JP2006063908A - ギア装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 小型平板型ギアポンプは、流体の吸入用パイプ(17)と吐出用パイプ(18)とに連結され、これらのパイプに連通するロータ室(42)とギア室(22)とを有し、中央部に円柱形の固定シャフト(41)が形成された平板型ケーシングと、固定シャフトの周りに回転自在に配置された円筒形のベアリング(35)と、ケーシングのロータ室に配置され、ベアリングと一体に回転する円板状のロータ(30)と、ケーシングのギア室に配置され、ベアリングにより回転させられる薄板状インナギア(37)と、インナギアと噛み合う薄板状アウタギア(38)とからなるギアギアと、ケーシングの一方の面に沿って配置され、ロータに回転力を与えるため、ロータの回転軸と垂直方向の面に沿って薄板状に巻回された複数のステータコイル(53)を有する円板状のステータ(50)とを備え、吸入ポート(13)から流体を吸入し、吐出ポート(14)から流体を吐出する。
【選択図】 図1
Description
宇宙機で用いられるポンプ装置は、小型軽量のものが望まれている。宇宙機で用いられる機器は、部品の交換が困難であり、高い耐久性が要求される。このような機器に用いられるメカニカルポンプは故障を少なくし、メンテナンスを容易にするため、部品点数を減らし、構造を簡単にする必要がある。また、潤滑剤が不要な構造が望まれる。
更に、医療分野における人工透析器や人工心臓へ等に使用される輸液ポンプ等の輸液装置にも、小型、平板型のポンプの要望がある。
本発明の他の目的は、潤滑剤が不要の軸受構造を備えるギアポンプを提供することである。
本発明の他の目的は、耐圧性能の高い薄型のギアポンプを提供することである。
前記固定シャフトの周りに回転自在に配置された円筒形のベアリング、
前記ケーシングのロータ室に配置され、前記ベアリングと一体に回転する円板状のロータ、
前記ケーシングのギア室に配置され、前記ベアリングの一端部に係合する薄板状インナギアと、前記インナギアと噛み合う薄板状アウタギアとからなるギア組立体、及び
前記ケーシングの一方の面に沿って配置され、前記ロータに回転力を与えるため、前記ロータの回転軸と垂直方向の面に沿って薄板状に巻回された複数のステータコイルを有する円板状のステータ、を備え、
前記吸入ポートから流体を吸入し、前記吐出ポートから流体を吐出する。
固定シャフトの周りに円筒形のベアリングが回転するという軸受機構により、ロータからギアポンプへ円滑に回転力を伝達することができる。
前記吸入ポートと前記吐出ポートとを有する上蓋と、
前記上蓋に密着して配置され、前記インナギアと前記アウタギアを収容する前記ギア室が形成された上部フレームと、
前記上部フレームに密着して配置され、前記ロータを回転自在に収容するロータ室が形成され、前記ロータ室の中央部に前記ロータの回転軸を軸とする前記固定シャフトが形成され、前記ロータと反対側の面に前記ステータを収容するステータ室が形成された下部フレームとを備えることが好ましい。
上蓋に、吸入ポートと吐出ポートとを設けることにより、ケーシング内の流体の流路が単純になり、構造が簡単になり、部品点数を減らすことができる。
前記固定シャフトの先端部は、前記上蓋に形成された凹部と勘合することが好ましい。固定シャフトを下部フレームと一体に設けることにより、固定シャフトを確実に固定し、部品点数を減らすことができる。
ロータとステータとの間のケーシング部分は、区画壁により補強されるので、ロータとステータとの間の肉厚を薄くして、ロータとステータとの間の距離を短くしても高い耐圧性能を得ることができる。従って、モータ効率を高くすることができる。
これにより、耐圧強度を高めることができる。
固定シャフトの周りに円筒形のベアリングが回転するという機構により、簡単な構造でロータからギアポンプへ円滑に回転力を伝達することができる。
ベアリングにアモルファスカーボンを使用することにより、潤滑剤が不要の軸受構造を備えるギアポンプを得ることができる。
また、ステータ室を区画する区画壁は梁構造として作用し、更に下蓋により補強されるので、ロータとステータとの間のケーシング部分の肉厚を薄くしても耐圧性能を保持することができる。そのため、モータ効率と耐圧性能を高く保持したままポンプを更に薄型化することができる。
ギアポンプは、またケーシング10の下側に、ロータ30に回転力を与えるためのステータ50を備える。ロータ30と、ステータ50とにより、モータが構成される。また、ステータの下側に、下蓋55を備える。
上蓋11は、上部フレーム20に、ボルト16により固定される。下部フレーム40と、下蓋55とは、上部フレーム20に、ボルト16により固定される。
上蓋11の上面には、吸入用パイプ17と、吐出用パイプ18とが接続されている。
図示する本発明の実施の形態による上蓋11に接続される吸入用パイプ17と吐出用パイプ18は、上蓋11から上方向に延びるが、吸入用パイプ17と吐出用パイプ18は、上蓋11を出た位置ですぐに方向を変え、上蓋11の面に平行な方向に延びるようにすることもできる。
上蓋11の下面の中心部には、後述する固定シャフト41の上端部を受入れるための凹部12が形成されている。
上蓋11の外周部には、複数(図示の例では6個所)の通孔15が上面から下面へ貫通している。通孔15の上面に近い部分は径が大ききなり、ここにボルトの頭を受けることができるようになっている。
上部フレーム20の上面には、凹状のギア室22が形成されている。ギア室22の軸線L22は、上部フレーム20の軸線から偏心して形成される。後述するように、ギア室22には、アウタギア38とインナギア37が収容される。
上部フレーム20の中心部には、下面まで貫通する孔21が形成され、この孔21を後述する固定シャフト41が通り抜け、固定シャフト41の上端部は上蓋11の凹部12に係合する。また、この孔21を通って、アンモニア等の流体が、ギア室22から後述するロータ室42内に入ることができる。
上部フレーム20の上面には、上蓋11をボルトで止めるため、ネジを切った複数のネジ孔24(図示の例では6個所)が形成されている。
上部フレーム20の外周部には、ボルトを通すための複数(図示の例では8個所)のネジを切ったネジ孔27が上面から下面へ貫通している。このネジ孔27に、下蓋55をネジ止めすることができる。
ロータ室42の中央部には、円柱形の固定シャフト41が形成されている。ギアポンプを組立てた状態では、固定シャフト41は、上部フレーム20の孔21を通り抜け、ギア室22内を延び、先端部は上蓋11の凹部12に達する。この固定シャフト41の周りを後述するベアリング35が回転可能に支持される。
下部フレーム40の外周部には、ネジにより上部フレーム20に固定するため、上面から下面へ貫通する複数の通孔48(この実施の形態では8箇所)が形成されている。
中央部下面44の外側には、ステータの配線部52を受入れるための段部45が形成されている。中央部下面44を取り囲むように、ステータの各ステータコイル53を収容するステータ室46が形成される。ステータ室46は、各ステータコイル53をそれぞれ1つのステータ室46に収容することのできるように、中央部から放射状に延びる区画壁47により区画されている。各々のステータ室46は、1つのステータコイル53を収容することのできる形状と大きさになっている。ロータ室43とステータ室46との間の部分は、比較的肉圧が薄くなっている。
下部フレーム40は、透磁性の材料で出来ている。
下部フレーム40は、区画壁47により補強されるので、ロータ室42内部の圧力が高くなっても、下部フレーム40は変形しにくい。
ギアポンプ内部には、吸入ポート13から、ギア室22、吐出ポート14と連なる流路が形成される。
ギアポンプを組み立てた状態では、ステータ50の各ステータコイル53は、下部フレーム40の下面の区画壁47により区画された各ステータ室46に収容され、配線部52は段部45の内側に入り、下蓋55の上面は、下部フレーム40の下面に密着する。
図15は、ロータ30の断面図、図16は下面図である。ロータ30は、ロータ基板31と、磁石34と、ヨーク34aからなる。ロータ基板31は円板状で中心部にベアリング35を受入れる通孔32が形成される。通孔32の一部は、平面部33になっていて、この平面部33は、ベアリング35の平面部36と係合して、ベアリング35に回転力を伝えることができるようになっている。平面部33はロータ基板31の下端部には形成されず、後述するベアリング35の円周部36aを受入れることができるようになっている。
ロータ基板31の下面には、磁石34とヨーク34aを収容するための環形状の磁石収容部が形成される。
N極とS極との数は、それぞれ2個に限定されず、4個とすることも出来、複数個であれば良い。
ヨーク34aは、珪素鋼板製であり、磁石34の上面に配置される。ヨーク34aは磁束の発散を押え、コイルからの磁束を集中させる作用をする。そのため、モータ効率を向上させることができる。
ギアポンプを組み立てた状態では、ロータ30はロータ室43に収容される。
ベアリング35の外周の一部は平面部36となっていて、平面部36は、ロータ基板31の通孔32の平面部33と係合して、ロータ基板31から回転力を伝えられることができる。平面部36は、ベアリング35の下端部には形成されていず、円周部36aとなっている。ギアポンプを組立てるとき、ベアリング35をロータ30の下側からロータ30の通孔32に挿入していくと、ベアリング35下端部の円周部36aが、ロータ30の通孔32の平面部33の下端に突き当たり、止まるようになっている。ベアリング35の円周部36aの軸方向厚さは、ロータ基板31の円周部36aを受入れる部分の深さよりわずかに厚くなっているので、ベアリング35の下端は、ロータ30の下面下面より若干凸出する。こうすると、ロータ30の下面は下部フレーム40の上面(ロータ室42となる面)と接触せず、機械的磨耗を防止することができる。ベアリング35の下端部外周とロータ30の通孔32とを接着剤等により固定し、ベアリング35とロータ30とを一体化することが好ましい。これにより、ロータ30の上下方向の振動を少なくすることができる。
ギアポンプを組立てた状態では、ベアリング35の上部は上部フレーム20の孔21を通り抜け、ギア室22内に達する。ベアリング35の上部の外径にインナギア37の内径が係合し、インナギア37に回転力を伝える。
インナギア37及びアウタギア38は、ACからできている。
ベアリング35は、固定シャフト41の周りに、回転自在に配置される。ロータ30は、ロータ室42内にベアリング35と一体に回転自在に収容される。ベアリング35は、ロータ室42からギア室22まで延び、ベアリング35の上部は、ギア室22内のインナギア37の係合孔39に係合し、インナギアを回転させることができる。
このようにギアポンプを駆動すると、流体は、吸入用パイプ17を通り、吸入ポート13から吸入されてギア室22に入り、ギア室22内でインナギア37とアウタギア38により液送されて、吐出ポート14から出て、吐出用パイプ18を通って出ていく。
11 上蓋
12 凹部
13 吸入ポート
14 吐出ポート
15 通孔
16 ボルト
17 吸入パイプ
18 吐出パイプ
19 Oリング
20 上部フレーム
21 孔
22 ギア室
23 環状溝
24 ネジ孔
25 凹部
26 段
27 ネジ孔
29 Oリング
30 ロータ
31 ロータ基板
32 通孔
33 平面部
34 磁石
34a ヨーク
35 ベアリング
36 平面部
37 インナギア
38 アウタギア
39 平面
40 下部フレーム
41 固定シャフト
42 ロータ室
43 凸部
44 中央部下面
45 段部
46 ステータ室
47 区画壁
50 ステータ
52 配線部
53 ステータコイル
54 リード線
55 下蓋
56 通孔
Claims (7)
- 流体の吸入ポートと吐出ポートと、これらのポートに連通するロータ室とギア室とを有し、中央部に円柱形の固定シャフトが形成された平板型ケーシング、
前記固定シャフトの周りに回転自在に配置された円筒形のベアリング、
前記ケーシングのロータ室に配置され、前記ベアリングと一体に回転する円板状のロータ、
前記ケーシングのギア室に配置され、前記ベアリングの一端部に係合する薄板状インナギアと、前記インナギアと噛み合う薄板状アウタギアとからなるギア組立体、及び
前記ケーシングの一方の面に沿って配置され、前記ロータに回転力を与えるため、前記ロータの回転軸と垂直方向の面に沿って薄板状に巻回された複数のステータコイルを有する円板状のステータ、を備え、
前記吸入ポートから流体を吸入し、前記吐出ポートから流体を吐出することを特徴とする小型平板型ギアポンプ。 - 前記ケーシングは、
前記吸入ポートと前記吐出ポートとを有する上蓋と、
前記上蓋に密着して配置され、前記インナギアと前記アウタギアを収容する前記ギア室が形成された上部フレームと、
前記上部フレームに密着して配置され、前記ロータを回転自在に収容するロータ室が形成され、前記ロータ室の中央部に前記ロータの回転軸を軸とする前記固定シャフトが形成され、前記ロータと反対側の面に前記ステータを収容するステータ室が形成された下部フレームとを備える請求項1に記載のギアポンプ。 - 前記固定シャフトの先端部は、前記上蓋に形成された凹部と勘合する請求項2に記載のギアポンプ。
- 前記下部フレームの上面のリング状の凸部が、前記上部フレームの下面の凹部内に収容され、前記下部フレームと前記上部フレームとは堅固に固定される請求項2に記載のギアポンプ。
- 前記ステータ室は、前記ステータの個々のステータコイルを個別に収容するように区画壁により区分されている請求項1乃至4の何れか1項に記載のギアポンプ。
- 前記ステータが取付けられた円板状の下蓋を有しており、前記ステータ室の中央部には突状の中央部下面が形成されており、前記中央部下面が前記下蓋の中央部に当接し、これによって前記下部フレームの変位を規制していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のギアポンプ。
- 前記ベアリングは、アモルファスカーボンで出来ている請求項1乃至6の何れか1項に記載のギアポンプ。
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