JP2008224313A - 干渉計及び復調器 - Google Patents

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    • H04B10/676Optical arrangements in the receiver for all-optical demodulation of the input optical signal
    • H04B10/677Optical arrangements in the receiver for all-optical demodulation of the input optical signal for differentially modulated signal, e.g. DPSK signals

Abstract

【課題】分岐素子の不完全性により生ずる偏光依存性(PDFS)を低減することができる干渉計、及び当該干渉計を備える復調器を提供する。
【解決手段】干渉計1は、入射光L0を複数の分岐光L1,L2に分岐するハーフミラー12を備えており、ハーフミラー12で分岐された分岐光L1,L2を干渉させるものである。この干渉計1は、分岐光L1,L2の光路上に配置され、入射光L0をハーフミラー12で分岐する際に生ずる分岐光L1,L2間の位相差を補償する位相板13,15を備える。尚、位相板は、分岐光L1,L2の双方に光路上に必ず配置しなければならないという訳ではなく分岐光L1,L2のうちの少なくとも1つの分岐光の光路上に配置されていれば良い。
【選択図】図1

Description

本発明は、干渉計及び当該干渉計を備える復調器に関する。
干渉計は、一般的に、入射光を複数の分岐光に分岐し、異なる光路を介した分岐光を干渉させて干渉縞等を測定するものである。この干渉計の一種として、一方の分岐光に対して他方の分岐光を遅延させて干渉させる遅延干渉計がある。この遅延干渉計は、例えば、差動位相変調方式(DPSK:Differential Phase Shift Keying)等の変調方式によって変調された光信号を波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)して伝送するWDM光通信システムの復調装置に設けられる。尚、上記の差動移動変調方式とは、先行する信号の位相に対する相対的な位相差をとって変調する変調方式をいう。
図9,図10は、復調装置に設けられる従来の遅延干渉計の構成を示す図である。図9に示す遅延干渉計100は、光線路(光導波路)で構成されたマッハ・ツェンダ干渉計であり、図10に示す遅延干渉計200は、複数の光学素子で構成されたバルク型のマッハ・ツェンダ干渉計である。
図9に示す遅延干渉計100は、入力線路101、方向性結合器102、分岐線路103,104、方向性結合器105、及び出力線路106,107を備える。入力線路101は差動位相変調されたWDM光L100が入力される光線路であり、方向性結合器102は入力線路101を介したWDM光L100を所定の強度比(例えば、1対1)で分岐する。
分岐線路103,104は、方向性結合器102で分岐された分岐光L101,L102をそれぞれ伝搬する光線路であり、分岐光L101に対して分岐光L102がWDM光L100の変調レートの1ビット分に相当する時間だけ遅延するように、その光路長が設定されている。方向性結合器105は、分岐線路103,104を介した分岐光L101,L102を合波して干渉させるとともに、干渉により得られた干渉光を所定の強度比(例えば、1対1)で分岐する。出力線路106,107は、方向性結合器105で分岐された干渉光を、出力光L103,L104としてそれぞれ出力する。
図10に示す遅延干渉計200は、ビームスプリッタ201、反射ミラー202,203、及びビームスプリッタ204を備える。尚、図10においては、図9中のWDM光L100、分岐光L101,L102、及び出力光L103,L104に相当する光に同一の符号を付してある。ビームスプリッタ201は差動位相変調されたWDM光L100を所定の強度比(例えば、1対1)で分岐する。反射ミラー202,203は、いわゆるコーナーキューブミラーを形成しており、ビームスプリッタ201で分岐された一方の分岐光L102を順次反射することにより、分岐光L102をビームスプリッタ204に導く。
ビームスプリッタ204は、ビームスプリッタ201で分岐された他方の分岐光L101と反射ミラー202,203で導かれた分岐光L102とを合波して干渉させるとともに、干渉により得られた干渉光を所定の強度比(例えば、1対1)で分岐する。ビームスプリッタ204で分岐された干渉光は、出力光L103,L104としてそれぞれ出力される。尚、ビームスプリッタ201,204及び反射ミラー202,203は、分岐光L101に対して分岐光L102がWDM光L100の変調レートの1ビット分に相当する時間だけ遅延するように相対的な位置決めがなされている。
以上の構成の遅延干渉計100,200において、WDM光L100が入力すると、分岐光L101,L102に分岐される。分岐光L101,L102がそれぞれ異なる光路上を伝播することにより、分岐光L102は分岐光L101に対してWDM光L100の変調レートの1ビット分に相当する時間だけ遅延する。その後、分岐光L101,L102が合波されて干渉されることにより、分岐光L101と上記の時間だけ遅延した分岐光L102との位相比較が行われ、その比較結果に応じた強度を有する干渉光が出力光L103,L104として出力される。これにより、差動位相変調された(先行する信号の位相に対する相対的な位相差をとって変調された)WDM光L100の復調が行われる。
尚、従来の遅延干渉計を備えるWDM光通信システムの復調装置の詳細については、例えば以下の特許文献1を参照されたい。
特表2004−516743号公報
ところで、上述したWDM光通信システムの復調装置に用いられる遅延干渉計において、性能(例えば、光学信号対ノイズ比(OSNR:Optical Signal-to-Noise Ratio)やQ値等)を向上させるためには、干渉計の位相を伝送信号のキャリア光に対して厳密に合わせる必要がある。このため、通常は、遅延干渉計には、キャリア光に対する干渉計の位相を微調する位相調整機構が設けられており、上記の位相の調整が厳密に行われている。
ここで、遅延干渉計が備える分岐素子(例えば、方向性結合器102又はビームスプリッタ201)は、入射光の偏光状態(S偏光、P偏光)に関わらず、分岐光間の相対的な位相差を生じずに入射光を所定の強度比で分岐するのが理想的である。しかしながら、実際の分岐素子は理想的なものではないため、その不完全性に起因して入射光の偏光状態に応じて分岐光間の相対的な位相差が生じてしまう。かかる位相差によって、遅延干渉計の位相が入射光の偏光状態によって変化する現象(PDFS:Polarization Dependent Frequenc Shift)が生ずるという問題があった。
上記の偏光依存性(PDFS)は、前述した位相調整機構では解消することができず、遅延干渉計の性能を低下させる一因になっている。また、偏光依存性(PDFS)は、図9,図10に示すような遅延干渉計100,200のみで生ずる遅延干渉計の固有の問題ではなく、ハーフミラー、ビームスプリッタ等の分岐素子を備える一般的な干渉計で生ずる問題である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、分岐素子の不完全性により生ずる偏光依存性(PDFS)を低減することができる干渉計、及び当該干渉計を備える復調器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の干渉計は、入射光を複数の分岐光(L1、L2、L11、L12、L21、L22)に分岐する分岐素子(12、42、61)を備え、当該分岐素子で分岐された分岐光を干渉させる干渉計(1〜3)において、前記複数の分岐光のうちの少なくとも1つの分岐光の光路上に配置され、前記入射光を前記分岐素子で分岐する際に生ずる前記分岐光間の位相差を補償する位相補償器(13、15、20、30、31、44、62)を備えることを特徴としている。
この発明によると、干渉計に入射した入射光は分岐素子で複数の分岐光に分岐され、これら複数の分岐光のうちの少なくとも1つの分岐光が、その光路上に配置された位相補償器を通過することにより分岐光間の位相差が補償される。
また、本発明の干渉計は、前記位相補償器が、前記分岐光間の位相差に応じて厚みが設定された一軸性結晶からなる位相板であることを特徴としている。
また、本発明の干渉計は、前記位相板が、前記分岐素子に対する前記入射光の入射面に対して、光学軸(CX)が垂直又は水平となるように配置されることを特徴としている。
また、本発明の干渉計は、前記位相板が、第1の厚みを有する第1位相板(21)と、第2の厚みを有し、光学軸(CX2)が前記第1位相板の光学軸(CX1)に対して垂直に設定された第2位相板(22)とを貼り合わせてなる位相板であることを特徴としている。
また、本発明の干渉計は、前記位相補償器が、電圧印加により屈折率の変化を生ずる電気光学効果を有する結晶からなる位相板(30)を備えることを特徴としている。
また、本発明の干渉計は、前記位相補償器が、応力印加により屈折率の変化を生ずる光弾性効果を有する結晶からなる位相板(31)を備えることを特徴としている。
また、本発明の干渉計は、前記複数の分岐光の各々を前記分岐素子に向けて反射する反射部材(14、16、43、45、63、64)を備えており、前記反射部材により反射された分岐光の各々を前記分岐素子に入射させることにより前記分岐光を干渉させることを特徴としている。
更に本発明の干渉計は、前記位相補償器が、前記分岐素子で分岐された分岐光が前記反射部材に向かう往路及び前記反射部材で反射された分岐光が前記分岐素子に向かう復路の双方の光路上に配置されることを特徴としている。
本発明の復調器は、差動位相変調された光信号(L10)を復調する復調器(40)において、前記複数の分岐光のうちの一の分岐光と他の分岐光との光路長差が、前記一の分岐光に対して前記他の分岐光が前記光信号の変調レートの1ビット分に相当する時間だけ遅延するように設定された上記の何れかの干渉計と、前記干渉計で得られる干渉光を受光して復調信号を生成する光検出器(50)とを備えることを特徴としている。
本発明によれば、分岐素子で分岐される分岐光のうちの少なくとも1つの分岐光の光路上に位相板を設け、入射光を分岐素子で分岐する際に生ずる分岐光間の位相差を補償しているため、分岐素子の不完全性により生ずる干渉計の偏光依存性(PDFS)を低減することができるという効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施形態による干渉計及び復調器について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態による干渉計の要部構成を示す図である。図1に示す通り、本実施形態の干渉計1は、入射レンズ11、ハーフミラー12(分岐素子)、位相板13(位相補償器)、コーナーキューブミラー14(反射部材)、位相板15(位相補償器)、コーナーキューブミラー16(反射部材)、及び射出レンズ17,18を備えるマイケルソン型の遅延干渉計である。
入射レンズ11は、入射ポートP1から入射される入射光L0を平行光に変換する。尚、入射ポートP1の位置には例えば光ファイバ(図示省略)の射出端が配置されており、この光ファイバの射出端から射出される光が入射光L0として干渉計1の内部に入射される。ハーフミラー12は、入射レンズ11で平行光に変換された入射光L0を所定の強度比(例えば、1対1)を有する分岐光L1,L2に分岐する。また、ハーフミラー12は、コーナーキューブミラー14,16の各々で反射された分岐光L1,L2を合波して干渉させるとともに、干渉により得られた干渉光を所定の強度比(例えば、1対1)で分岐する。
位相板13は、ハーフミラー12で分岐された一方の分岐光L1の光路上に配置されており、分岐光L1の位相を調整するものである。コーナーキューブミラー14は、直交する2つの反射面を有するミラーであり、ハーフミラー12で分岐されて位相板13を介した分岐光L1をハーフミラー12に向けて反射する。尚、本実施形態において、位相板13は、ハーフミラー12で分岐された分岐光L1がコーナーキューブミラー14に向かう往路とコーナーキューブミラー14で反射された分岐光L1がハーフミラー12に向かう復路との双方の光路上に配置されている。これは、分岐光L1に対して位相板13が傾いたときの分岐光L1の光路のずれ(即ち、ハーフミラー13に対する分岐光L1の入射位置の位置ずれ)を抑えるためである。
位相板15は、ハーフミラー12で分岐された他方の分岐光L2の光路上に配置されており、分岐光L2の位相を調整するものである。コーナーキューブミラー16は、コーナーキューブミラー14と同様に直交する2つの反射面を有するミラーであり、ハーフミラー12で分岐されて位相板15を介した分岐光L2をハーフミラー12に向けて反射する。ここで、コーナーキューブミラー14,16は、分岐光L1に対して分岐光L2が所定の時間だけ遅延するようにハーフミラー12に対する相対的な位置決めがなされている。分岐光L1に対する分岐光L2の遅延時間は任意に設定することができる。
尚、位相板15は、位相板13と同様に、ハーフミラー12で分岐された分岐光L2がコーナーキューブミラー16に向かう往路とコーナーキューブミラー16で反射された分岐光L2がハーフミラー12に向かう復路との双方の光路上に配置されている。これにより、分岐光L2に対して位相板15が傾いたときの分岐光L2の光路のずれ(即ち、ハーフミラー13に対する分岐光L2の入射位置の位置ずれ)を抑えることができる。
射出レンズ17は分岐光L1,L2をハーフミラー12で干渉させて得られる一方の干渉光L3を射出ポートP2に集光する。射出レンズ18は、分岐光L1,L2をハーフミラー12で干渉させて得られる他方の干渉光L4を射出ポートP3に集光する。尚、射出ポートP2,P3の位置には例えば光ファイバ(図示省略)の入射端が配置されており、この射出ポートP2,P3から出力される干渉光L3,L4が各々の光ファイバによってそれぞれ干渉計1の外部に導かれる。
次に、位相板13,15について詳細に説明する。前述した通り、位相板13は分岐光L1の位相を調整し、位相板15は分岐光L2の位相を調整するものであるが、位相板13,15が分岐光L1,L2の位相をそれぞれ調整することにより、ハーフミラー12が入射光L0を分岐する際に生ずる分岐光L1,L2間の位相差が補償されることになる。これにより、干渉計の位相が入射光の偏光状態によって変化する現象(PDFS:Polarization Dependent Frequenc Shift)が低減される。
ここで、上記の偏光依存性(PDFS)の実態は、直交する2つの固有偏光(ハーフミラー12におけるS偏光、P偏光)間のリターデーションによる干渉計1の位相変動である。上記のリターデーションは、ハーフミラー12の不完全性に起因して生ずる。よって、上記の偏光依存性(PDFS)は時間と共に変化するものではなく固定であるため、分岐光L1,L2間の位相差を補償する位相板13,15によって低減することができる。
図2は、位相板13,15の外観を示す斜視図である。尚、図2においては、厚みを誇張して図示している。位相板13,15は、分岐光L1,L2間の位相差に応じて厚みlが設定された一軸性結晶からなる薄板形状の光学部材である。尚、位相板13,15は、ハーフミラー12に対面する面Q1と、面Q1に対向する面Q2とが平行となるよう形成されている。ここで、位相板13,15をなす一軸性結晶としては、例えば水晶、方解石、フッ化マグネシウム(MgF)等を用いることができる。
位相板13,15は、ハーフミラー12に対する入射光L0の入射面(図1における紙面に平行な面)に対して光学軸CXが垂直又は水平となるように配置される。具体的には、光学軸CXが入射面に対して垂直となるよう位相板13が配置される場合には、位相板15も光学軸CXが入射面に垂直となるよう配置される。また、光学軸CXが入射面に対して水平となるよう位相板13が配置される場合には、位相板15も光学軸CXが入射面に水平となるよう配置される。
次に、位相板13,15の厚みの設定方法について説明する。図3は、位相板13,15の厚みの設定方法を説明するための図である。いま、図3(a)に示す通り、ハーフミラー12に入射する2つの入射光をain,binとし、ハーフミラー12から射出される2つの射出光をaout,boutとする。このとき、これらの入射光及び射出光の関係は、以下の(1)式で表すことができる。
Figure 2008224313
尚、上記(1)式中の変数r11,r22はハーフミラー12の振幅反射率であり、変数t12,r21はハーフミラー12の振幅透過率である。
入射光ain,binがハーフミラー12を通過する際の損失はないものとし、|ain|+|bin|=|aout|+|bout|なるエネルギー保存則を考慮すると、振幅反射率r11,r22及び振幅透過率t12,r21は以下の(2)式で表される。
Figure 2008224313
但し、上記(2)式中の変数R,Tは、それぞれハーフミラー12の強度反射率及び強度透過率であり、R+T=1なる関係が成り立つ。また、変数αは、ハーフミラー12で生ずる透過光を基準とした反射光の位相差である。仮に、ハーフミラー12が理想的なものであるとすると位相差αは「0」となる。この位相差αの値は、入射光の偏光状態によって決まる。尚、実際のハーフミラー12で生ずる位相ずれは、透過光及び反射光の何れか一方又は双方に生ずることが考えられるが、ここでは簡単のために、透過光には位相ずれが生じずに反射光のみに位相ずれが生じるとしている。
次に、干渉計1について考える。図3(b)は干渉計1を簡略化した図である。いま、図3(b)に示す通り、ハーフミラー12に入射する2つの入射光をain,binとし、入射光ainの入射方向とは逆向きに射出される射出光をaout、入射光binの入射方向とは逆向きに射出される射出光をboutとする。このとき、これらの入射光及び射出光の関係は、以下の(3)式で表すことができる。
Figure 2008224313
但し、上記(3)式中の変数kは入射光ain,bin及び射出光aout,boutの波数であり、L,Lはそれぞれ分岐光L1,L2の光路の光路長である。また、変数Δφは分岐光L1,L2の光路長差によって生ずる分岐光L1に対する分岐光L2の位相差であり、以下の(4)式で表される。
Figure 2008224313
尚、上記(4)式中の変数cは光速、変数λ,fは入射光ain,bin及び射出光aout,boutの波長及び周波数であり、変数Tは分岐光L1に対する分岐光L2の遅延時間、変数FSRは分岐光L1,L2を干渉させて得られる干渉光の周波数間隔(Free Spectral Range)である。
ここで、図1に示す干渉計1に合わせて入射光bin=0とすると、射出ポートP2,P3から出力される干渉光L3,L4のパワーP,Pは以下の(5)式で表される。
Figure 2008224313
ハーフミラー12が入射光を1対1の強度比で分岐するものである場合には、T=R=0.5とすることができる。また、ハーフミラー12が理想的なものであって位相差α=0であるとすると、上記の(5)式は以下の(6)式となる。
Figure 2008224313
しかしながら、実際のハーフミラー12は理想的なものでないため位相差α≠0であり、且つ位相差αはハーフミラー12に入射する光の偏光状態により変動する。これによって干渉計1の位相が変動する偏光依存性(PDFS)が引き起こされる。ハーフミラー12の構造から、位相差αは、P偏光又はS偏光で最大又は最小となる。従って、この位相差αの最大値及び最小値が分かれば位相差αを補償して干渉計1の偏光依存性(PDFS)を低減することができる。
ここで、上記(5)式において、eiαなる項を絶対値記号の外に出すとともに、位相差αは偏光状態によって変化するものであるため、これをα(SP)と表記すると以下の(7)式が得られる。尚、上記括弧中の文字「SP」は、State of Polarization(偏光状態)を意味する。
Figure 2008224313
上記(7)式から偏光状態によって位相差α(SP)が変動すると、これに伴って射出光aout,boutのパワーP,Pも変動することが分かる。ここで、位相差α(SP)は、ハーフミラー12に対するP偏光及びS偏光に対して最大又は最小(或いは、最小又は最大)となるため、このP偏光,S偏光の偏光方向にその遅相軸/進相軸(或いは、進相軸/遅相軸)を設定した位相板(リターデーションΓ=Δn・l)を反射光(分岐光L2)の光路上に挿入することで、位相差α(SP)を補償することができる。尚、上記の変数Δnは、位相板の遅相軸と進相軸との屈折率差である。
即ち、位相差α(SP)の最大値と最小値との差分をΔαとすると、以下の(8)式が満たされるように、位相板のリターデーションΓ=Δn・lを設定すれば良い。
Figure 2008224313
ここで、上記の差分Δαを直接知ることはできないが、干渉計1の偏光依存性(PDFS)が分かれば以下の(9)式から設定すべきリターデーションΓ=Δn・lを決定することができる。尚、以下の(9)式中のΔfは、干渉計1の偏光依存性(PDFS)の周波数幅である。
Figure 2008224313
いま、説明を簡単にするために、ハーフミラー12の反射光である分岐光L2のみに位相ずれが生じるとし、この位相ずれを位相板15(図1参照)で補償する場合を考える。尚、位相板13は省略されているものとする。かかる場合に、入射光の波長λが1.55μm、干渉計1の干渉パターンの周波数間隔FSRが12.5GHz、干渉計1の偏光依存性(PDFS)の周波数幅Δfが0.6GHz、位相板15の屈折率差Δnが0.0083であるとすると、上記(9)式から、位相差α(SP)を補償するために必要な位相板15の厚みが9μmと求まる。
以上、干渉計1に位相板15のみが設けられている場合の位相板15の厚みの求め方について説明した。図1に示す通り、分岐光L1,L2上の光路上に位相板13,15をそれぞれ設ける場合には、位相板13,15の厚みの差が上記の(9)式で求められる厚みとなるように、各々の厚みを設定すれば良い。
次に、位相板の変形例について説明する。図4は、位相板の変形例を示す図である。尚、図4においても厚みを誇張して位相板を図示している。図4に示す位相板20は、第1位相板21と第2位相板22とを貼り合わせてなるものである。第1位相板21及び第2位相板22は一軸性結晶からなる薄板形状の光学部材であり、第1位相板21の光学軸CX1と第2位相板22の光学軸CX2と垂直となるように張り合わされている。尚、第1位相板21及び第2位相板22をなす一軸性結晶としては、位相板13,15と同様に、水晶、方解石、フッ化マグネシウム(MgF)等を用いることができる。
この位相板20も、前述した位相板13,15と同様に、ハーフミラー12に対する入射光L0の入射面(図1における紙面に平行な面)に対して光学軸CXが垂直又は水平となるように配置される。即ち、第1位相板21の光学軸CX1が入射面に対して垂直となるよう配置される場合には、第2位相板22の光学軸CX2が入射面に対して水平となるよう配置される。逆に、第1位相板21の光学軸CX1が入射面に対して水平となるよう配置される場合には、第2位相板22の光学軸CX2が入射面に対して垂直となるよう配置される。尚、図1に示す分岐光L1,L2の各々の光路上に位相板20が配置される場合には、例えば分岐光L1の光路上に配置された位相板20の第1位相板21の光学軸CX1、分岐光L2の光路上に配置された位相板20の第1位相板21の光学軸CX1とが平行とされる。
位相板20が備える第1位相板21,第2位相板22の各々の厚みl,lは、分岐光L1,L2間の位相差に応じて設定される。具体的には、前述した(8)式が満たされるように、位相板20のリターデーションΓ=Δn・(l−l)を決定すれば良い。例えば、分岐光L2の光路上にのみ位相板20が配置される場合(図1の位相板13が省略されるとともに、位相板15に代えて位相板20が配置される場合)には、第1位相板21と第2位相板22との厚みの差が、前述した(9)式で求められる厚みとなるようにすれば良い。
図4(b),(c)は、位相板20の側面図である。位相板20は、図4(b)に示す通り、ハーフミラー12に対面する面Q11、面Q11に対向する面Q12、及び第1位相板21と第2位相板22との接合面Q13とが全て平行になるよう形成されている。但し、第1位相板21及び第2位相板22が同一の結晶からなり、接合面Q13での屈折が無視できるのであれば、図4(c)に示す通り、第1位相板21及び第2位相板22を楔形状とし、接合面Q13が面Q11,Q12に対して傾斜するようにして形成しても良い。接合面Q13を傾斜させることで、図4(c)中の符号d1を付した方向に位相板20を移動させればリターデーションΓの微調整が可能になる。
図5は、本発明の一実施形態による干渉計1の透過特性を示す図であって、(a)は位相板を設けない場合の透過特性を示す図であり、(b)は位相板を設けた場合の透過特性を示す図である。図5に示す透過特性は、波長を変えつつ偏光状態がランダムな入射光L0を干渉計1に入射させたときの干渉計1の透過特性を示す図である。尚、図5においては、横軸に波長、縦軸に損失をそれぞれとっており、図中符号Vを付した矢印で指し示す部分は、分岐光L1,L2が互いに弱め合う「節」である。
図5において、符号G1を付した曲線は偏光状態がランダムな入射光L0を干渉計1に入させたときの干渉計1の最大透過率を示しており、符号G2を付した曲線は偏光状態がランダムな入射光L0を干渉計1に入させたときの干渉計1の最小透過率を示している。また、符号G3を付した曲線は、入射光L0の偏光状態に依存する透過率の変動分(PDL:最大透過率G1と最小透過率G2との差)を示している。
まず、図5(a)を参照すると、干渉計1に位相板が設けられていない場合には、殆どの波長領域に亘って最大透過率G1と最小透過率G2との間に差が生ずることが分かる。しかも、最大透過率G1と最小透過率G2との間の差を示すPDL(曲線G3)は、節の部分で値が大きくなることが分かる。これは、偏光状態がランダムな入射光L0をハーフミラー12に入射させているため、偏光状態に応じた位相差が分岐光L1,L2間に生じ、この位相差の分だけ分岐光L1,L2が弱め合うためであると考えられる。
これに対し、図5(b)を参照すると、干渉計1に位相板を設けることにより、最大透過率G1と最小透過率G2との間に差が殆ど生じないことが分かる。また、PDL(曲線G3)は節の部分で僅かに生じているが、図5(a)に示されているPDLに比較すると極めて小さいことが分かる。これは、位相板を設けることによって分岐光L1,L2間の位相差が補償され、分岐光L1,L2が弱め合う量が低減されるためであると考えられる。
以上の通り、本実施形態の干渉計1によれば、ハーフミラー12で分岐される分岐光L1,L2のうちの少なくとも1つの分岐光の光路上に位相板を設け、入射光L0をハーフミラー12で分岐する際に生ずる分岐光L1,L2間の位相差を補償しているため、ハーフミラー12の不完全性により生ずる干渉計1の偏光依存性(PDFS)を低減することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態による干渉計について説明する。以上説明した、第1実施形態による干渉計1は、一軸性の結晶からなる波長板13,15又は波長板20を備えていたが、本実施形態の干渉計は、上記の波長板13,15又は波長板20に代えて電気光学効果を有する結晶からなる波長板又は光弾性効果を有する結晶からなる位相板を備える点が異なる。
図6は、本発明の第2実施形態による干渉計が備える位相板の外観を示す図であって、(a)は電気光学効果を有する結晶からなる波長板30の外観を示す図であり、(b)は光弾性効果を有する結晶からなる位相板31の外観を示す図である。尚、図6においては、厚みを誇張して図示している。図6に示す通り、位相板30,31は何れも直方体形状の光学部材であり、ハーフミラー12に対面する面Q21と、面Q21に対向する面Q22とが平行となるよう形成されている。
図6(a)に示す通り、波長板30は、符号d11を付した方向に交差する一対の面Q23,Q24間に電圧を印加することにより、電圧が印加される方向d11における屈折率と、その方向d11と交差する方向d12の屈折率との間に差が生じ、これにより遅相軸と進相軸とが形成されるものである。また、図6(b)に示す通り、波長板31は、符号d11を付した方向に交差する一対の面Q23,Q24間に応力を印加すると、応力が印加される方向d11における屈折率と、その方向d11と交差する方向d12の屈折率との間に差が生じ、これにより遅相軸と進相軸とが形成されるものである。
ここで、位相板30をなす電気光学効果を有する結晶としては、例えばニオブ酸リチウム(LiNbO)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)等を用いることができる。また、位相板31をなす光弾性効果を有する結晶としては、等方性結晶であるガラス等を用いることができる。以上の波長板30,31を、図1に示す波長板13,15又は図4に示す波長板20に代えて用い、電圧又は応力によってリターデーションΓを所定の値に設定すれば、第1実施形態と同様に、分岐光L1,L2間の位相差を補償して干渉計1の偏光依存性(PDFS)を低減することができる。しかも、位相板30,31を用いれば、印加する電圧又は応力に応じて、分岐光L1,L2間の位相差を補償する量を可変(微調整)することも可能である。
次に、位相板31に印加する応力の設定方法について説明する。いま、位相板31をなす結晶であるガラスに応力が印加されていないときの屈折率をnとし、図6(b)に示す方向d11に一様な応力σが印加されたときの方向d11の屈折率がnに、方向d12の屈折率がnに変化するものとすると、屈折率n,nと応力σとの関係は、以下の(10)式で表される。
Figure 2008224313
但し、上記(10)式中の変数π11,π12は圧光学係数であって、変数Cは直接応力光定数であり、変数Cは横応力光定数である。応力σが印加されると、位相板31をなすガラスは一軸性結晶のように振る舞い、遅相軸と進相軸との屈折率差Δnは以下の(11)式で定義される。但し、以下の(11)式中の変数Cは、光弾性定数である。
Figure 2008224313
ここで、厚みが10mmであり、ガラスの一種である「BK7」から形成された位相板31を考える。尚、この「BK7」なるガラスの直接応力光定数Cは−0.02×10−12/Nであり、横応力光定数Cは−2.87×10−12/Nであって、光弾性定数Cは2.85×10−12/Nである。この位相板31において、第1実施形態で説明した一軸性結晶からなる位相板15(屈折率差Δnが0.0083、厚みが9μm)と同程度のリターデーションを得るために印加すべき応力σは以下の通りである。
まず、第1実施形態で説明した一軸性結晶からなる位相板15のリターデーションΓは、位相板15の遅相軸と進相軸との屈折率差Δnと厚みlとの積によって求まり、0.0083×9×10−6になる。これに対し、図6(b)に示す位相板31の遅相軸と進相軸との屈折率差Δnは上記(11)式で示され、また、位相板31の厚みは10mmであることから、位相板31のリターデーションΓは2.85×10−12σ×10−2となる。よって、位相板15と同程度のリターデーションを得るために位相板31に印加する必要な応力は、2.6×10N/m程度である。このように、位相板31に印加する応力σを所定の値に設定することで、位相板31のリターデーションを第1実施形態の位相板15と同程度に設定することができ、また、応力σを調整することでリターデーションの微調整も可能である。
以上、本発明の第1,第2実施形態による干渉計1について説明したが、以上説明した干渉計1を、差動位相変調方式(DPSK)等の変調方式により変調された光信号を復調する復調器に用いることができる。干渉計1を復調器で用いる場合には、武器光L1と分岐光L2との光路長差を、分岐光L1に対して分岐光L2が入射される光信号の変調レートの1ビット分に相当する時間だけ遅延するように設定するとともに、射出ポートP2,P3からそれぞれ射出される干渉光L3,L4を受光して復調信号を生成する光検出器(図示省略)を設ければよい。
〔第3実施形態〕
図7は、本発明の第3実施形態による干渉計を備える復調器の要部構成を示す図である。図7に示す通り、本実施形態の復調器40は、本発明の第3実施形態による干渉計2と光検出器50とを備える。干渉計2は、入射レンズ41、ハーフミラー42(分岐素子)、直角プリズム43(反射部材)、位相板44(位相補償器)、直角プリズム45(反射部材)、反射ミラー46、集光レンズ47、反射ミラー48、及び集光レンズ49を備えるマイケルソン型の遅延干渉計である。
入射レンズ41は、入射ポートP11から入射されるWDM光L10(光信号)を平行光に変換する。尚、WDM光L10は、差動位相変調方式(DPSK)等の変調方式によって変調された光信号を波長分割多重(WDM)したものである。入射ポートP11の位置には例えば光ファイバ(図示省略)の射出端が配置されており、この光ファイバの射出端から射出される光がWDM光L10として干渉計2の内部に入射される。
ハーフミラー42は、図1に示すハーフミラー12と同様のものであり、入射レンズ41で平行光に変換されたWDM光L10を所定の強度比(例えば、1対1)を有する分岐光L11,L12に分岐する。また、ハーフミラー42は、直角プリズム43,45の各々で反射された分岐光L11,L12を合波して干渉させるとともに、干渉により得られた干渉光を所定の強度比(例えば、1対1)で分岐する。
直角プリズム43は、直交する2つの面と、これらの面に対して45°の角度をなす面(以下、底面という)とを有するプリズムであり、ハーフミラー42で分岐された分岐光L11をハーフミラー42に向けて反射する。尚、この直角プリズム43は、その底面がハーフミラー42の一つの面(分岐光L11が射出される面)に張り合わされている。位相板44は、ハーフミラー42で分岐された他方の分岐光L12の光路上に配置されており、分岐光L12の位相を調整するものである。尚、この位相板44としては、図1,図2に示した位相板13,15、図4に示した位相板20、及び図6に示した位相板30,31を用いることができる。
直角プリズム45は、直角プリズム43と同様に、直交する2つの面と、これらの面に対して45°の角度をなす底面とを有するプリズムであり、その底面をハーフミラー42側に向けて配置され、ハーフミラー42で分岐された分岐光L12をハーフミラー42に向けて反射する。ここで、直角プリズム45は、分岐光L11に対して分岐光L12が入射されるWDM光L10の変調レートの1ビット分に相当する時間だけ遅延するようにハーフミラー42に対する相対的な位置決めがなされている。分岐光L11に対する分岐光L12の遅延時間は任意に設定することができる。
尚、位相板44は、図1に示す位相板15と同様に、ハーフミラー42で分岐された分岐光L12が直角プリズム45に向かう往路と直角プリズム45で反射された分岐光L12がハーフミラー42に向かう復路との双方の光路上に配置されている。これにより、分岐光L12に対して位相板44が傾いたときの分岐光L12の光路のずれ(即ち、ハーフミラー13に対する分岐光L12の入射位置の位置ずれ)を抑えることができる。
反射ミラー46は、分岐光L11,L12とを干渉させて得られる1つの干渉光L13の光路上に配置されており、集光レンズ47に向けて干渉光L13を反射する。集光レンズ47は、反射ミラー46で反射された干渉光L13を光検出器50の受光面上に集光する。反射ミラー48は、分岐光L11,L12とを干渉させて得られる他の干渉光L14の光路上に配置されており、集光レンズ49に向けて干渉光L14を反射する。集光レンズ49は、反射ミラー48で反射された干渉光L14を光検出器50の受光面上に集光する。ここで、以上説明した反射ミラー46、集光レンズ47、反射ミラー48、及び集光レンズ49は、干渉光L13の光路と干渉光L14の光路とが同じ長さになるように、ハーフミラー42に対する相対的な位置決めがなされる。
光検出器50は、干渉光L3を受光する受光素子(図示省略)と干渉光L4を受光する受光素子(図示省略)とを備えた平衡光検出器であり、これらの受光素子の各々から出力される電気信号を平衡処理してWDM光L10の復調信号を出力する。干渉計2が備える上記の反射ミラー46、集光レンズ47、反射ミラー48、及び集光レンズ49と、光検出器50によって平衡検出系が実現されている。
以上の構成の復調器40に入力されたWDM光L10は、入射ポートP11から干渉計2の内部に入射され、入射レンズ41で平行光に変換された後にハーフミラー42で分岐光L11,L12に分岐される。一方の分岐光L11は、直角プリズム43の底面から直角プリズム43に入射し、直角プリズム43が備える直交する2つの面で順次反射されて再びハーフミラー42に入射する。これに対し、他方の分岐光L12は、位相板44を介した後に直角プリズム45の底面から直角プリズム45に入射し、直角プリズム45が備える直交する2つの面で順次反射された後に再度位相板44を介してハーフミラー42に入射する。
分岐光L11,L12がそれぞれ異なる光路上を伝播することにより、分岐光L12は分岐光L11に対してWDM光L10の変調レートの1ビット分に相当する時間だけ遅延する。ハーフミラー42に入射した分岐光L11,L12は、ハーフミラー42で合波されて干渉される。これにより、分岐光L11と上記の時間だけ遅延した分岐光L12との位相比較が行われた干渉計L13,L14が得られる。干渉光L13は、反射ミラー46及び集光レンズ47を順に介して光検出器50が備える一方の受光素子で受光され、干渉光L14は、反射ミラー48及び集光レンズ49を順に介して光検出器50が備える他方の受光素子で受光される。そして、これらの受光素子の各々から出力される電気信号に対する平衡処理が光検出器50で行われ、WDM光L10の復調信号が出力される。
〔第4実施形態〕
図8は、本発明の第4実施形態による干渉計の要部構成を示す図である。図4に示す通り、本実施形態の干渉計3は、ハーフミラー61、位相板62、傾斜ミラー63、反射ミラー64、及び検出器65を備えるマイケルソン型の遅延干渉計である。ハーフミラー61は、入射光L20を所定の強度比(例えば、1対1)を有する分岐光L21,L22に分岐する。また、ハーフミラー61は、傾斜ミラー63及び反射ミラー64の各々で反射された分岐光L21,L22を合波して干渉させるとともに、干渉により得られた干渉光を所定の強度比(例えば、1対1)で分岐する。
位相板62は、ハーフミラー61で分岐された一方の分岐光L21の光路上に配置されており、分岐光L21の位相を調整するものである。尚、この位相板62としては、図1,図2に示した位相板13,15、図4に示した位相板20、及び図6に示した位相板30,31を用いることができる。傾斜ミラー63は、位相板62を介した分岐光L21に対して所定の傾きを有するよう配置され、位相板62を介した分岐光L21をハーフミラー61に向けて反射する。
反射ミラー64は、ハーフミラー61から射出される分岐光L22に対してその反射面が直交するように配置され、ハーフミラー61から射出される分岐光L22をハーフミラー61に向けて反射する。尚、本実施形態では、分岐光L21,L22の光路長は等しくても異なっていても良い。検出器65は、例えばフォトダイオードアレイを備えており、分岐光L21と分岐光L22とを干渉させて得られる干渉縞を検出する。以上の構成の干渉計3は、分岐光L21,L22の干渉縞から入射光L20の波長等を求めるものであるが、分岐光L21の光路上に位相板62を配置することで、入射光L20をハーフミラー61で分岐する際に生ずる分岐光L21,L22間の位相ずれを補償することができる。
以上説明した通り、本実施形態の第1〜第4実施形態による干渉計によれば、ハーフミラーで分岐される分岐光のうちの少なくとも1つの分岐光の光路上に位相板を設け、入射光をハーフミラーで分岐する際に生ずる分岐光間の位相差を補償している。このため、ハーフミラーの不完全性により生ずる干渉計の偏光依存性(PDFS)を低減することができる。
以上、本発明の実施形態による干渉計及び復調器について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、ハーフミラーを分岐素子として備える干渉計を例に挙げたが、ビームスプリッタを分岐素子として備える干渉計にも適用することができる。また、以上の実施形態ではマイケルソン型の遅延干渉計を例に挙げたが、本発明はマイケルソン型の干渉計に制限される訳でもなく、遅延干渉計に制限される訳でもない。つまり、本発明は、入射光を複数の分岐光に分岐する分岐素子を備え、この分岐素子で分岐された分岐光を干渉させる干渉計一般に適用することができる。
本発明の第1実施形態による干渉計の要部構成を示す図である。 位相板13,15の外観を示す斜視図である。 位相板13,15の厚みの設定方法を説明するための図である。 位相板の変形例を示す図である。 本発明の一実施形態による干渉計1の透過特性を示す図である。 本発明の第2実施形態による干渉計が備える位相板の外観を示す図である。 本発明の第3実施形態による干渉計を備える復調器の要部構成を示す図である。 本発明の第4実施形態による干渉計の要部構成を示す図である。 復調装置に設けられる従来の遅延干渉計の構成を示す図である。 復調装置に設けられる従来の遅延干渉計の構成を示す図である。
符号の説明
1〜3 干渉計
12 ハーフミラー
13,15 位相板
14,16 コーナーキューブミラー
20 位相板
21 第1位相板
22 第2位相板
30,31 位相板
40 復調器
42 ハーフミラー
43,45 直角プリズム
44 位相板
50 光検出器
61 ハーフミラー
62 位相板
63 傾斜ミラー
64 反射ミラー
CX, 光学軸
CX1,CX2 光学軸
L1,L2 分岐光
L10 WDM光
L11,L12 分岐光
L21,L22 分岐光

Claims (9)

  1. 入射光を複数の分岐光に分岐する分岐素子を備え、当該分岐素子で分岐された分岐光を干渉させる干渉計において、
    前記複数の分岐光のうちの少なくとも1つの分岐光の光路上に配置され、前記入射光を前記分岐素子で分岐する際に生ずる前記分岐光間の位相差を補償する位相補償器を備えることを特徴とする干渉計。
  2. 前記位相補償器は、前記分岐光間の位相差に応じて厚みが設定された一軸性結晶からなる位相板であることを特徴とする請求項1記載の干渉計。
  3. 前記位相板は、前記分岐素子に対する前記入射光の入射面に対して、光学軸が垂直又は水平となるように配置されることを特徴とする請求項2記載の干渉計。
  4. 前記位相板は、第1の厚みを有する第1位相板と、第2の厚みを有し、光学軸が前記第1位相板の光学軸に対して垂直に設定された第2位相板とを貼り合わせてなる位相板であることを特徴とする請求項3記載の干渉計。
  5. 前記位相補償器は、電圧印加により屈折率の変化を生ずる電気光学効果を有する結晶からなる位相板を備えることを特徴とする請求項1記載の干渉計。
  6. 前記位相補償器は、応力印加により屈折率の変化を生ずる光弾性効果を有する結晶からなる位相板を備えることを特徴とする請求項1記載の干渉計。
  7. 前記複数の分岐光の各々を前記分岐素子に向けて反射する反射部材を備えており、
    前記反射部材により反射された分岐光の各々を前記分岐素子に入射させることにより前記分岐光を干渉させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の干渉計。
  8. 前記位相補償器は、前記分岐素子で分岐された分岐光が前記反射部材に向かう往路及び前記反射部材で反射された分岐光が前記分岐素子に向かう復路の双方の光路上に配置されることを特徴とする請求項7記載の干渉計。
  9. 差動位相変調された光信号を復調する復調器において、
    前記複数の分岐光のうちの一の分岐光と他の分岐光との光路長差が、前記一の分岐光に対して前記他の分岐光が前記光信号の変調レートの1ビット分に相当する時間だけ遅延するように設定された請求項1から請求項8の何れか一項に記載の干渉計と、
    前記干渉計で得られる干渉光を受光して復調信号を生成する光検出器と
    を備えることを特徴とする復調器。
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