JP2008082228A - 容積型回転ポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ルーツ式ポンプPは、ハウジング1に支持される1対のロータ軸2,3と、ロータ軸2,3に支持されてハウジング1内に収容される1対のロータ4,5と、ロータ軸2,3に設けられると共にロータ4,5を回転させるトルクが入力される1対の歯車6,7と、ロータ4,5と歯車6,7とに直結される連結部材20を備える。歯車6,7に入力されたトルクは連結部材20を介してロータ4,5に伝達される。連結部材20は、ロータ軸2,3が内側に挿入されるパイプ部材により構成される。
【選択図】図2
Description
請求項2記載の発明は、請求項1記載の容積型回転ポンプにおいて、前記連結部材は、前記ロータ軸が内側に挿入されるパイプ部材により構成され、前記連結部材には前記ハウジングに保持される軸受により支持されるジャーナル部が設けられ、前記ロータ軸は前記連結部材を介して前記軸受に支持されるものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の容積型回転ポンプにおいて、前記連結部材の外周には、ラビリンスシール構造を構成する環状のシール壁が径方向外方に突出して一体成形されるものである。
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の容積型回転ポンプにおいて、前記連結部材の両端部に前記ロータの回転軸線方向に突出する凸部が設けられ、前記両端部の前記凸部がそれぞれ前記ロータおよび前記入力回転部材に係合することにより、前記連結部材が前記ロータおよび前記入力回転部材に連結されるものである。
請求項2記載の事項によれば、ロータ軸は、ジャーナル部が設けられた連結部材を介して軸受に支持されるので、回転軸線方向でロータと歯車との間でロータ軸を支持する軸受が配置されるスペースを利用して連結部材が設けられるので、軸受によるロータ軸の支持が確保されたうえで、ポンプの大型化が抑制される。
請求項3記載の事項によれば、連結部材を利用してラビリンスシール構造が構成されるので、部品点数を増やすことなくラビリンスシール構造を設けることができ、しかもシール壁が連結部材の他の部分に比べて大径であることから、連結部材の剛性が高められる。
請求項4記載の事項によれば、連結部材の両端部に設けられる凸部がそれぞれロータおよび入力回転部材に係合するので、連結部材におけるジャーナル部またはシール構造の形成部位の確保を容易にしながら、ロータと入力回転部材との間に配置される連結部材によりロータと入力回転部材との回転軸線方向での間隔が大きくなるのを抑制することができて、ポンプの大型化が抑制される。
図1,図2を参照すると、本発明が適用された容積型回転ポンプとしての、2軸式で、かつ多ローブ式のポンプであるルーツ式ポンプPは、車両に搭載される内燃機関に備えられて、流体としての空気などの気体の吸入および吐出を行う気体用ポンプ、例えば燃焼用空気の吸入および吐出を行う過給機として使用される。
軸受保持部12内に収容される連結部材20には、回転軸線方向で歯車6,7およびロータ4,5にそれぞれ当接する両端部21,22に連結部である係合部としての凸部23,24と、軸受保持部12内に位置してラビリンスシール構造を構成する環状のシール壁25と、軸受31により支持されるジャーナル部26とが一体成形されて設けられる。端部21,22は、軸受保持部12の底壁12bに設けられて収容室8に開口する貫通孔15に、底壁12bとの間に径方向の僅かな隙間を形成して挿入される。シール壁25は、連結部材20において最も大径の部分である。
同様に、端部22において、径方向で対向する位置で回転軸線方向に平行に突出する1対の凸部24は、ロータ4,5に設けられる連結部である被係合部としての1対の凹部4e,5eと係合して、ロータ4,5と連結部材20とが周方向に相対移動しないように、ロータ4,5と連結部材20とを連結する。凹部4e,5eは、回転軸線方向で連結部材20に向かって開口すると共に径方向内方に向かって貫通孔4c,5cに開口している
凸部23と凹部6e,7eとの係合により連結部材20は直結状態で歯車6,7に連結され、凸部24と凹部4e,5eとの係合により連結部材20は直結状態でロータ4,5に連結される。そして、各歯車6,7に入力されたトルクが、連結部材20を介してロータ4,5に伝達されて、歯車6,7、連結部材20およびロータ4,5が一体に回転し、ロータ軸2,3も一体になって回転する。
ラビリンスシール構造において、径方向で内方に位置する円環状のシール壁25は、連結部材20の外周に径方向外方に突出する鍔状の部分により構成される可動シール壁であり、一方、径方向で外方に位置する円環状のシール壁41は、カラー40の内周に径方向内方に突出する固定シール壁であって、第2ハウジング部1aにカラー40を介して設けられる。
そして、カラー40および抜止め部材33により第1ハウジング部1aに対して回転軸線方向で位置決めされた軸受31は、連結部材20の段部27および歯車6,7の端部6b,7bに回転軸線方向で当接することにより、ロータ4,5、連結部材20および歯車6,7が回転軸線方向で移動不能に設けられたロータ軸2,3が、第1ハウジング部1aに対して、回転軸線方向に移動するのを阻止する。それゆえ、カラー40および抜止め部材33は、軸受31を介して、第1ハウジング部1aに対するロータ軸2,3の位置決めをする位置決め部材でもある。
このようなポンプPにおいて、前記ポンプ駆動機構からのトルクにより歯車6が回転駆動されると、歯車6に入力されたトルクは、ロータ軸2を介することなく連結部材20のみを介してロータ4に伝達されてロータ4が回転する。一方、歯車6を介して歯車7に入力されたトルクは、ロータ軸3を介することなく連結部材20のみを介してロータ5に伝達されて、ロータ5がロータ5とは反対方向に回転する。それゆえ、連結部材20により、ロータ軸2,3が含まれない形態で、歯車6,7からロータ4,5へのトルク伝達経路が形成される。
両ロータ4,5の回転により、吸入ポート10aからポンプ室9内に流入した気体は、ポンプ室9で加圧された後吐出ポート11aに流出する。
容積型回転ポンプは、1軸式のポンプであってもよく、また歯車式、ベーン式またはネジ式ポンプであってもよく、さらに1つのロータを備えるものであってもよい。
容積型回転ポンプは、車両または内燃機関以外に、気体用ポンプまたは液体用ポンプとして使用されてもよい。
連結部材20は、ロータ4,5または歯車6,7と一体成形されることにより、ロータ4,5または歯車6,7と直結されてもよい。このようにすることで、部品点数が削減され、しかも連結部材20と単一の部材を形成するロータ4,5または歯車6,7の剛性が高められる。また、連結部材20がロータ4,5と一体成形されるときは、連結部材20が歯車6,7と一体成形されるときに比べて、軸受31の組付作業の関係から、ハウジングへの組付性が良好である。
ロータ軸2,3と歯車6,7とは一体成形されてもよい。
ロータ軸は、ハウジングに回転不能に支持されて、回転軸線L1,L2に平行な中心軸線を有するものであってもよい。
シール壁25は、第1ハウジング部1aとは別個の部材であるカラー40が用いられることなく、第1ハウジング部1aに一体成形されて設けられてもよい。シール構造は、Oリングなどの接触型シール部材により構成されてもよい。
入力回転部材は、スプロケット、プーリまたは回転軸であってもよく、さらに、2軸式ポンプの場合、1対のロータの同期用の伝動機構を構成するものでなくてもよい。また、2軸式ポンプにおいて、1対のロータ軸の一方のみについて連結部材が設けられてもよい。
内燃機関は、前記実施形態では車両に使用されるものであったが、鉛直方向を指向するクランク軸を備える船外機等の船舶推進装置に使用されるものであってもよい。
Claims (4)
- ハウジングに支持されるロータ軸と、前記ロータ軸に支持されて前記ハウジング内に収容されるロータと、前記ロータ軸に設けられると共に前記ロータを回転させるトルクが入力される入力回転部材とを備える容積型回転ポンプにおいて、
前記ロータと前記入力回転部材とに直結される連結部材を備えることを特徴とする容積型回転ポンプ。 - 前記連結部材は、前記ロータ軸が内側に挿入されるパイプ部材により構成され、前記連結部材には前記ハウジングに保持される軸受により支持されるジャーナル部が設けられ、前記ロータ軸は前記連結部材を介して前記軸受に支持されることを特徴とする請求項1記載の容積型回転ポンプ。
- 前記連結部材の外周には、ラビリンスシール構造を構成する環状のシール壁が径方向外方に突出して一体成形されることを特徴とする請求項1または2記載の容積型回転ポンプ。
- 前記連結部材の両端部に前記ロータの回転軸線方向に突出する凸部が設けられ、前記両端部の前記凸部がそれぞれ前記ロータおよび前記入力回転部材に係合することにより、前記連結部材が前記ロータおよび前記入力回転部材に連結されることを特徴とする請求項2または3記載の容積型回転ポンプ。
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