JP2008078345A - 積層コアの製造方法および積層コアの製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】板状ロール10から送り出される磁性板材1上に樹脂ロール20から送り出される糸状の熱可塑性樹脂2を配置して、上ローラ3及び下ローラ4で挟んで固着し、糸状の熱可塑性樹脂2を固着した磁性板材1を上型5及び下型6により複数個のコア部材に打ち抜き積層し、積層したコア部材同士を加熱により固着するようにする。
【選択図】図1
Description
図1はこの発明の実施の形態1による積層コアの製造装置及び製造方法を示す要部断面図である。厚みが1mm以下の鉄板や電磁鋼板等の磁性板材1を巻いた板材ロール10から磁性板材1を送り出すと共に、同じくロール状に巻かれた一対の熱可塑性樹脂の樹脂ロール20(図1では樹脂ロール20は1個しか示されていないが、紙面垂直方向にもう1個配置されている)から直径約200μmの糸状樹脂2を送り出して磁性板材1上に配置する。磁性板材1と糸状樹脂2は上ローラ3及び下ロータ4で挟持されて送られ、上ローラ3には例えばヒータ(図示せず)を内蔵して加熱するようにしておく。糸状樹脂2の融点にほぼ等しい温度に上ローラ3を加熱しておくことによって、糸状樹脂2は磁性板材1に溶着する。糸状樹脂2が溶着された磁性板材1は、型機構を構成する上型5と下型6の間に搬送されて打ち抜かれる。このようにして、順次、磁性板材1の搬送と型による打抜きを繰り返して、糸状樹脂2が溶着された磁性板材1が積層される。図2(a)は、この場合の磁性板材1の打抜きの様子を示した概念図である。図2(a)の例では、磁性板材1は、ヨーク部1aと、ヨーク部1aから突出したティース部1bと、ティース部1bの先端に位置するティース先端部1cから成る略T字形状のコア部材1Aに打ち抜かれる。また、熱可塑性の糸状樹脂2としては、ナイロン、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンなどの熱可塑性の材料を使用することができる。
実施の形態1では、糸状樹脂2をロール状にして、樹脂ロール20を回転させながら磁性板材1上に配置しているが、図8(a)に示すように、糸状樹脂2をシャトル12に設置して磁性板材1の幅方向にシャトル12を往復動させることにより、糸状樹脂2を磁性板材1に配置することができる。シャトル12は、ガイド13により案内支持され、磁性板材1上で往復動し、ガイド13は磁性板材1の搬送方向に対して斜めまたは直角に配置される。このため、図8(b)に示すように、磁性板材1において糸状樹脂1本当りの接着面積が増え、磁性板材1間の接着力を大きくして、信頼性を向上することができる。また、シャトル12を案内するガイド13は、図8(c)に示すように、シャトル12の周囲を覆う形状のものを準備することにより、例えば、空気流に乗せて飛ばすことにより、シャトル12を往復動させることができる。
実施の形態1では、糸状樹脂2の磁性板材1への溶着は加熱したローラ3で行っているが、糸状樹脂2の全体を磁性板材1に溶着する必要はない。すなわち、糸状樹脂2は、磁性板材1が打抜かれるまでに脱落しなければ良いので、糸状樹脂2は磁性板材1に部分的に固定されているだけで良い。したがって、図9に示すように、レーザ光発射器14からレーザ光を磁性板材1上に照射することによって、短時間で糸状樹脂2の溶着ができる。その結果、磁性板材1の送りを早くして製造に要する時間を短縮することができる。
上記実施の形態では、糸状樹脂2を加熱して磁性板材1に融着させる方法について述べたが、超音波振動により糸状樹脂2を磁性板材1に固着させることもできる。図14に示すように、例えば、下側に配置した振動型ローラ18を超音波振動させることにより、糸状樹脂2と磁性板材1を固着することができる。図15(a)に示すように、被覆材7を形成した上ローラ3を磁性板材1の上面に配置し、上ローラ3に対向する磁性板材1の下面には圧子19と振動子20で構成した振動型ローラ18を取付ける。磁性板材1と糸状樹脂2を上ローラ3と振動型ローラ18で挟んで摩擦させることにより、糸状樹脂2は磁性板材1に固着される。振動子20には、例えば、図15(b)に示したように、積層型の圧電素子やバイモルフ型の振動子を用いることができる。また、振動型ローラ18は、上ローラ3側に取付けても同様の効果を奏する。
実施の形態1では、糸状樹脂2が配置された磁性板材1を打抜き、磁性板材1を積層した後に加熱して糸状樹脂2を溶融し、磁性板材1同士を固着する手法について述べたが、例えば、図16に示すように、下型6内に加熱ヒータ26を埋設することにより、下型6を常時所定の温度に保っておいても良い。下型6に打抜かれた磁性板材1は、下型6からの伝熱によって加熱され、磁性板材1が打抜かれると同時に糸状樹脂2が溶融して磁性板材1を接着することができる。なお、加熱ヒータ26は、図16(b)に示すように、磁性板材1(コア部材1A)の周辺を囲むように埋設しておけば良い。
実施の形態5では、磁性板材1や型を加熱して糸状樹脂2を溶融する手法を示したが、実施の形態4と同様に、超音波振動を利用して磁性板材1を固着することもできる。図21に示すように、下型6の下部に、圧子41、振動子42からなる内蔵型振動子43を配置して、打抜かれた磁性板材1を押付けるようにする。磁性板材1と糸状樹脂2を内蔵型振動子43で振動・摩擦させることにより、糸状樹脂2は磁性板材1に固着される。磁性板材1や型を加熱する必要がないため、付着した熱可塑性樹脂を除去するために必要となる型のメインテナンスや段取り時間を短くすることができる。
実施の形態1では、磁性板材1の片面に糸状樹脂2を配置しているが、図23に示すように、糸状の熱可塑性樹脂を巻いたドーナツ状樹脂ロール50の中心空間部に磁性板材1を搬送配置して、樹脂ロール50を回転させながら、磁性板材1に糸状樹脂2を巻付けることによって、磁性板材1の表裏面に糸状樹脂2を配置することも可能である。図23に示すように、2枚の磁性板材1を同時に搬送し、片方の磁性板材1の表裏面に糸状樹脂2を配置することによって、2枚の磁性板材1を同時に打抜いて積層することができる。図23(b)に示すように、2枚のうち1枚の磁性板材1に糸状樹脂2を配置するだけで、打抜き、積層された2枚の磁性板材1を糸状樹脂2で固着することが可能となる。このように、2枚の磁性板材1を同時に打抜くことにより、磁性板材1のの積層や接着時間を短縮でき、さらに、積層コア100を安価に製造できる。また、磁性板材1が薄くなっても、2枚重ねることによって、磁性板材1の剛性が高まり、打抜き時の塑性変形量を抑制して、寸法精度が良好な積層コア100を製造することができる。
7 被覆材、8 位置決め治具、9 押圧治具、11a ヒータ、
11b 超音波振動子、12 シャトル、13 ガイド、14 レーザ光発射器、
15 滴下治具、16 ヒータ、17 加熱用コイル、18 振動型ローラ、
19 圧子、20 振動子、26 加熱ヒータ、27 加熱用コイル、
100 積層コア。
Claims (22)
- 磁性板材上に熱可塑性樹脂を配置して固着する工程と、上記熱可塑性樹脂を固着した上記磁性板材を複数個のコア部材に打ち抜き積層する工程と、上記積層したコア部材同士を上記熱可塑性樹脂により固着する工程からなる積層コアの製造方法。
- 上記熱可塑性樹脂は糸状樹脂であって、上記糸状樹脂が上記コア部材の全面ではなく部分的に配置されることを特徴とする請求項1に記載の積層コアの製造方法。
- 磁性板材上に熱可塑性樹脂を配置して固着する樹脂固着機構と、上記熱可塑性樹脂を固着した上記磁性板材を複数個のコア部材に打ち抜き積層する上型及び下型からなる型機構からなる積層コアの製造装置。
- 上記熱可塑性樹脂は糸状樹脂であり、上記糸状樹脂が巻かれた樹脂ロールから上記磁性板材上に送り出されて上記磁性板材上に配置されることを特徴とする請求項3に記載の積層コアの製造装置。
- 上記熱可塑性樹脂は糸状樹脂であり、上記糸状樹脂が配置された上記磁性板材は一対のローラにより挟まれて上記磁性板材に上記糸状樹脂が圧着され、少なくとも1個の上記ローラは加熱されていることを特徴とする請求項3に記載の積層コアの製造装置。
- 上記ローラの表面に低表面エネルギの被覆材が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の積層コアの製造装置。
- 上記熱可塑性樹脂は糸状樹脂であり、上記糸状樹脂はシャトルに設置され、上記磁性板材の幅方向に上記シャトルを往復動させることにより、上記糸状樹脂を上記磁性板材に配置させることを特徴とする請求項3に記載の積層コアの製造装置。
- 上記熱可塑性樹脂は糸状樹脂であり、上記磁性板材上に配置された上記糸状樹脂をレーザ光の照射により溶融させて上記磁性板材に固着することを特徴とする請求項3に記載の積層コアの製造装置。
- 上記熱可塑性樹脂は糸状樹脂であり、上記磁性板材上に配置された上記糸状樹脂に部分的に溶剤を滴下して上記磁性板材に固着することを特徴とする請求項3に記載の積層コアの製造装置。
- 上記熱可塑性樹脂は糸状樹脂であり、上記磁性板材上に配置された上記糸状樹脂は、上記磁性板材近傍に配置された加熱体により上記磁性板材に固着することを特徴とする請求項3に記載の積層コアの製造装置。
- 上記熱可塑性樹脂は糸状樹脂であり、上記糸状樹脂が配置された上記磁性板材は一対のローラにより挟まれて上記磁性板材に上記糸状樹脂が圧着され、少なくとも1個の上記ローラは超音波振動されていることを特徴とする請求項3に記載の積層コアの製造装置。
- 磁性板材上に熱可塑性樹脂を配置して固着する工程と、上記熱可塑性樹脂を固着した上記磁性板材を複数個のコア部材に打ち抜き積層すると同時に上記熱可塑性樹脂を溶着して上記磁性板材同士を固着する工程とからなる積層コアの製造方法。
- 上記熱可塑性樹脂は糸状樹脂であって、上記糸状樹脂が上記コア部材の全面ではなく部分的に配置されることを特徴とする請求項12に記載の積層コアの製造方法。
- 磁性板材上に熱可塑性樹脂を配置して固着する樹脂固着機構と、上記熱可塑性樹脂を固着した上記磁性板材を複数個のコア部材に打ち抜き積層すると同時に上記熱可塑性樹脂を溶着して上記磁性板材同士を固着する上型及び下型からなる型機構からなる積層コアの製造装置。
- 上記上型又は下型のいずれか一方に、複数個のコア部材に打ち抜き積層された上記磁性板材を加熱するための加熱体が配設されていることを特徴とする請求項14に記載の積層コアの製造装置。
- 複数個のコア部材に打ち抜き積層された直後にレーザ光を照射して加熱することにより、上記型機構内で上記熱可塑性樹脂を溶融し、上記磁性板材を固着することを特徴とする請求項14に記載の積層コアの製造装置。
- 複数個のコア部材に打ち抜き積層された直後に放電現象によるスパークを発生させることにより、上記型機構内で上記熱可塑性樹脂を溶融し、上記磁性板材を固着することを特徴とする請求項14に記載の積層コアの製造装置。
- 上記下型内に振動子を配設し、複数個のコア部材に打ち抜き積層された上記磁性板材を超音波振動させることにより、上記型機構内で上記磁性板材に固着することを特徴とする請求項14に記載の積層コアの製造装置。
- 2枚の磁性板材を同時に搬送し、上記2枚の磁性板材のうち少なくとも1枚の磁性板材に熱可塑性樹脂を配置して上記2枚の磁性板材を固着し、上記2枚の磁性板材を打抜き積層することを特徴とする請求項1に記載の積層コアの製造方法。
- 2枚の磁性板材を同時に搬送し、上記2枚の磁性板材のうち少なくとも1枚の磁性板材に熱可塑性樹脂を配置して上記2枚の磁性板材を固着し、上記2枚の磁性板材を打抜き積層すると同時に上記熱可塑性樹脂を溶着して上記磁性板材同士を固着することを特徴とする請求項12に記載の積層コアの製造方法。
- 上記樹脂固着機構は、2枚の磁性板材を同時に搬送し、上記2枚の磁性板材のうち少なくとも1枚の磁性板材に熱可塑性樹脂を配置して上記2枚の磁性板材を固着することを特徴とする請求項3に記載の積層コアの製造装置。
- 上記熱可塑性樹脂は糸状樹脂であり、上記糸状樹脂が巻かれたドーナツ状樹脂ロールからその中心空間部に送り出された上記2枚の磁性板材の少なくとも1枚の磁性板材上に配置されることを特徴とする請求項21に記載の積層コアの製造装置。
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