JPH10159000A - 壁紙原紙及びその製造方法 - Google Patents

壁紙原紙及びその製造方法

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JPH10159000A
JPH10159000A JP32761696A JP32761696A JPH10159000A JP H10159000 A JPH10159000 A JP H10159000A JP 32761696 A JP32761696 A JP 32761696A JP 32761696 A JP32761696 A JP 32761696A JP H10159000 A JPH10159000 A JP H10159000A
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JP32761696A
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Akira Yamauchi
昭 山内
Toshio Nishimori
敏夫 西森
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KISHU PAPER
KISHU SEISHI KK
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KISHU PAPER
KISHU SEISHI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙壁紙、織物壁紙、ビニル壁紙等に於いて、
相剥ぎ性が少なくて、オープンタイムの長くとれる壁紙
原紙を経済的に提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明にかかる壁紙原紙は、紙の繊維成
分100重量部に対してラノリンおよび/またはラノリ
ン誘導体を固形分として0.3〜1.0重量部含有さ
せ、繊維に抱水性を付与した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビニル壁紙、紙壁
紙、織物壁紙などに用いられる壁紙原紙に係り、より詳
しくは塗工時の相剥ぎ性が少なくて、オープンタイムが
長くとれる壁紙原紙およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】壁紙の貼り作業は、施工時に水系の糊を
付けてから、糊面を内側にして折り畳み、壁に貼るまで
暫く放置し、その後に、壁貼り作業を行うのであるが、
この貼り上げ完了までにはかなりの時間を必要とする。
【0003】放置時における養生時間をオープンタイム
と言い、このオープンタイムを越えて放置した場合に
は、相剥ぎと呼ばれる現象が生じやすい。この相剥ぎ
は、糊が乾くことにより、折り畳んだ壁紙の裏打紙同士
がくっつき、紙層がはがれる現象をいい、壁貼り作業に
とって大きな障害となる。
【0004】なお、壁紙は大別してビニル壁紙、紙壁
紙、織物壁紙のほぼ三種類があるが、特に紙壁紙ではビ
ニル壁紙に比べて、糊が速く乾きやすいため、相剥ぎが
発生し易く、オープンタイムが短くなり、施工性に劣
る。つまり、ビニル壁紙では表面の塩ビ層がバリヤー層
となり、糊の水分が蒸散しにくくなるが、紙壁紙ではこ
のようなバリヤー層がないために、紙の繊維中に浸透し
た水分がその表面全体から蒸散しやすいためである。
【0005】例えば十数メートルにもおよぶ壁紙を糊付
し、貼り上げを完了するまでにはかなりの時間がかかる
ため、最近のユーザニーズとして、オープンタイムを最
低60分以上取ること、言換えれば60分程度放置して
も相剥ぎが生じない、ことが要求されている。
【0006】この種の問題を解決するため、特に紙壁紙
の場合には、従来から樹脂やラテックスなどで原紙の表
面又は裏面にトップコートを施し、バリヤー層を設ける
などの物性の改善が行われ、ビニル壁紙と同様に、表面
からの水分蒸散を防止し、オープンタイムを確保しよう
としていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の物性改善を行ったとしても、実際には施工現場の温湿
度、日射、通風などの作業環境と、施工する糊の組成、
付着量によりオープンタイムに与える影響が大きいこと
が確認されており、必ずしも十分な効果をあげられてい
なかった。
【0008】つまり、ビニル壁紙を含むいずれの種類の
壁紙であっても、実際のオープンタイムの確保のために
は、現場作業員による糊の付着量調整や、湿度調整など
による面倒な工夫にゆだねられているのが現状であり、
更なる改善が要求されていた。
【0009】また、紙壁紙におけるバリヤー層の加工
は、オフマシン工程で行われるのが普通であり、抄紙機
で抄造し、一旦巻取った壁紙原紙を、再度コーティング
処理工程に回すため、工程増になり、製造コストが高く
なる原因となっていた。
【0010】そこで、本発明者らは、糊中の水分を紙の
繊維内部に取込んで抱水することによって、糊の表面層
の水分が蒸発して皮膜が形成されてもその抱水状態が維
持されるようにすれば、オープンタイムを長く取れるこ
とに着目して、そのような特性を満足する素材およびそ
の配合を検討すべく種々実験を繰返した結果、ラノリン
および/またはその誘導体を紙に含有させることによっ
て、以上の課題に対して卓越した効果をもたらし、しか
も人体に無害であることを知見し、本発明を完成するに
至った。
【0011】本発明は、以上の知見に基づきなされたも
のであって、その目的は、ビニル壁紙、紙壁紙、織物壁
紙などの壁貼り作業時のオープンタイムが長く、作業性
の改善された壁紙原紙を提供するものである。
【0012】また、本発明の他の目的は以上の壁紙原紙
を簡単かつ安価に製造できる方法を提供するものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のうち請求項1記載の発明は、紙の繊維成分
100重量部に対してラノリンおよび/またはラノリン
誘導体を固形分として0.3〜1.0重量部含有させた
ことを特徴とするものである。
【0014】本発明で言うラノリンおよび/またはラノ
リン誘導体とは、例えば、羊毛洗滌時の廃液から回収さ
れるウールグリースを精製したものを言い、化粧品や医
療用テープなどに広く知られており、人の皮膚に馴染み
やすく、肌にしっとりとした潤いを与えるための潤滑性
添加剤として一般に知られているものである。
【0015】また、本発明のうち請求項2記載の発明方
法は、ラノリンおよび/またはラノリン誘導体を、原料
スラリーに内部添加して抄紙するか若しくは塗工液に添
加配合してオンマシンコートすることにより、紙の繊維
成分100重量部(固形分)に対して、該ラノリン又は
/及びラノリン誘導体を0.3〜1.0重量部(固形
分)を含有させることを特徴とするものである。
【0016】本発明で言う、オンマシンコートとは、原
料スラリ−を抄造し塗工するまでの工程を一台の抄紙機
により行うものである。したがって、本発明では抄紙機
により製造され、巻取られた壁紙原紙中にラノリンおよ
び/またはラノリン誘導体が含有されることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】本発明の壁紙原紙は、請求項に記載のごと
く、紙の繊維成分100重量部に対してラノリンおよび
/またはラノリン誘導体を固形分として0.3〜1.0
重量部含有させたものである。
【0019】本発明に使用する原紙は、針葉樹晒クラフ
トパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LB
KP)などの木材パルプを主体に必要に応じて合成繊
維、無機繊維、合成パルプなどを添加したものが使用さ
れる。
【0020】本発明に使用されるラノリンおよび/また
はラノリン誘導体としては、ポリオキシエチレンラノリ
ン,ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコールなどが挙げ
られ、いずれもこれらは、羊毛洗滌時の廃液から回収さ
れるウールグリースを精製したものの中から得られる。
【0021】以上のラノリンおよび/またはラノリン誘
導体を含有させた壁紙原紙にあっては、糊中の水分を紙
の繊維内部に取込んで抱水し、糊の表面層の水分が蒸発
して皮膜が形成されてもその抱水状態が維持されること
になり、オープンタイムを長く取れることになる。
【0022】なお、抱水性とは、紙の繊維成分であるパ
ルプの親水基中に水分子が取込まれ、この状態に保持さ
れることを言い、これによって糊の表面が乾いても相互
の接着性、すなわち相剥ぎ性が防止される。
【0023】また、ラノリンおよび/またはその誘導体
の含有量を限定した理由は、配合量が0.3重量部を下
回る場合には前述の抱水性による効果を十分に発現する
に至らないからであり、逆に配合量が1.0重量部を越
えても抱水性による効果が増加が見られず、経済的でな
く好ましくない。それ故、以上の範囲内に限定される。
【0024】具体的なラノリン含有紙の製造方法は、次
の手順に従って行われる。
【0025】通常の抄紙機において、ミキシングチェス
トなどで原料を調製する時、前記各種パルプを含む原料
スラリーに、通常用いられる填料および/または顔料、
内添サイズ剤を添加した後、ラノリンおよび/またはラ
ノリン誘導体を添加し、更に定着剤、メラミン樹脂又は
エポキシ樹脂と順次添加し、後工程のセーブオールやサ
イロなどで歩留向上剤、消泡剤等を添加して抄紙する。
【0026】若しくは、抄紙工程から連続する塗工工程
に使用されるサイズプレスロール或いはゲートロールな
どにおいて、でんぷん又は/及びポリビニルアルコール
をバインダーとして表面サイズ剤や表面紙力増強剤など
を配合し、含浸塗工して紙を製造しているが、この塗工
液にラノリン又は/及びラノリン誘導体を配合する。
【0027】この塗工液には、壁紙原紙に機能性を付与
するために、アクリルエマルジョン、湿潤強度剤、難燃
剤、防腐・防カビ剤、消泡剤なども必要に応じて、添加
可能である。
【0028】なお、オンマシンコーティングする塗工方
式としては、他にバー塗工、ブレード塗工、エアーナイ
フ塗工等があるが、特に限定されるものではない。
【0029】いずれの方法においても、添加されるラノ
リンおよび/またはラノリン誘導体は、水の存在下では
他の原料スラリーに混合する物質、あるいは塗工液混合
物質に対して親和性があり、抄紙、塗工作業時における
阻害要因とはならない。
【0030】さらに、ロール状に巻取った原紙そのもの
は、通常の原紙と同様にブロッキングがなく、以後通常
の原紙と同様な加工工程を経て壁紙に加工され、製品と
して出荷される。
【0031】例えば、図1(a)は、塩ビ壁紙を示すも
ので、表面にエンボス加工が施された塩ビシート1の裏
面に前記原紙からなる裏打紙2をラミネートしたもので
ある。 また、図1(b)は布壁紙を示すもので、織布
3の裏面に前記原紙からなる裏打紙2をラミネートした
ものである。さらに、図1(c)は表面に印刷が施され
た表装紙4の裏面に前記原紙からなる裏打紙2をラミネ
ートしたものである。
【0032】いずれも、これらはその裏打紙2に糊5を
介して下地壁6に壁貼りされる。なお、この他には皮革
製品を用いた特殊壁紙もあるが、その説明は割愛する。
【0033】以上の加工を施した壁紙は、施工業者によ
り、次のような作業手順によって壁貼りされる。
【0034】壁紙の裁断・・・壁紙の寸法、貼り付け
面積などに応じた寸法に裁断。
【0035】糊の希釈、混合・・・希釈には水を用い
る。希釈率は、湿度などの施工条件によって異なるもの
の、50〜80%である。施工糊は、でんぷん糊だけで
は接着力が低いので、一般に酢酸ビニル樹脂を混合して
使用している。施工業者にとっては、糊代の節約及び仕
上げのスピードアップがポイントで、これらは糊の調合
法と糊の付着量にかかっている。糊の付着量が多いほど
相剥ぎ性は少なくなり、オープンタイムは長くなる。
又、でんぷん糊100%に配合する酢酸ビルニ樹脂の割
合が増すにつれ、相剥ぎ性は大きくなり、オープンタイ
ムは短くなる。水希釈率70%の糊の場合、付着量16
0〜180g/m2でオープンタイムを60分以上とる
には、酢酸ビニル樹脂の配合比は10%を限度とするこ
とが好ましい。
【0036】塗布・・・ロールコータなどを用いて塗
布。
【0037】壁張り作業・・・、脱泡、修正、張りお
こし、隣り合う壁紙同士のカッティング作業を含む。
【0038】養生・・・該当する施工箇所の換気、暖
房などの作業を含む。
【0039】後片づけ 以上の作業のうち、塗布作業終了後から壁張り作業まで
の養生時間がオープンタイムであり、この間の作業によ
って仕上がり外観が左右されるが、裏打紙中に含有され
ているラノリン及び/またはその誘導体により裏打紙に
は抱水性が付与され、これによって十分なオープンタイ
ムを確保でき、安定した施工及び仕上がり外観を確保で
きる。また、抱水性を付与することによるカッティング
性に与える影響はない。
【0040】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、これらに限定されるものではない。また、
例中の濃度は、夫々商品濃度(%)で示す。
【0041】実施例1:基紙は、LBKP60%、NB
KP40%のパルプ配合で抄紙した灰分6%の坪量60
g/m2のサイズプレス水塗り紙を使用した。以下の各
実施例、比較例とも基紙は同じ。酸化でんぷん3%(商
品名:SK−20,日本コーンスターチ製)、スチレン
−アクリルエステル共重合物の表面サイズ剤3%(商品
名:ハマコートS−900G,ミサワセラミックケミカ
ル製)、ポリオキシエチレンラノリン1.0%(商品
名:ソーランA50/50(固形分50%),クローダ
ジャパン製)を配合して成るサイズプレス液を基紙に塗
工量57g/m2で含浸塗工し、オートドライヤーにて
乾燥し、壁紙原紙を得た。
【0042】実施例2:酸化でんぷん3%(商品名:S
K−20,日本コーンスターチ製)、スチレン−アクリ
ルエステル共重合物の表面サイズ剤3%(商品名:ハマ
コートS−900G,ミサワセラミックケミカル製)、
ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール0.5%(商品
名:スクリレート1000(固形分100%)、クロー
ダジャパン製)を配合して成るサイズプレス液を基紙に
含浸塗工し、オートドライヤーにて乾燥し、壁紙原紙を
得た。
【0043】実施例3:酸化でんぷん3%(商品名:S
K−20,日本コーンスターチ製)、スチレン−アクリ
ルエステル共重合物の表面サイズ剤3%(商品名:ハマ
コートS−900G,ミサワセラミックケミカル製)、
ポリオキシエチレンラノリン1.0%(商品名:ソーラ
ンA50/50(固形分50%),クローダジャパン
製)、アニオン性のアクリルエマルジョン10%(商品
名:プライマルHA−24,日本アクリル化学製)とか
らなるサイズプレス液を含浸塗工し、壁紙原紙を得た。
【0044】実施例4:酸化でんぷん3%(商品名:S
K−20,日本コーンスターチ製)、スチレン−アクリ
ルエステル共重合物の表面サイズ剤3%(商品名:ハマ
コートS−900G,ミサワセラミックケミカル製)、
ポリオキシエチレンラノリン1.0%(商品名:ソーラ
ンA50/50(固形分50%),クローダジャパン
製)、難燃剤10%(商品名:CSG、チッソ製)とか
ら成るサイズプレス液を含浸塗工し、壁紙原紙を得た。
【0045】実施例5:NBKP40%,LBKP60
%のパルプスラリーに酸化チタンKD(チタン工業製)
を10%(対パルプ風乾、以下同じ)、表面サイズ剤3
%(商品名:サイズパインE,荒川化学工業製)、ポリ
オキシエチレンラノリン(商品名:ソーランA50/5
0(固形分50%),クローダジャパン製)を2.0
%、アルミン酸ソーダを1.0%、硫酸バンドを3%、
スミレーズレジンAC−8%(住友化学工業製)を10
%を順次添加・攪拌して調製した原料を0.6%濃度に
希釈した後PHを5.0〜5.2に調整して、パールフ
ロックFR−C(星光化学工業(株)製)を0.5%添
加して完成紙料を調製した。
【0046】PH5.0〜5.2に調整した工業水を用
い、タッピーシートマシンにて常法により、70g/m
2の手抄シートを作成した。次に、酸化でんぷんSK−
20(日本コーンスターチ(株)製)3%、ハマコート
S−900G(ミサワセラミックケミカル(株)製)2
%、XコートP−180S(星光化学工業製)2%とか
ら成るサイズプレス液を含浸塗工し、オートドライヤー
で乾燥して手抄きの壁紙原紙を得た。
【0047】比較例1:酸化でんぷんSK−20(日本
コーンスターチ製)3%、ハマコートS−900G(ミ
サワセラミックケミカル製)3%とからなるサイズプレ
ス液を含浸塗工し、壁紙原紙を得た。
【0048】比較例2:実施例3において、ポリオキシ
エチレンラノリンを使用しないサイズプレス液を含浸塗
工し、壁紙原紙を得た。
【0049】比較例3:実施例4において、ポリオキシ
エチレンラノリンを使用しないサイズプレス液を含浸塗
工し、壁紙原紙を得た。
【0050】比較例4:実施例5において、ポリオキシ
エチレンラノリンを添加しない原料で、実施例5同様に
手抄シートを作成し、サイズプレス液を含浸塗工し、壁
紙原紙を得た。
【0051】以上の実施例、比較例に従って製作した壁
紙原紙について実施した相剥ぎ性、湿潤強度、層間強
度、水中伸度、サイズ度などの紙の物性、塩ビ発泡性、
刃切れ適性、接着性を比較したところ、図2に示す結果
を得た。
【0052】なお、各性能試験の方法と評価方法を以下
に説明する。
【0053】(1)相剥ぎ性 施工糊Aは、でんぷん糊(商品名:シンコール糊、シン
コール製)100重量部に対し、水70重量部を混合調
製する。更にこの糊85重量部に対し、酢酸ビニル重合
体エマルジョン(商品名:エスダイン#1500W,積
水化学工業製)15重量部を混合して調製した。施工糊
Bは、でんぷん・酢酸ビニル樹脂混合糊(商品名:アミ
ノールUP,ヤヨイ化学工業製)100重量部に対し、
水70重量部を混合して施工糊Bを調製した。この施工
糊A又はBをアプリケータを用い、所定寸法の壁紙原紙
(幅150mm×長さ250mm)の表面に160〜180
g/m2塗工した後、糊面を内側にして折り畳み、室温
で放置して所定時間後に約30mm剥がすが、この時に紙
層の剥がれの有無を観察する。
【0054】相剥ぎ性の評価は、◎は両耳部に紙層の剥
がれが全くない場合、○はいずれかの片耳部に一部剥が
れがあるが問題ないもの、△はいずれかの片耳部に半分
以上剥がれがある場合、×は両耳部とも全面に紙層の剥
がれがある場合を示す。この相剥ぎが起こらない養生時
間(オープンタイム)の3倍の時間をビニル壁紙製品に
相当するオープンタイムとした。
【0055】(2)紙の湿潤強度、層間強度、水中伸
度、サイズ度の物性評価 壁紙原紙を20℃、65%RH室で24時間調湿した
後、夫々JIS法に従い測定した。
【0056】(3)塩ビ発泡性 あるコンバーターが使用している塩ビペーストをアプリ
ケータで塗工する。150℃、25秒でゲル化させ、次
に215℃、60秒で発泡させる。この発泡層の表面の
肌の状態を観察する。良好、普通、不良の3段階で評価
した。
【0057】(4)刃切れ適性 塩ビペーストを塗工し、発泡させた壁紙に施工糊Aを1
60〜180g/m2塗工し、30分のオープンタイム
を取った後、ベニヤ合板に2枚重ねで貼り付ける。その
後、金尺を当てカッターナイフで垂直方向に、5箇所一
文字に切る。裏打ち紙のパルプ繊維がつづれていないか
観察する。良好、普通、不良の3段階で評価した。
【0058】(5)接着性 JIS A6921『壁紙』の4.4.4「施工性試
験」の方法に準拠して試験片に施工糊Aを160〜18
0g/m2塗工し、30分のオープンタイムを取った
後、下地材(厚さ20mmのベニヤ合板)に張り付ける。
張り付け後、2時間・4時間及び24時間後の接着状態
を観察する。評価は、良好、普通、不良の3段階で実施
した。
【0059】この結果、本発明の壁紙原紙は、図2に示
す結果からも明らかなように、塩ビ発泡性、刃切れ適
性、接着性などを損なうことなく、オープンタイムが長
く取れることが判明した。
【0060】
【発明の効果】以上のように本発明による壁紙原紙にあ
っては、ラノリン又はラノリン誘導体を通常の抄紙機に
於いてミキシングチェストなどに内添するか、又はサイ
ズプレスロール液に添加して抄紙することにより、オー
プンタイムが長く、施工性に優れた壁紙原紙を安全に、
経済的に提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本発明の原紙を裏打紙とした
各種壁紙の断面図である。
【図2】実施例と比較例における紙面結果を表にして示
す図である。
【符号の説明】
1 塩ビシート 2 裏打紙 3 織布 4 表装紙 5 糊 6 下地壁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙の繊維成分100重量部に対してラノ
    リンおよび/またはラノリン誘導体を固形分として0.
    3〜1.0重量部含有させたことを特徴とする壁紙原
    紙。
  2. 【請求項2】 ラノリンおよび/またはラノリン誘導
    体を、原料スラリーに内部添加して抄紙するか若しくは
    塗工液に添加配合してオンマシンコートすることによ
    り、紙の繊維成分100重量部(固形分)に対して、該
    ラノリン又は/及びラノリン誘導体を0.3〜1.0重
    量部(固形分)を含有させることを特徴とする壁紙原紙
    の製造方法。
JP32761696A 1996-11-22 1996-11-22 壁紙原紙及びその製造方法 Pending JPH10159000A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008081869A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Dainippon Printing Co Ltd 壁紙
JP2012012760A (ja) * 2011-10-12 2012-01-19 Dainippon Printing Co Ltd 壁紙

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