JP2008076670A - 光学フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】セルロースアセテートフィルム上に配向膜層および液晶性分子を固定化した光学異方性層を設けた光学フィルムにおいて、セルロースアセテートフィルムと配向膜層との間の良好な密着性を得ることができ、また、セルロースアセテートフィルムの面状が損なわれてしまうことなく、好ましい光学特性を得ることができる光学フィルム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】セルロースアセテートフィルムの表面に電子線を照射して、該表面に滴下した水の接触角が50°以下になるように照射処理する工程と、処理されたセルロースアセテートフィルム上に配向膜層を形成する工程と、配向膜層上に液晶化合物からなる光学異方性層を形成する工程と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は光学フィルム及びその製造方法に係り、特に、大型の液晶表示装置において好適に適用できる光学フィルム及びその製造方法に関する。
近年、液晶セルに位相差板として使用される光学フィルムの需要が増加しつつある。液晶表示装置は、液晶セル、偏光素子および光学補償フィルム(位相差板)で構成されており、光学補償フィルムは、画像着色を解消したり、視野角を拡大したりするために用いられている。光学補償フィルムとしては、従来から延伸ポリマーフィルムが使用されていたが、近年では、延伸ポリマーフィルムに代えて、透明支持体上に液晶性分子から形成された光学異方性層を有する光学補償フィルム(光学フィルム)を使用することが提案されている。
このような光学フィルムは、長尺状のポリマーフィルムを連続的に搬送しながら表面に配向膜層を塗布・乾燥させた後、配向膜層表面にラビング処理を施し、その上に液晶化合物溶液を塗布することによって製造される。塗布された液晶化合物溶液は乾燥工程で乾燥され、紫外線照射工程で液晶化合物を紫外線照射によって重合させることで光学異方性層となる(例えば、特許文献1)。
また、光学フィルムは、上述の通りポリマーフィルム上に配向膜層および液晶性分子を固定化した光学異方性層を設けることにより形成されるが、この形成においてポリマーフィルム(通常は、セルロースアセテートフィルムに代表されるセルロースエステルフィルム)と配向膜(通常はポリビニルアルコール)との間の良好な密着が必要となる。セルロースエステルフィルムとポリビニルアルコールとの親和性は弱く、この界面での剥がれや割れが発生してしまうため、セルロースエステルフィルムと配向膜との密着性を改良する必要がある。そして、一般的な方法として、フィルムを水または水および有機溶剤のアルカリ溶液を連続塗布し、反応時間の経過後、アルカリ溶液をセルロースアセテートフィルムから洗い落とす鹸化方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2004−198511号公報 特開2003−313326号公報
しかしながら、特許文献1の光学フィルムを製造する場合において、特許文献2のようにアルカリ溶液を塗布し、反応時間の経過後、アルカリ溶液をセルロースアセテートフィルムから洗い落とす工程は、ウエットプロセス(wet process)でプロセス上煩雑になるため、ドライプロセス(dry process)で行う方法が要望されている。また、鹸化処理は、アルカリ溶液に浸すことによるセルロースアセテートフィルムの面状が損なわれてしまうという問題がある。そして、このように面状が損なわれたセルロースアセテートフィルムを用いると、光学フィルムとしての好ましい光学特性が得られない場合があるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、セルロースアセテートフィルム上に配向膜層および液晶性分子を固定化した光学異方性層を設けた光学フィルムにおいて、ドライプロセスによりセルロースアセテートフィルムと配向膜層との間の良好な密着性を得ることができ、また、セルロースアセテートフィルムの面状が損なわれてしまうことなく、好ましい光学特性を得ることができる光学フィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は、前記目的を達成するために、セルロースアセテートフィルムの表面に電子線を照射して、該表面に滴下した水の接触角が50°以下になるように照射処理する工程と、該処理された前記セルロースアセテートフィルム上に配向膜層を形成する工程と、該配向膜層上に液晶化合物からなる光学異方性層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする光学フィルムの製造方法を提供する。
請求項1によれば、セルロースアセテートフィルムの表面を、電子線を照射して、該表面に滴下した水の接触角が50°以下になるように照射処理することで、従来のセルロースエステルフィルムと配向膜との密着性を改良するアルカリ鹸化処理ではなくても必要な密着性を得ることができる。このように、アルカリ溶液をフィルムに塗布することなくドライプロセスによりフィルムと配向膜との密着性を得ることが出来るので、プロセス上煩雑になることなく、アルカリ溶液に浸すことによるフィルムの面状が損なわれてしまうということを防ぐことができる。従って、フィルムの面状を良好に維持でき、好ましい光学特性の光学フィルムを得ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明において、前記セルロースアセテートフィルムの表面の片面だけに前記照射処理することを特徴とする。また、請求項3に記載の発明は、請求項1の発明において、前記セルロースアセテートフィルムの表面の両面に前記照射処理することを特徴とする。
本発明は、セルロースアセテートフィルムの表面の片面のみを照射処理するのに有効であるし、また、両面を照射処理するのにも有効である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に記載した光学フィルムの製造方法によって製造されたことを特徴とする光学フィルムである。
本発明によれば、セルロースアセテートフィルムと配向膜との密着性が良く、面状も良い光学フィルムを得ることができる。
以上説明したように、本発明の光学フィルムの製造方法によれば、プロセスを煩雑にすることのないドライプロセスにより、基材であるセルロースアセテートフィルムの面状を損ねることなく、セルロースアセテートフィルムと配向膜層との間の良好な密着性を得ることができる。そして、本発明の光学フィルムの製造方法によって製造された光学フィルムは、セルロースアセテートフィルムの面状が損なわれてしまうことがないので、配向膜層および光学異方性層を好適に設けることができ、好ましい光学特性を得ることができる。
通常、光学フィルムは、アルカリ鹸化水溶液を塗布することにより鹸化したセルロースエステルフィルム上に、配向膜形成用樹脂を設けた配向膜層および液晶性分子の配向を固定化した光学異方層を積層することで製造されている。この製造方法によれば、配向膜の形成において、セルロースエステルフィルムを加熱する工程、セルロースエステルフィルムの配向膜側の表面にアルカリ鹸化水溶液を塗布する工程、アルカリ鹸化水溶液塗布面の温度を維持する工程、反応を停止する工程、アルカリ鹸化水溶液を洗浄してフィルムの表面から除去する工程に次いで、配向膜を塗布して乾燥する工程を付加する。そして、配向膜を塗布、乾燥後に配向膜表面をラビング処理し、光学異方性層を塗布、乾燥して、最終的な光学フィルムまで完成する。
以下、本発明に係る光学フィルム(光学補償フィルムとも云う)及びその製造方法の好ましい実施の形態について詳説する。
[表面処理]
図1に示す本発明に係る光学フィルムの製造ライン10はクリーンルーム等の清浄な雰囲気に設置されている。図1に示すように、製造ライン10の送り出し機66から送り出された長尺状のセルロースアセテートフィルムであるウエブ16表面に、照射装置20により、電子線を照射して、該表面に滴下した水の接触角が50°以下になるように照射処理することで、従来のセルロースエステルフィルムと配向膜との密着性を改良するアルカリ鹸化処理ではなくても必要な密着性を得ることができる。このように、アルカリ溶液をフィルムに塗布することなくフィルムと配向膜との密着性を得ることが出来るので、プロセス上煩雑になることなく、アルカリ溶液に浸すことによるフィルムの面状が損なわれてしまうということを防ぐことができる。従って、フィルムの面状を良好に維持でき、好ましい光学特性の光学フィルムを得ることができる。
尚、電子線の照射によっては、可塑剤やモノマーがフィルムの表面に析出することがある。そのため本発明に係る電子線の照射工程の後には、洗浄工程を行なっても良い。この場合、洗浄工程は、従来のアルカリ鹸化処理の場合に用いているものをそのまま使用することができる。尚、従来の表面処理(アルカリ鹸化処理)によれば、アルカリ溶液を除去するために洗浄工程を実施する。アルカリ溶液が残っていると、鹸化反応が進行するばかりでなく、後に塗布する配向膜ならびに液晶性分子層の塗膜形成や液晶分子の配向に影響を及ぼすからである。
洗浄は、洗浄水を塗布する方法、洗浄水を吹き付ける方法、あるいは、洗浄水の入った容器にセルロースアセテートフィルムごと浸漬する方法で実施できる。水の吹きつけ方法は、塗布ヘッド(例、ファウンテンコーター、フロッグマウスコーター)を用いる方法、あるいは、空気の加湿や塗装、タンクの自動洗浄に利用されるスプレーノズルを用いる方法で実施できる。塗布方式に関しては、「コーティングのすべて」荒木正義編集、(株)加工技術研究会(1999年)に記載がある。円錐状あるいは扇状のスプレーノズルをセルロースアセテートフィルムの幅方向に配列して、全幅に水流が衝突するように配置することができる。市販のスプレーノズルを用いてもよい。
このように本発明の光学フィルムの製造方法で表面処理されたセルロースアセテートフィルムは、アルカリ溶液に浸すことがないので、面状が損なわれてしまうことを防ぐことができる。
[配向膜]
上記のように表面処理されたセルロースアセテートフィルムは、塗布装置22により配向膜形成用樹脂を含む塗布液が塗布され、乾燥装置24により塗布液を乾燥することで透明樹脂層が形成される。
配向膜は、架橋された2種のポリマーからなることがさらに好ましい。2種のポリマーの一方は、それ自体架橋可能なポリマーまたは、架橋剤により架橋されるポリマーである。配向膜は、官能基を有するポリマーあるいはポリマーに官能基を導入したものを、光、熱又はpH変化により、ポリマー間で反応させて形成するか、あるいは、反応活性の高い化合物である架橋剤を用いてポリマー間に架橋剤に由来する結合基を導入して、ポリマー間を架橋することにより形成することができる。
ポリマーの架橋は、ポリマーまたはポリマーと架橋剤の混合物を含む塗布液をセルロースアセテートフィルム上に塗布した後、加熱することにより実施できる。配向膜をセルロースアセテートフィルム上に塗設した後から、光学フィルムを得るまでのいずれかの段階で架橋させる処理を行なってもよい。配向膜上に形成される円盤状構造を有する化合物(光学異方層)の配向を考慮すると、円盤状構造を有する化合物を配向させた後に最終の架橋を行なうことも好ましい。すなわち、セルロースアセテートフィルム上にポリマーおよびポリマーを架橋することができる架橋剤を含む塗布液を塗布した場合、加熱乾燥した後、ラビング処理を行なって配向膜を形成し、次いでこの配向膜上に円盤状構造単位を有する化合物を含む塗布液を塗布し、ディスコティックネマチック相形成温度以上に加熱した後、冷却して光学異方層を形成する。
配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができ、これらの組み合わせを複数使用することができる。ポリマーの例には、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリカーボネート等のポリマーおよびシランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。好ましいポリマーの例としては、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーであり、さらにゼラチン、ポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが好ましく、ポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが特に好ましましく、重合度の異なるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールを2種類併用することが特に好ましい。
ポリビニルアルコールの鹸化度は、70〜100%が好ましく、80〜100%がさらに好ましく、85〜95%が最も好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は、100〜3000であることが好ましい。変性ポリビニルアルコールの変性基は、共重合変性、連鎖移動変性またはブロック重合変性により導入できる。共重合変性の場合の導入基の例には、COONa、Si(OX)3 、N(CH3 3 ・Cl、C9 19COO、SO3 、Na、C1225が含まれる。(Xは、プロトンまたはカチオンである)。連鎖移動変性基の場合の導入基の例には、COONa、SH、C1225が含まれる。ブロック重合変性の場合の導入基の例には、COOH、CONH2 、COOR、C6 5 が含まれる(Rは、アルキル基である)。
これらの中でも鹸化度が85〜95%である未変性ポリビニルアルコールまたはアルキルチオ変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。
ポリマー(好ましくは水溶性ポリマー、さらに好ましくはポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコール)の架橋剤の例には、アルデヒド(例、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド)、N−メチロール化合物(例、ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダントイン)、ジオキサン誘導体(例、2,3−ジヒドロキシジオキサン)、カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物(例、カルベニウム、2−ナフタレンスルホナート、1,1−ビスピロリジノ−1−クロロピリジニウム、1−モルホリノカルボニル−3−(スルホナトアミノメチル))、活性ビニル化合物(例、1、3、5−トリアクロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホン)メタン、N’−メチレンビス−[β−(ビニルスルホニル)プロピオンアミド])、活性ハロゲン化合物(例、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン)、イソオキサゾール類およびジアルデヒド澱粉が含まれる。二種類以上の架橋剤を併用してもよい。反応活性の高いアルデヒド、特にグルタルアルデヒドが好ましい。
架橋剤の添加量は、ポリマーに対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%が好ましい。配向膜に残存する未反応の架橋剤の量は、1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。配向膜中に1.0質量%を超える量で架橋剤が残存していると、充分な耐久性が得られない。そのような配向膜を液晶表示装置に使用すると、長期使用、あるいは高温高湿の雰囲気下に長期間放置した場合にレチキュレーションが発生することがある。
配向膜は、基本的に、配向膜形成材料である架橋剤を含む上記ポリマーをセルロースアセテートフィルム上に塗布した後、加熱乾燥(架橋させ)し、ラビング処理することにより形成することができる。架橋反応は、前記のように、セルロースアセテートフィルム上に塗布した後、任意の時期に行なって良い。ポリビニルアルコールのような水溶性ポリマーを配向膜形成材料として用いる場合には、塗布液は消泡作用のある有機溶媒(例、メタノール)と水の混合溶媒とすることが好ましい。その比率は質量比で水:メタノールが0:100〜99:1が好ましく、0:100〜91:9であることがさらに好ましい。これにより、泡の発生が抑えられ、配向膜、更には光学異方層の表面の欠陥が著しく減少する。
配向膜の塗布方法は、スピンコーティング法、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法またはロールコーティング法が好ましい。特にロッドコーティング法が好ましい。また、乾燥後の膜厚は0.1〜10μmが好ましい。加熱乾燥は20℃〜110℃で行なうことができる。充分な架橋を形成するためには60℃〜100℃が好ましく、特に80℃〜100℃が好ましい。乾燥時間は1分〜36時間で行なうことができるが、好ましくは1分〜30分である。pHも、使用する架橋剤に最適な値に設定することが好ましく、グルタルアルデヒドを使用した場合は、pH4.5〜5.5で、特に5が好ましい。
配向膜は、セルロースアセテートフィルム上に設けられる。配向膜は、上記のようにポリマー層を架橋したのち、表面をラビング処理装置70でラビング処理することにより得ることができる。これにより、透明樹脂層に配向膜を形成させる。配向膜は、その上に設けられる液晶性ディスコティック化合物の配向方向を規定するために設けられる。
ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を適用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さおよび太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
ラビング処理装置70では、ラビングローラ72、72をウエブ16の連続搬送工程内にある2つの搬送用ロール間に配置し、回転する該ラビングローラ72、72にウエブ16をラップさせながら該ウエブ16を搬送することによって、連続してウエブ16表面にラビング処理を施すことが好ましい。この場合、ウエブ16の搬送方向に対し、回転軸を傾けてラビングローラ72、72を配置することも可能である。ラビングローラ72自身の真円度、円筒度、振れがいずれも30μm以下であることが好ましい。上記記載のラビング方法を用いた装置において、装置内に1セット以上の予備のラビングローラを備えていることが好ましい。除塵機74により、ウエブ16の表面に付着した塵が取り除かれる。
このように設けられた配向膜は、セルロースアセテートフィルムの表面に電子線を照射することで水の接触角が50°以下になるように処理されていることで、フィルムとの密着性を十分に得ることができ、また、従来のアルカリ鹸化処理を施したフィルムの場合のようにフィルム面状が損なわれることがない。
[光学異方性層]
光学フィルムの光学異方性層は、配向膜上に形成される。
グラビア塗布装置75により液晶性ディスコネマティック化合物を含む塗布液(液晶化合物溶液)を、ウエブ16の配向膜層上に塗布する。液晶性ディスコティック化合物として架橋性官能基を有する液晶性ディスコティック化合物を用いられる。
グラビア塗布装置75は、グラビアローラ12の下方に、液受けパン14が設けられており、この液受けパン14には塗布液が満たされている。そして、グラビアローラ12の約下半分は塗布液に浸漬されている。この構成により、グラビアローラ12表面のセルに塗布液が供給されることとなる。上流ガイドローラ17及び下流ガイドローラ18は、グラビアローラ12と平行な状態で支持されている。そして、上流ガイドローラ17及び下流ガイドローラ18は、両端部分を軸受部材(ボール軸受等)により回動自在に支持され、駆動機構を付されない構成のものが好ましい。グラビア塗布装置75は、クリーンルーム等の清浄な雰囲気に設置するとよい。その際、清浄度はクラス1000以下が好ましく、クラス100以下がより好ましく、クラス10以下が更に好ましい。
尚、図1では、塗布装置として、グラビア塗布装置75の例で示したが、これに限定されない。例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、マイクログラビア法やエクストルージョンコート法等の方法を適宜使用することができる。
次に、塗布液の塗布により塗布膜16Aが形成されたウエブ16は、乾燥装置76により乾燥される。この場合、ウエブ16がグラビア塗布装置75(より正確には、グラビアローラ12)を通過してから3秒以内、又は、ウエブ16がグラビア塗布装置75を通過してから塗布液の塗布時に含有される有機溶媒に対する該有機溶媒の含有率が50%未満(より好ましくは70%未満)となるまでの何れか短い時間以内に乾燥装置76内に導入することが好ましい。
そして、乾燥装置76では、塗布膜中の有機溶媒成分の濃度が塗布時の有機溶媒成分の濃度の50%以下(半分以下)に減少するまで、あるいは塗布膜の粘度が10mPa・s以上になるまでのうちの何れか早い方まで乾燥することが好ましい。
塗布液の塗布時に含有される有機溶媒に対する有機溶媒の含有率(残存率)は次のように測定することができる。すなわち、乾燥装置76に導入される直前の塗布膜を「へら」を使用して速やかに掻き取り、掻き取った塗布膜を速やかにガラス製の密閉容器に入れ、蓋をして密閉する。ガラス製の密閉容器の重量を測定し、予め測定済みの風体重量を差し引いて、掻き取った塗布膜の重量を得る(塗布膜重量1)。ガラス製の密閉容器の蓋を開け、105°Cにセットしたオーブンに入れて1時間乾燥させる。ガラス製の密閉容器の重量を測定し、風体重量を差し引いて、乾燥後の塗布膜の重量を得る(塗布膜重量2)。そして、上記の塗布膜重量1と塗布膜重量2より、有機溶媒の含有率(残存率)を算出する。
次に、乾燥装置76での乾燥が終了したウエブ16は、図1の後段乾燥ゾーン77、加熱ゾーン78、及び紫外線ランプ80を通過させる。これにより、乾燥されたウエブ16の塗布層は、加熱されてディスコティックネマティック相の液晶層が形成され、連続的に該液晶層に光照射されることにより、ディスコティック液晶を硬化する。この場合、加熱ゾーン78の加熱を、ウエブ16の液晶層を持たない側に、熱風または遠赤外線を付与することにより、あるいは加熱ローラを接触させることにより行なうことが好ましい。又は、ウエブ16の両面に、熱風または遠赤外線を付与することにより行なうことが好ましい。そして、配向膜及び液晶層が形成されたウエブは、巻取り機82に巻き取られる。
以下にウエブ16上にディスコティック化合物からなる光学異方性層を塗設した光学フィルム(光学補償フィルム)を直接偏光板の保護フィルムとして用いる液晶表示装置について記載するが、これに限定されるものではない。
これらに用いられるディスコティック化合物については特開平7−267902号、特開平7−281028号、特開平7−306317号の各公報に詳細に記載されている。それらによると、光学異方性層はディスクティック構造単位を有する化合物から形成される層である。即ち、光学異方性層は、モノマー等の低分子量の液晶性ディスコティック化合物層、または重合性の液晶性ディスコティック化合物の重合(硬化)により得られるポリマー層である。それらのディスクティック(円盤状)化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。上記ディスクティック(円盤状)化合物は、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置換された構造であり、液晶性を示し、一般的にディスコティック液晶とよばれるものが含まれる。ただし、分子自身が負の一軸性を有し、一定の配向を付与できるものであれば上記記載に限定されるものではない。また、前記公報において円盤状化合物から形成したとは、最終的にできた物が前記化合物である必要はなく、例えば前記低分子ディスコティック液晶が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失ったものも含まれる。さらに、ディスコティックネマティック相または一軸性の柱状相を形成し得る、円盤状化合物の少なくとも一種を含有し、かつ光学異方性を有することを特徴とする化合物を用いることが好ましい。また円盤状化合物がトリフェニレン誘導体であることが好ましい。ここで、トリフェニレン誘導体が、特開平7−306317号公報に記載の(化2)で表される化合物であることが好ましい。
セルロースアシレートフィルムは、特開平8−5837号、特開平7−191217号、特開平8−50206号、特開平7−281028号の各公報に詳細に記載されている下記の基本構成を有する光学補償フィルムに用いることができる。セルロースアシレートフィルム及びその上に設けられた光学異方性層からなる光学補償フィルムが適用例であり、該光学異方性層がディスコティック構造単位を有する化合物から形成される層である。LCDへの適用例としては、偏光板の片側に上記光学補償フィルムを粘着剤を介して貼り合わせる、もしくは、偏光素子の片側に保護フィルムとして、上記光学補償フィルムを接着剤を介して貼り合わせることが好ましい。光学異方素子は少なくともディスコティック構造単位(ディスコティック液晶が好ましい)を有することが好ましい。
該ディスコティック構造単位の円盤面(以下、単に「面」とも言う)が、セルロースアシレートフィルム面に対して傾いており、且つ該ディスコティック構造単位の円盤面とセルロースアシレートフィルムとのなす角度が、光学異方性層の深さ方向において変化していることが好ましい。
上記光学補償フィルムの好ましい態様は下記のとおりである。
(a1)角度の平均値が、光学異方性層の深さ方向において光学異方性層の底面からの距離の増加と共に増加している。
(a2)該角度が、5〜85°の範囲で変化する。
(a3)該角度の最小値が、0〜85°の範囲(好ましくは0〜40°)にあり、その最大値が5〜90°の範囲(好ましくは50〜85°)にある。
(a4)該角度の最小値と最大値との差が、5〜70度の範囲(好ましくは10〜60°)にある。
(a5)該角度が、光学異方性層の深さ方向でかつ光学異方性層の底面からの距離の増加と共に連続的に変化(好ましくは増加)している。
(a6)光学異方性層が、さらにセルロースアシレートを含んでいる。
(a7)光学異方性層が、さらにセルロースアセテートブチレートを含んでいる。
(a8)光学異方性層とセルロースアセテートフィルムとの間に、配向膜(好ましくはポリマーの硬化膜)が形成されている。
(a9)光学異方性層と配向膜との間に、下塗層(200[nm]以下の紫外線、又は電子線の照射した場合を含む)が形成されている。
(a10)光学異方性層が、光学補償フィルムの法線方向から傾いた方向に、0以外のレターデーションの絶対値の最小値を有する。
(a11)該配向膜が、ラビング処理されたポリマー層である上記(a8)記載の光学補償フィルム。
該光学異方性層へ添加することで、該光学異方性層の配向温度を変えることのできる有機化合物を含むことが好ましい。該有機化合物が、重合性基を有するモノマーであることが好ましい。
また、製造された光学補償フィルムは、液晶表示装置、特に透過型液晶表示装置に有利に用いられる。透過型液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなる。液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。光学補償フィルムは、液晶セルと一方の偏光板との間に、一枚配置するか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置する。液晶セルのモードは、VAモード、TNモード、またはOCBモードであることが好ましい。
尚、本実施形態においては、照射処理工程、配向膜層を形成する工程、光学異方性層を形成する工程を1つのラインで製造することが出来る図1の製造ライン10で説明したが、例えば、配向膜の乾燥装置24の後に巻取り機を設けて1度ウエブ16を巻き取り、更にラビング処理装置70の前に送り出し機を設けてウエブ16をラビング処理装置70に送り出すというように、製造ラインを2つに分けて製造することも考えられる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
透明支持体としてセルローストリアセテートフィルム(商品名;フジタック、富士写真フイルム社製)を用い、岩崎電気株式会社製のラボ機CB175/15/180L(電子線加速電圧175[kV]、電子線照射幅15[cm]、最大照射電流10[mA]、試料移動速度3〜60[m/min])を使用し、図2の表に記載の照度及び照射時間を照射した。この照射は、比較例においては行わず、実施例1〜3、5、及び6においてはフィルムの両面に、実施例4においてはフィルムの片面に行った。この際のフィルム表面に滴下した水の接触角を測定した結果を図2の表に記載した。その後、配向膜形成用樹脂を主成分とする塗布液を塗布した。この塗布液は、主成分を直鎖アルキル変性ポリビニルアルコール(商品名;MP203、クラレ(株)社製)とし、溶媒には水を用いて調製した。
配向膜形成用樹脂層を付設した透明支持体を、一旦バルクロールとして巻き取った。そして、図1の装置でバルクロール(ウエブ16)をラビング処理装置70でラビング処理した。なお、ラビング処理におけるラビングローラの回転周速を8m/秒とし、張力を幅あたり300Nとした。
ラビング処理を施したウエブ16に対し、塗布装置75にて塗布を行った。この塗布液には、ディスコティック化合物の混合物に対して光重合開始剤(商品名;イルガキュア907、日本チバガイギー社製)を1重量%添加した10重量%メチルエチルケトン溶液である、液晶性化合物を含む溶液を用い、湿潤膜厚4μmとなるように、25m/分で搬送させたウエブ16に対して塗布した。塗布後のウエブ16を、乾燥装置10、後段乾燥ゾーン77、加熱ゾーン78、及び電子線照射装置80を通過させた。そして、配向膜及び光学異方性層を形成されたウエブ16の表面を検査した。
ここで、表中の評価において、フィルムの面状が全く問題ないものを○、フィルムの面状が極僅かに問題あるものを△、フィルムの面状が問題あるものを×とし、フィルムの用途次第では○であったり△であったりすると思われるものは○△とした。
図2の表からも分かるように、本発明のセルロースアセテートフィルムの表面に電子線を照射して、該表面に滴下した水の接触角が50°以下になるように処理することで、良い結果が得られていることが分かる。尚、実施例1〜3より、電子線の照度が60Mradのときには、1.0秒以上照射することが好ましい。そして、実施例2、5、及び6から、照射時間が1.0秒のときには、照度を60Mrad以上にすることが好ましい。
本発明に係る光学補償フィルムの製造ラインを説明する説明図 実施例を示した表図
符号の説明
10…製造ライン、12…グラビアローラ、13…バックアップローラ、14…液受けパン、16…ウエブ、16A…塗布膜、17…上流ガイドローラ、18…下流ガイドローラ、20…照射処理装置、22…塗布装置、24…乾燥装置、66…送り出し機、68…ガイドローラ、70…ラビング処理装置、72…ラビングローラ、74…除塵機、75…塗布装置、76…乾燥装置、77…後段乾燥ゾーン、78…加熱ゾーン、80…紫外線ランプ、82…巻取り機

Claims (4)

  1. セルロースアセテートフィルムの表面に電子線を照射して、該表面に滴下した水の接触角が50°以下になるように照射処理する工程と、
    該処理された前記セルロースアセテートフィルム上に配向膜層を形成する工程と、
    該配向膜層上に液晶化合物からなる光学異方性層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. 前記セルロースアセテートフィルムの表面の片面だけに前記照射処理することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 前記セルロースアセテートフィルムの表面の両面に前記照射処理することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  4. 請求項1〜3に記載した光学フィルムの製造方法によって製造されたことを特徴とする光学フィルム。
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