JP2008082414A5 - - Google Patents

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JP2008082414A5
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流体動圧軸受装置、磁気ディスク装置、及び携帯型電子機器
本発明は、流体動圧軸受装置及びこれを用いた磁気ディスク装置に関し、回転部の耗の防止及び回転部で発生する異音の抑制技術に関する。
ハードディスクなどの磁気ディスク装置に搭載されるスピンドルモータの軸受装置として、流体動圧によって軸等を支持する流体動圧軸受装置が多用されている。流体動圧軸受装置は、例えば、へリングボーン状の溝や、スパイラル状の溝からなる所定の動圧発生構造を軸や軸を受け止めるスリーブに形成し、軸の高速回転に伴って軸とスリーブとの間に介在させた潤滑液の圧力(動圧)上昇を利用して、回転時の軸とスリーブとの非接触状態を維持する。流体動圧軸受装置は、軸の外周面やスリーブの内周面などに動圧発生構造を形成し、軸の径方向を支持するラジアル流体動圧軸受、及び、軸やロータハブ、スリーブのスラスト面などに動圧発生構造を形成し、軸の軸方向を支持するスラスト流体動圧軸受の両方を備えていることが多い。
特開2006−29483号公報 特開2002−339952号公報
流体動圧軸受装置では、軸とスリーブに、異なる材料を用いることが多い(特許文献1)。その一方で、磁気ディスク装置の薄型化に伴って流体軸受装置の軸が短くなってきている。
ところが、軸が短くなると、磁気ディスク装置に揺れの動きが加わったとき、軸の両端縁にかかる負荷が大きくなる。そのため、例えば、上述したように、軸、或いはスリーブに異なる材料が用いられて両者の硬度に差が生じた場合、硬度の小さい方が耗して、軸とスリーブの挿入孔との間が大きくなり、その結果、軸とスリーブががたついて、軸に取り付けたロータハブとスリーブとが接触して異音を生じるという問題が発生するようになってきた。
先の特許文献2では、軸の表面状態に着目し、軸の外周面に研磨傷を形成している。軸表面が適度に荒れて潤滑液の濡れ性が良好になるため、耗等の発生が防止でき、ひいては異音の発生も抑制できるとしている。
しかし、最近この種の流体動圧軸受装置が多用される携帯型のデジタルオーディオプレーヤーなどでは、使用条件が更に過酷になっている。これら機器は、回転中に振り回されることが前提となっているため、軸表面の濡れ性を向上させる程度では、ロータハブとスリーブとの接触を回避することは極めて困難である。たとえ、使用初期には問題がなくても、経時的に耗が拡大して、問題となる異音が発生するようになる。
すなわち、このような過酷条件の下では、使用初期にロータハブとスリーブとが接触し得ない構造とすることはもとより、その初期状態が長期にわたって維持できる構造とすることが不可欠である。
そこで、本発明は、回転中に振り回されるような過酷条件下であっても、長期にわたってロータハブとスリーブの接触による異音の発生を効果的に防止でき、耐久性に優れた流体動圧軸受装置の提供を目的とする。
請求項1記載の発明は、略円柱状の軸と、前記軸と一体である円板形の、スラストプレートと、前記軸が挿入される挿入孔を有し、該挿入孔の内周面と前記軸の外周面との間に微小間隙が存在する、スリーブと、前記スリーブが備え、前記挿入孔の一端側終端から径方向に拡がる、スリーブ側スラスト面と、前記スラストプレートが備え、前記スリーブ側スラスト面に微小間隙を介して対向する、軸側スラスト面と、前記微小間隙を満たす、潤滑液と、からなり、前記挿入孔の内周面の少なくとも一部は、対向する前記軸の外周面、及びこれら周面の間の微小間隙を満たす潤滑液と共に、ラジアル動圧軸受部を構成し、前記スリーブ側スラスト面の少なくとも一部は、前記軸側スラスト面の対向する部分、及び、該二つの面の間の微小間隙を満たす潤滑液とからなる、スラスト動圧軸受部を構成し、前記スリーブに対する前記軸の最大傾斜位置において、該軸の外周面と前記挿入孔の内周面とが前記挿入孔の両端部の各々において接触する部位を接触部と呼ぶとき、前記スラスト動圧軸受部の微小間隙を、前記軸及びこれと一体である前記スラストプレートが前記スリーブに対して中立かつ相対的に定格浮上状態である際の大きさとし、その状態から前記挿入孔の両端の前記接触部の中点を中心として軸を倒す方向に回転させて傾け、前記軸の外周面を前記挿入孔の両端部において該挿入孔の内周面と接触させる回転操作において、前記軸側スラスト面と前記スリーブは該回転操作を通じて非接触状態を保つ流体動圧軸受装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の流体動圧軸受装置において、前記接触部では、前記軸の外周面及び前記挿入孔の内周面のうち、表面硬度が大きい側の算術平均粗さが0.02μm以下である流体動圧軸受装置である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の流体動圧軸受装置において、前記接触部のうち表面硬度が大きい側の硬度は、ビッカース硬度にて100Hvより大であり、表面硬度が小さい側の硬度は、600Hvより小である流体動圧軸受装置である。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3に記載の流体動圧軸受装置において、前記ラジアル動圧軸受部における前記軸と前記スリーブとの間の径方向の間隙が、1.3μm以上2.5μm以下である流体動圧軸受装置である。
請求項5記載の発明は、信号の記録及び読み出し可能な、磁気ディスクと、前記磁気ディスクが載置される、ロータハブと、前記ロータハブを回転自在に支持する、請求項1乃至4に記載の、流体動圧軸受装置と、前記流体動圧軸受装置が固定される、ベースと、前記磁気ディスクを前記ロータハブと共に回転駆動する、駆動機構と、前記磁気ディスクに信号を記録し、或いは、読み出す、磁気ヘッドと、からなる磁気ディスク装置である。
請求項6記載の発明は、略円柱状の軸と、前記軸と一体である円盤部を有するロータハブと、前記軸が挿入される挿入孔を有し、該挿入孔の内周面と前記軸の外周面との間に微小間隙が存在する、スリーブと、前記スリーブが備え、前記挿入孔の一端側終端から径方向に拡がる、スリーブ側スラスト面と、前記ロータハブが備え、前記スリーブ側スラスト面に微小間隙を介して対向する、軸側スラスト面と、前記微小間隙を満たす、潤滑液と、からなり、前記挿入孔の内周面の少なくとも一部は、対向する前記軸の外周面、及びこれら周面の間の微小間隙を満たす潤滑液と共に、ラジアル動圧軸受部を構成し、前記スリーブ側スラスト面の少なくとも一部は、前記軸側スラスト面の対向する部分、及び、該二つの面の間の微小間隙を満たす潤滑液とからなる、スラスト動圧軸受部を構成し、前記スリーブに対する前記軸の最大傾斜位置において、該軸の外周面と前記挿入孔の内周面とが前記挿入孔の両端部の各々において接触する部位を接触部と呼ぶとき、前記スラスト動圧軸受部の微小間隙を、前記軸及びこれと一体である前記ロータハブが前記スリーブに対して中立かつ相対的に定格浮上状態である際の大きさとし、その状態から前記挿入孔の両端の前記接触部の中点を中心として軸を倒す方向に回転させて傾け、前記軸の外周面を前記挿入孔の両端部において該挿入孔の内周面と接触させる回転操作において、前記軸側スラスト面と前記スリーブは該回転操作を通じて非接触状態を保つ流体動圧軸受装置である。
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の流体動圧軸受装置において、前記軸側スラスト面、及び、前記スリーブ側スラスト面は、前記スラスト動圧軸受部の径方向外側に広がっており、かつ、該径方向外側の部位における軸方向間隙の大きさは、径方向外側ほど大きい、流体動圧軸受装置である。
請求項8記載の発明は、請求項6又は7に記載の流体動圧軸受装置において、前記接触部では、前記軸の外周面及び前記挿入孔の内周面のうち、表面硬度が大きい側の算術平均粗さが0.02μm以下である流体動圧軸受装置である。
請求項9記載の発明は、請求項6乃至8に記載の流体動圧軸受装置において、前記接触部のうち表面硬度が大きい側の硬度は、ビッカース硬度にて100Hvより大であり、表面硬度が小さい側の硬度は、600Hvより小である流体動圧軸受装置である。
請求項10記載の発明は、請求項6乃至9に記載の流体動圧軸受装置において、前記ラジアル動圧軸受部における前記軸と前記スリーブとの間の径方向の間隙が、1.3μm以上2.5μm以下である流体動圧軸受装置である。
請求項11記載の発明は、請求項6乃至10に記載の、流体動圧軸受装置と、前記ロータハブに載置され、信号の記録及び読み出しが可能な、磁気ディスクと、前記流体動圧軸受装置が固定される、ベースと、前記磁気ディスクを前記ロータハブと共に回転駆動する、駆動機構と、前記磁気ディスクに信号を記録し、或いは、読み出す、磁気ヘッドと、からなる磁気ディスク装置である。
請求項12記載の発明は、請求項5又は11に記載の磁気ディスク装置において、前記磁気ディスクは、直径2.5インチ以下である磁気ディスク装置である。
請求項13記載の発明は、携帯可能な形態と大きさを有する筐体と、前記筐体内部に搭載された請求項12に記載の磁気ディスク装置と、少なくとも、前記磁気ディスク装置から読み出した信号を処理し、出力する機能を有する電子機器と、からなる携帯型電子機器である。
本発明は、流体動圧軸受装置に対して、これを振り回した際の影響を考慮して、最適な構造を実現したことに大きな特徴がある。
従来より、流体動圧軸受装置は磁気ディスクを回転駆動するスピンドルモータに採用されて、NRRO特性等優れた性能を発揮してきた。しかし、それら性能は、あくまでも装置を揺らさないことを前提としたものであった。これに対して、本発明は、流体動圧軸受装置を振り回した場合の影響を考慮し、振り回すことに伴って軸受で生ずる異音、を抑制することに成功した。
その基本のアイディアは簡潔なものであって、スリーブに対してシャフトを最大限傾けた場合でも、スラスト流体動圧軸受部で接触が起きないように、軸受各部の寸法を定める様にするものである。
動圧軸受部で生ずる動圧は大きく、軸受装置が静止している限り、殆どの用途で十分に安定した支持が実現されている。しかし、振り回した際には、この圧力でも支持できず、軸と或いはスラストプレートと、スリーブは接触を起こす。この際、スラストプレートが接触した場合には目立つ異音が発生するが、軸が接触した場合には生じない。故に、ラジアル動圧軸受部の遊びを減らし、スラスト動圧軸受部の径を小さくすることで、異音が抑制できる。
本発明においては、軸表面とスリーブ内周面の硬度を適切に選択し、更には、硬い側の表面の算術平均粗さを0.02μm以下にまで平滑に仕上げてもよい。
い側の表面に凹凸が多いと、軸受装置を揺らして軸がスリーブ内周面に接触するようにした場合、接触部分では、硬い側がやわらかい側の表面を削ってしまう。これでは、軸の最大傾き角が次第に大きくなって、やがてスラスト動圧軸受部で接触が起きてしまう。一方で、硬い側の表面を平滑に仕上げておくと、摩耗量は減少し、実質的に無視できる程度にまで減らすことができる。
このようにして得られる本発明の流体動圧軸受装置は、磁気ディスク駆動装置に搭載することで、良好な特性を持つ製品が得られる。特に、携帯されることの多い、ディスク径が2.5インチ以下の磁気ディスク駆動装置に用いると、作動中であっても異音が生じないので、使用者にとって快適である。
異なる材料からなる軸とスリーブで構成されている流体動圧軸受装置であっても、軸とスリーブが接触する接触部における表面硬度が大きい側の算術平均粗さを0.02μm以下とすれば、表面硬度の小さい側の耗量を小さくでき、耐久性を著しく向上させることができる。
接触部のうち表面硬度が大きい側の硬度は、ビッカース硬度にて100Hvより大とし、表面硬度が小さい側の硬度は600Hvより小とすれば、効果的に耗量を小さくできる。
軸の一端側に取り付けられて一体に回転する、スラストプレート或いはロータハブを備え、スラストプレート或いはロータハブを、スリーブに対して定格浮上量だけ浮上させた状態から傾け、軸の外周面と挿入孔の内周面の両端の接触部で接触させた場合でも、スラストプレート或いはロータハブがスリーブと非接触状態を保つように構成しておけば、携帯型のデジタルオーディオプレーヤーなど、回転中に振り回されるような過酷条件の下でも、両者の接触による異音の発生を効果的に防止できる。
軸側スラスト面及びスリーブ側スラスト面の、スラスト動圧軸受部の径方向外側の部位における軸方向間隙の大きさが、径方向外側ほど大きくなるようにしてあると、ロータハブとスリーブとの接触を確実に回避することができる。
ラジアル動圧軸受部における軸とスリーブとの間の径方向の間隔を、1.3μmから2.5μmの間とすれば、軸の傾きを効果的に防止できる。
本発明の流体動圧軸受装置で2.5インチ以下の磁気ディスクを支持すれば、回転半径が小さくて、それだけ軸やスリーブの挿入孔にかかる負荷が小さくなるため、よりいっそう軸の耗を防止することができ、耐久性の向上や異音の発生防止に優れた効果を得ることができる。
{実施例1}
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施例の形態に係る流体動圧軸受装置の軸方向断面図であり、図2は、流体動圧軸受装置を構成するスリーブSの平面図である。まずは流体動圧軸受装置の全体構造について説明する。
流体動圧軸受装置は、図1に示すごとく、スリーブSと、スリーブSより大径のロータハブRとを備えており、ロータハブRが軸1を介してスリーブSに回転自在に支持されている。スリーブSとロータハブRとの間には、潤滑液2が満たされている。ロータハブRは、回転することによってラジアル動圧軸受部3とスラスト流体動圧軸受部4とによってスリーブSに非接触状態で支持される。なお、図1のロータハブ側を上、スリーブ側を下として説明する。
スリーブSは、略円筒形状をしており、その軸心部には、軸挿入用の略円筒形状をした挿入孔5が軸方向に沿って貫通形成されている。挿入孔5の下側の開口には、封止片6が嵌め込まれて封止されており、スリーブSは上側が外部に向けて開放する有底円筒形状となっている。挿入孔5の下側は大径に形成されており、潤滑液2を貯留する液溜め部7が形成されている。挿入孔5の近傍には、挿入孔5と並行して液溜め部7とスリーブ上端面との間に連通する潤滑液供給用の送液孔8が形成されている。
スリーブSの上端縁には、全周にわたって外向きに鍔部9が張り出し形成されている。スリーブSの周壁の上端側は、鍔部9の下端から下側に向かって径が漸減する下すぼまり形状になっており、潤滑液の漏れを防ぐキャピラリーシールとして機能している。
ロータハブRは、中心部に貫通孔10が形成された円板形の円盤部11(スラストプレート)と、円盤部11の外周縁から軸方向に沿って下向きに延出された円筒壁部12と、円筒壁部12の外側に上下2段の階段状に張り出し形成されたフランジ部13とを備えている。
軸1は、短寸の略円柱形状をしており、ロータハブRと軸心が一致するよう、ロータハブRの円盤部11の貫通孔10に軸1の上端が取り付けられて、円盤部11の下側に下向きに突出した状態でロータハブRと一体化されている。
ロータハブRは、軸1をスリーブSの挿入孔5に挿入することにより、スリーブSに回転自在に支持されている。ロータハブRの円筒壁部12の内側の下方には、環状のリング体14が装着されており、スリーブSの上端に形成された鍔部9を受け止めて、ロータハブRがスリーブSから抜け外れるのを阻止している。
スリーブS及び軸1は、異なる材料で構成されている。具体的には、スリーブSは比較的切削加工の容易なフェライト系ステンレス鋼を使用しているのに対し、軸1はフェライト系ステンレス鋼よりも硬度の高いマルテンサイト系ステンレス鋼を使用している。なお、スリーブSは、一体品に限らない。例えば、銅系材料で構成された中空円筒形状の多孔質焼結体をスリーブの本体とし、これをリン青銅製の有底円筒形状のハウジング内部に固定して、スリーブとしてもい。
スリーブSとロータハブR及び軸1の間には、微小間隙が介在しており、その微小間隙は、エステル系オイルなどの潤滑液2で満たされている。詳しくは、スリーブSの封止片6の上面と軸1の下端面との間、スリーブSの挿入孔5の内周面と軸1の外周面との間、スリーブSの上端面とロータハブRの円盤部11の底面との間、スリーブSの外周面とロータハブRの円筒壁部12の内面との間には、それぞれ潤滑液2が充満している。ロータハブRのフランジ部13の下面には、異なる磁極が周方向に交互に現れるように着磁された環状のマグネット15が固定されている。このマグネット15の外周に所定間隔を空けて対向して配置されたステータ(図示せず)に通電することによってロータハブRが軸1まわりに高速で回転するようになっている。
スリーブSが、回転しているロータハブRを非接触状態で支持するために、ロータハブR及びスリーブSには、ラジアル動圧軸受部3とスラスト動圧軸受部4とが形成されている。
ラジアル動圧軸受部3は、スリーブSの内周面の一部とこれに対向する軸1の外周面、及びこれら周面の間の微小間隙を満たす潤滑液2とで構成されている。スリーブSの内周面の軸方向には、回転方向に沿って潤滑液を集中させる溝、例えばヘリングボーン溝18が形成されている。
スラスト動圧軸受部4は、スリーブSの上端面とロータハブRの円盤部11の底面及び、これらの間に介在する潤滑液から構成されている。詳しくは、図1及び図2に示すように、スリーブSは、挿入孔5の上端の縁部から径方向外方に広がって鍔部9の外周縁に至るスリーブ側スラスト面20を有し、ロータハブRは、スリーブ側スラスト面20に対向する軸側スラスト面21を有している。軸側スラスト面21は、ロータハブRの円盤部11の底面に形成されており、軸1に対する高精度な垂直面となっている。そして、スラスト動圧軸受部4は、スリーブ側スラスト面20の一部と、これに対向する軸側スラスト面21と、これらスラスト面20・21の間の微小間隙を満たす潤滑液2とで構成されている。具体的には、スリーブSの挿入孔5の上端の縁部から、これと鍔部9の外周縁との略中間位置に至る部分が、軸方向に対して略垂直に延出形成されてスラスト動圧軸受部4のスリーブ側スラスト面20を構成している。このスラスト面20と対向する軸側スラスト面21は、高精度な平行状態が保たれるように加工されている。スラスト動圧軸受部4のスリーブ側スラスト面20には、図2に示すように、潤滑液2を径方向中心側に集中させる渦巻き状のスパイラル溝22が形成されている。
スリーブ側スラスト面20のスラスト動圧軸受部4の径方向外側の部位は、鍔部9の外周縁に至るまで下り傾斜状に形成されていて、スラスト動圧軸受部4の径方向外側の部位における、軸側スラスト面21及びスリーブ側スラスト面20の軸方向間隙の大きさは、径方向外側ほど大きくなっている。
ステータに通電することにより、ロータハブRが高速で回転すると、ラジアル動圧軸受部3によって軸1の外周面と挿入孔5の内周面が非接触状態に保持される。スラスト動圧軸受部4によって、ロータハブRがスリーブSに対して浮上して、両者の非接触状態が保持される。
以上のように、ロータハブRが高速で回転すると、ロータハブRとスリーブSとは、ラジアル動圧軸受部3及びスラスト動圧軸受部4によって、非接触状態に保持されるのであるが、携帯型のデジタルオーディオプレーヤーなど、回転中に振り回されるような過酷な条件の下では、非接触の状態を維持できない。
ロータハブはディスクが一体に固定されて高速で回転しており、回転時には非常に大きな角運動量を保持している。そのため、ハードディスクが振り回されても、ロータ部分は容易には向きを変えられない。そして、急激に振り回すと、ロータやシャフトの一部がスリーブと接触してしまう。この接触は、“ゲコ音”と呼ばれる異音を生ずる。携帯型のオーディオ機器を作動させている最中に、このような耳障りな音が発生することは、極めて好ましくない。
本発明者らは、種々の検討の末、この異音が、スラスト動圧軸受部の接触に起因することを見出した。すなわち、スラスト動圧軸受部は、ラジアル動圧軸受部よりも軸の中心から離れたところに形成されるため、回転時の周速が大きい。そして、振り回された際には、軸側スラスト面はスリーブに対して相対的に傾いた位置関係となり、周速が最も大きい最外周でスリーブ側と接触する。軸側スラスト面は、ロータハブRの円盤形状の部分か、若しくは、スラストプレートに形成されており、何れの場合でも円盤状の形態を有する部品であるため、接触が起こった場合に音を発しい。
そこで、本発明では、ロータハブRが最大に傾いても、スラスト動圧軸受部が非接触状態を保つことができる構成を採用した。具体的には、幾何学的に許される最大限まで軸をスリーブに対して傾けても、スラスト動圧軸受部に間隙が残る寸法関係を選択した。この関係を実現するためには、スラスト動圧軸受部4が、径方向の内側寄りに形成されている構造であることが望ましい。
スラスト動圧軸受部4は、例えば図3及び図4に示すように、従来は径方向の外側寄りにスラスト動圧軸受部形成されていた。ところで、スラスト動圧軸受部4におけるスリーブ側スラスト面20と軸側スラスト面21との微小間隙は、流体動圧を形成するために、他のスリーブ側スラスト面20と軸側スラスト面21との微小間隙よりも小さくなるように設定される。つまり、スラスト動圧軸受部4におけるスリーブ側スラスト面20は一段高くなっているため、軸1が傾くと、径方向外側に位置する分だけ、スラスト動圧軸受部4におけるスリーブ側スラスト面20と軸側スラスト面21とが接触し易くなっていた。
そこで、スラスト動圧軸受部4の外径、シャフト長さ、スリーブとシャフトの間の間隙の大きさを適切に選択し、図5に示す軸受装置とした。図5では、軸1とこれと一体のロータハブRとを、スリーブSに対して軸方向に定格浮上量だけ浮上させた状態から、挿入孔5の上下両端に位置する一対の接触部23・23間を結ぶ仮想線の中点Pを中心として、軸1を倒す方向に回転させて傾け、挿入孔5の上下両端の接触部23・23において、軸1の外周面と挿入孔5の内周面とを接触させた状態を表している。本願発明の動圧軸受装置は、このような操作を行っても、スラスト動圧軸受部を構成するロータハブRの底面とスリーブSの上端面とはこの回転操作を通じて非接触状態を保つ。
スラスト動圧軸受部4の径方向外側の部位では、軸側スラスト面21及びスリーブ側スラスト面20の軸方向間隙の大きさは径方向外側ほど大きくなるようになっている。このため、ロータハブRとスリーブSとの接触を回避することができる。なお、定格浮上量とは、所定の磁気ディスクが取り付けられたロータハブRが、定格回転数で安定して回転しているときに確保されるべき、浮上量のことであり、図5では、その状態のロータハブRの位置を一点鎖線で示してある。また、同じ動圧軸受装置でも、温度が異なると潤滑液の粘性が変化して、浮上量も変化する。通常、定格浮上量は一定の幅がある。そして、要求される使用温度範囲において、浮上量が定格浮上量で示される所定の一定の範囲に収まるように、動圧軸受装置は設計される。
図5の構成とすることで、使用初期の状態では、回転中に振り回されるような過酷な条件の下でも、スラスト動圧軸受部4における軸側スラスト面21とスリーブ側スラスト面20とが接触することがなく、スラスト動圧軸受部4に形成されたスパイラル溝22が擦れて異音を発生するおそれのない構造となっている。
なお、図5に示したような、中点Pを中心として傾く動きは、実際の動圧軸受装置で起きていると推定される傾き方とは正確には一致しない。正しく推定することは困難である。なぜなら、実際の使用時において、流体動圧軸受装置が、どのように振り回されるかを特定することが容易ではないからである。加えて、ディスクを搭載したかロータハブRが回転しているときには、大きな角運動量を保持する。ディスクやロータハブを含めた装置全体が振り回された際にも、回転軸を傾けることには強い抵抗を示す。また、歳差運動も伴う。
振り回される方向と速度、加速度について一定の仮定をおいて、上記の運動を求めることは可能である。しかし、本願発明の目的である異音の抑制のためには、図5のような最も単純な傾き方を前提として軸受を設計することで、少なくとも使用の初期においては、良好な結果を得ることができる。
ところで、振り回されることによって軸1とスリーブSが接触することを前提としているので、軸1とスリーブSとが接触する接触部23は、やがて耗してしまう可能性がある。そして、この接触部23において、軸1とスリーブSとの間の隙間が拡大する。その結果、軸1がより大きく傾いてスラスト動圧軸受部で接触が起き、異音を生じることとなってしまう。そこで、長期にわたって耗を効果的に防止し、耐久性に優れた構造とするために、本発明では、更に次の構成を採用した。
まず、軸1が傾くことのできる角度を小さくするために、軸1とスリーブSとの間の間隔を小さく設定する。具体的には、ラジアル動圧軸受部3における軸1とスリーブSとの間の径方向の間隙を、通常は2〜3μmの間であるところ、1.3〜2.5μmの間となるように設定した。なお、1.3μm以上としたのは、それより小さいと摩擦抵抗が極端に増大するからである。
ところが、高速で回転する軸1とスリーブSとの間隔を小さく設定すると、軸1とスリーブSが接触し易くなり耗も早く進行する。そこで、上記条件に加えて、表面硬度が大きい側である軸1の外周面を極端に平滑に加工した。こうすることで、軸1とスリーブSとの間隔を小さく設定した場合のみならず通常の大きさとした場合でも耗が進行せず、耐久性が得られるようにした。
図6は、接触部における軸表面の算術平均粗さと、スリーブ側の摩耗量の関係を示すグラフである。図5に示す本願発明の流体動圧軸受装置によって、1.8インチサイズの磁気ディスクを搭載した磁気ディスク駆動装置を用意し、実験を行った。
使用した流体動圧軸受装置は、軸長3.3mm、軸径2.5mm、ラジアル動圧軸受部の軸受間隙2.5μm、スラスト動圧軸受部の定格浮上量は10μmである。軸の材質はSUS420J2であり、表面を切削した後、研削、仕上研磨を行って、表面を平滑に仕上げた。また、仕上げ研磨の条件を異ならせることで、算術平均粗さを変化させた。
スリーブの材質はDHS−1(商標)であり、機械加工で表面が仕上げられている。スリーブ両端の接触部表面における表面の硬度はHv290であり、軸表面の硬度は、Hv700である。軸表面の算術平均粗さは、粗さ計を用いて、軸方向に沿って測定した。
揺動を加える際には、流体動圧軸受の軸に対して垂直な方向を揺動の回転軸を選び、揺動角度幅90度、周期1.5Hzにて1分間揺動を加えた。その後、磁気ディスク駆動装置を分解して流体動圧軸受装置を取り出し、摩耗量を測定した。
図6のグラフより明らかなように、摩耗量は軸の表面粗さに依存しており、円柱軸25の外周面の算術平均粗さRaがおよそ0.02μm以下であれば、実質的に耗しないことが読み取れる。
なお、軸及びスリーブの硬度は、軸側の表面硬度が大きい場合であれば、ビッカース硬度において、軸を550〜750Hvとし、それに対するスリーブの硬度を150〜200Hvとするのが好ましい。もっとも、この範囲に限られるものではなく、軸の硬度は少なくとも100Hvより大とし、スリーブの硬度は少なくとも600Hvより小とした範囲内で選択可能である。
このように、表面硬度が大きい側の軸1の外周面の算術平均粗さを、0.02μm以下に設定すれば、軸とスリーブとの材質が異なる場合であっても、耗量を極小にできる。ちなみに、従来のこの種の装置の軸の算術平均粗さは、製造コスト等の関係から0.06μm程度の精度が標準となっている。
なお、本実施例の構成では挿入孔5の上下端の縁部が接触するが、挿入孔5の形状によっては、必ずしも上下端の縁部が接触するとは限らないため、ここでは接触部との概念を用いた。また、本発明は、軸1やスリーブS全体が上記の条件を満たしている場合に限らない。部分的に表面処理を施すことによって、上記条件を満たすようにしてもよい。
{実施例2}
図7は、本発明の第2の実施例に係る、流体動圧軸受装置の軸方向断面図である。また図8は、図7の流体動圧軸受装置の軸及びロータハブを、上下の接触部の中点を中心として回転させ、最大限傾けた状態を示している。
図7の流体動圧軸受装置は、軸1の下端に、スラストプレート30が取り付けられている。そして、スリーブSは、このスラストプレート30を収容するために、段部32が設けられている。潤滑液2は、挿入孔5の内部を、底から上側の端部まで、実質的に途切れることなく満たしている。
スラスト動圧軸受部4は、スラストプレート30の上下に一対形成されている。軸側スラスト面21は、スラストプレートの上下の面である。また、スリーブ側スラスト面20は、スリーブの段部32と、挿入孔5の底部をなすカウンタープレート31の表面である。これらスラスト面の上に、へリングボーン形態の動圧発生溝が形成されており、互いに逆方向に向くスラスト方向の動圧支持力を発生させている。軸1の軸方向位置は、これら一対のスラスト動圧軸受部4の力が、バランスする点である。図8において、軸1はロータRと共に、Pを傾き方向の回転の中心として、最大限傾けられた状態となっている。Pは、スリーブの上下における接触点23を結ぶ直線の中点である。
本発明では、スラストプレートを備えたタイプの流体動圧軸受装置であっても、スラスト面での接触は回避できる。よって、揺動時の異音の発生は抑制される。
{実施例3}
本発明の流体動圧軸受装置利用することで、揺動に対して強い磁気ディスク駆動装置が得られる。図9は、そのような磁気ディスク駆動装置の例である。
ベース43に、本発明の流体動圧軸受装置を搭載したスピンドルモータ41が取り付けられている。磁気ディスク42はスピンドルモータに搭載されている。磁気ディスク42の表面に接する形で、磁気ヘッド44が配置されている。磁気ヘッド44は、アーム45の先端に取り付けられており、そのアーム45はピボット46から伸びている。ピボット46はベースに取り付けられており、ベースに対して所定の角度範囲内で、自由な方向を向かせることができる。コイル48とマグネット47から構成されるボイスコイルモータは、ピボット46に回転駆動力を与え、駆動力の大きさに応じた特定の方位を向かせることができる。この機構により、磁気ヘッド44を、磁気ディスク42上の任意の場所に位置させることができる。なお、図9において、磁気ディスク42をスピンドルモータに固定するためのクランプ、磁気ヘッドへの配線等は、省略されている。
本発明の流体動圧軸受装置を搭載しているため、この磁気ディスク駆動装置は、作動時に揺らしても、異音の発生が少ない。また、軸受の摩耗も抑制されるため、長期間にわたって安定した性能を示す。
なお、磁気ディスクの直径は、2.5インチ以下であるのが好ましい。2.5インチ以下の磁気ディスクであれば、ロータ部の重要及び回転時の角運動量が比較的小さく、軸1やスリーブSの挿入孔5にかかる負荷が小さくなる。このため、本発明の先の構成との相乗効果によって、よりいっそう耗や異音の発生を防止することができる。
{実施例4}
図10は、本発明の磁気ディスク駆動装置を用いた、携帯型電子機器の例である。図10では、筐体51を透過して、内部が見えるように描かれている。内部に配置されている部品のうち、40は本発明の磁気ディスク駆動装置であり、53は磁気ディスク駆動装置から取り出した信号を処理するための集積回路、52は、磁気ディスク駆動装置40や集積回路53を駆動する電力を供給する、電池である。集積回路53としては、MP3やMPEGのデコーダ、或いは、単に磁気ディスク駆動装置40を外付けドライブとしてパーソナルコンピュータに認識させるための、インタフェース等を搭載することができる。なお、図10では、各種配線やコネクタは省略している。
何れの場合でも、携帯中に装置を作動させても、磁気ディスク駆動装置40は異音を発生することが少なく、快適な使用感を実現する。
{変形例}
上記の実施例1,2では、軸1側の表面硬度を大きくし、スリーブS側の表面硬度を小さくした例を示したが、本願発明の実施形態は、もちろんこれに限られるものではない。軸1側の表面硬度を小さく、スリーブS側の表面硬度を大きくし、スリーブS側の接触面を平滑処理してもよい。ロータハブRには、軸1ではなくスリーブSを取り付けてもい。この場合、軸1はモータの静止部分に固定され、その軸1に対して、スリーブSが回転することになる。実施例の1,2では、ロータハブRに軸1を一体に取り付け、スリーブSに挿入孔5を形成した流体動圧軸受装置を用いて説明したが、ロータハブRに挿入孔5を形成し、スリーブSに軸1を一体に取り付けた流体動圧軸受装置にも適用できる。
本発明の流体動圧軸受装置の側面断面図である。 スリーブの平面図である。 径方向の外側寄りにスラスト動圧軸受部が形成されている流体動圧軸受装置の側面断面図である。 図3の流体動圧軸受装置のスリーブの平面図である。 ロータハブとスリーブとの位置関係を説明するための図である。 表面粗さと摩耗量の関係を示すグラフである。 本発明の流体動圧軸受装置の第2の実施例の側面断面図である。 図7の流体動圧軸受装置の軸が限界まで傾けられた状態を示す図である。 本発明の磁気ディスク駆動装置の断面図である。 本発明の携帯型電子機器の斜視図である。
1 軸
2 潤滑液
3 ラジアル動圧軸受部
4 スラスト動圧軸受部
5 挿入孔
20 スリーブ側スラスト面
21 軸側スラスト面
23 接触部
30 スラストプレート
31 カウンタープレート
32 段部
S スリーブ
R ロータハブ
P 中点

Claims (13)

  1. 略円柱状の軸と、
    前記軸と一体である円板形の、スラストプレートと、
    前記軸が挿入される挿入孔を有し、該挿入孔の内周面と前記軸の外周面との間に微小間隙が存在する、スリーブと、
    前記スリーブが備え、前記挿入孔の一端側終端から径方向に拡がる、スリーブ側スラスト面と、
    前記スラストプレートが備え、前記スリーブ側スラスト面に微小間隙を介して対向する、軸側スラスト面と、
    前記微小間隙を満たす、潤滑液と、
    からなり、
    前記挿入孔の内周面の少なくとも一部は、対向する前記軸の外周面、及びこれら周面の間の微小間隙を満たす潤滑液と共に、ラジアル動圧軸受部を構成し、
    前記スリーブ側スラスト面の少なくとも一部は、前記軸側スラスト面の対向する部分、及び、該二つの面の間の微小間隙を満たす潤滑液とからなる、スラスト動圧軸受部を構成し、
    前記スリーブに対する前記軸の最大傾斜位置において、該軸の外周面と前記挿入孔の内周面とが前記挿入孔の両端部の各々において接触する部位を接触部と呼ぶとき、
    前記スラスト動圧軸受部の微小間隙を、前記軸及びこれと一体である前記スラストプレートが前記スリーブに対して中立かつ相対的に定格浮上状態である際の大きさとし、その状態から前記挿入孔の両端の前記接触部の中点を中心として軸を倒す方向に回転させて傾け、前記軸の外周面を前記挿入孔の両端部において該挿入孔の内周面と接触させる回転操作において、前記軸側スラスト面と前記スリーブは該回転操作を通じて非接触状態を保つ、
    ことを特徴とする流体動圧軸受装置。
  2. 請求項に記載の流体動圧軸受装置において、
    前記接触部では、前記軸の外周面及び前記挿入孔の内周面のうち、表面硬度が大きい側の算術平均粗さが0.02μm以下である、
    ことを特徴とする、流体動圧軸受装置。
  3. 請求項1又は2に記載の流体動圧軸受装置において、
    前記接触部のうち表面硬度が大きい側の硬度は、ビッカース硬度にて100Hvより大であり、表面硬度が小さい側の硬度は、600Hvより小である、
    ことを特徴とする流体動圧軸受装置。
  4. 請求項1乃至3に記載の流体動圧軸受装置において、
    前記ラジアル動圧軸受部における前記軸と前記スリーブとの間の径方向の間隙が、1.3μm以上2.5μm以下であることを特徴とする流体動圧軸受装置。
  5. 信号の記録及び読み出し可能な、磁気ディスクと、
    前記磁気ディスクが載置される、ロータハブと、
    前記ロータハブを回転自在に支持する、請求項1乃至4に記載の、流体動圧軸受装置と、
    前記流体動圧軸受装置が固定される、ベースと、
    前記磁気ディスクを前記ロータハブと共に回転駆動する、駆動機構と、
    前記磁気ディスクに信号を記録し、或いは、読み出す、磁気ヘッドと、
    からなることを特徴とする磁気ディスク装置。
  6. 略円柱状の軸と、
    前記軸と一体である円盤部を有するロータハブと、
    前記軸が挿入される挿入孔を有し、該挿入孔の内周面と前記軸の外周面との間に微小間隙が存在する、スリーブと、
    前記スリーブが備え、前記挿入孔の一端側終端から径方向に拡がる、スリーブ側スラスト面と、
    前記ロータハブが備え、前記スリーブ側スラスト面に微小間隙を介して対向する、軸側スラスト面と、
    前記微小間隙を満たす、潤滑液と、
    からなり、
    前記挿入孔の内周面の少なくとも一部は、対向する前記軸の外周面、及びこれら周面の間の微小間隙を満たす潤滑液と共に、ラジアル動圧軸受部を構成し、
    前記スリーブ側スラスト面の少なくとも一部は、前記軸側スラスト面の対向する部分、及び、該二つの面の間の微小間隙を満たす潤滑液とからなる、スラスト動圧軸受部を構成し、
    前記スリーブに対する前記軸の最大傾斜位置において、該軸の外周面と前記挿入孔の内周面とが前記挿入孔の両端部の各々において接触する部位を接触部と呼ぶとき、
    前記スラスト動圧軸受部の微小間隙を、前記軸及びこれと一体である前記ロータハブが前記スリーブに対して中立かつ相対的に定格浮上状態である際の大きさとし、その状態から前記挿入孔の両端の前記接触部の中点を中心として軸を倒す方向に回転させて傾け、前記軸の外周面を前記挿入孔の両端部において該挿入孔の内周面と接触させる回転操作において、前記軸側スラスト面と前記スリーブは該回転操作を通じて非接触状態を保つ、
    ことを特徴とする流体動圧軸受装置。
  7. 請求項に記載の流体動圧軸受装置において、
    前記軸側スラスト面、及び、前記スリーブ側スラスト面は、前記スラスト動圧軸受部の径方向外側に広がっており、かつ、
    該径方向外側の部位における軸方向間隙の大きさは、径方向外側ほど大きい、
    ことを特徴とする流体動圧軸受装置。
  8. 請求項6又は7に記載の流体動圧軸受装置において、前記接触部では、前記軸の外周面及び前記挿入孔の内周面のうち、表面硬度が大きい側の算術平均粗さが0.02μm以下である、
    ことを特徴とする、流体動圧軸受装置。
  9. 請求項6乃至8に記載の流体動圧軸受装置において、
    前記接触部のうち表面硬度が大きい側の硬度は、ビッカース硬度にて100Hvより大であり、表面硬度が小さい側の硬度は、600Hvより小である、
    ことを特徴とする流体動圧軸受装置。
  10. 請求項6乃至9に記載の流体動圧軸受装置において、
    前記ラジアル動圧軸受部における前記軸と前記スリーブとの間の径方向の間隙が、1.3μm以上2.5μm以下であることを特徴とする流体動圧軸受装置。
  11. 請求項6乃至10に記載の、流体動圧軸受装置と、
    前記ロータハブに載置され、信号の記録及び読み出しが可能な、磁気ディスクと、
    前記流体動圧軸受装置が固定される、ベースと、
    前記磁気ディスクを前記ロータハブと共に回転駆動する、駆動機構と、
    前記磁気ディスクに信号を記録し、或いは、読み出す、磁気ヘッドと、
    からなることを特徴とする磁気ディスク装置。
  12. 請求項5又は11に記載の磁気ディスク装置において、
    前記磁気ディスクは、直径2.5インチ以下である、
    ことを特徴とする磁気ディスク装置。
  13. 携帯可能な形態と大きさを有する筐体と、
    前記筐体内部に搭載された請求項12に記載の磁気ディスク装置と、
    少なくとも、前記磁気ディスク装置から読み出した信号を処理し、出力する機能を有する電子機器と、
    からなることを特徴とする、携帯型電子機器。
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