ダイアルは、当該ダイアルの回動面に対して垂直な内壁を有する開口と、前記摺動ピンの先端部に勘合する形状の開口と、を少なくとも含む複数の開口を、前記摺動ピンが回動に伴って当接する円周上に配列したものであり、
    前記付勢部は、前記摺動ピンの摺動方向に垂直に摺動して固定されるスライド部材と、前記スライド部材に固定されるとともに前記摺動ピンを前記摺動方向に付勢する、くの字形状の板バネと、を備え、
    前記スライド部材は、前記ダイアルの開口に前記摺動ピンの側面部が嵌通しない位置に向けて、前記板バネが前記摺動ピンを付勢する第1の摺動位置、または、前記ダイアルの開口の内壁に前記摺動ピンの側面部を当接させる位置に向けて、前記板バネが前記摺動ピンを付勢する第2の摺動位置で固定されることを特徴とする携帯型端末。
  2. 筐体に摺動可能に取り付けられ、その先端付近が前記筐体に回動可能に取り付けたダイアルに接する摺動ピンと、前記摺動ピンを摺動方向に向けて付勢する付勢部と、を備える携帯型端末において、
    前記ダイアルは、前記摺動ピンが回動に伴って当接する円周上に複数の開口を配したものであり、
    前記付勢部は、前記摺動ピンの摺動方向に垂直に摺動して固定されるスライド部材と、前記スライド部材に固定されるとともに前記摺動ピンを前記摺動方向に向けて付勢する、くの字形状の板バネと、を備える携帯型端末。
  3. 前記摺動ピンは、前記摺動方向に平行な側面部を備え、
    前記ダイアルの複数の開口のいずれかは、当該ダイアルの回動面に対して垂直な内壁を有する請求項2に記載の携帯型端末。
  4. 前記摺動ピンは、さらに前記ダイアルの回動面に対して非垂直な先端部を備え、
    前記ダイアルの複数の開口のいずれかは、前記摺動ピンの先端部に勘合する形状である請求項2または3に記載の携帯型端末。
  5. 前記スライド部材は、前記ダイアルの開口に前記摺動ピンの側面部が嵌通しない位置に向けて、前記板バネが前記摺動ピンを付勢する第1の摺動位置、または、前記ダイアルの開口の内壁に前記摺動ピンの側面部を当接させる位置に向けて、前記板バネが前記摺動ピンを付勢する第2の摺動位置で固定されることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の携帯型端末。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014048625A (ja) * 2012-09-04 2014-03-17 Ricoh Co Ltd 電子機器

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