JP3955946B2 - 動圧軸受、スピンドルモータ、及び記録ディスク駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動圧軸受、前記動圧軸受が採用されたスピンドルモータ及び記録ディスク駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスク等の記録ディスク駆動装置は、記録ディスクと同心に配置された回転駆動用のスピンドルモータを装置内に有している。このスピンドルモータは、主に、電機子コイルを有するステータが固定された静止部材と、ステータに対向するロータマグネットが固定された回転部材と、回転部材を静止部材に回転自在に支持する軸受手段とから構成されている。
【0003】
同装置の高性能化に伴い、この軸受手段としては、高精度化を目的に動圧軸受が採用されている。動圧軸受には、その潤滑流体の保持の形態に着目して、各軸受部内には潤滑流体としてのオイルが連続して保持されオイル界面が一箇所にしかない構造があり、これを一般にフルフィル構造という。フルフィル構造の動圧軸受は、一般に、軸受部の構造が簡略になるという利点を有している。
【0004】
その動圧軸受は、例えば、スリーブと、その中に相対回転可能に配置されたシャフトによって形成されている。シャフトは、例えば、シャフト本体と、その端部に形成されたスラストフランジとを有している。スリーブは、シャフト本体の外周面に微少間隙を介して半径方向に対向する内周面と、スラストフランジの上下面に微少間隙を介して軸線方向に対向するスラスト面とを有する有底の略筒状体である。各微少間隙内にはオイル等の潤滑流体が充填され、ラジアル動圧軸受部及びスラスト動圧軸受部がそれぞれ構成されている。ラジアル動圧軸受部及びスラスト動圧軸受部の微少間隙は、それぞれ均一幅である。シャフト及びスリーブの一方が他方に対して回転を開始すると、各軸受部において動圧が発生し、回転側の部材が静止側の部材に対して回転自在に非接触にて支持される。
【0005】
この従来例としての動圧軸受は、軸線方向上側から、昇圧部、第1ラジアル動圧軸受部、第2ラジアル動圧軸受部、第1スラスト動圧軸受部、第2スラスト軸受部の順番で配置されており、各軸受部内には潤滑流体としてのオイルが連続して保持され、軸受部内の圧力を大気圧以上にして回転部材を浮上させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
フルフィル構造の動圧軸受における動圧発生時の圧力分布及びその変化について、図3及び図4の軸受圧力分布図を用いて説明する。
なお、この従来技術の軸受圧力分布図では、ラジアル動圧軸受部の軸受座標は軸線方向距離を表しており(図左側が軸線方向上側で、図右側が軸線方向下側)、スラスト動圧軸受部の軸受座標は半径方向距離を表している(図左側が内周側で、図右側が外周側)。さらに、この動圧軸受の圧力分布は、第1ラジアル動圧軸受部までは実線で表され、それ以降スラスト動圧軸受部までは破線で表されている。
【0007】
昇圧部の上端に表面張力シール部が形成され、そこでオイルの表面張力と大気圧がバランスして界面を構成している。この表面張力シール部内でのオイルの内圧は、大気圧と実質上同等の圧力に維持されている。昇圧部とは、動圧軸受全体の圧力レベルを高めるために軸受部の奥側へオイルをポンピングする(ポンプイン圧)加圧調整用で、例えば、隣接する第1ラジアル動圧軸受部の動圧発生用溝を延長させて設けた延長溝であったり、単独で設けたスパイラル状溝であったりする。さらに、第1ラジアル動圧軸受部と第2ラジアル動圧軸受部は、それぞれ軸線方向に対称な圧力勾配(軸線方向中間において圧力が最大となる山形)を形成している。第1ラジアル動圧軸受部の圧力勾配と第2ラジアル動圧軸受部の圧力勾配は等しく(山形ピークの傾きが等しく)、第2ラジアル動圧軸受部の下端の圧力と第1ラジアル動圧軸受部の上端(昇圧部によって圧力が高められた部分)の圧力とは等しくなっている。最後に、第1及び第2スラスト動圧軸受部は、外周側に向かって低くなっていくような圧力勾配を形成しており、第1及び第2スラスト動圧軸受部の外周部の圧力(図3のA’部分)が動圧軸受全体の中で最も低くなっている。
【0008】
この従来例では、ラジアル軸受の界面側に昇圧部を設けていることで、動圧軸受全体の圧力レベルを大気圧以上に高くし、第1及び第2スラスト動圧軸受部の外周部の圧力が小さくなり過ぎないように構成されている。
しかしながら、実際に動圧軸受を組み立てると部品の加工誤差が影響して、上記圧力分布の通りにはならないことがある。
。例えば、スリーブとシャフトとの関係において、ラジアル動圧軸受部を構成する微少間隙が軸線方向下側にいくにしたがって小さくなる上開きテーパー形状になっている場合(つまり、微少間隙が不均一幅である。)には、ポンプアウト圧がポンプイン圧より大きくなる。そのため、発生圧力全体のレベルが低くなり、両スラスト動圧軸受部の外周部では負圧が発生しやすい。その場合の圧力分布図を図4に示す。図4では、第2ラジアル動圧軸受部の下端の圧力は第1ラジアル動圧軸受部の上端の圧力より低く(大気圧レベル)、両スラスト動圧軸受部の外周部(図4のA''部分)は大気圧以下となっている。
【0009】
この結果、例えばオイル内に溶け込んでいる空気が気泡化して現れやすくなる。この気泡は、やがて温度上昇等によって体積膨張し、オイル界面を押し上げてオイルを軸受外部へと漏出させることがある。これは、動圧軸受が採用されたスピンドルモータの耐久性や信頼性に影響を与える。また、この気泡が動圧発生用溝に接触すると、振動が発生したり、NRRO(非繰り返し性捩れ成分)の悪化が生じたりすることがある。これは、スピンドルモータの回転精度に影響を与える。
【0010】
また、反対に、そのラジアル動圧軸受部を構成する微少間隙が下開きテーパー形状になっている場合(つまり、微少間隙が不均一幅である。)は、ポンプイン圧が過大になり軸受部内の圧力が所定以上となることで回転部材を過浮上させてしまうことがある。
本発明の課題は、軸受全体の圧力を高めるための昇圧部を設けたフルフィル構造の動圧軸受において、部品の加工誤差に伴う負圧による気泡発生や過浮上といった軸受性能の低下を抑えることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の動圧軸受は、中空円筒状部とその一方の端部を閉じる閉鎖部とを有するスリーブと、スリーブ内に相対的に回転自在に配置されたシャフトとを備えている。スリーブとシャフトの間には、オイルが保持された半径方向の微少間隙によって、スリーブとシャフトが相対回転する時にオイルに圧力分布が軸線方向に対称となる流体動圧を誘起してラジアル荷重を支持するためラジアル動圧軸受部が構成されている。スリーブとシャフトの間には、オイルが保持された軸線方向の微少間隙によって、スリーブとシャフトが相対回転する時にオイルに流体動圧を誘起してスラスト荷重を支持するためスラスト動圧軸受部が構成されている。オイルは、スリーブとシャフトとの間で、ラジアル動圧軸受部とスラスト動圧軸受部にわたって途切れることなく連続して保持され、界面がラジアル動圧軸受部のスラスト動圧軸受部側と反対側にて形成されている。この動圧軸受は、ラジアル動圧軸受部の界面側に設けられ、スリーブとシャフトが相対回転する時にスラスト動圧軸受部側に向かう流体動圧を誘起する昇圧部をさらに備えている。昇圧部は、シャフトの外周面及びスリーブの内周面の一方に設けられた動圧発生用溝から構成されている。この動圧軸受は、スリーブとシャフトとの間の微少間隙とは別に、バイパス通路をさらに備えている。バイパス通路は、一端がスラスト動圧軸受部の圧力が最小となる位置の微少間隙に開口し、他端がラジアル動圧軸受部と昇圧部との境界に位置する微少間隙に開口して、前記2つの微小間隙部のみを連結している。
【0012】
この動圧軸受では、スリーブ及びシャフトの一方が他方に回転をすると、ラジアル動圧軸受部とスラスト動圧軸受部とで動圧が発生し、回転側の部材が静止側の部材に対して非接触にて支持される。動圧発生状態においては、昇圧部がスラスト動圧軸受部側に向かう流体動圧を誘起しているため、動圧軸受全体の圧力レベルが高くなっている。
【0013】
この動圧軸受では、スラスト動圧軸受部の半径方向片側端が最も圧力が低くなっている。しかし、スリーブとシャフトとの間の微少間隙とは別のバイパス通路が、スラスト動圧軸受部の圧力が最小となる位置の微少間隙とラジアル動圧軸受部と昇圧部との境界に位置する微少間隙とに開口しているため、両微少間隙間でスリーブとシャフトとの間の微少間隙とバイパス通路とを介してオイルが循環するようになっている。その結果、スラスト動圧軸受部の圧力が最小となる位置での圧力が、昇圧部によって高められた圧力と等しくなる。以上より、動圧軸受全体の圧力を高めるための昇圧部を設けたフルフィル構造の動圧軸受において、部品の加工誤差に伴う負圧による気泡発生や過浮上を抑えることができ、所望の軸受性能を得ることができる。この結果、負圧による気泡の発生並びにオイル中に気泡が滞留することによって生じるオイルの漏れ出しやNRROの悪化といった問題、さらには軸受部内の圧力が過大になることによる過浮上の問題が解消される。
【0014】
例えば、スリーブとシャフトとの関係において、ラジアル動圧軸受部を構成する微少間隙が軸線方向下側にいくにしたがって小さくなる上開きテーパー形状になっている場合には、動圧軸受全体の発生圧力レベルが低くなっている。しかし、その場合であっても、スラスト動圧軸受部の圧力が最小となる位置での圧力が、昇圧部によって高められた圧力と等しくなっている。したがって、スラスト動圧軸受部の圧力が最小となる位置でも負圧が発生しにくい。また、そのラジアル動圧軸受部を構成する微少間隙が下開きテーパー形状になっている場合でも、ラスト動圧軸受部の圧力が最小となる位置での圧力が、昇圧部によって高められた圧力とが等しくなるため過浮上が解消される。
【0015】
請求項2に記載の動圧軸受では、請求項1において、スリーブには、中空円筒状部の内周面により形成された柱状中空部と、中空円筒状部の端部と閉鎖部とによって形成され柱状中空部より外径が大きい円板状中空部とが形成されている。シャフトは、柱状中空部に配置されたシャフト本体と、シャフト本体の一方の端部に設けられ円板状中空部に配置された円板状のスラストフランジとを有している。ラジアル動圧軸受部は、シャフト本体の外周面とスリーブの内周面との半径方向の微少間隙に形成されている。スラスト動圧軸受部は、スラストフランジの他方の軸線方向端面とスリーブの一方の端部の軸線方向端面との軸線方向の微少間隙に形成され、しかも、この微少間隙を形成する対向面の少なくともいずれかに半径方向内側に向かう流体動圧を誘起する動圧発生用溝が形成されている。バイパス通路の一端が、その動圧発生用溝の外周部に位置する微少間隙に開口する。
【0016】
この動圧軸受では、スラスト動圧軸受部の微少間隙を形成する対向面の少なくともいずれかに半径方向内側に向かう流体動圧を誘起する動圧発生用溝が形成されているため、スラスト動圧軸受部の外周部の圧力が動圧軸受全体の中で最も低くなっている。しかし、バイパス通路の一端がその動圧発生用溝の外周部に位置する微少間隙に開口しているため、スラスト動圧軸受部の外周部とラジアル動圧軸受部と昇圧部との境界位置との間で、スリーブとシャフトとの間の微少間隙とバイパス通路とを介して、オイルが循環するようになっている。その結果、スラスト動圧軸受部の外周部の圧力が、昇圧部によって高められた圧力と等しくなる。以上より、軸受全体の圧力を高めるための昇圧部を設けたフルフィル構造の動圧軸受において、所望の軸受性能を得ることができる。
【0017】
請求項3に記載の動圧軸受では、請求項1において、スリーブには、中空円筒状部の内周面により形成された柱状中空部と、中空円筒状部の端部と閉鎖部とによって形成され柱状中空部より外径が大きい円板状中空部とが形成されている。シャフトは、柱状中空部に配置されたシャフト本体と、シャフト本体の一方の端部に設けられ円板状中空部に配置された円板状のスラストフランジとを有している。ラジアル動圧軸受部は、シャフト本体の外周面とスリーブの内周面との半径方向の微少間隙に形成されている。スラスト動圧軸受部は、スラストフランジの一方の軸線方向端面と閉塞部の軸線方向端面との軸線方向の微少間隙に形成され、しかも、この微少間隙を形成する対向面の少なくともいずれかに半径方向外側に向かう流体動圧を誘起する動圧発生用溝を有している。バイパス通路の一端が、その動圧発生用溝の内周部に位置する微少間隙に開口している。
【0018】
この動圧軸受では、スラスト動圧軸受部の微少間隙を形成する対向面の少なくともいずれかに半径方向外側に向かう流体動圧を誘起する動圧発生用溝が形成されているため、スラスト動圧軸受部の内周部の圧力が動圧軸受全体中で最も低くなっている。しかし、バイパス通路の一端がその動圧発生用溝の内周部に位置する微少間隙に開口しているため、スラスト動圧軸受部の内周部とラジアル動圧軸受部と昇圧部との境界位置との間で、スリーブとシャフトとの間の微少間隙とバイパス通路とを介して、オイルが循環するようになっている。その結果、スラスト動圧軸受部の内周部の圧力が、昇圧部によって高められた圧力と等しくなる。以上より、軸受全体の圧力を高めるための昇圧部を設けたフルフィル構造の動圧軸受において、所望の軸受性能を得えることができる。
【0019】
請求項4に記載の動圧軸受では、請求項1〜3のいずれかにおいて、昇圧部は、シャフトの外周面及びスリーブの内周面の一方に設けられたラジアル動圧軸受部の動圧発生用溝を延長させて形成された延長溝からなる。
この動圧軸受では、昇圧部がラジアル動圧軸受部の動圧発生用溝の延長溝からなるため、構造・加工が簡単である。請求項5に記載のスピンドルモータは、請求項1〜4のいずれかに記載の動圧軸受と、スリーブ及びシャフトの一方に固定されたステータと、ステータに対向するようにスリーブ及びシャフトの他方に固定され、ステータとともに磁気回路部を構成するロータマグネットとを備えている。
【0020】
このスピンドルモータでは、請求項1〜4のいずれかに記載の動圧軸受が上述の構成を有するため、気泡発生による不具合、例えば、オイルの軸受外部への漏出や、振動発生、NRRO(非繰り返し性捩れ成分)の悪化、さらには過浮上が生じにくい。この結果、スピンドルモータの耐久性や信頼性が向上し、さらに高い回転精度を実現できる。
【0021】
請求項6に記載の記録ディスク駆動装置は、ハウジングと、ハウジングに固定された請求項5に記載のスピンドルモータと、スリーブ及びシャフトの一方に固定された情報を記録できる円板状記録媒体と、記録媒体の所要の位置に情報を書込又は読み出すための情報アクセス手段とを備えている。
この記録ディスク駆動装置では、請求項5に記載のスピンドルモータが上述の構成を有するため、耐久性や信頼性が向上し、さらに高い回転精度を実現できる。なお、円板状記録媒体としては、ハードディスク等の固定式のものでもよいし、CD−ROMやDVD等の着脱式のものでもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
1.第1実施形態
(1)スピンドルモータの構成
図1は、本発明の第1実施形態としてのスピンドルモータ1の概略構成を模式的に示す縦断面図であり、図2は、スピンドルモータ1の動圧軸受4付近を示す図であって、図1の部分拡大図である。このスピンドルモータ1は、記録ディスク駆動用スピンドルモータであり、ハードディスク等の記録ディスク装置の一部を構成している。なお、図1に示すO−Oがスピンドルモータ1の回転軸線である。また、本実施形態の説明では便宜上図1の上下方向を「軸線上下方向」とするが、スピンドルモータ1の実際の取付状態における方向を限定するものではない。
【0023】
図1において、このスピンドルモータ1は、主に、静止部材2と、回転部材3と、回転部材3を静止部材2に対して回転自在に支持するための動圧軸受4とを備えている。スピンドルモータ1は、さらに、静止部材2に固定されたステータコアとこのステータコアに巻装されたコイルとからなるステータ6と、回転部材3に固定されたロータマグネット7を備えており、両部材によって、回転部材3に対して回転力を与えるための磁気回路部が構成されている。
【0024】
▲1▼静止部材
静止部材2は、ブラケット10と、このブラケット10の中央開口内に固定されたスリーブ11とから構成されている。ブラケット10の中央開口縁には軸線方向上側に延びる筒状部10aが形成されており、その内周面にはスリーブ11の外周面が嵌合されている。また筒状部10aの外周面にはステータ6が固定されている。
【0025】
スリーブ11は、中空円筒状のスリーブ本体16と、スリーブ本体16の下部を閉鎖する円板状のスラストカバー12とから構成されている。スリーブ本体16は、その中心を軸線方向に延びる貫通孔51を有しており、そこには内周面53が形成されている。スラストカバー12は、円形の板状部材であり、スリーブ本体16の下端に固定されて貫通孔51の下端開口を閉鎖している。図2に示すように、スリーブ本体16の下端には、内周面53から連続する段部52が形成されている。段部52は、スリーブ本体16の下端面であるスラスト面56と、内周面53より大径の下部内周面53aとから構成されており、シャフト15のスラストフランジ46を収容するための環状の凹部又は空間を確保している。また、段部52の下方は、スラストカバー12の軸線方向上側端面であるスラスト面12aによって閉ざされている。この結果、スリーブ11には、スリーブ本体16の内周面53により形成された柱状中空部と、スリーブ本体16の段部52とスラストカバー12とによって形成され柱状中空部より外径が大きい円板状中空部とが形成されていることになる。
【0026】
▲2▼回転部材
回転部材3は、スリーブ11に対して動圧軸受4を介して回転自在に支持される部材であって、外周部に記録ディスク(図示しない)が載置されるロータハブ14と、ロータハブ14の内周側に位置し動圧軸受4を介してスリーブ11に軸支されるシャフト15とを備えている。
【0027】
ロータハブ14は、スリーブ11やステータ6を上方から覆うようように近接して配置されたカップ形状の部材である。ロータハブ14のボス部14aの内周面はスリーブ11の上部外周面に微少間隙をもって対向しており、下部筒状部14bの内周面には接着手段によってロータマグネット7が固定されている。ボス部14aの外周面には、記録ディスク(図11を参照)が嵌合される。
【0028】
ロータマグネット7はステータ6に半径方向に微少間隙をもって対向している。そして、ステータ6のコイルに通電することにより、ステータ6とロータマグネット7との電磁相互作用が発生し、回転部材3にトルクが作用する。
シャフト15の軸線方向上側端部は、ロータハブ14の中心孔内に嵌合されている。シャフト15の下端には、スラストフランジ46が一体に形成されている。つまり、シャフト15は、円柱形状のシャフト本体45とスラストフランジ46とから構成されていることになる。
【0029】
シャフト本体45は、概ね、スリーブ11の貫通孔51に沿って柱状中空部に配置され、その外周面37が内周面53に対して半径方向に微少間隙を介して対向している。
スラストフランジ46は、スリーブ11の円板状中空部に配置されている。具体的には、スラストフランジ46は、シャフト15のシャフト本体45の下端の外周面からスリーブ11のスリーブ本体16の下部内周面53aに対して微少間隙を形成する位置まで半径方向外側に延びる円板状の部分である。スラストフランジ46は、シャフト本体45側の第1スラスト面47と、その反対側の第2スラスト面48とを有している。第1スラスト面47はスリーブ本体16の下端面であるスラスト面56に対して軸線方向に微少間隙を介して対向しており、第2スラスト面48はスラストカバー12のスラスト面12aに対して軸線方向に微少間隙を介して対向している。
【0030】
(2)動圧軸受
動圧軸受4は、回転部材3を静止部材2に対して、より具体的には、ロータハブ14及びシャフト15をスリーブ11に対して潤滑油8を介して回転自在に支持するための動圧軸受である。図2に示すように、動圧軸受4は、第1及び第2ラジアル動圧軸受部21,22と、第1及び第2スラスト動圧軸受部23,24とを有している。さらに、各軸受部内の潤滑油8は、シャフト15の外周面とスリーブ11の内周面との間の隙間の軸線方向上側部分に形成された表面張力シール部29によってシールされている。また、各軸受部21〜24を構成する間隙は完全に潤滑油8が満たされており(空気によって遮断された部分を有しておらず)、表面張力シール部29のみにて界面を形成し外気に通じるいわゆるフルフィル構造となっている。
【0031】
以下、スリーブ11,スラストカバー12及びシャフト15の構造に触れながら、各軸受部21〜24の構造を説明する。なお、図1及び図2では各動圧発生用溝25、26,27、28を断面上に記入しているが、実際には各部材の表面に形成されている。
▲1▼ラジアル動圧軸受部
スリーブ本体16の内周面53には、潤滑油8中に動圧を発生するためのヘリングボーン状の動圧発生用溝25、26が軸線方向に並んで形成されている。動圧発生用溝25、26は回転方向に並んだ複数の溝であり、各溝は回転方向に対して相反する方向に傾斜する一対のスパイラル溝を連結してなる略「く」の字状の溝である。このように、スリーブ11の内周面53と、シャフト15のシャフト本体45の外周面37と、その間の潤滑油8とによって、第1及び第2ラジアル動圧軸受部21、22が軸線方向に並んで構成されている。この両ラジアル動圧軸受部21,22では、流体動圧は動圧発生用溝25,26の連結部において極大となり、必要な荷重支持圧を実現する。
【0032】
動圧発生用溝25,26の上側及び下側のスパイラル溝は、回転軸心に対する傾斜角度、溝深さ、全長及び幅寸法がほぼ同一であり、各スパイラル溝が連結部に対して線対称になるように設定されている。したがって、各ラジアル動圧軸受部21,22は、スリーブ11とシャフト15が相対回転する時に潤滑油8に圧力分布が軸線方向に対称となる流体動圧を誘起してラジアル荷重を支持する。この結果、各ラジアル動圧軸受部21,22において、潤滑油8に対して軸線方向いずれかの方向に向かう押し込み圧が生じることはない。
【0033】
▲2▼スラスト動圧軸受部
スリーブ本体16のスラスト面56には、シャフト15の回転にともない潤滑油8中に動圧を発生するためのスパイラル状の動圧発生用溝27が形成されている。動圧発生用溝27は回転方向に並んだ複数の溝であり、各溝は潤滑油8に対して半径方向内側に向かう流体動圧を誘起するように回転方向に対して傾斜している。このように、スリーブ11のスラスト面56とスラストフランジ46の第1スラスト面47とその間の潤滑油8によって、第1スラスト動圧軸受部23が形成されている。
【0034】
スラストカバー12のスラスト面12aには、シャフト15の回転にともない潤滑油8中に動圧を発生するためのスパイラル状の動圧発生用溝28が形成されている。動圧発生用溝28は回転方向に並んだ複数の溝であり、各溝は潤滑油8に対して半径方向内側に向かう流体動圧を誘起するように回転方向に傾斜している。このように、スラストフランジ46の第2スラスト面48と、スラストカバー12のスラスト面12aと、その間の潤滑油8とによって、第2スラスト動圧軸受部24が形成されている。
【0035】
▲3▼昇圧部
スリーブ本体16の内周面53において第1ラジアル動圧軸受部21によりさらに軸線方向上側(界面側)には、アンバランス溝61が形成されている。アンバランス溝61は、回転方向に並んで形成された複数のスパイラル溝から構成されており、各溝は回転方向に対して傾斜している。アンバランス溝61は、スリーブ11とシャフト15が相対回転する時に、軸線方向下側(第1及び第2スラスト動圧軸受部23,24側)に向かう流体動圧を誘起する昇圧部としての機能を有している。つまり、アンバランス溝61によって、オイルの界面側から第1及び第2スラスト動圧軸受部23,24に向かう軸線方向の圧(このような圧を、以下「押し込み圧」と記載する)を発生させている。この押し込み圧によって、動圧軸受4内の潤滑油8全体の圧力レベルが高くなる。
【0036】
▲4▼シール部
表面張力シール部29は、第1ラジアル動圧軸受部21からの潤滑油8の漏れを防止するための構造であり、アンバランス溝61の軸線方向外側において、スリーブ本体16の内周面とシャフト15の外周面とによって構成されている。具体的には、表面張力シール部29は、シャフト15の外周面37に設けられた環状溝30から構成されている。環状溝30は、シャフト15の外周面37の軸線方向においてアンバランス溝61より軸線方向外側の部分において、スリーブ11の内周面(具体的にはスリーブ本体16の内周面)との間の空隙が軸線方向外側に向かって拡大するよう形成されている。以上に述べた構造より、動圧軸受4に保持された潤滑油8の表面張力と外気の空気圧等とがバランスされ、潤滑油8のメニスカスは環状溝30の傾斜面に位置している。この結果、潤滑油8がさらに外方に移動しようとすると液面の曲率が大きくなろうとし、それが抵抗となって潤滑油8が軸受外部に移動するのが抑制される。
【0037】
▲5▼バイパス通路
スリーブ本体16内には、バイパス通路62が形成されている。バイパス通路62は、1本の細い孔であり、軸線方向に延びる第1部分62aと、その上端から半径方向内側に延びる第2部分62bとから構成されている。第2部分62bの半径方向内側端62cは、スリーブ本体16の内周面においてアンバランス溝61と第1ラジアル動圧軸受部21との境界に位置する微少間隙に開口している。第1部分62aの下端62dは、スラスト面56の外周縁すなわち第1スラスト動圧軸受部23を構成する微少間隙の外周部に開口している。バイパス通路62の機能については、後述の(3)圧力分布の説明で行う。
【0038】
(2)スピンドルモータの動作
スピンドルモータ1の回転に応じて、第1及び第2ラジアル動圧軸受部21,22によるポンピング圧が高まり、ラジアル方向(半径方向)の荷重を支持するために必要な支持圧を発生すると同時に、潤滑油8を軸線方向下側に押し込むようにポンピング圧が作用する。また、定常回転時において第1及び第2ラジアル動圧軸受部21,22からのポンピング圧は、第1スラスト動圧軸受部23の半径方向内周側に作用するポンピング圧よりも大きいため、幾分相殺されて潤滑油8を半径方向外周側へ押し込むように作用する。第1スラスト動圧軸受部23は、ここで発生する半径方向内周側のポンピング圧と第1及び第2ラジアル動圧軸受部21、22からのポンピング圧とが相互作用してスラスト方向(軸線方向)の荷重を支持する。さらにこのポンピング圧は、スラストフランジ46の外周面に形成される微少間隙を介して第2スラスト動圧軸受部24に伝搬し、この軸受部の半径方向内周側のポンピング圧と第1及び第2ラジアル動圧軸受部21,22からの押し込み圧とが相互作用する。これにより、第2スラスト動圧軸受部24の中心が高圧になってスラスト方向の荷重を支持する。
【0039】
このようにして動圧軸受4は回転部材3を静止部材2に対して回転自在に非接触支持する。なお、微少間隙の潤滑油8の保持量は、スピンドルモータの回転動作や温度等により適宜変化するが、表面張力シール部29を構成する空隙が油溜めとして作用するため、そのような変化があっても潤滑油8が不足したり或いは漏洩することはない。
【0040】
(3)動圧軸受の圧力分布の説明
以上に述べた動圧軸受における動圧発生時の圧力分布及びその変化について、図3及び図4の軸受圧力分布図を用いて説明する。
前述のように、動圧軸受4は、軸線方向上側から、昇圧部(アンバランス溝61)、第1ラジアル動圧軸受部21、第2ラジアル動圧軸受部22、第1及び第2スラスト動圧軸受部23,24の順番で配置されており、各軸受部内には潤滑流体としての潤滑油8が連続して保持されている。なお、この軸受圧力分布図では、ラジアル動圧軸受部の軸受座標は軸線方向距離を表しており(図左側が軸線方向上側で、図右側が軸線方向下側)、スラスト動圧軸受部の軸受座標は半径方向距離を表している(図左側が内周側で、図右側が外周側)。さらに、この動圧軸受4の圧力は全て実線で表されている。
【0041】
第1ラジアル動圧軸受部21の上端に表面張力シール部29が形成され、そこで潤滑油8の表面張力と大気圧がバランスして界面を構成している。この表面張力シール部29内での潤滑油8の内圧は、大気圧と実質上同等の圧力に維持されている。次に、アンバランス溝61によって動圧軸受4全体の圧力レベルが高くなっている。さらに、第1ラジアル動圧軸受部21と第2ラジアル動圧軸受部22はそれぞれ軸線方向に対称の圧力勾配(軸線方向中間において圧力が最大となる山形)を形成している。最後に、第1及び第2スラスト動圧軸受部23,24では、外周側に向かって低くなっていくような圧力勾配を有しており、第1スラスト動圧軸受部23の外周部の圧力(図3のA部分)が動圧軸受4全体で最も低くなっている。
【0042】
しかし、この実施形態では、スリーブ11とシャフト15との間の微少間隙とは別のバイパス通路62が、第1スラスト動圧軸受部23の圧力が最小となる位置(この実施形態では外周部)の微少間隙と第1ラジアル動圧軸受部21とアンバランス溝61との境界に位置する微少間隙とに開口しているため、両微少間隙間でスリーブ11とシャフト15との間の微少間隙とバイパス通路62とを潤滑油8が循環するようになっている(図3のC部分は、微少間隙に循環する潤滑油8を示す)。その結果、第1スラスト動圧軸受部23の圧力が最小となる位置での圧力が、アンバランス溝61によって高められた圧力と等しくなる。以上より、動圧軸受4全体の圧力を高めるためのアンバランス溝61を設けたフルフィル構造の動圧軸受4において、従来のようにバイパス通路62がない場合よりも第1スラスト動圧軸受部23の負圧による気泡発生を抑えることができる。したがって、気泡発生による様々な不具合、例えば、気泡による潤滑油の軸受外部への漏出や気泡と動圧発生用溝の接触による振動発生が生じにくくなる。この結果、スピンドルモータ1の耐久性や信頼性、さらには回転精度が高く維持される。
【0043】
次に、部品の加工誤差が顕著になる場合の例として、図4を用いて、スリーブ11とシャフト15との関係において、第1及び第2ラジアル動圧軸受部21,22を構成する微少間隙が軸線方向下側にいくにしたがって小さくなる上開きテーパー形状になっている場合(即ち、その微少間隙が不均一幅である)について説明する。この場合は、ポンプイン圧よりもポンプアウト圧が高くなっているため、図3の圧力分布に比べて動圧軸受4全体の発生圧力レベルが低くなっている。しかし、バイパス通路62が形成されているため、潤滑油8は、第2ラジアル動圧軸受部22から第1ラジアル動圧軸受部21に向かって軸線方向上側に流れ、さらにバイパス通路62を通って第1スラスト動圧軸受部23の外周部に戻る(図4のC部分は、微少間隙に循環する潤滑油8を示す)。このように潤滑油8が循環流を形成し、第1スラスト動圧軸受部23の圧力が最小となる位置での圧力が、アンバランス溝61によって高められた圧力と等しくなっている。この結果、第1及び第2スラスト動圧軸受部23,24の外周部(図4のA部分)では流体圧力が大気圧以下になりにくく、その場合は、例えば潤滑油8内に溶け込んでいる空気が気泡化して現れにくい。以上より、部品の加工誤差によって第1スラスト動圧軸受部23の圧力が最小となる位置の圧力が正常な状態よりさらに低くなったとしても、負圧が発生しにくい。
【0044】
また、別の例として、その微少間隙が下開きテーパー形状となっている場合(即ち、その微少間隙が不均一幅である)で、ポンプイン圧が過大となっても、そのバイパス通路62を設けることで、上記と逆向きの循環流を形成し、その過大な圧力を抑え過浮上を防止することができる。
なお、以上に説明したように、バイパス通路62を設けることで第2ラジアル動圧軸受部22から第1ラジアル動圧軸受部21に向かって微少間隙中を潤滑油8が流れるため、微少間隙において圧力損失が発生する。その結果、第2ラジアル動圧軸受部22から第1ラジアル動圧軸受部22に向かって圧力が低くなる勾配が、第1ラジアル動圧軸受部21と第2ラジアル動圧軸受部22との間の平坦部(溝が形成されていない部分)に形成されている(図3及び図4のB部分など)。
【0045】
(4)ハードディスク装置の構成
次に、スピンドルモータ1を備えた記録ディスク駆動装置としてのハードディスク装置を例に説明する。
図11に、一般的なハードディスク装置80の内部構成を模式図として示す。ハウジング81の内部は塵・埃等が極度に少ないクリーンな空間を形成しており、その内部に情報を記憶する円板状の記録ディスク83が装着されたスピンドルモータ1が設置されている。加えてハウジング81の内部には、記録ディスク83に対して情報を読み書きする磁気ヘッド移動機構87が配置され、この磁気ヘッド移動機構87は、記録ディスク上の情報を読み書きするヘッド86、このヘッドを支えるアーム85、およびヘッドおよびアームをディスク上の所要の位置に移動させるアクチュエータ部84により構成される。
【0046】
このハードディスク装置80では、スピンドルモータ1が上述の構成を有するため、耐久性や信頼性が向上し、さらに高い回転精度を実現できる。
2.第2実施形態
図5及び図6に基づいて、本発明の第2実施形態について説明する。図5は前記第1実施形態の図2に対応する図である。本実施形態の基本構造は前記第1実施形態と同様であるため、異なる点のみを以下に説明する。
【0047】
この動圧軸受4では、昇圧部(ラジアル動圧軸受部の界面側に設けられ、スリーブとシャフトが相対回転する時に、スラスト動圧軸受部側に向かう流体動圧を誘起する構造)は、第1ラジアル動圧軸受部21の動圧発生用溝25’の一部として構成されている。動圧発生用溝25’では、潤滑油8に対して軸線方向下側に向かう流体動圧を誘起するたように、軸線方向に非対称な形状になっている。具体的には、図6に示すように、動圧発生用溝25’は、上側スパイラル溝25aが下側スパイラル溝25bより軸線方向に長く形成されており、そのため上側スパイラル溝25aが下側スパイラル溝25bより大きなポンプ圧を発生するようになっている。
【0048】
上側スパイラル溝25aと下側スパイラル溝25bの境界である屈曲部又は連結部の軸線方向位置をQとし、下側スパイラル溝25bの下端の軸線方向位置をQ1とし、両者の軸線方向距離をE1とする。さらに、屈曲部の軸線方向位置Qから軸線方向上側にE1と等しいE2だけ離れた軸線方向位置をQ2とする。
本実施形態では、軸線方向に非対称な形状を有する一対のスパイラル溝を連結することで各スパイラル溝によるポンピング圧に差違が生じる。つまり、オイルの界面側に位置する上側スパイラル溝25aによるポンピング圧が下側スパイラル溝25bのポンピング圧を上回る分、このアンバランス量によって、押し込み圧が発生している。つまり、上側スパイラル溝25aの軸線方向位置Q2よりさらに上側の部分が、昇圧部として機能している。
【0049】
バイパス通路65の第2部分65bの半径方向内側端65cは、軸線方向位置Q2上に開口している。言い換えると、バイパス通路65の一端がラジアル動圧軸受部において潤滑油8に圧力分布が軸線方向に対称となる流体動圧を誘起している部分(この実施形態では、下側スパイラル溝25bと上側スパイラル溝25aのうち軸線方向位置Q2より下側の部分)と、昇圧部(上側スパイラル溝25aのうち軸線方向位置Q2より上側の部分)との境界に位置する微少間隙に開口していることになる。この結果、動圧軸受4内で最も圧力が低くなる第1及び第2スラスト動圧軸受部23,24の外周部の圧力が、昇圧部によって昇圧された部分の圧力と等しくなり、負圧になりにくいし、過浮上も発生しにくい。
【0050】
なお、バイパス通路65の第2部分65bの半径方向内側端65cは、軸線方向位置Q2上に完全に一致していなくてもよい。つまり、半径方向内側端65cの開口位置は、軸線方向位置Q2からずれていても十分に昇圧された部分あればよい。
3.第3実施形態
図7及び図8に基づいて、本発明の第3実施形態について説明する。
【0051】
図7は、本発明の第3実施形態としてのスピンドルモータ101の概略構成を模式的に示す縦断面図である。スピンドルモータ101は基本的構造が前記実施形態と同様であるため、ここでは異なる点のみを説明する。
シャフト本体116内において、第1ラジアル動圧軸受部121と第2ラジアル動圧軸受部122との軸線方向間には半径方向に貫通する空気抜き部170が形成され、第1ラジアル動圧軸受部121の潤滑油108と第2ラジアル動圧軸受部122の潤滑油108は連続していない。一方、第2ラジアル動圧軸受部122より下方では、潤滑油108は、第2ラジアル動圧軸受部122と第1及び第2スラスト動圧軸受部123,124とにわたって途切れることなく連続して保持され、界面が第2ラジアル動圧軸受部122のスラスト動圧軸受部123,124側と反対側にて形成されている。第1及び第2ラジアル動圧軸受部121、122の軸線方向下側及び上側の微少間隙は、空気抜き部170の開口部のテーパー形状の溝171によって、表面張力シール部172を構成している。以上より、この実施形態では、第2ラジアル動圧軸受部122と第1及び第2スラスト動圧軸受部123,124によって、フルフィル構造の動圧軸受が構成されていることになる。
【0052】
第2ラジアル動圧軸受部122の動圧発生用溝126の形状は、前記第2実施形態の第1ラジアル動圧軸受部の動圧発生用溝の形状と同等である。さらに、バイパス通路162の第2部分162bの半径方向内側端162cの動圧発生用溝126に対する開口位置も前記第2実施形態と同様である。この結果、本実施形態でも前記第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0053】
4.第4実施形態
図9に示すように、バイパス通路をシャフト内に形成してもよい。図9は前記第1実施形態の図2に対応する図である。本実施形態の基本構造は前記第1実施形態と同様であるため、異なる点のみを以下に説明する。
バイパス通路69は、スラストフランジ46の外周面から中心部まで半径方向に延びる第1部分69aと、その端部からシャフト本体45の軸中心を軸線方向に延びる第2部分69bと、その上端部から外周面まで半径方向に延びる第3部分69cとから構成される。第3部分69cの半径方向外側端69dは、アンバランス溝61と第1ラジアル動圧軸受部21との境界の微少間隙に開口している。第1部分69の半径方向外側端69eは、第1及び第2スラスト動圧軸受部23,24の外周部の微少間隙に開口している。
【0054】
この場合は、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
5.第5実施形態
図10に示すように、バイパス通路の一端をスラスト動圧軸受部の中心部の微少間隙に開口してもよい。図10は前記第1実施形態の図2に対応する図である。本実施形態の基本構造は前記第1実施形態と同様であるため、異なる点のみを以下に説明する。
【0055】
この第2スラスト動圧軸受部24では、動圧発生用溝28は、半径方向外側に向かう流体動圧を誘起する形状となっている。また、バイパス通路71は、シャフト本体45に形成され、中心を軸線方向に延びる第1部分71aと、その上端から半径方向に外周面まで延びる第2部分71bとから構成されている。第2部分71bの半径方向外側端71cは、アンバランス溝61と第1ラジアル動圧軸受部21との境界の微少間隙に開口している。第1部分71aの下端71dは、スラストフランジ46の下端面とスラストカバー12のスラスト面12aとの微少間隙に開口している。
【0056】
この実施形態では、スリーブ11とシャフト15との間の微少間隙とは別のバイパス通路62が、第2スラスト動圧軸受部24の圧力が最小となる位置(この実施形態では内周部)の微少間隙と第1ラジアル動圧軸受部21とアンバランス溝61との境界に位置する微少間隙とに開口しているため、両微少間隙間でスリーブ11とシャフト15との間の微少間隙とバイパス通路62とを潤滑油8が循環するようになっている。その結果、第1スラスト動圧軸受部23の圧力が最小となる位置での圧力が、アンバランス溝61によって高められた圧力と等しくなる。以上より、動圧軸受4全体の圧力を高めるためのアンバランス溝61を設けたフルフィル構造の動圧軸受4において、第2スラスト動圧軸受部24の負圧による気泡発生や過浮上を抑えることができる。
【0057】
6.他の実施形態
本発明はかかる上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
図示の実施形態では、シャフトがロータハブに固定され、回転部材を構成する、いわゆる軸回転型のスピンドルモータを例に上げて説明したが、シャフトが静止部材の一部を構成する、いわゆる軸固定型のスピンドルモータにも本発明は適用可能である。
【0058】
各動圧軸受部を構成する動圧発生用溝は、微少間隙を構成する対向面のいずれ側に形成されていてもよい。
上記スリーブは、通常の金属からなるものでもよいし、多孔質焼結金属からなるものであってもよい。
本発明に係るスピンドルモータは、ハードディスク記録装置以外にも、他の記録ディスク駆動装置(CD−ROMやDVD等の着脱式のもの等)、レーザービームプリンタのポリゴンミラー駆動装置、及びプロジェクタに使用されるカラーホイール駆動装置などにも採用され得る。
【0059】
【発明の効果】
請求項1に記載の動圧軸受では、スラスト動圧軸受部の半径方向片側端が最も圧力が低くなっている。しかし、スリーブとシャフトとの間の微少間隙とは別のバイパス通路が、スラスト動圧軸受部の圧力が最小となる位置の微少間隙と、ラジアル動圧軸受部と昇圧部との境界に位置する微少間隙とにのみ開口しているため、両微少間隙間でスリーブとシャフトとの間の微少間隙とバイパス通路とを介してオイルが循環するようになっている。その結果、スラスト動圧軸受部の圧力が最小となる位置での圧力が、昇圧部によって高められた圧力と等しくなる。以上より、動圧軸受全体の圧力を高めるための昇圧部を設けたフルフィル構造の動圧軸受において、スラスト動圧軸受部の負圧による気泡発生を抑えることができる。この結果、負圧による気泡の発生並びにオイル中に気泡が滞留することによって生じるオイルの漏れ出しやNRROの悪化といった問題が解消される。また、過浮上の問題も抑えることができる。つまり、軸受部の部品に種々の加工誤差があってもバイパス通路の作用により、所望の軸受性能を得ることができ、極めて量産性に適した動圧軸受となる。
【0060】
請求項2に記載の動圧軸受では、請求項1において、スラスト動圧軸受部の微少間隙を形成する対向面の少なくともいずれかに半径方向内側に向かう流体動圧を誘起する動圧発生用溝が形成されているため、スラスト動圧軸受部の外周部の圧力が動圧軸受全体の中で最も低くなっている。しかし、バイパス通路の一端がその動圧発生用溝の外周部に位置する微少間隙に開口しているため、スラスト動圧軸受部の外周部とラジアル動圧軸受部と昇圧部との境界位置との間で、スリーブとシャフトとの間の微少間隙とバイパス通路とを介して、オイルが循環するようになっている。その結果、スラスト動圧軸受部の外周部の圧力が、昇圧部によって高められた圧力と等しくなる。以上より、軸受全体の圧力を高めるための昇圧部を設けたフルフィル構造の動圧軸受において、スラスト動圧軸受部の負圧による気泡発生を抑えることができる。また、過浮上の問題も抑えることができる。
【0061】
請求項3に記載の動圧軸受では、請求項1において、スラスト動圧軸受部の微少間隙を形成する対向面の少なくともいずれかに半径方向外側に向かう流体動圧を誘起する動圧発生用溝が形成されているため、スラスト動圧軸受部の内周部の圧力が動圧軸受全体中で最も低くなっている。しかし、バイパス通路の一端がその動圧発生用溝の内周部に位置する微少間隙に開口しているため、スラスト動圧軸受部の内周部とラジアル動圧軸受部と昇圧部との境界位置との間で、スリーブとシャフトとの間の微少間隙とバイパス通路とを介して、オイルが循環するようになっている。その結果、スラスト動圧軸受部の内周部の圧力が、昇圧部によって高められた圧力と等しくなる。以上より、軸受全体の圧力を高めるための昇圧部を設けたフルフィル構造の動圧軸受において、スラスト動圧軸受部の負圧による気泡発生を抑えることができる。
【0062】
請求項4に記載の動圧軸受では、請求項1〜3のいずれかにおいて、昇圧部がラジアル動圧軸受部の動圧発生用溝を延長させて形成された延長溝からなるため、構造・加工が簡単である。
請求項5に記載のスピンドルモータでは、請求項1〜4のいずれかに記載の動圧軸受が上述の構成を有するため、気泡発生による不具合、例えば、オイルの軸受外部への漏出や、振動発生、NRRO(非繰り返し性捩れ成分)の悪化が生じにくい。この結果、スピンドルモータの耐久性や信頼性が向上し、さらに高い回転精度を実現できる。
【0063】
請求項6に記載の記録ディスク駆動装置では、請求項5に記載のスピンドルモータが上述の構成を有するため、耐久性や信頼性が向上し、さらに高い回転精度を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のスピンドルモータの縦断面概略図。
【図2】第1実施形態のスピンドルモータの動圧軸受付近を示す図であって、図1の部分拡大図。
【図3】動圧軸受の圧力分布図。
【図4】動圧軸受の圧力分布図。
【図5】第2実施形態のスピンドルモータの動圧軸受付近を示す、縦断面概略図。
【図6】第1ラジアル動圧軸受部の動圧発生用溝の部分拡大図。
【図7】第3実施形態のスピンドルモータの縦断面概略図。
【図8】第3実施形態のスピンドルモータの動圧軸受付近を示す図であって、図7の部分拡大図。
【図9】第4実施形態のスピンドルモータの動圧軸受付近を示す、縦断面概略図。
【図10】第5実施形態のスピンドルモータの動圧軸受付近を示す、縦断面概略図。
【図11】一般的なハードディスク装置の概略構成図。
【符号の説明】
1 スピンドルモータ
2 静止部材
3 回転部材
4 動圧軸受
8 潤滑油(オイル)
11 スリーブ
12 スラストカバー(閉鎖部)
15 シャフト
16 スリーブ本体(中空円筒状部)
21 第1ラジアル動圧軸受部
22 第2ラジアル動圧軸受部
23 第1スラスト動圧軸受部
24 第2スラスト動圧軸受部
61 アンバランス溝(昇圧部)
62 バイパス通路
Claims (6)
- 中空円筒状部と、前記中空円筒状部の一方の端部を閉じる閉鎖部とを有するスリーブと、
前記スリーブ内に相対的に回転自在に配置されたシャフトとを備え、
前記スリーブと前記シャフトの間には、オイルが保持された半径方向の微少間隙によって、前記スリーブと前記シャフトが相対回転する時に前記オイルに圧力分布が軸線方向に対称となる流体動圧を誘起してラジアル荷重を支持するためラジアル動圧軸受部が構成され、
前記スリーブと前記シャフトの間には、オイルが保持された軸線方向の微少間隙によって、前記スリーブと前記シャフトが相対回転する時に前記オイルに流体動圧を誘起してスラスト荷重を支持するためスラスト動圧軸受部が構成され、
前記オイルは、前記スリーブと前記シャフトとの間で、前記ラジアル動圧軸受部と前記スラスト動圧軸受部にわたって途切れることなく連続して保持され、界面が前記ラジアル動圧軸受部の前記スラスト動圧軸受部側と反対側にて形成されており、
前記ラジアル動圧軸受部の界面側に設けられ、前記スリーブと前記シャフトが相対回転する時に、前記スラスト動圧軸受部側に向かう流体動圧を誘起する昇圧部をさらに備え、
前記昇圧部は、前記シャフトの外周面及び前記スリーブの内周面の一方に設けられた動圧発生用溝からなり、
一端が前記スラスト動圧軸受部の圧力が最小となる位置の微少間隙に開口し、他端が前記ラジアル動圧軸受部と前記昇圧部との境界に位置する微少間隙に開口して、前記2つの微小間隙部のみを連結するバイパス通路を、前記スリーブと前記シャフトとの間の微少間隙とは別にさらに備えている、
動圧軸受。 - 前記スリーブには、前記中空円筒状部の内周面により形成された柱状中空部と、前記中空円筒状部の端部と前記閉鎖部とによって形成され前記柱状中空部より外径が大きい円板状中空部とが形成され、
前記シャフトは、前記柱状中空部に配置されたシャフト本体と、前記シャフト本体の一方の端部に設けられ前記円板状中空部に配置された円板状のスラストフランジとを有し、
前記ラジアル動圧軸受部は、前記シャフト本体の外周面と前記スリーブの内周面との半径方向の微少間隙に形成され、
前記スラスト動圧軸受部は、前記スラストフランジの他方の軸線方向端面と前記スリーブの前記一方の端部の軸線方向端面との軸線方向の微少間隙に形成され、しかも、この微少間隙を形成する対向面の少なくともいずれかに半径方向内側に向かう流体動圧を誘起する動圧発生用溝が形成され、
前記バイパス通路の一端が、その動圧発生用溝の外周部に位置する微少間隙に開口する、請求項1に記載の動圧軸受。 - 前記スリーブには、前記中空円筒状部の内周面により形成された柱状中空部と、前記中空円筒状部の端部と前記閉鎖部とによって形成され前記柱状中空部より外径が大きい円板状中空部とが形成され、
前記シャフトは、前記柱状中空部に配置されたシャフト本体と、前記シャフト本体の一方の端部に設けられ前記円板状中空部に配置された円板状のスラストフランジとを有し、
前記ラジアル動圧軸受部は、前記シャフト本体の外周面と前記スリーブの内周面との半径方向の微少間隙に形成され、
前記スラスト動圧軸受部は、前記スラストフランジの一方の軸線方向端面と前記閉塞部の軸線方向端面との軸線方向の微少間隙に形成され、しかも、この微少間隙を形成する対向面の少なくともいずれかに半径方向外側に向かう流体動圧を誘起する動圧発生用溝を有し、
前記バイパス通路の一端が、その動圧発生用溝の内周部に位置する微少間隙に開口する、請求項1に記載の動圧軸受。 - 前記昇圧部は、前記シャフトの外周面及び前記スリーブの内周面の一方に設けられた前記ラジアル動圧軸受部の動圧発生用溝を延長させて形成された延長溝からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の動圧軸受。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の動圧軸受と、
前記スリーブ及び前記シャフトの一方に固定されたステータと、
前記ステータに対向するように前記スリーブ及び前記シャフトの他方に固定され、前記ステータとともに磁気回路部を構成するロータマグネットとを備えている、スピンドルモータ。 - ハウジングと、
前記ハウジングに固定された、請求項5に記載のスピンドルモータと、
前記スリーブ及び前記シャフトの一方に固定された、情報を記録できる円板状記録媒体と、
前記記録媒体の所要の位置に情報を書込又は読み出すための情報アクセス手段と、
を備えた記録ディスク駆動装置。
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