JP2008081869A - 壁紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性が高く、施工時にカールすることのない施工性に優れた壁紙及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】裏打ち材上に発泡剤及び無機充填剤を含む熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂層と、絵柄層とを順に積層した基材シートを有する壁紙であって、発泡樹脂層の表面側から凹凸模様が施され、かつ、裏打ち材の湿潤強度が0.20〜0.70N/mであり、水中伸度が1.6%以下であることを特徴とする壁紙である。
【選択図】図1

Description

本発明は住宅等の壁や天井などの内装材として用いられる壁紙に関し、詳しくは、施工時にうきが発生したり、カールすることがない、施工性に優れる壁紙に関する。
一般に、壁紙は意匠性を持たせる上層部と該上層部を支持して施工性を付与する裏打ち材よりなる。これらの壁紙を施工するに際しては、柔軟性及びカール防止性等が要求される。柔軟性はエンボス加工等により意匠性を高める場合に、その加工性を容易とするものであり、またカール防止性は、壁紙の施工時に用いる糊中の水分が裏打ち材に吸収されることにより発生するカールを防止するものであって重要な要求性能である。
このような柔軟性やカール防止性を目的に種々の試みがなされており、例えば、裏打ち紙としてステキヒトサイズ度が10秒以上である片艶紙を用いた壁紙(特許文献1参照)、表面樹脂被覆層の表面張力が40mN/m以下、裏打ち材の横方向の水中伸度が1.3%以下、かつサイズ度が70秒以下である壁紙(特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、フィルム貼り壁紙における柔軟性及びカール防止性については、いまだ不十分であり、さらなる改良が望まれている。
ところで、通常、壁紙は施工効率を上げるために、施工現場においてまとめて接着剤を塗布し、接着剤が乾燥固化しないように、壁紙を折り曲げ、接着剤面同士を密着させて一時的に保管する。しかしながら、フィルム貼り壁紙ではフィルムによって壁紙のこしが強くなっているために、接着剤面同士の密着作業において、折り曲げ部分に浮きが発生し、扱いにくいとの問題点があり、柔軟性の高いフィルム貼り壁紙が求められている。
特開2004−292990号公報 特開2005−171457号公報
本発明は、このような状況下、柔軟性が高く、施工時にカールすることのない施工性に優れた壁紙及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の裏打ち材を用い、裏打ち材の湿潤強度及び水中伸度を制御することにより、上記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)裏打ち材上に発泡剤及び無機充填剤を含む熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂層と、絵柄層とを順に積層した基材シートを有する壁紙であって、発泡樹脂層の表面側から凹凸模様が施され、裏打ち材の湿潤強度が0.20〜0.70N/mであり、かつ水中伸度が1.6%以下であることを特徴とする壁紙、
(2)前記発泡樹脂層を構成する熱可塑性樹脂が塩化ビニル樹脂である上記(1)に記載の壁紙、
(3)前記基材シート上に表面保護シートが積層されており、該表面保護シートが熱可塑性樹脂からなるフィルム層上に表面保護層を積層したものである上記(1)又は(2)に記載の壁紙、
(4)前記フィルム層を構成する熱可塑性樹脂がエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂である上記(3)に記載の壁紙、
(5)前記表面保護層が電離放射線硬化性樹脂を架橋硬化したものである上記(3)又は(4)に記載の壁紙、
(6)表面保護層側から発泡樹脂層にかけて凹凸模様が施された上記(3)〜(5)のいずれかに記載の壁紙、及び
(7)熱可塑性樹脂からなるフィルム層の一方の面に表面保護層を設け、他方の面に必要に応じて接着剤層を設けた表面保護シートを準備する工程と、湿潤強度が0.20〜0.70N/mであり、水中伸度が1.6%以下である裏打ち材に発泡剤及び無機充填剤を含む熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂組成物を塗工し、その上に絵柄層を設けた後に加熱発泡炉で該発泡樹脂組成物を発泡させて発泡樹脂層とし、基材シートを得る工程と、表面にエンボス型が形成された加圧ロール又は加圧版によって、該基材シートと該表面保護シートとを貼り合わせると同時に、表面保護層側から発泡樹脂層にかけて凹凸模様を形成する工程を含むことを特徴とする壁紙の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、柔軟性が高く、施工時にカールすることのない施工性に優れた壁紙及びその製造方法を提供することができる。
本発明の壁紙は基材シートを有する壁紙であって、必要に応じてその上に表面保護シートが積層されてなる壁紙である。基材シートは裏打ち材上に発泡樹脂層と絵柄層を積層した構造を有し、表面保護シートとしては熱可塑性樹脂からなるフィルム層上に表面保護層を積層したものが好ましい。以下、本発明の壁紙の典型的な構造を、図1を用いて説明する。
図1は本発明の壁紙1の断面を示す模式図である。図1に示す例では、本発明の壁紙1は、基材シート20上に表面保護シート30が積層されている。
基材シート20は、裏打ち材21上に、発泡剤と無機充填剤を含む熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂層22及び絵柄層23を有する。一方、表面保護シート30はフィルム層31及び表面保護層32が積層してなるものである。図1に示す例では、フィルム層31と表面保護層32は接着性を高めるためのプライマー層33を介して積層されている。
また、図1に示す例では、基材シート20と表面保護シート30は接着剤層40を介して接着されている。
以下、本発明の好ましい実施形態の一つを示した図1に基づいて、詳細に説明する。
本発明で用いられる裏打ち材21の材質としては、普通パルプ紙;スルファニル酸グアナジンやリン酸グアナジン等の水溶性難燃剤を含浸させたパルプ主体の難燃紙;炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機質剤を混抄した無機質紙;アクリル繊維やポリエステル繊維を混ぜた紙などが使用でき、これらの材料はそれぞれ単独で使用してもよいし、紙同士の複合体等、任意の組み合わせによる積層体であってもよい。
本発明の壁紙における裏打ち材は、その湿潤強度が0.20〜0.70N/mの範囲であることを必須とする。湿潤強度が0.20N/m未満であると、裏打ち材の強度が弱すぎて、糊付け時に壁紙が破れるおそれがある。一方、湿潤強度が0.70N/mを超えると、糊付け後であっても剛性が高すぎて、壁紙を折りたたんで接着剤を密着させるに際し、折りたたんだ部分に浮きが生じる。以上の点から、裏打ち材の湿潤強度は、0.20〜0.45N/mの範囲であることがさらに好ましい。
なお、湿潤強度の測定はJIS P−8135に準拠したものである。
裏打ち材の湿潤強度を制御する方法としては種々あるが、その1つとして湿潤紙力増強樹脂を含有させる方法がある。湿潤紙力増強樹脂としては、尿素ホルムアルデヒド(UF)樹脂、メラミンホルムアルデヒド(MF)樹脂、ポリアミド−ポリアミン−エピクロロヒドリン(PPE)樹脂などが挙げられる。湿潤紙力増強樹脂の含有量としては、0.5〜1.5質量%の範囲が好ましい。0.5質量%以上であれば十分な効果が得られ、一方、1.5質量%を超えて含有させても湿潤紙力はそれ以上増強されず、効果が飽和する上、経済的に不利である。
また、湿潤強度を制御するその他の方法としては叩解がある。叩解はシートの密度を増加させ、繊維が伸張できる空間を減少させ、このことによって繊維間の結合を増加させる。従って叩解を十分行うことで湿潤強度を高めることができる。但し、過度の叩解は後に説明する水中伸度を本発明の範囲から逸脱させる場合がある。
本発明における裏打ち材は、水中伸度が1.6%以下であることを必須とする。水中伸度が1.6%を超えると施工時のカールを十分に防止することが困難である。以上の点から、裏打ち材の水中伸度は1.3%以下であることがさらに好ましい。
なお、水中伸度はJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.27:2000に準拠して測定された値である。
また、裏打ち材中には、上述の湿潤紙力増強樹脂に加えて、必要に応じて難燃剤、無機質剤、乾燥紙力増強剤、着色剤、サイズ剤、定着剤等を適宜添加してもよい。
裏打ち材21の厚さについては特に制限はないが、坪量が通常50〜300g/m2程度、好ましくは55〜160g/m2の範囲である。特に壁紙施工時の下地の凹凸を拾う、いわゆる不陸が目立たないようにするためには、60〜160g/m2の範囲が好ましい。
次に、図1に示される発泡剤と無機充填剤を含む熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂組成物を発泡させて得られる発泡樹脂層22は、壁紙に難燃性を付与するために設けられるものである。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル(塩化ビニル樹脂)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレン、ナイロン、ポリアセタール、アクリル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂単体及び共重合体、あるいは、これらの混合樹脂を挙げることができ、中でも、塩化ビニル系熱可塑性樹脂が、成膜性、柔軟性、低温での加工性を有し、比較的低コストな壁紙とすることができるので好ましい。
また、本発明の発泡樹脂層22の厚みは500〜1200μmが好ましい。
本発明の発泡樹脂層22に用いる発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機発泡剤;N,N'−ジメチル−N,N'−ジニトロソテレフタルアミド、N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウム・アゾジカルボキシレートなどのアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4'−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホニルアジドなどのアジド化合物などが挙げられる。これらのうち、低コストであるとともに、分解熱が小さく、難燃性かつ自己消化性に優れ、水に安定であり、無毒であり、熱分解型化学発泡剤が分解温度以下での加工処理が可能であることから、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド等のアゾ化合物の熱分解型発泡剤が好適である。
発泡剤の添加量としては、要求される意匠性により適宜決めればよいが、発泡樹脂層22を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.5〜15質量部が好ましい。なお必要に応じて、一層の発泡効果を挙げるために発泡剤の分解を促進する発泡助剤を併用することができる。その発泡助剤としては使用する発泡剤の種類により異なるが、例えば発泡剤としてアゾジカルボンアミドを用いる場合には発泡助剤として酸化亜鉛、硫酸鉛、尿素、ステアリン酸亜鉛等が用いられる。
本発明の発泡樹脂層22に用いる無機充填剤は、特に制限はなく、様々なものを用いることができる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、フライアッシュ、脱水汚泥、天然シリカ、合成シリカ、カオリン、クレー、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、焼成タルク、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、燐酸マグネシウム、セピオライト、ゾノライト、ホウ酸アルミニウム、シリカバルーン、ガラスフレーク、ガラスバルーン、シリカ、製鉄スラグ、銅、鉄、酸化鉄、カーボンブラック、センダスト、アルニコ磁石、各種フェライト等の磁性粉、セメント、ガラス粉末、珪藻土、三酸化アンチモン、マグネシウムオキシサルフェイト、水和アルミニウム、水和石膏、ミョウバン等が挙げられる。中でも、分解温度が低く、吸熱量が大きく、低コストであることから水酸化アルミニウムが好適である。なお、これら無機充填剤は単独で用いられてもよいが、2種以上が併用されてもよい。
これら無機充填剤の多くは、本発明の壁紙に難燃性を付与する効果を有し、かつ、多量に配合された場合にはその効果は一層増大する。壁紙の難燃性を十分得るには、発泡樹脂層22を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して、100質量部以上の無機充填剤を配合することが好ましい。
本発明において用いる無機充填剤の平均粒径は5〜25μmが好ましく、5〜15μmがさらに好ましい。
これらの無機充填剤はそのまま配合してもよいが、無機充填剤を予めシラン系、チタネート系、アルミネート系、ジルコアルミニウム系等のカップリング剤、りん酸系、脂肪酸系等の界面活性剤、油脂、ワックス、ステアリン酸、シランカップリング剤等により処理してもよい。
また、発泡樹脂層22は要求される物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば防カビ剤、防虫剤、防腐剤、抗菌剤、希釈剤、消臭剤、光安定剤、可塑剤などが挙げられる。
次に、図1に示される絵柄層23は裏打ち材2に装飾性を与えるものであり、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。一般的にはグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷等、周知の印刷方法により、通常用いられるインキにて形成することができる。模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
絵柄層23の形成に用いられるインキとしては、バインダーに顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。該バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂などの中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられる。中でも、本発明の目的から、ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等の1種単独で又は2種以上を混合して用いるのが好ましい。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。
この絵柄層23は厚さ1〜20μm程度が好ましい。
本発明の壁紙1は基材シート20上に表面保護シート30が積層されることが好ましく、表面保護シート30は熱可塑性樹脂からなるフィルム層31及び表面保護層32から構成されることが好ましい。
フィルム層31は、絵柄層23の上面に必要に応じて接着剤層40を介して積層される層であり、通常、壁紙に要求される、耐汚染性、耐セロファンテープ性、耐擦傷性、耐薬品性等の性能を付与するために設けられるものである。
本発明のフィルム層31に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリブテン系、メタクリル系、熱可塑性ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、フッ素系等の熱可塑性樹脂単体及び各種共重合体樹脂を挙げることができ、上記樹脂からなる透明又は半透明な市販のフィルムを使用することができる。
上記の市販されるフィルムとしては、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフロロエチレン等のフッ素系樹脂フィルム、ウレタン系又はアクリル系コート剤でコートしたオレフィン系フィルムが挙げられる。中でも、耐汚染性、耐擦傷性、耐薬品性等の性能に優れ、エンボス加工において優れた凹凸追従性を示す、すなわち縦方向の引張伸度が十分大きく、電離放射線により崩壊することなく、製造コストが安く、また燃焼時の煙濃度が少ないエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フィルムが好ましい。
また、本発明のフィルム層31に用いるフィルムの厚みは、10〜25μmであることが好ましい。フィルムの厚みが上記範囲内であれば、該フィルムの製造上の制約をうけることなく、またエンボス加工による壁紙の凹凸追従性を確保することができる。
本発明の表面保護層32はフィルム層31の上面に積層することで、本発明の壁紙に、耐汚染性等の表面物性を向上させる目的で設けるものである。表面保護層32を構成する樹脂としては特に限定されず、硬化性樹脂組成物が架橋硬化したものが好ましい。硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物等が挙げられ、電離放射線硬化性樹脂組成物、特に電子線硬化性樹脂組成物が好ましい。
なお、ここで、電離放射線硬化性樹脂組成物とは、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線または電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。
熱硬化性樹脂組成物としては、フェノール樹脂、フェノール−ホルマリン樹脂、尿素樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、汎用の2液硬化型アクリル樹脂(アクリルポリオール硬化物)などを例示することができる。
表面保護層32に用いる電離放射線硬化性樹脂としては、従来公知の化合物を適宜使用すれば良く、従来電離放射線硬化性樹脂組成物として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、以下に代表例を記載するが、中でもエンボス加工の凹凸追従性の観点から重合性オリゴマーを用いることが好ましい。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、(メタ)アクリレートの表記はアクリレート又はメタクリレートを示すものである。
また、本発明においては、凹凸追従性の観点より、(メタ)アクリレートの官能基数が2〜3、好ましくは3である多官能性(メタ)アクリレート(以下、(メタ)アクリレートAともいう)と、官能基数が4〜6、好ましくは5〜6である多官能性(メタ)アクリレート(以下、(メタ)アクリレートBともいう)とを組み合わせて用いることが好ましい。
(メタ)アクリレートAと(メタ)アクリレートBとの配合割合(質量比)は、凹凸追従性及び耐汚染性の観点から、5:95〜20:80が好ましく、10:90〜20:80がさらに好ましい。なお、(メタ)アクリレートA及び(メタ)アクリレートBは、1種単独でもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。
電離放射線硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を用いる場合には、光重合用開始剤を樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタールなどが挙げられる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることができる。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂組成物として電子線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂組成物は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、また光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
また、本発明における表面保護層32には、壁紙にさらに耐汚染性を付与する目的で1乃至2官能シリコーン(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。該1乃至2官能シリコーン(メタ)アクリレートの含有量は、耐汚染性の向上とその使用効果を十分に得る観点から、硬化性樹脂100質量部に対して1〜4質量部が好ましく、1〜2質量部がより好ましい。また、シリコーン(メタ)アクリレートの官能基当量(分子量/官能基数)としては、例えば1000〜20000の条件を有するものが挙げられる。
また本発明における硬化性樹脂組成物には、得られる硬化樹脂層の所望物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤などが挙げられる。
ここで、耐候性改善剤としては、紫外線吸収剤や光安定剤を用いることができる。紫外線吸収剤は、無機系、有機系のいずれでもよく、無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛などを好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3−[3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸エステルなどが挙げられる。一方、光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系、具体的には2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2’−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどが挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基などの重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
耐摩耗性向上剤としては、例えば無機物ではα−アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素等の球状粒子が挙げられる。粒子形状は、球、楕円体、多面体、鱗片形等が挙げられ、特に制限はないが、球状が好ましい。有機物では架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂ビーズが挙げられる。粒径は、通常膜厚の30〜200%程度とする。これらの中でも球状のα−アルミナは、硬度が高く、耐摩耗性の向上に対する効果が大きいこと、また、球状の粒子を比較的得やすい点で特に好ましいものである。
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコールなどが、架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物などが用いられる。
充填剤としては、例えば硫酸バリウム、タルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどが用いられる。
着色剤としては、例えばキナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン、カーボンブラックなどの公知の着色用顔料などが用いられる。
赤外線吸収剤としては、例えば、ジチオール系金属錯体、フタロシアニン系化合物、ジインモニウム化合物等が用いられる。
本発明においては、前記の硬化成分及び各種添加剤を、それぞれ所定の割合で均質に混合し、硬化性樹脂組成物からなる塗工液を調製する。この塗工液の粘度は、後述の塗工方式により、基材の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はないが、必要に応じて溶剤を添加してもよい。
本発明においては、このようにして調製された塗工液を、基材の表面に、硬化後の厚さが1〜20μmになるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。硬化後の厚さが1μm以上であると所望の機能を有する硬化樹脂層が得られる。硬化後の表面保護層の厚さは、好ましくは2〜20μm程度である。
本発明においては、このようにして形成された未硬化樹脂層を加熱するか、又は未硬化樹脂層に電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
このようにして、形成された硬化樹脂層には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能などを付与することもできる。
フィルム層31と発泡樹脂層22との接着性が低い場合、例えば上記エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フィルムを用いた場合は、必要に応じて両層間に接着剤層40を設けることが好ましい。接着剤層40に用いられる接着剤としては、特に制限はないが、本発明の製造工程より感熱接着剤が好ましい。感熱接着剤とは、一般に常温では固体であり、加熱により溶融又は軟化して接着性を発現し、冷却すると固化して強固に接着する性質を有する熱可塑性樹脂を主要成分とする接着剤のことをいう。これを適当な溶剤に溶解、もしくは加温により溶融させて、被接着体の一方又は両方の接着面に塗布し、両者を重ね合わせて加熱加圧することにより接着させるものである。具体的には、(メタ)アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、ポリエステル系、ポリアミド樹脂系、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン共重合体樹脂、塩化酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、オレフィン−αオレフィン共重合体樹脂等の易接着樹脂単体、及びオレフィン樹脂や発泡樹脂組成物の主成分となる熱可塑性樹脂、フィルム層の主成分となる熱可塑性樹脂とのブレンド品が挙げられる。
接着剤層40は、層間接着力の向上を図ることを目的に、上記及び図1に示すように発泡樹脂層22とフィルム層31との層間に設ける他に、必要に応じて裏打ち材21と発泡樹脂層22との層間に設けることもできる。また、接着剤層を設ける以外に、層間接着力を向上させるために、所望により、片面または両面に酸化法や凹凸化法などの物理的または化学的表面処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
また、層間接着力の強化の目的で、必要に応じて表面保護層32とフィルム層31との層間及び発泡樹脂層22とフィルム層31との層間にプライマー層を形成する等の処理を施すこともできる。
本発明の壁紙は、意匠性に優れた壁紙とするために、エンボス加工による凹凸模様が施される。該エンボス加工は基材シート20における発泡樹脂層22の表面側、すなわち表面保護シート側から施される。この凹凸模様は基材シート20に設けられ、その後、表面保護シート30を積層することができ、また、基材シート20に表面保護シート30を積層した後に、表面保護層側から発泡樹脂層にかけて凹凸模様を設けることもできる。意匠性の点からは、図1に示すように、基材シートに表面保護シートを積層した後に凹凸模様50を設ける方が好ましい。
さらに、意匠性に優れたシャープな凹凸模様を得る観点より、フィルム層31と表面保護層32とからなる表面保護シート30の引張伸度(縦方向)は30%以上であることが好ましい。該引張伸度(縦方向)が30%以上であれば、エンボス加工により凹凸模様を形成する場合、表面保護層32に微小の亀裂が発生し、耐汚染性等の表面物性を著しく低下させることはない。
ここで、引張伸度(縦方向)とは、前記表面保護フィルムを縦方向に引っ張る前の長さと引っ張った後の長さの割合(%)のことをいう。
本発明の凹凸模様50は、製造過程にある壁紙がいずれかの手段によってエンボス可能な温度となっているときに、表面保護層32の上面、すなわち最外層側からエンボスロール又はエンボス版で加熱加圧することにより形成することができる。凹凸模様50の形成には、周知の枚葉、もしくは輪転式のエンボス機が用いられ、凹凸模様50の形状としては、木目版導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
なお、前述の基材シート20に凹凸模様を設け、その後、表面保護シート30を積層する場合にも、同様に、エンボス可能な温度となっているときに、発泡樹脂層の表面側からエンボスロール又はエンボス版で加熱加圧することにより形成することができる。
本発明の壁紙は、例えば以下の製造方法によって製造される。
熱可塑性樹脂からなるフィルム層31の一方の面に電離放射線硬化性樹脂を塗工し、他方の面に必要に応じて接着剤及び/又はプライマー層を構成する樹脂を塗工し、さらに所定の電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を硬化させて表面保護シート30を得る。また、裏打ち材21上に発泡剤、無機充填剤、その他添加剤を必要に応じて含む熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂組成物をコンマコーター法にてコーティングし、さらに絵柄層23を印刷塗工した後、加熱発泡炉を用いて250℃程度で前記発泡樹脂組成物を発泡させて発泡樹脂層22を形成させて基材シート20を得る。次いで、該基材シート20を冷却した後、150℃程度まで再加熱してから、前記表面保護シート30の最外層側よりエンボス版が形成された冷却ロール(表面保護シート30側)と加圧ロール間を通すことで両シートを熱圧着し、かつ凹凸模様50を形成する。その後、冷却することで、表面保護層32の最外層側から発泡樹脂層22にかけて凹凸模様50を形成した本発明の壁紙を得ることができる。なお、前記のように、プライマー層33及び接着剤層40は必要に応じて、所望の層間に設けることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
各実施例で得られた化粧シートについて、以下の方法で評価した。
(1)湿潤強度
JIS P−8135に準拠して測定した。
(2)水中伸度
JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.27:2000に準拠して測定した。
(3)柔軟性の評価
各実施例及び比較例にて製造された壁紙の裏面に、糊付け機(ヤヨイ化学工業(株)製)を用いて、市販の壁紙用接着剤(ヤヨイ化学工業(株)製「ルーアマイルド」)を120g/m2塗布し、接着面同士を貼り合わせて折りたたんだ。折りたたみ部分を圧着し、15分間放置した後の該折りたたみ部分の浮き(mm)を測定した。
(4)カール性の評価
上記柔軟性の評価方法と同様にし、15分間放置後の壁紙の端部の浮き(mm)を測定し、これをカール性の評価とした。
実施例1
裏打ち材21として、米秤量60g/m2、湿潤強度0.37N/m、水中伸度1.07%に調整した裏打紙を用い、該基材上に下記の組成で発泡樹脂組成物を作製し、該組成物をコンマコート法によりコーティングし、さらにアクリル系樹脂をバインダーとし、カーボンブラックと弁柄を着色剤とするインキを用いて、塗工量3g/m2のグラビア印刷にて施して絵柄層23を形成した。
上記とは別に、フィルム層31として予め接着剤が塗工されたエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂((株)クラレ製、エバールフィルムHF−ME(厚み:12μm)、エチレン含有量44mol%)を用い、該フィルム層31の上面(接着剤が塗工されていない側)にウレタンーアクリル共重合体樹脂を塗工量2.0g/m2でグラビア印刷してプライマー層33を形成し、その上に下記組成の電離放射線硬化性樹脂を塗工量2.0g/m2でグラビアオフセットコータ法により塗工した。塗工後、加圧電圧125kV、照射線量30kGy(3Mrad)の電子線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させて表面保護層32を形成し、表面保護シート30を得た。
上記の絵柄層23を施し、発泡樹脂組成物をコーティングして得られた裏打ち材21を、加熱発泡炉を用いて230℃で発泡樹脂組成物を発泡させて発泡樹脂層22を形成させて基材シート20を得た。次いで、該基材シート20と上記で得られた表面保護シート30とを同時にエンボス型が形成された冷却ロールと加圧ロールの間を通し、エンボス賦型をしながら熱圧着させることにより、表面に凹凸模様を有する壁紙1を得た。
発泡樹脂組成物組成
塩ビレジン(東ソー(株)製、商品名:R−720):100質量部
炭酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名:ホワイトンH):100質量部
発泡剤(大塚化学(株)製、商品名:ユニフォームAZウルトラ):3質量部
防カビ剤(タイショウテクノス(株)製、商品名:ビオサイト7663DS):0.2質量部
光安定剤(アデカアーガス化学(株)製、商品名:O−1305):5質量部
希釈剤(シェル社製、商品名:シェルゾールS):20質量部
可塑剤(フタル酸ジイソノニル):38質量部
電離放射線硬化性樹脂組成
6官能ウレタンアクリレート:80質量部
3官能ウレタンアクリレート:20質量部
シリカ(粒径約3μm):20質量部
2官能シリコーンメタクリレート:2質量部
得られた壁紙について上記方法にて評価した。評価結果を第1表に示す。
実施例2、3、比較例1及び2
実施例1の裏打ち材に代えて、第1表に示す湿潤強度及び水中伸度を有する裏打ち材を用いたこと以外は実施例1と同様にして壁紙を作製した。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
Figure 2008081869
*1 得られた壁紙に糊を塗布する際に、壁紙を引っ張ることによって壁紙が破れ、均一に糊を塗工することができなかった。
本発明によれば、柔軟性が高く、施工時にカールすることのない施工性に優れた壁紙及びその製造方法を提供することができる
本発明の壁紙の断面を示す模式図である。
符号の説明
1.壁紙
20.基材シート
21.裏打ち材
22.発泡樹脂層
23.絵柄層
30.表面保護シート
31.フィルム層
32.表面保護層
33.プライマー層
40.接着剤層
50.凹凸模様

Claims (7)

  1. 裏打ち材上に発泡剤及び無機充填剤を含む熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂層と、絵柄層とを順に積層した基材シートを有する壁紙であって、発泡樹脂層の表面側から凹凸模様が施され、裏打ち材の湿潤強度が0.20〜0.70N/mであり、かつ水中伸度が1.6%以下であることを特徴とする壁紙。
  2. 前記発泡樹脂層を構成する熱可塑性樹脂が塩化ビニル樹脂である請求項1に記載の壁紙。
  3. 前記基材シート上に表面保護シートが積層されており、該表面保護シートが熱可塑性樹脂からなるフィルム層上に表面保護層を積層したものである請求項1又は2に記載の壁紙。
  4. 前記フィルム層を構成する熱可塑性樹脂がエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂である請求項3に記載の壁紙。
  5. 前記表面保護層が電離放射線硬化性樹脂を架橋硬化したものである請求項3又は4に記載の壁紙。
  6. 表面保護層側から発泡樹脂層にかけて凹凸模様が施された請求項3〜5のいずれかに記載の壁紙。
  7. 熱可塑性樹脂からなるフィルム層の一方の面に表面保護層を設け、他方の面に必要に応じて接着剤層を設けた表面保護シートを準備する工程と、湿潤強度が0.20〜0.70N/mであり、水中伸度が1.6%以下である裏打ち材に発泡剤及び無機充填剤を含む熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂組成物を塗工し、その上に絵柄層を設けた後に加熱発泡炉で該発泡樹脂組成物を発泡させて発泡樹脂層とし、基材シートを得る工程と、表面にエンボス型が形成された加圧ロール又は加圧版によって、該基材シートと該表面保護シートとを貼り合わせると同時に、表面保護層側から発泡樹脂層にかけて凹凸模様を形成する工程を含むことを特徴とする壁紙の製造方法。
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