JP2008078091A - 補強型電解質膜の製造方法およびその製造方法で製造される補強型電解質膜 - Google Patents

補強型電解質膜の製造方法およびその製造方法で製造される補強型電解質膜 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単なプロセスでもってかつ低コストで、薄膜化されかつ高強度化した補強型電解質膜を製造できるようにする。
【解決手段】多孔質補強膜1に電解質樹脂(またはその前駆体)を含浸させてなる補強型電解質膜を製造するに際し、延伸した多孔質補強膜1に電解質樹脂膜3,3を積層した積層体4を作り、それを加熱することにより、電解質樹脂3が多孔質補強膜1に含浸した膜状体10を得る。該膜状体10をテンター式延伸機等で再度延伸して、所望に薄膜化しかつ過去強度化した延伸膜状体20とする。電解質樹前駆体を用いる場合には、延伸膜状体20に加水分解処理を施して、イオン伝導性を付与し、補強型電解質膜とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池で用いられる補強型電解質膜の製造方法と、その製造方法で得られる補強型電解質膜に関する。
例えば固体高分子形燃料電池は、図4に示すように、膜電極接合体(MEA)50を主要な構成要素とし、それを燃料(水素)ガス流路および空気ガス流路を備えたセパレータ51,51で挟持して、単セルと呼ばれる1つの燃料電池52を形成している。膜電極接合体50は、イオン交換膜である電解質膜55の一方側にアノード側の電極触媒層56aと拡散層57aを積層し、他方の側にカソード側の電極触媒層56bと拡散層57bを積層した構造を有する。
電解質膜55としては、電解質樹脂(イオン交換樹脂)であるパーフルオロスルホン酸ポリマーの薄膜(米国、デュポン社、ナフィオン膜)が主に用いられており、電極触媒層56a,56bには、白金担持カーボン等の電極触媒と電解質樹脂とからなる電極材料が主に用いられる。電解質膜55には、前記のように電解質樹脂単独の薄膜が用いられることもあるが、それ単独では十分な強度が得られないことから、多孔質の補強膜(例えば、PTFEやポリオレフィン樹脂等を延伸して作成した薄膜)に電解質樹脂を含浸させて補強型電解質膜とすることが行われる。また、熱的安定性を備えるフッ素型電解質樹脂前駆体を用いて補強膜への加熱溶融含浸処理を行い、その後、電解質ポリマーにイオン交換性を付与する加水分解処理を行うことによって、補強型電解質膜とすることも行われている(特許文献1,2等参照)。
また、特許文献3には、溶融成形可能なフッ素樹脂を製膜し、得られたフィルムを延伸することにより多孔質体とし、該多孔質体の連通孔中にイオン交換樹脂が充填されてなる電解質膜が記載されている。
特開平9−194609号公報 特開2005−162784号公報 WO2004/030132
従来、補強型電解質膜を製造するにあたっては、上記先行技術にも示されるように、補強膜として延伸して多孔質化した補強膜を用い、そこに電解質樹脂を含浸(充填)させている。多孔質補強膜に電解質樹脂を含浸させるには、電解質樹脂を溶媒に溶解させた電解質溶液を多孔質補強膜に塗布し、乾燥させて溶媒を除去するキャスト法や、特許文献2に記載のように、加熱溶融した電解質樹脂を多孔質補強膜へ含浸させる溶融含浸法が知られている。
キャスト法は溶媒を用いる関係から用いる電解質樹脂の選択幅が狭くなるとともに、溶媒を飛ばす処理等の多くの処理工程が必要となる。燃料電池の普及のためには低コスト化が必要であるが、キャスト法による場合には、十分な低コスト化が得られない。溶融含浸法は加熱溶融した電解質樹脂を直接多孔質補強膜に含浸させることができ、少ない工程数で補強型電解質膜とすることができる利点がある。また、溶媒を使用しないことから使用できる電解質樹脂の自由度も大きくなる。そのために低コスト化を期待することができる。しかし、多孔質補強膜にフィルム状電解質樹脂を積層し、後に該電解質樹脂を加熱して多孔質補強膜に電解質樹脂を含浸させる場合には、現存技術では数μmレベルのフィルム状電解質樹脂を安定的に生産することが困難であるために、補強型電解質膜の薄膜化をすることができなかった。また多孔質補強膜に対して予め加熱溶融した電解質樹脂を直接含浸させる場合には、製造安定性・生産性を考慮した装置上の制約から使用するダイのリップクリアランスを極端に狭くすることができず、結果的に補強型電解質膜の薄膜化をすることができなかった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、より簡単なプロセスでもってかつ低コストで、補強型電解質膜の薄膜化と高強度化を可能とする改良された補強型電解質膜の製造方法を提供することを目的とする。また、その製造方法で製造される補強型電解質膜を提供することを目的とする。
本発明は、多孔質補強膜に電解質樹脂を含浸させてなる補強型電解質膜を製造する方法であって、加熱溶融した電解質樹脂を多孔質補強膜へ含浸する含浸工程と、前記含浸工程で得られた膜状体を加熱状態を維持しながら延伸する延伸工程とを少なくとも含むことを特徴とする。
上記の製造方法では、得ようとする補強型電解質膜の膜厚よりも厚い(例えば50μm程度)多孔質補強膜を出発物質として用い、それに加熱溶融した電解質樹脂を含浸させる。そのために含浸工程での多孔質補強膜のハンドリングは容易である。厚さが厚く延伸が十分でないために、多孔質補強膜の分子配向度は低く、この時点では、電解質樹脂を含浸した膜状体は強度的に十分ではない。本発明による製造方法では、含浸工程で得られた膜状体に対して、加熱状態を維持しながら再度延伸処理を行う。それにより、所望の延伸度が得られて膜状体は薄膜化するとともに、延伸による分子の高配向により高強度化も達成される。
前記含浸工程は、予め加熱溶融させた電解質樹脂を多孔質補強膜に直接含浸させる方法により行うこともできる。また、1枚または1枚以上の多孔質補強膜に1枚または1枚以上の電解質樹脂膜を積層する積層工程を前工程として行い、そこで得られた積層体を加熱することによって電解質樹脂膜を加熱溶融した状態とし、含浸させるようにしてもよい。いずれの場合も、含浸処理時の温度環境は、電解質樹脂の融点以上であり多孔質補強膜の融点以下の温度である。
前記含浸工程で得られた膜状体に対して加熱状態を維持しながら延伸処理を行うには、所望の温度環境を保持できることを条件に、従来の延伸機をそのまま用いることができる。
後の実施例に示すように、本発明の製造方法によって得られる補強型電解質膜は、従来法で得られる補強型電解質膜とほぼ同等のイオン伝導度を示し、かつ高い膜引っ張り強度を持つ。
本発明において、出発材料として用いる多孔質補強膜は、従来の補強型電解質膜で使用されている多孔質補強膜をすべて用いることができ、好ましくはPTFE多孔質膜あるいは超高分子ポリエチレン樹脂多孔質膜が挙げられる。延伸の容易性からPTFE多孔質膜は特に好ましい。
本発明において、多孔質補強膜に含浸する電解質樹脂は、従来の電解質膜で用いられている電解質樹脂をすべて用いることができる。含浸工程で得られた膜状体を加熱状態を維持しながら再度延伸する工程を行うので、電解質樹脂として、熱的安定性を備える電解質樹脂前駆体を用いることが好ましい。その場合、延伸後に得られる膜状体(樹脂含浸多孔質膜)に対して、従来知られた方法により電解質ポリマーにイオン交換性を付与する加水分解工程がさらに行われ、補強型電解質膜とされる。
本発明において、含浸工程で得られた膜状体を延伸するには、前記したように、所望の温度環境を保持できることを条件に、従来の延伸機をそのまま用いることができる。延伸は膜状体全体を延伸機で把持して行ってもよく、膜状体における多孔質補強膜のみを把持して行ってもよい。後者の場合も、多孔質補強膜の延伸と同時に電解質樹脂も展開する。なお、延伸は、1軸延伸でもよく、2軸延伸でもよい。2軸延伸の場合には、同時2軸延伸でもよく、逐次2軸延伸でもよい。
多孔質補強膜として、延伸するのに高温環境を必要とする材料を用いる場合には、前記延伸工程は、電解質樹脂の融点以上であり補強膜の融点以下の温度環境において行うことが必要である。例えば、電解質樹脂がフッ素型電解質樹脂前駆体であり、多孔質補強膜がPTFE多孔質膜の場合には、延伸工程時の環境温度は、フッ素型電解質樹脂前駆体の融点である200℃〜220℃以上であり、PTFEファインパウダーの融点である344℃以下の温度とする。この延伸工程は、恒温室内のように上記の温度環境が維持されることを条件に、大気環境下で行ってもよく、不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
本発明によれば、より簡単なプロセスでもってかつ低コストで、薄膜化されかつ高強度化した補強型電解質膜を製造することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施の形態により説明する。図1、図2、図3は、本発明による補強型電解質膜製造方法を説明するための模式図であり、それぞれ異なった実施の形態を示している。
図1において、1は多孔質補強膜であり、例えば、PTFEファインパウダーをビード押出しし、それをロール圧延した得られるPTFEテープを、テンター式延伸法等により延伸して得られるものである。厚さは30〜100μm程度である、多孔質補強膜1は多数の連通孔2が形成されている。多孔質補強膜1の両面に、例えば厚さ30〜100μm程度である電解質樹脂膜3,3を積層して積層体4(図1a)とする。
次ぎに、積層体4を、図示しない熱圧プレスにより、電解質樹脂膜3は溶融するが多孔質補強膜1は溶融しない温度、例えば220〜300℃前後の温度で、また3〜10kgf/cm前後の圧力で、所要時間にわたり加熱および加圧する。それにより、電解質樹脂膜3,3が加熱溶融して多孔質補強膜1中に含浸した膜状体10が得られる(図1b)。なお、図示しないが、恒温槽内に積層体4を置くことによっても、樹脂が含浸した膜状体10を得ることができる。
次ぎに、前記膜状体10を樹脂含浸時の加熱状態を維持しながら、テンター式延伸機等を用いて、延伸する(図1c)。図1cにおいて、5は延伸機のチャックであり、膜状体10の4つの縁を把持している。この場合には、同時2軸延伸が行われるが、逐次2軸延伸でもよく、1軸延伸でもよい。延伸により、多孔質補強膜1内に電解質樹脂3が含浸し、また多孔質補強膜1の表面には電解質樹脂3の薄層3aが形成された延伸膜状体20が得られる。延伸膜状体20は全体が薄膜化しているともに、多孔質補強膜1のさらなる延伸により高い分子配向が得られ、高強度化も達成される。延伸膜状体20を延伸機から取り外すことにより、本発明による補強型電解質膜とされる。延伸をどの程度まで行うかは、得ようとする補強型電解質膜に求められる膜厚や強度等を考慮して適宜選択する。
なお、電解質樹脂膜に代えて、例えばフッ素型電解質樹脂前駆体膜4を用いることもできる。その場合には、図1cに示す延伸膜状体20を得た後に、延伸膜状体20を加水分解して電解質膜前駆体にイオン伝導性を付与する加水分解工程を行った後、水洗、硫酸浸漬、乾燥等の処理をすることにより、本発明による補強型電解質膜が得られる。
図2に示す形態は、多孔質補強膜1が2枚用いられ、2枚の多孔質補強膜1、1の間と上下の面に電解質樹脂膜3を計3枚配置して積層体4a(図2a)としている点で、図1の形態と相違する。この積層体4aも、図1に示す積層体4と同様にして加熱加圧されることにより、電解質樹脂は加熱溶融して多孔質補強膜1、1中に含浸し、膜状体10aが得られる(図2b)。図1の場合と同じ多孔質補強膜1および電解質樹脂膜3を用いた場合、膜状体10aの厚さは、前記膜状体10よりも厚いものとなるが、図2cに示すように所望の延伸処理を行うことにより、所望の厚さにまで薄膜化し、かつ高い膜強度を備えた延伸膜状体20aとすることができる。
この態様でも、電解質樹脂膜に代えて、例えばフッ素型電解質樹脂前駆体膜を用いることもできる。その場合には、図1に示した態様と同様に、図2cに示す延伸膜状体20aを得た後に、延伸膜状体20aに、加水分解、水洗、硫酸浸漬、乾燥等の処理をすることにより、本発明による補強型電解質膜が得られる。
図3に示す形態は、多孔質補強膜に対して予め加熱溶融した電解質樹脂(あるいは電解質樹前駆体)を直接含浸させる、いわゆる直接溶融含浸法を採用している点で、図1および図2に示した形態と相違する(なお、この直接溶融含浸法については、本出願と同じ出願人の出願にかかる特願2006−171852号に詳細に示されている)。図3において、1aは帯状の多孔質補強膜であり、図1および図2の態様で使用した多孔質補強膜1をロール上に巻き込んだ原反(不図示)からダイ40に送り込まれる。ダイ40内において、この多孔質補強膜1aに対して加熱溶融した電解質樹脂(あるいは電解質樹脂前駆体)3が圧入含浸され、帯状の膜状体10bとされる。
すなわち、ダイ40は、前記多孔質補強膜1aが通過する膜通過路41と、該膜通過路41を通過する多孔質補強膜1aの両側に位置する対をなす樹脂吐出口42a,42bとを有している。各樹脂吐出口42a,42bは樹脂供給路43a,43bに連通しており、該樹脂供給路43a,43bには、図示しない電解質樹脂の混練押し出し装置から、加熱溶融した電解質樹脂3が所定圧の下で定量供給される。
各樹脂吐出口42a,42bから所定圧で押し出される所定量の溶融電解質樹脂3は、多孔質補強膜1a内に両側から含浸すると共に、当該樹脂3の粘弾性により作られる押し出し力により、樹脂を含浸した多孔質補強膜は帯状の膜状体10bとしてダイ40から押し出される。押し出された帯状の膜状体10bは、加熱状態を維持しながら延伸ロール45さらにテンター式延伸機46を通過することにより、MD方向およびTD方向に所望に延伸されて、所望の厚さにまで薄膜化し、かつ高い膜強度を備えた帯状の延伸膜状体20bとされる。
この態様でも、加熱溶融した電解質樹脂に代えて、例えば加熱溶融したフッ素型電解質樹脂前駆体3を用いることもできる。その場合には、帯状の延伸膜状体20bを、搬送ロール47を介して、加水分解処理層48の中に連続して通過させる。それにより、電解質膜前駆体3にイオン伝導性を付与する加水分解工程が進行する。次いで、イオン伝導性が付与された帯状の延伸膜状体20bに、水洗処理、硫酸浸漬処理、乾燥処理等の処理が施され、本発明による補強型電解質膜とされる。
この態様の場合、ダイ40における膜通過路41の出口部のリップクリアランスを機械加工上の制約から極端に狭くすることができず、ダイから押し出されたままの帯状膜状体10bの薄膜化には限度がある。本発明のように、帯状膜状体10bに再度延伸処理を施すことによって、所望の薄膜化と高強度化が可能となる。
以下、実施例に基づき本発明を説明する。
[実施例1]
(1)厚さ約50μmのPTFE延伸多孔膜(多孔質補強膜)の両面に、厚さ約50μmの電解質樹脂前駆体(高分子鎖末端が−SOF、デュポン社製高分子NE111F)を張り合わせて、230℃、5kgf/cm、15分間、の熱圧プレスを行い、厚さ約110μmの補強型電解質膜前駆体(含浸工程後の膜状体)を得た。
(2)さらに、その補強型電解質膜前駆体を、テンター式延伸機にて、同時2軸で、2倍延伸を230℃で行い、厚さ約30μmの延伸補強型電解質膜前駆体を得た。
(3)延伸加工で得られた延伸補強型電解質膜前駆体を、水酸化ナトリウム、アルコール、水の混合溶液にて、加水分解を行い、高分子鎖末端を−SONaに変換した。イオン交換された純水により洗浄後、1規定の硫酸溶液に浸漬して高分子鎖末端を−SOHに変換し乾燥することで、イオン伝導性を持つ補強型電解質膜を得た。
(4)得られた補強型電解質膜のイオン伝導度(S/cm)を下記の測定方法により測定した。また、JIS−K−7127に準じて膜引っ張り強度(MPa)を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例2]
(1)厚さ約25μmのPTFE延伸多孔膜(多孔質補強膜)2枚と、厚さ約33μmの電解質樹脂前駆体(高分子鎖末端が−SOF、デュポン社製高分子NE111F)を3枚を交互に張り合わせて、230℃、5kgf/cm、15分間、の熱圧プレスを行い、厚さ約110μmの補強型電解質膜前駆体(含浸工程後の膜状体)を得た。
(2)さらに、その補強型電解質膜前駆体を、テンター式延伸機にて、同時2軸で、2倍延伸を230℃で行い、厚さ約30μmの延伸補強型電解質膜前駆体を得た。
(3)延伸加工で得られた延伸補強型電解質膜前駆体を、水酸化ナトリウム、アルコール、水の混合溶液にて、加水分解を行い、高分子鎖末端を−SONaに変換した。イオン交換された純水により洗浄後、1規定の硫酸溶液に浸漬して高分子鎖末端を−SOHに変換し乾燥することで、イオン伝導性を持つ補強型電解質膜を得た。
(4)得られた補強型電解質膜のイオン伝導度(S/cm)を下記の測定方法により測定した。また、JIS−K−7127に準じて膜引っ張り強度(MPa)を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例3]
(1)厚さ約50μmのPTFE延伸多孔膜(多孔質補強膜)を、図3に示した形態の溶融押し出しダイの内部を通過させ、溶融した電解質樹脂前駆体(高分子鎖末端が−SOF、デュポン社製高分子NE111F)と同時にリップクリアランス約100μmのダイ出口から押し出すことにより、厚さ約110μmの補強型電解質膜前駆体(含浸工程後の膜状体)を得た。
(2)さらに、その補強型電解質膜前駆体を、MD方向はロール式延伸にて、TD方向はテンター式延伸にて、逐次2軸で、2倍延伸を230℃で行い、厚さ約30μmの延伸補強型電解質膜前駆体を得た。
(3)延伸加工で得られた延伸補強型電解質膜前駆体を、水酸化ナトリウム、アルコール、水の混合溶液にて、加水分解を行い、高分子鎖末端を−SONaに変換した。イオン交換された純水により洗浄後、1規定の硫酸溶液に浸漬して高分子鎖末端を−SOHに変換し乾燥することで、イオン伝導性を持つ補強型電解質膜を得た。
(4)得られた補強型電解質膜のイオン伝導度(S/cm)を下記の測定方法により測定した。また、JIS−K−7127に準じて膜引っ張り強度(MPa)を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例4]
補強型電解質膜前駆体を、テンター式延伸機にて、同時2軸で、2倍延伸を380℃で行い、厚さ約30μmの延伸補強型電解質膜前駆体を得た以外は、実施例1と同様にしてイオン伝導性を持つ補強型電解質膜を得た。そして、得られた補強型電解質膜のイオン伝導度(S/cm)を下記の測定方法により測定した。また、JIS−K−7127に準じて膜引っ張り強度(MPa)を測定した。その結果を表1に示す。
[イオン伝導度測定法]
飽和含水させた試料(得られた補強型電解質膜)を、1cm(W)×1.5cm(T)の短冊状に切り出し、試料の厚みtを測定する。試料を試料面内方向の伝導度を測定する2端子式の伝導度測定セルに装着する。このセルを常温(25℃)にて、試料にイオン交換水を付着させた状態で、交流インピーダンス法(周波数0.01Hz〜1MHz、印加電圧10mV)により抵抗値Rを測定する。得られた抵抗値Rを以下の式にてイオン伝導度σを導出する。
σ=L/(R×t×W)
σ:イオン伝導度(S/cm)
L:膜長(cm)
R:抵抗(Ω)
t:膜厚(cm)
W:膜幅(cm)
Figure 2008078091
[考察]
表1に示されるように、本発明の製造方法により得られた補強型電解質膜は、高いイオン伝導度を示すとともに、約30μmと所望に薄膜化し、かつ高い膜引っ張り強度も得られている。実施例4では、イオン伝導と膜引っ張り強度が幾分低くなっているが、これは、延伸時の温度が380℃と高く、電解質樹脂前駆体が熱分解して劣化したことに加え、PTFE多孔質補強膜の繊維が溶融温度以上の延伸で破断したためと推測される。
このことから、本発明において、樹脂が溶融含浸した多孔質補強膜に対して再度延伸処理を施すときに、電解質樹脂(前駆体)の融点以上、多孔質補強膜の融点以下の温度環境において行うことは、特に好ましい態様であることがわかる。
本発明による補強型電解質膜の製造方法の一態様を説明するための図。 本発明による補強型電解質膜の製造方法の他の態様を説明するための図。 本発明による補強型電解質膜の製造方法のさらに態様を説明するための図。 固体高分子形燃料電池を説明するための図。
符号の説明
1…多孔質補強膜、3…電解質樹脂(または前駆体)、4…積層体、5…延伸機のチャック、10…加熱溶融した樹脂が含浸した膜状体、20…延伸した膜状体、40…ダイ、45…延伸ロール、46…テンター式延伸機、48…加水分解処理層

Claims (6)

  1. 多孔質補強膜に電解質樹脂を含浸させてなる補強型電解質膜を製造する方法であって、
    加熱溶融した電解質樹脂を多孔質補強膜へ含浸する含浸工程と、前記含浸工程で得られた膜状体を加熱状態を維持しながら延伸する延伸工程とを少なくとも含むことを特徴とする補強型電解質膜の製造方法。
  2. 1枚または1枚以上の多孔質補強膜に1枚または1枚以上の電解質樹脂膜を積層する積層工程をさらに有し、前記積層工程で得られた積層体を加熱することによって前記含浸工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の補強型電解質膜の製造方法。
  3. 前記延伸工程を、電解質樹脂の融点以上であり多孔質補強膜の融点以下の温度環境において行うことを特徴とする請求項1または2に記載の補強型電解質膜の製造方法。
  4. 多孔質補強膜としてPTFE多孔質膜を用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の補強型電解質膜の製造方法。
  5. 電解質樹脂が電解質樹脂前駆体であり、前記延伸工程後の膜状体を加水分解して前記電解質膜前駆体にイオン伝導性を付与する加水分解工程をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の補強型電解質膜の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかの製造方法により製造された補強型電解質膜。
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