JP2008074645A - 粒子内包金属酸化物中空粒状体の製造方法 - Google Patents

粒子内包金属酸化物中空粒状体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 製造工程が比較的単純で、かつ大量生産にも対応でき生産効率に優れた、粒子を金属酸化物殻内に内包した金属酸化物中空粒状体の製造方法の提供。
【解決手段】 その製造方法は炭酸塩と粒子形態をなす物質の結合体を製造する第1工程と、その表面を金属酸化物で被覆して金属酸化物殻を形成する第2工程と、金属酸化物殻内の炭酸塩を酸により溶解する第3工程からなることを特徴とする。
そして、その製造方法においては、炭酸塩には炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、粒子状物質としては、金属、無機物質、有機物質の固体、又は常温で液体である低融点金属、高分子からなるエマルション粒子、金属酸化物中空粒状体の内部には、気体及び/又は液体が存在すること、殻を形成する金属酸化物としてはシリカ又は酸化チタンが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は金属酸化物殻内に粒子を内包する金属酸化物中空粒状体の製造方法に関する。
より詳しくは、本発明は、製造工程が比較的単純で、かつ大量生産にも対応でき生産効率に優れた粒子を金属酸化物殻内に内包した金属酸化物中空粒状体の製造方法に関する。
中空粒状体としては、かねてよりシリカ系のシラスバルーン、ガラス発泡体、フライアッシュ等がよく知られており、これらはいずれも熱による発泡で製造あるいは作製するものである。
化学的に中空粒状体を製造する方法としては、液相中でのエマルションを利用して製造する方法が知られている。
その方法については、特許文献1にはオルトケイ酸テトラエチルに、アルコール、水および酸触媒を加えて部分加水分解を行わせた後、フタル酸ジブチルを添加し、この溶液を界面活性剤を含んだアンモニア水溶液中で混合撹拌し、乳化し、重縮合させることにより、比重の軽い高純度の球状中空多孔質シリカ粒子を製造する方法が開示されている。
さらに、特許文献2には、コアが重合体、シェルがチタニウム化合物及び/又はシリコン化合物から選ばれる金属化合物からなることを特徴とする球状重合体−金属化合物複合粒子の製造方法、前記複合粒子を加熱することにより粒子内部に空孔を持たせた球状金属化合物中空粒状体及びその製造方法が開示されている。
また、これらとは異なる方法としては特許文献3にあるように、珪酸アルカリ金属水溶液から活性シリカをシリカ以外の材料からなるコア上に沈殿させ、該材料をシリカシェルを破壊させることなく除去することによって稠密シリカシェルからなる中空粒状体の製造方法が知られており、コアに炭酸カルシウムを使用した例が記載されている。
その後、特許文献4によりシリカとシリカ以外の無機酸化物からなる核粒子にシリカ被覆層を形成し、酸により核粒子の一部又は全部を除去するという製造方法が開示され、さらに特許文献5及び特許文献6では、炭酸カルシウムの核粒子にシリカをコーティングし、酸により炭酸カルシウムを溶解させるという製造方法が開示されている。
シリカ殻の中に粒子状物質を内包した中空粒状体としては、特許文献7にある複合シリカマイクロカプセルがある。
この複合シリカマイクロカプセルは、水と界面を形成する極性の低い有機溶媒中に、反応物質であるテトラアルコキシシランと必要に応じて添加した触媒などの補助剤を含有させてなる連続相に、界面活性剤と、水にあらかじめ芯物質と必要に応じて添加した触媒又は界面活性剤などの補助剤を含む混合溶液を分散相として加えて、水と界面活性剤のモル濃度比が高くなるように調整した上、攪拌操作をしながら油中水型エマルションを形成し、さらに攪拌操作を調整しながら当該油中水型エマルションの可溶化水を反応場としてテトラアルコキシシランの加水分解と縮重合反応とをさせてシリカマイクロカプセルを合成し、それによって前記芯物質が当該シリカマイクロカプセルにおける外周部の殻内及び/又は中心部の中空内に内包されるようにして製造する。
特許文献8には、ケイ酸ナトリウムを水100gに溶解させ、その中に酸化チタン粒子子(アナターゼ型、粒子径7nm)を加えて得られた酸化チタン分散液を、乳化剤を含有するキシレン300gに配合し、強力攪拌することによりW/O型乳化液を調製し、次いで、この乳化液をリン酸水素アンモニウムを水に溶解させた液中に滴下して、酸化チタンを含有する中空多孔質シリカの光触媒カプセルを製造する方法が開示されている。
さらに、特許文献9には、中空のシリカ殻内に酸化鉄粒子及び中空部を内包した複合粒子が開示されている。
この複合粒子は、マグネタイト粒子の懸濁液に、珪酸ナトリウムを添加して溶解させ、この懸濁液とは別に、水に対する溶解度の低い有機溶媒に乳化剤として界面活性剤を溶解した溶液を調製する。
次に、珪酸ナトリウムを溶解した混合粒子の懸濁液に界面活性剤溶解有機溶媒を混合し、強力攪拌によりW/O型のエマルションを作製する。このエマルション粒子の懸濁液を、アンモニウム塩を溶解した水溶液に滴下してシリカ殻を形成することにより光触媒カプセルを製造する。
[先行技術文献1]
特開平8−91821号公報 特開平6−142491号公報 特表2000−500113号公報 特開2001−167637号公報 特開2005−263550号公報 特開2005−272155号公報 特開2001−38193号公報 特開2003−96399号公報 特開2006−104021号公報
前記したとおり多くの先行技術文献が存在し、特に特許文献7〜9は本発明に直接関わる先行技術を開示するが、そこで開示された微粒子を内包したシリカ中空粒状体は、その製造方法から明らかなように、製造工程が複雑であり、強力な撹拌を要したり乳化液(エマルション)を水溶液中に滴下するなど、大容量での反応には難があることから、製造効率の点でも満足できるものではない。
このような事情に鑑み、本発明者らは製造工程が比較的単純で、また大量生産にも対応でき生産効率に優れた微粒子を内包した金属酸化物中空粒状体の製造方法をについて鋭意検討を重ね、これまで本発明者らが培ってきた炭酸塩の合成技術、微粒子との複合化技術とシリカ中空体の製造技術、酸化チタン製膜技術を発展させることにより、上記問題点を解決する粒子内包金属酸化物中空粒状体の開発に成功した。
すなわち、本発明の解決すべき課題は、粒子形態をなす物質(以下、粒子状物質という)と炭酸塩の結合技術、特に複合化技術により、従来のエマルションを利用した方法に較べ製造工程が単純で大容量での製造に対応できる、生産効率に優れた粒子内包金属酸化物中空粒状体の製造方法を提供することである。
本発明は、前記課題を解決する粒子内包金属酸化物中空粒状体の製造方法を提供するものであり、その方法は炭酸塩と粒子形態をなす物質の結合体を製造する第1工程と、その表面を金属酸化物で被覆して金属酸化物殻を形成する第2工程と、金属酸化物殻内の炭酸塩を酸により溶解する第3工程からなることを特徴とするものである。
そして、本発明においては、炭酸塩には炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、粒子状物質としては、金属、無機物質、有機物質の固体、又は常温で液体である低融点金属、高分子からなるエマルション粒子、金属酸化物中空粒状体の内部には、気体及び/又は液体が存在すること、殻を形成する金属酸化物としてはシリカ又は酸化チタンが好ましい。
本発明の特徴を端的に述べれば、それは第1工程において炭酸塩と粒子状物質の結合体を製造し、第2工程においてそれを核材として使用することにあり、第3工程において酸を使用して核材の炭酸塩を溶解・発泡させて、核物質を容易に殻外に排出し中空化できる点であるということになり、それにより従来の方法に比較し簡便で製造効率に優れた方法であり、金属、無機物質、有機物質の固体、又は低融点金属、高分子からなる液状粒子状物質を内包したシリカ殻からなる中空体を製造できることである。
特に、第1工程において炭酸塩形成を行うことは、第3工程での核材を形成している炭酸塩の酸による溶解に伴う炭酸ガスの発生により、シリカ殻内から溶解成分を殻外に押し出すという顕著な効果がある。
本発明の中空粒状体は、表面修飾により殻を形成している金属酸化物の表面を改質するばかりでなく、脱水・乾燥した後、焼成することにより細孔の大きさや数を制御したり、金属酸化物を無水化したりすることも可能である。
さらに、殻に存在する細孔を利用して中空部分に液状物を任意の割合で含浸させ内包することができ、金属酸化物殻の内部に中空部、粒子状物質と液状有用物の3相からなる中空粒状体を製造したり、中空部を固液反応場として利用することもできる。
本発明により製造される粒子内包金属酸化物中空粒状体は、内部に触媒、蛍光体、磁性体、芳香物質、薬剤等の機能を有する粒子状物質を内包することにより、粒子状物質が有している機能の長期安定性、徐放効果、特定環境下で内包物質を放出する放出制御性、変質防止効果、マスキング効果、保護効果等という優れた特性を発現する。
その結果、その中空粒状体は、各種触媒材料、電子材料、半導体材料、光学材料、磁性材料、土木・建築資材等の工業材料をはじめ、接着剤、塗料、インキへの添加剤等の化学品、建材、文具、香料、化粧料、食品及び食品関連薬剤類、医薬、農薬、肥料等、多様な用途に対応できるものである。
以下において、本発明に関し発明を実施するための最良の形態を含む実施の形態について説明するが、本発明は、それによって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
そして、その本発明の製造方法は、前記したとおり炭酸塩と粒子形態をなす物質の結合体を製造する第1工程と、その表面を金属酸化物で被覆して金属酸化物殻を形成する第2工程と、金属酸化物殻内の炭酸塩を酸により溶解する第3工程からなることを特徴とするものである。
その本発明において使用する粒子状物質は、微粒子の形態をなす物質であれば良く、特に限定されない。
ここでいう粒子状物質とは、球やラグビーボール状のような楕円体等の曲面で囲まれる粒子、立方体、八面体、二十四面体等の平面で囲まれる粒子、あるいは曲面と平面からなる粒子、不定形の粒子をいう。その大きさは特に限定されないが、本発明の実施にあたっては1nm〜1mmが好適と考えられる。
粒子状物質の中でも水への溶解度が高いものについては、第1工程及び第2工程をアルコール等の非水系にて操作を行えば良いが、核材である炭酸塩を酸で溶解する第3工程については、水溶性の物質や酸に溶解する物質は制約を受ける可能性が考えられる。
したがって、粒子状物質は、望ましくは水に対し不溶性あるいは難溶性であり、核材を構成する炭酸塩以上に耐酸性があり、かつ親水性であって水中で分散すれば好適である。 また、疎水性の性質を有する粒子状物質で水系の環境下にあって分散等が困難な物質であっても、有機や無機の界面活性剤や分散剤等で親水化、分散、乳化させることができれば、水系環境下で使用可能となる。
その粒子状物質としては、具体的には、金、銀、銅、白金、パラジウム、シリコン、ゲルマニウム、硫黄等の金属あるいは元素単体やステンレス、パーマロイ、アマルガム等の合金類、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、コバルト酸ニッケル、マンガン酸ランタン、アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、フェライト類等の複酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、水酸化イットリウム、ハイドロタルサイト等の水酸化物、硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化銀、硫化鉄、硫化銅等の硫化物、二水石膏等の硫酸塩、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、塩化銀等のハロゲン化物、リン酸カルシウム等のリン酸塩、スメクタイト、セリサイト、ゼオライト類、ガーネット類等の珪酸塩があげられる。
さらに、有機物質微粒子も使用可能であり、アクリル系プラスチック、酢酸ビニル系プラスチック、塩化ビニル系プラスチック、塩化ビニリデン系プラスチック、エチレン多元共重合プラスチックなどのプラスチック微粒子や、NR系ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテックス、NBR系ラテックス、CR系ラテックス、MBR系ラテックス、ビニルピリジン系ラテックス、CMS系ラテックス、ポリウレタン系ラテックスなどのゴムラテックス微粒子、さらには親油成分を界面活性剤などの乳化剤にて安定化させて得られる高分子物質を含むエマルション微粒子などが使用可能である。
これらの粒子状物質の中で常温で液体(状)となるものには、水銀やアマルガムのような金属、エマルション微粒子がある。
炭酸塩合成反応過程で共存させる粒子状物質の量については、特に制限はなく、製造後の中空粒状体において求められる特性や機能によって選択することができるが、合成反応後に得られた中空粒状体中に、0.001〜95.0重量%含有されるように添加するのがよい。
その理由は、0.001重量%未満であると粒子状物質そのものがもつ機能がほとんど発揮されないことがあり、逆に95.0重量%を超えると、第1工程において粒子状物質の単独粒子が生じやすくなるばかりでなく、金属酸化物殻の厚さが薄くなりすぎることにより、第3工程の炭酸塩を溶解する工程において殻の破壊が生じたり、中空化後において形状を維持できないことになる。
したがって、粒子状物質の量は、その種類や金属酸化物中空粒状体に求められる機能により異なるが、好ましくは0.001〜90%がよく、さらにより好ましくは0.001〜80%の範囲がよい。
上記したように、本発明は、粒子状物質と炭酸塩との結合粒子を製造する第1工程、該結合粒子に金属酸化物を製膜する第2工程、及び酸により核材の炭酸塩を溶解し、粒子状物質が内包された金属酸化物中空粒状体とする第3工程の3つの製造工程に分けることができる。
その第1工程における炭酸塩とは、炭酸と塩基(アルカリ)を中和させてできる塩のことで、アルカリ金属、アルカリ土類金属をはじめ遷移金属等を陽イオンとし、その構造式中に陰イオンとして炭酸基(CO3)を含むものをいい、その炭酸塩には、陰イオンの構造から正塩(CO3)、炭酸水素塩(HCO3)、OH基を含む水酸化物塩があり、本発明においてはそれらのいずれも使用できる。
工業的に良く使用されている炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム(重曹)があるが、本発明で好適に使用できる炭酸塩としては、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウムや塩基性炭酸マグネシウム(工業的には「炭マグ」と呼ばれている)などをあげることができる。
このように炭酸塩には数多くの種類があげられるが、以下においてはこれらのうち炭酸カルシウムと塩基性炭酸マグネシウムについて詳細に述べる。
粒子状物質と炭酸塩との結合粒子の製造方法については特に限定されることはなく、ファンデスワールス力や電気的な力で接触し合うような凝集ではなく、両者がバインダーによりあるいは直接固着又は粒子状物質が炭酸塩中に包含されるような結合粒子が製造できればよい。
無機バインダーとしては、珪酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等があげられる。
また、有機バインダーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、酢酸ビニル、ポリアクリルアマイド、エポキシ樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル・酢酸ビニル共重合樹脂、エチレンビニル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、天然レジン、アラビアゴム、パラフィン、ワックス、アルギン酸ソーダ、コーンスターチ、寒天、しょ糖等があげられる。
このようなバインダーは、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。このようにバインダーの種類については特に限定されないが、その種類によっては第2工程で制約を受けたり、第3工程で中空粒状体の内部に残存する可能性があり、結合粒子を製造する第1工程でバインダーを使用することは、必ずしも適切な方法とはいえない。
バインダーを使用しない方法の1つとして、乾燥時に造粒する方法があり、その造粒方法には、転動造粒法、押出造粒法、圧縮造粒法、噴霧造粒法、流動層造粒法、破砕造粒法、撹拌造粒法等があるが、これらの中でもスプレードライヤーを使用した噴霧造粒法や流動層造粒法が適している。
なお、バインダーを使用しない場合は、第2工程で水系を選択すると結合粒子、すなわち複合粒子が崩壊し構成粒子が分散するおそれがあるため、この場合は金属酸化物の製膜をアルコール等の非水系で行う必要がある。
上記した点から炭酸塩と粒子状物質とを直接固着、あるいは炭酸塩粒子内部に包含させる方法が最も好適である。
ここでいう固着とは、炭酸塩と粒子状物質が互いに表面で接合あるいは一部が食い込んだ状態で、両者が固定された粒子構造をいう。したがって、固定したとするものを、水溶液中で弱く撹拌した際に両者が分離するような状態、例えば単なる表面電位差による電気的な凝集やファンデルワールス力による凝集は含まれない。
なお、このようにして得られたバインダーを使用してない結合体を本発明では複合体と呼称する。
[先行技術文献2]
特開2001−247310号公報 特開2002−029739号公報 特開2003−062469号公報 特開2003−137544号公報 特開2004−331417号公報 特開2004−338995号公報
本発明者らは、炭酸カルシウムや塩基性炭酸マグネシウムと粒子状物質とが直接固着、あるいは内包した複合体を製造する方法をすでに提案しており、これらの技術は、本発明において特に好適に使用することができるので、それらを以下において列挙する。
特許文献10はコロイダルシリカと炭酸カルシウムの複合体に関する技術を開示する。
特許文献11は二酸化チタンと炭酸カルシウムの複合体に関する技術を開示する。
特許文献12は酸化チタン、酸化亜鉛等の光触媒粒子と炭酸カルシウムの複合体に関する技術を開示する。
さらに、特許文献13は金属粒子および無機微粒子と炭酸カルシウムの複合体に関する技術を開示する。
特許文献14は無機微粒子が塩基性炭酸マグネシウムに被覆(包含)された複合粒子に関する技術を開示する。
特許文献15は無機及び有機微粒子と管状塩基性炭酸マグネシウムの複合体に関する技術を開示する。
これらの技術に共通することは、いずれの製造方法も炭酸塩粒子を製造する過程の炭酸化反応開始前、あるいは目的とする炭酸塩の生成が完了するまでの間に粒子状物質を液中に共存させ、粒子状物質が炭酸塩粒子内部に包含、あるいは粒子表面に直接固着し一体化した複合粒子が製造できる点にあり、本発明の第1工程において最も好適に使用できる技術である。
次に、炭酸塩が合成炭酸カルシウムである場合の複合粒子の製造方法について詳細に述べる。
合成炭酸カルシウムは、その結晶形態が多様であり、均一な粒子径のものが得られること、反応条件を調節することによりこれらを制御できること、製造が容易で経済性にも優れること、そして何よりも酸による溶解性が優れるという特長を有していることから、本発明において最も好適な炭酸塩といえる。
その合成炭酸カルシウムには、カルサイト、アラゴナイト、バテライトの3種の結晶構造の異なる多形の無水結晶質炭酸カルシウムの他に、非晶質炭酸カルシウム、一水和物(CaCO3・H2O)、六水和物(CaCO3・6H2O)、水酸化物塩である塩基性炭酸カルシウムが知られており、本発明においてはいずれの結晶構造のものでも使用できる。
また、結晶形態の違いにより、立方体状炭酸カルシウム、紡錘状炭酸カルシウム、連鎖状カルシウム、柱状炭酸カルシウム、球状炭酸カルシウム、菱面体状炭酸カルシウム、板状炭酸カルシウム等、種々のものが知られており、本発明はこれらの形態で限定されるものではない。
さらに、合成炭酸カルシウムの製造方法には、水酸化カルシウムスラリー中に炭酸ガスを吹き込むことにより炭酸カルシウムを沈殿させる炭酸ガス化合法、水酸化カルシウムと炭酸ナトリウムとの反応による石灰乳ソーダ法、あるいは塩化カルシウムと炭酸ナトリウムとの反応による塩化カルシウムソーダ法等があり、本発明においては、いずれの方法でもよく、適宜選択できる。
以下においては、現在本邦で広く採用されており、しかも炭酸塩が効率的に製造できる炭酸ガス化合法について述べることにする。
炭酸ガス化合法とは、酸化カルシウム(生石灰)や、水酸化カルシウム(消石灰)に水を加えて得られた水酸化カルシウムスラリーに、上述したように炭酸ガスを導入して合成炭酸カルシウムを生成させる方法であり、炭酸ガス化合法における炭酸化反応とは、水酸化カルシウムスラリー中に炭酸ガスを導入することにより炭酸カルシウムを製造する方法である。
その酸化カルシウム原料としては、天然資源として豊富に産する石灰石をはじめ、貝殻や珊瑚などの生物起源の炭酸カルシウム、製糖工場で発生するライムケーキ等の炭酸カルシウムや水酸化カルシウムであれば特に制限なく使用でき、これらを焼成することにより本発明における原料の1つとして使用する酸化カルシウムを得ることができる。
粒子状物質を共存させる方法については、特に制限されることはなく、炭酸化反応により炭酸カルシウムが生成あるいは成長する過程において、スラリー中に該微粒子が存在すればよい。
すなわち、炭酸化反応開始前あるいは開始後から炭酸化反応が終了するまでの間に、水酸化カルシウムスラリー(炭酸化開始後は炭酸カルシウムも含有される)中に該微粒子を添加するのが最も簡便である。
その炭酸化反応系に添加する際の粒子状物質の形態については、粉末状態であっても、懸濁液の状態であってもよく、粒子状物質の種類や目的とする中空粒状体に応じて適宜選択すればよく、特に粒子状物質の分散度を重視する場合には、超音波照射処理、せん断応力等による物理的分散処理、分散剤の使用などにより、分散処理を施した懸濁液の状態とすれば良好な効果が得られることが考えられる。
粒子状物質を添加した後は、そのまま炭酸化反応を継続し、反応生成物中に未反応水酸化カルシウムを残留させないためには、炭酸化反応は完全に終了するまで継続させることが望ましい。
その炭酸化反応の終了については、pHの測定によって容易に知ることができる。
すなわち、炭酸ガス化合法では、炭酸化率が100%未満では未反応の水酸化カルシウムが存在するためスラリーpHは10〜12とアルカリ性を示すが、反応が終了するとpHは中性付近にまで低下する。
以上のようにして、炭酸化反応の終了時点を判断することができ、それにより合成炭酸カルシウムと粒子状物質との複合体が円滑かつ合理的に製造できる。
次に、炭酸塩として塩基性炭酸マグネシウムを選択した場合について述べる。
塩基性炭酸マグネシウムは、化学式mMgCO3・Mg(OH)2・nH2Oで表され、化学式におけるm及びnの値については、製造条件によって変化し、一定のものではなく、mは3〜5、nは3〜8のものが一般的である。
塩基性炭酸マグネシウムの製造方法としては、塩化マグネシウム等の可溶性マグネシウム塩と炭酸ナトリウムとの反応を利用したソーダ灰法、可溶性マグネシウム塩と炭酸アンモニウムとの反応を利用した炭安法、水酸化マグネシウムと炭酸ガスとの反応を利用したガス法など多くのものがある。
それらのいずれの方法においても、塩基性炭酸マグネシウムの生成反応は、その反応条件によって、中間生成物として正炭酸マグネシウム(MgCO3・nH2Oで表される炭酸マグネシウム水和物、n=3が一般的)を経る場合と、Mg(HCO32を長時間熟成することによって塩基性炭酸マグネシウムを生成させる場合と、正炭酸マグネシウムや重炭酸マグネシウムを経ずに直接塩基性炭酸マグネシウムが生成する場合とがある。
これら塩基性炭酸マグネシウムの製造方法の中でも、ガス法は、比較的安価な水酸化マグネシウムと、燃焼排ガスなどの二酸化炭素含有ガスを原料として用いることができるというメリットがあり、経済性や環境保護の観点から塩基性炭酸マグネシウムの製造方法として優れている。
これらのような塩基性炭酸マグネシウムを生成させる過程において、塩基性炭酸マグネシウムの生成が完了する以前に、粒子状物質を添加等で混合することにより、本発明の塩基性炭酸マグネシウム被覆複合粒子を得ることができる。
混合する粒子状物質としては、既に述べたように金属あるいは元素単体、酸化物、複酸化物、水酸化物、硫化物、硫酸塩、ハロゲン化物、リン酸塩、珪酸塩があげられる。
さらに、有機化合物の粒子状物質も使用可能であり、プラスチック微粒子やゴムラテックス微粒子、さらには親油成分を界面活性剤などの乳化剤にて安定化させて得られるエマルション微粒子などが使用可能である。
このなかでも酸化物粒子は、効率よくその粒子表面に塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶を被覆することができる点で好適であり、特に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄は最も効率よくその粒子表面に塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶を被覆することができる。
核となる粒子状物質を混合する時期に関しては、前記した通り塩基性炭酸マグネシウムの生成が完了する以前であればよいが、望ましくは塩基性炭酸マグネシウムの生成過程のなかで中間生成物である正炭酸マグネシウムの析出が完了した後であることが良く、この時期に粒子状物質を添加等により混合することによって、粒子状物質の表面をより効率よく塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶により被覆することが可能となる。
なお、中間生成物として正炭酸マグネシウムが析出しない条件で塩基性炭酸マグネシウムを生成させる場合においては、この限りでない。
添加する際の粒子状物質の形態については、粉末状態であっても、懸濁液の状態であってもよく、目的とする中空粒状体の性状に応じて適宜選択すればよい。
例えば、単分散状態の核粒子表面に塩基性炭酸マグネシウムを被覆したい場合には、超音波照射処理、せん断応力等による物理的分散処理又は分散剤の使用などにより、分散処理を施した懸濁液の状態の方がよい。
塩基性炭酸マグネシウムを生成させる条件については、反応条件等を適切に選定し、目的とする形状の塩基性炭酸マグネシウム被覆複合粒子が得られるように調節することが望ましい。
すなわち、球状の塩基性炭酸マグネシウム被覆複合粒子を得たい場合には、高温域で塩基性炭酸マグネシウムを生成させる条件がよく、例えば、水酸化マグネシウムと炭酸ガスとを用いるガス法においては、水酸化マグネシウム懸濁液に炭酸ガスを導入する際の温度を、80℃とすると球状及び/又は楕円体状の塩基性炭酸マグネシウムが生成しやすくなる。
それとは逆に比較的低温域で塩基性炭酸マグネシウムを生成させると、柱状の塩基性炭酸マグネシウム被覆複合粒子が得られ、例えば、ガス法においては、水酸化マグネシウム懸濁液に炭酸ガスを導入する際の温度を30℃とすると、中間生成物として正炭酸マグネシウムの柱状粒子が析出し、その後45℃で塩基性炭酸マグネシウムを生成させると、柱状あるいはそれに近い形状の塩基性炭酸マグネシウムが生成しやすくなる。
いずれにしても、用途や使用形態に応じた適切な粒子形状となるように、塩基性炭酸マグネシウムの生成条件を調節することが望ましい。
粒子状物質を添加した後は、塩基性炭酸マグネシウムの生成が完了するまで反応を継続させることが望ましい。
塩基性炭酸マグネシウムの生成完了については、反応液のpHや導電率などを測定することによって判断することができ、例えば、ガス法において、正炭酸マグネシウムを中間生成物として経て塩基性炭酸マグネシウムが生成する場合、塩基性炭酸マグネシウムの生成途上であると液のpHは徐々に低下していくのに対して、生成が完了するとpHはほぼ一定で推移する。
このようにして上記した製造方法においては、粒子状物質を核として、その表面が塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶により覆われた塩基性炭酸マグネシウム被覆複合粒子を製造することができる。
さらに、管状形態の中空粒状体を得る場合には、特許文献15の方法により塩基性炭酸マグネシウムと粒子状物質の複合体を製造すればよい。
すなわち、水酸化マグネシウム懸濁液に炭酸ガスを導入して炭酸水素マグネシウム溶液を調製する第1ステップと、炭酸水素マグネシウム溶液をpH7.5〜11.0に調節して正炭酸マグネシウムの柱状粒子を生成させる第2ステップと、該正炭酸マグネシウムの柱状粒子の懸濁液をpH9.0〜12.0、かつ温度30〜75℃に調節した後前記温度範囲を維持することにより塩基性炭酸マグネシウムを生成させる第3ステップとにより塩基性炭酸マグネシウムを生成させ、それにより前記粒子状物質の複合体を製造するものである。
具体的には、薄片状微細結晶からなる管状凝集粒子である塩基性炭酸マグネシウムを生成させる過程において、第2ステップの反応を開始する以前に粒子状物質を混合することにより、粒子状物質内包複合管状塩基性炭酸マグネシウムを製造することができる。
こうして製造された管状の塩基性炭酸マグネシウムの複合粒子は、鱗片状の結晶が集合した内径0.5〜5μm、外径1〜20μm、長さ5〜200μmの管状の形状をなした粒子であり、その管の内面に粒子状物質が固着したものになる。
続いて、本発明の第2工程について述べる。
この工程は第1工程で製造した複合粒子の表面を金属酸化物で被覆する工程であり、複合粒子を被覆する金属酸化物としては、シリカ(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化アンチモン(Sb23)、酸化錫(SnO2)、酸化マンガン(MnO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)等があげられ、それらの水酸化物、含水物や塩も含まれる。
なお、ここでいうシリカには上記した二酸化珪素のみならず珪酸塩も含まれ、非晶質、結晶質、無水物、含水物、水酸化物等もその範囲に含まれ、また酸化チタン(チタニア)とは二酸化チタンのみならず、酸素欠損型酸化チタンやチタン酸塩、さらには非晶質、結晶質、無水物、含水物、水酸化物等が含まれる。
シリカを製膜する場合には、シリカ源としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等の珪酸アルカリや各種のシリコンアルコキシドが使用でき、珪酸アルカリを使用する場合には、例えば特許文献6に開示されている方法を使用できる。
すなわち、第1工程で製造した粒子状物質と炭酸塩の複合粒子と、珪酸アルカリ水溶液との混合スラリーを撹拌機等で分散させ、鉱酸を用いて撹拌しながら混合液の温度を70℃以上沸点以下に維持して中和反応を行う。
この場合、鉱酸の種類は特に限定されないが、比較的安価に購入でき不要な沈殿粒子ができにくい塩酸が好ましい。
鉱酸添加によってスラリーのpHが7〜9になった時点で、珪酸アルカリの中和を終了して、炭酸塩複合粒子をシリカで製膜することができる。
シリカ源としてシリコンアルコキシドを使用する場合には、例えば特許文献5に開示されているような方法が使用でき、その場合には第1工程で製造した粒子状物質と炭酸塩の複合粒子の含水ケーキを、アルコール中に分散させ、アンモニア水、水、シリコンアルコキシドを添加することにより、シリカでコーティングされた炭酸塩複合体が調製できる。
本工程で溶媒として使用するアルコールについては特段の制約はなく、メタノール、エタノール、プロパノールなどが利用可能である。
また、シリコンアルコキシドについては、加水分解によりシリカを析出し得るものであれば特段の制約はなく、例えばトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリプロポキシシラン、テトラプロポキシシラン、トリブトキシシランなどを用いることができる。
粒子状物質を添加した後は、シリコンアルコキシドの加水分解によるシリカの析出が完了するまで撹拌を続けることが望ましい。
酸化チタン(チタニア)の製膜方法については、チタンアルコキシドを加水分解させる方法が良く知られており、該テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン等が使用できる。
その他に硫酸チタニルや塩化チタン(III)、塩化チタン(IV)溶液を使用する方法や、さらに塩化チタン(III)や塩化チタン(IV)溶液からペルオキソチタン溶液を調製し、該ペルオキソチタン溶液を基材粉体共存下で加熱することにより該基材粉体表面上に酸化チタン膜を被覆させる方法が知られている。
本工程での酸化チタンの製膜方法についても特に限定されず、これらの方法から適宜選択することができる。
次に、本発明の第3工程の条件について説明する。
この第3工程では、第2工程において金属酸化物で被覆した炭酸塩複合粒子を酸で処理し、該複合粒子の炭酸塩の部分を溶解させるが、その際には、第2工程で得られた金属酸化物で被覆された該複合粒子のスラリーをそのまま使用しても、一旦固液分離しケーキ状にしてから、再び水を加えて分散させたスラリーを用いてもよい。
その炭酸塩の溶解に用いる酸溶液は、無機酸、有機酸のいずれも問題なく使用できるが、炭酸塩と酸との反応副生成物の水に対する溶解度が高くなるように、酸の選択を行うことが好ましい。
その際における酸の使用は、第3工程で生成した中空構造を有する粒子内包金属酸化物中空粒状体の洗浄を行う際に水で洗浄を行うことによって副生成物が効率よく除去できるようにするためであり、その酸は工業的に比較的安価に入手できる酸であることが望ましく、これらの観点から、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、クエン酸等が好適に用いられる。
粒子状物質が比較的酸に弱い成分の場合は、使用する酸に有機酸を選択し、薄い濃度で酸の添加は徐々に時間をかけて行なうことが必要であり、その際には、pHが5以下となり気泡が発生しなくなれば、炭酸塩の溶解がほぼ完全に終了したと見なすことができる。
このようにして製造した粒子内包金属酸化物中空粒状体は脱水・乾燥した後、焼成することにより、殻を形成している金属酸化物を無水化したり細孔の大きさや数を制御することも可能である。
また、殻に存在する細孔より中空部分に液状物を任意の割合で含浸させ内包することができ、金属酸化物殻の内部に中空部、粒子状物質と液状有用物の3相からなる中空粒状体も製造でき、さらに同様にこの細孔を利用すれば、中空部分に後から液体を挿入して、金属酸化物殻内部を固液反応の場として利用することもできる。
本発明の粒子内包金属酸化物中空粒状体の製造方法は、第1工程で炭酸塩と粒子状物質の複合粒子を製造し、この複合粒子を第2工程で核材として利用し、さらに続く第3工程においては、金属酸化物殻内部の炭酸塩を酸により溶解・発泡させるものであり、それにより粒子の中空化が極めて容易になる。
その結果、従来の方法に較べ単純な工程で効率よく製造できる。
そして、本発明により製造された粒子内包金属酸化物中空粒状体は、殻の内部に金属、無機あるいは有機の粒子状物質が内包されたものであり、その粒子状物質の機能の長期安定性、徐放効果、特定環境下で内包物質を放出する放出制御性、変質防止効果、マスキング効果、保護効果という優れた特性を発現する。
また、本発明の粒子内包金属酸化物中空粒状体は、その粒径、形状、厚み、表面細孔を制御することにより、機能そのものの効力や機能の寿命を制御ことができるという特性をも備えるものである。
さらに、必要に応じて表面を無機物質あるいは有機高分子により表面修飾することによっても、機能の向上や延命、内包した物質の漏洩防止や徐放効果、特定環境下で内包物を放出する放出制御性、変質防止効果、マスキング効果、保護効果等をさらに高めることができ、各種用途への適応性を高めることができる。
その結果、本発明で製造された粒子内包金属酸化物中空粒状体は、各種触媒、電子材料、半導体材料、光学材料、磁性材料、コーティング材、吸着剤、耐紫外線材料、カラム充填剤、土木・建築資材等の工業材料をはじめ、接着剤、塗料、インキ等への添加剤、顔料、充填剤等の化学品類、建材、文具、香料、化粧料、食品及び食品関連薬剤類、医薬、農薬、肥料等の農業資材等、多種多様な用途に対応できるものである。
[実施例及び比較例]
以下において、本発明の複数の実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等によってなんら限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
(第1工程)
工業用生石灰120gを、70℃に加温した水道水1.0L中に投入し、30分間撹拌して、生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残渣を取り除いてから、適量の水道水を加え、固形分濃度74g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。
この消石灰スラリーの温度を30℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で導入し、炭酸化反応を開始した。
その炭酸化反応を開始してから60分が経過した時点で、X線回折法により測定された粒子径が7nmの酸化チタンの水分散体(石原産業製STS−02)33g(酸化チタンとして10g)を添加し、その後引き続いて炭酸ガスを導入して炭酸化反応を継続させ、スラリーのpHが7に低下した時点で炭酸ガスの導入を終了させた。
得られた生成物を、走査型電子顕微鏡にて観察したところ、長径1.5〜2.0μmの紡錘状炭酸カルシウム粒子表面に、酸化チタン粒子が固着していることが確認された。
(第2工程)
この酸化チタン−炭酸カルシウム複合体のスラリーを遠心脱水機にて含水量65重量%の含水ケーキとした後、この含水ケーキ22gを450gのエタノール中に投入し、1分間超音波照射して、エタノール中に炭酸カルシウムを分散させた。
そこに、28%アンモニア水21g、テトラエトシキシラン7.5gを添加(テトラエトシシラン/エタノールの体積比0.01、アンモニア水に含有されるNH3はテトラエトキシシラン1モルに対して9.3モル、水はテトラエトキシシラン1モルに対して30モル)し、12時間撹拌を続け、シリカによりコートされた複合体を調製した。
この調製物を透過型電子顕微鏡で観察したところ、複合体表面に、厚さ15〜20nmのシリカ殻が確認された。
(第3工程)
つづいて、シリカによりコートされた炭酸カルシウムのスラリーを吸引ろ過にて脱液、エタノール1200mLによる洗浄、及び水1200mLによる洗浄を行った後、再び水800mL中に分散させた。
このスラリーに2.5モル/Lの塩酸を少量づつ添加すると核材の炭酸カルシウムは発泡しながらが溶解した。pHが5まで低下したところで塩酸の添加を終了した。
生成物を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、短径が0.2〜0.7μm、長径が1.5〜2.0μmの紡錘状の形状をしたシリカ中空粒状体の内部に7nmの粒径の酸化チタンが多数存在することが確認できた。
(第1工程)
実施例1と同様にして、長径1.5〜2.0μmの紡錘状炭酸カルシウム粒子表面に、酸化チタン粒子が固着した酸化チタン−炭酸カルシウム複合体を調製した。
(第2工程)
SiO2濃度を18重量%に調整した3号ケイ酸ソーダ340gに第1工程で調製した複合体200gと水を加えて全量を1.2Lとし、このスラリーを撹拌しながら85℃まで加熱し、温度を85℃に保ちながら、この混合スラリーに5%硫酸溶液をpHが8.0になるまで徐々に添加し、シリカで被覆された複合体を得た。
(第3工程)
スラリーの温度が常温に戻った後、撹拌しながら1N塩酸を徐々に添加し、pHが3.0になった時点で添加を終了し、このスラリーを吸引濾過し、水で洗浄して酸化チタン内包金属酸化物中空粒状体のスラリーを得た。
生成物を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、短径が0.2〜0.7μm、長径が1.5〜2.0μmの紡錘状の形状をしたシリカ中空粒状体の内部に7nmの粒径の酸化チタンが多数存在することが確認できた。
(第1工程)
工業用生石灰135gを70℃に加温した水道水1L中に投入し、30分間撹拌して生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残査を除去してから、水道水を加え、濃度80g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。
この消石灰スラリーに平均粒子径0.25μmのルチル型酸化チタン(石原産業製CR−50)20.0gを添加した後、スラリー温度を30℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で導入し、炭酸化反応を行い、スラリーのpHが7になった時点で反応を終了させ、酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を得た。
得られた生成物について化学分析を行ったところ、酸化チタン含有量が8.7重量%であった(炭酸カルシウム100重量部に対して酸化チタン9.6重量部)。また、走査型電子顕微鏡にて観察したところ、長径2.0μm、短径0.4μmの紡錘状炭酸カルシウム表面に、粒径0.25μm程度の酸化チタン粒子が担持されていることが確認された。
(第2工程)
この酸化チタン−炭酸カルシウム複合体のスラリーを遠心脱水機にて含水量65重量%の含水ケーキとした後、この含水ケーキ46gをイオン交換水500gに分散させた後、29%アンモニア水87g、テトラエトシキシラン(「水系TEOS」と略称する)32gを添加して24時間撹拌した。
この調製物を透過型電子顕微鏡で観察したことろ、複合体表面に、厚さ15〜20nmのシリカ殻が確認された。
(第3工程)
つづいて、シリカによりコートされた複合体のスラリーを吸引ろ過にて脱液、その後、イオン交換水により洗浄して、再び水800mL中に分散させた。
このスラリーに1.0モル/Lの塩酸を少量づつ添加すると核材の炭酸カルシウムは発泡しながらが溶解した。pHが5まで低下したところで塩酸の添加を終了した。
生成物を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、短径が0.2〜0.7μm、長径が1.5〜2.0μmの紡錘状の形状をしたシリカ中空粒状体の内部に0.25μmの粒径の酸化チタンが存在することが確認できた。
(第1工程)
工業用生石灰75gを、70℃に加温した水道水1.0L中に投入し、30分間撹拌して、生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残渣を取り除いてから、適量の水道水を加え、固形分濃度40g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製し、この消石灰スラリーを撹拌しながら、温度を15℃に調節した。
続いて、塩化第一鉄と塩化第二鉄の混合水溶液に水酸化ナトリウム水溶液で沈殿させて合成した平均粒子径が50nmのマグネタイト10gを前記スラリーに添加し、炭酸ガスを1.5L/分の速度で導入し、スラリーのpHが7に達した時点で炭酸化反応を終了させ、その後、液温を80℃にし、24時間撹拌して熟成を行った。
生成した炭酸カルシウムを走査型電子顕微鏡にて観察したところ、一次粒子径は60〜120nmであり、炭酸カルシウム粒子と粒径50nmのマグネタイト粒子が固着していることが確認された。
(第2工程)
この炭酸カルシウム複合体のスラリーを遠心脱水機にて含水量65重量%の含水ケーキとした後、この含水ケーキ22gを450gのエタノール中に投入し、1分間超音波照射して、エタノール中に炭酸カルシウムを分散させた。
そこに、28%アンモニア水21g、テトラエトシキシラン7.5gを添加(テトラエトシシラン/エタノールの体積比0.01、アンモニア水に含有されるNH3はテトラエトキシシラン1モルに対して9.3モル、水はテトラエトキシシラン1モルに対して30モル)し、12時間撹拌を続けた。
この調製物を透過型電子顕微鏡で観察したことろ、40〜80nmの炭酸カルシウム表面に、厚さ5〜10nmのシリカ殻が確認された。
(第3工程)
シリカによりコートされた炭酸カルシウムとマグネタイトの複合体のスラリーを吸引ろ過にて脱液、エタノール1200mLによる洗浄、及び水1200mLによる洗浄を行った後、再び水800mL中に分散させた。
このスラリーに2.5モル/Lの塩酸を少量づつ添加すると核材の炭酸カルシウムは発泡しながらが溶解した。pHが5まで低下したところで塩酸の添加を終了した。
生成物を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、粒径50nmのマグネタイトが内包された80〜150nmのシリカ中空粒状体が確認された。
(第1工程)
水道水2.0L中にグリシン120gを溶解した水溶液に、工業用消石灰150gを懸濁させ、X線回折法により測定された粒子径が7nmの酸化チタンの水分散体(石原産業製STS−02)33g(酸化チタンとして10g)を添加し、このスラリーの温度を20℃に調節し、撹拌しながら炭酸ガスを1.5L/分の速度で導入して、炭酸化反応を行い、スラリーのpHが7に達した時点で炭酸ガスの導入を終了させた。
得られた生成物を、走査型電子顕微鏡にて観察したところ、径0.5〜2.0μmの球状炭酸カルシウムであり、粉末X線回折の結果、バテライト型炭酸カルシウムであることが確認された。
(第2工程)
SiO2濃度を18重量%に調整した3号ケイ酸ソーダ340gに、第1工程で調製したバテライト200gと水を加えて全量を1.2Lとし、得られた混合スラリーを撹拌しながら85℃まで加熱し、温度を85℃に保ちながら、この混合スラリーに5%硫酸溶液をpH8.0になるまで徐々に添加し、シリカで被覆された複合体を得た。
(第3工程)
スラリーの温度が常温になるまで静置し、撹拌しながら1Nの塩酸を徐々に添加し、pHが3.0になった時点で添加を終了し、このスラリーを吸引濾過し、水で洗浄して酸化チタン内包金属酸化物中空粒状体のスラリーを得た。
生成物を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、径が0.5〜2.0μmの球状の形態をしたシリカ中空粒状体の内部に7nmの粒径の酸化チタンが多数存在することを確認した。
(第1工程)
工業用生石灰75gを、70℃に加温した水道水1.0L中に投入し、30分間撹拌して、生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残渣を取り除いてから、適量の水道水を加え、固形分濃度40g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製し、この消石灰スラリーを撹拌しながら、温度を15℃に調節した。
続いて塩化第一鉄と塩化第二鉄の混合水溶液に水酸化ナトリウム水溶液で沈殿させて合成した平均粒子径が50nmのマグネタイト10gを添加し、炭酸ガスを1.5L/分の速度で導入し、スラリーのpHが7に達した時点で炭酸化反応を終了させた。
このスラリーを二流体ノズル型のスプレードライヤーで乾燥し、一次粒子径が40〜80nmの炭酸カルシウムと一次粒子径50nmのマグネタイト粒子からなる造粒した粒径が5〜30μmの球状の複合体を調製した。
(第2工程)
この球状複合体15gを450gのエタノール中に投入し、炭酸カルシウムをエタノール中に分散させ、そこに、テトラ−i−プロポキシチタン(TPT)6.0gを添加し、さらにアンモニア水でpH10に調整したアルカリ水18gとエタノール71.1g(90ml)の混合溶液を1.5ml/分の速度で系内に添加した。
その後4時間撹拌を続けた後、エタノール71gを加え反応を停止させ、その調製物を透過型電子顕微鏡で観察したところ、球状粒子表面が、10〜50nmの厚さのチタニア殻が確認された。
(第3工程)
チタニアによりコートされた炭酸カルシウムとマグネタイトの球状複合体のスラリーを吸引ろ過にて脱液、エタノール1200mLによる洗浄、及び水1200mLによる洗浄を行った後、再び水800mL中に分散させた。
このスラリーに2.5モル/Lの塩酸を少量づつ添加すると核材の炭酸カルシウムは発泡しながらが溶解し、pHが5まで低下したところで塩酸の添加を終了した。
生成物を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、粒径50nmのマグネタイトが内包された5〜30μmのチタニア中空粒状体が確認された。
(第1工程)
水酸化マグネシウム懸濁液(30g/L)2.0Lに、液温を20℃に保持、撹拌しながら、二酸化炭素25容量%と空気75容量%とからなる二酸化炭素含有ガスを8.0L/minの速度で30分間導入した後、液温が45℃になるように加温しながら撹拌して正炭酸マグネシウムを生成させ、この生成した正炭酸マグネシウムの懸濁液に、酸化チタン(粒子径0.2〜0.3μm)20gを250mLのイオン交換水に超音波分散させた懸濁液を添加した。
その後液温が70℃になるように加温しながら撹拌して塩基性炭酸マグネシウムを生成させ、生成物を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、その外形は塩基性炭酸マグネシウムの薄片状微細結晶が集合した径5〜10μmの球状及び楕円体状(長径/短径=1〜1.4)の凝集粒子で、その内部に粒子径0.2μmの酸化チタン粒子が核をなしている塩基性炭酸マグネシウム被覆複合粒子であることが確認された。
(第2工程)
この塩基性炭酸マグネシウム被覆複合粒子のスラリーを遠心脱水機にて含水量10重量%の含水ケーキとした後、この含水ケーキ100gをイオン交換水500gに分散させた後、29%アンモニア水87g、テトラエトシキシラン45gを添加して24時間撹拌した。
この調製物を透過型電子顕微鏡で観察したところ、複合体表面に厚さ約10nmのシリカ殻が確認された。
(第3工程)
つづいて、シリカによりコートされた複合粒子のスラリーを吸引ろ過にて脱液後、イオン交換水により洗浄して、再び水800mL中に分散させ、このスラリーに1.0モル/Lの塩酸を少量づつ添加すると核材の塩基性炭酸マグネシウムは発泡しながら溶解し、pHが5まで低下したところで塩酸の添加を終了した。
生成物を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、径5〜10μmの球状及び楕円体状の凝pH集粒子形状をしたシリカ中空粒状体の中心部に0.2〜0.3μmの粒径の酸化チタンが存在することが確認できた。
(第1工程)
水酸化マグネシウムの懸濁液(30g/L)2.0Lに、その温度を20℃に保持、撹拌しながら、二酸化炭素25容量%と空気75容量%とからなる二酸化炭素含有ガスを8.0L/minの速度で30分間導入した後、不溶解残渣を濾別して、炭酸水素マグネシウム溶液(pH7.3)を調製した。
その後炭酸水素マグネシウム溶液に、適量の水酸化ナトリウム水溶液を添加して液のpHを9.5に調節した。
ついで、前記液にSBRラテックス(住友化学工業社製、P−5570、48重量%溶液)25gを添加すると共に加熱して液温を35℃にまで上昇させ、その後も同温度に保持しながら60分間撹拌して、正炭酸マグネシウムの懸濁液を調製した。
この正炭酸マグネシウムをSEMにて観察したところ、径1〜2μm、長さ20〜50μmの柱状粒子であり、その表面に粒子150〜200nmのラテックス粒子が付着している状態であった。
引き続き、正炭酸マグネシウムの懸濁液に、適量の水酸化ナトリウム水溶液を添加して液のpHを10.5に調節すると共に加熱して液温を50℃にまで上昇させ、その後も同温度を保持しながら120分間撹拌して、微粒子内包複合管状塩基性炭酸マグネシウムを得た。
この微粒子内包複合管状塩基性炭酸マグネシウムを透過型電子顕微鏡及び走査型電子顕微鏡にて観察したところ、内径1〜2μm、外径2〜3μm、長さ5〜30μmの塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の内部に、粒子径150〜200nmのラテックス粒子が複合化されていることが確認された。
(第2工程)
この塩基性炭酸マグネシウム被覆複合粒子のスラリーを遠心脱水機にて含水量10重量%の含水ケーキとした後、この含水ケーキ100gをイオン交換水500gに分散させた後、29%アンモニア水87g、テトラエトシキシラン90gを添加して24時間撹拌した。
この調製物を透過型電子顕微鏡で観察したところ、複合体表面に厚さ約10nmのシリカ殻が確認された。
(第3工程)
つづいて、シリカによりコートされた複合粒子のスラリーを吸引ろ過にて脱液後、イオン交換水により洗浄して、再び水800mL中に分散させた。
このスラリーに1.0モル/Lの塩酸を少量づつ添加すると核材の塩基性炭酸マグネシウムは発泡しながら溶解した。
pHが5まで低下したところで塩酸の添加を終了し、内径1〜2μm、外径2〜3μm、長さ5〜30μmの塩基性炭酸マグネシウムの管状凝集粒子の形状をテンプレートとしたシリカ中空粒状体内部に、粒子径150〜200nmのラテックス粒子が内包された粒子内包シリカ中空粒状体を得た。

Claims (5)

  1. 炭酸塩と粒子形態をなす物質の結合体を製造する第1工程と、その表面を金属酸化物で被覆して金属酸化物殻を形成する第2工程と、前記金属酸化物殻内の炭酸塩を酸により溶解する第3工程からなることを特徴とする粒子内包金属酸化物中空粒状体の製造方法。
  2. 内部が、気体及び/又は液体である流体と、粒子形態をなす物質とから構成される請求項1に記載の粒子内包金属酸化物中空粒状体の製造方法。
  3. 殻を形成する金属酸化物が、シリカ又は酸化チタンである請求項1又は2に記載の粒子内包金属酸化物中空粒状体の製造方法。
  4. 粒子形態をなす物質が、金属、無機物質、有機物質の固体、又は低融点金属、高分子からなる液体の粒子状物質である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粒子内包金属酸化物中空粒状体の製造方法。
  5. 第1工程で製造する結合体を構成する炭酸塩が、炭酸カルシウム又は塩基性炭酸マグネシウムである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の粒子内包金属酸化物中空粒状体の製造方法。
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