JP4556008B2 - ギア装置 - Google Patents

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本発明は、宇宙機の熱制御システムを始めとして、医療用機器の輸液装置、電子機器の冷却装置等に使用できる小型平板型ギアポンプに関する。
人工衛星、宇宙ステーション等の宇宙機には、搭載電子機器等からの発熱を冷却するため熱制御システムが用いられている。発熱の大きい宇宙機の熱制御システムには、機械的な流体駆動源としてメカニカルポンプを使用する必要がある。一般に、メカニカルポンプは部品点数が多い。
宇宙機で用いられるポンプ装置は、小型軽量のものが望まれている。宇宙機で用いられる機器は、部品の交換が困難であり、高い耐久性が要求される。このような機器に用いられるメカニカルポンプは故障を少なくし、メンテナンスを容易にするため、部品点数を減らし、構造を簡単にする必要がある。また、潤滑剤が不要な構造が望まれる。
また、高密度集積回路を搭載するコンピュータのような高発熱電子機器や燃料電池等の小型エネルギー機器においても、放熱は重要な問題である。現状のコンピュータ等の放熱はヒートシンク、冷却ファン等によるが、サイズ、ファン騒音等の問題がある。今後高集積化、高密度化に伴い、機器の放熱量が増大することが予想される。そのため、水冷却方式の放熱システムの採用が期待され、小型、平板型のポンプ装置の要望がある。
更に、医療分野における人工透析器や人工心臓へ等に使用される輸液ポンプ等の輸液装置にも、小型、平板型のポンプの要望がある。
従来の冷媒駆動源となる機械的なポンプ装置としては、特許文献1に記載された円筒形のラジアルタイプのモータ(ステータがロータを外囲する)を使用したギアポンプが知られている。このポンプは、ハウジングと、ハウジング内に設けられたシャフトと、シャフトを回転自在に支持する滑り軸受と、ロータ及びステータを有する駆動手段と、シャフトに連結され流体を吐出するためのギア組立体とを含む。このポンプは、駆動手段によりギア組立体のインナギアとアウタギアを回転させ、インナギアとアウタギアとの間に、流体を移動させ、吸入ポートから吸入した流体を吐出ポートから吐出することができる。
しかし、この従来のラジアルタイプのモータを使用したポンプは、円筒形の部材の内部に、アウタギア及びインナギアと、駆動手段のロータとを軸方向に配列し、ロータを外囲するようにステータを設けている。そのため、全体が円筒形で、小型化および平板化が困難であるという欠点があった。
本発明者らは、これらの問題を解決するため、平板型のポンプを開発した(特願2003−352378号)。このポンプは、円板状のケーシング内に、アウタギア及びインナギアと、円板状のロータを設け、ケーシングの面に沿って円板状のステータを設けたものである。しかし、このポンプは、部品点数が多かった。
特開2002-276658号
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、部品点数が少なく、簡単な構造の小型、平板型のギアポンプを提供することである。
本発明の他の目的は、潤滑剤が不要の軸受構造を備えるギアポンプを提供することである。
本発明の他の目的は、耐圧性能の高い薄型のギアポンプを提供することである。
本発明は1態様において、小型平板型ギアポンプに関する。このポンプは、流体の吸入ポートと吐出ポートと、これらのポートに連通するロータ室とギア室とを有し、中央部に円柱形の固定シャフトが形成された平板型ケーシング、
前記固定シャフトの周りに回転自在に配置された円筒形のベアリング、
前記ケーシングのロータ室に配置され、前記ベアリングと一体に回転する円板状のロータ、
前記ケーシングのギア室に配置され、前記ベアリングの一端部に係合する薄板状インナギアと、前記インナギアと噛み合う薄板状アウタギアとからなるギア組立体、及び
前記ケーシングの一方の面に沿って配置され、前記ロータに回転力を与えるため、前記ロータの回転軸と垂直方向の面に沿って薄板状に巻回された複数のステータコイルを有する円板状のステータ、を備え、
前記吸入ポートから流体を吸入し、前記吐出ポートから流体を吐出する。
これにより、部品点数が少なく、簡単な構造の小型平板型ギアポンプを得ることができる。
固定シャフトの周りに円筒形のベアリングが回転するという軸受機構により、ロータからギアポンプへ円滑に回転力を伝達することができる。
前記ケーシングは、
前記吸入ポートと前記吐出ポートとを有する上蓋と、
前記上蓋に密着して配置され、前記インナギアと前記アウタギアを収容する前記ギア室が形成された上部フレームと、
前記上部フレームに密着して配置され、前記ロータを回転自在に収容するロータ室が形成され、前記ロータ室の中央部に前記ロータの回転軸を軸とする前記固定シャフトが形成され、前記ロータと反対側の面に前記ステータを収容するステータ室が形成された下部フレームとを備えることが好ましい。
上蓋に、吸入ポートと吐出ポートとを設けることにより、ケーシング内の流体の流路が単純になり、構造が簡単になり、部品点数を減らすことができる。
前記固定シャフトの先端部は、前記上蓋に形成された凹部と勘合することが好ましい。固定シャフトを下部フレームと一体に設けることにより、固定シャフトを確実に固定し、部品点数を減らすことができる。
前記下部フレームの上面のリング状の凸部が、前記上部フレームの下面の凹部内に収容され、前記下部フレームと前記上部フレームとは堅固に固定されることが好ましい。
前記ステータ室は、前記ステータの個々のステータコイルを個別に収容するように区画壁により区分されていることが好ましい。
ロータとステータとの間のケーシング部分は、区画壁により補強されるので、ロータとステータとの間の肉厚を薄くして、ロータとステータとの間の距離を短くしても高い耐圧性能を得ることができる。従って、モータ効率を高くすることができる。
前記ステータが取付けられた円板状の下蓋を有しており、前記ステータ室の中央部には突状の中央部下面が形成されており、前記中央部下面が前記下蓋の中央部に当接し、これによって前記下部フレームの変位を規制していることが好ましい。
これにより、耐圧強度を高めることができる。
前記ベアリングは、アモルファスカーボン(以下、「AC」という)でできていることが好ましい。ACからなるベアリングにより、簡単な構造でシャフトの円滑な回転を行うことができる。
シリコン製又はフッ素系エラストマー樹脂製のOリングを用いて、前記ケーシングの部材間を密封することが好ましい。これにより、Oリングの劣化とそれに伴う流体の漏洩とを防止することができる。
前記ケーシングの部材は、銅を含有しないニッケル系の材料、又は銅を含有しないチタン系の材料で出来ていることが好ましい。これにより、アンモニア等の腐食性の強い流体を使用しても、ケーシングの材料の腐食を防止し、小型、薄型でも内圧に耐えることができる。
本発明により、部品点数が少なく、簡単な構造で信頼性の高い小型平板型ギアポンプを得ることができる。
固定シャフトの周りに円筒形のベアリングが回転するという機構により、簡単な構造でロータからギアポンプへ円滑に回転力を伝達することができる。
ベアリングにアモルファスカーボンを使用することにより、潤滑剤が不要の軸受構造を備えるギアポンプを得ることができる。
また、ステータ室を区画する区画壁は梁構造として作用し、更に下蓋により補強されるので、ロータとステータとの間のケーシング部分の肉厚を薄くしても耐圧性能を保持することができる。そのため、モータ効率と耐圧性能を高く保持したままポンプを更に薄型化することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態によるギアポンプの断面図であり、図2は図1のギアポンプの上面図であり、図3は図1のギアポンプの上蓋を外した状態の上面図である。図4は、ギアポンプの分解斜視図である。なお、本明細書において上とは、図1における上方向をいうものとする。
本発明の実施の形態によるギアポンプは、内部に冷媒の流路が形成されるケーシング10を備える。ケーシング10は、上蓋11と、上部フレーム20と、下部フレーム40とを備える。上蓋11には、吸入用パイプ17と、吐出用パイプ18とが接続されている。ケーシング10内には、ギア室22と、ロータ室42とが形成され、ギア室22とロータ室42とは連通している。ギア室22の軸線は偏心している。ギア室22には、インナギア37とアウタギア38とが収容される。ロータ室42には、ロータ30が収容される。また、下部フレーム40の中央部から上蓋11まで円柱状の固定シャフト41が延び、固定シャフト41の周りに、円筒形のベアリング35が回転可能に設けられる。
ギアポンプは、またケーシング10の下側に、ロータ30に回転力を与えるためのステータ50を備える。ロータ30と、ステータ50とにより、モータが構成される。また、ステータの下側に、下蓋55を備える。
上蓋11は、上部フレーム20に、ボルト16により固定される。下部フレーム40と、下蓋55とは、上部フレーム20に、ボルト16により固定される。
以下、ケーシング10を構成する各部品、その下のステータ50、下蓋55、及びケーシング10内に収容される部品について、図面を参照して説明する。図5は上蓋11の上面図、図6は図5の6−6線に沿った断面図、図7は上蓋11の下面図である。上蓋11は円板状であり、その軸線はケーシング10の軸線L10と一致する。
上蓋11の上面には、吸入用パイプ17と、吐出用パイプ18とが接続されている。
図示する本発明の実施の形態による上蓋11に接続される吸入用パイプ17と吐出用パイプ18は、上蓋11から上方向に延びるが、吸入用パイプ17と吐出用パイプ18は、上蓋11を出た位置ですぐに方向を変え、上蓋11の面に平行な方向に延びるようにすることもできる。
上蓋11の下面の中心部には、後述する固定シャフト41の上端部を受入れるための凹部12が形成されている。
上蓋11の下面の凹部12の両側には、円弧状の吸入ポート13と、吐出ポート14とが形成されている。吸入ポート13の一端部は、上蓋11の上側まで貫通し、吸入用パイプ17と接続されている。吐出ポート14の一端部は、上蓋11の上側まで貫通し、吐出用パイプ18と接続されている。
上蓋11の外周部には、複数(図示の例では6個所)の通孔15が上面から下面へ貫通している。通孔15の上面に近い部分は径が大ききなり、ここにボルトの頭を受けることができるようになっている。
図8は上部フレーム20の上面図、図9は図8の9−9線に沿った断面図である。上部フレーム20の上側に上蓋11が重ね合わされる。上部フレーム20の軸線は、ケーシング10の軸線L10と一致している。上部フレーム20は、全体として円板状であり、上面の中央部は、外周部より1段高くなっている。
上部フレーム20の上面には、凹状のギア室22が形成されている。ギア室22の軸線L22は、上部フレーム20の軸線から偏心して形成される。後述するように、ギア室22には、アウタギア38とインナギア37が収容される。
上部フレーム20の中心部には、下面まで貫通する孔21が形成され、この孔21を後述する固定シャフト41が通り抜け、固定シャフト41の上端部は上蓋11の凹部12に係合する。また、この孔21を通って、アンモニア等の流体が、ギア室22から後述するロータ室42内に入ることができる。
また、上面には、ギア室22を囲むように、環状溝23が形成され、ここにOリング19を収容し、上蓋11の下面との間で気密性を確保することができるようになっている。
上部フレーム20の上面には、上蓋11をボルトで止めるため、ネジを切った複数のネジ孔24(図示の例では6個所)が形成されている。
上部フレーム20の下面には、後述する下部フレーム40の上部を収容するため、凹部25が形成されている。凹部25の上面はロータ室42の上面となる。上部フレーム20の下面の凹部25の外周に沿って段26がつき、ここにOリング29を収容し、後述する下部フレーム40の上面との間で気密性を確保することができるようになっている。Oリングはシリコン製又はフッ素系エラストマー樹脂製である。
上部フレーム20の外周部には、ボルトを通すための複数(図示の例では8個所)のネジを切ったネジ孔27が上面から下面へ貫通している。このネジ孔27に、下蓋55をネジ止めすることができる。
図10は下部フレーム40の上面図、図11は図10の11−11線に沿った断面図、図12は下部フレーム40の下面図である。下部フレーム40の上側に上部フレーム20が重ね合わされる。下部フレーム40の軸線はケーシング10の軸線L10と一致している。
ロータ室42の中央部には、円柱形の固定シャフト41が形成されている。ギアポンプを組立てた状態では、固定シャフト41は、上部フレーム20の孔21を通り抜け、ギア室22内を延び、先端部は上蓋11の凹部12に達する。この固定シャフト41の周りを後述するベアリング35が回転可能に支持される。
下部フレーム40の上面には、円周に沿って凸部43が形成される。凸部43の内面と、凸部43の内側の底面と、上部フレーム20の下面の凹部25とにより、ロータ30を収容するためのロータ室42が形成される。ポンプを組立てた状態では、凸部43の外周は、上部フレーム20の凹部25の内側に係合し支持されるようになっている。
下部フレーム40の外周部には、ネジにより上部フレーム20に固定するため、上面から下面へ貫通する複数の通孔48(この実施の形態では8箇所)が形成されている。
下部フレーム40の下面中央部は凸状の中央部下面44となり、下部フレーム40の外周部の下面と同一平面にある。このため、ギアポンプを組み立てた状態で、下部フレーム40の中央部下面44は、後述する下蓋55の上面に接する。そのため、下蓋55に支えられるので、高い耐圧能力を得ることができる。
中央部下面44の外側には、ステータの配線部52を受入れるための段部45が形成されている。中央部下面44を取り囲むように、ステータの各ステータコイル53を収容するステータ室46が形成される。ステータ室46は、各ステータコイル53をそれぞれ1つのステータ室46に収容することのできるように、中央部から放射状に延びる区画壁47により区画されている。各々のステータ室46は、1つのステータコイル53を収容することのできる形状と大きさになっている。ロータ室43とステータ室46との間の部分は、比較的肉圧が薄くなっている。
下部フレーム40は、透磁性の材料で出来ている。
下部フレーム40は、区画壁47により補強されるので、ロータ室42内部の圧力が高くなっても、下部フレーム40は変形しにくい。
上蓋11と、上部フレーム20と、下部フレーム40とによりケーシング10が構成される。この状態で上蓋11の軸線、上部フレーム20の軸線、下部フレーム40の軸線は、ケーシング10の軸線L10と一致している。上蓋11は、上部フレーム20に、ボルトにより固定される。下部フレーム40と、下蓋55とは、上部フレーム20に、ボルトにより固定される。
ギアポンプ内部には、吸入ポート13から、ギア室22、吐出ポート14と連なる流路が形成される。
図13は、ステータ50と下蓋55を組合わせた状態の上面図、図14は図13の14−14線に沿った断面図である。ステータ50の上側に下部フレーム40が重ね合わされる。ステータ50の軸線Lはケーシングの軸線L10と一致している。ステータ50は、円板状の配線部52と、その上の複数のステータコイル53(アーマチャーコイル)とからなる。配線部52からは一方向にリード線54が延びる。ステータコイル53は、図示の例では軸線L10を中心とする同一円周上に等間隔で、相互に隣接して6個設けられている。各々のステータコイル53は、図に示すように下蓋55の面と平行な方向にほぼ台形の形状で複数回巻かれている。各々のステータコイル53の両端部は、引出されて配線部52に接続され、リード線54を通って電源部(図示せず)に接続されている。
ギアポンプを組み立てた状態では、ステータ50の各ステータコイル53は、下部フレーム40の下面の区画壁47により区画された各ステータ室46に収容され、配線部52は段部45の内側に入り、下蓋55の上面は、下部フレーム40の下面に密着する。
ステータ50のステータコイル53に順に電流を流すことにより、ロータ30に回転力を与えることができる。ステータ50に設けるステータコイル53の数は、6個に限定されるものではなく、複数個あれば良い。
下蓋55は、円板状であり、その軸線はケーシング10の軸線と一致する。その外周部には、複数(図示の例では8個所)の通孔56が上面から下面へ貫通している。通孔56にボルトを通し、下蓋55と、下部フレーム40を、上部フレーム20に固定することができる。
次に、ケーシング10内に収容される部材であるロータ30と、ベアリング35と、インナギア37及びアウタギア38について説明する。
図15は、ロータ30の断面図、図16は下面図である。ロータ30は、ロータ基板31と、磁石34と、ヨーク34aからなる。ロータ基板31は円板状で中心部にベアリング35を受入れる通孔32が形成される。通孔32の一部は、平面部33になっていて、この平面部33は、ベアリング35の平面部36と係合して、ベアリング35に回転力を伝えることができるようになっている。平面部33はロータ基板31の下端部には形成されず、後述するベアリング35の円周部36aを受入れることができるようになっている。
ロータ基板31の下面には、磁石34とヨーク34aを収容するための環形状の磁石収容部が形成される。
磁石34は上下面が平らなドーナツ形であり、円周方向にN極とS極とが交互に形成されている。図示の例ではN極とS極との数はそれぞれ2個である。磁石34は、ロータ基板31の下面の磁石収容部に接着剤等で固定される。
N極とS極との数は、それぞれ2個に限定されず、4個とすることも出来、複数個であれば良い。
ヨーク34aは、珪素鋼板製であり、磁石34の上面に配置される。ヨーク34aは磁束の発散を押え、コイルからの磁束を集中させる作用をする。そのため、モータ効率を向上させることができる。
ギアポンプを組み立てた状態では、ロータ30はロータ室43に収容される。
図17はベアリング35の上面図、図18は断面図である。ベアリング35は、全体として円筒形で、アモルファスカーボン(AC)で出来ている。ベアリング35の内周は、下部フレーム40に形成された固定シャフト41の外周に回転自在に支持される。
ベアリング35の外周の一部は平面部36となっていて、平面部36は、ロータ基板31の通孔32の平面部33と係合して、ロータ基板31から回転力を伝えられることができる。平面部36は、ベアリング35の下端部には形成されていず、円周部36aとなっている。ギアポンプを組立てるとき、ベアリング35をロータ30の下側からロータ30の通孔32に挿入していくと、ベアリング35下端部の円周部36aが、ロータ30の通孔32の平面部33の下端に突き当たり、止まるようになっている。ベアリング35の円周部36aの軸方向厚さは、ロータ基板31の円周部36aを受入れる部分の深さよりわずかに厚くなっているので、ベアリング35の下端は、ロータ30の下面下面より若干凸出する。こうすると、ロータ30の下面は下部フレーム40の上面(ロータ室42となる面)と接触せず、機械的磨耗を防止することができる。ベアリング35の下端部外周とロータ30の通孔32とを接着剤等により固定し、ベアリング35とロータ30とを一体化することが好ましい。これにより、ロータ30の上下方向の振動を少なくすることができる。
ギアポンプを組立てた状態では、ベアリング35の上部は上部フレーム20の孔21を通り抜け、ギア室22内に達する。ベアリング35の上部の外径にインナギア37の内径が係合し、インナギア37に回転力を伝える。
図19はインナギア37の上面図、図20は図19の20−20線に沿った断面図である。インナギア37は、ギア室22に適合する厚さである。インナギア37の中央部には、ベアリング35の上部を受入れるための、係合孔39が形成されている。係合孔39は一部が平面39a、他の部分が円周面となっている。インナギア37の係合孔39の平面39aが、ベアリング35の上部の平面部36と係合することにより、ベアリング35が回転すると、インナギア37も回転するようになっている。インナギア37は、外周部に複数の歯(図示の例では7)が形成されている。
図21はアウタギア38の上面図、図22は図21の22−22線に沿った断面図である。アウタギア38はほぼ円筒形であり、外周はギア室22に適合する外形と、厚さである。アウタギア38の内周部には、歯が形成されていて、インナギア37の歯と係合して回転させられる。アウタギア38の歯の数は、インナギア37の歯の数よりも1つ多い。
インナギア37及びアウタギア38は、ACからできている。
ギアポンプを組立てた状態では、下部フレーム40の固定シャフト41は上蓋11下面の凹部12に達し、ケーシング10の中央部にしっかり固定される。上部フレーム20の凹部25と下部フレーム40の凸部43が係合し、上部フレーム20と下部フレーム40とは、堅固に固定される。
ベアリング35は、固定シャフト41の周りに、回転自在に配置される。ロータ30は、ロータ室42内にベアリング35と一体に回転自在に収容される。ベアリング35は、ロータ室42からギア室22まで延び、ベアリング35の上部は、ギア室22内のインナギア37の係合孔39に係合し、インナギアを回転させることができる。
次に本発明の実施の形態によるギアポンプの動作について説明する。ロータ30とステータ50によって、駆動手段であるモータが形成される。リード線54からステータ50の配線部52を通してステータコイル53に順に通電すると、ロータ30の磁石34との間の磁気作用によりロータ30に回転力を与える。ロータ30は、ロータ30に係合したベアリング35を回転駆動する。これにより、ベアリング35の上部に係合したインナギア37を回転させ、インナギア37によりアウタギア38を回転させる。インナギア37とアウタギア38の間に形成される空間が移動して、送液する。
このようにギアポンプを駆動すると、流体は、吸入用パイプ17を通り、吸入ポート13から吸入されてギア室22に入り、ギア室22内でインナギア37とアウタギア38により液送されて、吐出ポート14から出て、吐出用パイプ18を通って出ていく。
また、流体は、ベアリング35と上部フレーム20の孔21の間を通って、ロータ室42内に入り、ロータ室42を満たす。さらに、流体はベアリング35と下部フレーム40の固定シャフト41の間の小さい隙間に入る。ベアリング35はACからなり、流体により潤滑されて、固定シャフト41の周りを円滑に回転することができる。
このように、極めて小さい隙間に、毛細管現象によって、流体(本実施の形態では、液体アンモニア)を侵入させることができる。また、ACを使用した軸受構造は、流体の種類に拘わらず、流体を良好な潤滑剤として利用することができる。従って、液体アンモニア、アルコール系冷媒、化学薬品、水等を流体として使用することができる。従って、ギアポンプによって、送出すべき流体を潤滑剤として介在させ、円滑なベアリングの回転を達成することができる。本発明の実施の形態では、固定シャフトの周りをベアリングが回転するという簡単な軸受構造なので、故障が少なく、メンテナンスを最小限にすることができる。
また、ACは、摩擦係数が小さく、ベアリングの回転による摩擦熱の発生を抑え、ベアリングと固定シャフトの熱膨張を防ぐことができる。しかも、摩擦熱が発生しても、ACは熱膨張率が小さいので、ベアリング及び固定シャフトとの隙間の寸法の変化が小さく、安定した回転を維持することができる。又、摩耗度が小さく、長期にわたって円滑で安定した回転を実現することができる。
本発明の実施の形態によるギアポンプは、宇宙機の冷却システムのポンプとして用いることができる。また、人工透析器や人工心臓等の医療機器の輸液ポンプとして用いることができる。また、コンピュータ等の発熱の大きい電子機器の冷却装置等のポンプとして使用することもできる。その他、流体を送る様々な技術に適用することができる。流体は、液体アンモニアだけでなく、アルコール系冷媒、化学薬品、水等のさまざまな流体を使用することができる。
本発明の実施の形態によるギアポンプの概略断面図。 図1のギアポンプの上面図。 図1のギアポンプの上蓋を外した状態の上面図。 図1のギアポンプの分解斜視図。 上蓋の上面図。 上蓋の6−6線に沿った断面図。 上蓋の下面図。 上部フレームの上面図。 上部フレームの9−9線に沿った断面図。 下部フレームの上面図。 下部フレームの11−11線に沿った断面図。 下部フレームの下面図。 ステータと下蓋を組合わせた状態の上面図。 図13の14−14線に沿った断面図。 ロータの断面図。 ロータの下面図。 ベアリングの上面図。 ベアリングの18−18線に沿った断面図。 インナギアの上面図。 インナギアの20−20線に沿った断面図。 アウタギアの上面図。 アウタギアの22−22線に沿った断面図。
符号の説明
10 ケーシング
11 上蓋
12 凹部
13 吸入ポート
14 吐出ポート
15 通孔
16 ボルト
17 吸入パイプ
18 吐出パイプ
19 Oリング
20 上部フレーム
21 孔
22 ギア室
23 環状溝
24 ネジ孔
25 凹部
26 段
27 ネジ孔
29 Oリング
30 ロータ
31 ロータ基板
32 通孔
33 平面部
34 磁石
34a ヨーク
35 ベアリング
36 平面部
37 インナギア
38 アウタギア
39 平面
40 下部フレーム
41 固定シャフト
42 ロータ室
43 凸部
44 中央部下面
45 段部
46 ステータ室
47 区画壁
50 ステータ
52 配線部
53 ステータコイル
54 リード線
55 下蓋
56 通孔

Claims (7)

  1. 流体の吸入ポートと吐出ポートと、これらのポートに連通するロータ室とギア室とを有し、中央部に円柱形の固定シャフトが形成された平板型ケーシング、
    前記固定シャフトの周りに回転自在に配置された円筒形のベアリング、
    前記ケーシングのロータ室に配置され、前記ベアリングと一体に回転する円板状のロータ、
    前記ケーシングのギア室に配置され、前記ベアリングの一端部に係合する薄板状インナギアと、前記インナギアと噛み合う薄板状アウタギアとからなるギア組立体、及び
    前記ケーシングの一方の面に沿って配置され、前記ロータに回転力を与えるため、前記ロータの回転軸と垂直方向の面に沿って薄板状に巻回された複数のステータコイルを有する円板状のステータ、を備え、
    前記吸入ポートから流体を吸入し、前記吐出ポートから流体を吐出することを特徴とする小型平板型ギアポンプ。
  2. 前記ケーシングは、
    前記吸入ポートと前記吐出ポートとを有する上蓋と、
    前記上蓋に密着して配置され、前記インナギアと前記アウタギアを収容する前記ギア室が形成された上部フレームと、
    前記上部フレームに密着して配置され、前記ロータを回転自在に収容するロータ室が形成され、前記ロータ室の中央部に前記ロータの回転軸を軸とする前記固定シャフトが形成され、前記ロータと反対側の面に前記ステータを収容するステータ室が形成された下部フレームとを備える請求項1に記載のギアポンプ。
  3. 前記固定シャフトの先端部は、前記上蓋に形成された凹部と合する請求項2に記載のギアポンプ。
  4. 前記下部フレームの上面のリング状の凸部が、前記上部フレームの下面の凹部内に収容され、前記下部フレームと前記上部フレームとは堅固に固定される請求項2に記載のギアポンプ。
  5. 前記ステータ室は、前記ステータの個々のステータコイルを個別に収容するように区画壁により区分されている請求項乃至4の何れか1項に記載のギアポンプ。
  6. 前記ステータが取付けられた円板状の下蓋を有しており、前記ステータ室の中央部には突状の中央部下面が形成されており、前記中央部下面が前記下蓋の中央部に当接し、これによって前記下部フレームの変位を規制していることを特徴とする請求項乃至5の何れか1項に記載のギアポンプ。
  7. 前記ベアリングは、アモルファスカーボンで出来ている請求項1乃至6の何れか1項に記載のギアポンプ。
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