JP4875446B2 - 光パルス多重化ユニット及び時間分解計測装置 - Google Patents

光パルス多重化ユニット及び時間分解計測装置 Download PDF

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Description

本発明は、フェムト〜ピコ秒の時間領域の信号光パルスを空間的にも時間的にも多重化する光パルス多重化ユニットと、それを利用した時間分解計測装置に関するものである。
時間分解分光を行う従来の技術として、例えば、次の特許文献1に記載のような2次元光波変換光学系を用いたものがある。
図10は特許文献1に記載されている2次元光波変換光学系の概略構成を示す斜視図である。この構成では、超短光パルスの波形計測を可能としている。
2次元光波変換光学系は、ビームエキスパンダ300と、回折格子500と、第1シリンドリカルレンズ600と、フィルタ700と、第2シリンドリカルレンズ800とで構成されている。回折格子500は、透過型の回折格子である。この回折格子500は、第1シリンドリカルレンズ600の前側焦平面(前側焦点位置)に配置されている。また、フィルタ700は、第1シリンドリカルレンズ600の後側焦平面(後側焦点位置)に配置されている。
なお、フィルタ700の位置は、第2シリンドリカルレンズ800の後側焦平面と一致している。また、第2シリンドリカルレンズ800の後側焦平面と、シリンドリカルレンズ600の前側焦平面は、互いに共役となっている。
図10の構成を用いた、変調を受けた超短光パルス(以下、適宜「信号光パルス」と呼ぶ)の時間分解分光の計測過程を説明する。
まず、入射光束をビームエキスパンダ300で拡大して、回折格子500上に斜入射させる。このときの光束を光線ごとに見てみる。この場合、回折格子500に斜入射する各光線は、回折格子500の入射面に同時に到達しているわけではない。すなわち、回折格子500のx軸方向についてみると、回折格子500の両端のうち、一端はビームエキスパンダ300に近く、他端はビームエキスパンダ300から遠く離れている。
よって、上記一端に到達する光線と上記他端に到達する光線との間には時間差が生じる。すなわち、回折格子500のx軸方向における位置ごとに、光線が到達する時間が異なる。そこで、ここでは図中の線分P−Qに沿う位置に到達した光線の振る舞いについて考える。
回折格子500は、入射した光を、各波長ごとにx軸方向に回折する格子形状を有している。よって、線分P−Q上に到達した光に含まれる各波長成分の各々は、異なる角度でx軸方向に回折される。そして、第1シリンドリカルレンズ600の後側焦平面上において集光する。このとき、x軸方向のみ集光されるので、y軸方向に細長い光束(光線)が、波長別にx軸方向に沿って並ぶことになる。
フィルタ700は、図11に示すように、光遮光領域と光透過領域とで構成されている。ここでは、光透過領域は開口である。この開口の形状は、x軸方向の増加に伴いy軸方向が増加する形状となっている。開口以外の領域は光遮光領域であるので、光を遮光する。
このため、フィルタ700を透過した光は、時間差をもって、y軸方向について異なる波長が分布することになる。
更に、第2シリンドリカルレンズ800の後側焦平面上において、y軸方向の波長分布は保存されるようになっている。第2シリンドリカルレンズ800の後側焦平面は、第1シリンドリカルレンズ600の前側焦平面と共役である。そのため、線分P−Qの位置と共役な線分P’−Q’の位置は、共役となる。このため、図12に示すように、線分P’−Q’の位置に沿って異なる波長が並ぶことになる。
更に、回折格子500上での位置に応じて、光線の到達時刻が異なる。よって、第2シリンドリカルレンズ800の後側焦平面には、図13に示すように、y軸方向に波長が分布し、x軸方向に時間が矢印方向(図では左側方向)に変化して展開されたスペクトログラムが生成されることになる。以下、このスペクトログラムを2次元光波とする。
但し、2次元光波の時間変化は非常に高速であるため、通常の撮像デバイスでは時間変化を捉えることはできない。このため、ゲートパルスと呼ぶ参照光パルスを、第2シリンドリカルレンズ800の後側焦平面に同時に照射させる。このようにすることによって、スペクトログラムを干渉縞パターンとして取得する。
この2次元光波変換光学系は、試料によって何らかの変調を受けた光、特に超短光パルスの時間分解分光を可能とするものである。
特許第3018173号公報
上記特許文献1に記載の従来技術において注目すべき点は、信号光パルスを空間に多重し、且つ空間に応じて時間遅延を与えることにある。これを可能にするのが、回折格子500であり、この回折格子500に斜入射させることによって、空間的に多重された信号光パルスに遅延を与えている。しかし、信号光パルスが回折格子500で回折されると、図13に示すように、信号光パルスを構成する各波長(λ1、λ2、…、λN)は、異なる回折方向に伝播するので、回折格子500と共役な面である第2シリンドリカルレンズ800の後側焦平面においても、信号光パルスを構成する各波長(λ1、λ2、…、λN)は異なる方向に伝播することになる。
従って、ここにゲートパルスである光を同時に照射させてスペクトログラムの干渉パターンを得るとゲートパルスと信号光パルスの各波長のなす角度は異なる角度になり、結果として干渉縞の周期が波長によって異なってしまう。このため、特許文献1に記載の2次元光波変換光学系を用いた場合には、時間分解計測としての時間分解能が波長によって大きく異なるという問題があった。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、信号光パルスに含まれる波長によって伝播方向が異なることなく、信号光パルスを空間的に分離し、且つ、時間的に遅延を与えることのできる光パルス多重化ユニット及びそれを用いた時間分解計測装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、 入射光を分波して、透過光及び反射光を生成するハーフミラーと、
前記ハーフミラーの両側に対向配置され、前記ハーフミラーにより分波された透過光及
び反射光をそれぞれ偏向して、再び前記ハーフミラー上の共通箇所で合波を行わせると共に時間遅延差を生じ一対のミラーユニットと、を有し、
前記一対のミラーユニットのぞれぞれは2枚のミラーを有し、
さらに、対向配置された一対の前記ミラーユニット間の間隔を可変にするミラーユニッ
ト間隔調整ステージと、
前記対向する方向と直交する方向に隣接する前記ミラーユニットどうしの間隔を可変にするミラー間隔調整ステージと、を有し、直交する2方向への移動により空間的且つ時間的に光パルスを多重化するようにしたことを特徴とする光パルス多重化ユニットを提供できる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記ミラーユニットは、N(Nは整数)個設けられ、
前記ミラーユニットの一方向への移動により得られる基準の光路長差をΔとしたとき、前記第N番目の前記ミラーユニットにより得られる光路長差が2N−1×Δであることが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記ミラーユニット間隔調整ステージは、前記ミラーユニットを前記ハーフミラーの法線方向に移動することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記ミラー間隔調整ステージは、前記ミラーユニットを前記ハーフミラーに沿った方向に移動することが望ましい。
また、本発明によれば、光パルスを発する光源と、前記光源からの光パルスを試料に照射するための照射光パルスと参照光パルスとに分岐する分岐手段と、上述の光パルス多重化ユニットと、前記光パルス多重化ユニットを経た信号光パルスと参照光パルスとを合波する合波手段と、前記合波手段で合波されることによって生じた干渉縞を検出可能な検出手段を有することを特徴とする時間分解計測装置を提供できる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記合波手段が、前記信号光パルスと参照光との合波位置に配置されたビームスプリッタと、前記合波手段の合波位置に到達する信号光パルスに合わせて参照光パルスの該合波位置への到達時間を調整可能な参照光遅延手段と、前記合波手段の合波位置に到達する信号光パルスに合わせて参照光パルスの該合波位置での照射面積を調整可能な参照光照射面積調整手段を有することが望ましい。
また、本発明によれば、 ハーフミラーと、
該ハーフミラーの両側に対向配置され、前記ハーフミラーにより分波された透過光及び反射光をそれぞれ偏向して、再び前記ハーフミラー上の共通箇所で合波を行わせると共に時間遅延差を生じ一対のミラーユニットと、
前記ハーフミラーの一方の側に配置され、前記ミラーユニットを直交する2方向に移動可能な第1の移動機構を有し、
一対のミラーユニットのぞれぞれは、対向配置された2枚のミラーを少なくとも有し、
前記2枚のミラーは、各々の面の法線と、前記ハーフミラーの法線がなす角度が等しく、且つ符号が反転しており、前記ハーフミラーから離れるにつれて面間隔が減少するようにそれぞれ配置され、
対向する位置に配置された前記ミラーユニットの組は、前記ハーフミラーまでの距離が各々異なるように配置され、
前記一方の側に配置された前記ミラーユニットは、前記対向する方向と直交する方向における隣り合う間隔が異なるように配置され、
前記ミラーユニットの直交する2方向の間隔が異なることにより空間的且つ時間的に光パルスを多重化することを特徴とするパルス多重化ユニットを提供できる。
本発明によれば、信号光パルスに含まれる波長によって伝播方向が異なることなく、信号光パルスを空間的に分離し、且つ、時間的に遅延を与えることのできる光パルス多重化ユニット及びそれを用いた時間分解計測装置を提供することという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる光パルス多重化ユニット及びそれを用いた時間分解計測装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明の実施例1に係る時間分解計測装置について説明する。本実施例によれば、時間的及び空間的に分離された光パルス列を生成できる。まず、図4、図5、図6に基づいて、時間的に分離された光パルス列を得る構成について説明する。その後、空間的に分離された光パルス列を得る構成について説明する。
(パルス列の時間的分離)
図4は、本発明の実施例1における時間分解計測装置100に用いる光パルス多重化ユニット10の部分の概略構成を示している。時間分解計測装置100の全体構成については、図4等を用いて後述する。本実施例の光パルス多重化ユニットは、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)と、ミラーユニットMUi‐2(i=1〜N)と、ハーフミラー1を有して構成されている。ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)は、ミラーMi‐11(i=1〜N)とミラーMi‐12(i=1〜N)を備えている。また、ミラーユニットMUi‐2(i=1〜N)は、ミラーMi‐21(i=1〜N)とミラーMi‐22(i=1〜N)を備えている。
ミラーMi‐11(i=1〜N)とミラーMi‐12(i=1〜N)では、各々の面
の法線とハーフミラー1の法線のなす角が等しく、かつ符号が反転しており、ハーフミラー1から離れるにつれて面間隔が減少するようにそれぞれ配置されている。ミラーMi‐21(i=1〜N)とミラーMi‐22(i=1〜N)も同様に配置されている。

ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)と、ミラーユニットMUi‐2(i=1〜N)は、ハーフミラー1を挟み対向配置されている。ハーフミラー1は、入射した光パルスを反射側と透過側に分波(振幅分割)する。
分波された一方の光パルスは、ミラーMi‐11(i=1〜N)において反射される。ミラーMi‐11(i=1〜N)は、反射された光パルスが、基準線Cと平行に進行するように調整されている。ミラーMi‐11(i=1〜N)において反射された光パルスは、さらにミラーMi‐12(i=1〜N)において反射される。
また、分波された他方の光パルスは、ミラーMi‐21(i=1〜N)において反射される。ミラーMi‐21(i=1〜N)は、反射された光パルスが、基準線Dと平行になるよう調整されている。ミラーMi‐21(i=1〜N)において反射された光パルスは、さらにミラーMi‐22(i=1〜N)において反射される。
ミラーMi‐12(i=1〜N)及びミラーMi‐22(i=1〜N)で反射された各々の光パルスは、再びハーフミラー1上の共通箇所において合波される。合波された光パルスは、再びハーフミラー1で分波される。
このように、実施例1の光パルス多重化ユニットでは、ハーフミラー1による光パルスの分波から、ハーフミラー1上における光パルスの合波までを、N回繰り返すことになる。ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)とミラーユニットMUi‐2(i=1〜N)及びハーフミラー1は、このような分波と合波が複数回行われるように、所定の大きさを有している。
このように構成された光パルス多重化ユニットは、光パルスの入射経路に対して、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)、ミラーユニットMUi‐2(i=1〜N)と、ハーフミラー1が傾斜するように配置して、使用される。
また、交点Ai(i=1〜N)、交点Bi(i=1〜N)は、それぞれミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)とミラーユニットMUi‐2(i=1〜N)への入射光路と、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)とミラーユニットMUi‐2(i=1〜N)からの出射光路の交点である。交点Ai(i=1〜N)とBi(i=1〜N)は、ハーフミラー1を中心線として、対称な位置に形成される。
実施例1の光パルス多重化ユニットでは、対向する位置に配置されたミラーユニットの組は、例えば、ミラーユニットMU1‐1とミラーユニットMU1‐2、ミラーユニットMU2‐1とミラーユニットMU2‐2、…ミラーユニットMUN‐1とミラーユニットMUN‐2である。このミラーユニットの組において、両者は、ハーフミラー1までの距離が各々異なるように配置されている。
例えば、ミラーユニットMU1‐1とミラーユニットMU1‐2では、ミラーユニットMU1‐1の方が、ミラーユニットMU1‐2よりも、ハーフミラー1から離れた位置に配置されている。同様に、ミラーユニットM2‐1とミラーユニットMU2‐2では、ミラーユニットMU2‐1の方が、ミラーユニットMU2‐2よりも、ハーフミラー1から離れた位置に配置されている。
さらに、ミラーユニットMU2‐1の方が、ミラーユニットMU1‐1よりも、ハーフミラー1から離れた位置に配置されている。よって、図4では、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)のうちで、ミラーユニットMUN‐1がハーフミラー1から最も離れた位置に配置されている。
ここで、ハーフミラーの面の法線方向をa方向、a方向と直交する方向をb方向とする。そうすると、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)は、a方向において、ハーフミラー1までの距離が各々異なるように配置されていることになる。
なお、ミラーユニットMUi‐2(i=1〜N)に関しては、いずれのミラーユニットも、a方向におけるハーフミラー1までの距離は同じである。
図5は、ミラーユニットMU1‐1の部分を拡大して示している。図5では、ミラーユニットMU1‐1とミラーユニットMU2‐1を重ねた状態で表している。ここで、ミラーM1‐11’とミラーM1‐12’はミラーユニットMU1‐1における2つのミラーの位置である。また、ミラーM1‐11とミラーM1‐12は、ミラーユニットMU2‐1における2つのミラーの位置である。
図5に示すように、ミラーM1‐11’とミラーM1‐12’との位置は、互いに異なる。ここで、例えば、点Aから点Bを経由して点Cへ至る経路(光路)を、A・B・Cと記述する。すると、ミラーユニットMU1‐1へ入射された光パルスの経路は、A1・E1‐11’・E1‐12’・A1となる。
一方、ミラーユニットMU2‐1へ入射された光パルスの経路は、A1・E1‐11・E1‐12・A1となる。
これより、ミラーユニットMU1‐1に対するミラーユニットMU2‐1の光路長変化量Δは、
光路 E1‐11’・E1‐11・E1‐3と、
光路 E1‐4・E1‐12・E1‐12’と、
を加算したものに相当する。
ミラーユニットMU1‐2〜ミラーユニットMU1‐Nも、それぞれ異なる光路長変化量を持つ位置に配置されている。すなわち、光路長変化量Δを基準として、各ミラーユニットは、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)の光路長変化量が2i−1Δ(i=1〜N)になるよう配置されている。
このように構成された状態で、ハーフミラー1上の所定箇所O1に、図示省略したパルス光源から出射された光パルスPが入射する。
これにより、光パルスPは、ハーフミラー1の透過側と反射側とに分波される。ハーフミラー1で反射された光パルスPは、経路1(O1・B1・E1‐21・E1‐22・B1)を通過する。そして、所定箇所O2に入射する。この経路は基本経路であるため、光パルスPは、入射した光パルスそのものになる。その様子を示したのが図6(a)である。
一方、ハーフミラー1を透過した光パルスPは、経路2(O1・A1・E1‐11・E1‐12・A1)を通過する。この経路2は、光路長変化量Δを含む。よってこの経路2を進行することで、光路長変化量Δ分の時間遅延が生じた光パルスP1が生成される。その様子を示したのが図6(b)である。図6(c)は、図6(a)と図6(b)を合わせた図である。この図6(c)から、光パルスPと光パルスP1の間に時間差(時間遅延)が生じていることがわかる。
このように、ハーフミラー1上の所定箇所O1で分波された光パルスPは、それぞれ、
経路1 O1・B1・E1‐21・E1‐22・B1と、
経路2 O1・A1・E1‐11・E1‐12・A1と、
を経て、ハーフミラー1上の所定箇所O2において交わる。
次に、所定箇所O2では、経路1を経た光パルスPが、ハーフミラー1の透過側と反射側とに分波される。同様に、経路2を経た光パルスP1が、ハーフミラー1の透過側と反射側とに分波される。
従って、経路2を経た光パルスP1のうちのハーフミラー1を透過した光パルスP1は、経路1を経た光パルスPのうちのハーフミラー1で反射された光パルスPと、所定箇所O2において合波される。
また、経路2を経た光パルスP1のうちのハーフミラー1を反射した光パルスP1は、経路1を経た光パルスPのうちのハーフミラー1で透過された光パルスPと、所定箇所O2において合波される。このように、所定箇所O2では、光パルスの分波と合波が同時に行われる。
所定箇所O2を通過した直後では、分波された光パルス(透過側と反射側の光パルス)は、両者とも、光パルスPとP1を含んでいる。
分波されたパルスのうち、ミラーユニットMU2‐2へ向かう光パルスP及びP1は、経路3(O2・B2・E2‐21・E2‐22・B2)を通過する。ここで、ミラーユニットMU2‐2は、ミラーユニットMU1‐2と構造が同一である。また、ミラーユニットMU2‐2の配置位置は、基準線Dに沿って移動させたとき、ミラーユニットMU1‐2と重なる位置である。よって、経路3を通過する光パルスは、光路1を通過する光パルスと同様に、時間遅延は生じない。よって、所定箇所O3に到達する光パルスは、図6の(c)に示すように、光パルスP及びP1のままである。
一方、ミラーユニットMU2‐1へ向かう光パルスP及びP1は、経路4(O2・A2・E2‐11・E2‐12・A2)を通過する。ここで、ミラーユニットMU2‐1は、ミラーユニットMU1‐1と構造が同一である。ただし、ミラーユニットMU2‐1の配置位置は、ミラーユニットMU1‐1よりも、更にハーフミラー1から離れた位置である。すなわち、ミラーユニットMU2‐1の位置は、ミラーユニットMU1‐1における光路長変化量Δの2倍の光路長変化量(2Δ)が生じるような位置に移動している。
これより、図6の(d)に示すように、光パルスPは光パルスP2になり、光パルスP1は光パルスP3になる。光パルスP2は、光パルスPに対して光路長変化量2Δ分の時間遅延が生じた光パルスとなる。一方、光パルスP3は、光パルスP1に対して光路長変化量2Δ分の時間遅延が生じた光パルスとなる。ここで、光パルスP1は、既に、光路長変化量Δ分の時間遅延が生じている。よって、光パルスP3は、光パルスPに対して光路長変化量3Δ分の時間遅延が生じた光パルスとなる。
この光パルスP及びP1は、ハーフミラー1上の所定箇所O3に入射する。即ち、ハーフミラー1上の所定箇所O2で分波された光パルスは、それぞれ、
経路3 O2・B2・E2‐21・E2‐22・B2と、
経路4 O2・A2・E2‐11・E2‐12・A2と、
を経て、ハーフミラー1上の所定箇所O3において交わる。
所定箇所O3では、所定箇所O2と同じように、分波が行われる。よって、図6の(e)に示すように、分波された光パルスの各々は、光パルスP、P1、P2、P3が含まれる。
このように、実施例1の光パルス多重化ユニットでは、最初に分波されたときに生じた透過光に対して、
光路O1・A1・E1‐11・E1‐12・A1・O2・B2・E2‐21・E2‐22・B2・O3を、進行する過程で、反射・分波・合波を交互に繰り返す。
同様に、最初に分波されたときに生じた反射光に対して、
光路O1・B1・E1‐21・E1‐22・B1・O2・A2・E2‐11・E2‐12・A2・O3で反射・分波・合波を交互に繰り返す。
つまり、実施例1の光パルス多重化ユニットでは、例えば、ハーフミラー1上の所定箇所O1から所定箇所O3に至るまでには、以下の4つの経路が存在する。
(1):O1・A1・E1‐11・E1‐12・A1・O2・A2・E2‐11・E2‐12・A2・O3
(2):O1・A1・E1‐11・E1‐12・A1・O2・B2・E2‐21・E2‐22・B2・O3
(3):O1・B1・E1‐21・E1‐22・B1・O2・A2・E2‐11・E2‐12・A2・O3
(4):O1・B1・E1‐21・E1‐22・B1・O2・B2・E2‐21・E2‐22・B2・O3
図4の構成において、上記4つの経路を経たそれぞれの光パルスは、ハーフミラー1上の所定箇所O3において同時に合波される。このとき、ミラーユニットMU1‐1とミラーユニットMU2‐1による光路長変化量Δと2Δがなければ、合波された光パルスには、光パルスPしか含んでいないことは容易に理解できる。
そして、上記各光路における光路長差は、下記のように変化する。その結果、上記各経路を経た光パルスには、ハーフミラー1上の所定箇所O3に到達した時点で、時間差(時間遅延)が生じる。
(1) 経路 O1・A1・E1‐11・E1‐12・A1・O2・A2・E2‐11・E2‐12・A2・O3
光路長差 3Δ
(2) 経路 O1・A1・E1‐11・E1‐12・A1・O2・B2・E2‐21・E2‐22・B2・O3
光路長差 1Δ
(3) 経路 O1・B1・E1‐21・E1‐22・B1・O2・A2・E2‐11・E2‐12・A2・O3
光路長差 2Δ
(4) 経路 O1・B1・E1‐21・E1‐22・B1・O2・B2・E2‐21・E2‐22・B2・O3
光路長差 0Δ
つまり、4つの経路を通った光パルスは、光速をcとするとΔ/cのパルス間隔を有した光パルス列になる。従って、上記経路以降のハーフミラー1上の所定箇所O(N+1)に至るまでの経路においても上記経路と同様に、光パルスは、N回の分波・合波を繰り返す。
これにより、時間的に分離された2のN乗個の光パルスの列を生成させることができる。
このように、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)の位置(ハーフミラー1からの距離)を異ならせることで、入射した光パルスPに対して時間遅延が生じた光パルス列P1、P2、P3…を生じさせることができる。この時間遅延の量は、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)の位置、すなわち、ハーフミラー1からの距離で決まる。そのため、図4の状態のΔに代えてΔ’の光路長変化量が生じるようにすれば、図4とは間隔の異なる光パルス列を得ることができる。
そこで、例えば、図4において点線で示すように、移動機構STi(i=1〜N)を配置する。図4では、便宜上、ミラーユニットMU1‐1のみに移動機構ST1を配置した様子を示したが、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)ごとに、移動機構STi(i=1〜N)を配置すればよい。ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)を移動機構STi(i=1〜N)上に載置し、適宜移動させることで、図4とは時間間隔の異なる光パルス列を得ることができる。このように、移動機構STi(i=1〜N)は必須ではないが、あればより好ましい。移動機構としては、ステージがある。
(光パルス列の空間的分離)
次に、光パルス列を空間的に分離する構成について図1に基づいて説明する。上述のように、対向する位置に配置されたミラーユニットの組は、例えば、ミラーユニットMU1‐1とミラーユニットMU1‐2、ミラーユニットMU2‐1とミラーユニットMU2‐2、…ミラーユニットMUN‐1とミラーユニットMUN‐2である。図1では、このミラーユニットの組において、両者は、基準線Sまでの距離が各々異なるように配置されている。
例えば、ミラーユニットMU1‐1とミラーユニットMU1‐2では、ミラーユニットMU1‐1の方が、ミラーユニットMU1‐2よりも、基準線Sから離れた位置に配置されている。同様に、ミラーユニットM2‐1とミラーユニットMU2‐2では、ミラーユニットMU2‐1の方が、ミラーユニットMU2‐2よりも、基準線Sから離れた位置に配置されている。
さらに、ミラーユニットMU2‐1の方が、ミラーユニットMU1‐1よりも、基準線Sから離れた位置に配置されている。よって、図1では、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)のうちで、ミラーユニットMUN‐1が基準線Sから最も離れた位置に配置されている。
ここで、図4と同様に、ハーフミラーの面の法線方向をa方向、a方向と直交する方向をb方向とする。そうすると、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)は、b方向において、基準線Sまでの距離が各々異なるように配置されていることになる。言い換えると、ハーフミラー1の一方の側に配置されたミラーユニット、すなわちミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)は、隣り合う間隔が異なるように配置されていることになる。
なお、ミラーユニットMUi‐2(i=1〜N)に関しては、いずれのミラーユニットも、b方向における基準線Sまでの距離は同じである。
また、基準線Sは、対向する一対のミラーユニットMU1−1、MU1−2がハーフミラー1に関して線対称に配置されているとき(移動が無いとき)、両ミラーユニットの、例えば端面を結んで得られる線分である。この基準線Sは、図1示すように、一対のミラーユニットごとに設けることができる。あるいは、1組のミラーユニットについて基準線Sを設定し、この基準線を使って、他の組のミラーユニットの位置を設定してもよい。
なお、図1では、ミラーユニットの端面を使って基準線Sを設定している。しかしながら、ここで重要なのは、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)のミラーと、ミラーユニットMUi‐2(i=1〜N)のミラーの相対的な位置関係である。よって、基準線Sは、ミラーユニットではなくミラーに基づいて設定することが好ましい。例えば、基準線Sとして好ましいのは、ミラーMi‐11(i=1〜N)とミラーMi‐12(i=1〜N)の中点と、ミラーMi‐21(i=1〜N)とミラーMi‐22(i=1〜N)の中点を結ぶ線である。
実施例1における光パルス多重化ユニット10では、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)を、それぞれ基準線SからΔb、2Δb、・・・、2Δbだけずれた位置に配置されている。また、ハーフミラー1に対して、光パルスPが45°の入射角度で入射するように光パルス光源(図示省略)が配置されている。
このように構成された実施例1における光パルス多重化ユニット10の機能について説明する。図1中、ハーフミラー1上の所定箇所O1に光パルスPが入射すると、入射した光パルスPは、ハーフミラー1を介して透過側と反射側とに分波される。ハーフミラー1を透過した光パルスPは、ミラーM1−11上の点E1−11、ミラーM1−12上の点E1−12で反射されてハーフミラー1上の所定箇所O3に入射する。即ち、光パルスPは、経路10(O1・E1−11・E1−12・O3)を経由して所定箇所O3に到達する。
一方、ハーフミラー1で反射された光パルスPは、ミラーM1−21上の点E1−21、ミラーM1−22上の点E1−22で反射されてハーフミラー1上の所定箇所O2に入射する。即ち、光パルスPは、経路11(O1・E1−21・E1−22・O2)を経由して所定箇所O3に到達する。
このように、ハーフミラー1上の所定箇所O1で分波されたそれぞれの光パルスPは、経路10を経由する光と、経路11を経由する光とに別れる。
ここで、ミラーユニットMU1−1の位置は、基準線S(即ちミラーユニットMU1−2)に対して、ΔbだけミラーユニットMU2−1側に離れた位置となっている。このため、所定箇所O2に到達する光パルスP10と、所定箇所O3に到達する光パルスP11とは、ハーフミラー1に到達する位置が互いに異なる。
よって、光パルスP10のうちの所定箇所O2を透過した光パルスP10’と、光パルスP11のうちの所定箇所O3で反射された光パルスP11’は、空間的には互いに√2Δ離れた光パルスとなる。また、2つの光パルスは、互いに平行に進行する光となる。同様に、光パルスP10のうちの所定箇所O2で反射された光パルスP10”と、光パルスP11のうちの所定箇所O3を透過した光パルスP11”も、空間的には互いに√2Δ離れた光パルスとなる。また、2つの光パルスは、互いに平行に進行する光となる。
さらに、ミラーユニットMU2−1の位置は、基準線S(即ちミラーユニットMU2−2)に対して、2ΔbだけミラーユニットMU3−1(不図示)側に離れた位置となっている。このため、所定箇所O2やO3と同様の反射・透過を生じて、所定箇所O2を透過した光パルスPは所定箇所O7に到達する。所定箇所O2を反射した光パルスPは所定箇所O5に到達する。所定箇所O3を透過した光パルスPは所定箇所O4に到達する。所定箇所O3を反射した光パルスPは所定箇所O6に到達する。これら4つの所定箇所を透過、あるいは反射した4つの光パルスは、空間的には互いに√2Δ離れた光パルスとなる。また、これらの光パルスは、互いに平行に進行する光となる。
つまり、上記4つの経路を辿る光パルスは、空間的には√2Δの間隔で互いに平行な光パルス列となり、時間的には√2Δ/Cのパルス間隔を有した光パルス列となる。
そこで、N個のミラーユニットを配置すれば、同様に、ハーフミラー1上でN回の分波と合波が繰り返される。これにより、空間的には√2Δ分離され、時間的には√2Δ/C分離された光パルス列が得られる。すなわち、隣り合う信号光パルスの間隔が空間的にも時間的にも分離された、2のN乗個の信号光パルス列を生成させることができる。
なお、図1では図示していないが、図4と同様に、図1においても移動機構STi(i=1〜N)を配置してもよい。図4では、移動機構STi(i=1〜N)は、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)を移動させるために用いていた。よって、図1でも、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)の位置決めに用いることができる。
図4では、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)の移動方向は、a方向であった。これに対して、図1では、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)の移動方向はb方向である。よって、移動機構STi(i=1〜N)としては、2軸方向に移動する機構であることが好ましい。
なお、図1においても図4においても、重要なのはミラーユニットの位置ではなく、ミラーの位置である。よって、移動機構STi(i=1〜N)は、ミラーを保持する位置、例えばミラーユニットの内部に設けても良い。
なお、図1では、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)を、順に、基準線Sに対するb方向の間隔が増えるように配置した。しかしながら、ミラーユニットMUi‐1(i=1〜N)において間隔が異なる配置であれば、どのような間隔順でもよい。
(空間的分離と時間的分離)
図4等を用いて説明したように、対向する一対のミラーユニットのa方向の間隔を所定の間隔にすることで、時間的に分離した光パルス列を生成できる。また、図1で説明したように、ミラーユニットの位置を基準線Sに対してb方向に所定の間隔だけずらすことで、空間的に分離した光パルス列を生成できる。
本実施例では、このようにミラーユニットの直交する2方向への移動により、空間的、かつ時間的に分離した光パルスを生成できる。次に、生成された光パルス列の検出について説明する。
実施例1における時間分解計測装置100は、上述した光パルス多重化ユニット10に加えて、ビームスプリッタ20と撮像素子3とを備えている。ビームスプリッタ20は、光パルス多重化ユニットを経た信号光パルスと参照光との合波位置に設けられている。
ここでは、光パルス多重化ユニット10に、信号光パルスが入射する。信号光パルスは光源からの光パルスではなく、例えば、所定の物質を透過あるいは、所定の物質で反射された光パルスである。
図2の左側に示すように、Δt=√2Δ/Cとしたときに、信号光パルスが、全体で7Δtの時間幅の広がりを持つ信号光パルス(i1、i2、…、i8)であるとする。この信号光パルス(i1、i2、…、i8)が、光パルス多重化ユニット10を透過したときには、図2の右側に示すように空間的にも時間的にもずれる。ここで、時間が7Δt経過した時点での点線で示された部分を見ると、x軸方向に時間的な分布(即ち、図2における横軸に沿った信号光パルスの分布)と同じ分布が生成されていることが分かる。つまり、この点線で示される部分だけを取り出せば、信号光パルス(i1、i2、…、i8)の時間分布を空間分布として取得できることになる。
そこで、この点線で示される部分の空間分布された信号光パルス列を取得するために、この信号光パルス列に参照光を照射させることで、ゲート(もしくはシャッター)として機能させる。即ち、点線で示すタイミングで参照光パルスをビームスプリッタ20に照射すれば、この信号光パルスと参照光パルスとが時間的に同時に存在するときにだけ図3に示すような干渉縞が生成されることとなる。そして、信号光パルス列(i1、i2、…、i8)の振幅(強度)情報が、干渉縞のコントラストとして表現される。
このとき、実施例1の光パルス多重化ユニット10によれば、信号光パルスは、いずれの波長も同一方向に伝播していく。このため、信号光パルスと参照光とをビームスプリッタ20を介して合波させた場合、合波位置における信号光パルスと参照光パルスとのなす角度が波長によって変化することがほとんど無い。従って、実施例1の光パルス多重化ユニット1によれば、上述した従来の2次元光波変換光学系において問題となっていた、干渉縞の縞間隔が波長により大きく異なってしまうという問題が発生せず、空間的に分離される、信号光パルスを構成する各波長に対し、時間分解計測としての時間分解能を一定にして時間変化の解析を行うことが可能となる。
また、実施例1の光パルス多重化ユニット10によれば、N個のミラーユニットのΔa、Δbの値が可変となるように、移動可能である。このため、用いる信号光パルスを構成する各信号の時間的、空間的な間隔に応じてミラーユニットの各々の位置を調整できる。このため、実施例1の光パルス多重化ユニット10によれば、信号光パルスを構成する各信号の間隔を問わず、多様な信号光パルスについて時間分解計測をすることができる。
図7は本発明の実施例2にかかる光パルス多重化ユニットの概略構成を示す説明図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、図8は実施例2の光パルス多重化ユニットにおいて、信号光パルスと参照光パルスとの合波により生ずる干渉縞を示す説明図である。
実施例2の時間分解計測装置200は、図1に示した光パルス多重化ユニット10と、その出射光路上に、分光手段14を有して構成されている。光パルス多重化ユニット10の構成は、実施例1と同一であるので、詳細な構成の図示は省略する。なお、図7(a)、(b)中、ビームスプリッタ20は実施例1の光パルス多重化ユニットを経た信号光パルスと参照光との合波位置に設けられている。また、撮像素子3も設けられている。光パルス多重化ユニット10は時間分解計測に際しこれらの光学素子とともに用いられる。
分光手段14は、第1レンズ141と、分散素子142と、第2レンズ143とで構成されている。
分散素子142は、入射光を光パルス多重化ユニット10を介して時間的、空間的に多重化された方向(z軸方向及びx軸方向)に対して垂直な方向(y軸方向)に分散させる機能を備えている。そして、第1レンズ141の後側焦平面FB1近傍に配置されている。また、第2レンズ143は、前側焦平面FF2が第1レンズ141の後側焦平面FB1にほぼ一致した位置となるように配置されている。
その他、光パルス多重化ユニット10の構成及び信号光パルスの多重化作用については実施例1と同様である。
このように構成された実施例2の光パルス多重化ユニット10では、光パルス多重化ユニット10を介して空間的、時間的に多重化された信号光パルスは、第1レンズ141を介して後側焦点面FB1に集光される。集光された信号光パルスは、分散素子142を介して波長毎に異なる方向(光パルス多重化ユニット10を介して時間的、空間的に多重化された方向(z軸方向及びx軸方向)に対して垂直な方向(y軸方向))に回折される。波長毎に異なる方向に回折された信号光パルスは、第2レンズ143を介して各波長が互いに平行光に変換される。
このようにして信号光パルスは、分光手段14を経ることによって、時間的に変化する方向に対して垂直な方向(x軸方向及びy軸方向)に波長分解され、時間と波長の2次元情報に変換されることになる。
そこで、参照光をビームスプリッタ20に照射すれば、この2次元の波長情報に変換された信号光パルスと参照光パルスとが同時に存在するときにだけ図8に示すような干渉縞が生成されることとなる。
その際、第1レンズ141で集光された信号光パルスは、分散素子142を介して波長毎に異なる方向に回折されている。このとき、分散素子142は、第1レンズ141の後側焦平面FB1近傍に配置され、また、第2レンズ143の前側焦平面FF2は、第1レンズ141の後側焦平面FB1にほぼ一致した位置に配置されている。このため、波長毎に異なる方向に回折された信号光パルスは、第2レンズ143を介して各波長が互いに平行となるように変換される。このため信号光パルスは、波長が分離されても伝播方向がほぼ平行となるため、参照光と合波しても、干渉縞の縞間隔は波長によって変化せず一定となる。
従って、実施例2の光パルス多重化ユニット10によれば、上述した従来の2次元光波変換光学系において問題となっていた、干渉縞の縞間隔が波長により大きく異なってしまうという問題が発生せず、空間的に分離される、信号光パルスを構成する2次元の各波長に対し、時間分解計測としての時間分解能を一定にして時間変化の解析を行うことが可能となる。なお、レンズ141と143は、yz面に屈折力をもつシリンドリカルレンズでも良い。
図9は本発明の実施例3にかかる光パルス多重化ユニットを用いた時間分解計測装置250の概略構成を示す説明図である。実施例3の時間分解計測装置250は、光源5と、分岐手段6と、実施例2と同様の光パルス多重化ユニット10と、合波手段2と、検出手段3を有している。光源5は、超短光パルスを発振するように構成されている。
分岐手段6は、ハーフミラー等を用いて、光源5からの超短光パルスを試料7に照射するための照射光パルスと参照光パルスとに分岐するように構成されている。光パルス多重化ユニット10は、実施例2において述べたように、試料7を経た信号光パルスを空間的及び時間的に多重化する機能を備えている。合波手段2は、ビームスプリッタ20と、参照光遅延手段22と、参照光照射面積調整手段21を有している。
ビームスプリッタ20は、ハーフミラーで構成されており、光パルス多重化ユニット10を介して空間的及び時間的に多重化された信号光パルスと参照光パルスとの合波位置に配置されている。
参照光遅延手段22は、ミラー221,222,223を有し、かつ、ミラー221,222をミラー221の入射光軸に沿って移動可能に構成されている。そして、ミラー221,222の移動量を調整することによって、合波手段2の合波位置(即ち、ビームスプリッタ20)への参照光パルスの到達時間を調整することができるようになっている。ここでは、参照光パルスが信号光パルスと同じタイミングで合波手段2の合波位置に到達するように、ミラー221,222のミラー221の入射光軸に沿う移動量が調整されている。
参照光照射面積調整手段21は、レンズ211,212を有するビームエキスパンダからなり、レンズ211,212の一方が、光軸に沿って移動可能に構成されている。そして、レンズ211,212の相対的な間隔を調整することによって、合波手段2の合波位置での参照光パルスの照射面積を調整することができるようになっている。ここでは、合波手段2の合波位置での参照光パルスの照射面積が合波手段2の合波位置に到達する信号光パルスの照射領域の面積以上になるように、レンズ211,212の相対的な間隔が調整されている。
検出手段3は、合波手段2で合波されることによって生じた干渉縞を撮像するための撮像素子で構成されている。また、検出手段3は、撮像素子で撮像した情報を数値情報や画像情報として取得、表示するためのコンピュータやディスプレイ装置(図示省略)と接続されている。
このように構成された実施例3の光パルス多重化ユニットを用いた時間分解計測装置250によれば、光源5から発振された超短光パルスは、分岐手段6を介して2つに分岐される。この2つに分岐された光パルスの一方が試料7を照射する照射光パルスで、他方が参照光パルスである。
照射光パルスを試料7に照射された後、試料7を経た信号光パルスは、光パルス多重化ユニット10を介して空間的及び時間的に多重化されて合波手段2の合波位置に到達する。
一方、参照光は、参照光遅延手段22を介して、合波手段2の合波位置への到達が信号光パルスと同じになるようにして、参照光照射面積調整手段21に導かれる。参照光照射面積調整手段21に導かれた参照光パルスは、参照光パルスの合波手段2の合波位置での照射面積が信号光パルスの照射領域の面積をカバーする大きさに調整されて、合波手段2の合波位置に到達する。
合波手段2の合波位置に配置されたビームスプリッタ20で合波された信号光パルスと参照光パルスは、干渉縞を生じ、検出手段3を介して撮像される。撮像された情報は、図示省略したコンピュータやディスプレイ装置を介して画像情報や数値情報として取得、表示される。これにより、信号光パルスが時間的、空間的に分離された情報として得られる。
本発明の光パルス多重化ユニット、及びそれを用いた時間分解計測装置は、顕微鏡や計測装置を用いて、非常に微小な領域での、非常に短い時間領域で起こる物性変化を、ポンプ−プローブ法、コヒーレント分光等、複数の照明光を時間遅延を設けて照射することによって、測定することが求められる生物学、医学、薬学の分野において有用である。
本発明の実施例1にかかる時間分解計測装置の概略構成を示す図である。 実施例1の光パルス多重化ユニットにおける、信号光パルスの空間的、時間的な変換の様子を示す説明図である。 実施例1の光パルス多重化ユニットにおいて、信号光パルスと参照光パルスとの合波により生ずる干渉縞を示す説明図である。 実施例1に係る光パルス多重化ユニットの概略構成を示す他の図である。 実施例1に係る光パルス多重化ユニットの一部の構成を拡大して示す図である。 実施例1の光のパルス列を示す図である。 本発明の実施例2にかかる光パルス多重化ユニットの概略構成を示す説明図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。 実施例2の光パルス多重化ユニットにおいて、信号光パルスと参照光パルスとの合波により生ずる干渉縞を示す説明図である。 本発明の実施例3にかかる光パルス多重化ユニットを用いた時間分解計測装置の概略構成を示す説明図である。 従来の極短光パルスの波形計測技術にかかる2次元空間変換光学系の概略構成を示す斜視図である。 図10の2次元光波変換光学系に用いられるフィルタ700の説明図である。 図10の2次元光波変換光学系により2次元空間変換された波長分布を示すグラフである。 図10の2次元光波変換光学系における信号光パルスを構成する各波長の伝播方向を示す説明図である。
符号の説明
1 ハーフミラー
10 光パルス多重化ユニット
14 分光手段
141 第1レンズ
142 分散素子
143 第2レンズ
2 合波手段
20 ビームスプリッタ
21 参照光照射面積調整手段(ビームエキスパンダ)
211,212 レンズ
22 参照光遅延手段
221,222,223 ミラー
3 検出手段(撮像素子)
5 光源
6 分岐手段
7 試料
100、200、250 時間分解計測装置
MU1‐1、MU2‐1、MUn‐1、MU1‐2、MU2‐2、MUN‐2 ミラーユニット
M1‐11、M1‐12、M2‐11、M2‐12、MN‐11、MN‐12、M1‐21、M1‐22、M2‐21、M2‐22、MN‐21、MN‐22 ミラー
ST ミラーユニット間隔調整ステージ(ミラー間隔調整ステージ)

Claims (7)

  1. 入射光を分波して、透過光及び反射光を生成するハーフミラーと、
    前記ハーフミラーの両側に対向配置され、前記ハーフミラーにより分波された透過光及び反射光をそれぞれ偏向して、再び前記ハーフミラー上の共通箇所で合波を行わせると共に時間遅延差を生じ一対のミラーユニットと、を有し、
    前記一対のミラーユニットのぞれぞれは2枚のミラーを有し、
    さらに、対向配置された一対の前記ミラーユニット間の間隔を可変にするミラーユニット間隔調整ステージと、
    前記対向する方向と直交する方向に隣接する前記ミラーユニットどうしの間隔を可変にするミラー間隔調整ステージと、を有し、直交する2方向への移動により空間的且つ時間的に光パルスを多重化するようにしたことを特徴とする光パルス多重化ユニット。
  2. 前記ミラーユニットは、N(Nは整数)個設けられ、
    前記ミラーユニットの一方向への移動により得られる基準の光路長差をΔとしたとき、前記第N番目の前記ミラーユニットにより得られる光路長差が2N−1×Δであることを特徴とする請求項1に記載の光パルス多重化ユニット。
  3. 前記ミラーユニット間隔調整ステージは、前記ミラーユニットを前記ハーフミラーの法線方向に移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の光パルス多重化ユニット。
  4. 前記ミラー間隔調整ステージは、前記ミラーユニットを前記ハーフミラーに沿った方向に移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の光パルス多重化ユニット。
  5. 光パルスを発する光源と、
    前記光源からの光パルスを試料に照射するための照射光パルスと参照光パルスとに分岐する分岐手段と、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の光パルス多重化ユニットと、
    前記光パルス多重化ユニットを経た信号光パルスと参照光パルスとを合波する合波手段と、
    前記合波手段で合波されることによって生じた干渉縞を検出可能な検出手段を有することを特徴とする時間分解計測装置。
  6. 前記合波手段が、
    前記信号光パルスと参照光との合波位置に配置されたビームスプリッタと、
    前記合波手段の合波位置に到達する信号光パルスに合わせて参照光パルスの該合波位置への到達時間を調整可能な参照光遅延手段と、
    前記合波手段の合波位置に到達する信号光パルスに合わせて参照光パルスの該合波位置での照射面積を調整可能な参照光照射面積調整手段を有することを特徴とする請求項5に記載の時間分解計測装置。
  7. ハーフミラーと、
    該ハーフミラーの両側に対向配置され、前記ハーフミラーにより分波された透過光及び反射光をそれぞれ偏向して、再び前記ハーフミラー上の共通箇所で合波を行わせると共に時間遅延差を生じ一対のミラーユニットと、
    前記ハーフミラーの一方の側に配置され、前記ミラーユニットを直交する2方向に移動可能な第1の移動機構を有し、
    一対のミラーユニットのぞれぞれは、対向配置された2枚のミラーを少なくとも有し、
    前記2枚のミラーは、各々の面の法線と、前記ハーフミラーの法線がなす角度が等しく、且つ符号が反転しており、前記ハーフミラーから離れるにつれて面間隔が減少するようにそれぞれ配置され、
    対向する位置に配置された前記ミラーユニットの組は、前記ハーフミラーまでの距離が各々異なるように配置され、
    前記一方の側に配置された前記ミラーユニットは、前記対向する方向と直交する方向における隣り合う間隔が異なるように配置され、
    前記ミラーユニットの直交する2方向の間隔が異なることにより空間的且つ時間的に光パルスを多重化することを特徴とするパルス多重化ユニット。
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