JP2008070536A - 光パルス多重化ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】結合効率が高い光パルス列を射出できる光パルス多重化ユニットを提供すること。
【解決手段】入射光を分波して、透過光及び反射光を生成するハーフミラー2と、互いに反射面が平行で対向する2枚のミラー11、12と、ハーフミラー2の一方側及び他方側に配置される一対の光偏向ユニット31、32と、ハーフミラー2の一方側及び他方側の少なくともいずれかに設けられ、ハーフミラー2で分波されて再びハーフミラー2上で合波する光相互間の光路に実質的な光路長差を設けて、時間遅延を与える遅延部4とを有し、ハーフミラー2は、対向する2枚のミラー11,12の間に、2枚のミラー11、12の反射面と垂直になるように配置され、2つの光偏向ユニット31、32は、ハーフミラー2を間に挟んで対向配置されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光パルス列を生成するための光パルス多重化ユニットに関するものである。
従来、光パルス列を生成する光パルス発生器として、例えば、特許文献1に提案されたものがある。図10は、従来の光パルス発生器の概略構成を示している。光パルス発生器は、パルス光源51と、遅延構造52と、集光レンズ53と、導波路54とにより構成されている。
遅延構造52は、図10に示すように、階段状の形状を有している。このため、遅延構造52は、屈折率が等しく、厚さが異なる平行平板が複数並んでいるとみなすことができる。各平行平板は、光軸に垂直な方向に、等間隔で並んでいる。また、隣り合う平行平板の光軸に沿った厚さの差は、一定になっている。
パルス光源51から出射した光パルスを、この遅延構造52に平面波として入射させると、透過する平行平板の厚さに応じて光路長に変化が生じる。図10において、パルス55、55、・・・、55で示すように、波面は階段状に変調される。
このパルス列を集光レンズ53を介して集光することにより、導波路54に光パルス列を伝送させることができる。
米国特許出願公開第2003/0012236A1号明細書
しかしながら、特許文献1に開示されている構成は、以下の問題を有している。通常、導波路では、伝播する光パルスの伝播モードを制限しないと、モード分散による伝播速度の相違により、光パルス列のパルス間隔を一定に保つことは困難である。
導波路は、単一モードであることが望ましいが、単一モードにすると光結合の条件が非常に厳しくなる。これは、光通信技術において、シングルモードファイバーへの光結合か困難であることと同じ理由である。
図10の構成において、結合効率を高めるためには、導波路54の入力側の開口数(NA)と、集光レンズ53を介して光パルスの開口数(NA)とを略一致させなければならない。
ここで、階段状に変調された各光パルスのNAは非常に小さくなり、かつ導波路54への入射角度がそれぞれ異なる。この結果、遅延機構52の各平行平板を透過したすべての光パルスに対して、導波路54への結合効率を同時に高めることは不可能である。
また、遅延構造52の各平行平板を透過した光パルスのNAが小さくなることにより、集光レンズ53を介して集光した際のスポットサイズを小さくすることができないという問題もある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、結合効率が高い光パルス列を射出できる光パルス多重化ユニットを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、入射光を分波して、透過光及び反射光を生成するハーフミラーと、互いに反射面が平行で対向する2枚のミラーと、前記ハーフミラーの一方側及び他方側に配置され、前記ハーフミラーにより分波された透過光及び反射光を各々偏向して、再び前記ハーフミラー上で合波を行わせる一対の光偏向ユニットと、前記ハーフミラーの一方側及び他方側の少なくともいずれかに設けられ、前記ハーフミラーで分波されて再び前記ハーフミラー上で合波する光相互間の光路に実質的な光路長差を設けて、時間遅延を与える遅延部とを有し、前記ハーフミラーは、前記対向する2枚のミラーの間に、2枚のミラーの反射面と垂直になるように配置され、前記2つの光偏向ユニットは、前記ハーフミラーを間に挟んで対向配置されていることを特徴とする光パルス多重化ユニットを提供できる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記遅延部は、互いに光路差が異なるn個の光路を有し、基準となる光路長差をLとしたとき、各光路の光路長差にL、2L、…、2n−1Lのいずれかが割り当てられるように構成されていることが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記遅延部は、n個の複数の厚さを有する、屈折率Nの平行平板であり、各平行平板は、基準の厚さをΔとしたとき、Δ、2Δ、…、2n−1Δのいずれかの厚さを有し、前記基準の光路長差Lと前記基準の厚さΔとはL=(N−1)Δの関係を満足することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記遅延部は、2つのプリズムミラーからなるプリズムユニットをn個備え、個々のプリズムユニットのプリズムミラー間隔を変えることで、光路長差を生成することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、光偏向ユニットは、2枚のミラーから構成され、2枚のミラーの間隔を調整することで、光路長差を調整することが望ましい。
2枚のミラーは、それぞれプリズムであることが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、2枚のミラーは、それぞれプリズムであることが望ましい。
本発明によれば、結合効率が高い光パルス列を射出できる光パルス多重化ユニットを提供できるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる光パルス多重化ユニットの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る光パルス多重化ユニットにおける概略の光路を示している。光パルス多重化ユニットは、ハーフミラー2と、2枚のミラー11、12と、一対の光偏向ユニット31、32とを備えている。
ハーフミラー2は、入射光を分波して、透過光及び反射光を生成する。2枚のミラー11、12は、互いに反射面が平行で対向するように配置されている。ハーフミラー2は、入射光を分波して、透過光及び反射光を生成する。
一対の光偏向ユニット31、32は、ハーフミラー2の一方側及び他方側に配置されている。そして、光偏向ユニット31、32は、ハーフミラー2により分波された透過光及び反射光を各々偏向して、再びハーフミラー2上で合波を行わせる。
光偏向ユニット31は、ミラー311、312で構成されている。光偏向ユニット32は、ミラー321、322で構成されている。また、図1において、線分Cは、光偏向ユニット31、32の中心線を示している。ここで、ミラー11とミラー12との中点MCは、線分C上とは異なる位置になるように構成されている。
さらに、ハーフミラー2は、対向する2枚のミラー11、12の間に、2枚のミラー11、12の反射面と垂直になるように配置されている。また、2つの光偏向ユニット31、32は、ハーフミラー2を間に挟んで対向配置されている。
次に、光の進行に沿って説明を続ける。尚、図中において「L」は左側、「R」は右側を示すことと約束する。例えば、OL1のLとOR1のRはこのルールに従っている。位置Aからハーフミラー2に45度の入射角度で入射した光は、点HM1で光路KL1と光路KR1とに分岐される。光路KL1において、HM1―OL1―PL11―PL12―OL1―HM2を経由して点HM2に至る。また、光路KR1は、HM1―OR1―PR11―PR12―OR1―HM2を経由して点HM2に至る。そして、点HM2において合波される。
点HM2で合波した光は、再び、
光路KL2では、HM2―QL1―OL2―PL21―PL22―OL2―QL2―HM3、
光路KR2では、HM2―QR1―OR2―PR21―PR22―OR2―QR2―HM3、とに分岐される。
さらに、点HM3と点HM4との間の光路KL3、KR3と、点HM4と点HM5との間の光路KL4、KR4についても同様に分波と合波とが繰り返される。そして、点HM5で合波した後は、位置Bへ向けて光は出射される。
図2に示すように、点HM1から点HM5に至るまで、KLi、KRi(i=1、2、3、4)の計8個の経路の組み合わせ、つまり2=16通りの経路が存在することになる。ここで、図3に示すように、遅延部4をハーフミラー2の一方側及び他方側の少なくともいずれかに設ける。本例では、一方側のみに遅延部4を配置している。遅延部4は、ハーフミラー2で分波されて再びハーフミラー2上で合波する光相互間の光路に実質的な光路長差を設けて、時間遅延を与える機能を有する。
図4は、遅延部4の構成を示している。遅延部4は、n個(図4では4個)の複数の光路において光路長差を付与する。基準となる光路長差をLとしたとき、遅延部は、第n番目の光路の光路長差に対して2n−1Lの光路長差を与えるように構成されている。
遅延部4は、n個の複数の厚さを有する、屈折率Nの平行平板である。基準の厚さをΔとしたとき、第n番目の厚さは2n−1Δである。ここで、基準の光路長差Lと基準の厚さΔとはL=(N−1)Δの関係を満足する。
遅延部4により、光路KLi(i=1、2、3、4)のそれぞれに屈折率Nで厚さが(2iー1)Δの平行平板が配置されると、光路KLiでは、2i−1(N−1)Δの光路長が生じる。
図5は、本実施例のさらに具体的な概略構成を示している。ミラー11は、直角三角プリズム11a、11bを接合して構成されている。接合面には、ハーフミラー2の機能を有する半透過膜2aが形成されている。ミラー12は、直角三角プリズム12a、12bを接合して構成されている。接合面には、ハーフミラー2の機能を有する半透過膜2bが形成されている。また、プリズム11bの、光の入射部及び射出部にはプリズム20が設けられている。プリズム20の入射面(射出面)に対して、光は垂直に入射(射出)する。この光は、ミラー11に45度入射(反射)する。
さらに、光偏向ユニット31は、2枚のミラー31a、31bで構成されている。光偏向ユニット32は、2枚のミラー32a、32bで構成されている。そして、一方の光路に上述した遅延部4は配置されている。これにより、上述したような光パルス列を得ることができる。
次に、本実施例の変形例について説明する。本変形例では、遅延部の構成が上記実施例と異なっている。遅延部4は、光軸に沿った方向に厚さが異なる構成である。この結果、光軸に沿った方向に光路長差を与えることができる。
本変形例では、図6に示すように、遅延部は、反射プリズム41と、コーナーキューブの機能を有する反射部42とから構成される。このような構成において、遅延部は、紙面に鉛直なz方向の間隔Lが各光路ごとに所定の光路長差を付与するように配置されている。これにより、所望の光路長差(時間的遅延)を各光路に付与できる。
次に、本発明の実施例2に係る光パルス多重化ユニットについて説明する。図7は、さらに、他の変形例について説明する。図7は、本変形例の概略構成を示している。実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施例において、点Aの位置で分波された光は、点Bで合波するように構成されている。遅延部D1で得られる時間遅延量と同等の時間遅延量は、光路L2側の光偏向ユニットを構成するミラー32a、32bを図中に示す矢印方向へシフトさせることで得ることができる。なお、遅延部D1は、図6で示したような構成を用いているが、図4で示すような構成でも良い。
なお、図7においては、理解の容易のため、ミラー32a、32bをシフトする前とシフトした後との光路を同時に図示している。ミラー32a、32bを矢印方向にシフトするとき、光軸はずれることはない。このため、実施例1で述べたような、光の分波、合波機能は、そのまま維持される。
(変形例)
次に変形例について説明する。図8は、変形例に係る光パルス多重化ユニットの上面図である。図9は、その斜視図である。本変形例では、光パルス多重化ユニットは、2つの3100、3200を有している。そして、プリズム3100とプリズム3200とは、所定面において密着、接合されている。
プリズムどうしの接合面には、半透過膜2が蒸着されている。また、プリズム3100の面3110、3120には、ミラーが蒸着されている。同様にプリズム3200の面3210、3220には、ミラーが蒸着されている。
光Linの入射面(光Loutの射出面を兼ねる)には、効率良く光を入射、射出させるようにプリズム3300が接合されている。ここで、面110、120は、特別に反射面としなくても、自動的に全反射が生ずるように構成されている。
遅延部4は、上述した実施例における遅延部と同じ機能を有する。本変形例では、遅延部4は、空洞で形成されている。遅延部4を除いたプリズム3100、3200は、所定の光学媒質で構成されている。本変形例によっても、上記実施例と同様に高い結合効率の光パルス列を得ることができる。
以上説明したように、光パルス多重化ユニットによれば、各光パルスが同一の軸に沿って伝播する光パルス列を生成できる。このため、射出する光パルス列のNAが小さくなることを防ぐことができる。この結果、結合効率の高い光パルス列を得ることができる。また、光パルス列のパルス間隔を任意に設定できる。また、本変形例での遅延部に液体を充填させても良い。種々の液体を用いることで、光路長を変化させることができる。
以上のように、本発明にかかる光パルス多重化ユニットは、結合効率が高い光パルス列を射出するときに有用である。
実施例1の概略構成を示す図である。 光路の様子を説明する図である。 実施例1の概略構成を示す他の図である。 遅延部の構成を示す図である。 実施例1の具体的構成を示す図である。 遅延部の他の構成を示す図である。 実施例2の概略構成を示す図である。 変形例の概略構成を示す図である。 変形例の斜視構成を示す図である。 従来技術の概略構成を示す図である。
符号の説明
2 ハーフミラー
2a、2b 半透過膜
4 遅延部
11a、11b、12a、12b 直角三角プリズム
11、12 ミラー
20 プリズム
31a、31b、32a、32b
31、32 光偏向ユニット
41 反射プリズム
42 反射部
311、312、321、322 ミラー
D1 遅延部
51 パルス光源
52 遅延構造
53 集光レンズ
54 導波路
55〜55 パルス
3100、3200 プリズム
3110、3120、3210、3220 反射面
110、120 全反射面

Claims (6)

  1. 入射光を分波して、透過光及び反射光を生成するハーフミラーと、
    互いに反射面が平行で対向する2枚のミラーと、
    前記ハーフミラーの一方側及び他方側に配置され、前記ハーフミラーにより分波された透過光及び反射光を各々偏向して、再び前記ハーフミラー上で合波を行わせる一対の光偏向ユニットと、
    前記ハーフミラーの一方側及び他方側の少なくともいずれかに設けられ、前記ハーフミラーで分波されて再び前記ハーフミラー上で合波する光相互間の光路に実質的な光路長差を設けて、時間遅延を与える遅延部とを有し、
    前記ハーフミラーは、前記対向する2枚のミラーの間に、2枚のミラーの反射面と垂直になるように配置され、
    前記2つの光偏向ユニットは、前記ハーフミラーを間に挟んで対向配置されていることを特徴とする光パルス多重化ユニット。
  2. 前記遅延部は、互いに光路差が異なるn個の光路を有し、
    基準となる光路長差をLとしたとき、各光路の光路長差にL、2L、…、2n−1Lのいずれかが割り当てられるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光パルス多重化ユニット。
  3. 前記遅延部は、n個の複数の厚さを有する、屈折率Nの平行平板であり、
    各平行平板は、基準の厚さをΔとしたとき、Δ、2Δ、…、2n−1Δのいずれかの厚さを有し、
    前記基準の光路長差Lと前記基準の厚さΔとはL=(N−1)Δの関係を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光パルス多重化ユニット。
  4. 前記遅延部は、2つのプリズムミラーからなるプリズムユニットをn個備え、個々のプリズムユニットのプリズムミラー間隔を変えることで、光路長差を生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光パルス多重化ユニット。
  5. 前記光偏向ユニットは、2枚のミラーから構成され、
    前記2枚のミラーの間隔を調整することで、光路長差を調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光パルス多重化ユニット。
  6. 2枚のミラーは、それぞれプリズムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光パルス多重化ユニット。
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