JP2008068312A - レーザ加工装置、3次元レーザ加工における高さ方向のオフセット調整方法及びレーザ加工装置の制御プログラム - Google Patents

レーザ加工装置、3次元レーザ加工における高さ方向のオフセット調整方法及びレーザ加工装置の制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 高さの異なる加工対象物に文字などを加工する場合に、加工対象物間で加工精度や加工品質にバラツキが生じるのを抑制させたレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】 加工パターン情報を記憶する加工パターン記憶部116と、加工対象物を検出するワークセンサ101からの検出信号に基づいて、加工面の加工基準面に対するオフセット量を指定するオフセット指定を生成するオフセット指定生成部115と、オフセット指定に基づいて、加工パターン情報における位置情報を変更する加工パターン変更処理部117と、位置情報の変更後の加工パターン情報に基づいて、レーザ光Lを走査させる走査制御部120と、位置情報の変更後の加工パターン情報に基づいて、レーザ光Lの焦点距離を制御するビーム径調整部119により構成される。
【選択図】 図13

Description

本発明は、レーザ加工装置、3次元レーザ加工における高さ方向のオフセット調整方法及びレーザ加工装置の制御プログラムに係り、さらに詳しくは、ビーム径を調整することによりレーザ光の焦点距離が調整可能なレーザ加工装置の改良に関する。
レーザ加工装置は、レーザ光を所定の領域内において走査して、部品や製品等の加工対象物(ワーク)の表面に対しレーザ光を照射して印字やマーキング等の加工を行う。レーザ加工装置の構成の一例を図1に示す。この図1に示すレーザ加工装置は、レーザ出力部1、レーザ制御部2及び入力部3を備える。レーザ制御部2の励起光発生部23で発生される励起光を、レーザ出力部1のレーザ発振部10で発振器を構成するレーザ媒質32に照射し、レーザ発振を生じさせる。レーザ発振光はレーザ媒質32の出射端面から出射され、ビームエキスパンダ11でビーム径を拡大されて、光学部材により反射されて走査部12に導かれる。走査部12は、レーザ光Lを反射させて所望の方向に偏向し、集光部13から出力されるレーザ光Lは、ワークWの表面で走査されて印字等の加工を行う。
レーザ加工装置は、レーザ光LをワークW上で走査させるために、図5に示すような走査部12を備える。走査部12は、一対のガルバノミラーを構成するX−Y軸スキャナ14a,14bと、各ガルバノミラーをそれぞれ回動軸に固定し回動するためのガルバノモータ15a,15bとを備えている。X−Y軸スキャナ14a,14bは、図5に示すように互いに直交する姿勢で配置されており、レーザ光をX方向、Y方向に反射させて走査させることができる。また、走査部12の下方には、集光部13が備えられる。集光部13は集光レンズで構成され、fθレンズが使用される。
一方で、このような2次元平面内での加工を行うレーザ加工装置のみならず、高さ方向すなわちZ軸方向にレーザ光Lの焦点距離を調整して3次元状の加工を可能としたレーザ加工装置も開発されている。図6及び図7に、このような3次元加工可能なレーザ加工装置の一例として、ビーム径の調整可能なビームエキスパンダ11を付加することで焦点距離を変化可能としたレーザ加工装置を示す。このビームエキスパンダ11は、レーザ発振部10側に面する入射レンズ40と、レーザ出射側に面する出射レンズ41を含んでおり、これらのレンズを駆動用モータ等で摺動させてレンズ間の距離を相対的に変化させ、ビーム径を調整することにより焦点距離すなわち高さ方向のワーキングディスタンスを調整可能としている。
一般に、ワークWの高さが変わると、fθレンズ及びワークW表面間の距離が変化するので、レーザ光Lのスポット径も変化することとなる。このため、従来のレーザ加工装置では、高さの異なるワークWに文字などを加工すると、ワークW間で加工精度や加工品質にバラツキが生じるという問題があった。そこで、高さの異なるワークWに文字などを加工する際には、ワークWの高さに応じてレーザ出力部1の位置を調整し、或いは、ワークが載置されるステージの位置を調整することが考えられる。しかし、この方法では、装置の構造が複雑化して製造コストが増大し、或いは、ワークWの高さの変化に追従させる際の応答性が良くないという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、高さの異なる加工対象物に文字などを加工する場合に、加工対象物間で加工精度や加工品質にバラツキが生じるのを抑制させたレーザ加工装置、3次元レーザ加工における高さ方向のオフセット調整方法及びレーザ加工装置の制御プログラムを提供することを目的とする。特に、装置の構造を複雑化させることなく、加工対象物の高さの変化に追従して加工することができるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
第1の本発明によるレーザ加工装置は、レーザ加工装置におけるレーザ光の出射点に基づいて加工基準面が予め定められ、この加工基準面を基準とする位置情報に基づいてレーザ加工を行うレーザ加工装置であって、加工対象物を検出する対象物検出手段による検出結果に基づいて、上記加工基準面に対する加工面のオフセット量を指定するオフセット量指定手段と、上記オフセット量指定手段により指定されたオフセット量に基づいて、上記位置情報を変更する位置情報変更手段と、上記位置情報変更手段により変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光を走査させる走査制御手段と、上記位置情報変更手段により変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光の焦点距離を制御する焦点距離制御手段とを備えて構成される。
このレーザ加工装置では、加工対象物の検出結果に基づいて加工基準面に対する加工面のオフセット量が指定され、加工基準面を基準とする位置情報に基づいてレーザ光が走査される。その際、オフセット量指定手段により指定されたオフセット量に基づいて上記位置情報が変更され、変更後の位置情報に基づいてレーザ光の走査及び焦点距離の制御が行われる。この様な構成により、高さの異なる加工対象物に文字などを加工する場合に、加工対象物の検出結果に基づいて指定されるオフセット量によって位置情報を自動的に変更してレーザ光の走査及び焦点距離の制御が行われるので、加工対象物間で加工精度や加工品質にバラツキが生じるのを抑制させることができる。
第2の本発明によるレーザ加工装置は、上記構成に加え、2以上の上記加工対象物のそれぞれに設けられた識別情報に対応付けて、上記加工基準面に対する高さ情報を記憶する高さ情報記憶手段と、外部機器から上記識別情報を取得する識別情報取得手段とを備え、上記オフセット量指定手段が、上記識別情報取得手段により取得された識別情報に基づいて上記高さ情報を読み出し、読み出した高さ情報に基づいてオフセット量を指定するように構成される。
第3の本発明によるレーザ加工装置は、上記構成に加え、上記オフセット量指定手段が、上記加工対象物の高さを測定する高さ測定手段による高さの測定結果に基づいて、オフセット量を指定するように構成される。
第4の本発明によるレーザ加工装置は、上記構成に加え、上記オフセット量指定手段が、同一の加工対象物に対して加工対象物の移動方向に位置を異ならせて2回以上測定される高さの測定ごとにオフセット量を指定するように構成される。この様な構成によれば、同一の加工対象物内で高さが変化しているような場合であっても、加工対象物の移動方向に位置を異ならせて複数回測定される高さの測定ごとにオフセット量の指定が行われるので、高さの変化に応じて位置情報を適切に変更させることができる。
第5の本発明によるレーザ加工装置は、上記構成に加え、上記オフセット量指定手段が、同一の加工対象物に対して加工対象物の移動方向と交差する方向に位置を異ならせて2回以上測定される高さの測定ごとにオフセット量を指定するように構成される。この様な構成によれば、同一の加工対象物内で高さが変化しているような場合であっても、加工対象物の移動方向と交差する方向に位置を異ならせて複数回測定される高さの測定ごとにオフセット量の指定が行われるので、高さの変化に応じて位置情報を適切に変更させることができる。
第6の本発明によるレーザ加工装置は、レーザ加工装置におけるレーザ光の出射点に基づいて加工基準面が予め定められ、この加工基準面を基準とする位置情報に基づいてレーザ加工を行うレーザ加工装置であって、上記加工基準面に対する加工対象物の高さ情報を取得する高さ情報取得手段と、上記高さ情報取得手段により取得された高さ情報に基づいて、上記加工基準面に対する加工面のオフセット量を指定するオフセット量指定手段と、上記オフセット量指定手段により指定されたオフセット量に基づいて、上記位置情報を変更する位置情報変更手段と、上記位置情報変更手段により変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光を走査させる走査制御手段と、上記位置情報変更手段により変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光の焦点距離を制御する焦点距離制御手段とを備えて構成される。
第7の本発明によるレーザ加工装置は、上記構成に加え、上記加工対象物の識別情報に対応付けて2以上の高さ情報を記憶する高さ情報記憶手段を備え、上記高さ情報取得手段が、上記高さ情報記憶手段から高さ情報を取得するように構成される。
第8の本発明によるレーザ加工装置は、上記構成に加え、上記オフセット量指定手段が、上記高さ情報取得手段が高さ情報を取得するごとに、オフセット量を指定し、上記位置情報変更手段が、上記走査制御手段によるレーザ光の走査中に位置情報の変更を行うように構成される。
第9の本発明による3次元レーザ加工における高さ方向のオフセット調整方法は、レーザ加工装置におけるレーザ光の出射点に基づいて予め定められる加工基準面を基準とする位置情報に基づいて行われる3次元レーザ加工における高さ方向のオフセット調整方法であって、加工対象物を検出する対象物検出ステップと、上記対象物検出ステップにおける検出結果に基づいて、上記加工基準面に対する加工面のオフセット量を指定するオフセット量指定ステップと、上記オフセット量指定ステップにおいて指定されたオフセット量に基づいて、上記位置情報を変更する位置情報変更ステップと、上記位置情報変更ステップにおいて変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光を走査させる走査制御ステップと、上記位置情報変更ステップにおいて変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光の焦点距離を制御する焦点距離制御ステップとからなるように構成される。
第10の本発明による3次元レーザ加工における高さ方向のオフセット調整方法は、レーザ加工装置におけるレーザ光の出射点に基づいて予め定められる加工基準面を基準とする位置情報に基づいて行われる3次元レーザ加工における高さ方向のオフセット調整方法であって、上記加工基準面に対する加工対象物の高さ情報を取得する高さ情報取得ステップと、上記高さ情報取得ステップにおいて取得された高さ情報に基づいて、上記加工基準面に対する加工面のオフセット量を指定するオフセット量指定ステップと、上記オフセット量指定ステップにおいて指定されたオフセット量に基づいて、上記位置情報を変更する位置情報変更ステップと、上記位置情報変更ステップにおいて変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光を走査させる走査制御ステップと、上記位置情報変更ステップにおいて変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光の焦点距離を制御する焦点距離制御ステップとからなるように構成される。
第11の本発明によるレーザ加工装置の制御プログラムは、レーザ加工装置におけるレーザ光の出射点に基づいて予め定められる加工基準面を基準とする位置情報に基づいてレーザ加工を行うレーザ加工装置の制御プログラムであって、加工対象物を検出する対象物検出手順と、上記対象物検出手順における検出結果に基づいて、上記加工基準面に対する加工面のオフセット量を指定するオフセット量指定手順と、上記オフセット量指定手順において指定されたオフセット量に基づいて、上記位置情報を変更する位置情報変更手順と、上記位置情報変更手順において変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光を走査させる走査制御手順と、上記位置情報変更手順において変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光の焦点距離を制御する焦点距離制御手順とをレーザ加工装置に実行させることを特徴としている。
第12の本発明によるレーザ加工装置の制御プログラムは、レーザ加工装置におけるレーザ光の出射点に基づいて予め定められる加工基準面を基準とする位置情報に基づいてレーザ加工を行うレーザ加工装置の制御プログラムであって、上記加工基準面に対する加工対象物の高さ情報を取得する高さ情報取得手順と、上記高さ情報取得手順において取得された高さ情報に基づいて、上記加工基準面に対する加工面のオフセット量を指定するオフセット量指定手順と、上記オフセット量指定手順において指定されたオフセット量に基づいて、上記位置情報を変更する位置情報変更手順と、上記位置情報変更手順において変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光を走査させる走査制御手順と、上記位置情報変更手順において変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光の焦点距離を制御する焦点距離制御手順とをレーザ加工装置に実行させることを特徴としている。
本発明によるレーザ加工装置、3次元レーザ加工における高さ方向のオフセット調整方法及びレーザ加工装置の制御プログラムによれば、高さの異なる加工対象物に文字などを加工する場合に、加工対象物の検出結果に基づいて指定されるオフセット量によって位置情報を自動的に変更してレーザ光の走査及び焦点距離の制御が行われるので、加工対象物間で加工精度や加工品質にバラツキが生じるのを抑制させることができる。特に、同一の加工対象物内で高さが変化しているような場合であっても、加工対象物の移動方向に位置を異ならせて複数回測定される高さの測定ごとにオフセット量の指定が行われるので、高さの変化に応じて位置情報を適切に変更させることができる。また、オフセット量に応じてレーザ光の焦点距離を変化させているので、ヘッド部の位置やステージの位置を調整させるものに比べて、装置の構造が複雑化するのを抑制することができる。従って、装置の構造を複雑化させることなく、加工対象物の高さの変化に追従して加工することができるレーザ加工装置を実現することができる。
実施の形態1.
まず、本発明の実施の形態1によるレーザ加工装置100の全体構成を説明した後、レーザ加工装置100に含まれるレーザ発振部10、ビームエキスパンダ11、走査部12及び励起光発生部23の詳細について更に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1によるレーザ加工装置100の一構成例を示したブロック図である。このレーザ加工装置100は、ワークWにレーザ光Lを照射することによって表面加工を行う装置である。なお、レーザ加工装置100を用いて行われる表面加工には、対象物Wの表面を薄く剥離する剥離加工や、対象物Wの表面に文字やバーコードを印字するマーキングや、薄い形状からなる対象物Wに貫通孔を形成する穴空け加工などが含まれる。
このレーザ加工装置100は、ワークWに対してレーザ光Lを照射するレーザ出力部1と、レーザ出力部1の動作を制御するレーザ制御部2と、ユーザが設定データを入力するための入力部3によって構成される。
(レーザ出力部1)
レーザ出力部1は、レーザ光Lを3次元スキャンさせることができるレーザ照射装置であり、レーザ発振部10、ビームエキスパンダ11、走査部12、集光レンズ13及びスキャナ駆動回路16によって構成される。レーザ発振部10内のレーザ媒質32から放出される誘導放射光としてのレーザ光Lは、ビームエキスパンダ11及び走査部12を順に経由した後、集光レンズ13によってワークWの加工面上に集光される。この集光レンズ13にはfθレンズが用いられる。
fθレンズは、焦点位置から入射された光束を集光して射出する際、入射角が変わっても出射光の強度を変化させない光学特性を有する光学レンズである。ここでは、X軸スキャナ14a及びY軸スキャナ14bが、この様なfθレンズの焦点位置に配置されているものとする。
ビームエキスパンダ11は、レーザ光Lのビーム径を制御することにより、レーザー光Lの焦点を集光レンズ13の光軸方向に移動させるZ軸スキャナである。走査部9は、レーザ光Lをその光軸に垂直な面内で移動させる2次元スキャナであり、レーザ光Lの焦点を集光レンズ13の光軸に垂直な面内でX軸方向及びY軸方向に走査させることができる。つまり、このレーザ出力部1は、ビームエキスパンダ11及び走査部12を用いて、レーザ光Lの3次元スキャンを行うことができる。スキャナ駆動回路16は、ビームエキスパンダ11及び走査部9へ駆動信号を供給し、これらの駆動制御を行っている駆動回路である。
(レーザ制御部2)
レーザ制御部2は、レーザ出力部1の動作を制御する制御装置であり、メモリ部21、制御部22、励起光発生部23及び電源24によって構成される。メモリ部21は、入力部3から入力された設定データやその他の制御データを保持する記憶手段であり、例えばROM、RAMなどの半導体メモリが用いられる。
制御部22は、メモリ部21内のデータに基づいて、励起光発生部23及びレーザ出力部1を制御する制御部であり、例えばマイクロプロセッサが用いられる。レーザ光Lを3次元スキャンするための走査信号は、制御部22によって生成され、レーザ出力部1内のスキャナ駆動回路16へ供給される。また、印字動作を制御する印字信号も、制御部22によって生成され、励起光発生部23へ供給される。
励起光発生部23は、定電圧源としての電源24から所定電圧が印加され、制御部22からの印字信号に基づいて励起光を生成している。この励起光が、光ファイバーを介してレーザ出力部1へ供給され、レーザ発振部10へ入力される。印字信号は、そのHIGH/LOWに応じて励起光のON/OFFが切り替えられる制御信号である。つまり、印字信号は、その1パルスが励起光の1パルスに対応するPWM(Pulse Wide Modulation)信号であり、その周波数及びデューティ比によって励起光の強度を制御することができ、レーザ発振部10で生成されるレーザ光Lの強度(レーザパワー)を制御することができる。
(入力部3)
入力部3は、レーザ加工装置100の動作に関する様々な設定データをユーザが入力するための入力装置であり、キーボード、タッチパネル、マウスなどを用いることができる。例えば、レーザ加工装置100の動作条件や印字内容などがユーザによって入力され、入力部3からレーザ制御部1へ出力される。なお、図示しないが、入力部3で入力された設定データを確認したり、レーザ制御部2の状態等を表示するための表示部を別途設けることもできる。
(励起光発生部23)
図2は、励起光発生部23の内部の一例を示した斜視図である。この励起光発生部23は、光学的に接合された励起光源25及び励起光集光部26をケーシング27内に固定して構成される。励起光源25は、レーザ発振部10に供給する励起光を生成する光源装置であり、その放熱は、熱伝導性の良い真鍮などの金属からなるケーシング27によって効率的に行われている。この例では、励起光源25として、複数の半導体レーザダイオード素子を直線状に並べたレーザダイオードアレイが使用され、各素子で生成されたレーザ光が直線上に並んだ平行光として、励起光集光部26へ出力される。励起光集光部26は、フォーカシングレンズなどで構成され、励起光源25からの励起光を光ファイバケーブル28へ入射させている。光ファイバ28は、励起光発生部23及びレーザ発振部10を光学的に結合している励起光の伝送路である。
(レーザ発振部10)
図3は、レーザ発振部10の一構成例を示した図である。レーザ発振部10は、励起光をレーザ媒体32に照射し、その誘導放出光を共振器内で増幅して、レーザ光を生成するレーザ発振装置である。光ファイバーケーブル28を介して、励起光発生部23から入力された励起光は、入射レンズ30によってレーザ媒体32内に集光され、レーザ媒体32から誘導放射光が放出される。この誘導放射光は、対向配置された入射ミラー31及び出力ミラー35で反射され、レーザ媒体32に再び入射される。
入射ミラー31は、入射レンズ30側からの入射光を透過させ、レーザ媒体32側からの入射光を全反射させるハーフミラーである。出力ミラー35は、レーザー光の大部分を反射させるとともに、一部を透過させる半透過ミラーであり、出力ミラー35の透過光は、ビームエキスパンダ11へ入射される。対向配置された入射ミラー31及び出力ミラー35は、レーザー光を往復させる共振器光軸36を形成しており、この共振器光軸36上にレーザー媒体32、Qスイッチ33及びアパーチャ34が順に配置されている。
Qスイッチ33は、レーザ光を回折させる音響光学素子(AOM:Acoustic Optical Modulator)であり、アパーチャ34は、共振器光軸36から外れたレーザ光を遮断する絞りであり、Qスイッチ33及びアパーチャ34を用いて、レーザ発振を停止させることができる。すなわち、レーザ光の光軸が共振器光軸36外となるように、Qスイッチ33がレーザ光を回折させれば、アパーチャ34によってレーザ光が遮断され、レーザ発振が停止する。
(レーザ媒質32)
レーザ媒質32には、例えば、Nd:YVO4(ネオジウムイオンをドープしたイットリューム・バナジウム酸塩)を用いることができる。この場合、Nd:YVO4の吸収スペクトルの中心波長である809nmの波長を有する励起光が用いられる。また、希土類をドープしたYAG、LiSrF、LiCaF、YLF、NAB、KNP、LNP、NYAB、NPP、GGGなどをレーザ媒質32として用いることもできる。更に、このような固体レーザ媒質に波長変換素子を組み合わせて、出力されるレーザ光Lの波長を任意の波長に変換することもできる。
また、固体レーザ媒質を使用することなく、換言すれば、レーザ発振のための共振器を有することなく、波長変換のみを行う波長変換素子を使用することもできる。この場合は、半導体レーザの出力光に対して波長変換が行われる。波長変換素子としては、例えばKTP(KTiPO4)、有機非線形光学材料や他の無機非線形光学材料、例えばKN(KNbO3)、KAP(KAsPO4)、BBO、LBOや、バルク型の分極反転素子(LiNbO3(Periodically Polled Lithium Niobate :PPLN)、LiTaO3等)が利用できる。また、Ho、Er、Tm、Sm、Nd等の希土類をドープしたフッ化物ファイバを用いたアップコンバージョンによるレーザの励起光源用半導体レーザを用いることもできる。このように、本実施の形態においてはレーザ発生源として様々なタイプを適宜利用することができる。
また、レーザ発振部10は、固体レーザに限られず、CO2やヘリウム−ネオン、アルゴン、窒素等の気体をレーザ媒質として用いる気体レーザを利用することもできる。例えば、炭酸ガスレーザを用いた場合のレーザ発振部10は、その内部に炭酸ガス(CO2)が充填され、電極を内蔵しており、レーザ制御部2から与えられる印字信号に基づいて、レーザ発振部10内の炭酸ガスを励起し、レーザ発振させる。
(ビームエキスパンダ11)
図4は、ビームエキスパンダ11の一構成例を示した図である。図中の(a)は、ビームエキスパンダ11をレーザ光Lの光軸方向から見た図であり、図中の(b)は、レーザ光Lの光軸を含む面で切断した場合の断面図である。
ビームエキスパンダ11は、レーザ光Lの光軸上に2枚の光学レンズ、すなわち、入射レンズ40及び出射レンズ41を配置して構成される。可動部42は、光軸方向に配置されたガイド軸43に摺動可能に保持されており、コイルと磁石の相互作用によって駆動され、その位置はスキャナ駆動回路16からの駆動信号に基づいて制御されている。出射レンズ41は光軸上に固定されているのに対し、入射レンズ40は可動部42に保持されているため、可動部42を光軸方向に移動させることによって、レンズ40,41間の距離を変化させることができる。
レーザ発振部10から入射されるレーザ光Lは、光路長にかかわらずビーム径が一定となる平行光であるが、入射レンズ40を通過することによって、光路長に応じてビーム径が変化する非平行光となる。つまり、光路長が長くなれば、ビーム径が拡大していき、あるいは、縮小していく。この非平行光は、その後、出射レンズ41を通過することによって再び平行光に戻される。従って、出射レンズ41から出射されるレーザ光Lのビーム径は、入射レンズ40に入射されるレーザ光Lのビーム径とは異なり、その差はレンズ40,41間の距離によって決まる。この様にして、ビームエキスパンダ11は、スキャナ駆動回路16からの駆動信号に基づいて可動部42を移動させて、レーザ光Lのビーム径を制御している。
レーザ光Lのビーム径を制御することができれば、レーザー光Lの焦点を集光レンズ13の光軸方向に移動させることができる。従って、集光レンズ13の光軸方向をZ方向とすれば、ビームエキスパンダ11は、レーザ光をZ軸方向に走査するZ軸スキャナとなる。なお、ビームエキスパンダ11は、レンズ40,41間の距離が制御可能であればよく、入射レンズ40を固定して、出射レンズ41を移動可能としてもよいし、入射レンズ40、出射レンズ41をともに移動可能とすることもできる。
(走査部12)
図5は、走査部12の一構成例を示した斜視図である。走査部12は、一対のガルバノミラー14a,14bと、これらのガルバノミラー14a,14bをそれぞれ回動させるガルバノモータ15a,15bとを備えている。ガルバノミラー14a及び14bは、レーザ光を反射させる全反射ミラーであり、ガルバノモータ15a,15bの回転軸にそれぞれ取り付けられている。ガルバノモータ15a,15bには、例えばステッピングモータが用いられ、スキャナ駆動回路16からの駆動信号に基づいて、両ガルバノミラー14a、14bが干渉しない範囲において、その回転角を自在に変化させることができる。
この走査部12に入射されたレーザ光は、2つのガルバノミラー14a及び14bによって、レーザ光Lの光軸に直交する面内において2次元走査される。つまり、ワークWへ照射されるレーザ光Lが、集光レンズ13の光軸に直交する方向に2次元走査される。すなわち、ともにZ軸と直交し、互いに直交する2軸をX軸及びY軸とすれば、ガルバノミラー14aがレーザ光LをX軸方向に走査させるX軸スキャナとなり、ガルバノミラー14bがレーザ光LをY軸方向に走査させるX軸スキャナとなる。
次に、図1のレーザ加工装置100の動作について説明する。具体的には、ビームエキスパンダ11を用いたZ軸スキャン動作、ディスタンスポインタ表示、焦点補正処理及び設置位置補正処理について順に説明する。
(Z軸スキャン動作)
図6及び図7は、ビームエキスパンダ11を用いたZ軸方向のスキャン動作に関する説明図であり、ビームエキスパンダ11及び走査部12を含む走査系が示され、集光レンズ13は省略されている。ここでは、ビームエキスパンダ11内の入射レンズ40及び出射レンズ41間の距離が短くなれば、レーザ光Lのビーム径が大きくなる場合について説明する。
図6に示したレンズ間距離Rd1は、図7のレンズ間距離Rd2よりも短い。このため、ビームエキスパンダ1から出射されるレーザ光Lのビーム径は図6の方が大きく、図6の焦点距離Ld1は、図7の焦点距離Ld2よりも長くなっている。つまり、レンズ間距離Rd1、Rd2を短くすることによって、レーザ加工装置100からワークWまでの距離であるワーキングディスタンスを長くすることができる。逆に、レンズ間距離を長くすれば、レーザ光Lのビーム径が小さくなり、レーザ光Lの焦点距離が短くなって、ワーキングディスタンスを短くすることができる。
近年、2次元平面内で走査可能なレーザ加工装置のみならず、高さ方向に焦点距離を調整可能なレーザ加工装置、すなわち、3次元状に加工が可能なレーザ加工装置も開発されている。ところが、このような3次元レーザマーカは、あくまでも2次元の平面印字の高さを段階的に変更できるというものに過ぎず、缶のような曲面、傾斜面などに対し、高品質の印字加工を行うことはできなかった。そこで、本発明者らは、X軸スキャナ及びY軸スキャナに加えて、焦点可変光学系としてZ軸スキャナを設けることによって、焦点位置を自在に調整可能とし、これによってワークの表面形状に沿って3次元状に加工可能なレーザ加工装置を実現している。
(ディスタンスポインタ表示)
このレーザ加工装置100は、赤色光などの可視光をワークWに照射し、ワークW上にディスタンスポインタを表示させることができる。ディスタンスポインタは、照射面までの距離に応じて形状が変化する視認可能なパターンであり、その照射距離を指定することができ、ワークWまでの距離(ワーキングディスタンス)が上記照射距離に一致している場合に特徴的な形状となる。このため、ワークW上にディスタンスポインタを表示させることによって、ワーキングディスタンスが、予め指定された照射距離に一致しているかを視覚的に確認することができる。
図8〜図10は、ディスタンスポインタについての説明図であり、図8は、レーザ加工装置100の光学系を示した斜視図、図9は、図8を逆方向から見た斜視図、図10は、集光レンズ13の光軸を含む切断面による断面図である。これらの図には、ビームエキスパンダ11、X軸/Y軸スキャナ14a,14bに加えて、ガイド用光源60、ガイド光用ミラー62、ポインタ用光源64、ポインタ用スキャナミラー14d及び距離制御ミラー66が示されている。なお、集光レンズ13は省略されている。
ガイド用光源60は、可視光からなるガイド光Gを生成する光源装置であり、例えば、赤色レーザダイダイオードが用いられる。ガイド用光源60から出射されたガイド光Gは、レーザ光Lの光路上に設けられたガイド光用ミラー62で反射され、レーザ光Lの光路に入る。このガイド光用ミラー62は、レーザ発振部10側から入射するレーザ光Lを透過させ、反対側の面へ入射するガイド光Gを全反射させるハーフミラーである。レーザ光Lの光路に入ったガイド光Gは、X軸スキャナ14aによってX軸方向にスキャンされながら、ワークWへ照射される。このとき、照射面上では、残像現象を利用して、X軸方向に延びる線状のガイドパターンGPが視認可能に表示されている。
なお、XYスキャナ14a,14bを用いてガイド光Gを2次元走査すれば、レーザ光Lの照射位置と同じ位置にガイド光Gを照射させることができる。このため、レーザ光Lの照射前にガイド光Gを照射し、レーザ光Lの照射時と同様のXY走査を行うことによって、レーザ光Lの照射位置を事前に目視確認することができる。
ポインタ用光源64は、可視光からなるポインタ光Pを生成する光源装置であり、ガイド用光源60と同様、赤色レーザダイダイオードを用いることができる。ポインタ用光源64から出射されたポインタ光Pは、ポインタ用スキャナミラー14d及び距離制御ミラー66によって順に反射され、ワークWへ照射される。このとき、照射面には点状のポインタパターンPPが視認可能に表示される。ポインタ用スキャナミラー14dは、Y軸スキャナ14bの裏面に形成されたミラーであり、距離制御ミラー66は、集光レンズ13の光軸(つまりZ軸)からY軸方向にずれた位置に固定されている。
距離制御ミラー66で反射されたポインタ光Pは、YZ平面内においてガイド光Gに対して角度を有し、この角度に応じた光路を経てガイド光Gと交差する。この角度は、距離制御ミラー66の傾きによって制御される。従って、ユーザが指定したディスタンスポインタの照射距離に基づいて距離制御ミラー66を制御すれば、レーザ加工装置100から上記照射距離だけ離れた位置において、ガイド光Gとポインタ光Pを交差させることができる。
図11は、ディスタンスポインタの一例を示した図である。ここでは、ガイド光Gによって表示されたX軸方向に延びる2本のガイドパターンGPと、ポインタ光Pによって表示される1個の点状のポインタパターンPPが示されている。図中の(b)には、ユーザが指定した照射距離と、照射面までの実際の距離とが一致している場合が示されている。また、(a)には、照射距離に比べて、実際の距離が近い場合、(c)には、照射距離よりも、実際の距離が遠い場合がそれぞれ示されている。
つまり、ポインタパターンPPが2本のガイドパターンGPの中央に位置すれば、ユーザが数値によって指定したディスタンスポインタの照射距離と、実際のワーキングディスタンスとが一致していることを確認できる。また、一致していない場合であっても、近すぎるのか、あるいは、遠すぎるのかを知ることができる。このため、ディスタンスポインタを表示させながら、その照射距離を変化させれば、ワークWまでの実際の距離(ワーキングディスタンス)を測定することができる。
<高さ方向のオフセット調整>
図12は、図1のレーザ加工装置100を含むレーザマーキングシステムの構成例を示したブロック図である。このレーザマーキングシステムは、レーザ加工装置100と、ワークセンサ101と、高さ測定器102と、レーザ加工装置100に通信ケーブルを介して接続される外部機器200により構成される。レーザ加工装置100のレーザ出力部1は、例えば、製造ライン上に配置され、製造ラインを流れるワークWに対してレーザ光Lを照射し、文字などの加工パターンをワークW表面に加工する。
ワークセンサ101は、製造ライン上のワークWを検出し、検出信号を生成してレーザ制御部2へ出力する対象物検出手段である。例えば、ワーク検出用の光をワークWに対して照射するとともに、ワークWからの反射光を受光し、当該反射光の強度変化に基づいてワークWの有無が検知される。
高さ測定器102は、製造ライン上のワークWの高さを測定するセンサであり、ワークWの上側に配置される。例えば、高さ検出用の光をワークWに対して照射するとともに、ワークWからの反射光を受光し、当該反射光の強度に基づいてワークWの高さが検知される。ここでは、ワークWの高さに応じて電圧が変化する電圧信号(アナログ信号)が、高さの測定結果としてレーザ制御部2へ出力されるものとする。
この高さ測定器102による高さ測定は、ワークセンサ101の検出信号に同期させて行われる。すなわち、ワークセンサ101において検知されたワークWが高さ測定器102の下に移動するタイミングで行われる。
レーザ制御部2では、外部機器200から入力されるトリガ信号に基づいて、加工面Aの高さの異なる複数のワークWに対し、順次に加工パターンを加工する制御が行われる。ここでは、外部機器として、パーソナルコンピュータ210、コンソール220及びPLC230が接続されているものとする。パーソナルコンピュータ210は、文字などを印字するための加工パターン情報を生成し、或いは、ユーザが指定する制御パラメータをレーザ加工装置100に指示するための情報処理端末である。
PLC(Programmable Logic Controller:プログラマブルロジックコントローラ)230は、製造ラインの駆動装置、各種センサなどを制御し、ユーザが指定する制御パラメータをレーザ加工装置100に指示し、或いは、レーザ光Lの照射開始を指示するためのトリガ信号を生成するプログラム書き換え可能な制御装置である。コンソール220は、PLC230の動作状態を画面表示するとともに、画面上のアイコンを操作することにより各種制御パラメータの入力が可能な表示器である。
このレーザ加工装置100では、ワークセンサ101からの検出信号をストローブ信号として加工面の高さ調整が行われ、PLC230からのトリガ信号に基づいてレーザ光Lの照射が開始される。
図13は、図12のレーザ加工装置100におけるレーザ制御部2の構成例を示したブロック図である。このレーザ制御部2は、識別情報取得部111、高さ情報記憶部112、オフセット指定生成部115、加工パターン記憶部116、加工パターン変更処理部117、変更後パターン記憶部118、ビーム径調整部119及び走査制御部120により構成される。
識別情報取得部111は、外部機器200に対してワークWの識別情報の送信要求を送信し、当該外部機器200から識別情報を取得する動作を行っている。この識別情報取得部111による識別情報の取得は、ワークセンサ101からのストローブ信号に同期させて行われ、取得された識別情報はオフセット指定生成部115へ出力される。すなわち、ワークセンサ101においてワークWが検知されるタイミングで識別情報が取得される。
高さ情報記憶部112は、ワークWの識別情報113に対応付けて複数の高さ情報114を記憶するメモリである。高さ情報114は、加工パターンをワークW上に加工する際の加工面の高さを示す情報であり、ここでは、ワーク番号などの識別情報113ごとにユーザによって予め指定されるものとする。
オフセット指定生成部115は、ユーザが指定する動作モードに応じて、オフセット指定を生成する動作を行っている。このオフセット指定は、加工基準面に対する加工面のオフセット量を指定する情報であり、生成されたオフセット指定は加工パターン変更処理部117へ出力される。
加工基準面は、レーザ加工の際に用いられる位置情報の基準となる平面であり、レーザ出力部1においてレーザ光Lが出射する出射点に基づいて予め定められる。ここでは、出射点に配置された集光部13のfθレンズに基づいて加工基準面が定められるものとし、fθレンズの光軸に垂直な平面であるものとする。加工基準面の位置は、レーザ光Lの焦点距離に対する調整可能な範囲に基づいて定められる。この様な加工基準面を基準とする位置情報に基づいてレーザ加工が行われる。オフセット指定におけるオフセット量は、fθレンズの光軸方向に関する加工基準面と加工面とのずれとして規定される。
ここでは、ユーザにより指定可能な動作モードとして、「Z値選択」、「ストローブ」、「リアル動作」の3つの動作モードが規定されているものとする。動作モード「Z値選択」では、識別情報取得部111により取得された識別情報に基づいて、高さ情報記憶部112から高さ情報114が読み出され、読み出された高さ情報114に基づいてオフセット指定が生成される。「ストローブ」では、高さ測定器102からの電圧信号に基づいて、オフセット指定が生成される。「リアル動作」では、高さ測定器102により、同一のワークWに対して位置を異ならせて複数回の高さ測定が行われ、その高さ測定ごとにオフセット指定が生成される。
加工パターン記憶部116は、加工基準面を基準とする位置情報からなる加工パターン情報を記憶するメモリである。具体的には、レーザ光Lの照射目標とする加工基準面上の位置と、この位置におけるレーザ光Lの焦点距離とが照射スポットごとに規定され、加工パターン情報として格納される。
ここで、加工基準面上における照射光の強度は、fθレンズの光学特性により、加工基準面上での照射位置が変わっても変化しないことから、照射位置の変化によるレーザ光Lの焦点距離の変化は考慮しなくても良い。そこで、ここでは、照射位置に対応付けられるレーザ光Lの焦点距離として、基準値からのずれ、すなわち、焦点位置の加工基準面に対するfθレンズの光軸方向のずれが規定されるものとする。
加工パターン変更処理部117は、加工パターン記憶部116から加工パターン情報を読み出し、オフセット指定生成部115からのオフセット指定に基づいて当該加工パターン情報における焦点距離を変更する処理を行っている。具体的には、照射スポットごとの3次元位置座標がオフセット指定に基づいて変更され、加工面の高さが調整される。
変更後パターン記憶部118は、加工パターン変更処理部117による焦点距離変更後の加工パターン情報を記憶するメモリである。
ビーム径調整部119は、変更後パターン記憶部118から読み出した加工パターン情報に基づいてビームエキスパンダ11を制御し、レーザ光Lのビーム径を調整する動作を行っている。走査制御部120は、変更後パターン記憶部118から読み出した加工パターン情報に基づいてX軸スキャナ14a及びY軸スキャナ14bを制御し、レーザ光Lを加工基準面上で走査させる動作を行っている。
ここでは、加工面の高さ、すなわち、fθレンズの光軸方向における加工面の位置が変わっても、照射スポットの形状、サイズ及び光軸に垂直な方向の位置がいずれも変化しないように、X軸スキャナ14a及びY軸スキャナ14bの回転角が制御されるものとする。
図14は、図12のレーザ加工装置100における動作の一例を示した斜視図であり、fθレンズ13aの光軸Bに垂直な平面として定められた加工基準面Cの様子が示されている。加工基準面Cは、円板状のfθレンズ13aとの距離が所定値となるように定められ、当該fθレンズ13aに平行な平面となっている。文字などの加工パターンを示す加工パターン情報では、加工基準面C上におけるレーザ光Lの照射位置D(x,y)と、照射位置D(x,y)における光軸B方向の焦点位置zが規定される。
ここでは、加工基準面Cに平行な方向をx軸方向及びy軸方向とし、光軸Bに平行な方向をz軸方向として、照射スポットの3次元位置座標が定められるものとする。
図15は、図13のレーザ制御部2における加工パターン変更処理部117の構成例を示した図である。文字などの印字パターンを印字する場合、例えば、パーソナルコンピュータ210上で印字パターンの2次元位置情報(x,y)を入力すると、加工対象物の形状情報zに基づいて3次元情報に変換され、3次元の照射位置情報(x,y,z)が生成される。加工対象物の形状情報zは、加工対象物における印字対象面の凹凸を示す高低差情報であり、加工基準面Cに平行な方向の2次元位置に対応付けて予め指定される。この形状情報zは、2次元位置(x,y)ごとに異なる1次元情報である。
レーザ加工装置100の加工パターン変更処理部117では、照射スポットごとの照射位置情報を入力値(x,y,z)として、加算器121により、この入力値(x,y,z)とオフセット量zとが加算処理され、出力値(x,y,z+z)が出力される。この様な加算処理が、加工基準面C上の全ての照射位置D(x,y)について行われる。この場合、オフセット量zは、これから印字パターンを印字しようとする実際の加工対象物に応じて定められる1次元の位置情報であり、加工基準面Cと、形状情報zが基準とする加工対象物上の基準点との高低差情報となっている。このオフセット量zは、全ての照射位置D(x,y)について共通の値となっている。
この様な構成によれば、高さの異なる複数のワークWに共通の印字パターンを印字する場合に、オフセット量zに基づいて照射位置情報が適切に変更されるので、ワーク間で印字精度や印字品質にバラツキが生じるのを防止することができる。
(Z値選択)
図16は、図12のレーザ加工装置100における動作の一例を示した図であり、Z値選択モード時における高さ方向のオフセット調整の様子が示されている。この例では、ワークセンサ101からのストローブ信号に同期して加工面の高さ、すなわち、印字高さを調整する処理が行われる。加工面のオフセット量zは、PLC230からのトリガ信号に基づいて変更される。PLC230からのトリガ信号は、印字動作を開始させるためのタイミング信号であり、このトリガ信号に同期してレーザ光Lの走査制御が行われ、ワークWに対して加工パターンが印字される。
具体的には、印字データとして、動作モードを指定する情報、制御パラメータ、加工パターン情報などがパーソナルコンピュータ210から転送されると、動作モードが切り替えられる。Z値選択モードでは、ワークセンサ101から入力されるストローブ信号に基づいて、印字高さの調整処理が開始される。
この印字高さ調整処理では、まず、外部機器200、例えば、PLC230がセンサを用いてワークWから読み取ったワーク番号(ワークWの識別情報)が当該PLC230から取得され、当該ワーク番号に対応付けられている高さ情報114が読み出される。そして、読み出された高さ情報114に基づいてオフセット指定が生成され、加工パターン情報における焦点距離が変更される。
図17のステップS101〜S108は、図12のレーザ加工装置100におけるZ値選択モード時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、レーザ加工装置100は、パーソナルコンピュータ210から印字データを取得すると、動作モードを切り替える(ステップS101)。このとき、識別情報取得部111は、ワークセンサ101からストローブ信号が入力されると、このストローブ信号に同期してPLC230に送信要求を送信し、PLC230からワーク番号を取得する(ステップS102,S103)。
次に、オフセット指定生成部115は、識別情報取得部11が取得したワーク番号に対応付けられている高さ情報114を高さ情報記憶部112から読み出し、オフセット指定を生成する(ステップS104)。加工パターン変更処理部117は、このオフセット指定に基づいて加工パターン情報の3次元位置座標におけるZ値(Z成分)を演算し、変更後の加工パターン情報が生成される(ステップS105)。
次に、ビーム径調整部119及び走査制御部120は、PLC230からトリガ信号が入力されると、変更後パターン情報に基づく印字動作を開始する(ステップS106,S107)。ステップS101からステップS107までの処理手順は、外部機器200、例えば、PLC230から印字終了が指示されるまで繰り返される。
(ストローブ)
ストローブモード時には、ワークセンサ101から入力されるストローブ信号に同期してワークWの高さが測定され、加工面のオフセット量zが変更される。そして、印字高さの調整後に入力されるPLC230からのトリガ信号に同期してレーザ光Lの走査制御が行われ、ワークWに対して加工パターンが印字される。
具体的には、印字データとして、動作モードを指定する情報、制御パラメータ、加工パターン情報などがパーソナルコンピュータ210から転送されると、動作モードが切り替えられる。ストローブモードでは、高さ測定器102の制御パラメータがパーソナルコンピュータ210から取得され、取得した制御パラメータに基づいて高さ測定器102からの電圧信号が加工面のオフセット量zに変換される。
ここでは、電圧信号の入力レンジが、+10V(ボルト)から−10Vであり、加工基準面の高さに基づいて電圧信号のゼロ点調整が予め行われているものとする。
図18のステップS201〜S209は、図12のレーザ加工装置100におけるストローブモード時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、レーザ加工装置100は、パーソナルコンピュータ210から印字データ、高さ測定器102の制御パラメータを取得すると、動作モードを切り替える(ステップS201,S202)。このとき、オフセット指定生成部115は、ワークセンサ101からストローブ信号が入力されると、このストローブ信号に同期してワークWの高さを決定し、オフセット指定を生成する(ステップS203〜S205)。加工パターン変更処理部117は、このオフセット指定に基づいて加工パターン情報の3次元位置座標におけるZ値(Z成分)を演算し、変更後の加工パターン情報が生成される(ステップS206)。
次に、ビーム径調整部119及び走査制御部120は、PLC230からトリガ信号が入力されると、変更後パターン情報に基づく印字動作を開始する(ステップS207,S208)。ステップS201からステップS208までの処理手順は、外部機器200、例えば、PLC230から印字終了が指示されるまで繰り返される。
(リアル動作)
リアル動作モード時には、ワークセンサ101から入力されるストローブ信号に同期してワークWの高さが測定され、加工面のオフセット量zが変更される。その際、高さ測定器102により、同一のワークWに対してワークWの移動方向に位置を異ならせて複数回の高さ測定が行われ、その高さ測定ごとにオフセット指定が生成される。
具体的には、製造ラインの流れに合わせてワークWの移動方向に位置を異ならせて高さが測定される。そして、ワークWの移動に合わせて加工面のオフセット量zが調整される。オフセット量の調整は、移動方向の走査周期ごとに行われる。
図19は、図12のレーザ加工装置100におけるリアル動作モード時の動作の一例を示した斜視図であり、同一のワークWに対して移動方向の位置を異ならせながら印字が行われる様子が示されている。このワークWは、製造ラインの流れの方向に所定間隔で加工面Aの高さが異なっている。リアル動作モードでは、ワークWの移動に合わせて加工面Aの高さが測定され、加工面Aのオフセット量zが適切に調整される。
この例では、高さの異なる4つの加工面Aに対して、それぞれ異なる加工パターン(ここでは、文字「A」、「B」など)が順次に印字されている。
図20のステップS301〜S308は、図12のレーザ加工装置100におけるリアル動作モード時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、レーザ加工装置100は、パーソナルコンピュータ210から印字データ、高さ測定器102の制御パラメータを取得すると、動作モードを切り替える(ステップS301,S302)。このとき、オフセット指定生成部115は、ワークセンサ101からストローブ信号が入力されると、このストローブ信号に同期して加工面Aの高さ、すなわち、印字高さを決定し、オフセット指定を生成する(ステップS303〜S305)。加工パターン変更処理部117は、このオフセット指定に基づいて加工パターン情報の3次元位置座標におけるZ値(Z成分)を演算し、変更後の加工パターン情報が生成される(ステップS306)。
次に、ビーム径調整部119及び走査制御部120は、PLC230からトリガ信号が入力されると、変更後パターン情報に基づく印字動作を開始する(ステップS307)。ステップS301からステップS307までの処理手順は、外部機器200、例えば、PLC230から印字終了が指示されるまで繰り返される。
図19及び図20では、同一のワークWに対してワークWの移動方向に位置を異ならせて複数回測定される高さの測定ごとにオフセット指定が生成される場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、同一のワークWに対してワークWの移動方向と交差する方向に位置を異ならせて複数回の高さ測定を行い、その高さ測定ごとにオフセット指定を生成しても良い。
図21は、図12のレーザ加工装置100におけるリアル動作モード時の動作の他の一例を示した斜視図であり、同一のワークWに対して移動方向と交差する方向に位置を異ならせながら印字が行われる様子が示されている。このワークWは、製造ラインの流れの方向(ワークWの移動方向)と交差する方向に所定間隔で加工面Aの高さが異なっており、この交差する方向に位置を異ならせながら印字が行われる。この例では、ワークWの移動方向と垂直な方向を印字方向とし、この印字方向に位置を異ならせながら印字が行われる。
その際、高さ測定器102により、同一のワークWに対して印字方向に位置を異ならせて複数回の高さ測定が行われ、その高さ測定ごとにオフセット指定が生成される。
図22のステップS311〜S320は、図12のレーザ加工装置100におけるリアル動作モード時の動作の他の一例を示したフローチャートである。まず、レーザ加工装置100は、パーソナルコンピュータ210から印字データ、高さ測定器102の制御パラメータを取得すると、動作モードを切り替える(ステップS311,S312)。
オフセット指定生成部115は、PLC230からトリガ信号が入力されると、ワークセンサ101からのストローブ信号に同期して高さの測定値を取得し、印字高さを決定してオフセット指定を生成する(ステップS313〜S316)。加工パターン変更処理部117は、このオフセット指定に基づいて加工パターン情報の3次元位置座標におけるZ値(Z成分)を演算し、変更後の加工パターン情報を生成する(ステップS317)。
次に、ビーム径調整部119及び走査制御部120は、変更後パターン情報に基づいて印字動作を開始する(ステップS318)。このとき、加工パターンの印字が全て終了するまで、印字方向の走査位置を変更しながら、ステップS314からステップS318までの処理手順が繰り返され、加工パターンの印字が全て終了すると、次のトリガ信号の入力待機状態に移行する(ステップS319)。
ステップS313からステップS319までの処理手順は、印字終了が外部機器200により指示されるまで繰り返され、印字終了が指示されると、この処理は終了する(ステップS320)。
図15では、3次元の照射位置情報(x,y,z)が入力値として入力され、この入力値にオフセット量zを加算した出力値(x,y,z+z)が出力される場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、加工対象物の種類を識別し、加工対象物の種類に応じて照射位置情報をシフトさせ、さらに、加工対象物ごとの高さのバラツキを補正して照射位置情報を出力するようなものであっても良い。
図23は、図13のレーザ制御部2の他の構成例を示した図であり、加算器122及び123からなる加工パターン変更処理部117aが示されている。この例では、印字パターンの2次元位置情報(x,y)が入力値として入力される。加算器122は、この入力値(x,y)に、ワークWの種類に応じたシフト量zと、形状情報zとを加算処理して出力する。加算器123は、加算器122の出力値に、ワークWのバラツキ情報zとを加算処理し、出力値(x,y,z+z+z)として出力する。
シフト量zは、ワークWの種類ごとに予め定められる1次元の位置情報であり、加工基準面Cと、形状情報zが基準とする加工対象物上の基準点との高低差情報となっている。このシフト量zは、全ての照射位置D(x,y)について共通であるとともに、同一種類の加工対象物について共通の値となっている。ここでは、形状情報zが、ワークの種類ごとに定められるものとする。
ワークWのバラツキ情報zは、これから印字パターンを印字しようとする実際の加工対象物について計測された高さ情報に基づいて決定される1次元の位置情報であり、加工基準面Cと、形状情報zが基準とする加工対象物上の基準点との高低差情報となっている。このバラツキ情報zは、全ての照射位置D(x,y)について共通の値となっている。ここでは、(形状情報z+シフト量z+バラツキ情報z)がオフセット量であり、照射位置D(x,y)ごとに異なる1次元情報となっている。
この様な構成によれば、種類の異なる複数のワークWに共通の印字パターンを印字する場合に、ワークWの種類に応じたシフト量z及び形状情報zを照射位置情報に加算処理して出力されるので、照射位置がワークWの種類に応じて適切にシフトされるとともに、ワークWごとの高さのバラツキを適切に補正することができる。
(ユーザインターフェース)
図24は、図12のレーザマーキングシステムにおけるパーソナルコンピュータ210の動作の一例を示した図であり、ディスプレイ上に表示される表示画面300が示されている。この表示画面300は、レーザ加工装置100の各種設定を行うためのアプリケーションプログラムにより表示される入力画面である。
表示画面300内には、加工基準面上における加工パターンの位置を指定するための走査エリア301の表示領域と、加工パターンの入力領域と、転送ボタン305及びライン設定ボタン306の表示領域が配置されている。
走査エリア301は、加工基準面上におけるレーザ光Lの走査対象とする最大エリアであり、ここでは、エリアの中央を中心(原点)とする矩形エリアとなっている。この例では、x軸方向及びy軸方向にそれぞれ+60mmから−60mmまでの範囲が走査エリア301となっている。
加工パターンの入力領域は、走査エリア301の表示領域の右側に配置され、領域内には、加工パターンの種類を指定するための入力欄302a及び302b、文字データの種類を指定するための入力欄303、文字の入力欄304が設けられている。加工パターンの種類としては、文字列の他、ロゴマークや図形を選択することができる。
転送ボタン305は、この表示画面300上で設定された加工パターン情報や制御パラメータなどの印字データをパーソナルコンピュータ210からレーザ加工装置100へ転送させるための操作用アイコンである。
ライン設定ボタン306は、ライン設定画面を表示させるための操作用アイコンである。このライン設定画面は、ワークWの加工条件などを規定する制御パラメータを指定するための入力画面であり、ライン設定ボタン306の操作に基づいて表示される。転送ボタン305及びライン設定ボタン306の表示領域は、走査エリア301の表示領域及び加工パターンの入力領域の下側に配置されている。表示画面300上のクローズボタン307を操作すれば、レーザ加工装置100の設定モードを終了させることができる。
図25は、図12のレーザマーキングシステムにおけるパーソナルコンピュータ210の動作の一例を示した図であり、表示画面300上に表示されたライン設定画面310が示されている。このライン設定画面310内には、XY方向及びZ方向の各移動条件を指定するための入力欄311及び312を表示する表示領域と、静止印字モード時の制御パラメータを指定するための入力欄321及び322の表示領域320と、XY移動印字モード時の制御パラメータを指定するための表示領域330と、Z移動印字モード時の制御パラメータを指定するための表示領域340が配置されている。
入力欄311は、XY方向の移動条件を指定するための入力欄であり、移動条件として、静止、等速及びエンコーダのいずれかを指定することができる。静止印字は、ステージ上に載置されたワークWに対して加工パターンを印字する動作モードである。等速印字は、製造ライン上を一定の速度で移動するワークWに対して印字する動作モードである。エンコーダ印字は、製造ライン上を移動するワークWの移動速度をロータリエンコーダから入力されるパルス信号に基づいて判別し、移動速度に応じて印字する動作モードである。
入力欄312は、Z方向の移動条件を指定するための入力欄であり、移動条件として、静止、等速、エンコーダ、Z値選択、ストローブ及びリアル動作のいずれかを指定することができる。入力欄311及び312の表示領域は、上段に配置されている。
入力欄321は、静止印字モード時におけるトリガディレイ時間を指定するための入力欄である。入力欄322は、静止印字モード時における印字時間を指定するための入力欄である。入力欄321及び322の表示領域320は、中段に配置されている。
表示領域330内には、XY移動印字モード時におけるトリガディレイ時間を指定するための入力欄331と、XY移動印字モード時における最小のワーク間距離を指定するための入力欄332と、等速印字モード時の制御パラメータを指定するための入力エリア333と、エンコーダ印字モードの制御パラメータを指定するための入力エリア334が配置されている。
入力エリア333内には、等速印字モード時におけるライン速度を指定するための入力欄333aが設けられている。また、入力エリア334内には、エンコーダ印字モード時におけるパルス数を指定するための入力欄334a及び最大ライン速度を指定するための入力欄334bが設けられている。
表示領域340内には、Z移動印字モード時におけるトリガディレイ時間を指定するための入力欄331と、Z移動印字モード時における最小のワーク間距離を指定するための入力欄332と、等速印字モード時の制御パラメータを指定するための入力エリア333と、エンコーダ印字モードの制御パラメータを指定するための入力エリア334が配置されている。
表示領域330は、下段左側に配置され、表示領域340は、下段右側に配置されている。この例では、入力欄312の操作アイコン312aを操作すると、プルダウンメニューが表示され、移動条件を選択することができる。ライン設定画面310上の「OK」ボタン313を操作すれば、この画面上で指定されたデータを制御パラメータとして登録させることができる。また、クローズボタン314を操作すれば、ライン設定モードを終了させることができる。
図26は、図12のレーザマーキングシステムにおけるパーソナルコンピュータ210の動作の一例を示した図であり、ライン設定画面310上の操作アイコン312aを操作した際に表示されるプルダウンメニュー312bが示されている。このプルダウンメニュー312bには、選択可能なZ方向の移動条件として、静止、等速、エンコーダ、Z値選択、ストローブ及びリアル動作の各印字モードの識別情報(モード名など)が表示されている。
選択状態の識別情報は、例えば、反転表示され、選択中の移動条件を識別することができる。ユーザは、方向キーなどの操作によってこれらの印字モードのいずれかに動作モードを切り替えることができる。
本実施の形態によれば、高さの異なるワークWに文字などを加工する場合に、ワークWの検出信号に基づいて生成されるオフセット指定によって加工パターン情報における焦点距離を自動的に変更してビーム径の調整が行われるので、ワークW間で印字精度や印字品質にバラツキが生じるのを抑制させることができる。また、同一のワークW内で高さが変化しているような場合であっても、位置を異ならせて複数回測定される高さ測定ごとにオフセット指定が生成されるので、高さの変化に応じて加工パターン情報の焦点距離を適切に変更させることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、高さの異なる加工対象物に文字などを印字する際、加工対象物間で印字精度や印字品質にバラツキが生じるのを抑制させる場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、加工面が加工基準面に対して相対的に傾いている加工対象物に加工パターンを印字する際、加工パターンを正しく印字させるために、加工パターン情報の位置座標を変換させる場合について説明する。
<走査エリア調整>
図27は、本発明の実施の形態2によるレーザ加工装置の要部における構成例を示したブロック図であり、レーザ制御部400が示されている。このレーザ制御部400は、基準点記憶部401、基準位置変更処理部402、変更後基準点記憶部403、座標変換処理部404、加工パターン記憶部405、変更後パターン記憶部406、走査制御部407及びビーム径調整部408により構成される。
基準点記憶部401は、加工基準面上に設けられる3以上の基準点の位置座標を記憶するメモリである。基準点は、レーザ光Lの走査対象とする最大エリアを示すために、予め加工基準面上に定められる複数の点である。上記最大エリアは、X軸スキャナ14a及びY軸スキャナ14bの各回転角の範囲、fθレンズ13aの光軸方向における加工基準面の位置などにより規定される。
ここでは、この様な最大エリアを走査エリアと呼ぶことにし、矩形状の走査エリアの4つの頂点を含む基準点の位置座標が基準点記憶部401内に格納されているものとする。また、レーザ光Lの出射面との距離、すなわち、fθレンズ13aとの距離を異ならせて3つの加工基準面401aが定められ、これらの基準面401aのそれぞれに対応付けて設けられる基準点の位置座標が記憶されているものとする。すなわち、各基準面401a上には、対応する位置に基準点が設けられ、その位置座標が当該基準面に対応付けて格納されている。
走査制御部407は、X軸スキャナ14a及びY軸スキャナ14bを制御し、レーザ光Lを加工基準面上で走査させる動作を行っている。走査エリアの調整時には、各基準点のいずれか2つを結ぶ線分をテストパターンとして、ワークW上に印字する制御が行われる。テストパターンとして印字させる線分は、加工基準面に対する加工面の傾きが任意の方向について検出可能なように予め定められる。
レーザ光LをワークWに照射し、表面を印字加工することによりテストパターンをワークW上に表示するのに代えて、ガイド光GをワークWに照射し、加工基準面上で走査させることにより、ガイドパターンGPとしてテストパターンをワークW上に表示させても良い。ユーザは、この様なテストパターンの表示を見て、加工面の傾き具合を判断し、基準点の位置を変更する。
基準位置変更処理部402は、ユーザ操作に基づいて基準点の位置を加工基準面内で変更する処理を行っている。具体的には、テストパターンとして印字された基準点と、この基準点に対応する加工基準面上の基準点との間の位置の差分情報がコンソール220上で指定され、制御パラメータとしてコンソール220から基準位置変更処理部402に転送される。そして、コンソール220から転送された制御パラメータに基づいて基準点の位置の変更処理が行われる。ここでは、レーザ光Lが走査された基準面について、基準点の位置の変更処理が行われ、変更処理後の基準点の位置座標が変更後基準点記憶部403内に格納されるものとする。
加工パターン記憶部405は、加工基準面上の照射位置が規定された加工パターン情報を記憶するメモリである。具体的には、レーザ光Lの照射目標とする加工基準面上の位置が照射スポットごとに規定される。
座標変換処理部404は、基準位置変更処理部402による位置変更後の基準点の位置座標及び位置変更前の各基準点の位置座標に基づいて、加工パターン情報の位置座標を変換する位置情報の変換手段である。具体的には、基準点記憶部403内に格納されている各基準点の位置座標と、基準点記憶部401内に格納されている各基準点の位置座標に基づいて、走査エリアの変更が印字される加工パターンに正しく反映されるように、加工パターン記憶部405内の加工パターン情報について座標変換する処理が行われる。
ここでは、各加工基準面に平行な任意の平面であってユーザが指定する加工面に対し、各加工基準面上の基準点の位置座標に基づいて、加工基準面間の位置座標が補間処理され、加工パターン情報の位置座標が加工面上の位置座標に変換されるものとする。
変更後パターン記憶部406は、座標変換処理部404による位置座標変更後の加工パターン情報を記憶するメモリである。ビーム径調整部408は、変更後パターン記憶部406から読み出した加工パターン情報に基づいてビームエキスパンダ11を制御し、レーザ光Lのビーム径を調整する動作を行っている。走査制御部407では、加工パターンの印字の際、変更後パターン記憶部406から読み出した加工パターン情報に基づいて、レーザ光を走査させる制御が行われる。
図28は、図27のレーザ加工装置における動作の一例を示した斜視図であり、fθレンズ13aの光軸Bに垂直な平面として定められる各加工基準面上の走査エリアC1〜C3の様子が示されている。各加工基準面は、円板状のfθレンズ13aとの距離が所定値となるように定められる。ここでは、光軸B方向に関し、レーザ光Lの焦点距離の下限位置に位置する加工基準面を第1基準面とし、第1基準面上の走査対象とするエリアを走査エリアC1とする。
また、光軸B方向に関し、レーザ光Lの焦点距離の上限位置に位置する加工基準面を第3基準面とし、第3基準面上の走査対象とするエリアを走査エリアC3とする。さらに、光軸B方向に関し、レーザ光Lの焦点距離の上限位置及び下限位置間の中央、すなわち、第1基準面及び第3基準面間の中央に位置する加工基準面を第2基準面とし、第2基準面上の走査対象とするエリアを走査エリアC2とする。
走査エリアC1〜C3は、基準面間で同一形状、同一サイズかつ光軸Bに垂直な方向の位置が同一の矩形エリアとなっている。各走査エリアC1〜C3は、光軸Bがレーザ光Lの出射面に垂直であることから、出射面に平行な方向の位置が同一の矩形エリアとなっている。ここでは、各走査エリアC1〜C3が、いずれも正方形の形状からなり、4つの頂点、4つの辺の各中点に基準点P1〜P3が配置されるものとする。走査エリアC1及びC3には、エリアの中心にも基準点が配置される。
この例では、第1基準面上の走査エリアC1が、当該基準面上でレーザ光Lを走査させる際の走査可能な最大エリアとなっている。ここでは、第1基準面をnear面と呼び、第2基準面をセンタ面と呼び、第3基準面をfar面と呼ぶことにする。この様な基準点P1〜P3について、位置の変更処理が行われる。
図29は、図28の各走査エリアC1〜C3内に配置される基準点Pk及び2つの基準点を結ぶ線分Lkを示した平面図である。走査エリアCk(k=1,2,3)に対し、各頂点及び各辺の中点に8つの基準点Pkが配置されている。また、走査エリアC1及びC3には、エリア中心に基準点Pkcが配置される。ここでは、基準点Pkcの位置を第k基準面上における2次元位置座標の原点として、各基準点Pkの位置座標が定められるものとする。各走査エリアCkの中心は、基準面及び光軸Bの交点となっている。
具体的には、各頂点のうち、第1象限に配置される頂点を基準点Pkxとし、第2象限に配置される頂点を基準点Pkxとし、第3象限に配置される頂点を基準点Pkxとし、第4象限に配置される頂点を基準点Pkxとする。また、各辺の中点のうち、y軸上の正領域に配置される点を基準点Pkyとし、y軸上の負領域に配置される点を基準点Pkyとし、x軸上の正領域に配置される点を基準点Pkxとし、x軸上の負領域に配置される点を基準点Pkxとする。
これらの基準点のうちの2つを結ぶ線分LkがテストパターンとしてワークW上に印字される。ここでは、正方形の4つの辺と、2つの対角線がテストパターンとして印字されるものとする。具体的には、基準点Pkx及びPkxを結ぶ線分をLkyとし、基準点Pkx及びPkxを結ぶ線分をLkyとし、基準点Pkx及びPkxを結ぶ線分をLkxとし、基準点Pkx及びPkxを結ぶ線分をLkxとしてこれらの辺がテストパターンとして印字される。
また、基準点Pkx及びPkxを結ぶ線分をLk2とし、基準点Pkx及びPkxを結ぶ線分をLk1としてこれらの対角線がテストパターンとして印字される。ユーザは、この様なテストパターンの印字結果を見て走査エリア内の各基準点の移動量を判断することとなる。
図30は、図27のレーザ加工装置における動作の一例を示した図であり、第k基準面上の各基準点Pkに対して位置の変更可能な方向が示されている。各基準点Pkは、それぞれ個別に独立して位置を移動させることができる。ここでは、x軸方向及びy軸方向に所望の量だけ位置を変更することができるものとする。
図31は、図27のレーザ制御部400における基準位置変更処理部402の構成例を示した図である。ユーザが位置の変更対象として指定した基準点Pkの3次元位置座標に関し、入力値Pk(x,y,z)が加算器411によりユーザ指定(x,y)と加算処理され、出力値Pk(x+x,y+y,z)が出力される。ユーザ指定(x,y)は、ユーザにより指定される位置の変更量、すなわち、基準点Pkの位置の差分情報である。
図32は、図27レーザ制御部400における座標変換処理部404の動作の一例を示した図であり、走査エリアC2内の基準点P2xの位置を変更した際の位置座標の変換処理の様子が示されている。座標変換処理部404では、基準位置変更処理部402による位置変更後の基準点Pkの位置座標と、位置変更前の各基準点Pkの位置座標に基づいて、加工パターン情報における位置座標を変換する処理が行われる。
例えば、センタ面(第2基準面)上の走査エリアC2について、第1象限の基準点P2xの位置をy軸方向の正方向にy1だけ移動させる場合、第1象限内、x軸上及びy軸上における当該走査エリアC2内の他の点は、その位置に応じてy軸方向に移動される。
具体的には、基準点P2xの2次元位置座標を(a,a)とすると、直線y=a上の任意の点(a,a)は、y軸方向にy=y×(a/a)だけ移動される。また、直線x=a上の任意の点(a,a)は、y軸方向にy=y×(a/a)だけ移動される。従って、直線y=a上の点(a,a)は、y軸方向にy=y×(a/a)=y1×(a/a)×(a/a)だけ移動されることとなる。
図33は、図27のレーザ制御部400における座標変換処理部404の動作の一例を示した図であり、基準点P2xの位置を変更した際に基準面間を補間処理して位置座標の変換処理が行われる様子が示されている。センタ面上の走査エリアC2について、第1象限の基準点P2xの位置をy軸方向の正方向にy1だけ移動させた場合、near面(第1基準面)及びセンタ面間の任意の加工面に対し、near面及びセンタ面上の基準点の位置座標に基づいて補間処理され、加工パターン情報の位置座標が当該加工面上の位置座標に変換される。ここで、加工面は、各基準面に平行な平面であり、例えば、ユーザにより指定されるものとする。
この補間処理は、図32に示した2次元平面上における座標変換を3次元空間上に拡張させたものである。
同様に、センタ面及びfar面(第3基準面)間の任意の加工面に対し、センタ面及びfar面上の基準点の位置座標に基づいて補間処理され、加工パターン情報の位置座標が当該加工面上の位置座標に変換される。
図34は、図27のレーザ加工装置における動作の一例を示した図であり、レーザ出力部1の加工基準面Cに対して相対的に加工面Aが傾斜しているワークWに対するレーザ光Lの照射の様子が示されている。加工基準面C上で加工面Aの最大傾斜の方向に長さLの線分を加工面A上に印字する場合、加工基準面Cに対する加工面Aの傾斜角をθとして、加工面A上では、長さL×(1/cosθ)の線分として印字される。このため、加工基準面C上で指定した加工パターンと、実際に印字される加工パターンとが形状やサイズにずれが生じることとなる。
本実施の形態では、この様な場合に、加工基準面C上の走査エリア内における基準点の位置を変更し、加工パターン情報における位置座標を変換させることにより、上述した様なずれが発生するのを抑制させることができる。
(ユーザインターフェース)
図35は、図27のレーザ加工装置を含むレーザマーキングシステムにおけるコンソール220の動作の一例を示した図であり、ディスプレイ上に表示される表示画面421が示されている。この表示画面421は、レーザマーキングシステムの各種設定を行うための入力画面であり、各種設定画面を表示させるための複数のアイコン422〜430が配置されている。ここでは、この様な表示画面421をコンソールメニュー画面と呼ぶことにする。
具体的には、ハード情報表示アイコン422、稼動情報表示アイコン423、タイミング情報表示アイコン424、レーザ設定情報表示アイコン425、ポインタLD情報表示アイコン426、オフセット及びゲイン情報表示アイコン427、far面情報表示アイコン428a、センタ面情報表示アイコン428b、near面情報表示アイコン428c、通信設定表示アイコン429及び終了アイコン430がメニュー画面内に配置されている。
ハード情報表示アイコン422は、システムに接続されている機器の接続状態を示す設定画面を表示させるためのアイコンである。稼動情報表示アイコン423は、システム内の各機器の稼動状態を示す設定画面を表示させるためのアイコンである。タイミング情報表示アイコン424は、ワーク検出やレーザ照射のタイミングなどの設定画面を表示させるためのアイコンである。
レーザ設定情報表示アイコン425は、レーザ加工装置の設定画面を表示させるためのアイコンである。ポインタLD情報表示アイコン426は、ポインタ用LD(レーザダイオード)の設定画面を表示させるためのアイコンである。オフセット及びゲイン情報表示アイコン427は、各種オフセット量やゲインの設定画面を表示させるためのアイコンである。
far面情報表示アイコン428aは、far面上の基準点の位置の設定画面を表示させるためのアイコンである。センタ面情報表示アイコン428bは、センタ面上の基準点の位置の設定画面を表示させるためのアイコンである。near面情報表示アイコン428cは、near面上の基準点の位置の設定画面を表示させるためのアイコンである。
通信設定表示アイコン429は、システム内の通信の設定画面を表示させるためのアイコンである。終了アイコン430は、このメニュー画面の表示を終了するためのアイコンである。この様なメニュー画面において、far面情報表示アイコン428a、センタ面情報表示アイコン428b又はnear面情報表示アイコン428cを操作すれば、基準点の位置の設定画面を表示させることができる。なお、表示画面421上のクローズボタン431を操作しても、このメニュー画面を終了させることができる。
図36は、図27のレーザ加工装置を含むレーザマーキングシステムにおけるコンソール220の動作の一例を示した図であり、far面上の各基準点の位置の設定画面441が示されている。この設定画面441は、far面上の9つの基準点の位置をそれぞれ変更するための入力画面である。ここでは、予め定められている位置からの変化量を入力するための入力欄442が基準点ごとに設けられている。また、各基準点に対して、位置の変化量は、x軸方向及びy軸方向について個別に独立して指定することができる。
例えば、「far面XpYnX方向オフセット」の入力欄は、far面上の基準点P3xの位置をx軸方向にオフセットさせるための入力欄となっている。
この例では、入力欄442の上下ボタンを操作すると、位置の変化量、すなわち、基準点の位置の差分情報をオフセット量として指定することができる。設定画面441上のクローズボタン444を操作すれば、この設定画面441の表示を終了させることができる。
(走査領域形状)
図37は、図27のレーザ加工装置における動作の一例を示した斜視図であり、fθレンズ13aの光軸Bを中心軸として形成される走査領域の様子が示されている。一般に、加工基準面Cに平行な加工面上におけるレーザ光Lの走査可能な最大エリアは、加工面の高さが高くなるほど、すなわち、fθレンズ13aに近づくほど狭くなる。このため、任意の加工面上におけるレーザ光Lの走査可能な最大エリア(最大走査エリアと呼ぶことにする)により形成される領域は、fθレンズ13aを頂点とする角錐体形状となる。
より詳しくは、レーザ光Lの焦点距離の調整可能な範囲には上限及び下限があることから、上記領域は、near面上の最大走査エリアを上底とし、far面上の最大走査エリアを下底とする角錐台となる。高さの異なるワークWに同一形状かつ同一サイズの加工パターンを印字する場合、最大走査エリアを印字対象に指定すると、加工面の高さによっては、走査されず印字されない部分が生じると考えられる。
これに対し、本実施の形態では、加工基準面を基準する位置情報に基づいて、光軸B方向における加工面の位置が決定され、レーザ光Lの焦点距離が調整される。レーザ光Lは、位置情報に基づいて上記加工面上の走査エリア内で走査される。その際、光軸B方向における加工面の位置にかかわらず、加工面上の走査エリアが同一形状かつ同一サイズのエリアに制限される。つまり、レーザ光Lの走査領域が、焦点距離の調整可能な範囲内で同一形状かつ同一サイズの走査エリアからなる空間領域に制限される。
これにより、加工面の位置がいずれであっても走査可能な同一形状かつ同一サイズのエリアに走査エリアが制限されるので、高さの異なる加工対象物であっても、加工パターンを加工対象物に正しく加工することができる。任意の加工面上における走査エリアにより形成される上記空間領域は、上記角錐体に内接する角柱状体となる。
この様な走査領域は、例えば、near面やfar面において要求される印字品質、解像度などによって決定される。具体的には、レーザ光Lのスポット形状に関し、near面の方が、far面に比べて、中央部に対する端部におけるスポット形状の歪みがより大きいことから、十分な印字品質が得られるエリアとしてnear面上で走査エリアが定められ、このnear面上の走査エリアによって走査領域が規定される。或いは、レーザ光Lの走査ピッチに関し、far面の方が、near面に比べて、中央部に対する端部における走査ピッチの増加量がより大きいことから、十分な解像度が得られるエリアとしてfar面上で走査エリアが定められ、このfar面上の走査エリアによって走査領域が規定される。
図38は、図27のレーザ加工装置を含むレーザマーキングシステムにおけるパーソナルコンピュータの動作の一例を示した図であり、設定画面上における走査エリア301の表示例が示されている。この例では、ユーザが指定する高さの加工面上における最大走査エリアが走査エリア301として表示され、この走査エリア301内に第2の走査エリアを示す矩形の枠301aが表示されている。
上記第2の走査エリアは、各基準面上の走査エリアC1〜C3と同一形状、同一サイズかつ光軸Bに垂直な方向の位置が同一の矩形エリアであり、枠301aの外側のエリアは、加工面の高さによっては印字できない可能性のあるエリアとなっている。この様な枠301aを走査エリア301内に表示させることにより、最大走査エリアを印字対象に指定して印字する場合に、加工面の高さによっては印字できないエリアであることをユーザに認識させることができる。
ここでは、第2の走査エリア外に印字パターンの印字が指定された場合に、この印字パターンの位置が加工面上で最大走査エリア内に存在すれば、印字パターンの印字が行われるものとした。これに対し、枠301aからはみ出して第2の走査エリア外に印字パターンの印字が指定された場合に、加工面の高さにかかわらず、枠301aからはみ出た印字パターンについては印字しないようにしても良い。つまり、いずれの高さの加工対象物にも印字パターンが正しく印字されるように、走査エリアを枠301a内に制限するものであっても良い。
本実施の形態によれば、ワークW上の加工面が加工基準面に対して相対的に傾いている場合であっても、変更前後の基準点の位置座標に基づいて位置座標が適切に変換されるので、加工パターンを正しく加工することができる。また、高さの異なるワークWであっても、同一形状かつ同一サイズの面エリアが走査対象エリアに指定されるので、同一形状かつ同一サイズの加工パターンを加工対象物に正しく加工することができる。
なお、図37及び図38では、fθレンズ13aを頂点とする角錐体形状の走査領域が形成される場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、任意の加工面上において、最大走査エリアの形状が円形であっても良く、この場合には、最大走査エリアにより形成される領域は、fθレンズ13aを頂点とする円錐体形状となる。また、加工基準面間で同一形状、同一サイズかつ光軸Bに垂直な方向の位置が同一の円形エリアを走査エリアとしてレーザ光Lを走査させる場合、任意の加工面上における走査エリアにより形成される領域は、上記円錐体に内接する円柱状体となる。
また、本実施の形態では、加工基準面上の所定エリアに基づいて柱状領域が形成され、レーザ光Lの走査エリアがこの柱状領域内に制限される場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、レーザ光Lの出射点を頂点とする錐体からなる走査領域内に、加工基準面に平行な任意の断面が同一の柱状領域を形成し、レーザ光Lの走査エリアをこの様な柱状領域内に制限するものであれば、他の方法で柱状領域を定めても良い。
具体的には、レーザ光Lの出射点を頂点とする錐体からなる走査領域内に、ビーム径調整部408による焦点距離の調整可能な範囲の上限により規定される光軸Bに垂直な平面上の所定エリアを定め、この所定エリアに基づいてレーザ光Lの走査エリアを、光軸Bに垂直な任意の平面上における同一形状、同一サイズかつ位置が同一のエリア内に制限するものであっても良い。或いは、走査領域内に、ビーム径調整部408による焦点距離の調整可能な範囲の下限により規定される光軸Bに垂直な平面上の所定エリアを定め、この所定エリアに基づいてレーザ光Lの走査エリアを、光軸Bに垂直な任意の平面上における同一形状、同一サイズかつ位置が同一のエリア内に制限するものであっても良い。
また、本実施の形態では、図28に示す線分LkをテストパターンとしてワークW上に印字し、その印字結果に基づいて基準点のずれが判断される場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、テストパターンが予め印字されている用紙をワークW上に配置し、この用紙上にガイド光Gを照射して基準点のずれを判断するようなものであっても良い。
なお、本明細書中における「錐体」は、2次元走査によって実現される空間を意味している。従って、焦点距離の最大値が一定であるとすれば、その底面は球面の一部分になっている。この場合、中心軸を通る断面は扇形となる。
本実施の形態によるレーザ加工装置の主な特徴をまとめると、第1に、レーザ加工装置におけるレーザ光の出射点に基づいて予め定められる加工基準面を基準とする位置情報に基づいて、上記レーザ光の焦点距離を調整して加工対象物の3次元加工面にレーザ加工を行うレーザ加工装置であって、上記加工基準面上に設けられる3以上の基準点の位置情報を記憶する基準点記憶手段と、上記レーザ光を上記加工基準面上で走査させ、上記各基準点のいずれか2つを上記加工対象物上に表示する走査制御手段と、上記走査制御手段により表示された基準点、及び、当該基準点に対応する上記加工基準面上の基準点間における位置の差分情報を指定する差分情報指定手段により指定された差分情報に基づいて、上記各基準点の位置情報を上記加工基準面内で変更する基準位置変更手段と、上記基準位置変更手段による変更後の基準点の位置情報及び変更前の基準点の位置情報に基づいて、上記レーザ光の照射位置が規定された加工パターンにおける照射位置情報を変換する照射位置情報変換手段とを備えている。
第2に、上記レーザ光の焦点距離を制御する焦点距離制御手段を備え、上記基準点記憶手段には、上記出射点との距離を異ならせて定められる2以上の上記加工基準面のそれぞれに対応付けて設けられる上記基準点の位置座標が記憶され、上記照射位置情報変換手段が、上記加工基準面間の位置座標を補間処理して上記加工パターンにおける照射位置座標を変換し、上記照射位置情報変換手段による変換後の加工パターンの照射位置座標に基づいて、上記走査制御手段がレーザ光を走査させ、上記焦点距離制御手段がレーザ光の焦点距離を制御する。
第3に、上記走査制御手段が、上記加工基準面上の4つの上記基準点を頂点とする矩形エリアであって、上記加工基準面間で同一形状、同一サイズかつ加工基準面に平行な方向の位置が同一の矩形エリアを走査対象とする最大エリアとして上記レーザ光を走査させる。
第4に、上記走査制御手段が、上記加工基準面上の4つの上記基準点を頂点とする矩形エリアを走査可能な最大エリアとして上記レーザ光を走査させる。
第5に、上記走査制御手段が、上記加工基準面上の3つの上記基準点を円周上の点とする円形エリアであって、上記加工基準面間で同一形状、同一サイズかつ加工基準面に平行な方向の位置が同一の円形エリアを走査対象とする最大エリアとして上記レーザ光を走査させる。
第6に、上記走査制御手段が、上記加工基準面上の3つの上記基準点を円周上の点とする円形エリアを走査可能な最大エリアとして上記レーザ光を走査させる。
第7に、レーザ光の出射点を頂点とする錐体からなる走査領域内でレーザスポットを移動させるレーザ加工装置であって、上記レーザ光を加工基準面に平行な平面上で走査させる2次元走査手段と、上記レーザ光の焦点距離を調整する焦点距離調整手段と、上記走査領域内に、上記加工基準面に平行な任意の断面が同一の柱状領域を形成し、上記レーザ光の走査エリアを上記柱状領域内に制限する走査エリア制限手段とを備える。
第8に、レーザ加工装置におけるレーザ光の出射点に基づいて予め定められる加工基準面を基準とする位置情報に基づいて、上記レーザ光の焦点距離を調整して加工対象物の3次元加工面にレーザ加工を行うレーザ加工装置であって、上記出射点を頂点とする錐体からなる走査領域内でレーザスポットを移動させるレーザ加工装置であり、上記レーザ光を上記加工基準面に平行な平面上で走査させる2次元走査手段と、上記レーザ光の焦点距離を調整する焦点距離調整手段と、上記走査領域内に定められる上記加工基準面上の所定エリアに基づいて、上記レーザ光の走査エリアを制限する走査エリア制限手段とを備え、上記走査エリア制限手段が、上記加工基準面に平行な任意の平面上における上記レーザ光の走査エリアを上記所定エリアと同一形状、同一サイズかつ位置が同一のエリア内に制限する。
第9に、上記加工基準面が、上記焦点距離調整手段による焦点距離の調整可能な範囲の上限及び下限のいずれかにより規定され、上記走査エリア制限手段が、上記所定エリアを端面とする柱状領域内に走査エリアを制限する。
第10に、レーザ光の焦点距離を調整して加工対象物の3次元加工面にレーザ加工を行うレーザ加工装置であって、上記レーザ光を光軸に垂直な平面上で走査させる2次元走査手段と、上記レーザ光の焦点距離を調整して焦点位置を上記光軸方向に変更し、上記レーザ光の出射点を頂点とする錐体からなる走査領域内でレーザスポットを移動させる焦点距離調整手段と、上記走査領域内に、上記焦点距離調整手段による焦点距離の調整可能な範囲の上限により規定される上記光軸に垂直な平面上の所定エリアを定め、上記所定エリアに基づいて上記レーザ光の走査エリアを制限する走査エリア制限手段とを備え、上記走査エリア制限手段が、上記光軸に垂直な任意の平面上における上記レーザ光の走査エリアを同一形状、同一サイズかつ位置が同一のエリア内に制限する。
第11に、レーザ光の焦点距離を調整して加工対象物の3次元加工面にレーザ加工を行うレーザ加工装置であって、上記レーザ光を光軸に垂直な平面上で走査させる2次元走査手段と、上記レーザ光の焦点距離を調整して焦点位置を上記光軸方向に変更し、上記レーザ光の出射点を頂点とする錐体からなる走査領域内でレーザスポットを移動させる焦点距離調整手段と、上記走査領域内に、上記焦点距離調整手段による焦点距離の調整可能な範囲の下限により規定される上記光軸に垂直な平面上の所定エリアを定め、上記所定エリアに基づいて上記レーザ光の走査エリアを制限する走査エリア制限手段とを備え、上記走査エリア制限手段が、上記光軸に垂直な任意の平面上における上記レーザ光の走査エリアを同一形状、同一サイズかつ位置が同一のエリア内に制限する。
本発明の実施の形態1によるレーザ加工装置100の一構成例を示したブロック図である。 励起光発生部23の内部の一例を示した斜視図である。 レーザ発振部10の一構成例を示した図である。 ビームエキスパンダ11の一構成例を示した図である。 走査部12の一構成例を示した斜視図である。 ビームエキスパンダ11を用いたZ軸方向のスキャン動作に関する説明図である。 ビームエキスパンダ11を用いたZ軸方向のスキャン動作に関する説明図である。 ディスタンスポインタについての説明図であり、レーザ加工装置100の光学系を示した斜視図である。 ディスタンスポインタについての説明図であり、図8を逆方向から見た斜視図である。 ディスタンスポインタについての説明図であり、集光レンズ13の光軸を含む切断面による断面図である。 ディスタンスポインタの一例を示した図である。 図1のレーザ加工装置100を含むレーザマーキングシステムの構成例を示したブロック図である。 図12のレーザ加工装置100におけるレーザ制御部2の構成例を示したブロック図である。 図12のレーザ加工装置100における動作の一例を示した斜視図であり、fθレンズ13aの光軸Bに垂直な加工基準面Cの様子が示されている。 図14のレーザ制御部2における加工パターン変更処理部117の構成例を示した図である。 図12のレーザ加工装置100における動作の一例を示した図であり、Z値選択モード時における高さ方向のオフセット調整の様子が示されている。 図12のレーザ加工装置100におけるZ値選択モード時の動作の一例を示したフローチャートである。 図12のレーザ加工装置100におけるストローブモード時の動作の一例を示したフローチャートである。 図12のレーザ加工装置100におけるリアル動作モード時の動作の一例を示した斜視図であり、位置を異ならせながら印字が行われる様子が示されている。 図12のレーザ加工装置100におけるリアル動作モード時の動作の一例を示したフローチャートである。 図12のレーザ加工装置100におけるリアル動作モード時の動作の他の一例を示した斜視図である。 図12のレーザ加工装置100におけるリアル動作モード時の動作の他の一例を示したフローチャートである。 図13のレーザ制御部2の他の構成例を示した図であり、加算器122及び123からなる加工パターン変更処理部117aが示されている。 図12のレーザマーキングシステムにおけるパーソナルコンピュータ210の動作の一例を示した図であり、ディスプレイ上の表示画面300が示されている。 図12のレーザマーキングシステムにおけるパーソナルコンピュータ210の動作の一例を示した図であり、ライン設定画面310が示されている。 図12のレーザマーキングシステムにおけるパーソナルコンピュータ210の動作の一例を示した図であり、プルダウンメニュー312bが示されている。 本発明の実施の形態2によるレーザ加工装置の要部における構成例を示したブロック図であり、レーザ制御部400が示されている。 図27のレーザ加工装置における動作の一例を示した斜視図であり、各基準面上の走査エリアC1〜C3の様子が示されている。 図28の各走査エリアC1〜C3内に配置される基準点Pk及び2つの基準点を結ぶ線分Lkを示した平面図である。 図27のレーザ加工装置における動作の一例を示した図であり、第k基準面上の各基準点Pkに対して位置の変更可能な方向が示されている。 図27のレーザ制御部400における基準位置変更処理部402の構成例を示した図である。 図27のレーザ制御部400における座標変換処理部404の動作の一例を示した図であり、基準点P2xの位置の座標変換の様子が示されている。 図27のレーザ制御部400における座標変換処理部404の動作の一例を示した図であり、基準面間の補間処理の様子が示されている。 図27のレーザ加工装置における動作の一例を示した図であり、加工基準面Cに対して加工面Aが傾斜しているワークWに対するレーザ照射の様子が示されている。 図27のレーザ加工装置を含むレーザマーキングシステムにおけるコンソール220の動作の一例を示した図であり、表示画面421が示されている。 図27のレーザ加工装置を含むレーザマーキングシステムにおけるコンソール220の動作の一例を示した図であり、基準点の設定画面441が示されている。 図27のレーザ加工装置における動作の一例を示した斜視図であり、fθレンズ13aの光軸Bを中心軸として形成される走査領域の様子が示されている。 図27のレーザ加工装置を含むレーザマーキングシステムにおけるパーソナルコンピュータの動作の一例を示した図であり、走査エリア301が示されている。
符号の説明
1 レーザ出力部
2 レーザ制御部
3 入力部
11 ビームエキスパンダ
12 走査部
13 集光部
13a fθレンズ
14a X軸スキャナ
14b Y軸スキャナ
16 スキャナ駆動回路
21 メモリ部
22 制御部
23 励起光発生部
24 電源
32 レーザ媒質
100 レーザ加工装置
101 ワークセンサ
102 高さ測定器
111 識別情報取得部
112 高さ情報記憶部
115 オフセット指定生成部
116 加工パターン記憶部
117,117a 加工パターン変更処理部
118 変更後パターン記憶部
119 ビーム径調整部
120 走査制御部
121〜123 加算器
200 外部機器
210 パーソナルコンピュータ
220 コンソール
230 PLC
400 レーザ制御部
401 基準点記憶部
402 基準位置変更処理部
403 変更後基準点記憶部
404 座標変換処理部
405 加工パターン記憶部
406 変更後パターン記憶部
407 走査制御部
408 ビーム径調整部


Claims (12)

  1. レーザ加工装置におけるレーザ光の出射点に基づいて加工基準面が予め定められ、この加工基準面を基準とする位置情報に基づいてレーザ加工を行うレーザ加工装置において、
    加工対象物を検出する対象物検出手段による検出結果に基づいて、上記加工基準面に対する加工面のオフセット量を指定するオフセット量指定手段と、
    上記オフセット量指定手段により指定されたオフセット量に基づいて、上記位置情報を変更する位置情報変更手段と、
    上記位置情報変更手段により変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光を走査させる走査制御手段と、
    上記位置情報変更手段により変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光の焦点距離を制御する焦点距離制御手段とを備えたことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 2以上の上記加工対象物のそれぞれに設けられた識別情報に対応付けて、上記加工基準面に対する高さ情報を記憶する高さ情報記憶手段と、
    外部機器から上記識別情報を取得する識別情報取得手段とを備え、
    上記オフセット量指定手段が、上記識別情報取得手段により取得された識別情報に基づいて上記高さ情報を読み出し、読み出した高さ情報に基づいてオフセット量を指定することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 上記オフセット量指定手段が、上記加工対象物の高さを測定する高さ測定手段による高さの測定結果に基づいて、オフセット量を指定することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  4. 上記オフセット量指定手段が、同一の加工対象物に対して加工対象物の移動方向に位置を異ならせて2回以上測定される高さの測定ごとにオフセット量を指定することを特徴とする請求項3に記載のレーザ加工装置。
  5. 上記オフセット量指定手段が、同一の加工対象物に対して加工対象物の移動方向と交差する方向に位置を異ならせて2回以上測定される高さの測定ごとにオフセット量を指定することを特徴とする請求項3に記載のレーザ加工装置。
  6. レーザ加工装置におけるレーザ光の出射点に基づいて加工基準面が予め定められ、この加工基準面を基準とする位置情報に基づいてレーザ加工を行うレーザ加工装置において、
    上記加工基準面に対する加工対象物の高さ情報を取得する高さ情報取得手段と、
    上記高さ情報取得手段により取得された高さ情報に基づいて、上記加工基準面に対する加工面のオフセット量を指定するオフセット量指定手段と、
    上記オフセット量指定手段により指定されたオフセット量に基づいて、上記位置情報を変更する位置情報変更手段と、
    上記位置情報変更手段により変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光を走査させる走査制御手段と、
    上記位置情報変更手段により変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光の焦点距離を制御する焦点距離制御手段とを備えたことを特徴とするレーザ加工装置。
  7. 上記加工対象物の識別情報に対応付けて2以上の高さ情報を記憶する高さ情報記憶手段を備え、
    上記高さ情報取得手段が、上記高さ情報記憶手段から高さ情報を取得することを特徴とする請求項6に記載のレーザ加工装置。
  8. 上記オフセット量指定手段は、上記高さ情報取得手段が高さ情報を取得するごとに、オフセット量を指定し、
    上記位置情報変更手段が、上記走査制御手段によるレーザ光の走査中に位置情報の変更を行うことを特徴とする請求項6に記載のレーザ加工装置。
  9. レーザ加工装置におけるレーザ光の出射点に基づいて予め定められる加工基準面を基準とする位置情報に基づいて行われる3次元レーザ加工における高さ方向のオフセット調整方法であって、
    加工対象物を検出する対象物検出ステップと、
    上記対象物検出ステップにおける検出結果に基づいて、上記加工基準面に対する加工面のオフセット量を指定するオフセット量指定ステップと、
    上記オフセット量指定ステップにおいて指定されたオフセット量に基づいて、上記位置情報を変更する位置情報変更ステップと、
    上記位置情報変更ステップにおいて変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光を走査させる走査制御ステップと、
    上記位置情報変更ステップにおいて変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光の焦点距離を制御する焦点距離制御ステップとからなることを特徴とする3次元レーザ加工における高さ方向のオフセット調整方法。
  10. レーザ加工装置におけるレーザ光の出射点に基づいて予め定められる加工基準面を基準とする位置情報に基づいて行われる3次元レーザ加工における高さ方向のオフセット調整方法であって、
    上記加工基準面に対する加工対象物の高さ情報を取得する高さ情報取得ステップと、
    上記高さ情報取得ステップにおいて取得された高さ情報に基づいて、上記加工基準面に対する加工面のオフセット量を指定するオフセット量指定ステップと、
    上記オフセット量指定ステップにおいて指定されたオフセット量に基づいて、上記位置情報を変更する位置情報変更ステップと、
    上記位置情報変更ステップにおいて変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光を走査させる走査制御ステップと、
    上記位置情報変更ステップにおいて変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光の焦点距離を制御する焦点距離制御ステップとからなることを特徴とする3次元レーザ加工における高さ方向のオフセット調整方法。
  11. レーザ加工装置におけるレーザ光の出射点に基づいて予め定められる加工基準面を基準とする位置情報に基づいてレーザ加工を行うレーザ加工装置の制御プログラムであって、
    加工対象物を検出する対象物検出手順と、
    上記対象物検出手順における検出結果に基づいて、上記加工基準面に対する加工面のオフセット量を指定するオフセット量指定手順と、
    上記オフセット量指定手順において指定されたオフセット量に基づいて、上記位置情報を変更する位置情報変更手順と、
    上記位置情報変更手順において変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光を走査させる走査制御手順と、
    上記位置情報変更手順において変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光の焦点距離を制御する焦点距離制御手順とをレーザ加工装置に実行させることを特徴とするレーザ加工装置の制御プログラム。
  12. レーザ加工装置におけるレーザ光の出射点に基づいて予め定められる加工基準面を基準とする位置情報に基づいてレーザ加工を行うレーザ加工装置の制御プログラムであって、
    上記加工基準面に対する加工対象物の高さ情報を取得する高さ情報取得手順と、
    上記高さ情報取得手順において取得された高さ情報に基づいて、上記加工基準面に対する加工面のオフセット量を指定するオフセット量指定手順と、
    上記オフセット量指定手順において指定されたオフセット量に基づいて、上記位置情報を変更する位置情報変更手順と、
    上記位置情報変更手順において変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光を走査させる走査制御手順と、
    上記位置情報変更手順において変更された位置情報に基づいて、上記レーザ光の焦点距離を制御する焦点距離制御手順とをレーザ加工装置に実行させることを特徴とするレーザ加工装置の制御プログラム。

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