JPH11204119A - 固体高分子電解質型燃料電池およびその製造方法 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池およびその製造方法

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JPH11204119A
JPH11204119A JP9366679A JP36667997A JPH11204119A JP H11204119 A JPH11204119 A JP H11204119A JP 9366679 A JP9366679 A JP 9366679A JP 36667997 A JP36667997 A JP 36667997A JP H11204119 A JPH11204119 A JP H11204119A
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JP
Japan
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membrane
film
sulfonic acid
fuel cell
perfluorocarbon sulfonic
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JP9366679A
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Jun Mukoyama
純 向山
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EI Du Pont de Nemours and Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、固体高分子電解質型燃料電池に使
用される固体高分子電解質膜の結晶化度を高め、電池出
力特性に影響する良好な電気抵抗を示しながら、良好で
十分な膜強度、膜耐久性を得ることができることから、
優れた製造・加工性、高寿命及び高出力特性の燃料電池
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 官能基−SO2Fを有するパーフルオロ
カーボンスルホン酸ポリマーの前駆体を用いて、そのE
W及びそのポリマーを溶融処理して製造した膜の膜厚を
管理し、且つ前記製造された膜を一定時間アニールを行
い、結晶化度を高めることによつて、加水分解後の酸型
に転化されたパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜に
良好な膜強度、膜耐久性及び低い電気抵抗を与えること
ができ、よってこのパーフルオロカーボンスルホン酸ポ
リマー膜を電解質膜とする固体高分子電解質型燃料電池
において優れた製造・加工性、高寿命及び電池特性が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、官能基としてスル
ホン酸基またはその塩を有するフッ素化されたイオン交
換ポリマーの膜と、その表面側に形成されている燃料及
び酸化剤から電気エネルギーを直接に発生するための触
媒活性粒子から製造されるガス拡散電極とによって形成
される膜電極接合体を単位電池とし、この単位電池とセ
パーレーターとを交互に積み重ねて構成される固体高分
子電解質型燃料電池及びその製造方法に関するものであ
り、より詳しくは膜厚を管理することによって良好な電
気抵抗を示し、且つ優れた機械的強度を有するイオン交
換ポリマー膜を備えた固体高分子電解質型燃料電池及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体高分子電解質型燃料電池は、互いに
対向して配設されたガス拡散電極のカソード及びアノー
ドと、両電極に接触しながらその間に介在し、イオンを
選択的に通過させるイオン交換膜とから構成される膜電
極接合体によって構成される単位電池を、ガス流通手段
を設けたバイポーラプレートを介して交互に複数個積層
され構成されている。この燃料電池において、水素等の
燃料ガス及び酸素等の酸化剤のそれぞれが、ガス拡散電
極のアノード側またはカソード側に供給されることによ
って起こる電気化学反応を利用して、すなわち燃料が電
気触媒的に酸化されると同時に酸化剤が電気触媒的に還
元されて、化学反応エネルギーが直接電気エネルギーに
変換されることによって発電されるものである。
【0003】ガス拡散電極は、白金、ルテニウム、ロジ
ウム、イリジウム、スズ及びモリブデンならびにそれら
の合金等の触媒を担持させた炭素支持体の表面に、イオ
ン交換ポリマーであるパーフルオロビニルエーテルとテ
トラフルオロエチレンの共重合体からなるパーフルオロ
カーボンスルホン酸樹脂を固定した触媒層からなる。触
媒層は、燃料ガス及び酸化剤ガスに接し易くするよう
に、通常カーボンペーパー等のような多孔質基材の拡散
層上に支持されている。イオン交換ポリマー膜には、カ
ルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基およびフェノール
系水酸基を有するフッ素ポリマーが用いられている。−
SO3H基を有するポリマーに転化される前の−SO2
基を有するポリマーは、フィルムまたは膜の製造工程に
おいては溶融処理可能な前駆体の状態にあり、その際官
能基は−SO2Z(ここでZはFまたはClである)、
好ましくは−SO2Fであり、次に−SO2Z基は加水分
解によって酸型に転化される。一般的には、パーフルオ
ロビニルエーテルとテトラフルオロエチレンの共重合体
からなるイオン伝導性が高いパーフルオロカーボンスル
ホン酸樹脂が好適に採用されている。
【0004】このような共重合体はスルホン酸基または
スルホン酸亜基に変化し得る官能基を有するモノマーと
フッ素化オレフィンモノマーと、あるいは必要ならば他
のモノマーから、一般的に知られている重合方法により
製造することができる。得られた共重合体を用いてイオ
ン交換膜に加工する方法は特に限定されないが、例えば
溶融押出成形法及びキャスト法などが挙げられる(例え
ば、特開平6−192447号公報参照)。
【0005】一般的にこのようにして加工して得られる
膜の厚さは、25〜250μm、好ましくは25〜12
5μmである。本発明と同様の固体電解質型燃料電池に
用いられるイオン交換膜はそのポリマー構造、イオン交
換容量またはEWあるいは膜厚が重要なパラメーターと
して考えられている。ここで、EWとは、スルホン基一
当量当たりのポリマー重量である。このEWが低い場
合、イオン交換膜を構成するポリマーの結晶化度が低い
ため十分な膜強度が得られない。また、膜厚、膜抵抗が
共に大きい場合、その電池の内部での抵抗が増大するこ
とから、それらの大小が電池の出力特性を決定する。
【0006】従来、膜厚を減少させる目的で上記イオン
交換膜を水性溶剤またはその水溶液に浸漬膨潤させた後
に圧延または延伸する加工が提案されている(特開平5
−255522号公報参照)。しかし、イオン交換膜の
電気抵抗を低下させるために膜厚を小さく、あるいはE
Wを低くし(例えば、約800以下)、水性媒質と接触
する際に膨潤する割合を多くすることによって含水率を
高くすることは、膜強度及び膜耐久性に対して必ずしも
有利ではなく、機械的強度、特に引裂強度、クリープ特
性の低下を招く問題があった。反対に、膜厚を大きくし
た場合、電気抵抗が大きくなり、所望の電池出力特性が
得られない。このイオン交換膜に要求される性能特性の
うち膜強度および電気特性が重要である。これら特性
は、そのイオン交換膜の厚さまたは膜を形成するポリマ
ーのEWに依存する。さらに、イオン交換膜内での結晶
化度に関係する。
【0007】本発明は、前記問題点を解決するためにな
されたものであり、本発明の目的は、固体高分子電解質
型燃料電池に使用される固体高分子電解質膜の膜厚を管
理することによって電池性能から要求される電気抵抗を
示し、電池の製造、加工性、寿命に影響する膜強度、膜
耐久性を改善した固体高分子電解質膜が得られ、それを
用いた固体高分子電解質型燃料電池を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、固体高分子電解質型燃料電池
に使用される固体高分子電解質膜の製造工程においてそ
のポリマー前駆体をアニールすることによって、電気抵
抗を小さくするために膜厚を小さくする場合でも良好で
十分な膜強度、膜耐久性を得ることができることから、
用途に応じ最適な電池特性を有する燃料電池を提供する
ことにある。
【0008】本発明の他の目的は、官能基−SO2Fを
有するパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーの前駆
体のガラス転移温度は、正弦的に変化する1MHzの電磁
波によって誘電率を測定し、その測定される誘電率から
決定する方法によると約1℃であり、−SO3H基を有
するポリマーの場合には約100℃である。このような
温度と前記ポリマーが分解を開始する温度とに基づく所
定アニール温度において、前記ポリマーを生成するのに
要する時間内で且つアニールによる効果がみられる時間
で、官能基−SO2Fを有するパーフルオロカーボンス
ルホン酸ポリマーの前駆体をアニール処理することによ
ってポリマーの結晶化度を増大させ、更に加水分解する
ことによって、膜厚が管理され電気抵抗が同じであり、
本願発明に従う処理を実施していない膜に比較して、大
きい膜強度、膜耐久性を与えられた固体高分子電解質膜
が得られ、それを用いた固体高分子電解質型燃料電池を
提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、官能基−SO2Fを
有するパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーの前駆
体をそのガラス転移温度に基づき、それより所定温度高
い温度でアニール処理することによってポリマーの結晶
化度を増大させ、更に加水分解することによって、膜厚
が管理され電気抵抗が同じであり、上記のアニール処理
をしていないものに比べると大きい膜強度、膜耐久性を
与えられた固体高分子電解質膜からなる固体高分子電解
質型燃料電池を製造する方法を提供することにある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記目的を達成するた
めに、本発明は下記の構成もしくは方法を特徴とする。
すなわち、本願の第1の発明に従う固体高分子電解質型
燃料電池の製造方法は、パーフルオロカーボンスルホン
酸重合体の前駆体を約100〜250℃の温度におい
て、少なくとも0.1時間以上アニール処理し、且つ加
水分解によって酸型に転化したパーフルオロカーボンス
ルホン酸膜を生成する工程と、前記生成されたパーフル
オロカーボンスルホン酸膜を触媒活性を示す粒子と該触
媒活性粒子を支持する炭素支持体と前記触媒活性粒子及
び炭素支持体を被うように形成された電解質からなる触
媒層と、前記触媒層と接触する拡散層から構成されてな
る燃料極と酸化剤極の2つの電極の間に保持するように
配置することを特徴とする。
【0011】本願の第2の発明に従う固体高分子電解質
型燃料電池は、パーフルオロカーボンスルホン酸重合体
の前駆体を約100〜250℃の温度において、少なく
とも0.1時間以上アニール処理し、且つ加水分解によ
って酸型に転化したパーフルオロカーボンスルホン酸膜
を生成する工程と、前記生成されたパーフルオロカーボ
ンスルホン酸膜を触媒活性を示す粒子と該触媒活性粒子
を支持する炭素支持体と前記触媒活性粒子及び炭素支持
体を被うように形成された電解質からなる触媒層と、前
記触媒層と接触する拡散層から構成されてなる燃料極と
酸化剤極の2つの電極の間に保持するように配置する工
程とからなる方法により製造されることを特徴とする。
【0012】本願の第3の発明に従う固体高分子電解質
型燃料電池は、触媒活性を示す粒子と該触媒活性粒子を
支持する炭素支持体と、前記触媒活性粒子及び炭素支持
体を被うように形成された電解質からなる触媒層と、前
記触媒層と接触する拡散層から構成されてなる燃料極と
酸化剤極の2つの電極と、この2つの電極の間に保持さ
れるように配置されてなる前記電極と接合して膜電極接
合体を構成する固体高分子電解質膜から構成される固体
高分子電解質型燃料電池において、前記固体高分子電解
質膜が約100〜250℃の温度において、少なくとも
0.1時間以上アニール後、加水分解によって酸型に転
化したパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜であるこ
とを特徴とする。
【0013】すなわち、本願発明に従えば、官能基−S
2Fを有するパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマ
ーの前駆体を用いて、そのEW及びそのポリマーを溶融
処理して製造した膜の膜厚を管理し、且つ前記製造され
た膜を一定時間アニール処理を行い、結晶化度を高める
ことによって、加水分解後の酸型に転化されたパーフル
オロカーボンスルホン酸樹脂膜に良好な膜強度、膜耐久
性及び膜厚管理によって適宜所望の電気抵抗を与えるこ
とができ、よってこのパーフルオロカーボンスルホン酸
ポリマー膜を電解質膜とする固体高分子電解質型燃料電
池において、製造、加工性、寿命に優れ、更には膜強
度、膜耐久性が改善、向上されることから、用途に応じ
て最適な電気抵抗と膜強度を選択するこどかできるため
所望の電池特性を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明による固体高分子電解質型燃料電池の電極
は、前記触媒層と拡散層によって構成される。この触媒
層は、炭素支持体上に白金が備わっている触媒と、溶剤
にパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーを溶解した
溶液とのインク組成物を当該技術分野において公知の塗
布、スプレーまたは他の方法により、カーボンペーパー
またはカーボンクロス等の拡散層上またはイオン交換膜
上にコートして得るか、または白金等の触媒を担持して
いる炭素粉末を当該技術分野で公知の方法を利用して、
あらかじめコートしたものの上に、前記フッ素ポリマー
溶液を塗布またはスプレーすることによって得ることが
できる。前記白金族金属を担持する炭素支持体は、粒子
径が0.01〜数μmの炭素粉末粒子である。この場合、
本発明の固体高分子電解質型燃料電池は、1〜50μm
程度の厚みを有する触媒層を用いることが要求されてい
る。本発明においては、触媒粒子が、触媒層中に約0.
01mg/cm2〜約1mg/cm2及びそれ以上の範囲で堆積さ
れることが望ましい。
【0015】本発明の固体高分子電解質となるイオン交
換膜の官能基を有する成分としては、含むフッ素高分子
を骨格とし、官能基として、スルホン酸基を有するもの
である。一般には、パーフルオロビニルエーテルとテト
ラフルオロエチレンの共重合体からなるパーフルオロカ
ーボンスルホン酸ポリマーが好適に採用されている。本
発明の官能基−SO2Fを有するフッ素化スルホン酸ポ
リマーの前駆体は代表的には官能基または官能基を持つ
ペンダント側鎖が結合しているフッ素化された炭化水素
骨格鎖を有する重合体である。このペンダント側鎖は例
えば
【化1】 である。前記官能基を有するフルオロカーボン重合体を
構成するモノマーであるテトラフルオロエチレンの代わ
りにヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエ
チレン、パーフルオロアルコキシビニルエーテルのよう
なパーフルオロオレフィンを用いることも電気的可能で
ある。共重合後、例えば加水分解等の後処理によってプ
ロトン移動性の官能基へと変換する。一般的に官能基を
有する重合体の当量は、800〜1500の範囲であ
り、好ましくは800〜1200である。当量が120
0より大きいと抵抗が大きくなり性能が低下し、800
より小さいと膜の構造物としての強度低下が大きくな
る。このパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂イオン系
交換ポリマーとしては、米国イー・アイ・デュポン・ド
ゥ・ヌムール・アンド・カンパニーのNAFION(登
録商標)がある。
【0016】このようなポリマーは当該技術分野でよく
知られた方法によって溶融製造されたポリマー膜を成膜
後、ポリマーのガラス転移温度が約100℃となるの
で、約100〜250℃の温度で少なくとも約0.1時
間(h)アニール処理する。前記ポリマー膜の熱分析と
熱分解して発生する気体の同時分析を行なうことができ
るTG/MS(熱重量/質量分析測定)法によって、約
220℃の温度でSO2の発生を観察できる。また、約
250℃を超える高い温度で前記パーフルオロカーボン
スルホン酸樹脂イオン系交換ポリマーの末端官能基が脱
離する不都合がある。本発明においてアニール温度は約
100〜250℃の範囲内であり、更に約150〜22
0℃の温度範囲が好ましい。所要のアニール時間は、少
なくとも0.1時間であり望ましくは1時間以上が良
く、0.1時間未満では結晶化度を高める実質的効果が
得られない。
【0017】この様に十分な結晶化度が与えられたフッ
素化ポリマー膜を例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化
カリウムの約70〜90℃に暖められた加水分解浴中で
加水分解することによって、官能基がそれぞれナトリウ
ム塩またはカリウム塩に変換し、更に硝酸または硫酸に
よってスルホン化してイオン化できる官能基へ変換され
る。アルカリ性の加水分解が好ましく、イオン化できる
官能基への変換がより速く完全に行われる。上記の様に
温められた加水分解浴の使用は迅速な加水分解を行うた
めに有効である。更に、ジメチルスルホキシドのような
水と親和性の有機化合物を含むことは、膜を膨潤させ、
そして加水分解の速度を増加するために有利となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (測定方法) 1.膜強度(引裂強度) エルメンドルフ引裂法に準じて、試験片をエルメンドル
フ引裂試験機を用いて試験片が引裂かれるときの最大応
力を測定する。 2.電流電圧値サーペンタイン型の溝を有し、電極面積
が25cm2であるカーボンブロックと 面ヒーターを使用した実験用燃料セル内に実施例及び比
較例において製造されたフッ素化イオン交換膜片を固定
し、50℃のもとで外部供給源からそれぞれ燃料ガスと
して水素ガスを、酸化剤ガスとして酸素を供給して運転
し、この膜電極接合体の電圧と電流密度を測定する。
【0019】実施例1 スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体の前
駆体で末端基−SO2Fを有するフッ素化重合体から溶
融製造した膜厚25μmの膜を成形し、そして200℃
で1時間、窒素パージした真空オーブン中でアニールし
た。このようにして得られた膜の引裂強度が340gf/
mmであつた。このアニールされたフッ素化ポリマー膜を
水酸化カリウムと1−メトキシプロパノール溶液中で8
5℃で1時間加水分解した。その結果得られた末端がカ
リウム塩となったフッ素化ポリマー膜を10%硝酸中で
スルホン酸化を行い固体高分子電解質型燃料電池の電解
質膜として使用できる陽イオン交換膜を製造した。この
ようにして得られた膜を、E−TEK社製電極(炭素支
持体上の白金担持量0.5mg/cm2)に、炭素担持体に水
とエチルアルコールとの混合溶媒とプロトンを選択的に
透過するイー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アン
ド・カンパニー製のNAFION(登録商標)溶液を、
例えばはけ処理または噴霧によって塗布し、十分に乾燥
した後、この電極層とパーフルオロビニルエーテルとテ
トラフルオロエチレンの共重合体からなるイオン交換膜
として、本実施例で製造された電解セル寸法のイオン交
換膜試験片とによつて、135℃、50kg/cm2、2分
間の条件で電極層と膜とを熱圧着し膜電極接合体を作製
した。この膜電極接合体が内部に固定された、サーペン
タイン型の溝を有し、電極面積が25cm2であるカーボ
ンブロックと面ヒーターを使用した実験用燃料セル内
を、50℃のもとで外部供給源からそれぞれ燃料ガスと
しての水素ガスを、酸化剤ガスとして酸素を供給して運
転し、この膜電極接合体の電圧と電流密度を測定する。
その結果を図1に報告する。
【0020】実施例2 実施例1に使用したと同一のフッ素化ポリマーを用い
て、溶融処理で製造、成形した膜を150℃、1時間の
条件でアニールし、実施例1と同じ加水分解を行うこと
によってイオン交換ポリマー膜を得た。この膜の引裂強
度を測定すると、182gf/mmであった。得られた膜の
試験片について実施例1と同様に、この膜を用いた電極
接合体の電圧と電流密度の測定を行った。その結果を図
1に示す。
【0021】比較例1 実施例に使用したと同一のフッ素化ポリマーを用いて、
溶融処理で製造、成形した膜をアニールすることなく、
実施例と同じ加水分解を行うことによってイオン交換ポ
リマー膜を得た。この膜の引裂強度を測定すると、15
7gf/mmであった。得られた膜の試験片について実施例
と同様に、この膜を用いた電極接合体の電圧と電流密度
の測定を行い、その結果を図1に示す。
【0022】図1に、本発明の実施例及び比較例の膜電
極接合体の電圧−電流特性を示し、発明の実施例及び比
較例のパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜を用いた
膜電極接合体の電流密度1.5A/cm2において、電池電
圧0.35Vと同じとなり、上述の通り膜厚が同じであ
るために電気抵抗値もほぼ同じとなる。一方、本願発明
に従ってアニールしたパーフルオロカーボンスルホン酸
樹脂膜がアニールしていない膜に比べると引裂強度が改
善、向上されていることが分かった。このことから、膜
強度を一定にすると電気抵抗を更に低くする必要がある
場合に膜厚を小さくすることもできる。
【0023】すなわち、本発明になる固体高分子電解質
型燃料電池は、その構成要素の固体高分子電解質膜をア
ニールしたパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜と
し、必要とする電池性能からそのEW及び膜厚が決定さ
れ、そのイオン交換ポリマーを所定温度、所定時間アニ
ールすることによって、アニールしていない、または例
えアニールしていても本発明に従うアニールの効果を達
成することができない従来のパーフルオロカーボンスル
ホン酸樹脂膜からなる固体高分子電解質型燃料電池にく
らべ、その強度及び電池出力のいずれにも優れているこ
とが分かった。以上、本発明を実施例に基づき具体的に
説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更し
得ることは言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以
下の通りである。 (1) 本発明によれば、パーフルオロカーボンスルホ
ン酸重合体を用いて溶融成形した膜をその重合体のガラ
ス転移温度に応じて決定される温度で所定時間アニール
した後、加水分解して酸型に変換したイオン交換膜から
固体高分子電解質型燃料電池を構成することによって、
同様に膜厚及び電気抵抗が管理された、アニールをして
いないイオン交換膜を使用する燃料電池と比較すると、
膜強度、膜耐久性に優れた固体高分子電解質型燃料電池
を得ることができる。 (2) 更に、前記パーフルオロカーボンスルホン酸重
合体のEWに応じたアニール処理によってポリマー膜の
結晶化度が高くなることによって、特に引裂強度が向上
するので燃料電池に使用する場合、取り扱いが容易にな
る。 (3) しかも、膜厚を小さくすることによって電気抵
抗を小さくし、膜強度とともに電気抵抗をも改善、向上
した場合でも、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜
が本質的に有しているイオン交換能などの特性が影響を
受けることがないので、用途に応じたより最適な電池出
力特性を備えた固体高分子電解質型燃料電池を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体高分子電解質燃料電池と従来
の固体高分子電解質燃料電池の電流−電圧特性変化を示
すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーフルオロカーボンスルホン酸重合体
    の前駆体を約100〜250℃の温度において、少なく
    とも0.1時間以上アニール処理し、且つ加水分解によ
    って酸型に転化したパーフルオロカーボンスルホン酸膜
    を生成する工程と、前記生成されたパーフルオロカーボ
    ンスルホン酸膜を触媒活性を示す粒子と該触媒活性粒子
    を支持する炭素支持体と前記触媒活性粒子及び炭素支持
    体を被うように形成された電解質からなる触媒層と、前
    記触媒層と接触する拡散層から構成されてなる燃料極と
    酸化剤極の2つの電極の間に保持するように配置するこ
    とを特徴とする固体高分子電解質燃料電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 パーフルオロカーボンスルホン酸重合体
    の前駆体を約100〜250℃の温度において、少なく
    とも0.1時間以上アニール処理し、且つ加水分解によ
    って酸型に転化したパーフルオロカーボンスルホン酸膜
    を生成する工程と、前記生成されたパーフルオロカーボ
    ンスルホン酸膜を触媒活性を示す粒子と該触媒活性粒子
    を支持する炭素支持体と前記触媒活性粒子及び炭素支持
    体を被うように形成された電解質からなる触媒層と、前
    記触媒層と接触する拡散層から構成されてなる燃料極と
    酸化剤極の2つの電極の間に保持するように配置する工
    程とからなる方法により製造される固体高分子電解質燃
    料電池。
  3. 【請求項3】 触媒活性を示す粒子と該触媒活性粒子を
    支持する炭素支持体と、前記触媒活性粒子及び炭素支持
    体を被うように形成された電解質からなる触媒層と、前
    記触媒層と接触する拡散層から構成されてなる燃料極と
    酸化剤極の2つの電極と、この2つの電極の間に保持さ
    れるように配置されてなる前記電極と接合して膜電極接
    合体を構成する固体高分子電解質膜から構成される固体
    高分子電解質型燃料電池において、前記固体高分子電解
    質膜が約100〜250℃の温度において、少なくとも
    0.1時間以上アニール処理後、加水分解によって酸型
    に転化したパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜であ
    ることを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池。
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