JP2006275908A - 信号光パルス多重化ユニット及びそれを用いた時間分解計測装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ミラー11と、ハーフミラー12と、N個の可変ミラー131、132、…、13Nを有し、ミラー11とハーフミラー12とが、互いに平行に配置され、N個の可変ミラーの各々は、ハーフミラー12を挟んでミラー11の反対側にハーフミラー12と平行となるように配置され、且つ、ハーフミラー12とミラー11の間隔をDとしたときに、ハーフミラー11との間隔が、D+Δ、D+2Δ、…、D+NΔを満足するように、ハーフミラー12の一端から他端に向かって配置されている。また、N個の可変ミラーの各々は、Δの値が可変となるように、法線方向に垂直移動可能に構成されている。
【選択図】 図1
Description
2次元光波変換光学系は、ビームエキスパンダ300と、回折格子500と、第1シリンドリカルレンズ600と、フィルタ700と、第2シリンドリカルレンズ800とで構成されている。回折格子500は、透過型の回折格子である。この回折格子500は、第1シリンドリカルレンズ600の前側焦平面(前側焦点位置)に配置されている。また、フィルタ700は、第1シリンドリカルレンズ600の後側焦平面(後側焦点位置)に配置されている。なお、フィルタ700の位置は、第2シリンドリカルレンズ800の後側焦平面と一致している。また、第2シリンドリカルレンズ800の後側焦平面と、シリンドリカルレンズ600の前側焦平面は、互いに共役となっている。
まず、入射光束をビームエキスパンダ300で拡大して、回折格子500上に斜入射させる。このときの光束を光線ごとに見てみる。するとこの場合、回折格子500に斜入射する各光線は、回折格子500の入射面に同時に到達しているわけではない。すなわち、回折格子500のx軸方向についてみると、回折格子500の両端のうち、一端はビームエキスパンダ300に近く、他端はビームエキスパンダ300から遠く離れている。よって、上記一端に到達する光線と上記他端に到達する光線との間には時間差が生じる。すなわち、回折格子500のx軸方向における位置ごとに、光線が到達する時間が異なる。そこで、ここでは図中の線分P−Qに沿う位置に到達した光線の振る舞いについて考える。
このため、フィルタ700を透過した光は、時間差をもって、y軸方向について異なる波長が分布することになる。
但し、2次元光波の時間変化は非常に高速であるため、通常の撮像デバイスでは時間変化を捉えることはできない。このため、ゲートパルスと呼ぶ参照光パルスを、第2シリンドリカルレンズ800の後側焦平面に同時に照射させる。このようにすることによって、スペクトログラムを干渉縞パターンとして取得する。
この2次元光波変換光学系は、試料によって何らかの変調を受けた光、特に超短光パルスの時間分解分光を可能とするものである。
図1は本発明の第1実施形態にかかる信号光パルス多重化ユニットの概略構成を示す上面図、図2は第1実施形態の信号光パルス多重化ユニットにおける、信号光パルスの空間的、時間的な変換の様子を示す説明図、図3は第1実施形態の信号光パルス多重化ユニットにおいて、信号光パルスと参照光パルスとの合波により生ずる干渉縞を示す説明図である。
第1実施形態の信号光パルス多重化ユニット1は、ミラー11と、ハーフミラー12と、N個の可変ミラー131、…、13Nを有して構成されている。なお、図1中、20は第1実施形態の信号光パルス多重化ユニットを経た信号光パルスと参照光との合波位置に設けられたビームスプリッタ、3は撮像素子である。信号光パルス多重化ユニット1は時間分解計測に際しこれらの光学素子とともに用いられる。
ミラー11と、ハーフミラー12と、N個の可変ミラー131、…、13Nは、互いに平行に配置されている。また、N個の可変ミラー131、…、13Nとハーフミラー12との間隔は、ミラー11とハーフミラー12との間隔(Dとする)に対してΔ、2Δ、…、2NN-1Δだけずれて(即ち、D+Δ、D+2Δ、…、D+2NN-1Δとなるように)、ハーフミラー12の一端(図1(a)においては上側)から他端(図1(a)においては下側)に向かって配置されている(但し、図1では説明の便宜上、N=3としている)。そして、N個の可変ミラー131、…、13Nの各々は、ハーフミラー12との間隔D+Δ、D+2Δ、…、D+NΔを満足させながら、Δの値が可変となるように、法線方向に垂直移動可能に構成されている。
また、ハーフミラー12に対して、信号光パルスが45°の入射角度で入射するようにパルス光源(図示省略)が配置されている。
図1中、ハーフミラー12上の所定箇所O1に信号光パルスが入射すると、入射した信号光パルスは、ハーフミラー12を介して透過側と反射側とに分波される。ハーフミラー12を透過した信号光パルスは、可変ミラー131上の所定箇所A1で反射されてハーフミラー12上の所定箇所O22に入射する(即ち、経路O1A1O22を辿る)。一方、ハーフミラー12で反射された信号光パルスは、ミラー11上の所定箇所B1で反射されてハーフミラー12上の所定箇所O21に入射する(即ち、経路O1B1O21を辿る)。このように、ハーフミラー12上の所定箇所O1で分波された夫々の信号光パルスは、夫々経路O1A1O22,O1B1O21を辿り、ハーフミラー12上の領域O2(所定箇所O21,O22を含む領域)で合波される。このとき、可変ミラー131とハーフミラー12との間隔は、ミラー11とミラー12の間隔に対してΔだけ異なっている。このため、可変ミラー11上の所定箇所A1を経てハーフミラー12上の所定箇所O21に到達する信号光パルスと、ミラー11上の点B1を経てハーフミラー12上の所定箇所O22に到達する信号光パルスとは、空間的には互いに√2Δ離れて平行となり、時間的には√2Δ/Cの時間遅延が生じる。
O1A1O22A22O34
O1A1O22B22O32
O1B1O21A21O33
O1B1O21B21O31
経 路 空間ズレ 時間ズレ
O1A1O22A22O34 3√2Δ 3√2Δ/C
O1A1O22B22O32 1√2Δ 1√2Δ/C
O1B1O21A21O33 2√2Δ 2√2Δ/C
O1B1O21B21O31 0(=0√2Δ) 0(=0√2Δ/C)
そこで、同様に、N個の可変ミラーが配置された場合を考えると、ハーフミラー12上でN回の分波と合波を繰り返すことにより、隣り合う信号光パルスの間隔が、空間的に√2Δ分離されるとともに、時間的に√2Δ/C分離された、2のN乗個の信号光パルス列を生成させることができる。
また、第1実施形態の信号光パルス多重化ユニット1によれば、N個の可変ミラー131、…、13Nの各々は、ハーフミラー12との間隔D+Δ、D+2Δ、…、D+NΔを満足させながら、Δの値が可変となるように、法線方向に垂直移動可能である。このため、用いる信号光パルスを構成する各信号の時間的な間隔に応じて可変ミラー131、…、13Nの各々をハーフミラー12との間隔を調整できる。このため、第1実施形態の信号光パルス多重化ユニット1によれば、信号光パルスを構成する各信号の間隔を問わず、多様な信号光パルスについて時間分解計測をすることができる。
図4は本発明の第2実施形態にかかる信号光パルス多重化ユニットの概略構成を示す説明図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、図5は第2実施形態の信号光パルス多重化ユニットにおいて、信号光パルスと参照光パルスとの合波により生ずる干渉縞を示す説明図である。
第2実施形態の信号光パルス多重化ユニット1’は、図1に示した信号光パルス多重化ユニット1と、その出射光路上に、分光手段14を有して構成されている。なお、図4(a),(b)中、20は第1実施形態の信号光パルス多重化ユニットを経た信号光パルスと参照光との合波位置に設けられたビームスプリッタ、3は撮像素子である。信号光パルス多重化ユニット1’は時間分解計測に際しこれらの光学素子とともに用いられる。
分光手段14は、第1レンズ141と、分散素子142と、第2レンズ143とで構成されている。
分散素子142は、入射光を(信号光パルス多重化ユニット1を介して時間的、空間的に多重化された方向(z軸方向及びx軸方向)に対して垂直な方向(y軸方向)に分散させる機能を備えている。そして、第1レンズ141の後側焦平面FB1近傍に配置されている。また、第2レンズ143は、前側焦平面FF2が第1レンズ141の後側焦平面FB1にほぼ一致した位置となるように配置されている。
その他、信号光パルス多重化ユニット1の構成及び信号光パルスの多重化作用については第1実施形態と同様である。
このようにして信号光パルスは、分光手段14を経ることによって、時間的に変化する方向に対して垂直な方向(x軸方向及びy軸方向)に波長分解され、時間に対して2次元の波長情報に変換されることになる。
そこで、参照光をビームスプリッタ20に照射すれば、この2次元の波長情報に変換された信号光パルスと参照光パルスとが同時に存在するときにだけ図5に示すような干渉縞が生成されることとなる。
従って、第2実施形態の信号光パルス多重化ユニット1’によれば、上述した従来の2次元光波変換光学系において問題となっていた、干渉縞の縞間隔が波長により大きく異なってしまうという問題が発生せず、空間的に分離される、信号光パルスを構成する2次元の各波長に対し、時間分解計測としての時間分解能を一定にして時間変化の解析を行うことが可能となる。
なお、レンズ141と143は、yz面に屈折力をもつシリンドリカルレンズでも良い。
図6は本発明の第3実施形態にかかる信号光パルス多重化ユニットを用いた時間分解計測装置の概略構成を示す説明図である。
第3実施形態の時間分解計測装置は、光源5と、分岐手段6と、第2実施形態と同様の信号光パルス多重化ユニット1’と、合波手段2と、検出手段3を有している。
光源5は、超短光パルスを発振するように構成されている。
分岐手段6は、ハーフミラー等を用いて、光源5からの超短光パルスを試料7に照射するための照射光パルスと参照光パルスとに分岐するように構成されている。
信号光パルス多重化ユニット1’は、第2実施形態において述べたように、試料7を経た信号光パルスを空間的及び時間的に多重化する機能を備えている。
合波手段2は、ビームスプリッタ20と、参照光遅延手段22と、参照光照射面積調整手段21を有している。
ビームスプリッタ20は、ハーフミラーで構成されており、信号光パルス多重化ユニット1’を介して空間的及び時間的に多重化された信号光パルスと参照光パルスとの合波位置に配置されている。
参照光照射面積調整手段21は、レンズ211,212を有するビームエキスパンダからなり、レンズ211,212の一方が、光軸に沿って移動可能に構成されている。そして、レンズ211,212の相対的な間隔を調整することによって、合波手段2の合波位置での参照光パルスの照射面積を調整することができるようになっている。ここでは、合波手段2の合波位置での参照光パルスの照射面積が合波手段2の合波位置に到達する信号光パルスの照射領域の面積以上になるように、レンズ211,212の相対的な間隔が調整されている。
検出手段3は、合波手段2で合波されることによって生じた干渉縞を撮像するための撮像素子で構成されている。また、検出手段3は、撮像素子で撮像した情報を数値情報や画像情報として取得、表示するためのコンピュータやディスプレイ装置(図示省略)と接続されている。
照射光パルスを試料7に照射された後、試料7を経た信号光パルスは、信号光パルス多重化ユニット1’を介して空間的及び時間的に多重化されて合波手段2の合波位置に到達する。
一方、参照光は、参照光遅延手段22を介して、合波手段2の合波位置への到達が信号光パルスと同じになるようにして、参照光照射面積調整手段21に導かれる。参照光照射面積調整手段21に導かれた参照光パルスは、参照光パルスの合波手段2の合波位置での照射面積が信号光パルスの照射領域の面積をカバーする大きさに調整されて、合波手段2の合波位置に到達する。
合波手段2の合波位置に配置されたビームスプリッタ20で合波された信号光パルスと参照光パルスは、干渉縞を生じ、検出手段3を介して撮像される。撮像された情報は、図示省略したコンピュータやディスプレイ装置を介して画像情報や数値情報として取得、表示される。これにより、信号光パルスが時間的、空間的に分離された情報として得られる。
11 ミラー
12 ハーフミラー
131、132、133、…、13N 可変ミラー
14 分光手段
141 第1レンズ
142 分散素子
143 第2レンズ
2 合波手段
20 ビームスプリッタ
21 参照光照射面積調整手段(ビームエキスパンダ)
211,212 レンズ
22 参照光遅延手段
221,222,223 ミラー
3 検出手段(撮像素子)
5 光源
6 分岐手段
7 試料
Claims (5)
- ミラーと、ハーフミラーと、N個の可変ミラーを有し、
前記ミラーと前記ハーフミラーとが、互いに平行に配置され、
前記N個の可変ミラーの各々は、前記ハーフミラーを挟んで前記ミラーの反対側に該ハーフミラーと平行となるように配置され、且つ、前記ハーフミラーと前記ミラーの間隔をDとしたときに、前記ハーフミラーとの間隔が、D+Δ、D+2Δ、…、D+NΔを満足するように、該ハーフミラーの一端から他端に向かって配置されていることを特徴とする信号光パルス多重化ユニット。 - 前記N個の可変ミラーの各々は、前記ハーフミラーとの間隔D+Δ、D+2Δ、…、D+NΔを満足させながら、Δの値が可変となるように、法線方向に垂直移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の信号光パルス多重化ユニット。
- 請求項1又は2に記載の信号光パルス多重化ユニットからの信号光パルスの出射光路上に、分光手段を有し、
前記分光手段が、第1レンズと、分散素子と、第2レンズとで構成され、
前記分散素子が、第1レンズの後側焦平面近傍に配置され、
前記第2レンズが、前側焦平面が前記第1レンズの後側焦平面にほぼ一致した位置となるように配置されていることを特徴とする信号光パルス多重化ユニット。 - 光パルスを発する光源と、
前記光源からの光パルスを試料に照射するための照射光パルスと参照光パルスとに分岐する分岐手段と、
請求項1〜3のいずれかに記載の信号光パルス多重化ユニットと、
前記信号光パルス多重化ユニットを経た信号光パルスと参照光パルスとを合波する合波手段と、
前記合波手段で合波されることによって生じた干渉縞を検出可能な検出手段を有することを特徴とする時間分解計測装置。 - 前記合波手段が、
前記信号光パルスと参照光との合波位置に配置されたビームスプリッタと、
前記合波手段の合波位置に到達する信号光パルスに合わせて参照光パルスの該合波位置への到達時間を調整可能な参照光遅延手段と、
前記合波手段の合波位置に到達する信号光パルスに合わせて参照光パルスの該合波位置での照射面積を調整可能な参照光照射面積調整手段を有することを特徴とする時間分解計測装置。
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