JP4479232B2 - 光波分割プリズム、光波分割プリズムの製造方法、及び光−光スイッチ装置 - Google Patents

光波分割プリズム、光波分割プリズムの製造方法、及び光−光スイッチ装置 Download PDF

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Description

本発明は、光波分割プリズム、光波分割プリズムの製造方法、及び光−光スイッチ装置に係り、特に、時分割多重信号における特定時間成分を取り出すDEMUX(Demultiplexer)装置に適用可能な光−光スイッチ装置と、この光−光スイッチ装置の光学部品として好適な光波分割プリズムと、該光波分割プリズムの製造方法と、に関する。
近年、インターネット等の情報通信の普及により通信による情報量は増大しており、膨大な情報量を高速伝送できる大容量通信システムが求められている。高速伝送技術として、光通信システムは光の超短パルス性、伝送に用いる光ファイバの広帯域特性、長距離伝送を可能とする点から注目されており、特に時間多重方式の通信においては、光ファイバを伝送してくる多重化された信号光から特定時間間隔成分毎に分離して取り出すDEMUX装置が重要な役割を果たす。
現在実用化されている光通信システムにおいては、時間多重された信号光から特定時間間隔成分を抽出する光スイッチング素子として電気的な制御による光スイッチが用いられているが、将来より一層の大容量化が進展すると、例えば、増大する情報量に対応した単位としてテラビット/秒(Tbit/s)以上の超高速通信実現のためには、光パルスにより光学的に信号光をオン/オフする光スイッチが必要になる。このような光で制御する光スイッチとしては、非線形光学媒質の光照射に伴う吸収変化や屈折率変化を利用するものが主に研究されている。
特に、発明者らは、吸収変化型の二次元光スイッチによりテラビット/秒の超高速時分割多重信号光を一括して各信号に分割(脱多重)する素子を実現している(特許文献1参照)。このような一括変換型光スイッチは光でのみ制御可能な超高速光通信システム(テラビット/秒)と電気で制御可能な中速光通信システム(〜40ギガビット/秒)を組み合わせた将来のシステムに必須の光スイッチとなる。また、非線形光学媒質の光照射に伴う誘導複屈折性を利用したカー効果型光スイッチを実現し、光スイッチングにおけるオン/オフ比を飛躍的に向上させた(特許文献2参照)。
更に、直交偏光に分けて光スイッチングを行うこと、及び光波分割素子やレンズアレイ等の光学部品を光の進行方向に直交する面で精密に工作して密着させて構成することで、偏光状態に拘らずに安定に動作する光スイッチを実現した(特許文献3参照)。
特開平11−15031号公報 特願2000−245702明細書 特願2001−350614明細書 特開2002−328005号公報
しかしながら、上記の密着型光スイッチには、部品として使用される光波分割プリズムの構成が複雑であり、多点集光時に制御光と信号光の集光スポットでの空間的・時間的重なりを確保するのが困難であるという問題があった。
従来の光波分割プリズムの構成を図17(A)及び(B)に示す。図17(A)に示す光波分割プリズムでは、入射端面7から光学素子4内に入力された平行光束の進行方向に角度調整用の全反射ミラー6Cが配置されており、入力された平行光束は、全反射ミラー6Cで反射され、ハーフミラー5により互いにハーフミラー5に対して同一角度をなす2つの光束に分割される。分割された一方の光束の進行方向には、ハーフミラー5と平行に全反射ミラー6Aが設けられており、該一方の光束はこの全反射ミラー6Aに反射されることにより、他方の光束と平行にされる。
平行にされた各々の平行光束の進行方向には、ハーフミラー5により分割された後の互いの光路長が等しい位置に、平行にそれぞれ全反射ミラー6Bが配置されており、各平行光束は各々対応する全反射ミラー6Bにより反射された後、反射後の平行光束の光軸と直交するように形成された出射端面8から出射される。即ち、全反射ミラー6Bは、ハーフミラー5により分割された各平行光束の光路長を同一にすると共に、出射角度を調整する役目を担っている。出射された各光束は、ハーフミラー5で分かれてからそれぞれ全反射ミラー6Bに入射されるまでの光路長が等しいことから、進行方向に対する法線面で同時刻に伝播する。
また、図17(B)のように3種類のハーフミラー5を用い、1つ目(1段目)のハーフミラー5Aで2分割された各光束の進行方向にそれぞれ2段目のハーフミラー5Bを配置して、1段目で2分割された光束を2段目で更に2分割することにより4つの光束に分割することができる。
図示した通り、これらの光波分割プリズムは、接着される部品点数が多く、組み立て時に接着する面の数が多い。2分割プリズム及び4分割プリズムのいずれについても、最低3つの接着面がある。
また、接着される部品のほとんどは入射端面と出射端面とが平行又は垂直ではなく、接着する角度がずれると出射方向が変化してしまう。更に、接着時に接着面内での回転ずれがあると出射角度が変化し、接着位置がずれると出射位置がずれてしまう。この結果、分割された光波の平行度や位置精度を維持するのが困難であった。即ち、プリズムなど入射端面と出射端面とが平行又は垂直でない光学部品は、これを高精度で研磨することが容易ではなく、更にこれらの部品を多数接着すると、出射方向の精度を確保することが困難になる。
更に、図17(A)に示す2分割プリズムでは、分割された光波のいずれもが入射光と同軸ではなく、このプリズムをアライメントされた光学系の中に挿入することは不可能であった。
また、特許文献4のように、一方向に透光媒体を積層し、その接合面間に分岐光学素子や反射面を形成して、入射光を分岐して複数箇所から出射させるプリズムを構成し、このプリズム内部で所望の光路長を伝播する複数の分岐光を得ようとした場合には、出射端面上での各分岐光の出射位置が、出射端面と平行な一方向に、互いの光路長の差と同じ間隔でしか出射させることしかできない、という不具合があった。
こうした場合、分岐光学系として、出射位置を調整するために他の光学素子を別途光路中に挿入した場合には、温度によるプリズムと光学素子間の位置変動による出射位置の変動が発生し、分岐光学系として安定して利用することが困難であった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、より簡単な構成で、位置精度及び平行度が高く且つ光路長が正確に制御された状態で光波を分割することができ、分岐された出射光の出射位置を任意に設定できる光波分割プリズムとその製造方法とを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、多点集光時に制御光と信号光の集光スポットでの空間的・時間的重なりを確保することができる光−光スイッチを提供することにある。
(光波分割プリズム)
上記目的を達成するために、本発明の光波分割プリズムは、相互に平行又は垂直な入射端面と出射端面とを備え、内部を進行する直進光の進行方向に対して45°傾いた複数の接合面が形成されるように複数の透明媒質が組み合わされて接合されると共に、前記複数の接合面には互いに法線方向が直交する接合面が含まれるように構成された光波分割プリズムであって、前記接合面に介在し、入射する直進光を透過及び90°反射させて分岐する分岐面を有する光波分岐光学素子と、法線方向が前記光波分岐光学素子が介在する接合面の法線方向と直交する接合面に介在し、前記光波分岐光学素子により分岐された直進光を90°反射させる反射面を有する反射光学素子と、を備え、前記入射端面から入射した直進光を複数の分岐出力光に分岐して、前記複数の分岐出力光のうち前記透明媒質内における光路長が等しい複数の分岐出力光を、同じ出射端面から出射させることを特徴とする。なお、法線方向が前記光波分岐光学素子が介在する接合面の法線方向と同じ接合面に、反射光学素子が更に介在するように構成してもよい。
本発明の光波分割プリズムは、相互に平行又は垂直な入射端面と出射端面とを備え、内部を進行する直進光の進行方向に対して45°傾いた複数の接合面が形成されるように複数の透明媒質が組み合わされて接合され、その接合面に光波分岐光学素子と反射光学素子とが介在する簡単な構成である。この簡単な構成により、入射端面から入射した直進光を複数の分岐出力光に変換して出射端面から出射させる。
複数の透明媒質を組み合わせて接合し、内部を進行する直進光の進行方向に対して45°傾いた複数の接合面を精度良く形成することは比較的容易であり、本発明の光波分割プリズムによれば、出射位置精度及び平行度が高く且つ光路長が正確に制御された状態で光波を分割することができる。
また、前記複数の接合面には、法線方向が直交する接合面が含まれている。反射光学素子を、法線方向が光波分岐光学素子が介在する接合面の法線方向と直交する接合面に介在させることで、この反射光学素子により、光波分岐光学素子で分岐した後の直進光の進行方向を、光波分岐光学素子が介在する接合面と平行な接合面に介在する反射光学素子の反射方向とは異なる方向に変更することができる。このため、出射端面において、複数の分岐光を、一方向だけではなく複数の方向に出射させることができる。また、光路長とは関係なく、複数の分岐光の出射位置及び出射間隔を設定することができる。
本発明の光波分割プリズムにおいては、前記複数の分岐出力光が、透明媒質内における光路長が等しくなるように構成するができる。また、前記複数の分岐出力光が、前記透明媒質内においてそれぞれ所定の光路長差を有するように構成することもできる。
従来の一方向に透明媒質の接合面を形成した光波分岐プリズムにおいては、分岐光の出射位置を異ならせるためには、その出射位置の間隔に相当する光路差を設ける必要があるため、プリズムの屈折率が温度変動した場合には、それぞれに分岐光に対する位相は、その光路長に応じて影響度合いが異なってしまっていた。しかしながら、本発明においては、プリズム内における各分岐光の光路長あるいは光路長差が一定となっているため、屈折率変化が各分岐光に等しく影響する結果、位相変動も等しくなり、各分岐光間の特性が安定する。なお、光路長差の調整は、透明媒質の厚み又は屈折率を調整することにより簡単に行うことができる。
また、本発明の光波分割プリズムは、内部を進行する直進光の進行方向に対して45°傾いた複数の接合面が積層されるように複数の透明媒質が組み合わされて接合されると共に、前記光波分岐光学素子が介在する接合面と該接合面と45°の角度をなす第1の界面とを有する第1のブロックと、内部を進行する直進光の進行方向に対して45°傾いた複数の接合面が積層されるように複数の透明媒質が組み合わされて接合されると共に、法線方向が前記光波分岐光学素子が介在する接合面の法線方向と直交する接合面と該接合面と45°の角度をなす第2の界面とを有する第2のブロックと、を備え、前記第1の界面と前記第2の界面とを接合して構成されることが好ましい。
上記の第1及び第2のブロックから構成することにより、第1のブロックで分岐光学素子によって分岐された分岐光が、第2のブロックに入射する際、第1の界面と第2の界面との接合面が、分岐光の進行方向に対して垂直方向となるため、接合界面における分岐光の屈折を防止できる。
光波分岐光学素子と反射光学素子とは、分岐面あるいは反射面に入射する直進光に対して45度傾けて配置されているが、入射端面に対し45度の反射面を備えたブロックは精度良いものが製造しやすい。また、入射端面に対し45度の反射面を備えた2つのブロックは、位置ずれや接着面内での回転ずれを生じることなく精度良く接着することができる。特に、ブロック間の接着面を1つとすることで、接着面内での回転ずれを生じ難くなる。これにより、出射位置精度及び平行度が高く且つ光路長が正確に制御された状態で光波を分割することができる。
また、上記の第1及び第2のブロックから構成された光波分割プリズムにおいては、前記第1のブロックが、前記第1の界面と平行な面を前記第1の界面と対向する面に備えるとともに、前記第2のブロックが、前記第2の界面と平行な面を前記第2の界面と対向する面に備えることがより好ましい。第1の界面とこれに平行な面を対向する側の面として有し、第2の界面とこれに平行な面を対向する側の面として有する光学ブロックは、界面、対向面、および接合面の相対的な面方向の関係が、他の場合に比べて正確な構成されるため、得られる光波分岐プリズムの精度が向上する。
また、本発明の光波分割プリズムは、第1のブロックと第2のブロックとからなる組を複数有し、組同士が接合された構成とすることができる。このように複数の光波分割プリズムを直列に組み合わせることにより、伝播方向上流側に位置する光波分割プリズムの出射端面から出射された複数の光波の各々が、伝播方向下流側に位置する次の光波分割プリズムの光波分岐光学素子によって分割される。このように非常に簡単な構成で、高い平行度で且つ時間遅延が正確に制御された複数の分岐光を得ることができる。
光波分割プリズムが複数の組からなる場合には、前記複数の組の各々の組の中では、前記第1のブロックが、前記第1の界面と平行な面を前記第1の界面と対向する面に備えるとともに、前記第2のブロックが、前記第2の界面と平行な面を前記第2の界面と対向する面に備え、前記複数の組の互いに接合される組の間では、一方の組の前記第1の界面と対向する面と、他方の組の前記第2の界面と対向する面とを接合してなることが好ましい。このように構成することにより、各組間を伝播する分岐光が、他の組に入射する際、その進行方向に対して垂直方向となるため、接合界面における分岐光の屈折を防止できる。
この場合、互いに接合される前記複数の組のうち、直進光の伝播方向下流側に位置する組中の前記接合面の方向が、上流側に位置する組中の前記接合面を、前記上流側の組と下流側の組との接合面に垂直な方向を軸として90°回転させた面に平行となるように構成することがより好ましい。このように構成することで簡単に各組の分岐比の乗算分の分岐光を、2次元格子状に容易に出力させることができる。なお、用途に応じて、2次元格子の全ての桝目に分岐させる必要はなく、2次元桝目中の所望の位置から分岐光を出力させるようにすることも可能である。具体的には、簡単な手法としては出射端面上に適宜遮光体を配置する方法がある。
また、本発明では、入射端面から入射する入射光の光軸と、出射端面から出射する複数の分岐出力光のうちの1つの分岐出力光の光軸と、が同軸であることが好ましい。入射光と少なくとも1つの分岐出力光の光軸を同軸とすることで、アライメントされた光学系の中に少なくとも1つの光波をずらすことなく挿入することが可能となる。
本発明に用いる分岐光学素子としては、ハーフミラーあるいは偏光ビームスプリッタが好ましい。より具体的には、ガラス板等の基板に金属薄膜や誘電体多層膜を設け、入射された光波の一部を透過させると共に他の一部を反射させるようにしたミラー型のビームスプリッタを用いることができる。このようなミラー型のビームスプリッタとしては、透過光強度と反射光強度とが所定比となるようにしたハーフミラーや、磁気ベクトルの振動方向が互いに直交する光波を取り出す偏光ビームスプリッタが好適に使用される。また、上記の光波分岐機能を発揮する限り、回折格子やホログラフィック光学素子も用いることができる。
また、本発明の反射光学素子は、少なくとも入射光を90°方向に反射させる作用が必要である。単に反射作用だけが必要とされる場合には全反射ミラーとすることが好ましい。あるいは、入射光の一部を反射し、一部を透過させる構成とすることも可能である。あるいは所定の偏向光は90°に反射し、これと直交する偏向光を透過することも可能である。より具体的には、ハーフミラーや偏光ビームスプリッタを用いることができる。これらの多機能な反射光学素子は、例えば、金属薄膜や誘電体多層膜を用いることで形成できる。
また、本発明においては、前記透明媒質は、前記透明媒質と空気との界面における全反射を生じる面を有することが好ましい。光路を制御する上で必要な反射光学素子材料のコーティングは光学損失が大きく、偏光依存性があるが、例えばガラスと空気の界面にガラス側から臨界角を超えて入射することにより得られる全反射は、偏光依存性が無く損失も少ない。以上のことから、ガラスなどの透明媒質における空気との界面での全反射を利用して損失と偏光特性を抑制することができる。
(製造方法)
また、上記目的を達成するために、本発明の光波分割プリズムの製造方法は、請求項1乃至15のいずれか1項記載の光波分割プリズムを製造する光波分割プリズムの製造方法であって、平板状の透明媒質の表面の所定位置に、少なくとも1つの前記光波分岐光学素子を形成する光波分岐光学素子形成工程と、平板状の透明媒質の表面の所定位置に、少なくとも1つの前記反射光学素子を形成する反射光学素子形成工程と、少なくとも前記光波分岐光学素子が形成された第1の透明媒質の前記光波分岐光学素子が形成された側の主面と第2の透明媒質の主面とが接合されるように、第1の透明媒質及び第2の透明媒質を含む複数の透明媒質を積層して、前記光波分岐光学素子が介在する接合面を含む第1積層体を形成する第1積層体形成工程と、少なくとも前記反射光学素子が形成された第3の透明媒質の前記反射光学素子が形成された側の主面と第4の透明媒質の主面とが接合されるように、第3の透明媒質及び第4の透明媒質を含む複数の透明媒質を積層して、前記反射光学素子が介在する接合面を含む第2積層体を形成する第2積層体形成工程と、前記第1の透明媒質の主面に対し45度の角度を為す第1の切断面が形成されるように、前記第1積層体から第1ブロックを切り出す第1ブロック切り出し工程と、前記第2の透明媒質の主面に対し45度の角度を為す第2の切断面が形成されるように、前記第2積層体から第2ブロックを切り出す第2ブロック切り出し工程と、前記入射端面から入射した直進光を複数の分岐出力光に分岐して、前記複数の分岐出力光のうち前記透明媒質内における光路長が等しい複数の分岐出力光を、同じ出射端面から出射させるように、前記第1ブロックの第1の切断面と前記第2ブロックの第2の切断面とを接合するブロック接合工程と、を含んで構成したことを特徴とする。
本発明の光波分割プリズムの製造方法では、積層体形成工程において、複数の平板状の透明媒質を積層して接合し積層体を形成するが、平板状の透明媒質は接着時に平行度を確認することが容易であり、その厚みも比較的容易に制御することができる。なお、光波分岐光学素子又は反射光学素子の位置を工夫し、積層する透明媒質の個数(部品点数)を減らすのが好ましい。
また、ブロック切り出し工程において、積層体から透明媒質の主面に対し45度の角度でブロックを切り出すので、ブロックを精度良く切り出すことができる。なお、第1のブロックは更に第1の切断面と平行な切断面を有するように切り出されることが好ましく、第2のブロックは更に第2の切断面と平行な切断面を有するように切り出されることが好ましい。また、直方体ブロックを切り出すようにするのが更に好ましい。ブロック接合工程では、このように精度良く切り出した複数のブロックの切断面同士を接合するので、位置ずれや接着面内での回転ずれを生じることなく精度良く接着することができる。
以上の利点により、本発明の製造方法によれば、出射端面からの出射位置が任意に設定できる上に、平行度が高く且つ光路長が正確に制御された状態で光波を分割することができる光波分割プリズムを容易に製造することができる。
なお、第1ブロックあるいは第2のブロックの切り出し工程において、分岐面と平行な第1の透明媒質あるいは第2の透明媒質の主面の一部、または、反射面と平行な第3の透明媒質あるいは第4の透明媒質の主面の一部を、切除しないように切り出すことが好ましい。切除されなかった面は、平板の主面でありもともと平面度が高く、この部分を反射面として用いることで反射面を形成する工程を省略することができる。
また、前記第1ブロックおよび前記第2のブロックをそれぞれ複数形成するとともに、ブロック接合工程は、複数の前記第1および第2ブロックを、その切断面同士で接合することが好ましい。このようにすることで、高い精度を有する分岐数の多い光波分割プリズムを容易に製造することができる。
また、ブロック接合工程で、第2のブロックよりも直進光の進行方向の下流側で接合される第1のブロック中の第1の透明媒質の主面が、第2のブロックの第3の透明媒質の主面を該接合面に垂直な方向を軸として90°回転した面に平行となるよう接合することで、2次元格子状の分岐出力光を出力する光波分割プリズムを容易に製造することができる。
(光−光スイッチ)
上記目的を達成するために本発明の第1の光−光スイッチ装置は、制御光パルスの照射時に照射部分にのみオン状態の領域が形成され、入射する信号光パルスを前記オン状態の領域で透過又は反射させて前記信号光パルスの光路を空間的に切替える光スイッチと、等しい光路長の複数の平行光波を信号光パルスとして前記光スイッチに照射する信号光照射手段と、所定の光路長差を有する複数の平行光波を制御光パルスとして前記光スイッチに照射する制御光照射手段と、を含む光−光スイッチ装置であって、前記信号光照射手段及び前記制御光照射手段の少なくとも一方が、本発明の光波分割プリズムを含んで構成されたことを特徴とする。
上記目的を達成するために本発明の第2の光−光スイッチ装置は、制御光パルスの照射時に照射部分にのみオン状態の領域が形成され、入射する信号光パルスを前記オン状態の領域で透過又は反射させて前記信号光パルスの光路を空間的に切替える光スイッチと、所定の光路長差を有する複数の平行光波を信号光パルスとして前記光スイッチに照射する信号光照射手段と、等しい光路長の複数の平行光波を制御光パルスとして前記光スイッチに照射する制御光照射手段と、を含む光−光スイッチ装置であって、前記信号光照射手段及び前記制御光照射手段の少なくとも一方が、本発明の光波分割プリズムを含んで構成されたことを特徴とする。
本発明の第1及び第2の光−光スイッチ装置では、光スイッチに信号光パルスを照射する信号光照射手段及び光スイッチに制御光パルスを照射する制御光照射手段の少なくとも一方に、本発明の光波分割プリズムを用いているので、高い平行度で且つ時間遅延が正確に制御された複数の光束を非常に簡単な構成で得ることができる。また、分割された光の強度もほとんど均質である。従って、多点集光時に制御光と信号光の集光スポットでの空間的・時間的重なりを確保することができ、光−光スイッチを高精度に駆動することが可能となる。
また、所定の光路長差を信号光パルスのパルス間隔に等しくすることで、本発明の光−光スイッチを、時分割多重信号における特定時間成分を取り出すDEMUX装置に適用することができる。
本発明の光波分割プリズムによれば、より簡単な構成で、位置精度及び平行度が高く且つ光路長が正確に制御された状態で光波を分割することができ、分岐された出射光の出射位置を任意に設定できる、という効果を奏する。また、本発明の光波分割プリズムの製造方法によれば、本発明の光波分割プリズムを、容易に製造することができる、という効果を奏する。
本発明の光−光スイッチによれば、多点集光時に制御光と信号光の集光スポットでの空間的・時間的重なりを確保することができる、という効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態に係る光波分割プリズムの構成を説明する。この光波分割プリズム10は、図1に示すように、入射端面12を備えた第1のブロック14と、出射端面16を備え且つこの出射端面16が入射端面12と平行になるように第1のブロック14と接合された第2のブロック18と、から構成されている。また、第1のブロック14と第2のブロック18の各々は、平板状の透明媒質20が複数積層されて直方体状に構成されている。
積層された透明媒質20間には、ハーフミラー22と全反射ミラー24とが、光波分割プリズム10の入射端面12に対し45°の角度を成すように適宜配設されている。この例では、第1のブロック14の透明媒質20間にハーフミラー22と3枚の全反射ミラー241〜243とが配設されると共に、第2のブロック18の透明媒質20間に2枚の全反射ミラー244、245が配設されている。全反射ミラー241と245、全反射ミラー242と244とは、第1のブロック14と第2のブロック18の接合面に対して各々対称に設けられている。
なお、光波分割プリズム10の製造方法については後述するが、ハーフミラー及び全反射ミラーは、平板状の透明媒質20の表面に部分的にハーフミラーや全反射ミラーの材料をコーティングすることにより形成されている。
この光波分割プリズム10では、入射端面12からプリズム内に入力された平行光束の進行方向にハーフミラー22が配置されており、入力された平行光束は、まずハーフミラー22により互いにハーフミラー22に対して同一角度をなす2つの光束に分割される。ハーフミラー22で反射された光束の進行方向には、ハーフミラー22と平行に全反射ミラー243が設けられている。ハーフミラー22で反射された光束は、全反射ミラー243によって反射されることにより、ハーフミラー22を透過した他方の光束と平行とされ、反射後の平行光束の光軸と直交するように形成された出射端面16から出射される。
一方、ハーフミラー22を透過した光束の進行方向には、ハーフミラー22と平行に全反射ミラー241、242が設けられると共に、ハーフミラー22と90°を成すように全反射ミラー244、245が設けられており、ハーフミラー22を透過した光束は、全反射ミラー241、242、244、245によって順次反射され、反射後の平行光束の光軸と直交するように形成された出射端面16から、入射光と同軸で出射される。
また、全反射ミラー241〜245は、ハーフミラー22により分割された各平行光束の光路長を同一にすると共に、出射角度を調整する役目を担っている。出射端面16から出射される各光束は、ハーフミラー22で分割されてから出射されるまでの光路長が等しいことから、進行方向に対する法線面で同時刻に伝播する。即ち、第1のブロック14は光波を分割する光波分割部として機能し、第2のブロック18は出射位置及び遅延時間を調整する光路調整部として機能する。
以上の通り、本実施の形態に係る光波分割プリズムによれば、2つのブロックからなる簡単な構成で、入射した1本の光波を平行な2本の光波に分割することができる。
また、ハーフミラー及び全反射ミラー(空気界面を含む)は、総て入射端面に対して45度の角度をなすように配設されるので、各ブロックを精度良く作製することができると共に、各ブロック同士を位置ずれや接着面内での回転ずれを生じることなく精度良く接着することができる。特に、ブロック間の接着面が1つであるため、接着面内での回転ずれを生じ難い。
また、少なくとも1つの光波は入射光と同軸で出射するので、アライメントが容易になり、光路中に光波分割プリズムを精度良く配置することができる。即ち、予め光路を調整した1本の光束の光路中にこの光波分割プリズムを挿入した場合に、少なくとも1本の光束は位置ずれ無しに出射することが確保される。多点でのアライメント調整においても、光波分割プリズムの固定軸(光軸)方向での回転ずれを調整するだけでよい、というメリットがある。
更に、プリズム内にハーフミラーや全反射ミラーを設けたことにより、環境変化や振動・衝撃に対する耐久性が向上する。即ち、この光波分割プリズムはこれまで同様な機能を有していた平面導波路型の素子や光ファイバーの束を利用するような方法に比べて、結合ロスが少なく、外乱に強く、調整が容易であり、基本的に光路長が短いので超短パルスの透明媒質中での分散によるチャープも少ない。また、密着構造により、全体の素子サイズを小さくすることができる。
なお、2つの出射光の間で同時刻性が確保されるためには、入射端面12に平行な方向(水平方向)において、ハーフミラー22と全反射ミラー243との間の光路長bと、全反射ミラー241と全反射ミラー242との間の光路長a及び全反射ミラー244と全反射ミラー245との間の光路長cの和a+cとが等しいという条件が具備されればよい。
より詳細に説明すると、2つの分割された光波の垂直方向の光路長はそれぞれ等しいので、水平方向の光路長だけを比較することで2つの光波のプリズム内での光路長(透過距離)を比較することができる。入射光と同軸側の光路長はa+c、他方の光路長はbであるから、2つの光路長が等しくなるためには下記の関係式が成立すればよい。
a+c=b
更に、1つの光波が入射光と同軸であり、他方の光波が同軸で出射する光波からXだけずれた位置から出射するとすると、下記の関係が導かれる。なお、入射端面及び出射端面に対し垂直に光を入射させるので、多少の光路の平行位置での位置ずれは光路長のずれをもたらさない。
a=c,X=b
a,b,cの各々をXを用いて以下のように表すことができる。
a=c=X/2,b=X
なお、出射位置を維持したままで2つの光波に光路長差Dを与えたい場合には、例えば、以下の関係を満たすことが必要になる。この場合は、光路長a及び光路長cの和が光路長bよりも光路長差Dだけ長くなり、同軸で出射する光波が遅延される。
a+c=b+D,a=c,b=X
a,b,cの各々を、X、Dで以下のように表すことができる。
a=c=(X+D)/2,b=X
これらの式から分かるように、光路長a及び光路長cを与える部品(透明媒質)の厚みを変更するだけで、出射位置を維持したまま光路長を等しくすることも、光路長差を任意に付加することも可能である。光路長差Dは正負いずれでも構わない。但し、付加できる光路長差は出射光の間隔X又はプリズム全体の大きさにより限定される。
次に、図2(A)乃至(D)を参照して、上記の光波分割プリズムを製造する製造方法について説明する。図1に係る光波分割プリズムは、平行平板を張り合わせたものを切り出すことにより簡単に作製することができる。
まず、図2(A)に示すように、ガラス等の透明媒質からなる4枚の平行平板20a、20b、20d、20eを用意する。上記と同様に、全反射ミラー241と全反射ミラー242との間の光路長をa、ハーフミラー22と全反射ミラー243との間の光路長をbとすると、光路が各平行平板の主面に対して45度であることから、平行平板20aの厚みはa/√2であり、平行平板20bの厚みはb/√2である。
これら平行平板20a、20b、20d、20eの各々には、予め全反射ミラー及びハーフミラーをコーティングにより形成しておく。この例では、平行平板20eの平行平板20bと対向する面に全反射ミラー243を形成し、平行平板20bの平行平板20aと対向する面にハーフミラー22と全反射ミラー242を形成し、平行平板20aの平行平板20dと対向する面に全反射ミラー241を形成する。
次に、図2(B)に示すように、4枚の平行平板を20d→20a→20b→20eの順に積層して接着し、積層体26を得る。平行平板は接着時に平行度を確認することが容易であり、その厚みも比較的容易に制御することができる。この積層体26から各平行平板の主面に対し45度の角度で第1のブロック14を切り出す。45度の角度は計測が容易であり、ブロックを精度良く切り出すことができる。
次に、図2(C)に示すように、3枚の平行平板20c、20f、20gを用意する。平行平板20cの厚みをc/√2とし、全反射ミラー244と245を形成する。図2(D)に示すように、3枚の平行平板を20f→20c→20gの順に積層して接着し、得られた積層体28から各平行平板の主面に対し45度の角度で第2のブロック18を切り出す。
最後に、切り出された第1のブロック14と第2のブロック18とを、位置合わせして貼り合わせることにより、図1に示す光波分割プリズムが形成される。精度良く切り出した複数のブロックを貼り合わせるので、精度良く接着することができる。
この光波分割プリズムの製造工程において、接着の平行度以外に面方向での回転ずれに関する配慮が必要なのは、最終段の第1のブロック14と第2のブロック18の接着時だけであり、以上の方法により光波分割プリズムを極めて高精度に製造することができる。
例えば、光路長差Dを与えて2光波を時間差Δt(遅延時間)で出射させる場合、透明媒質の屈折率をn、真空中の光速をcとすると、時間差Δtは下記式で表すことができる。
Δt=(D×n)/c
透明媒質がBK−7等のガラスである場合、屈折率nは約1.51である。
Δt=D×5.033×10-9
時間差Δtとして、1Tbpsの信号の繰返し周期に相当する1ピコ秒を想定した場合には、光路長差Dは約0.199mmになる。これを平行平板の厚みの差で表現すると、その差はD/2√2であり、約0.070mm(70μm)程度になる。平行平板の厚みの精度を、この程度のレベルで調整するのは比較的容易である。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、直方体状に形成された2つのブロックを組み合わせて、光波分割プリズムを構成する例について説明したが、第2の実施の形態に係る光波分割プリズムは、図1に示す光波分割プリズムから光波が通過しない光学部品を削除した構造を備えている。この構成では、透明媒質と空気との界面における全反射を利用できるので、全反射ミラー241、243、245も省略することができる。
即ち、この光波分割プリズム30は、図3(A)に示すように、入射端面12、斜面36及び斜面38を備えると共にハーフミラー22と全反射ミラー242が配設された第1のブロック32と、出射端面16及び斜面40を備えると共に全反射ミラー244が配設された第2のブロック34と、が接合されて構成されている。
この光波分割プリズム30では、入射端面12からプリズム内に入力された平行光束は、ハーフミラー22により互いにハーフミラー22に対して同一角度をなす2つの光束に分割される。ハーフミラー22で反射された光束は、斜面36によって反射されることにより、ハーフミラー22を透過した他方の光束と平行とされ、反射後の平行光束の光軸と直交するように形成された出射端面16から出射される。一方、ハーフミラー22を透過した光束は、斜面38、斜面40、全反射ミラー242、244によって順次反射され、反射後の平行光束の光軸と直交するように形成された出射端面16から、入射光と同軸で出射される。
以上の通り、本実施の形態に係る光波分割プリズムによれば、2つのブロックからなる簡単な構成で、入射した1本の光波を平行な2本の光波に分割することができる。また、精度良く作製することができ、アライメントが容易になる点は、第1の実施の形態と同様である。
また、光路を制御する上で必要な全反射ミラーコーティングは、光学的な損失が大きく、偏光依存性があるが、例えばガラスと空気の界面にガラス側から臨界角を超えて入射することにより得られる全反射は、偏光依存性が無く損失も少ない。以上のことから、本実施の形態では、ガラスなどの透明媒質における空気との界面での全反射を利用して、光学的な損失を抑制し且つ偏光特性を改善することができる。
なお、図3(A)に示す光波分割プリズム30は、第1の実施の形態と同様の方法で製造することができる。第1のブロック32と第2のブロック34とを接着する際には、図3(B)に示すように、90度をなす斜面38と斜面40とを利用して、ここでの反射光を観察することにより、位置合わせの精度を高めることができる。
また、図4に示すように、さらに積極的に空気界面での全反射を利用した構成としてもよい。この構成では、全反射ミラー242も省略することができる。 即ち、この光波分割プリズム48は、入射端面12、斜面38及び斜面42を備えると共にハーフミラー22が配設された第1のブロック44と、出射端面16及び斜面40を備え且つ全反射ミラー244が配設された第2のブロック46と、が接合されて構成されている。
光波分割プリズム48において2つの出射光の間で同時刻性が確保されるためには、1つの光波が入射光と同軸であり、他の光波が同軸で出射する光波からXだけずれた位置から出射するとすると、水平方向において、ハーフミラー22とこれに対向する斜面42との間の光路長b、ハーフミラー22が形成された面とこれに対向する斜面38との間の光路長a、及び全反射ミラー244とこれに対向する斜面40との間の光路長cが、下記の関係を満たせばよい。
a+b=b+c,a+b=X,b=c
a,b,cの各々をXを用いて以下のように表すことができる。
a=b=c=X/2
なお、出射位置を維持したままで2つの光波に光路長差Dを与えたい場合には、例えば、以下の関係を満たすことが必要になる。この場合は、光路長b及び光路長cの和が、光路長a及び光路長bの和よりも光路長差Dだけ長くなり、同軸で出射する光波が遅延される。
b+c=a+b+D,a+b=X,b=c
a,b,cの各々を、X、Dで以下のように表すことができる。
a=(X−D)/2,b=c=(X+D)/2
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態に係る光波分割プリズムは、図3(A)に示す光波分割プリズム2個を直列に組み合わせたものである。
第1の実施の形態では、複数の光波が所定方向に互いに位置をずらして出射される、即ち、入射された光波が1次元状に2分割されて出射される光波分割プリズムについて説明したが、このような光波分割プリズムを2つ組み合わせることにより、入射された光波が2次元状に4分割されて出射される光波分割プリズムを、簡単に構成することができる。
図5(A)に示すように、入射端面121及び出射端面161を備えた光波分割プリズム301と、入射端面122及び出射端面162を備えた光波分割プリズム302と、を用意する。光波分割プリズム301と302は、2つの光波が矢印X方向に互いに位置をずらして出射される光波分割プリズムであるが、図3(A)に示す光波分割プリズムと同じ構造であるため詳細な説明は省略する。図5(B)に示すように、光波分割プリズム302を光波分割プリズム301に対し90度回転させて配置し、図5(C)及び(D)に示すように、光波分割プリズム301の出射端面161と光波分割プリズム302の入射面122とを密着させて、組み合わせ光波分割プリズム50とする。なお、光波分割プリズム301の出射端面161と光波分割プリズム302の入射面122とがちょうど重なるように、光波分割プリズム301と光波分割プリズム302の厚みが調整されている。
光波分割プリズム301に入射した光波は、1段目の光波分割プリズム301でX方向に2分割され、分割された各光束が2段目の光波分割プリズム302でX方向と直交するY方向に2分割される。この構成により入射光を2×2の合わせて4本の光束に分割すると共に、4本の光束を2次元状に配列することができる。
以上の通り、本実施の形態に係る組み合わせ光波分割プリズムによれば、簡単な構成で、入射した1本の光波を平行で且つ2次元状に配列された4本の光波に分割することができる。このプリズムでは、角度ずれを注意する必要のある接着面は3つと少なく、組み合わせ光波分割プリズムを高精度に組み立てることができる。また、少なくとも1つの光波は入射光と同軸で出射するので、アライメントが容易になり、光路中に光波分割プリズムを精度良く配置することができる。
更に、多くの光波分割プリズムを直列に組み合わせることにより、より分割数の大きな組み合わせ光波分割プリズムを得ることができる。例えば、2分割の光波分割プリズムを用いる場合には、光波分割プリズムが3個で8本、4個で16本、5個で32本の光波が得られる。
なお、組み合わせ光波分割プリズム50から出射される4つの光波の光路長を総て等しくする場合は、光路長の等しい2つ光波を出射する光波分割プリズム301と302を組み合わせればよい。一方、4つの光波に各々光路長差Dを与えたい場合には、光波分割プリズム301で与える光路長差をDとし、他方の光波分割プリズム302には光路長差をDに個々のプリズムの分割数n(この場合は2)を乗じた光路長差、即ち2Dを与えることで、4つの分割された光波は、同軸で出射される光束に対しそれぞれ光路長差0、D、2D、3Dで出射される。
また、光波分割プリズムを組み合わせる場合の注意点として、ミラーコーティングの偏光特性がある。一般的に金属膜では偏光依存性が小さいが、光学損失を極力小さくするために誘電体多層膜で全反射ミラー又はハーフミラーをコーティングする場合には、ミラーコーティングの偏光特性により、少なからず反射率や透過率が変化する。従って、組み合わせ光波分割プリズムを構成する各プリズムでは、それぞれ直交する偏光に適合したコーティングを施し、組み合わせた状態で全てのコーティングが入射した光波の偏光に適した状態になるように配慮する必要がある。なお、分割後の光波が光波分割プリズムの反射面に対してp偏光でもs偏光でもない偏光となることが要求される場合には、組み合わせ光波分割プリズムの光出射側に波長板を配置して最適な偏光にすることが望ましい。
また、他の例として、図4に示す光波分割プリズム2個を直列に組み合わせた組み合わせ光波分割プリズムの例を示す。図6(A)に示すように、入射端面121及び出射端面161を備えた光波分割プリズム481と、入射端面122及び出射端面162を備えた光波分割プリズム482と、を用意する。光波分割プリズム481と482とは、2つの光波が矢印X方向に互いに位置をずらして出射される光波分割プリズムである。図6(B)に示すように、光波分割プリズム482を光波分割プリズム481に対し90度回転させて配置し、図6(C)に示すように、光波分割プリズム481の出射端面161と光波分割プリズム482の入射面122とを密着させて、組み合わせ光波分割プリズム52とすることができる。
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施形態に係る光波分割プリズムは、入射された光波が1次元状に4分割されて出射される光波分割プリズムである。第1の実施の形態では、1つのハーフミラーを用いて2つの光束に分割したが、ハーフミラーの個数を増やすことで、所望の分割数とすることができる。本実施の形態では、3つのハーフミラーを用いて、入射された光波を4分割している。
この光波分割プリズム54は、図7に示すように、入射端面12を備えた第1のブロック56と、出射端面16を備え且つこの出射端面16が入射端面12と平行になるように第1のブロック56と接合された第2のブロック58と、から構成されている。また、第1のブロック56と第2のブロック58の各々は、平板状の透明媒質20が複数積層されて直方体状に構成されている。
積層された透明媒質20間には、ハーフミラー22と全反射ミラー24とが、光波分割プリズム10の入射端面12に対し45°の角度を成すように適宜配設されている。この例では、第1のブロック56の透明媒質20間に3枚のハーフミラー221〜223と5枚の全反射ミラー246〜2410とが配設されると共に、第2のブロック58の透明媒質20間に5枚の全反射ミラー2411〜2415が配設されている。
この光波分割プリズム10では、入射端面12からプリズム内に入力された平行光束の進行方向にハーフミラー222が配置されており、入力された平行光束は、まずハーフミラー222により互いにハーフミラー222に対して同一角度をなす2つの光束に分割される。
ハーフミラー222で反射された光束の進行方向にはハーフミラー223が配置されており、入力された平行光束はハーフミラー223により互いにハーフミラー223に対して同一角度をなす2つの光束に分割される。
ハーフミラー223を透過した光束の進行方向には、全反射ミラー2410が配置されており、ハーフミラー223を透過した光束は、全反射ミラー2410によって反射されることにより、ハーフミラー223で反射された光束と平行とされ、反射後の平行光束の光軸と直交するように形成された出射端面16から出射される。
ハーフミラー223で反射された光束の進行方向には、ハーフミラー223と平行に全反射ミラー248、249が設けらると共に、ハーフミラー223と90°を成すように全反射ミラー2413、2414が設けられており、ハーフミラー223で反射された光束は、全反射ミラー248、249、2414、2413によって順次反射され、反射後の平行光束の光軸と直交するように形成された出射端面16から出射される。
一方、ハーフミラー222を透過した光束の進行方向にはハーフミラー221が配置されており、入力された平行光束はハーフミラー221により互いにハーフミラー221に対して同一角度をなす2つの光束に分割される。
ハーフミラー221で反射された光束の進行方向には、ハーフミラー221と平行に全反射ミラー248が設けらると共に、ハーフミラー221と90°を成すように全反射ミラー2413、2411が設けられており、ハーフミラー221で反射された光束は、全反射ミラー248、2413、2411によって順次反射され、反射後の平行光束の光軸と直交するように形成された出射端面16から出射される。
ハーフミラー221を透過した光束の進行方向には、ハーフミラー221と平行に全反射ミラー246、248が設けられると共に、ハーフミラー221と90°を成すように全反射ミラー2415、2412が設けられており、ハーフミラー221を透過した光束は、全反射ミラー246、248、2415、2412によって順次反射され、反射後の平行光束の光軸と直交するように形成された出射端面16から、入射光と同軸で出射される。
以上の通り、本実施の形態に係る光波分割プリズムによれば、簡単な構成で、入射した1本の光波を平行な4本の光波に分割することができる。複数の光波分割プリズムを直列に組み合わせた場合には接着面の数が逐次増加し、平行度や光路長の精度の確保が困難になるが、個々の光波分割プリズムの分割数を増加することで、性能を犠牲にすることなく分割数を増加させることができる。
また、精度良く作製することができ、アライメントが容易になる点は、第1の実施の形態と同様である。なお、本実施の形態に係る光波分割プリズムは、第1の実施の形態に係る光波分割プリズムと同様の方法で製造することができる。
図7に示すように、各ミラー間の水平方向の光路長a〜fを定義すると、1つの光波が入射光と同軸であり、隣の光波が同軸で出射する光波からXだけずれた位置から出射するとすると、同時刻性が確保されるためには、以下の関係式が満たされればよい。
c+d+e=3X,c+2d+g=3X,
b+c+f=3X,a+b+f+g=3X
更に、以下の関係式が成立する必要がある。
c+2d−g=2X,c+c−f=X,a+b−f−g=0
上記の関係式が成立する例としては、以下の場合が挙げられる。
a=X,b=X/2,c=3X/2,d=X/2,
e=X,f=X,g=X/2
あるいは
a=X/2,b=X,c=X,d=3X/4,
e=5X/4,f=X,g=X/2
なお、出射位置を維持したままで隣接する光波に光路長差Dをそれぞれ与えたい場合には、例えば、光路長a〜fは以下のいずれかの値をとる必要がある。
a=X,b=(X+3D)/2,c=(3X−D)/2,
d=(X+D)/2,e=X,f=X+D,g=(X+D)/2
または
a=X−2Y,b=(X−D)/2,c=3(X+D)/2,
d=(X−D)/2,e=X−D, f=X+D,g=(X+D)/2
または
a=X+D,b=(X+D)/2,c=(3X+D)/2,d=X/2,
e=X−D/2,f=X+D,g=(X+D)/2
[第5の実施の形態]
第4の実施の形態では、直方体状に形成された2つのブロックを組み合わせて、光波分割プリズムを構成する例について説明したが、第5の実施の形態に係る光波分割プリズムは、図7に示す光波分割プリズムから光波が通過しない光学部品を削除した構造を備えている。この構成では、透明媒質と空気との界面における全反射を利用できるので、全反射ミラー246、2410、2411、2412を省略することができる。
即ち、この光波分割プリズム60は、図8に示すように、入射端面12、斜面62、斜面64及び水平面66を備えると共にハーフミラー221〜223と全反射ミラー247〜249とが配設された第1のブロック70と、出射端面16及び斜面68を備えると共に全反射ミラー2413〜2415が配設された第2のブロック72と、が接合されて構成されている。
分割された4本の光束の光路は、第4の実施の形態と同一であるため説明を省略するが、この構成によれば、2つのブロックからなる簡単な構成で、入射した1本の光波を平行な4本の光波に分割することができる。また、精度良く作製することができ、アライメントが容易になる点は、第1の実施の形態と同様である。更に、透明媒質における空気と界面での全反射を利用して、光学的な損失を抑制し且つ偏光特性を改善することができる。
また、図9〜図11に示すように、さらに積極的に空気界面での全反射を利用する構成としてもよい。これらの構成では、更に全反射ミラーを省略することができる。また、部品点数(積層される平板状の透明媒質20の個数)が減少し、より簡単な構成となる。
図9に示す光波分割プリズム74は、入射端面12、斜面76、及び斜面78を備えると共にハーフミラー224及び225と全反射ミラー2416とが配設された第1のブロック80と、出射端面16及び斜面79を備えると共に全反射ミラー2413〜2415が配設された第2のブロック82と、が接合されて構成されている。
この光波分割プリズム74では、入射端面12からプリズム内に入力された平行光束は、ハーフミラー224により互いにハーフミラー224に対して同一角度をなす2つの光束に分割される。
ハーフミラー224で反射された光束は、斜面76で反射されてハーフミラー225に入射する。ハーフミラー225で反射された光束は、斜面76で再度反射され、出射端面16から出射される。ハーフミラー225を透過した光束は、全反射ミラー2413及び斜面68で順次反射され、出射端面16から出射される。
ハーフミラー224を透過した光束は、斜面78で反射されて再度ハーフミラー224に入射する。ハーフミラー224で反射された光束は、斜面78、全反射ミラー2416、全反射ミラー2415及び斜面79で順次反射され、出射端面16から入射光と同軸で出射される。ハーフミラー224を透過した光束は、斜面76、全反射ミラー2414及び斜面79で順次反射され、出射端面16から出射される。
各ミラー間の水平方向の光路長a〜fの定義は、図示した通りであるが、下記関係式が満たされるとき4つの光波の光路長は等しくなる。
a=X/2,b=X/2,c=X/2,d=X,e=X,f=X/2
また、出射位置を維持したままで隣接する2つの光波に光路長差Dを与えたい場合には、光路長a〜fは以下の値をとる必要がある。
a=(X−D)/2,b=(X+5D)/2,c=(X−D)/2,
d=X−D,e=X+D,f=(X+D)/2
図10に示す光波分割プリズム84は、入射端面12、斜面86、及び斜面88を備えると共にハーフミラー221、222、及び226が配設された第1のブロック92と、出射端面16及び斜面90を備えると共に全反射ミラー2413〜2415が配設された第2のブロック94と、が接合されて構成されている。
この光波分割プリズム84では、入射端面12からプリズム内に入力された平行光束は、ハーフミラー222により互いにハーフミラー222に対して同一角度をなす2つの光束に分割される。
ハーフミラー222で反射された光束は、ハーフミラー226に入射する。ハーフミラー226で反射された光束は、斜面88及び斜面86で順次反射され、出射端面16から出射される。ハーフミラー226を透過した光束は、斜面86、全反射ミラー2415、斜面90で順次反射され、出射端面16から入射光と同軸で出射される。
ハーフミラー222を透過した光束は、ハーフミラー221に入射する。ハーフミラー221で反射された光束は、斜面86、全反射ミラー2413、及び斜面90で順次反射され、出射端面16から出射される。ハーフミラー221を透過した光束は、斜面88、斜面86、全反射ミラー2414及び全反射ミラー2413で順次反射され、出射端面16から出射される。
各ミラー間の水平方向の光路長a〜fの定義は、図示した通りであるが、下記関係式が満たされるとき4つの光波の光路長は等しくなる。
a=X/2,b=X/2,c=X/2,d=X,e=X,f=X/2
出射位置を維持したままで隣接する2つの光波に光路長差Dをそれぞれ与えたい場合には、光路長a〜fは以下の値をとる必要がある。
a=(X−D)/2,b=(X−D)/2,c=(X−D)/2,
d=X+2D,e=X+D,f=(X+D)/2
図11に示す光波分割プリズム100は、入射端面12、斜面86、及び斜面88を備えると共にハーフミラー222及び227、全反射ミラー2417配設された第1のブロック96と、出射端面16及び斜面90を備えると共に全反射ミラー2413〜2415が配設された第2のブロック98と、が接合されて構成されている。
この光波分割プリズム100では、入射端面12からプリズム内に入力された平行光束は、ハーフミラー222により互いにハーフミラー222に対して同一角度をなす2つの光束に分割される。
ハーフミラー222で反射された光束は、斜面86で反射されてハーフミラー227に入射する。ハーフミラー227で反射された光束は、斜面86で再度反射され、出射端面16から出射される。ハーフミラー227を透過した光束は、全反射ミラー2415及び斜面90で順次反射され、出射端面16から入射光と同軸で出射される。
ハーフミラー222を透過した光束は、斜面88で反射されてハーフミラー227に入射する。ハーフミラー227で反射された光束は、斜面88、全反射ミラー2417、全反射ミラー2413、及び斜面90で順次反射され、出射端面16から出射される。ハーフミラー227を透過した光束は、斜面86、全反射ミラー2414及び斜面90で順次反射され、出射端面16から出射される。
各ミラー間の水平方向の光路長a〜fの定義は、図示した通りであるが、下記関係式が満たされるとき4つの光波の光路長は等しくなる。
a=X,b=3X/2,c=X,d=X/2
但し、図11に示す構成では、部品点数が少ないために、隣接する総ての2光波に光路長差Dを付加することはできない。
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態に係る光波分割プリズムは、図10に示す光波分割プリズム2個を直列に組み合わせたものである。
第4及び第5の実施の形態では、複数の光波が所定方向に互いに位置をずらして出射される、即ち入射された光波が1次元状に4分割されて出射される光波分割プリズムについて説明したが、このような光波分割プリズムを2つ組み合わせることにより、入射された光波が2次元状に16分割されて出射される光波分割プリズムを、簡単に構成することができる。
図12(A)に示すように、入射端面121及び出射端面161を備えた光波分割プリズム841と、入射端面122及び出射端面162を備えた光波分割プリズム842と、を用意する。光波分割プリズム841と842は、4つの光波が矢印X方向に互いに位置をずらして出射される光波分割プリズムであるが、図10に示す光波分割プリズムと同じ構造であるため説明を省略する。図12(B)に示すように、光波分割プリズム842を光波分割プリズム841に対し90度回転させて配置し、図12(C)に示すように、光波分割プリズム841の出射端面161と光波分割プリズム842の入射面122とを密着させて、組み合わせ光波分割プリズム102とする。なお、光波分割プリズム841の出射端面161と光波分割プリズム842の入射面122とが調度重なるように、光波分割プリズム841と光波分割プリズム842の厚みが調整されている。
光波分割プリズム841に入射した光波は、1段目の光波分割プリズム841でX方向に4分割され、分割された各光束が2段目の光波分割プリズム842でX方向と直交するY方向に4分割される。この構成により入射光を4×4の合わせて16本の光束に分割すると共に、16本の光束を2次元状に配列することができる。
以上の通り、本実施の形態に係る組み合わせ光波分割プリズムによれば、簡単な構成で、入射した1本の光波を平行で且つ2次元状に配列された16本の光波に分割することができる。このプリズムでは、角度ずれを注意する必要のある接着面は3つと少なく、組み合わせ光波分割プリズムを高精度に組み立てることができる。また、少なくとも1つの光波は入射光と同軸で出射するので、アライメントが容易になり、光路中に光波分割プリズムを精度良く配置することができる。
なお、組み合わせ光波分割プリズム102から出射される16本の光波の光路長を総て等しくする場合は、光路長の等しい2つ光波を出射する光波分割プリズム841と842を組み合わせればよい。一方、16本の光波に各々光路長差Dを与えたい場合には、光波分割プリズム841で与える光路長差をDとし、他方の光波分割プリズム842には光路長差をDに個々のプリズムの分割数n(この場合は4)を乗じた光路長差、即ち4Dを与えることで、16本に分割された光波は、同軸で出射される光束に対しそれぞれ光路長差0、D、2D、3D、...、15Dで出射される。
また、入射光を2分割する光波分割プリズムと入射光を4分割する光波分割プリズムとを組み合わせることもできる。この場合、入射した1本の光波を平行な8本の光波に分割する組み合わせ光波分割プリズムを得ることができる。
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態に係る光波分割プリズムは、入射された光波が1次元状に8分割されて出射される光波分割プリズムである。本実施の形態では、5つのハーフミラーを用いて、入射された光波を8分割している。
図13に示すように、この光波分割プリズム110は、入射端面12、斜面104及び斜面106を備えると共にハーフミラー222及び228〜2211が配設された第1のブロック112と、出射端面16及び斜面108を備えると共に全反射ミラー2416〜2423が配設された第2のブロック114と、が接合されて構成されている。詳細な説明は省略するが、入射端面12から入射された1本の光波は、ハーフミラー222及び228〜2211により8分割され、分割された各光波は全反射ミラー2416〜2423及び透明媒質と空気との界面となる斜面により反射されることにより光路長が同一にされると共に出射角度が調整されて、出射端面16から出射される。
以上の通り、本実施の形態に係る組み合わせ光波分割プリズムによれば、2つのブロックからなる簡単な構成で、入射した1本の光波を平行な8本の光波に分割することができる。また、精度良く作製することができ、アライメントが容易になる点は、第1の実施の形態と同様である。更に、透明媒質における空気と界面での全反射を利用して、光学的な損失を抑制し且つ偏光特性を改善することができる。
各ミラー間の水平方向の光路長a〜fの定義は、図示した通りであるが、下記関係式が満たされるとき8つの光波の光路長は等しくなる。
a=X/2,b=X,c=X/2,d=X/2,
e=X,f=2X,g=2X,h=X/2,I=X/2,j=X/2
出射位置を維持したままで隣接する2つの光波に光路長差Dをそれぞれ与えたい場合には、光路長a〜fは以下の値をとる必要がある。
a=(X−D)/2,b=X−D,c=(X−D)/2,d=(X−D)/2,
e=X−D,f=2X+5D,g=2X+2D,h=(X+D)/2,
I=(X+D)/2,j=(X+D)/2
なお、部品点数は増加するが、図14に示すように、図13の第2のブロック114の全反射ミラー2420及び2421の代わりに、全反射ミラー2424を設けた構成の第2のブロック118を備えた光波分割プリズム116としてもよい。この構成では、各光波の全反射回数が同じになる。
各ミラー間の水平方向の光路長a〜fの定義は、図示した通りであるが、下記関係式が満たされるとき8つの光波の光路長は等しくなる。
a=X/2,b=X,c=X/2,d=X/2,e=X,f=2X,
g=2X,h=X/2,I=X/2,j=X/2,k=X
出射位置を維持したままで隣接する2つの光波に光路長差Dをそれぞれ与えたい場合には、光路長a〜fは以下の値をとる必要がある。
a=(X−D)/2,b=X−D,c=(X−D)/2,d=(X−D)/2, e=X−D,f=2X+5D,g=2X+2D,h=(X+D)/2,
I=(X+D)/2,j=(X+D)/2,k=X+D
また、図15に示すように、図13の第1のブロック112の部品点数を大幅に減らし、ハーフミラーも2212〜2215の4枚に減らした構成の第1のブロック124を備えた光波分割プリズム120としてもよい。
各ミラー間の水平方向の光路長a〜fの定義は、図示した通りであるが、下記関係式が満たされるとき8つの光波の光路長は等しくなる。
a=X/2,b=2X,c=X/,d=X/2,
e=2X,f=X/2,g=X/2,h=X/2
出射位置を維持したままで隣接する2つの光波に光路長差Dをそれぞれ与えたい場合には、光路長a〜fは以下の値をとる必要がある。
a=(X−D)/2,b=2X−2D,c=X−D,
d=(X+13D)/2,e=2X+2D,f=(X+D)/2,
g=(X+D)/2,h=(X+D)/2
なお、第3及び第6の実施の形態と同様にして、上記の入射された光波が1次元状に8分割されて出射される光波分割プリズムを2つ組み合わせることにより、入射された光波が2次元状に64分割されて出射される光波分割プリズムを簡単に構成することができる。このプリズムは、角度ずれを注意する必要のある接着面は3つと少なく、高精度に組み立てることができる。
また、64本の光波に各々光路長差Dを与えたい場合には、一方の光波分割プリズムで与える光路長差をDとし、他方の光波分割プリズムには光路長差をDに個々のプリズムの分割数n(この場合は4)を乗じた光路長差、即ち8Dを与えることで、64本に分割された光波は、同軸で出射される光束に対しそれぞれ光路長差0、D、2D、3D、...、63Dで出射される。また、入射光を8分割する光波分割プリズムと、入射光を2分割する光波分割プリズム又は入射光を4分割する光波分割プリズムとを適宜組み合わせてもよい。
[第8の実施の形態]
第1〜第7の実施の形態では、1つの光波を複数の光波に分割して出射する光波分割プリズムについて説明した。これらの光波分割プリズムでは、更に各光波の光路長を等しくして同時に出射させることも、光路長差を加えることにより一定時間ずつ時間差をつけて出射させることも可能である。
第8の実施の形態では、この光波分割プリズムを、特願2001−350614明細書記載の光スイッチの分割・遅延手段に組み込んだ光−光スイッチ装置の例について説明する。光−光スイッチ装置は、スイッチング機構として光スイッチ膜の透過率(反射率)変化を用い、光スイッチ膜を透過する信号光出力をオンオフ制御する光スイッチ(透過率変化利用・透過型)である。
第8の実施の形態に係る光−光スイッチ装置は、図16(A)に示すように、読出しタイミング制御に用いる制御光126を制御光1261、1262に分割する分割手段としての光波分割プリズム130、信号光128を信号光1281、1282に分割すると共に分割された信号光に対して異なる遅延時間を与える分割・遅延手段としての光波分割プリズム132、制御光1261、1262と信号光1281、1282とを合波するハーフミラー134、及び面型の光スイッチ136を備えている。
ハーフミラー134は、光波分割プリズム130からの制御光1261、1262を光スイッチ136側に反射すると共に、光波分割プリズム132からの信号光1281、1282を透過して光スイッチ136に入射するように、制御光と信号光の進行方向に配置されている。制御光と信号光とを合波した状態で光スイッチ136入射することで、制御光1261と信号光1282とを同一スポットに照射すると共に、制御光1262と信号光1281とを同一スポットに照射することができる。
光波分割プリズム130、132には、図3(A)に示した構成の光波分割プリズムを使用する。この光波分割プリズム130によれば、入射した制御光126は2分割され、等しい光路長を備えた制御光1261、1262として出射される。また、光波分割プリズム132によれば、入射した信号光128は2分割され、所定の遅延時間が与えられた信号光1281、1282として出射される。なお、この遅延時間は、信号光128の信号伝送速度(bit/s)に応じて設定され、各分割信号光に与えられる遅延時間はそれぞれ1bit分に相当する時間だけ異なる。
光波分割プリズム130、132によれば、高い平行度で且つ時間遅延が正確に制御された複数の光束を非常に簡単な構成で得ることができる。また、少なくとも1つの光波は入射光と同軸で出射するので、アライメントが容易になり、光路中に光波分割プリズムを精度良く配置することができる。従って、多点集光時に制御光と信号光の集光スポットでの空間的・時間的重なりを確保することができ、光−光スイッチを高精度に駆動することが可能となる。
図16(A)に示す例では、制御光1261が光波分割プリズム130に入射した制御光126と同軸で出射され、信号光1282が光波分割プリズム132に入射した信号光128と同軸で出射されるので、ハーフミラー134で反射された制御光1261とハーフミラー134を透過した信号光1282とが光スイッチ136の同じ位置に入射するように、光路中に光波分割プリズムを精度良く配置することができる。
光スイッチ136は、制御光1261、1262により誘起される非線形透過率変化により、各分割信号光から制御信号と同期した時間分割成分のみを選択して、選択された信号光のみを透過させる。即ち光スイッチ136に入射された信号光1281の1と2、1282の1と2のうち、制御光1261、1262と同一タイミングで入射した信号光1281の2、信号光1282の1(以下、「制御光と同期した信号光」と称す)のみが選択されて透過される。
ここで、光スイッチ136として利用できるものは、例えば、半導体量子井戸や色素薄膜の吸収飽和等が使用できる。制御光照射に伴う吸光度変化により所望の光パルスのみを透過させることができる。さらに、スイッチング薄膜の表面と裏面での反射光の干渉を利用することにより、透過率の変化を強調したり、透明波長領域における屈折率変化によりスイッチングしたりする構成でも良い(特開平11−15031号公報参照)。なお、光スイッチ136は、例えば、透明基板に非線型光学材料を薄膜形成することにより形成されている。
ハーフミラー134としては、例えば、誘電体多層膜などによるダイクロイックミラーを使用することができる。但し、ダイクロイックミラーを使用するためには、制御光波長λ1と信号光波長λ2が異なり、且つその関係が既知である必要がある。例えば、制御光波長λ1を850nm、信号光波長λ2を900nmとすることができる。
上記の光−光スイッチ装置では、信号光に付加する時間差を信号光のビットレート(信号周期)に一致させることで、光スイッチの各点でそれぞれ異なる時刻のビット信号を連続的に読み出すことができる。このように本発明の光波分割プリズムを用いることで、連続する2〜64のビット列の信号を連続的に面型光スイッチでスイッチングすることができる。もちろん、組み合わせプリズムを用いる等して分割数を増加することで、更に長いビット長の信号を1つの制御光で連続的に読み出すことも可能である。
なお、図16(A)では、信号光の方に遅延時間を与える場合を示したが、図16(B)のように、制御光の方に遅延時間を与えて光スイッチに入力してもよい。また、図示は省略するが、信号光と制御光との両方に遅延時間を与えて、例えば、1/2bit分ずつずらすようにしてもよい。信号光・制御光のいずれに遅延時間付加型のプリズムを用いるかは、原理的に実用上ほぼ等価である。但し、信号光側に利用したときには、読み出される信号は同時に出力され、制御光側に利用したときには連続的に出力される。
上記では、光波分割プリズムの偏光特性については説明を省略したが、偏光特性を有する光波分割プリズムの場合は、正確にその偏光特性に適合した条件で光波分割プリズムを組み立てる必要がある。例えば、2つの光波分割プリズムを直列に組み合わせる場合には、光波分割プリズムのハーフミラー及び全反射ミラーのコーティングにおける偏光特性を直交させ、両者を組み合わせた場合に両方のプリズムにおいて入射光の偏光方向に適した偏光特性のコーティングとする。または、組み合わせ光波分割プリズムの出射側に、適切に角度を調整した波長板を配置し、所望の偏光を出射するようにする。
以上、本発明の光波分割プリズム及び光−光スイッチ装置の実施の形態について説明したが、実施の形態に係る構成はその代表的なものであり、基本的に同様な設計指針で構成される光波分割プリズム及び光−光スイッチ装置は、本発明に含まれる。また、本発明の光波分割プリズムは、単に光−光スイッチ装置だけでなく、あらゆる空間的な光並列演算処理に利用できる可能性がある。
また、上記の実施の形態では、光波分岐光学素子としてハーフミラーを用いる例について説明したが、光波分岐光学素子としては、ガラス板等の基板に金属薄膜や誘電体多層膜を設け、入射された光波の一部を透過させると共に他の一部を反射させるようにしたミラー型のビームスプリッタを用いることができる。このようなミラー型のビームスプリッタとしては、透過光強度と反射光強度とが略等しくなるようにしたハーフミラーの外、磁気ベクトルの振動方向が互いに直交する光波を取り出す偏光ビームスプリッタが好適に使用される。また、上記の光波分岐機能を発揮する限り、回折格子やホログラフィック光学素子や、液晶型の光変調素子等も用いることができる。
また、上記の実施の形態では、反射光学素子として全反射ミラーを用いる例について説明したが、反射光学素子としては、全反射ミラーに限らず、ガラス板等の基板に金属薄膜や誘電体多層膜を設け、入射された光波を反射させるようにした他の反射ミラーを用いることもできる。また、全反射プリズム等を反射光学素子として用いることもできる。
第1の実施の形態に係る光波分割プリズムの構成を示す側面図である。 (A)〜(D)は、第1の実施の形態に係る光波分割プリズムの製造工程を説明する図である。 (A)は、第2の実施の形態に係る光波分割プリズムの側面図であり、(B)は、接着面内での回転ずれを防止するための計測方法を説明する図である。 図3に示す光波分割プリズムの変形例の構成を示す側面図である。 (A)〜(D)は、第3の実施の形態に係る組み合わせ光波分割プリズムの製造工程を説明する図である。 (A)〜(C)は、図5に示すプリズムの変形例に係る組み合わせ光波分割プリズムの製造工程を説明する図である。 第4の実施の形態に係る光波分割プリズムの構成を示す側面図である。 第5の実施の形態に係る光波分割プリズムの構成を示す側面図である。 図8に示す光波分割プリズムの変形例の構成を示す側面図である。 図8に示す光波分割プリズムの変形例の構成を示す側面図である。 図8に示す光波分割プリズムの変形例の構成を示す側面図である。 (A)〜(C)は、第6の実施の形態に係る組み合わせ光波分割プリズムの製造工程を説明する図である。 第7の実施の形態に係る光波分割プリズムの構成を示す側面図である。 図13に示す光波分割プリズムの変形例の構成を示す側面図である。 図13に示す光波分割プリズムの変形例の構成を示す側面図である。 (A)及び(B)は、本発明の光波分割プリズムを用いた光−光スイッチの構成を示す概念図である。 (A)及び(B)は、従来の光波分割プリズムの構成を示す側面図である。
符号の説明
10 光波分割プリズム
12 入射端面
14 第1のブロック
16 出射端面
18 第2のブロック
20 透明媒質
22 ハーフミラー
24 全反射ミラー

Claims (25)

  1. 相互に平行又は垂直な入射端面と出射端面とを備え、内部を進行する直進光の進行方向に対して45°傾いた複数の接合面が形成されるように複数の透明媒質が組み合わされて接合されると共に、前記複数の接合面には互いに法線方向が直交する接合面が含まれるように構成された光波分割プリズムであって、
    前記接合面に介在し、入射する直進光を透過及び90°反射させて分岐する分岐面を有する光波分岐光学素子と、
    法線方向が前記光波分岐光学素子が介在する接合面の法線方向と直交する接合面に介在し、前記光波分岐光学素子により分岐された直進光を90°反射させる反射面を有する反射光学素子と、
    を備え、
    前記入射端面から入射した直進光を複数の分岐出力光に分岐して、前記複数の分岐出力光のうち前記透明媒質内における光路長が等しい複数の分岐出力光を、同じ出射端面から出射させることを特徴とする光波分割プリズム。
  2. 法線方向が前記光波分岐光学素子が介在する接合面の法線方向と同じ接合面に、反射光学素子が更に介在する請求項1記載の光波分割プリズム。
  3. 前記複数の分岐出力光は、前記透明媒質内における光路長が等しいことを特徴とする請求項1又は2記載の光波分割プリズム。
  4. 前記複数の分岐出力光は、前記透明媒質内においてそれぞれ所定の光路長差を有することを特徴とする請求項1又は2記載の光波分割プリズム。
  5. 内部を進行する直進光の進行方向に対して45°傾いた複数の接合面が積層されるように複数の透明媒質が組み合わされて接合されると共に、前記光波分岐光学素子が介在する接合面と該接合面と45°の角度をなす第1の界面とを有する第1のブロックと、
    内部を進行する直進光の進行方向に対して45°傾いた複数の接合面が積層されるように複数の透明媒質が組み合わされて接合されると共に、法線方向が前記光波分岐光学素子が介在する接合面の法線方向と直交する接合面と該接合面と45°の角度をなす第2の界面とを有する第2のブロックと、
    を備え、前記第1の界面と前記第2の界面とを接合して構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の光波分割プリズム。
  6. 前記第1のブロックが、前記第1の界面と平行な面を前記第1の界面と対向する面に備えるとともに、前記第2のブロックが、前記第2の界面と平行な面を前記第2の界面と対向する面に備えることを特徴とする請求項5記載の光波分割プリズム。
  7. 前記第1のブロックと前記第2のブロックとからなる組を複数有し、組同士が接合されていることを特徴とする請求項5又は6記載の光波分割プリズム。
  8. 前記複数の組の各々の組の中では、前記第1のブロックが、前記第1の界面と平行な面を前記第1の界面と対向する面に備えるとともに、前記第2のブロックが、前記第2の界面と平行な面を前記第2の界面と対向する面に備え、
    前記複数の組の互いに接合される組の間では、一方の組の前記第1の界面と対向する面と、他方の組の前記第2の界面と対向する面とを接合してなることを特徴とする請求項7記載の光波分割プリズム。
  9. 互いに接合される前記複数の組のうち、直進光の伝播方向下流側に位置する組中の前記接合面の方向が、上流側に位置する組中の前記接合面を、前記上流側の組と下流側の組との接合面に垂直な方向を軸として90°回転させた面に平行となるように構成されたことを特徴とする請求項8記載の光波分割プリズム。
  10. 前記入射端面から入射する入射光の光軸と、前記出射端面から出射する複数の分岐出力光のうちの1つの分岐出力光の光軸と、が同軸であることを特徴とする請求項1記載の光波分割プリズム。
  11. 前記分岐光学素子が、ハーフミラーであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項記載の光波分割プリズム。
  12. 前記分岐光学素子が、偏光ビームスプリッタであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項記載の光波分割プリズム。
  13. 前記反射光学素子が、全反射ミラーであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項記載の光波分割プリズム。
  14. 前記反射光学素子が、入射する直進光の一部を透過させることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項記載の光波分割プリズム。
  15. 前記透明媒質は、前記透明媒質と空気との界面における全反射を生じる面を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項記載の光波分割プリズム。
  16. 請求項1乃至15のいずれか1項記載の光波分割プリズムを製造する光波分割プリズムの製造方法であって、
    平板状の透明媒質の表面の所定位置に、少なくとも1つの前記光波分岐光学素子を形成する光波分岐光学素子形成工程と、
    平板状の透明媒質の表面の所定位置に、少なくとも1つの前記反射光学素子を形成する反射光学素子形成工程と、
    少なくとも前記光波分岐光学素子が形成された第1の透明媒質の前記光波分岐光学素子が形成された側の主面と第2の透明媒質の主面とが接合されるように、第1の透明媒質及び第2の透明媒質を含む複数の透明媒質を積層して、前記光波分岐光学素子が介在する接合面を含む第1積層体を形成する第1積層体形成工程と、
    少なくとも前記反射光学素子が形成された第3の透明媒質の前記反射光学素子が形成された側の主面と第4の透明媒質の主面とが接合されるように、第3の透明媒質及び第4の透明媒質を含む複数の透明媒質を積層して、前記反射光学素子が介在する接合面を含む第2積層体を形成する第2積層体形成工程と、
    前記第1の透明媒質の主面に対し45度の角度を為す第1の切断面が形成されるように、前記第1積層体から第1ブロックを切り出す第1ブロック切り出し工程と、
    前記第2の透明媒質の主面に対し45度の角度を為す第2の切断面が形成されるように、前記第2積層体から第2ブロックを切り出す第2ブロック切り出し工程と、
    前記入射端面から入射した直進光を複数の分岐出力光に分岐して、前記複数の分岐出力光のうち前記透明媒質内における光路長が等しい複数の分岐出力光を、同じ出射端面から出射させるように、前記第1ブロックの第1の切断面と前記第2ブロックの第2の切断面とを接合するブロック接合工程と、
    を含む光波分割プリズムの製造方法。
  17. 前記第1ブロック切り出し工程において、前記第1のブロックは更に前記第1の切断面と平行な切断面が形成されるように切り出されることを特徴とする請求項16記載の光波分割プリズムの製造方法。
  18. 前記第2ブロック切り出し工程において、前記第2のブロックは更に前記第2の切断面と平行な切断面が形成されるように切り出されることを特徴とする請求項16記載の光波分割プリズムの製造方法。
  19. 前記第1ブロック切り出し工程において、前記分岐面と平行な前記第1の透明媒質あるいは前記第2の透明媒質の主面の一部を切除しないように切り出すことを特徴とする請求項17記載の光波分割プリズムの製造方法。
  20. 前記第2ブロック切り出し工程において、前記反射面と平行な前記第3の透明媒質あるいは前記第4の透明媒質の主面の一部を切除しないように切り出すことを特徴とする請求項17記載の光波分割プリズムの製造方法。
  21. 前記第1ブロック及び前記第2のブロックをそれぞれ複数形成するとともに、前記ブロック接合工程は、複数の前記第1および第2ブロックを、その切断面同士で接合することを特徴とする請求項17乃至20のいずれか1項記載の光波分割プリズムの製造方法。
  22. 前記ブロック接合工程は、前記第2のブロックよりも直進光の進行方向の下流側で接合される第1のブロック中の第1の透明媒質の主面が、前記第2のブロックの第3の透明媒質の主面を該接合面に垂直な方向を軸として90°回転した面に平行となるよう接合することを特徴とする請求項21記載の光波分割プリズムの製造方法。
  23. 制御光パルスの照射時に照射部分にのみオン状態の領域が形成され、入射する信号光パルスを前記オン状態の領域で透過又は反射させて前記信号光パルスの光路を空間的に切替える光スイッチと、
    等しい光路長の複数の平行光波を信号光パルスとして前記光スイッチに照射する信号光照射手段と、
    所定の光路長差を有する複数の平行光波を制御光パルスとして前記光スイッチに照射する制御光照射手段と、
    を含む光−光スイッチ装置であって、
    前記信号光照射手段及び前記制御光照射手段の少なくとも一方が、
    請求項1乃至15のいずれか1項記載の光波分割プリズムを含んで構成された光−光スイッチ装置。
  24. 制御光パルスの照射時に照射部分にのみオン状態の領域が形成され、入射する信号光パルスを前記オン状態の領域で透過又は反射させて前記信号光パルスの光路を空間的に切替える光スイッチと、
    所定の光路長差を有する複数の平行光波を信号光パルスとして前記光スイッチに照射する信号光照射手段と、
    等しい光路長の複数の平行光波を制御光パルスとして前記光スイッチに照射する制御光照射手段と、
    を含む光−光スイッチ装置であって、
    前記信号光照射手段及び前記制御光照射手段の少なくとも一方が、
    請求項1乃至15のいずれか1項記載の光波分割プリズムを含んで構成された光−光スイッチ装置。
  25. 前記所定の光路長差が、信号光のパルスのパルス間隔に等しい請求項23又は24記載の光−光スイッチ装置。
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