JP2008081003A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグ装置の展開性能の向上を図るのに有効な技術を提供する。
【解決手段】展開してシート1に着座した乗員2の頭部2Aを拘束するエアバッグ11と、このエアバッグ11に圧力流体を供給するインフレータ13と、エアバッグ11を折り畳んで収納するリテーナ12とを有し、このリテーナ12は、後方側に位置し、上方側に開口部を備え上記エアバッグ11を収納するリテーナ本体28と、上記リテーナ本体28の開口部の前方側を塞ぐように位置する蓋板30と、上記リテーナ本体28との間に上記蓋板30を挟み込みつつ上記リテーナ本体28に取り付けられた蓋板押えフレーム46とを有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動車などの車両に装備されるエアバッグ装置に関する。
従来、例えば運転席においてハンドルの回転中心から運転者側に膨張展開する運転席用エアバッグ装置や、インストルメントパネルから助手席側に膨張展開する助手席用エアバッグ等、自動車の衝突時等に乗員の身体を拘束するための各種エアバッグ装置が使用されている。
近年、衝突などによる車体横転や、倒木等の重量物落下等、自動車に大きな外力が加わる大事故が発生した場合、その際の衝撃により乗員の頭上から頭部に衝撃が加わる可能性があることから、このような場合に対応するためのエアバッグ装置が既に提唱されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−37011号公報
上記従来技術においては、基布を結合した袋体から構成されたエアバッグを、車両の座席の背もたれ部(又はヘッドレスト)に収納し、緊急時にインフレータからの圧力流体をエアバッグに供給して膨張させ、乗員の頭部上方へ展開させる基本構成が開示されている。
このエアバッグ装置の最適化を図る上では、エアバッグの展開性能をより円滑にすることが要求される。
そこで本発明は、エアバッグ装置の展開性能の向上を図るのに有効な技術を提供することを課題とする。
上記目的を解決するために、本願の第1発明は、展開して座席に着座した乗員の頭部を拘束するエアバッグと、このエアバッグに圧力流体を供給するインフレータと、前記エアバッグを折り畳んで収納するリテーナとを有し、前記リテーナは、後方側に位置し、上方側に開口部を備え前記エアバッグを収納する収納部と、前記収納部の前記開口部の前方側を塞ぐように位置する撓み部材と、前記撓み部材を前記収納部に取り付ける撓み部材取付手段とを備えることを特徴とする。
本願の第1発明によれば、インフレータから圧力流体が供給されると、リテーナの収納部に折り畳まれて収納されたエアバッグが開口部から上方側に向かって膨出する。このとき、開口部の前方側に位置し、撓み部材取付手段で前記収納部に取り付けられた撓み部材は、エアバッグによって前方に強く押されることにより前方に撓む。これにより、エアバッグは膨張による伸展に伴なってリテーナ内から低抵抗で滑り出ることができ、リテーナから円滑に展開することができる。
本願の第2発明は、第1発明において、前記撓み部材取付手段は、前記収納部との間に前記撓み部材を挟み込みつつ前記収納部に取り付けられた撓み部材取付部であることを特徴とする。
本願の第2発明によれば、収納部が撓み部材取付部を有し、この撓み部材取付部により撓み部材を収納部との間に挟み込むことで、撓み部材を収納部に取り付ける。これにより、開口部の前方側に位置する撓み部材は、エアバッグ膨出時にエアバッグによって前方に強く押されることにより、上記挟み込み位置を支点として前方に撓む。これにより、エアバッグは膨張による伸展に伴なってリテーナ内から低抵抗で滑り出ることができ、リテーナから円滑に展開することができる。
本願の第3発明は、第2発明において、前記撓み部材は、樹脂製の略平板状部材であることを特徴とする。
本願の第3発明によれば、撓み部材が樹脂製の略平板状部材で成形されているので、エアバッグの伸展により自由端となる上方が下部を支点として前方に大きく湾曲変形することができ、その結果、エアバッグがリテーナから円滑に展開することができる。また、撓み部材が樹脂製であることから成形が容易であり、且つ撓み部の重量を軽くすることができる。
本願の第4発明は、第2または第3発明において、前記撓み部材は、撓み変形して他の部分より後方側に突出可能な第1挿入片部を備え、前記収納部は、前記第1挿入片部を挿入するための被挿入部を備え、前記撓み部材取付部は、前記撓み部材の前記第1挿入片部とともに前記被挿入部に挿入され、当該第1被挿入片部を前記収納部に押圧保持する第2挿入片部を備えることを特徴とする。
本願の第4発明によれば、収納部の被挿入部に挿入した撓み部材の第1挿入片部が、ともに被挿入部に挿入された撓み部材取付部の第2挿入片部により押圧保持されることで、撓み部材が収納部に組みつけられるので、組立性が容易となる。
第5の発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記撓み部材取付部は、前記エアバッグを前記リテーナに固定するためのバッグ押さえ部を有することを特徴とする。
第5の発明によれば、撓み部材取付部が有するバッグ押さえ部でエアバッグをリテーナに固定するので、例えば別途固定具を用いてエアバッグをリテーナに固定する構造に比べ、固定具が不要となり、部品数を低減することができる。
本発明によれば、エアバッグ装置の展開性能の向上を図るのに有効な技術を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明のエアバッグ装置の一実施形態を備えた自動車シート1の概略側面図であり、図1(a)はエアバッグ装置の非作動時、図1(b)はエアバッグ装置の作動時を示している。上記シート(座席)1は、乗員2が着座する座部1Aと、着座した乗員2の背を支える、座部1Aから上方に突出した背もたれ部1Bとを備えている。背もたれ部1Bの頂部には、ヘッドレスト1Cが取付けられている。
上記シート1は、事故による車体横転時等に乗員2の頭部2Aを拘束するためのエアバッグ装置10を上記背もたれ部1B内に装備している。このエアバッグ装置10は、図示しない第1パネル、第2パネルを縫製結合した袋体から構成され、膨張時において乗員2の頭部2A上方へ展開するように設けたエアバッグ11と、上記エアバッグ11が折り畳まれた状態で収納されるリテーナ12と、上記エアバッグ11を膨張展開させるためのガス(圧力流体)を供給するインフレータ13(図2参照)とを備えている。
また、上記シート1は、サイドプレート14A及びクロスメンバー14B等からなりシート1の骨格を形成するシートフレーム14を内部に有しており、上記リテーナ12及びインフレータ13は、上記シートフレーム14に設けられている(後述の図2参照)。なお、上記インフレータ13は、図示しない制御ユニットの制御によって点火される。
図1(a)に示すように、平常時にはエアバッグ11はリテーナ12内に折り畳まれた状態で収納されている。一方、例えば自動車が横転した場合等には、図示しない制御ユニットによりエアバッグ装置10のインフレータ13が点火され、図1(b)に示すように、エアバッグ11が膨張して自動車のルーフ3と乗員2の頭部2Aとの間に展開する。このとき、エアバッグ11はサブバッグ(図示せず)の働きにより乗員2の頭部2Aを前方へ押しやるように膨張し、乗員2の頭部2Aを前屈させて首部への負担を軽減できるようになっている。
図2は図1のエアバッグ装置をシートフレームに取付けたところを示す斜視図である。なお、この図2では煩雑防止のため取付部M(後述)の図示を省略するとともに、リテーナ12、インフレータ13及びパイプ部材20等の形状を簡略化して図示している。
図2において、上記シートフレーム14は、シート1の背もたれ部1B(図1参照)内における車幅方向両側(図2中左右方向両側)に設けられた一対のサイドプレート14A,14Aと、これらサイドプレート14A,14A間に略車幅方向に沿うように延設され、当該サイドプレート14A,14Aを接続するクロスメンバー14Bとを有している。上記サイドプレート14A,14A及びクロスメンバー14Bは、ともにシート1の背もたれ部1B内に設けられている。なお、特に図示はしないが、シートフレーム14は座部1A内に設けられたベースプレートも有している。
エアバッグ11の基端側(インフレータ側)には、インフレータ13とパイプ部材20を介して接続されるガス供給口11aと、このガス供給口11aの両側に位置する取付片11b,11c(後述の図5参照)とが設けられている。この取付片11b,11cには、エアバッグ11及びリテーナ12を固定するための取付ボルト21aを挿通させるボルト孔22,22(後述の図5参照)がそれぞれ2箇所ずつ穿設されている。一方、上記リテーナ12には、その車幅方向両側に、リテーナ12を上記シートフレーム14のクロスメンバー14Bに固定するための取付ボルト23を挿通させるボルト孔25(後述の図3等参照)を穿設した取付部12aがそれぞれ設けられ、その下部(インフレータ側)には、上記エアバッグ取付部11b,11cのボルト孔に対応する位置に同様にボルト孔を穿設した取付部12cが設けられている。
複数(本実施形態では4本)の上記取付ボルト21aは、エアバッグ11が折り畳まれリテーナ12に収納された状態でリテーナ取付部12cに穿設されたボルト孔27(後述の図5参照)、エアバッグ取付部11b,11cのボルト孔22及び後述する蓋板押えフレーム46のエアバッグ取付部26の、上記エアバッグ取付部11bのボルト孔22に対応する位置に穿設されたボルト孔(図示せず)にそれぞれ挿通され、ナット15により締結される。これにより、エアバッグ11は、折り畳まれた状態でリテーナ12に固定される。また、複数(本実施形態では2本)の上記取付ボルト23は、リテーナ取付部12a,12bの上記ボルト孔25に挿通された後にクロスメンバー14Bに設けた図示しない締結孔に締結される。これにより、エアバッグ11が折り畳まれた状態で収納されたリテーナ12がクロスメンバー14Bに固定されるようになっている。
上記パイプ部材20は、複数個所(本実施形態では2箇所)が屈曲された例えば金属製のパイプであり、上記リテーナ12の下方に設けられている。このパイプ部材20は、図2に示すように、インフレータ13の上端部に締結等により接続される下方の垂直部20aと、この垂直部20aの上方部から水平後方に屈曲される水平部より同一水平面上で車幅方向に屈曲される横水平部20bと、この横水平部20bから上方に屈曲して略垂直に立上がり上記エアバッグ11のガス供給口11aが被せられて例えば金属製のクランプバンドによってカシメ固定することにより接続される垂直端部20cとから構成されている。このようにして、エアバッグ11とインフレータ13とがパイプ部材20を介して接続されている。
インフレータ13は、上記パイプ部材20のさらに下方に設けられ、取付部材31(図2参照)によって一方側(本実施形態では車幅方向左側)の上記サイドプレート14Aに取り付けられている。上記取付部材31は、インフレータ13を挟み込んで支持する一対の取付プレート31A,31Bを備えており、これら取付プレート31A,31Bは、取付プレート31Aに形成された複数(本実施形態では4つ)のリベット31aが取付プレート31Bの対応する位置に穿設された複数(本実施形態では4つ)のリベット孔に挿通されリベット接続されることにより、インフレータ13を挟んで固定される。そして、取付プレート31Aの一方側(車幅方向右側)端部には略90度折り曲げられて形成された取付部31Cが設けられており、複数(本実施形態では2本)の取付ボルト23(図2参照)がこの取付部31Cに穿設されたボルト孔に挿通されてサイドプレート14Aに設けられた図示しない締結孔にそれぞれ締結されることにより、取付部材31がサイドプレート14Aに固定されるようになっている。この結果、インフレータ13が取付部材31を介してサイドプレート14Aに固定されるようになっている。
なお、インフレータ13と前述した制御ユニット(図示せず)とはケーブルR(後述の図5参照)により接続されており、このケーブルRを介してインフレータ13の点火制御が行われるようになっている。
図3は、インフレータとエアバッグを収納保持するリテーナを上方側から視た全体構造を表す斜視図、図4は同様にリテーナを下方側から視た全体構造を表す斜視図、図5は図1のエアバッグ装置及びそのリテーナの組み立ておよび取付法を示す分解斜視図、図6は図3のA−A断面図である。
この図3〜図6において、リテーナ12は、エアバッグ11を折り畳んだ状態で収納し矩形断面の上方側が開口する収納空間を有する収納フレーム34で形成されたリテーナ本体(収納部)28と、このリテーナ本体28の上方に矩形断面の筒体が一体的に形成されてこの筒体上面に下端に横長の差込み口36を有する膨出係止部(被挿入部)35を形成した収納フレーム34と、上記差込み口36にコ字形の抜き孔38により形成された横長の第1舌片(第1挿入片部)40を下方から差込み係止することで上記収納フレーム34に収納したエアバッグ11が覗く前方側の開口部を塞ぐようにした蓋板(撓み部材)30と、この蓋板30の第1舌片40と共に上記膨出係止部35の開口内に重ねて挿入されることにより上記蓋板30をリテーナ28に押圧保持する第2舌片(第2挿入片部)42が上端に形成され、下端部(インフレータ側)の略中央に上記パイプ部材20の横水平部20bを取り付けるための取付部Mを備えた蓋板押えフレーム(撓み部材取付部)46とから構成されている。
リテーナ本体28は、折り畳んだ状態で収納されるエアバッグ11の背面を支える矩形状の背板33と、上記収納フレーム34と背板33の下部(インフレータ側)が接続されてエアバッグ11の下面を支える2つの支持枠34a(図4参照)と、上記蓋板押えフレーム46の下端に形成された2つのエアバッグ取付部26(図4等参照)に対応するよう上記背板33の下端から下方に延出した2つのリテーナ取付部12cと、これらリテーナ取付部12cより僅か上方にあって車幅方向両側に設けられた取付部12a,12b(図4、図6参照)とから構成されている。
上記蓋板30は、弾性変形可能な合成樹脂製の矩形状の平板で形成されており、下方(インフレータ側)に形成された横長の第1舌片40を、コ字形の抜き孔38から他の部分より裏側(後方側)に向けて撓み変形させた状態で収納フレーム34上面の膨出係止部35の差込み口36に下方から挿入することでエアバッグ11の前面が被われるとともに、このエアバッグ11の表裏両面が上記背板33とこの蓋板30で挟持されるようになっている。
上記の蓋板30は、樹脂製の略平板状部材で成形されているので、重量をより軽くすることができるとともに、上部に幅方向の横長スリットSLが形成されてあるので、蓋板30の板厚方向(曲げ方向)の剛性を下げて撓み方向へのしなやかさを増すことができ、エアバッグの展開をより円滑にすることができる。
上記蓋板押えフレーム46は、側面視L字状に折曲形成されて上面に、上記収納フレーム34の矩形状の投影面積に対応する天板45が形成されており、天板45の上端側両側には上方に延出した突出片44a,44bが形成され、これら突出片44a,44bの内側に形成される切欠き凹部42a,42bの内側には上記膨出係止部35の差込み口36に挿入される両突出片44a,44bより若干短い第2舌片42が延設している。
上記蓋板押えフレーム46の天板45下端の両側には、上記収納フレーム34の高さに対応するように水平に折曲した2つの水平折曲片44c,44dが形成され、両水平折曲片44c,44dの下端には直角に折曲した一対のエアバッグ取付部26,26(バッグ押さえ部)が形成されている。
そこで、エアバッグ装置10を組み立てるには、図5に示すように、先ず、エアバッグ11を折り畳んでリテーナ12内に収容し、リテーナ本体28の底壁となる水平折曲片44c,44dでエアバッグ11の下部を支持し、エアバッグ11のガス供給口11aおよび取付片11b並びに取付片11cを下方に垂下させる。
そして、蓋板30下部に形成した横長の第1舌片40を、リテーナ本体28の収納フレーム34上面の膨出係止部35の差込み口36から挿入したのち、第1舌片40の上面に重ねるように蓋板押えフレーム46の第2舌片42を膨出係止部35内に挿入することで蓋板30の第1舌片40が差込み口36から挿入された第2舌片42により膨出係止部35内に押圧保持される。
次に、エアバッグ11の左の取付片11bを、蓋板押えフレーム46のエアバッグ取付部26によりリテーナ12の取付部12cとの間で挟み、リテーナ取付部12cに設けたボルト孔27およびエアバッグ11の取付片11bに設けたボルト孔22にボルト21aを挿通し、さらに蓋板押えフレーム46のエアバッグ取付部26に設けたボルト孔を挿通させた後、このボルト21aにナット15を螺着して取付部12cに固定する。同様に、エアバッグ11の取付片11cを、蓋板押えフレーム46のエアバッグ取付部26によりリテーナ12の取付部12cとの間で挟み、リテーナ取付部12cの2箇所のボルト孔27およびエアバッグ11の取付片11cに設けたボルト孔22にボルト21aを挿通し、さらに蓋板押えフレーム46のエアバッグ取付部26に設けたボルト孔を挿通させた後、このボルト21aにナット15を螺着して上記取付部12cに固定する。これにより、リテーナ12内へのエアバッグ11の収納が終了する。
一方、インフレータ13に接続される金属製の接続パイプ20の下端を、これに被嵌した接続部16を介してインフレータ13の上端に接続し、接続パイプ20の上方向に折曲した他端は、これにエアバッグ11のガス供給口11aを被せ、その上から金属製のクランプバンドB等を被せてかしめることによって、上記ガス供給口11aと接続する。インフレータ13およびこれに接続した接続パイプ20は、それぞれに取付部材31の半円弧状の2つの取付プレート31A,31Bを被せ、インフレータ13を挟んで固定され、インフレータ13は上記取付部材31を介してサイドプレート14Aに固定される。インフレータ13の後端から引き出された接続端子Rは、前述の図示しない制御回路に接続される。
図7は、エアバッグ装置の作用を示す概略断面図であり、(a)は非作動時、(b)は作動時である。
かくして、エアバッグ装置10が組み立てられ、組み立てられたエアバッグ装置10は、リテーナ本体28左右の取付部12a,12bをボルト孔に挿通したボルト23によりシートフレーム14のクロスメンバー14Bに固定することによって、シートフレーム14の上部に取付けられる。
図7(a)に示すように折り畳んでリテーナ12内に収納したエアバッグ11は、下部を蓋板押えフレーム46の2つの水平折曲片44c,44d(図4参照)に支持され、前方部を蓋板30に接触して、リテーナ12内に位置される。そしてインフレータ13からガスが供給されてエアバッグ11が膨張すると、エアバッグ11によって蓋板30が前方に強く押され、蓋板30が下部を支点として前方に撓む。したがって、エアバッグ11は、膨張による伸展に伴なってリテーナ12内から低抵抗で滑り出ることができ、リテーナ12から円滑に展開することができる(図7(b)参照)。
上記のように構成される本実施形態においては、インフレータ13が作動する際は、例えば自動車が横転した場合等にそれを検知した図示しないセンサからの検知信号に基づいて図示しない制御回路によりインフレータ13に付属のイニシエータを起動させてインフレータ13を点火させる。そしてインフレータ13が点火されると、上記図7(b)に示すようにエアバッグ11が膨張してリテーナ12から前方に伸展すると、このエアバッグ11によって蓋板30が前方に強く押され、この蓋板30が挟み込み位置である下部を支点として前方に撓むので、エアバッグ11は、膨張による伸展に伴なってリテーナ12内から低抵抗で滑り出ることができ、リテーナ12から円滑に展開することができる。
また、本実施形態によれば、上記蓋板30は樹脂製の略平板状部材を用いて成形されているので、エアバッグ11の伸展により自由端となる上方が下部を支点として前方に大きく湾曲変形することで、上記エアバッグ11がリテーナ12から円滑に展開することができる。さらに、撓み部材が樹脂製であることから成形が容易であり、且つ撓み部の重量を軽くすることができる。
また、本実施形態によれば、上記蓋板30は、その第1舌片40がリテーナ本体28の膨出係止部35に挿入されることによりリテーナ本体28に組みつけられるので、組立性が容易となる。
さらに、本実施形態によれば、上記リテーナ本体28の膨出係止部35に挿入された蓋板30の第1舌片40は、この第1挿入片部よりも前方側に位置する蓋板押えフレーム46の第2舌片42によって後方側に押圧保持されるので、上記蓋板30は、下部を支点として上部が前方に撓んでも安定支持される。
また、本実施形態によれば、蓋板押えフレーム46は、エアバッグ11をリテーナ本体28に固定するためのエアバッグ取付部26を有する。これにより、例えば別途固定具を用いてエアバッグ11をリテーナ本体28に固定する構造に比べ、固定具が不要となり、部品数を低減することができる。
なお、蓋板30の撓み方向へのしなやかさは、必要な撓み量と強度とのバランスに基づきそれぞれ適宜の値に設定(言い換えれば形状を決定)すればよい。この際、横長スリットSLは、図示のように横長状のもの1つには限られず、横長穴状のものを上下2段に設けてもよいし、その際各段で長さを異ならせてもよい。さらに、各段について横長状の1つの長穴に代えて、小さな長穴(又は丸穴)を水平に複数個配列してもよい。
また、以上では、蓋板30を軽くするために合成樹脂製のものを用いたが、薄厚の低剛性の板金を用いてもよい。
上述した各実施形態の具体的な構成は、本発明の内容を厳密に限定するものではなく、細部に関しては本発明の趣旨に沿って多様に変更できることはもちろんである。
本発明のエアバッグ装置の一実施形態であって、(a)はエアバッグの平常時、(b)はエアバッグの膨張時を示す自動車のシートの概略側面図である。 図1のエアバッグ装置をシートフレームに取付けたところを示す斜視図である。 インフレータとエアバッグを収納保持するリテーナを上方側から視た全体構造を表す斜視図である。 同様にリテーナを下方側から視た全体構造を表す斜視図である。 図1のエアバッグ装置及びそのリテーナの組み立ておよび取付法を示す分解斜視図である。 図4のA−A断面図である。 図1のエアバッグ装置の作用を示す概略断面図であり、(a)は非作動時、(b)は作動時である。
符号の説明
1 シート(座席)
1B 背もたれ部
2 乗員
2A 頭部
10 エアバッグ装置
11 エアバッグ
12 リテーナ
13 インフレータ
20 パイプ部材
26 エアバッグ取付部(バッグ押さえ部)
28 リテーナ本体(収納部)
30 蓋板(撓み部材)
33 背板
34 収納フレーム
34a 支持枠
35 膨出係止部(被挿入部)
36 差込み口
40 第1舌片(第1挿入片部)
42 第2舌片(第2挿入片部)
46 蓋板押えフレーム(撓み部材取付部)
SL 横長スリット

Claims (5)

  1. 展開して座席に着座した乗員の頭部を拘束するエアバッグと、
    このエアバッグに圧力流体を供給するインフレータと、
    前記エアバッグを折り畳んで収納するリテーナと
    を有し、
    前記リテーナは、
    後方側に位置し、上方側に開口部を備え前記エアバッグを収納する収納部と、
    前記収納部の前記開口部の前方側を塞ぐように位置する撓み部材と、
    前記撓み部材を前記収納部に取り付ける撓み部材取付手段と
    を備えることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 請求項1記載のエアバッグ装置において、
    前記撓み部材取付手段は、前記収納部との間に前記撓み部材を挟み込みつつ前記収納部に取り付けられた撓み部材取付部である
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
  3. 請求項2記載のエアバッグ装置において、
    前記撓み部材は、樹脂製の略平板状部材であることを特徴とするエアバッグ装置。
  4. 請求項2又は3記載のエアバッグ装置において、
    前記撓み部材は、
    撓み変形して他の部分より後方側に突出可能な第1挿入片部を備え、
    前記収納部は、
    前記第1挿入片部を挿入するための被挿入部を備え、
    前記撓み部材取付部は、前記撓み部材の前記第1挿入片部とともに前記被挿入部に挿入され、当該第1被挿入片部を前記収納部に押圧保持する第2挿入片部を備える
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載のエアバッグ装置において、
    前記撓み部材取付部は、前記エアバッグを前記リテーナに固定するためのバッグ押さえ部を有することを特徴とするエアバッグ装置。
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